JP4506305B2 - 耐食性希土類系永久磁石およびその製造方法 - Google Patents

耐食性希土類系永久磁石およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、耐食性希土類系永久磁石およびその製造方法に関する。
Nd−Fe−B系永久磁石に代表されるR−Fe−B系永久磁石などの希土類系永久磁石は、高い磁気特性を有していることから、今日、様々な分野で使用されている。しかしながら、希土類系永久磁石は、大気中で酸化腐食されやすい希土類元素:Rを含む。それ故、表面処理を行わずに使用した場合には、わずかな酸やアルカリや水分などの影響によって表面から腐食が進行して錆が発生し、それに伴って、磁気特性の劣化やばらつきを招くことになる。さらに、磁気回路などの装置に組み込んだ磁石に錆が発生した場合、錆が飛散して周辺部品を汚染する恐れがある。そこで、上記の点に鑑み、希土類系永久磁石に耐食性を付与することを目的として、その表面に耐食性被膜としてのAl被膜を真空蒸着法やイオンプレーティング法やスパッタリング法などの気相成長法により形成することが行われている。Al被膜は、耐食性や量産性に優れていることに加え、部品組み込み時に必要とされる接着剤との接着信頼性に優れている(接着剤が本質的に有する破壊強度に達するまでに被膜と接着剤との間で剥離が生じにくい)ので、強い接着強度が要求される希土類系永久磁石に対して広く適用されている。
ところで、近頃、希土類系永久磁石の使用分野は拡大の一途を辿っており、それに伴い、磁石に求められる耐食性は、ますます厳しく多様化したものになってきている。従って、優れた耐食性を有するAl被膜といえども、耐高温高湿性能、耐塩水噴霧性能、耐酸性雨性能などの向上が望まれている。しかしながら、気相成長法で形成したAl被膜は、Alという金属の特性から、その表面が酸化して不動態被膜で覆われているが、Al被膜の表面の不動態被膜が損傷を受けると、そこから磁石の表面に向かって腐食が進行し(孔食)、やがて腐食が磁石の表面に到達してしまうという性質を有する。また、気相成長法で形成したAl被膜は、時として、ドロップレット(溶融粒子)の発生と欠落により、数十μmの広がりで被膜の存在しない部分や薄い部分などの欠陥部分が生じることがあるが、このようなことが起こったAl被膜では、孔食の発生はさらに促進される。今日の技術によって形成されるAl被膜の耐食性は非常に優れているものの、このような腐食は常に起こり得ることから、その解決策を確立しておかなければ、Al被膜の耐食性の向上を図ることはできない。
以上のような問題に対する解決策として、Al被膜の耐食性を補強・補完する方法になり得るものとしては、例えば、特許文献1に記載されている、化成処理反応によりAl被膜の表面改質を行うことができるアルミ−クロメート処理方法がある。しかしながら、この方法は、環境や人体にとって望ましくない六価クロムやフッ素イオンを含む処理液を用い、Al被膜の表面をフッ素イオンでエッチングしながらクロム酸塩被膜を形成するものであるが、形成されたクロム酸塩被膜には処理液中に含まれていた六価クロムが取り込まれていることから、環境や人体に対する悪影響が懸念されるという問題があるとともに、廃液処理が複雑であるという問題がある。よって、この方法は、必ずしも今日において望ましい方法であるとは言えない。また、クロム酸塩被膜は、Al被膜の表面での化成処理反応による反応性被膜であるため、厚膜化を図ることが困難であり、ドロップレットの発生と欠落による欠陥部分に対しては、その部分を封孔して耐食性を補強・補完するといったことが十分にできないという問題がある。従って、アルミ−クロメート処理方法にとってかわることができる、優れた解決策が望まれている。
特公平6−66173号公報
