JP4505725B2 - 三相インバータ装置 - Google Patents
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図6において、10は半導体スイッチング素子11〜16を備えた三相インバータであり、周知のように直列接続されたスイッチング素子11,14からなるu相アーム部と、同じく12,15からなるv相アーム部と、同じく13,16からなるw相アーム部とが、図示されていない直流電圧部に並列に接続されており、スイッチング素子11,14同士の接続部、同12,15同士の接続部、同13,16同士の接続部である出力端子に負荷が接続されている。
座標変換手段23では、電圧指令ベクトルの位相に同期した位相角θを用いて、三相負荷電流を二軸回転座標上の成分に変換し、有効電流振幅iδ及び無効電流振幅iγを導出する。なお、座標変換手段23では、電流検出手段21,22により検出されない他の一相(v相)の電流を、三相電流の総和がゼロになることを利用して導出している。
指令パルス発生手段25は、電圧指令の振幅V及び位相角θに基づいて、三相インバータ10の各スイッチング素子11〜16に与えるオン・オフ信号を生成する。
三相インバータ10は、各スイッチング素子11〜16が所定の規則に従ってオン・オフを繰り返すことにより、電圧指令に比例した電圧が出力されて負荷に印加されることになる。
インバータ10の直流入力電流idcは、スイッチング素子11〜16のオン・オフ状態に依存して三相のうち何れかの相の負荷電流に必ず一致する。また、インバータ10の全ての上アームのスイッチング素子11〜13のみがオンし、または、全ての下アームのスイッチング素子14〜16のみがオンする場合、負荷電流はオン状態のスイッチング素子を環流するため、idcはゼロとなる。
この従来技術によれば、単一の安価な直流入力電流検出手段26によって負荷電流を検出し、インバータ10を制御できるため、装置の低コスト化が可能になる。
(1)デッドタイム:インバータを構成する上下アームのスイッチング素子は、理論的には相補的(すなわち、上アームがオン(オフ)の時に下アームはオフ(オン))であるものの、実際にはその切替を同時に行うことはできない。これは、スイッチング素子のオンとオフには有限の時間がかかること、また、制御装置でオン・オフ信号が発せられてから実際にスイッチング素子にオン・オフのための電圧または電流が与えられるまでに遅れ時間があること、及び、これらの時間が動作条件や回路条件によってばらつきを有することに起因する。
共振電流が減衰するには通常、数サイクルを要するため、その期間中にidcのサンプル・ホールドを行うと、実際に欲しい低周波成分に共振成分が重畳した値を検出してしまい、検出精度を低下させる原因となる。
しかし、指令パルスの持続時間が上記所定時間以下となる場合もあり、更に、ごく短時間のうちに直流入力電流idcから二相の負荷電流を得るためには、idcをサンプル・ホールドする二つの時点の両者について指令パルスの持続時間を所定値以上としなければならないが、この条件を満たすような動作は限られているのが実情である。
キャリア周波数は電圧指令周波数に対して通常は十分高いため、キャリアの1周期や2周期の間では電圧指令値はほぼ一定値と見なして差し支えないため、図示例では電圧指令値を一定値で表示してある。
図8の状態では、三相電圧指令値のうちv相及びw相の指令値が近いため、v相アーム部とw相アーム部のオン・オフの切替タイミングが近く、idc=−iwとなるモードの持続時間が極めて短くなり、この間に直流入力電流idcをサンプル・ホールドすることができなくなる。なお、図7において、S&Hはidc=iuとなるモードにおけるサンプル・ホールドのタイミングを示す。
すなわち、PWMパルスが例えば“0”から“1”に変化するタイミングはインバータの動作条件に依存するため、当然のことながら、idcのサンプル・ホールドのタイミングもそれに応じて変化させなければならない。また、その変化させるタイミングは、出力するPWMパルスが決定されてから実際にPWMパルスが変化するまでのごく短時間の間に所定の演算を行って決定する必要があるため、演算負荷の増大が一層顕著となり、これが性能劣化の原因となる。
