JP2002212775A - 希土類系永久磁石の電気Niめっき方法 - Google Patents
希土類系永久磁石の電気Niめっき方法Info
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Abstract
系磁石の表面に均一電着性や緻密性や外観などに優れた
Niめっき被膜を形成するための電気Niめっき方法を
提供すること。 【解決手段】 希土類系永久磁石の電気Niめっき方法
において、Niイオン濃度の塩素イオン濃度に対する重
量比(Ni2+/Cl−)が0.19〜11.4になる
ような含量でのNiイオンと塩素イオン、緩衝剤として
コハク酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸および
これらの塩から選ばれる少なくとも1種を0.03mo
l/l〜1.0mol/l、ホウ酸を0〜15g/l、
含むめっき液を使用して磁石表面にNiめっき被膜を形
成することを特徴とする。
Description
めっき液を使用して希土類系磁石の表面に均一電着性や
緻密性や外観などに優れたNiめっき被膜を形成するた
めの電気Niめっき方法に関する。
R−Fe−B系永久磁石などの希土類系永久磁石は、高
い磁気特性を有しているが、大気中で酸化腐食されやす
い金属種(特にR)を含むので、表面処理を行わずに使
用した場合には、わずかな酸やアルカリや水分などの影
響によって表面から腐食が進行して錆が発生し、それに
伴って、磁気特性の劣化やばらつきを招くことになる。
さらに、磁気回路などの装置に組み込んだ磁石に錆が発
生した場合、錆が飛散して周辺部品を汚染する恐れがあ
る。従って、これらの問題点を回避するために、従来か
ら、該磁石に要求される耐食性を付与すべく電気Niめ
っきにより、耐食性被膜としてのNiめっき被膜をその
表面に形成することが行われている。希土類系永久磁石
の電気Niめっきにおいては、例えば、特開平6−13
218号公報に記載されているめっき液のように、ホウ
酸を含んだめっき液が広く採用されている。ホウ酸含有
Niめっき液は、ホウ酸が優れた緩衝作用を有してお
り、希土類系永久磁石のめっき処理に適したpH(概ね
4〜8)環境を容易に作り出すことができることや、該
めっき液を使用して形成されるNiめっき被膜が均一電
着性や緻密性や外観などに優れることから、希土類系永
久磁石の表面にNiめっき被膜を形成するためのめっき
液として最良とされており、また、電流効率や操業性に
優れること、薬液コストが低いことといったような利点
も有している。
Niめっき液において、ホウ酸の作用を如何なく発揮さ
せるためには、一般的にはホウ酸をめっき液中に30g
/l程度含ませることが必要とされている。前記公報に
記載されたNiめっき液はホウ酸の含有量が比較的少な
いが、それでも実施例に記載されためっき液でホウ酸の
含有量が最も少ないものでもその含有量は15g/lで
ある。環境問題への対応が不可欠な近年においては、水
質汚濁を防止するためにもめっき液の排水問題への対応
が重要課題となっており、ホウ酸含有Niめっき液につ
いても、環境に好ましいとはいえないホウ酸の含有量を
低減化させる必要がある。一方、希土類系永久磁石表面
に直接Niめっき被膜を形成する場合、特に、バレル式
電気めっきを行う場合、全ての磁石に均一に通電される
までにNiが置換析出することがある。表面にNiが置
換析出した磁石に電気Niめっきを行っても、形成され
るNiめっき被膜は均一電着性に劣り、結果として磁石
の耐食性に影響を及ぼすことになる。従って、Niめっ
き被膜形成の効率は維持しつつもめっき液に含まれるN
iイオン濃度はできるだけ低減化させる必要がある。そ
こで本発明は、新規な組成のNiめっき液を使用して希
土類系磁石の表面に均一電着性や緻密性や外観などに優
れたNiめっき被膜を形成するための電気Niめっき方
法を提供することを目的とする。
に鑑み種々の検討を行った結果、Niめっき液に含まれ
るNiイオン濃度と塩素イオン濃度の重量比、ホウ酸に
代わる緩衝剤の使用とその含有量を調整することによ
り、Niめっき液中のホウ酸の含有量を低減させても、
