JP4505847B2 - 有機無機ハイブリッド用組成物およびコーティング剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は有機無機ハイブリッド用組成物およびコーティング剤に関する。本発明のコーティング剤は、各種金属、プラスチック、ガラス、皮革材料、木、紙、コンクリート、ゴム、織布、不織布等の各種基材のコーティングに利用できる他、塗料、印刷インキ等のバインダーとして各種分野のコーティングに利用できる。
【0002】
【従来の技術】
ビスフェノール類とエピクロルヒドリンまたはβ−メチルエピクロルヒドリンとから製造される、いわゆるビスフェノール型エポキシ樹脂は、この樹脂の有するエポキシ基の反応性及び水酸基の反応性に起因し、優れた耐水性、密着性、耐薬品性等を有するため、各種のコーティング剤として広く使用されている。
【0003】
かかるエポキシ樹脂は一般に自己硬化性を有しないため、通常はポリアミン、ポリアミド等の硬化剤を配合した二液反応型のコーティング剤として使用されるが、二液反応型コーティング剤はポットライフ(可使時間)の点から実用上種々の制限を受ける。そのため、一液型コーティング剤として使用しうる各種の変性エポキシ樹脂が開発されているものの、これら変性エポキシ樹脂は、密着性、耐水性、耐傷付き性、耐汚染性・耐薬品性等の各種性能を十分満足しえないのが現状である。特に家電製品などに使用されているマグネシウム合金や亜鉛合金に代表される金属材料に対しても密着性に優れ、しかもその他の性能を同時に満足する一液型のコーティング剤の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、各種基材に対して優れた密着性を有し、しかも耐水性、耐傷付き性等の各種性能に優れる一液型の組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す変性エポキシ樹脂と加水分解性アルコキシシランを含有する有機無機ハイブリッド用組成物を、ゾル-ゲル法を用いてシリカをハイブリッド化した有機無機ハイブリッド樹脂が前記目的に合致していることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、(1)(a)ビスフェノール型エポキシ樹脂及び(b)アルカノールアミン類を含むアミン類を反応せしめて得られるアミン変性エポキシ樹脂を含む溶液に、(2)加水分解性アルコキシシランを加えてなる、アミン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液;(1’)(a)ビスフェノール型エポキシ樹脂及び(b)アルカノールアミン類を含むアミン類を反応せしめて得られるアミン変性エポキシ樹脂にさらに(c)ポリイソシアネート化合物を反応させて得られる、アミン変性エポキシ樹脂およびウレタン変性エポキシ樹脂を含む溶液に、(2)加水分解性アルコキシシランを加えてなる、ウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液;硬化触媒を含有してなる前記溶液;前記溶液を用いてなるコーティング剤;基材表面に、前記コーティング剤を塗布した後、硬化させ、基材表面にコーティング膜を形成させる基材のコーティング方法;基材表面に、前記コーティング剤を塗布した後、硬化させ、基材表面にコーティング膜を形成させたコーティング基材、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の(1)アミン変性エポキシ樹脂を含む溶液は、(a)ビスフェノール型エポキシ樹脂及び(b)アルカノールアミン類を含むアミン類(以下、単に(b)アミン類ということがある)の反応物を含有する溶液である。かかるアミン変性エポキシ樹脂は、(a)ビスフェノール系エポキシ樹脂のエポキシ基が(b)アミン類により開環すると同時に、樹脂中にアミノ基が導入されてなる変性エポキシ樹脂であり、未変性エポキシ樹脂の本来の性能である耐水性及び密着性をさらに向上させうる。
【0008】
また、本発明の(1’)アミン変性エポキシ樹脂およびウレタン変性エポキシ樹脂を含む溶液は、(a)ビスフェノール型エポキシ樹脂及び(b)アルカノールアミン類を含むアミン類を反応せしめて得られるアミン変性エポキシ樹脂を更に(c)ポリイソシアネートで変性してなるものを含む溶液である。(c)ポリイソシアネート化合物で変性することにより分子量が増大するとともに、低分子量成分を減少させることができる。
【0009】
前記(a)ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、たとえば、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンまたはβ−メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシドとの反応により得られるものが該当する。ビスフェノール類としてはフェノールまたは2,6−ジハロフェノールとホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン等のアルデヒド類もしくはケトン類との反応の他、ジヒドロキシフェニルスルフィドの過酸による酸化、ハイドロキノン同士のエーテル化反応等により得られるものがあげられる。
【0010】