そこで本発明は、優れた接着信頼性を確保したままAl被膜の孔食の発生を抑制してその耐食性の向上が図られた耐食性希土類系永久磁石およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の点に鑑み種々の検討を行った結果、希土類系永久磁石の表面に形成したAl被膜の表面をZnおよび/またはSnによる置換処理をしてから、構成成分としてMg,Ca,Ba,Srから選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸塩を含む、水に難溶乃至不溶の無機物被膜を形成することにより、環境や人体に対して悪影響を及ぼすことなく、優れた接着信頼性を確保したままAl被膜の孔食の発生を抑制してその耐食性の向上を図ることができることを見出した。
上記の知見に基づいてなされた本発明の耐食性希土類系永久磁石は、請求項1記載の通り、焼結磁石の表面に気相成長法によって膜厚が3μm〜25μmであるAl被膜を形成した後、その表面をZnおよび/またはSnによる置換処理をしてから、構成成分としてMg,Ca,Ba,Srから選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸塩を含む、水に難溶乃至不溶の膜厚が0.1μm〜5μm(但し0.1μmを除く)である無機物被膜を形成してなることを特徴とする。
また、請求項2記載の耐食性希土類系永久磁石は、請求項1記載の耐食性希土類系永久磁石において、無機物被膜がさらに構成成分としてMo,V,W,Tiから選ばれる少なくとも1種の金属成分を含んでなることを特徴とする。
また、請求項3記載の耐食性希土類系永久磁石は、請求項1または2記載の耐食性希土類系永久磁石において、Al被膜と無機物被膜の間に、Al被膜の表面のZnおよび/またはSnによる置換処理に基づく置換処理層を有してなることを特徴とする。
また、請求項4記載の耐食性希土類系永久磁石は、請求項3記載の耐食性希土類系永久磁石において、置換処理層が(1)Znおよび/またはSnと(2)Fe,Ni,Co,Cuから選ばれる少なくとも1種の金属成分を含んでなることを特徴とする
た、本発明の耐食性希土類系永久磁石の製造方法は、請求項記載の通り、焼結磁石の表面に気相成長法によって膜厚が3μm〜25μmであるAl被膜を形成した後、その表面をZnおよび/またはSnによる置換処理をしてから、構成成分としてMg,Ca,Ba,Srから選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸塩を含む、水に難溶乃至不溶の膜厚が0.1μm〜5μm(但し0.1μmを除く)である無機物被膜を形成することを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項記載の製造方法において、無機物被膜がさらに構成成分としてMo,V,W,Tiから選ばれる少なくとも1種の金属成分を含んでなることを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項または記載の製造方法において、Al被膜の表面に、Znおよび/またはSnによる置換処理に基づく層厚が0.05μm〜5μmの置換処理層を形成してから、その表面に、無機物被膜を形成することを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項記載の製造方法において、置換処理層が(1)Znおよび/またはSnと(2)Fe,Ni,Co,Cuから選ばれる少なくとも1種の金属成分を含んでなることを特徴とする。
本発明によれば、優れた接着信頼性を確保したままAl被膜の孔食の発生を抑制してその耐食性の向上が図られた耐食性希土類系永久磁石およびその製造方法を提供することができる。
本発明の耐食性希土類系永久磁石の製造方法において、磁石の表面へのAl被膜の形成は、どのような方法で行ってもよいが、希土類系永久磁石とAl被膜の双方が酸化腐食されやすい性質を有することに鑑みれば、気相成長法により行うことが望ましい。気相成長法としては、真空蒸着法やイオンプレーティング法やスパッタリング法などが挙げられるが、形成される被膜の緻密性や膜厚均一性、被膜形成速度などに鑑みれば、真空蒸着法またはイオンプレーティング法を採用することが望ましい。Al被膜の形成条件は、採用する方法における一般的な条件に従ったものでよい。なお、Al被膜を形成する前に、磁石の表面に対し、洗浄、脱脂、スパッタリングなどの公知の清浄化処理を施してもよいことは言うまでもない。Al被膜の膜厚は3μm〜25μmが望ましく、5μm〜20μmがより望ましい。膜厚が3μmを下回ると、次に行うAl被膜の表面のZnおよび/またはSnによる置換処理の際、Al被膜が溶解してしまうことで、Al被膜の耐食性の向上を図ることができなくなる恐れがある一方、膜厚が25μmを上回ると、Al被膜を形成するのに長時間を費やすことになることで生産性に劣る恐れがある他、磁石の有効体積の確保が困難になる恐れがある。なお、Al被膜は、Alを主体とするCuやMgなどとの合金被膜であってもよい。また、混入不可避な金属を不純物として含んでいてもよい。
