JP4507277B2 - パターン形成方法 - Google Patents
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Description
一方、電界発光を利用したEL素子は、自己発光型であるため視認性が高く、かつ完全固体素子であって、耐衝撃性に優れるなどの特徴を有することから、各種表示装置における発光素子としての利用が図られている。
このEL素子には、発光材料に無機化合物を用いてなる無機EL素子と有機化合物を用いてなる有機EL素子とがある。このうち、有機EL素子は、印加電圧を大幅に低くしうる上、小型化が容易であって、消費電力が小さく、面発光が可能であり、かつ三原色発光も容易であることから、次世代の発光素子としてその実用化研究が積極的になされている。
図1は、TFT素子を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置に使用されるTFTアレイ基板の1例の構成を示す断面図である。
透明絶縁性基板1上に、Mo/Al/Ndなどで構成されるゲート電極2が設けられ、その上にSiNxなどから構成されるゲート絶縁膜3を介して、アクティブ層(アモルファスシリコンやポリシリコンなどから構成される半導体スイッチ層)4が設けられている。このアクティブ層4に接してS/D層(Moなどで構成される画素電極に電圧をかける配線層)5が設けられ、その上にPAS層(SiNxなどから構成される絶縁層)6が設けられている。
このPAS層6には、ホール8が形成され、その上からITO(錫ドープ酸化インジウム)をスパッタリングすることにより、S/D層5と導通してなるPixel層(液晶分子を制御する画素電極層)7が設けられている。
この4マスクプロセスとしては、例えば樹脂と感光成分とを含有する感光性レジスト組成物を基板に塗布して形成されたレジスト膜に、半透過膜部分を有するマスクや露光装置の解像限界以下の大きさのスリットやメッシュのある部分を有するマスクのようなハーフトーンマスクを用いた露光と、現像処理とを施すことにより基板上にレジストパターンを形成し、次いでウェットエッチング(又はドライエッチング)、ドライエッチング、ウェットエッチング(又はドライエッチング)及びレジストパターンの剥離処理を順次施す工程を含むプロセスなどを挙げることができる。
このような4マスクプロセスにおいては、マスクのハーフトーン部に対応するレジストパターン(以下、ハーフトーンパターンという)部の膜厚に関する露光マージン(以下、残膜厚露光マージンという)が広いこと、すなわち露光量の変動に対する残膜厚の変化(残膜率)のばらつきが小さいことが望ましい。ハーフトーンパターン部分の残膜率のばらつきが大きいと、ドライエッチング処理後の中央開口部での線幅のばらつきが大きくなり、酷い場合にはドライエッチング処理後でも、中央部が開口しなくなることが生じる。この中央開口部の線幅のばらつきは、TFT素子特性のばらつきにつながることになるため、製品の歩留り(生産性)に影響を与える。
一般的なノボラック型樹脂を用いたレジストでは、ドライエッチング耐性が不十分である。そこで、レジストを架橋させる工程を加えることで、ドライエッチング耐性を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この方法は、工程が増える方法であり、生産性の低下を招くものである。
すなわち、本発明は、
(1)(a)(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)キノンジアジド基含有化合物及び(C)溶剤を含む感光性レジスト組成物を基材に塗布してレジスト膜を形成する工程、
(b)前記レジスト膜をハーフトーン部が存在するマスクを通して露光する工程、
(c)露光後のレジスト膜に現像液を接触させて現像する工程、
を含むレジストパターン形成方法において、
前記(a)工程で用いる感光性レジスト組成物の(A)成分であるアルカリ可溶性樹脂が、ナフトールを含むフェノール化合物とアルデヒド類とを縮合反応させることにより得られるノボラック型樹脂であることを特徴とするパターン形成方法、
(2)(a)工程で用いる感光性レジスト組成物の(C)成分である溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを主成分とするものである上記(1)項に記載のパターン形成方法、及び
(3)(a)工程で用いる基材が、TFTアレイ製造用の基板である上記(1)又は(2)項に記載のパターン形成方法、
を提供するものである。
まず、前記(a)工程で用いる感光性レジスト組成物について説明する。
当該感光性レジスト組成物としては、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)キノンジアジド基含有化合物及び(C)溶剤を含む組成物が用いられる。
ここで、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂は、ナフトールを用いて得られるノボラック型樹脂(ナフトールノボラック型樹脂)である。このような樹脂は、例えば1−ナフトール及び/又は2−ナフトールを含むフェノール化合物とアルデヒド類又はケトン類とを縮合反応させることにより得られる。