また、(b)アミン類はアルカノールアミン類を含有し、該アルカノールアミン類は素数2〜20のものが好ましい。その他のアミン類としては、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、脂環族アミン類、芳香核置換脂肪族アミン類等があげられ、炭素数2〜20のものが好ましい。たとえば、アルカノールアミン類としては、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジ−2−ヒドロキシブチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ベンジルエタノールアミン等があげられ、脂肪族アミン類としてはエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、パルミチルアミン、オレイルアミン、エルシルアミン等の一級アミン類やジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の二級アミン類があげられ、芳香族アミン類としてはトルイジン類、キシリジン類、クミジン(イソプロピルアニリン)類、ヘキシルアニリン類、ノニルアニリン類、ドデシルアニリン類等があげられ、脂環族アミン類としてはシクロペンチルアミン類、シクロヘキシルアミン類、ノルボニルアミン類があげられ、芳香核置換脂肪族アミン類としてはベンジルアミン、フェネチルアミン等があげられる。これらは、一種または二種以上を特に制限なく使用しうるが、アミン変性エポキシ樹脂を、さらに(c)ポリイソシアネート化合物と反応させウレタン変性エポキシ樹脂にする場合に、その反応速度を考慮すれば、(b)アミン類の全仕込み量に対し、アミノ基換算で少なくとも5当量%に相当するアルカノールアミン類を使用するのが好ましい。
【0011】
また、(c)ポリイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のポリイソシアネート類の一種または二種以上を使用することができる。たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1.3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、オルトトルイジンジイソシアネ−ト、ポリフェニルポリイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネート等がその代表例としてあげられる。
【0012】
本発明の(1)変性エポキシ樹脂を製造する方法としては、次のような方法が採用できる。たとえば、アミン変性エポキシ樹脂は、(a)ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基100当量に対して(b)アミン類のアミノ基に由来する活性水素の当量が30〜150当量程度となるように仕込み反応させることにより得られる。(b)アミン類のアミノ基に由来する活性水素の当量は、50当量以上が好ましく、100当量以下とするのが好ましい。反応温度は通常、50〜250℃程度、好ましくは80〜150℃である。また、反応時間は3〜10時間程度とするのがよい。
【0013】
また、ウレタン変性エポキシ樹脂は、アミン変性エポキシ樹脂の水酸基100当量に対して(c)ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基が0.5〜50当量、好ましくは1〜40当量となるように仕込み反応させることにより得られる。ウレタン化の反応温度は20〜200℃程度、好ましくは50〜150℃である。また、反応時間は3〜10時間とするのがよい。
【0014】
これら変性エポキシ樹脂(アミン変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂)の製造においては任意の溶剤を用いることができる。溶剤としては、たとえば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルセロソルブアセテート、セロソルブアセテート等のセロソルブアセテート類、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの活性水素を有しない極性溶剤があげられる。これらは単独または2種以上の混合物で用いられる。なお、ウレタン変性エポキシ樹脂の製造後においてはイソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類等の活性水素を有する溶剤も稀釈溶剤として使用しうる。
【0015】
かくして得られる変性エポキシ樹脂の数平均分子量は、2000〜30000程度の範囲とするのがよい。数平均分子量が2000に満たない場合には、耐水性等が不十分となる。一方、30000を超える場合には高粘度化またはゲル化してしまい、コーティング剤等として使用する場合に適さなくなる。
【0016】
(2)加水分解性アルコキシシランとしては、たとえば、一般式(1):R1 nSi(OR2)4−n(式中、nは0〜2の整数示し、R1は炭素原子に直結した官能基を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基、または不飽和脂肪族残基であり、同一でも異なっていてもよい。R2は水素原子または低級アルキル基を示す。)で表される化合物またはこれらの部分縮合物等があげられる。低級アルキル基とは炭素数6以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。
【0017】