また、特許文献6に記載された従来技術では、キャリア波形を変更してPWMパルスを変更しているため、処理が複雑になると共に、二相の電圧指令値が完全に一致する場合には、キャリア波形を変更してもidcを検出できないという問題がある。
前記制御装置は、
3個のアーム部のうち1個のアーム部のみにおいて前記負荷の端子が前記直流電圧部の正極と実質的に導通状態となる3種類のモード、または、1個のアーム部のみにおいて前記負荷の端子が前記直流電圧部の負極と実質的に導通状態となる3種類のモードのうち、前記三相インバータの電圧指令ベクトルの所定位相周期ごとに特定される2種類の前記モードにおいて、前記アーム部を介して前記直流電圧部と前記負荷との間を流れる直流入力電流をサンプル・ホールドする手段と、
前記電圧指令ベクトルがとり得る位相角を前記所定位相周期により分割した各領域について、前記手段により2種類の前記モードにおいてそれぞれサンプル・ホールドした二つの直流入力電流値と、前記電圧指令ベクトルの位相角情報とを用いて負荷電流ベクトルの成分を求める手段と、
前記直流入力電流をサンプル・ホールドするモードの持続時間が所定の長さになるように前記PWM信号を変更する手段と、を備え、
前記所定位相周期を60°に設定して前記電圧指令ベクトルがとり得る位相角の領域を6個に分割し、電圧指令ベクトルの位相角情報を120°間隔で分布する三相基準軸を中心とした−60°〜60°の値にすると共に、2種類の前記モードにおいてそれぞれサンプル・ホールドした直流入力電流値、電圧指令ベクトルの位相角情報及び係数を用いた四則演算、並びに、電圧指令ベクトルの位相角の極性判定のみにより、サンプル・ホールドした前記直流入力電流値がどの相の負荷電流に相当するかを判定せずに、負荷電流ベクトルの成分を求めるものである。
なお、前記2種類のモードとは、言い換えれば、電圧指令ベクトルが存在する領域を決定する二つの電圧ベクトルを出力するためのスイッチングモードに他ならない。
なお、請求項3または4において変更する三相電圧指令値は、例えば瞬時値や振幅等である。
更に、PWMパルスが細すぎて直流入力電流を検出できない事態をなくすことができるので、負荷電流ベクトルの成分を常時導出できるようになり、二相分の負荷電流を直接検出する従来のインバータ装置と比べても、制御性能を遜色ない程度にまで高めることができる。
まず、図1は本発明の実施形態を示す各信号波形図であり、請求項1の発明に相当する。
前述した図8の例では、v相電圧指令値とw相電圧指令値とが近いため、−iwに相当する直流入力電流idcを検出可能なモードの持続時間が短くなっている。そこで、図1の実施形態では、元の電圧指令値(図8とほぼ等しい)におけるv相についてPWMパルスを変更することとし、具体的には、idcをサンプル・ホールドするキャリア半周期(図1の期間T1)において電圧指令値を正側に変更している。これによって、図1に示すようにv相のアーム部に対するスイッチングタイミングが遅れ、−iwに相当するidcを検出可能なモードの持続時間がサンプル・ホールドを行う上で十分な長さになる。なお、図1では、上述した期間T1において、二つのサンプル・ホールドのタイミングにより−iw及びiuに相当するidcを検出することができる。
すなわち、本実施形態では、特定の相の電圧指令値を部分的に変更してPWMパルスを変更することにより、ある相の負荷電流に相当する直流入力電流idcをサンプル・ホールドするモードの十分な持続時間を確保している。
図1に示したようにキャリア半周期で二相分の負荷電流に相当するidcを検出する場合、例えば図7の従来技術では、検出したidcがどの相の負荷電流に相当するかを判別してから、通常の二相分の負荷電流を直接検出する場合(図6)と同様の処理を行う必要があるが、これでは演算量の増大は避けられない。このことは、前述したPWMパルスの操作のために必要な演算量と相まって、インバータ本来の制御性能を著しく低下させる原因となる。
そこで、図2の構成は、直流入力電流がどの相の負荷電流に相当するかという判定処理を行わずに、負荷電流ベクトルの回転座標上の成分(以下、単に二軸電流ともいう)を導出可能としたものである。
また、サンプル・ホールド信号aは、電圧指令ベクトルが存在する60°の領域ごとに、検出可能な二相分の直流入力電流idcが、ほぼ同時刻と見なせるごく短時間にサンプル・ホールド手段27に取り込まれるように出力される。
以下、上記の内容を詳述する。