従来量のホウ酸を含有するNiめっき液を使用して形成
されるNiめっき被膜が有する均一電着性や緻密性や外
観などの優れた特性を維持したNiめっき被膜を形成す
ることができることやNiの置換析出を抑制して均一電
着性に優れたNiめっき被膜を形成することができるこ
とを知見した。
ものであり、本発明の電気Niめっき方法は、請求項1
記載の通り、希土類系永久磁石の電気Niめっき方法に
おいて、Niイオン濃度の塩素イオン濃度に対する重量
比(Ni2+/Cl−)が0.19〜11.4になるよ
うな含量でのNiイオンと塩素イオン、緩衝剤としてコ
ハク酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸およびこ
れらの塩から選ばれる少なくとも1種を0.03mol
/l〜1.0mol/l、ホウ酸を0〜15g/l、含
むめっき液を使用して磁石表面にNiめっき被膜を形成
することを特徴とする。また、請求項2記載の電気Ni
めっき方法は、請求項1記載の電気Niめっき方法にお
いて、前記めっき液がNiイオンを15g/l〜80g
/l、塩素イオンを7g/l〜80g/l含むことを特
徴とする。また、請求項3記載の電気Niめっき方法
は、請求項1または2記載の電気Niめっき方法におい
て、前記めっき液がホウ酸を0〜10g/l含むことを
特徴とする。また、請求項4記載の電気Niめっき方法
は、請求項3記載の電気Niめっき方法において、磁石
表面に多層めっき被膜層を形成するに際しての第2層目
以降にNiめっき被膜を形成するための電気Niめっき
であることを特徴とする。また、請求項5記載の電気N
iめっき方法は、請求項1記載の電気Niめっき方法に
おいて、磁石表面に直接Niめっき被膜を形成するに際
しての前記めっき液のNiイオン濃度の塩素イオン濃度
に対する重量比が0.19〜4.0であることを特徴と
する。また、請求項6記載の電気Niめっき方法は、請
求項1乃至5のいずれかに記載の電気Niめっき方法に
おいて、パルス電解を行いながら電気Niめっきを行う
ことを特徴とする。また、請求項7記載の電気Niめっ
き方法は、請求項1乃至6のいずれかに記載の電気Ni
めっき方法において、希土類系永久磁石がR−Fe−B
系永久磁石であることを特徴とする。
希土類系永久磁石の電気Niめっき方法において、Ni
イオン濃度の塩素イオン濃度に対する重量比(Ni2+
/Cl−)が0.19〜11.4になるような含量での
Niイオンと塩素イオン、緩衝剤としてコハク酸、マロ
ン酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸およびこれらの塩から
選ばれる少なくとも1種を0.03mol/l〜1.0
mol/l、ホウ酸を0〜15g/l、含むめっき液を
使用して磁石表面にNiめっき被膜を形成することを特
徴とするものである。
されるNiめっき液には、Niイオン濃度の塩素イオン
濃度に対する重量比(Ni2+/Cl−)が0.19〜
11.4になるようにNiイオンと塩素イオンを含ませ
る。Niイオン濃度の塩素イオン濃度に対する重量比が
0.19よりも小さい場合、磁石表面に塩素イオンが残
留したり、形成されるNiめっき被膜の内部応力が高く
なりすぎるなどの問題が生じる恐れがあり、11.4よ
りも大きい場合、Niめっき液の電気伝導度に影響を及
ぼす恐れがある。このような重量比に調整するために
は、例えば、めっき液中にNiイオンを15g/l〜8
0g/l、塩素イオンを7g/l〜80g/l含ませれ
ばよい。なお、Niイオンの供給源としては、硫酸ニッ
ケル、塩化ニッケル、スルファミン酸ニッケル、臭化ニ
ッケル、酢酸ニッケルなどがある。また、塩素イオンの
供給源としては、前記の塩化ニッケルの他、塩化アンモ
ニウムや塩化ナトリウムなどがある。
ン酸、リンゴ酸、酢酸およびこれらの塩から選ばれる少
なくとも1種を0.03mol/l〜1.0mol/l
含ませる。これらの緩衝剤の含有量が0.03mol/
lよりも少ない場合、緩衝作用が十分に発揮されない恐
れがあり、1.0mol/lよりも多い場合、Niめっ
き液の長期安定性に影響を及ぼす恐れがある。磁石表面
に直接Niめっき被膜を形成する場合には緩衝剤は0.