具体的には、たとえば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類;およびこれらの部分縮合物等があげられる。
【0018】
これら(2)加水分解性アルコキシシランのなかでも、テトラアルコキシシラン類およびこれらの部分縮合物、特に炭素数4以下のアルコキシ基を持つテトラアルコキシシラン類およびこれらの部分縮合物が好ましく、(2)加水分解性アルコキシシラン全体に対してテトラアルコキシシラン類およびこれらの部分縮合物の使用量を90重量%以上とするのが好ましい。
【0019】
(1)変性エポキシ樹脂および(2)加水分解性アルコキシシランの使用量は、得られるアミン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液およびウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液の諸性能を勘案して決定される。通常は、(2)加水分解性アルコキシシランの縮合により生成するシリカが、(1)変性エポキシ樹脂100重量部に対して、生成するシリカに換算して3〜100重量部程度とするのが好ましい。生成するシリカが少なくなると本発明の所期の効果を得難くなるため、生成するシリカは10重量部以上とするのがより好ましい。また、生成するシリカが多くなると各溶液から得られるコーティング膜が不透明化したり、脆くなったり、亀裂が生じやすくなるため、生成するシリカは100重量部以下とするのが好ましい。
【0020】
また、アミン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液およびウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液の固形分濃度は特に制限はされず、最終的な用途における使用粘度等を考慮して適宜決定すればよいが、通常は、10〜70重量%の範囲に調整するのが実用上好適である。
【0021】
また、アミン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液およびウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液には、コーティング剤等として使用する場合、基材に塗布しコーティングするにあたり、硬化を促進させるため、(2)加水分解性アルコキシシランの加水分解、縮合を行うことのできる硬化触媒を用いる。硬化触媒としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸触媒やジブチル錫ジラウレートやオクチル酸錫など錫系の触媒、ホウ酸、リン酸等の無機酸触媒やアルカリ系の触媒があげられる。特に錫系触媒は、(2)加水分解性アルコキシシランの使用割合が多い場合でも、透明性の高い塗工物が得られやすく好ましい。
【0022】
硬化触媒は、所謂触媒量の使用でよい。すなわち、前記触媒の使用量は使用する触媒の活性により適宜決めることができる。通常、使用する加水分解性アルコキシシランに対しモル比率で触媒能力の高いジブチル錫ジラウレートなどで0.001〜5モル%程度、触媒能力の低いギ酸、酢酸などで0.01〜50モル%程度使用される。
【0023】
アミン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド組成物の調製方法としては、(1)変性エポキシ樹脂に(2)加水分解性アルコキシシランと硬化触媒を加えた後、混合液を10分〜8時間、室温で攪拌するのが好ましい。(1)変性エポキシ樹脂と(2)加水分解性アルコキシシランを混合した際、(1)変性エポキシ樹脂の水酸基とアルコキシシリル基とが一部化学反応して共有結合が形成される。この結合の形成によって、硬化後のシリカの粒子は、より微細化し、透明度の高いフィルムを形成する。ウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド組成物についても同様である。
【0024】
なお、本発明のアミン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液およびウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液には、本発明の効果を損なわない範囲で、粘度調節剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、安定剤、溶解性を調整するための溶剤等、有機無機系各種添加剤を必要に応じて添加することもできる。また、各種のバインダー等の用途において、当該用途においてバインダーとともに通常使用される成分を配合して使用できるのはもとよりである。
【0025】
こうして調製された本発明のアミン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液およびウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液は、主に、各種基材のコーティング剤として使用される。基材表面に、塗布されたコーティング剤は、硬化(加水分解、縮合)させ、基材表面にコーティング膜を形成して、基材のコーティングを行なう。なお、硬化に必要な水は、適宜に加えることができ、また空気中に存在するものを利用することもできる。硬化温度は、室温でも十分であるが、シリカの前駆体の蒸発に注意しながら、適宜に300℃以下の温度で加熱することもできる。塗布方法は、たとえば、ディップコート、ロールコート、バーコート、カーテンフローコート、スプレーコート、スピンコートなど通常の種々の塗布方法を採用できる。