Al被膜の表面のZnおよび/またはSnによる置換処理は、公知の亜鉛置換処理や錫置換処理や錫・亜鉛置換処理などであってよい。Znおよび/またはSnによる置換処理に用いる処理液としては、Znイオンおよび/またはSnイオンを含み、水酸化ナトリウムなどのアルカリでpHを11〜14に調整したものが挙げられる。処理液には、Al被膜の表面の被覆性を向上させるために、Feイオン、Niイオン、Coイオン、Cuイオンから選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含ませてもよい。このような処理液の調製は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液に、酸化亜鉛および/または酸化錫、さらに、塩化第二鉄、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸銅から選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解することで行えばよい(このような処理液は市販もされている:例えば上村工業社製の商品名AZ301やAZ401など)。処理液中のこれらの金属イオンの濃度は、Al被膜の表面での置換反応を均一に起こすためには、総金属イオン濃度として1g/L〜150g/Lが望ましく、5g/L〜100g/Lがより望ましい。なお、処理液には、その安定化を図ることなどを目的として各種の添加剤を添加してもよい。
Al被膜の表面のZnおよび/またはSnによる置換処理は、例えば、上記の(1)Znイオンおよび/またはSnイオンと(2)Feイオン、Niイオン、Coイオン、Cuイオンから選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含む処理液に、磁石の表面にAl被膜を形成した希土類系永久磁石を浸漬することで行えばよい。こうすることで、Al被膜の表面に形成されている不動態被膜を剥離し、新たに露出させた活性な表面に金属イオンを置換析出させ、(1)Znおよび/またはSnと(2)Fe,Ni,Co,Cuから選ばれる少なくとも1種の金属成分を含んでなる置換処理層を形成する。この際、処理液の温度は、室温〜50℃とすることが望ましい。処理液の温度が室温を下回ると、Al被膜の表面での置換反応を均一に起こすことが困難になる恐れがある一方、処理液の温度が50℃を上回ると、置換反応が過激に起こることで均一な置換処理層を形成することが困難になる恐れがある。また、処理時間は5秒〜300秒とすることが望ましい。処理時間が5秒を下回ると、置換処理層が十分に形成されない恐れがある一方、処理時間が300秒を上回ると、Al被膜の溶解が進行し、場合によっては磁石の表面が露出することで磁石の腐食が起こったり、均一な置換処理層を形成することが困難になったりする恐れがある。こうして形成される置換処理層は、形成された置換処理層の表面にさらに置換処理層を構成する成分が析出することができるので、クロム酸塩被膜と異なって厚層化を図ることができることから、Al被膜にドロップレットの発生と欠落による欠陥部分が存在しても、その部分に対する封孔効果に優れる。なお、Al被膜の表面のZnおよび/またはSnによる置換処理を行う前に、Al被膜の表面に対し、洗浄、脱脂、スパッタリングなどの公知の清浄化処理を施してもよいことは言うまでもない。また、Al被膜の表面をエタノールなどの有機溶剤を用いて脱脂した後、リン酸ナトリウムや炭酸ナトリウムと界面活性剤を含むアルカリ溶液で脱脂し、さらに、リン酸ナトリウムと炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを含むアルカリ溶液でエッチングしてから、硝酸水溶液や硫酸水溶液に浸漬してスマット除去を行ってもよい。また、いったん形成した置換処理層の表面を硝酸で軽くエッチングした後、再度、置換処理層を形成するようにすれば、Al被膜の表面により均一な置換処理層を形成することができる。