2mol/l〜1.0mol/l含ませることがNiの
置換析出を極力抑制する観点から望ましい。緩衝剤の中
ではクエン酸およびその塩が形成されるNiめっき被膜
の緻密性の点において望ましい。なお、コハク酸、マロ
ン酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸の塩としては、ナトリ
ウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ニッケル塩など
がある。
塩素イオン濃度の重量比、ホウ酸に代わる緩衝剤の使用
とその含有量を上記のように調整することにより、Ni
めっき液中のホウ酸の含有量を15g/l以下として
も、従来量のホウ酸を含有するめっき液を使用して形成
されるNiめっき被膜が有する均一電着性や緻密性や外
観などの優れた特性を維持したNiめっき被膜を形成す
ることができる。
膜を形成する場合、高い電流効率を確保して迅速にNi
めっき被膜を形成することが肝要であることから、Ni
めっき液中にはホウ酸を最大15g/lの範囲内で含ま
せることが望ましいが、本発明の電気Niめっき方法に
おいて、特に、Niめっき液中のホウ酸の含有量が10
g/l以下の場合、即ち、究極的にはめっき液中にホウ
酸を含ませない場合でも優れた特性を有するNiめっき
被膜を形成することができることは、めっき液の排水問
題への対応において非常に望ましいことであり、磁石表
面に多層めっき被膜層を形成するに際しての第2層目以
降にNiめっき被膜を形成する場合に効果を発揮する。
っき被膜を形成するに際してのNiめっき液のNiイオ
ン濃度の塩素イオン濃度に対する重量比を0.19〜
4.0に調整することにより、Niの置換析出を抑制し
て均一電着性に優れたNiめっき被膜を形成することが
できる。
とが望ましい。pH調整剤は、例えば、炭酸ニッケルや
硫酸など、めっき液の成分に応じた公知のものを使用す
ればよい。また、Niめっき液には優れた外観を有する
Niめっき被膜を形成するためや、電子部品への適用時
に要求される清浄性や接着性などを満たすために、ラウ
リル硫酸ナトリウム、2−ブチン1,4−ジオール、ベ
ンゼンスルホン酸、プロパギルアルコール、クマリンな
どの光沢剤のような各種自体公知の有機添加剤や無機添
加剤を添加してもよい。また、導電補助剤として、硫酸
ナトリウムや塩化アンモニウムなどを添加してもよい。
に際してのめっき浴の液温は30℃〜70℃に調整する
ことが望ましい。
ら電気Niめっきを行うことが望ましい。本発明におけ
るNiめっき液を使用してパルス電解を行いながら電気
Niめっきを行うことにより、金属結晶の微細緻密化や
形成されるNiめっき被膜の密着性向上などの効果が得
られる。パルス電解条件としては、パルス周期が2ms
ec〜100msec、TONが1msec〜95ms
ec、TOFFが1msec〜95msec、ピーク電
流密度Ipが0.2A/dm2〜100A/dm2なる
条件が挙げられる。
Niめっき被膜の膜厚は、希土類系永久磁石表面にこの
Niめっき被膜のみを形成する場合は5μm〜30μm
が望ましく、磁石表面に多層めっき被膜層を形成するに
際しての第1層目にこのNiめっき被膜を形成する場合
は0.2μm〜10μmが望ましく、第2層目以降にこ
のNiめっき被膜を形成する場合は1μm〜30μmが
望ましい。磁石表面に多層めっき被膜層を形成するに際
しての第2層目以降にこのNiめっき被膜を形成する場
合、第1層目にはNiめっき被膜の他、Cuめっき被膜
やSnめっき被膜やZnめっき被膜などの異なる金属め
っき被膜を公知の成膜法にて形成してもよい。また、本
発明の電気Niめっき方法で形成されるNiめっき被膜
の上に、異なる金属めっき被膜を形成してもよいし、化
成処理被膜などの別種の被膜を形成してもよい。
内、R−Fe−B系永久磁石における希土類元素(R)
は、Nd、Pr、Dy、Ho、Tb、Smのうち少なく
とも1種、あるいはさらに、La、Ce、Gd、Er、
Eu、Tm、Yb、Lu、Yのうち少なくとも1種を含
