JPWO2014024460A1 - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
本発明のモータ制御装置は、一方を直流電源に接続するとともに、他方を複数相の駆動巻線を有するモータに接続されるインバータと、直流電源とインバータとの間に配置された電流検出器と、電流検出器が検出するインバータ母線電流を変換することで、駆動巻線に流れる電流を検出し、インバータが備える複数のスイッチング素子対に対して複数相のPWM信号を出力する制御回路と、を備えたモータ制御装置において、制御回路は、モータを駆動するためのモータ駆動用PWM信号に対して、インバータ母線電流を検出するための電流検出用PWM信号を印加して、PWM信号を生成する。
Description
本発明は、ブラシレスDCモータなどを効率的に駆動するモータ制御装置に関する。
近年、各電気機器は、地球環境保護の観点から、消費電力を低減することが強く求められている。消費電力を低減する技術の一つとして、効率が高いモータを任意の周波数で駆動する、インバータ制御などが広く使用されている。効率が高いモータには、ブラシレスDCモータなどがある。以下、ブラシレスDCモータを、「モータ」と記すこともある。また、モータを駆動する技術方式として、矩形波状の電流によりモータを駆動する矩形波駆動方式がある。矩形波駆動方式と比べて、より効率が高く、騒音も低くすることができる正弦波駆動方式もある。特に、正弦波駆動方式が注目されている。
ブラシレスDCモータを効率よく正弦波駆動方式で駆動するためには、ブラシレスDCモータに流される巻線電流の位相を、適切に制御する必要がある。以下、巻線電流を、「電流」と記すこともある。巻線電流の位相を適切に制御するためには、モータが有する3相のうち、最低でも2相分の巻線電流を検出する必要がある。この2相分の電流を安価に検出する電流検出方式として、1シャント電流検出方式が提案されている。
図11は、従来のモータ制御装置の回路構成を示す構成図である。図11に示すように、従来の1シャント電流検出方式が用いられたモータ制御装置は、インバータ23と、直流電源25と、電流検出器22を備える。
電流検出器22は、インバータ23と直流電源25との間に1つ設けられる。インバータ23に供給されるPWM信号に応じて、適切に電流検出器22からの信号をサンプリングすれば、2相分の電流が検出できる。
インバータ23の一端は、直流電源25の高電圧側電極と接続される。インバータ23の他端は、直流電源25の低電圧側電極と接続される。インバータ23は、3相分の1対のスイッチング素子を有する。1対のスイッチング素子は、高電圧側のスイッチング素子と低電圧側のスイッチング素子とを有する。高電圧側のスイッチング素子と低電圧側のスイッチング素子とは、直列に接続される。高電圧側のスイッチング素子には、「H」の添え字を付す。低電圧側のスイッチング素子には、「L」の添え字を付す。つまり、U相に用いられる1対のスイッチング素子として、高電圧側スイッチング素子23UHと、低電圧側スイッチング素子23ULとを有する。同様に、V相に用いられる1対のスイッチング素子として、高電圧側スイッチング素子23VHと、低電圧側スイッチング素子23VLとを有する。W相に用いられる1対のスイッチング素子として、高電圧側スイッチング素子23WHと、低電圧側スイッチング素子23WLとを有する。
図12は、電気角とモータ巻線に流される電流の方向とを示す説明図である。図12には、モータ21が有する各相の巻線に流される相電流の状態が示される。また、図12には、電気角を60°毎に区切った、各区間における各相の巻線に流される電流の方向が示される。図12に示すように、インバータ23からモータ中性点に流れる方向を正、モータ21からインバータ23に流れる方向を負と定義する。例えば、電気角0〜60°の区間においては、U相巻線21UとW相巻線21Wには正の電流が流されており、V相巻線21Vには負の電流が流れている。図12に示すように、モータ21には、正弦波状の電流が流される。正弦波状の電流は、電気角が60°毎に、各相の電流の向きが切り替わる。このような正弦波状の電流が流されるため、モータ21は効率よく駆動される。