こうして形成される置換処理層の層厚は、0.05μm〜5μmであることが望ましい。層厚が0.05μmを下回ると、次の工程で、希土類系永久磁石の表面に形成したAl被膜の表面に、密着性に優れた、構成成分としてMg,Ca,Ba,Srから選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸塩を含む、水に難溶乃至不溶の無機物被膜を形成することが困難になる恐れや、Al被膜に微小なピンホールが存在する場合、置換処理層でピンホールを覆うことができないことで、Al被膜の耐食性の向上を図ることが困難になる恐れがある一方、層厚が5μmを上回ると、置換処理層の強度が低下し、置換処理層がその機能を十分に発揮することができなくなる恐れがある。なお、置換処理層の層厚は、処理液の温度やpHの他、処理時間(処理液への浸漬時間)や処理回数(処理液への浸漬回数)により調整することができる。
Al被膜の表面をZnおよび/またはSnによる置換処理をした後に行う、構成成分としてMg,Ca,Ba,Srから選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸塩を含む、水に難溶乃至不溶の無機物被膜の形成は、例えば、(1)Mg,Ca,Ba,Srから選ばれる少なくとも1種の金属の硝酸塩や硫酸塩などと(2)リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、これらの塩(ナトリウム塩やカリウム塩など)から選ばれる少なくとも1種を水に溶解して調製した処理液に、Al被膜の表面のZnおよび/またはSnによる置換処理に基づく置換処理層を形成した希土類系永久磁石を浸漬することで行えばよい。こうして形成される無機物被膜は、さらに構成成分としてMo,V,W,Tiから選ばれる少なくとも1種の金属成分を含んでいてもよい。このような金属成分は、無機物被膜の厚膜化やクラック発生の防止などに寄与する。(1)Mg,Ca,Ba,Srから選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸塩と(2)Mo,V,W,Tiから選ばれる少なくとも1種の金属成分を含む、水に難溶乃至不溶の無機物被膜の形成は、例えば、(1)Mg,Ca,Ba,Srから選ばれる少なくとも1種の金属の硝酸塩や硫酸塩などと(2)リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、これらの塩(ナトリウム塩やカリウム塩など)から選ばれる少なくとも1種と(3)モリブデン酸塩、バナジン酸塩、タングステン酸塩、チタン酸塩から選ばれる少なくとも1種の金属酸塩(ナトリウム塩やカリウム塩など)を水に溶解して調製した処理液に、Al被膜の表面のZnおよび/またはSnによる置換処理に基づく置換処理層を形成した希土類系永久磁石を浸漬することで行えばよい。処理液のpHは1〜5が望ましく、2〜4.5であることがより望ましい。pHが1を下回ると、均一な無機物被膜を形成することが困難になる恐れがある一方、pHが5を上回ると、処理液中で成分同士が反応して沈殿物を生じてしまい、置換処理層の表面での化成処理反応が起こらなくなる恐れがある。処理液の温度は、室温〜90℃とすることが望ましい。また、処理時間は3分〜10分とすることが望ましい。なお、処理液には、その安定化を図ることなどを目的として各種の添加剤を添加してもよい。