【0026】
基材は、コーティング剤の適用される各種用途に応じたものを適宜に選択して使用できる。基材としては、無機基材、有機基材のいずれに対しても使用でき、無機基材としては各種金属、ガラス、コンクリート等が、有機基材としてはプラスチック、皮革材料、木、紙、ゴム、織布、不織布等があげられる。
【0027】
【発明の効果】
本発明のアミン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液およびウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液は一液型で使用でき、有機性、無機性の各種基材に対して優れた密着性を有し、しかも耐水性、耐傷付き性等の各種性能に優れる。また、耐汚染性・耐薬品性等にも優れる。本発明の有機無機ハイブリッド用組成物は、各種のコーティング剤として使用でき、たとえば、特に下塗り用の塗料や、金属、ガラス、プラスチックなどの基材に対するアンカーコート剤として有用である。たとえば、金属などの無機物基材に有機系の上塗り塗料を塗布する場合の中間層として、また有機性プラスチックフィルムや成形物にゾル―ゲルコートする場合の中間層として有効である。
【0028】
また、本発明のアミン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液およびウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液は、ガスバリヤー性、特に酸素バリヤー性にも優れるため、たとえば、プラスチック基材(たとえば、食品包装材料等)にコーティングされるガスバリアコーティング剤、金属蒸着フィルム用保護コートティング剤としても有用である。プラスチック基材としては特に制限はされないが、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド等があげられる。なお、本発明の有機無機ハイブリッド用組成物を含有するガスバリアコーティング剤は、いずれの基材に対しても密着性に優れる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例および比較例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各例中、部および%は特記なし限り重量基準である。
【0030】
実施例1
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた3リットルの四ツ口フラスコに、トルエン240g、セロソルブアセテート60g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量950)366g、ジエタノールアミン14.7gおよびn−ブチルアミン7.7gを加え窒素気流下100℃で5時間反応させアミン変性エポキシ樹脂を得た。さらに、これにトリレンジイソシアネート11.6gを加え100℃で5時間反応させた後、イソプロピルアルコール120gとメチルエチルケトン180gを加え、粘度Z(ガードナー法,25℃)、固形分40%のウレタン変性エポキシ樹脂溶液を得た。更にウレタン変性エポキシ樹脂溶液にセロソルブアセテ−ト1034g、テトラメトキシシラン加水分解縮合物(多摩化学(株)製、商品名MS−51)23.5g、水4.6g、ジブチル錫ジラウレート0.5g、攪拌しながら加え、室温で2時間攪拌し、固形分20%のウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液を得た。
【0031】
実施例2
実施例1においてセロソルブアセテートの使用量を1162g、テトラメトキシシラン加水分解縮合物(多摩化学(株)製,商品名MS−51)の使用量を117.6g、水の使用量を23.0gに変更した以外は実施例1に準じて、固形分20%のウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液を得た。
【0032】
実施例3
実施例1においてセロソルブアセテートの使用量を1317g、テトラメトキシシラン加水分解縮合物(多摩化学(株)製,商品名MS−51)の使用量を235.3g、水の使用量を50.0gに変更した以外は実施例1に準じて、固形分20%のウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液を得た。
【0033】
実施例4
実施例1においてセロソルブアセテートの使用量を1140g、テトラエトキシシランの使用量を207.9g、水の使用量を44.7g、攪拌時間を3時間に変更した以外は実施例1に準じて、固形分20%のウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液を得た。
【0034】
実施例5
実施例1と同様の設備を備えた4リットルの反応装置に、トルエン182g、セロソルブアセテート36.4g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量950)572.5g、ジエタノールアミン11.5gおよびn−ブチルアミン16gを加え窒素気流下100℃で5時間反応させた後、イソプロピルアルコール72.7gおよびメチルエチルケトン109.1gを加え、アミン変性エポキシ樹脂を得た。更にアミン変性エポキシ樹脂溶液にセロソルブアセテ−ト2209g、テトラメトキシシラン加水分解縮合物(多摩化学(株)製,商品名MS−51)176.5g、水67gおよびジブチル錫ジラウレート0.75gを、攪拌しながら加え、室温で4時間攪拌し、固形分20%のアミン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液を得た。