むものが望ましい。また、通常はRのうち1種をもって
足りるが、実用上は2種以上の混合物(ミッシュメタル
やジジムなど)を入手上の便宜などの理由によって使用
することもできる。さらに、Al、Ti、V、Cr、M
n、Bi、Nb、Ta、Mo、W、Sb、Ge、Sn、
Zr、Ni、Si、Zn、Hf、Gaのうち少なくとも
1種を添加することで、保磁力や減磁曲線の角型性の改
善、製造性の改善、低価格化を図ることが可能となる。
また、Feの一部をCoで置換することによって、得ら
れる磁石の磁気特性を損なうことなしに温度特性を改善
することができる。
説明するが、本発明は以下の記載に何ら限定されるもの
ではない。
Nd−1Dy−7B−77Fe(原子%)の組成をもつ
焼結体をアルゴン雰囲気中600℃で2時間時効処理を
施し、厚さ3mm、幅12mm、長さ30mmの平板状
に加工し、さらにバレル面取り加工を行って得られた焼
結磁石を希釈硝酸で酸洗清浄化した。この磁石に対し、
硫酸ニッケル・6水和物と塩化ニッケル・6水和物と塩
化アンモニウム(めっき液7についてはさらに塩化ナト
リウムを使用)で表1に示した各種の濃度に調整したN
iイオンと塩素イオン、緩衝剤としてクエン酸ナトリウ
ム・2水和物147g/l(0.5mol/l)、ホウ
酸8g/l、添加剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.
02g/lと2−ブチン1,4−ジオール0.5g/l
を含み、pHを塩基性炭酸ニッケルを添加することによ
り5に調整した7種類のNiめっき液を使用し、めっき
浴の液温50℃、電流密度2A/dm2、陽極としてN
i板という電気Niめっき条件にて、膜厚が10μmの
Niめっき被膜を磁石表面に形成した。形成されたNi
めっき被膜の性能を表1に示す。
膜の緻密性及び耐食性促進評価(発色反応試験)により
行った。評価方法を簡単に説明すると以下の通りであ
る。フェリシアン化カリウム3g/l、エタノール10
0ml/lおよび塩酸にてpH2に調整した試験液にめ
っき磁石サンプルを常温で浸漬して60分間観察した。
磁石素材に腐食が至ったり被膜欠陥(ピンホールなど)
が存在する場合には青色斑点が発生するので、30分浸
漬後も青色斑点の発生がない場合は◎、浸漬後20〜3
0分で青色斑点が発生した場合は○、浸漬後10分〜2
0分で青色斑点が発生した場合は△、浸漬後10分未満
で青色斑点が発生した場合は×と評価した。
めっき磁石サンプルの平面部の10箇所観察によるめっ
き付着量(膜厚)のバラツキについて、バラツキが±1
0%以内の場合は○、バラツキが±10%〜20%の場
合は△、バラツキが±20%を超える場合は×と評価す
ることで行った。
おけるNiイオン濃度の塩素イオン濃度に対する重量比
(Ni2+/Cl−)を所定の重量比に調整すること
で、ホウ酸の含有量を従来のホウ酸含Niめっき液の含
有量より大幅に低減させても優れた特性のNiめっき被
膜を形成することができることがわかった(めっき液2
〜めっき液6)。
た焼結磁石を希釈硝酸で酸洗清浄化した。この磁石に対
し、硫酸ニッケル・6水和物と塩化ニッケル・6水和物
と塩化アンモニウムで表2に示した各種の濃度に調整し
たNiイオンと塩素イオン、表2に示した各種の濃度に
調整した緩衝剤、ホウ酸8g/l、添加剤としてラウリ
ル硫酸ナトリウム0.02g/lと2−ブチン1,4−
ジオール0.5g/lと1,3,6ナフタレントリスル
ホン酸ナトリウム2.0g/lを含み、pHを塩基性炭
酸ニッケルを添加することにより6に調整した11種類
のNiめっき液を使用し、めっき浴の液温50℃、電流
密度3A/dm2、陽極としてNi板という電気Niめ
っき条件にて、膜厚が10μmのNiめっき被膜を磁石
表面に形成した。形成されたNiめっき被膜の性能を表
2に示す。
と同様にして行った。耐食性の評価はプレッシャークッ
カー試験により行った。評価方法を簡単に説明すると以
下の通りである。めっき磁石サンプルを125℃、85
%RH、2気圧の環境下に200時間放置し、赤錆やフ
クレが発生しない場合は○、わずかな赤錆やフクレが発