こうして形成される無機物被膜は、Al被膜の表面のZnおよび/またはSnによる置換処理に基づく置換処理層の表面での化成処理反応による反応性被膜であるが、それ自体が水に難溶乃至不溶であり、長期に亘って水分に対して変質が少なく腐食しにくい性質を有する。また、こうして形成される無機物被膜は、Al被膜の表面のZnおよび/またはSnによる置換処理に基づく置換処理層の表面に形成されることで、均質性に優れたものである。従って、この無機物被膜は、これらの特性が相まって、希土類系永久磁石に対して優れた耐食性を付与するものとなる。また、その表面は適度な粗度を有することから、アンカー効果に基づいて優れた接着信頼性を有する。なお、万が一、この無機物被膜に欠陥が生じたとしても、Al被膜の表面をZnおよび/またはSnによる置換処理をしたことで、Al被膜の表面には犠牲防食作用が付加されていることから、希土類系永久磁石の腐食を効果的に防止することができる。
こうして形成される無機物被膜の膜厚は、0.1μm〜5μmであることが望ましい。膜厚が0.1μmを下回ると、磁石の表面に形成したAl被膜の耐食性の向上に寄与しなくなる恐れがある一方、膜厚が5μmを上回ると、その形成過程において処理液中の金属イオンの濃度が大きく変動してしまうことで長期に亘る安定した生産が困難になる恐れがある。無機物被膜の膜厚は、処理液の温度やpHの他、処理時間(処理液への浸漬時間)や処理回数(処理液への浸漬回数)により調整することができる。なお、この無機物被膜は、Al被膜の表面のZnおよび/またはSnによる置換処理に基づく置換処理層の表面での化成処理反応により形成されるものであるので、Al被膜の表面のZnおよび/またはSnによる置換処理に基づく置換処理層を形成した希土類系永久磁石を処理液に浸漬することで、置換処理層が溶解してしまい、見かけ上、Al被膜の表面に直接形成される場合と、置換処理層が溶解しきれずに残存することで、Al被膜の表面に置換処理層を介して形成される場合とがある。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定して解釈されるものではない。なお、以下の実施例は、例えば、米国特許4770723号公報や米国特許4792368号公報に記載されているようにして、公知の鋳造インゴットを粉砕し、微粉砕後に成形、焼結、熱処理、表面加工を行うことによって得られた17Nd−1Pr−75Fe−7B組成(at%)の縦27mm×横15mm×高さ2mm寸法の焼結磁石(以下、磁石体試験片と称する)を用いて行った。
実験A:耐食性希土類系永久磁石の製造
工程1:磁石体試験片の表面へのAl被膜の形成
自体公知の表面処理装置(内容積2.2m3)の処理室(真空槽)内に磁石体試験片を収容した後、内部の全圧が1.0×10-1Paになるまで真空排気した。その後、真空槽内にArガスを全圧が1.0MPaとなるように導入し、スパッタリングを行って磁石体試験片の表面を清浄化した。その後、磁石体試験片に電圧1.5kVを印加し、Alワイヤを加熱して溶融し、蒸発させてイオン化し、イオンプレーティング法により、その表面に20分で膜厚が20μmのAl被膜を形成した(N=3の平均値)。
工程2:Al被膜の表面の亜鉛置換処理
工程1にて磁石体試験片の表面に形成したAl被膜の表面を、自体公知のピーニング処理を行って平滑化した後、前処理としてエタノールで脱脂してから、10種類の条件にて表面にAl被膜を形成した磁石体試験片を亜鉛置換処理液に浸漬することで、Al被膜の表面の亜鉛置換処理を行った。用いた亜鉛置換処理液は、酸化亜鉛の濃度が100g/L、塩化第二鉄の濃度が10g/L、ロッシェル塩の濃度が10g/L、水酸化ナトリウムの濃度が525g/Lになるように各成分を水に溶解して調製した(pH11.8、亜鉛置換処理液中のZnイオンとFeイオンの合計濃度は83.7g/L)。得られた結果(サンプル1〜サンプル10)を表1に示す。
Figure 0004506305
表1から明らかなように、亜鉛置換処理液の温度と処理時間を変更することで、亜鉛置換処理層の層厚を制御できることがわかった。なお、亜鉛置換処理層の層厚は、亜鉛置換処理層の形成前後のサンプルを破断し、EPMA(EPM−810:島津製作所社製,以下同じ)を用いて亜鉛(ZnKα)を検出することで測定した(N=3の平均値)。また、亜鉛置換処理層の形成前後のサンプルを破断し、EPMAを用いて鉄(FeKα)を検出することで、亜鉛置換処理層に鉄が含まれていることが確認できた。
工程3:水に難溶乃至不溶の無機物被膜の形成による耐食性希土類系永久磁石の製造