なお、電圧ベクトルの記号に併記した(0,1,0),(1,0,0)等は、(u相,v相,w相)のスイッチング素子のオン・オフ状態を示しており、“1”は上アームのスイッチング素子がオン、“0”は下アームのスイッチング素子がオンの状態を表す。例えば、(0,1,0)は、図2のインバータ10におけるu相の下アームスイッチング素子14がオン、v相の上アームスイッチング素子12がオン、w相の下アームスイッチング素子16がオンの状態である。(0,0,0),(1,1,1)は何れもゼロ電圧ベクトルを示す。
また、ベクトル図の下には、電圧指令ベクトルがとり得る位相角θ(0〜360°)に応じた各相電圧指令の変化、及び、位相角θのときに電圧指令ベクトルvが存在する6種類の領域<I>〜<VI>(ベクトル図の領域に対応する)を波形で示している。
ここで、検出できる二つの相の負荷電流のうち、極性が正である相の電流をis1とし、負である相の電流をis2として検出し、更に、極性が正である相を電流ベクトル基準相として数式2に従って電流ベクトルを定義するものとする。このときの電圧指令ベクトルvの存在領域、is1,is2、電流ベクトル基準相の関係を整理すると、表1のようになる。
ここで更に、電圧指令ベクトルvの位相角θも、電圧指令ベクトルvが存在する領域ごとに表1に示す電流ベクトル基準相を基準として定義するものとし、その位相角を新たにθvとすれば、数式9,数式10の関係が成り立つ。
上記構成において、係数乗算手段34からはXが出力されると共に、係数乗算手段36からYが出力され、このYは前記数式9により乗算手段38にてYsに変換される。これらのX,Ysと行列39との演算により、電流ベクトルiの有効分(有効電流振幅)iδ及び無効分(無効電流振幅)iγが求められる。
また、60°マスク処理手段33は、θからθvへの変換をソフトウェア処理で実現する場合を想定しており、符号付き2進数で表したθがθ=60°で桁上がりするようにし、符号ビットより上位の桁についてマスク処理を行うことによって実質的に処理の追加なしで実現可能である。これに関連して、θvの符号判定関数sign(θv)は、θvを符号付き2進数で表した場合に符号ビットの参照のみで実現可能であるため、ソフトウェア処理時間はごく小さく、全体に与える影響は無視することができる。
上記電流成分iδ,iγを電圧指令演算手段24に入力した後の三相インバータ10の制御動作は図7と同様であるため、ここでは説明を省略する。
なお、電圧指令値の変更によるPWMパルスの変更は、電圧指令演算手段24により実現される。
図2に示したように、負荷電流の相との対応関係を判定せずに直流入力電流から負荷電流ベクトルの成分を直接検出する主目的はコストの低減であり、このような技術を用いるインバータでは、演算用のCPUとしても安価なものを用いることが多い。このため、演算量の増大による性能低下は一層顕著になる。
これに対し、本実施形態では負荷電流の相の判定が不要であるので、演算量の増大が緩和され、PWMパルスの変更に必要とされる演算量の増加をより許容しやすくなるという利点がある。
このように、PWMパルスをある期間だけ変更して直流入力電流のサンプル・ホールドを行うと共に、上記期間の前または後において、前記PWMパルスの変更を相殺するように再度、PWMパルスを変更する発明が、請求項2の発明に相当する。
インバータの制御に用いられるCPUは、PWMパルスを生成するための機能を有している場合があり、その場合には、ソフトウェアによって生成された電圧指令値をPWMパルス生成部に送信し、PWMパルス生成部は与えられた電圧指令値とキャリア波を比較して、その大小関係に応じてPWMパルスを生成するという形態が多い。従って、このような構成の場合にはPWMパルスを直接操作することができないため、電圧指令値の振幅を変更することによってこれを実現すればよい。
上記のように、三相電圧指令値の振幅または瞬時値等を変更してPWMパルスを変更する発明が、請求項3の発明に相当する。
すなわち、三相電圧指令値のうち、振幅が最大値をとるものを正の固定値、最小値をとるものを負の固定値とすると共に、上記最大値と最小値との間にある任意の中間値を中間固定値(例えばゼロ)とし、各相電圧指令値をこれらの正または負の固定値、及び中間固定値の何れかに変更する。図4では、期間T1において、u相電圧指令値を正の固定値に、v相電圧指令値を中間固定値に、w相電圧指令値を負の固定値に変更している。