生した場合は△、赤錆やフクレが多数発生した場合は×
と評価した。
クエン酸などの緩衝剤の含有量を0.03mol/l以
上に調整することで、ホウ酸の含有量を従来のホウ酸含
Niめっき液の含有量より大幅に低減させても優れた特
性のNiめっき被膜を形成することができることがわか
った(めっき液2〜めっき液11)。
た焼結磁石を希釈硝酸で酸洗清浄化した。この磁石に対
し、実施例1のNiめっき液4を使用し、実施例1と同
様の電気Niめっき条件にて、膜厚が3μmのNiめっ
き被膜を磁石表面に形成した。次に、硫酸ニッケル・6
水和物と塩化ニッケル・6水和物と塩化アンモニウムで
表3に示した各種の濃度に調整したNiイオンと塩素イ
オン、表3に示した各種の濃度に調整した緩衝剤、添加
剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.02g/lと2−
ブチン1,4−ジオール0.5g/lを含み、pHを塩
基性炭酸ニッケルを添加することにより5に調整した5
種類のNiめっき液を使用し、実施例1と同様の電気N
iめっき条件にて、第2層Niめっき被膜として膜厚が
15μmの被膜を第1層Niめっき被膜表面に形成し
た。形成されたNiめっき被膜の性能を表3に示す。
と同様にして行った。耐食性の評価は実施例2と同様に
して行った。めっき密着性の評価はめっき磁石サンプル
にエポキシ系樹脂(SW2214:住友3M製の熱硬化
型エポキシ系接着剤で塗布接着後120℃、60分で加
熱硬化)を塗布して鋼製治具と接着した後、180度剪
断圧縮試験にて破壊強度(めっき剥離強度)を測定し、
接着強度が400kg/cm2以上の場合は○、接着強
度が300kg/cm2〜400kg/cm2の場合は
△、接着強度が300kg/cm2未満の場合は×と評
価することで行った。
ホウ酸を含ませなくても、Niめっき液におけるNiイ
オン濃度の塩素イオン濃度に対する重量比(Ni2+/
Cl −)を所定の重量比に調整し、ホウ酸に代わるクエ
ン酸などの緩衝剤の含有量を調整することで、優れた特
性のNiめっき被膜を形成することができることがわか
った(めっき液1〜めっき液4)。
た焼結磁石を希釈硝酸で酸洗清浄化した。この磁石に対
し、自体公知のアルカリ浴Cuめっきを行って膜厚が3
μmのCuめっき被膜を磁石表面に形成した。次に、硫
酸ニッケル・6水和物と塩化ニッケル・6水和物と塩化
アンモニウムで表4に示した各種の濃度に調整したNi
イオンと塩素イオン、表4に示した各種の濃度に調整し
た緩衝剤、ホウ酸8g/l、添加剤としてラウリル硫酸
ナトリウム0.02g/lと2−ブチン1,4−ジオー
ル0.5g/lを含み、pHを塩基性炭酸ニッケルを添
加することにより4に調整した5種類のNiめっき液を
使用し、実施例1と同様の電気Niめっき条件にて、第
2層Niめっき被膜として膜厚が10μmの被膜を第1
層Cuめっき被膜表面に形成した。最後に、硫酸ニッケ
ル・6水和物200g/l、塩化ニッケル・6水和物4
0g/l、塩化アンモニウム10g/l(Niイオン濃
度の塩素イオン濃度に対する重量比は4.5)、クエン
酸2アンモニウム45g/l(0.2mol/l)、添
加剤としてベンゼンスルホン酸1g/lとプロパギルア
ルコール0.5g/lを含み、pHを塩基性炭酸ニッケ
ルを添加することにより4に調整したNiめっき液を使
用し、めっき浴の液温50℃、電流密度3A/dm2、
陽極としてNi板という電気Niめっき条件にて、第3
層Niめっき被膜として膜厚が2μmのNiめっき被膜
を第2層Niめっき被膜表面に形成した。形成されたN
iめっき被膜の性能を表4に示す。なお、表4における
被膜健全性の評価は実施例1と同様にして行った。耐食
性の評価は実施例2と同様にして行った。
おけるNiイオン濃度の塩素イオン濃度に対する重量比
(Ni2+/Cl−)を所定の重量比に調整し、ホウ酸
に代わるクエン酸などの緩衝剤の含有量を調整すること
で、優れた特性のNiめっき被膜を形成することができ
ることがわかった(めっき液2〜めっき液5)。