工程2にて得られたサンプル1、サンプル6、サンプル9を、それぞれ3種類の条件にて処理液に浸漬することで、亜鉛置換処理層の表面に水に難溶乃至不溶の無機物被膜を形成した。用いた処理液は、リン酸二水素カルシウムの濃度が0.7g/L、リン酸の濃度が5.0g/L、バナジン酸アンモニウムの濃度が2.0g/Lになるように各成分を水に溶解し、水酸化ナトリウムでpHを3.5に調整して調製した。得られた結果(実施例1〜実施例9)を表2に示す。
Figure 0004506305
表2から明らかなように、処理液の温度と処理時間を変更することで、無機物被膜の膜厚を制御できることがわかった。なお、無機物被膜の膜厚は、無機物被膜の形成前後のサンプルを破断し、EPMAを用いてカルシウム(CaKα)を検出することで測定した(N=3の平均値)。また、無機物被膜の形成前後のサンプルを破断し、EPMAを用いてバナジウム(VKα)を検出することで、無機物被膜にバナジウムが含まれていることが確認できた。また、薄膜X線回折装置(X’part pro MRDシステム:スペクトリス社製)を用いた測定により、無機物被膜にリン酸カルシウムが含まれていることが確認できた。なお、実施例1〜実施例3において製造した耐食性希土類系永久磁石では、工程2で形成した亜鉛置換処理層の層厚が薄いために、無機物被膜を形成した後には亜鉛置換処理層は溶解してほとんど残存しなかったが、実施例4〜実施例9において製造した耐食性希土類系永久磁石では、工程2で形成した亜鉛置換処理層の層厚が厚いために、無機物被膜を形成した後にも亜鉛置換処理層が残存していることが、無機物被膜の形成前後のサンプルを破断し、EPMAを用いて亜鉛(ZnKα)を検出することで確認できた。
実験B:製造した耐食性希土類系永久磁石の耐食性の評価
実験Aの実施例1〜実施例9において製造した、表面にAl被膜を形成した後、その表面を亜鉛置換処理をしてから水に難溶乃至不溶の無機物被膜を形成してなる磁石体試験片(耐食性希土類系永久磁石)に対し、JIS Z 2371に記載の塩水噴霧試験を500時間行うことでその耐食性を評価した。その結果を、実験Aの工程1において得た表面に膜厚が20μmのAl被膜を形成した磁石体試験片(比較例1)と、実験Aの工程2において得たサンプル1、サンプル6、サンプル9の耐食性の評価の結果とともに表3に示す。
Figure 0004506305
表3から明らかなように、塩水噴霧試験においては、比較例1では、試験開始から24時間経過後に孔食の発生が目立ち始め、早期に全面赤錆発生に至った。サンプル1、サンプル6、サンプル9では、試験開始から24時間経過後に亜鉛の溶出による白錆が発生し、100時間経過後に全面赤錆発生に至った。実施例1〜実施例3において製造した耐食性希土類系永久磁石では、工程2で形成した亜鉛置換処理層の層厚が薄いために、無機物被膜を形成した後には亜鉛置換処理層は溶解してほとんど残存しなかったが、試験開始から100時間経過後にAlの溶解によるものと思われる白錆とともに孔食が発生し、500時間経過後に全面赤錆発生に至ったものの、実用上優れた耐食性を示した。実施例4〜実施例9において製造した耐食性希土類系永久磁石では、一部で亜鉛の溶出による白錆の発生が認められたが、試験開始から500時間経過後も全面赤錆発生には至らず、実用上極めて優れた耐食性を示した。なお、実施例1〜実施例9において製造したいずれの耐食性希土類系永久磁石も、試験終了後に優れた接着信頼性を有していた(エポキシ系接着剤との接着信頼性の評価により確認)。
実験C:製造した耐食性希土類系永久磁石の過酷環境下における耐孔食性の評価