前記フェノール化合物は、1−ナフトールや2−ナフトール以外のフェノール化合物、例えばフェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール、3,5−キシレノール、2,5−キシレノール、2,3−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3−ジメトキシフェノール、2,5−ジメトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、3−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、2,3,5−トリエチルフェノール、3,5−ジエチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、3−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール、2−フェニルフェノール、3−フェニルフェノール、4−フェニルフェノールなどの一価フェノール;レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、カテコール、4−tert−ブチルカテコール、3−メトキシカテコール、2−メトキシレゾルシノール、4−メトキシレゾルシノール、ビスフェノールA、フロログリシノールなどの多価フェノールなどを含むことができる。1−ナフトールや2−ナフトール以外のフェノール化合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ナフトールノボラック型樹脂は、常法により、例えばフェノール化合物とアルデヒド類又はケトン類とを塩酸やシュウ酸などの酸性触媒存在下で反応させることにより得ることができる。
ビスヒドロキシメチル化フェノール化合物は、例えばo−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2−,3−又は4−フェニルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−エチルフェノール、p−プロピルフェノール、p−ブチルフェノール、p−ノニルフェノール、ブロモフェノール、フルオロフェノール、クロロフェノール、トリメチルシリルフェノール、クロロメチルフェノール、アシル化フェノール、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ニトロフェノールなどのフェノール化合物とホルムアルデヒドとを、塩基性触媒の存在下で反応させて得ることができる。
1−ナフトール及び/又は2−ナフトールと前記ビスヒドロキシメチル化フェノール化合物との縮合反応は、酸性触媒の存在下に行うことが好ましい。
本発明においては、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該感光性レジスト組成物において、(B)成分として用いられるキノンジアジド基含有化合物については特に制限はなく、従来キノンジアジド−フェノールノボラック系レジストで用いられている公知の感光剤を用いることができる。当該キノンジアジド基含有化合物は、一般にナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライドなどの酸ハライドと、これと縮合反応可能な官能基を有する低分子化合物または高分子化合物とを反応させることによって得られる化合物が好ましいものである。ここで酸ハライドと縮合可能な官能基としては水酸基、アミノ基等が挙げられ、水酸基が好適である。
ポリフェノール類として、特にトリ又はテトラヒドロキシベンゾフェノン類を用いて得られたキノンジアジドスルホン酸エステルは、良好な感度と解像性を与えるので好適である。
これらのキノンジアジドスルホン酸ハライドと前記ポリフェノール類から得られるエステル(以下、単に「エステル」ということがある。)の製造方法は特に制限されないが、常法に従ってキノンジアジドスルホン酸ハライド(好ましくはナフトキノンジアジドスルホン酸クロライド)を、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中で、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基、又は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピリジン、ジシクロヘキシルアミン等の有機塩基の存在下、ポリフェノール類と反応させることにより得ることができる。
本発明で用いられるキノンジアジド基含有化合物(B)がエステルである場合において、これらのポリフェノール類の水酸基のキノンジアジドスルホン酸エステル化された水酸基の割合(平均エステル化率)は、反応時に用いるポリフェノール類の水酸基の当量数とキノンジアジドスルホン酸ハライドのモル数から算出される値であり、通常60%以上、好ましくは65%以上であって、上限は通常100%、好ましくは90%である。この平均エステル化率が60%以上であれば、パターン形状や解像性を向上させることができる。
本発明においては、キノンジアジド基含有化合物(B)として、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル化合物及び/又は1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル化合物が好適である。
この(B)成分のキノンジアジド基含有化合物の含有量は、前記(A)成分のアルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、通常5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部の範囲である。(B)成分の含有量が上記範囲内であれば、実効感度と残膜率、解像性などのレジスト特性のバランスに優れる感光性レジスト組成物が得られる。
また、当該感光性レジスト組成物には、解像性、残膜率を向上させるための補助剤として、イソシアヌレート系化合物を配合することもできる。このイソシアヌレート系化合物としては、例えば1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジエチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートなどを挙げることができる。
当該感光性レジスト組成物には、さらに必要に応じて相溶性のある添加物、例えばレジスト膜の性能などを改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤、界面活性剤などの慣用成分を添加することができる。