た焼結磁石を希釈硝酸で酸洗清浄化した。この磁石に対
し、硫酸ニッケル・6水和物と塩化ニッケル・6水和物
と塩化アンモニウムで表5に示した各種の濃度に調整し
たNiイオンと塩素イオン、緩衝剤としてクエン酸ナト
リウム・2水和物147g/l(0.5mol/l)、
ホウ酸8g/l、添加剤としてラウリル硫酸ナトリウム
0.02g/lと2−ブチン1,4−ジオール0.5g
/lを含み、pHを塩基性炭酸ニッケルを添加すること
により5に調整した各種のNiめっき液を使用し、実施
例1と同様の電気Niめっき条件のもと、各種のパルス
電解条件(パルス周期TとTONとTOFF)、ピーク
電流密度Ip=10A/dm2にてパルス電解を行いな
がら、膜厚が3μmのNiめっき被膜を磁石表面に形成
した。次に、実施例4の第3層Niめっき被膜を形成す
るためのNiめっき液を使用し、実施例4と同様の電気
Niめっき条件にて、第2層Niめっき被膜として膜厚
が5μmの被膜を第1層Niめっき被膜表面に形成し
た。形成されたNiめっき被膜の性能を表5に示す。な
お、表5における被膜健全性の評価は実施例1と同様に
して行った。耐食性の評価は実施例2と同様にして行っ
た。めっき密着性の評価は実施例3と同様にして行っ
た。
いながら電気Niめっきを行うことにより、高電流密度
(短時間)での電気Niめっきが可能となり、高い耐食
性を有するNiめっき被膜を形成することができ、Ni
めっき被膜の膜厚の薄膜化、ひいては寸法精度の向上を
図ることができることがわかった(めっき液1〜めっき
液4)。
Niめっき液に含まれるNiイオン濃度と塩素イオン濃
度の重量比、ホウ酸に代わる緩衝剤の使用とその含有量
を調整することにより、Niめっき液中のホウ酸の含有
量を低減させても、従来量のホウ酸を含有するNiめっ
き液を使用して形成されるNiめっき被膜が有する均一
電着性や緻密性や外観などの優れた特性を維持したNi
めっき被膜を形成することができる。また、Niの置換
析出を抑制して均一電着性に優れたNiめっき被膜を形
成することができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 希土類系永久磁石の電気Niめっき方法
において、Niイオン濃度の塩素イオン濃度に対する重
量比(Ni2+/Cl−)が0.19〜11.4になる
ような含量でのNiイオンと塩素イオン、緩衝剤として
コハク酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸および
これらの塩から選ばれる少なくとも1種を0.03mo
l/l〜1.0mol/l、ホウ酸を0〜15g/l、
含むめっき液を使用して磁石表面にNiめっき被膜を形
成することを特徴とする電気Niめっき方法。 - 【請求項2】 前記めっき液がNiイオンを15g/l
〜80g/l、塩素イオンを7g/l〜80g/l含む
ことを特徴とする請求項1記載の電気Niめっき方法。 - 【請求項3】 前記めっき液がホウ酸を0〜10g/l
含むことを特徴とする請求項1または2記載の電気Ni
めっき方法。 - 【請求項4】 磁石表面に多層めっき被膜層を形成する
に際しての第2層目以降にNiめっき被膜を形成するた
めの電気Niめっきであることを特徴とする請求項3記
載の電気Niめっき方法。 - 【請求項5】 磁石表面に直接Niめっき被膜を形成す
るに際しての前記めっき液のNiイオン濃度の塩素イオ
ン濃度に対する重量比が0.19〜4.0であることを
特徴とする請求項1記載の電気Niめっき方法。 - 【請求項6】 パルス電解を行いながら電気Niめっき
を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記
載の電気Niめっき方法。 - 【請求項7】 希土類系永久磁石がR−Fe−B系永久
磁石であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか
に記載の電気Niめっき方法。
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