勿論、キャリアの半周期でidcを2回サンプル・ホールドしなくても、本手法の有効性に変わりはない。
上記のように、idcを検出する際に変更する電圧指令値を三つの固定値のいずれかとすることが、請求項4の発明に相当する。
すなわち、三相電圧指令値のうちの中間値を固定値とすることにより、二つの相の負荷電流をそれぞれ検出する二つのモードの切替タイミングが、キャリア波の周期における特定位相に固定される。図4の例では、中間固定値をゼロにしてあるので、二つのモードの切替タイミングは、キャリア波の最小値を位相0°とすると、キャリア波の半周期の1/2の位相すなわち90°となる。従って、この切替タイミングの前後の好ましい時点を予め固定しておいてその時点にidcのサンプル・ホールドを行うようにすれば、所望のidcの値を確実に得ることができる。
上記のように、idcのサンプル・ホールドのタイミングを、キャリア波の所定位相を基準として固定することが請求項5の発明に相当する。
三相電圧指令値の大小関係は、前述のように電圧指令ベクトルをその位相60°ごとの領域に分けて考える場合、一つの領域においては入れ替わることがない。すなわち、電圧指令ベクトルvが図3における領域<I>にある場合、各相電圧指令値の大小関係は、u相>v相>w相で固定される。
このため、前述したように電圧指令値を固定値に変更すれば、この大小関係は保存される。
よって、サンプル・ホールドされる順番だけで、負荷電流ベクトルの成分を演算するためのis1とis2を簡単に振り分けることができる。そして、2回のサンプル・ホールドのタイミングを、固定された中間固定値の発生タイミング(中間固定値とキャリアとの交差時点)の前及び後の好ましい時点に予め決めておけば、サンプル・ホールドのたびに変更する必要がなくなる。
このように、従来のidcのサンプル・ホールドでは必須であったタイミング調整が不要となること、及び、相電流を特定せずに負荷電流ベクトルを導出可能としたことにより、図6の従来技術の如く二相の負荷電流を直接検出するインバータに対する演算量の増大は、問題にならないレベルにまで低減される。
よって、例えば図4の期間T1における電圧指令値の変更を相殺するために期間T2で電圧指令値を更に変更する場合、その値は必ず−1〜1の間の値となるため、電圧指令値がキャリア波の波高値を超えることがなく(=過変調となることがなく)、電圧指令値の変更の相殺を正しく行うことができる。
上記のように、電圧指令値を変更する場合の中間固定値をゼロにすることが請求項6の発明に相当する。
この図5の期間T1において、中間固定値となるv相の電圧指令値をキャリア波が超えると、所定のデッドタイム後にv相の上下アームのスイッチング素子のオン・オフが切り替わり、共振電流も考慮した時刻後にidcがサンプル・ホールドされ、u相負荷電流に相当する値が検出される。このサンプル・ホールドが行われてしまえば、後はu相アームの上下スイッチのオン・オフの切り替わりはいつ生じてもよい。この場合、図示するようにu相については電圧指令値の変更を行わなくてもよいことになる。
上記のように、電圧指令値を変更する前の三相電圧指令値のうち正または負の最大値をとる相の少なくとも一方については、電圧指令値を変更しないことが請求項7の発明に相当する。
従って、電圧指令値の変更により三相電圧指令値の正または負の最大値が正または負の固定値を超える場合には、当該相について電圧指令値を変更しなければ、上述した過変調の問題を生じることはない。この着想が、請求項8の発明に相当する。
このような方法は、例えばPWM信号の生成を「空間ベクトル変調」によって実施する場合に用いることができる。
負荷電流ベクトルの二軸成分両方が必要ない場合には、必要な軸の成分の演算のみ行なうようにして演算量を更に低減することができる。例えば、電流の有効分のみ必要な場合にはこれに必要な演算だけを行えばよい。
電圧指令値を変更する場合の正負の固定値は、絶対値を等しくしてもよい。これにより、全ての領域<I>〜<IV>において動作が対称的になるため、制御を簡素化でき、動作解析も容易になる。
11〜16:半導体スイッチング素子
24:電圧指令演算手段
25:指令パルス発生手段
26:直流入力電流検出手段
27:サンプル・ホールド手段
29:サンプル・ホールド信号発生手段