図12に示された正弦波状の電流をモータ21に流すために、つぎの制御がなされる。すなわち、制御回路24が有する駆動電圧指令演算器26によって、モータ21に対する駆動電圧指令が演算される。演算された駆動電圧指令に基いて、各スイッチング素子を制御するPWM信号が生成される。PWM信号は、パルス変調器27によって生成される。図13に示される、生成された各相のPWM信号の組合せにより、インバータ23が駆動される。
図13は、1シャント電流検出方式におけるPWM信号と検出できる相電流の関係を示す関係図である。図13において、「0」は、PWM信号のロウレベルを示す。「0」で示されるPWM信号は、対応するスイッチング素子が「OFF」の状態である。「1」は、PWM信号のハイレベルを示す。「1」で示されるPWM信号は、対応するスイッチング素子が「ON」の状態である。図13には、PWM信号の組合せにより、電流検出器22で検出できるモータ21の電流が示される。例えば、組合せ(b)のPWM信号の場合、W相に流れる電流Iwが検出できる。また、組合せ(c)のPWM信号の場合、V相に流れる電流Ivが検出できる。
ここで、各相に対する駆動電圧指令が互いに十分離れていれば、各PWM信号の組合せを示す状態の保持時間が確保される。よって、PWM信号が1周期分、変化する間に、図13に示したPWM信号の組合せに従って、2相分の電流が検出できる。以下、PWM信号の1周期を「PWM周期」ともいう。
しかし、2相あるいは3相に対する駆動電圧指令が近接すると、各PWM信号の組合せを示す状態の保持時間が短くなる。よって、2相分の電流が、検出できなくなるという課題が発生する。この課題を解決する方法が、特許文献1に記載されている。特許文献1は、2相分の電流が検出できなくなるような期間には、PWM信号のパルス幅を補正するというものである。
図14A、図14Bは、従来の1シャント電流検出方式におけるPWM方式を説明するための波形図である。
図14A、図14Bには、PWM信号のパルス幅を補正する前後における、3相の駆動電圧指令VuS、VvS、VwSと、3相のPWM信号UH、VH、WHの波形が示される。
各PWM信号において、正しく電流を検出するために、最低限必要とされる保持時間を時間tとする。時間tとは、PWM信号が変化してから、電流検出器22で検出される電流が安定するまでの待ち時間と検出された電流の電流値が取り込まれる時間とを合わせた時間である。正しく電流を検出するためには、時間tだけPWM信号の状態(「1」または「0」)を保持する必要がある。しかし、図14Aに示すように、3相の駆動電圧指令値のうち、2つ以上が近接した場合、時間tを確保できなくなるPWM信号が発生する。時間tを確保できないPWM信号が発生すると、電流を検出できなくなる。
この状態を回避するために、つぎの対応を行う。図11に示すように、駆動電圧指令演算器26は、2相に対する駆動電圧指令値が近いため、2相分の電流を検出できないと判断する。このとき、図14Bに示すように、駆動電圧指令演算器26は、PWM信号の周期T1でPWM信号の各組合せを時間tだけ保持するように、例えば駆動電圧指令VwSを変調する。この結果、PWM信号WHのパルス幅を30から20に減少させる。また、次のPWM信号の周期T2で駆動電圧指令VwSを変調して、PWM信号WHのパルス幅を30から40に増加させる。
このように、PWM信号の2周期において、PWM信号WHのパルス幅の平均は、30のままで変っていない。しかも、電流を検出するための時間tは確保できるので、安定して電流を検出できる。ここで、家電製品など騒音が問題になる用途において、PWM信号の周波数は、PWMによる騒音が可聴域に入らないように、16〜20kHz程度に設定されることが一般的である。以下、PWM信号の周波数を「PWM周波数」と記すこともある。
上記の目的を達成するために、本発明のモータ制御装置は、インバータと、電流検出器と、制御回路と、を備える。
インバータは、一方を直流電源に接続するとともに、他方を複数相の駆動巻線を有するモータに接続する。インバータは、直流電源の高電圧側に配置する上アームスイッチング素子と直流電源の低電圧側に配置する下アームスイッチング素子とを有する複数のスイッチング素子対を備える。インバータは、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との接続点がモータの各相を成す駆動巻線と接続される。インバータは、複数相の駆動巻線に対して複数相の駆動電圧を印加してモータを駆動する。