具体的には、シリコンウエハ、ガラス基板、その他絶縁性基板;内層基板;樹脂フィルムや金属箔のような支持体;などの基材表面に、当該感光性レジスト組成物を、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法などの各種の方法により塗布する。次いで、この塗膜をプリベイク(Pre−Bake)して流動性のないレジスト膜を得る。上記プリベイクは、通常60〜120℃で、10〜600秒間程度加熱処理することにより行われる。
この(a)工程で用いる基材としては、TFTアレイ製造用の基板が好適である。
次に、(b)工程において、前記(a)工程で得られたレジスト膜に、ハーフトーン部を有するマスクを通して、活性光線を照射し、露光を行う。活性光線としては、紫外線、deep−UV、エキシマレーザー光などが挙げられ、これらの中でも紫外線が好ましい。
さらに、(c)工程において、基材上の潜像パターンを有するレジスト膜と現像液とを接触させることで、潜像パターンを顕在化(現像)し、レジストパターンを形成する。なお、現像前に、必要に応じて加熱(PEB処理:Post Exposure Bake)を行うことができる。PEB処理を行うことにより、現像液に溶解し除去されるべき不要なレジスト成分などの現像残渣を減らすことができる。
ここで、「ハーフトーン部を有するマスク」とは、全遮光領域と全透過領域と半遮光領域とを有するフォトマスクであり、具体的には、光線透過性の比較的低い材料で形成された半透過膜部分を有するマスクや、露光装置の解像限界以下の大きさのスリットやメッシュのある部分を有するマスクなどである。このようなマスクを用いることにより、レジスト膜に照射される光線を部分的に制限することができ、これによって、次の(c)工程で得るレジストパターンとして、全遮光領域や、全露光領域に対応するレジストパターンとは、異なる膜厚のレジストパターン(すなわち、ハーフトーンパターン)部を形成することができる。
アルカリ水溶液に、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加したものを現像液として用いることもできる。現像時間は、通常30〜180秒間である。また現像液と潜像パターンを有するレジスト膜との接触方法としては、例えば、パドル法、スプレー法、ディッピング法などによればよい。また、現像温度は、通常15〜35℃、好ましくは20〜30℃である。
このようにして基材上に形成されたレジストパターンは、必要に応じ、適当な温度でポストベイク処理することができる。ポストベイクの方法に格別な制限はなく、オーブンやホットプレートを用いるのが一般的であり、処理温度の均一性からホットプレートを用いるのが好ましい。
このような本発明のパターン形成方法は、ハーフトーンパターン部での残膜厚露光マージンが広く、かつドライエッチング耐性が高いレジストパターンを形成することができ、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどに使用されるTFTアレイ基板の製造における4マスクプロセスに適用することができる。
まず、透明絶縁性基板21上に、Mo/Al/Ndなどで構成されるゲート用金属層22、SiNxなどで構成される絶縁膜23、アモルファスシリコンやポリシリコンなどで構成されるアクティブ層24及びMoなどで構成されるS/D層25が順次設けられたTFTアレイ基板製作用部材を用意する。
この部材のS/D層25上に、本発明に係る感光性レジスト組成物を用いてレジスト膜26を形成したのち、このレジスト膜に、ハーフトーンマスク27を通して紫外線などの活性光線を照射して、露光を行う〔(イ)工程〕。
次に、アルカリ水溶液で現像処理して、レジストパターン26'を形成する〔(ロ工程)〕。なお、符号28はハーフトーンパターン部を示す。次いで、レジストパターン26'をマスクとして、S/D層25をウエットエッチングして25'とし〔(ハ)工程〕、さらにドライエッチングを行い、ハーフトーンパターン26'は26''に、アクティブ層24は24'にする〔(ニ)工程〕。
次に、S/D層25'のうち、チャネル領域に対応する領域のみをウエットエッチングして、25'を25''とする〔(ホ)工程〕。最後に残存レジストパターン26''を剥離する〔(ヘ)工程〕。
なお、ウエットエッチング及びドライエッチングの方法については特に制限はなく、従来TFTアレイ基板の製作に使用されている公知の方法を用いることができる。
製造例1 ナフトールノボラック型樹脂(a−1)の製造
冷却管と撹拌装置を装着したフラスコに、1−ナフトール72.1g、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール84.1g、シュウ酸二水和物5.0g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート150mLを仕込み、95〜100℃に保ちながら2時間反応させた。その後、m−クレゾール108.1g、37重量%ホルマリン48.8gを加え、95〜100℃に保ちながら、2時間反応させた。次いで、100〜105℃で2時間を要して水を蒸発留去し、さらに180℃まで昇温しながら、約0.1kPaまで減圧し、未反応のナフトールやクレゾール及び水を除去したのち、溶融樹脂を室温に冷却して、ナフトールノボラック型樹脂(a−1)195gを得た。
製造例2 ナフトールノボラック型樹脂(a−2)の製造
製造例1において、1−ナフトールの仕込み量を28.8gに変更した以外は、製造例1と同様に実施して、ナフトールノボラック型樹脂(a−2)185gを得た。
製造例3 ナフトールノボラック型樹脂(a−3)の製造
製造例1において、1−ナフトール72.1gを用いる代わりに、2−ナフトール28.8gを用いた以外は、製造例1と同様に実施して、ナフトールノボラック型樹脂(a−3)180gを得た。
製造例4 ナフトールノボラック型樹脂(a−4)の製造
製造例1において、1−ナフトールの仕込み量を14.4gに変更した以外は、製造例1と同様に実施して、ナフトールノボラック型樹脂(a−4)177gを得た。