実験Aの実施例1〜実施例9において製造した、表面にAl被膜を形成した後、その表面を亜鉛置換処理をしてから水に難溶乃至不溶の無機物被膜を形成してなる磁石体試験片(耐食性希土類系永久磁石)に対し、過飽和高温高圧試験(PCT:Pressure Cooker Test)により耐孔食性を評価した。耐孔食性の評価は、プレッシャークッカー試験機(TPC−411:TABAI社製)を用い、温度120℃×相対湿度98%以上×圧力0.2MPaの条件下で12時間放置することで行った。その結果を、実験Aの工程1において得た表面に膜厚が20μmのAl被膜を形成した磁石体試験片(比較例1)と、特開2000−150216号公報に記載の方法に従って、実験Aの工程1において得た表面に膜厚が20μmのAl被膜を形成した磁石体試験片を、日本パーカライジング社製のパルコート3756MAとパルコート3756MBを用いて調製した処理液に浸漬して、Al被膜の表面にジルコニウム含有化成処理被膜を形成した磁石体試験片(比較例2)と、実験Aの工程1において得た表面に膜厚が20μmのAl被膜を形成した磁石体試験片を、日本ペイント社製のアサルーフ600Nを用いて調製した処理液に浸漬して、Al被膜の表面に六価クロムを含むクロム酸塩被膜を形成した磁石体試験片(比較例3)の耐孔食性の評価の結果とともに表4に示す。
Figure 0004506305
表4から明らかなように、比較例1〜比較例3では、試験終了後に多数の孔食の発生が認められた。実施例1〜実施例3において製造した耐食性希土類系永久磁石では、試験終了後に工程2で形成した亜鉛置換処理層の層厚が薄いことに起因するものと考えられる少数の孔食の発生が認められたが実用上優れた耐孔食性を示した。実施例4〜実施例9において製造した耐食性希土類系永久磁石では、試験終了後に孔食の発生は認められず、実用上極めて優れた耐孔食性を示した。なお、実施例1〜実施例9において製造したいずれの耐食性希土類系永久磁石も、試験終了後に優れた接着信頼性を有していた(エポキシ系接着剤との接着信頼性の評価により確認)。
本発明は、優れた接着信頼性を確保したままAl被膜の孔食の発生を抑制してその耐食性の向上が図られた耐食性希土類系永久磁石およびその製造方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。

Claims (8)

  1. 焼結磁石の表面に気相成長法によって膜厚が3μm〜25μmであるAl被膜を形成した後、その表面をZnおよび/またはSnによる置換処理をしてから、構成成分としてMg,Ca,Ba,Srから選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸塩を含む、水に難溶乃至不溶の膜厚が0.1μm〜5μm(但し0.1μmを除く)である無機物被膜を形成してなることを特徴とする耐食性希土類系永久磁石。
  2. 無機物被膜がさらに構成成分としてMo,V,W,Tiから選ばれる少なくとも1種の金属成分を含んでなることを特徴とする請求項1記載の耐食性希土類系永久磁石。
  3. Al被膜と無機物被膜の間に、Al被膜の表面のZnおよび/またはSnによる置換処理に基づく置換処理層を有してなることを特徴とする請求項1または2記載の耐食性希土類系永久磁石。
  4. 置換処理層が(1)Znおよび/またはSnと(2)Fe,Ni,Co,Cuから選ばれる少なくとも1種の金属成分を含んでなることを特徴とする請求項3記載の耐食性希土類系永久磁石
  5. 焼結磁石の表面に気相成長法によって膜厚が3μm〜25μmであるAl被膜を形成した後、その表面をZnおよび/またはSnによる置換処理をしてから、構成成分としてMg,Ca,Ba,Srから選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸塩を含む、水に難溶乃至不溶の膜厚が0.1μm〜5μm(但し0.1μmを除く)である無機物被膜を形成することを特徴とする耐食性希土類系永久磁石の製造方法。
  6. 無機物被膜がさらに構成成分としてMo,V,W,Tiから選ばれる少なくとも1種の金属成分を含んでなることを特徴とする請求項記載の製造方法。
  7. Al被膜の表面に、Znおよび/またはSnによる置換処理に基づく層厚が0.05μm〜5μmの置換処理層を形成してから、その表面に、無機物被膜を形成することを特徴とする請求項または記載の製造方法。
  8. 置換処理層が(1)Znおよび/またはSnと(2)Fe,Ni,Co,Cuから選ばれる少なくとも1種の金属成分を含んでなることを特徴とする請求項記載の製造方法。
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