30:電流変換手段
31:電流検出値属性判定手段
32,34,36:係数乗算手段
33:60°マスク処理手段
35:加算手段
37:符号判定関数
38:乗算手段
39:位相角関数行列
Claims (9)
- 少なくとも2個の半導体スイッチング素子を直列に接続してなるアーム部が直流電圧部に3個並列接続され、これらの3個のアーム部における半導体スイッチング素子同士の接続部に負荷が接続された三相インバータと、前記スイッチング素子を所定のキャリア周期を有するPWM信号に従ってオン・オフするための制御装置とを備えた三相インバータ装置において、
前記制御装置は、
3個のアーム部のうち1個のアーム部のみにおいて前記負荷の端子が前記直流電圧部の正極と実質的に導通状態となる3種類のモード、または、1個のアーム部のみにおいて前記負荷の端子が前記直流電圧部の負極と実質的に導通状態となる3種類のモードのうち、前記三相インバータの電圧指令ベクトルの所定位相周期ごとに特定される2種類の前記モードにおいて、前記アーム部を介して前記直流電圧部と前記負荷との間を流れる直流入力電流をサンプル・ホールドする手段と、
前記電圧指令ベクトルがとり得る位相角を前記所定位相周期により分割した各領域について、前記手段により2種類の前記モードにおいてそれぞれサンプル・ホールドした二つの直流入力電流値と、前記電圧指令ベクトルの位相角情報とを用いて負荷電流ベクトルの成分を求める手段と、
前記直流入力電流をサンプル・ホールドするモードの持続時間が所定の長さになるように前記PWM信号を変更する手段と、を備え、
前記所定位相周期を60°に設定して前記電圧指令ベクトルがとり得る位相角の領域を6個に分割し、電圧指令ベクトルの位相角情報を120°間隔で分布する三相基準軸を中心とした−60°〜60°の値にすると共に、2種類の前記モードにおいてそれぞれサンプル・ホールドした直流入力電流値、電圧指令ベクトルの位相角情報及び係数を用いた四則演算、並びに、電圧指令ベクトルの位相角の極性判定のみにより、サンプル・ホールドした前記直流入力電流値がどの相の負荷電流に相当するかを判定せずに、前記負荷電流ベクトルの成分を求めることを特徴とする三相インバータ装置。 - 請求項1に記載した三相インバータ装置において、
直流入力電流をサンプル・ホールドする前または後に、PWM信号の変更を相殺するようにPWM信号を更に変更することを特徴とする三相インバータ装置。 - 請求項1または2に記載した三相インバータ装置において、
変更前のPWM信号をキャリア波と三相電圧指令値とを比較して生成すると共に、
PWM信号の変更を、三相電圧指令値のうち少なくとも一相分の値を所定期間変更することにより行うことを特徴とする三相インバータ装置。 - 請求項3に記載した三相インバータ装置において、
変更前の三相電圧指令値のうち最大値を正の固定値、最小値を負の固定値、最大値と最小値との間にある中間値を中間固定値にそれぞれ変更することを特徴とする三相インバータ装置。 - 請求項4に記載した三相インバータ装置において、
直流入力電流のサンプル・ホールドのタイミングを、キャリア波の所定位相を基準として固定することを特徴とする三相インバータ装置。 - 請求項4または5に記載した三相インバータ装置において、
中間固定値をゼロとすることを特徴とする三相インバータ装置。 - 請求項4〜6の何れか1項に記載した三相インバータ装置において、
電圧指令値を変更する前の三相電圧指令値のうち正または負の最大値をとる相の少なくとも一方については、電圧指令値を変更しないことを特徴とする三相インバータ装置。 - 請求項4〜6の何れか1項に記載した三相インバータ装置において、
電圧指令値を変更する前の三相電圧指令値の正または負の最大値が正または負の固定値を超える場合に、当該相については電圧指令値を変更しないことを特徴とする三相インバータ装置。 - 請求項1または2に記載した三相インバータ装置において、
PWM信号の変更を、各スイッチング素子のオン・オフのタイミングを変更することにより実行し、かつ、直流入力電流をサンプル・ホールドする二つのモードのうちの一方から他方へ移行するタイミングを、キャリア周期の所定位相を基準として固定することを特徴とする三相インバータ装置。
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