冷却管と撹拌装置を装着したフラスコに、m−クレゾール108.1g、p−クレゾール54.0g、37重量%ホルマリン82.7g、及びシュウ酸二水和物5.0gを仕込み、95〜100℃に保ちながら、2時間反応させた。その後、100〜105℃で2時間を要して水を蒸発留去し、さらに180℃まで昇温しながら、約0.1kPaまで減圧し、未反応モノマー及び水を除去したのち、溶融樹脂を室温に冷却して、クレゾールノボラック型樹脂(a−5)145gを得た。
製造例6 感光剤(b−1)の製造
ポリヒドロキシ化合物として、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノンと、このOH基の75%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドをジオキサンに溶解して、10重量%の溶液とした。
次いで、20〜25℃に温度を制御しながら、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドの1.2当量分のトリエチルアミンを30分間かけて滴下し、さらに2時間保持して反応を完結させた。析出してきた固形分をろ過し、イオン交換水で洗浄し、次いで乾燥して感光剤(b−1)を得た。
製造例7 感光剤(b−2)の製造
ポリヒドロキシ化合物として、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンを用い、このOH基の67%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドを用いた以外は、製造例6と同様に実施して、感光剤(b−2)を得た。
ナフトールノボラック型樹脂(a−1)50g、感光剤(b−1)12gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート167gに溶解したのち、この溶液を、ポアサイズ0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターにてろ過し、感光性レジスト組成物を調製した。
上記レジスト溶液をシリコンウエハ上にスピンコーターで塗布したのち、110℃のホットプレートで150秒間プリベークし、膜厚2.0μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜が形成されたシリコンウエハを、ミラープロジェクションマスクアライナー「MPA−600FA」[キヤノン社製]を用いて、図3に示すハーフトーンマスクを介して、露光した。露光量を変えて同様の操作を行うことにより、露光量の異なる複数のウエハを得た。露光後のウエハは、それぞれ2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃、80秒間パドル法により現像処理され、各ウエハ上に図4の断面図で示されるハーフトーンパターンを形成した。
このパターン形成方法について以下の評価を行った。
(1)残膜厚露光マージン評価
ハーフトーンパターンが形成された各ウエハについて、走査型電子顕微鏡(SEM)で膜厚を観察することにより、露光量とハーフトーン部分の残膜厚の関係を求めた。図5に、露光量(横軸)とハーフトーンパターン部の残膜厚(縦軸)との関係をグラフで示す。
残膜厚が0.4μmとなる露光量を中心に、露光量が±10%変化した場合の残膜厚の変化量を、ハーフトーンパターン部の残膜厚露光マージンの指標とした。残膜厚の変化量が少ないレジストほど、露光マージンが広く好ましい。本実施例の感光性レジスト組成物の場合、ハーフトーンパターン部の残膜厚の変化量は0.37μmであった。
上記感光性レジスト組成物をシリコンウエハ上にスピンコーターで塗布したのち、110℃のホットプレートで150秒間プリベークし、膜厚2.0μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜が形成されたシリコンウエハを、平行平板型のRIE(Reactive Ion Etching)装置で、ガス種SF6:50cm3/分(標準状態)+O2:25cm3/分(標準状態)、圧力133Pa、パワー100W、時間180秒の条件でドライエッチング処理した。
処理後のレジスト膜厚を測定し、1分当りのドライエッチング減膜速度を算出した。本実施例のレジスト組成の場合、1分当りのドライエッチング減膜速度は、252nm/分であった。
実施例2〜5及び比較例1、2
第1表に示す種類のノボラック型樹脂及び感光剤を用い、実施例1と同様にして感光性レジスト組成物を調製し、パターンを形成して評価を行った。その結果を第1表に示す。
2 ゲート電極
3 ゲート電極絶縁膜
4 アクティブ層
5 S/D層
6 PAS層
7 Pixel層
8 ホール
21 透明絶縁性基板
22 ゲート用金属層
23 絶縁膜
24、24’ アクティブ層
25、25’、25'' S/D層
26、26’、26'' レジスト層
27 ハーフトーンマスク
28 ハーフトーン部の残膜
Claims (3)
- (a)(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)キノンジアジド基含有化合物及び(C)溶剤を含む感光性レジスト組成物を基材に塗布してレジスト膜を形成する工程、
(b)前記レジスト膜をハーフトーン部が存在するマスクを通して露光する工程、
(c)露光後のレジスト膜に現像液を接触させて現像する工程、
を含むレジストパターン形成方法において、
前記(a)工程で用いる感光性レジスト組成物の(A)成分であるアルカリ可溶性樹脂が、ナフトールを含むフェノール化合物とアルデヒド類とを縮合反応させることにより得られるノボラック型樹脂であることを特徴とするパターン形成方法。 - (a)工程で用いる感光性レジスト組成物の(C)成分である溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを主成分とするものである請求項1に記載のパターン形成方法。
- (a)工程で用いる基材が、TFTアレイ製造用の基板である請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
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