【0035】
比較例1
実施例1で得られたウレタン変性エポキシ樹脂を、セロソルブアセテートで不揮発分20%になるように調製し、そのまま用いた。
【0036】
比較例2
実施例5で得られたアミン変性エポキシ樹脂を、セロソルブアセテートで不揮発分20%になるように調製し、そのまま用いた。
【0037】
(コーティング剤の試験)
実施例1〜5または比較例1〜2で得られた樹脂溶液400部(固形分80部)、カ−ボンブラック10部、沈降性硫酸バリウム60部およびリン酸アルミニウム系防錆顔料10部からなる組成の混合物をそれぞれペイントシェイカーで練合してコーティング剤(塗料)を調製し以下の試験に供した。結果を表1に示す。
【0038】
(1)鉛筆硬度(耐傷付き性)
得られたコーティング剤を、脱脂未処理ダル鋼板(JIS G 3141)に膜厚40μmで塗布し、20℃で7日間乾燥し、JIS−K5400塗料一般試験方法による鉛筆引っかき試験を行った。
【0039】
(2)耐水性
得られたコーティング剤を、脱脂未処理ダル鋼板(JIS G 3141)に膜厚40μmで塗布し、20℃で7日間乾燥した後、40℃の水槽中に240時間浸漬後、JIS−K5400塗料一般試験方法によるゴバン目セロハンテ-プ剥離試験を行い、以下の基準で評価した。
◎−−− 100/100
○−−−99〜95/100
△−−−94〜70/100
×−−−69〜 0/100
【0040】
(3)密着性
得られた塗料を、下記基材(▲1▼〜▲3▼)に膜厚40μmで塗布し、20℃で7日間乾燥した後、JIS−K5400塗料一般試験方法によるゴバン目セロハンテ-プ剥離試験を行、以下の基準で評価した。
▲1▼アルミニウム板(JIS H 4000)
▲2▼ステンレス板(JIS G 4305〔SUS304〕)
▲3▼溶融亜鉛メッキ鋼板(ペンタイト鋼板〔日新製鋼(株)製〕)
◎−−− 100/100
○−−−99〜95/100
△−−−94〜70/100
×−−−69〜 0/100
【0041】
【表1】
【0042】
実施例6〜10
実施例1〜5において、セロソルブアセテートに代えてテトラヒドロフランを用いた以外は実施例1〜5と同様にして、固形分20%の各種変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液を得た。
【0043】
比較例3
実施例1において得られたウレタン変性エポキシ樹脂溶液をテトラヒドロフランで希釈し、不揮発分20%のウレタン変性エポキシ樹脂溶液を得た。
【0044】
比較例4
実施例1において得られたアミン変性エポキシ樹脂溶液をテトラヒドロフランで希釈し、不揮発分20%のアミン変性エポキシ樹脂溶液を得た。
【0045】
(コーティング剤:ガスバリアコーティング剤の試験(2))
実施例6〜10または比較例3〜4で得られたれぞれの樹脂溶液をOPPフィルム(東洋紡(株)製,商品名パイレン2161)にバーコーター#16で塗布し、100℃度で1分間乾燥した。上記フィルムを用いて、東洋精機製作所製M−C3型で酸素透過率を測定した。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
Claims (9)
- (1)(a)ビスフェノール型エポキシ樹脂及び(b)アルカノールアミン類を含むアミン類を反応せしめて得られるアミン変性エポキシ樹脂を含む溶液に、(2)加水分解性アルコキシシランを加えてなる、アミン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液。
- (1’)(a)ビスフェノール型エポキシ樹脂及び(b)アルカノールアミン類を含むアミン類を反応せしめて得られるアミン変性エポキシ樹脂にさらに(c)ポリイソシアネート化合物を反応させて得られる、アミン変性エポキシ樹脂およびウレタン変性エポキシ樹脂を含む溶液に、(2)加水分解性アルコキシシランを加えてなる、ウレタン変性エポキシ樹脂−シリカハイブリッド溶液。
- 加水分解性アルコキシシランが、テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物である請求項1または2に記載の溶液。
- 硬化触媒を含有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の溶液。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の溶液を用いてなるコーティング剤。
- プラスチック基材のガスバリアコーティング剤として用いられる請求項5に記載のコーティング剤。
- プラスチック基材と無機基材のアンカーコート剤として用いられる請求項5に記載のコーティング剤。
- 基材表面に、請求項5〜7のいずれかに記載のコーティング剤を塗布した後、硬化させ、基材表面にコーティング膜を形成させる基材のコーティング方法。
- 基材表面に、請求項5〜7のいずれかに記載のコーティング剤を塗布した後、硬化させ、基材表面にコーティング膜を形成させたコーティング基材。
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