電流検出器は、直流電源とインバータとの間に配置される。
制御回路は、電流検出器が検出するインバータ母線電流を変換することで、駆動巻線に流れる電流を検出する。制御回路は、インバータが備える複数のスイッチング素子対に対して複数相のPWM信号を出力する。
制御回路は、モータを駆動するためのモータ駆動用PWM信号に対して、インバータ母線電流を検出するための電流検出用PWM信号を印加して、PWM信号を生成する。
本発明は、後述する各実施の形態におけるモータ制御装置により、電流検出用PWM信号に応じて、電流検出器に流される電流から安定してモータ電流が検出できる。また、3相共に同じ時間幅の電流検出用PWM信号が印加されるため、モータの駆動巻線に加えられる電圧にずれが発生しない。モータの駆動巻線に加えられる電圧にずれが発生しないため、改めて駆動電圧を補正する必要はない。従って、PWM信号の低次の周波数成分に起因する騒音を抑制でき、可聴域における騒音問題を回避できる。
換言すれば、簡単な構成で、PWM信号の周波数において、低次の周波数成分に起因する騒音を抑制できる。
つまり、従来のモータの制御方法には、つぎの改善点があった。すなわち、図14に示すように、PWM信号の2周期の間で、駆動電圧指令値が変調されて、パルス幅が補正される。PWM信号のパルス幅が補正、すなわち、PWM信号のパルス幅が増減されると、PWM信号の2周期で変化する成分が発生する。このため、PWM周波数の1/2の成分において、騒音が発生する。例えば、PWM周波数を20kHzに設定した場合、周波数が10kHzの騒音が発生する。10kHzの周波数は可聴域であるため、この騒音への対応が求められる。特に、指示する駆動電圧指令が小さいときには、各相に対する電圧レベルが互いに接近する。よって、駆動電圧指令が頻繁に変調されるため、PWM信号のパルス幅も頻繁に補正される。PWM信号のパルス幅が頻繁に補正されると、騒音の問題が発生しやすくなる。
以下、特に顕著な効果を発揮する3相のブラシレスDCモータについて、図面を用いて説明する。
なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、背景技術で説明したものと同じ構成要素については、同一の符号を付し、説明を援用する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置の回路構成を示す構成図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置は、直流電源5に接続されるインバータ3と、電流検出器2と、制御回路4と、を備える。
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置の回路構成を示す構成図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置は、直流電源5に接続されるインバータ3と、電流検出器2と、制御回路4と、を備える。
インバータ3は、一方を直流電源5に接続するとともに、他方を複数相の駆動巻線を有するモータ1に接続する。インバータ3は、直流電源5の高電圧側に配置する上アームスイッチング素子と直流電源の低電圧側に配置する下アームスイッチング素子とを有する複数のスイッチング素子対を備える。インバータ3は、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との接続点がモータ1の各相を成す駆動巻線と接続される。インバータ3は、複数相の駆動巻線に対して複数相の駆動電圧を印加してモータ1を駆動する。
電流検出器2は、直流電源5とインバータ3との間に配置される。
制御回路4は、駆動電圧指令演算器11と、電流検出PWM生成器12と、パルス変調器13と、PWM合成器14と、を有する。
制御回路4は、電流検出器2が検出するインバータ母線電流を変換することで、駆動巻線に流れる電流を検出する。制御回路4は、インバータ3が備える複数のスイッチング素子対に対して複数相のPWM信号を出力する。
制御回路4は、モータ1を駆動するためのモータ駆動用PWM信号に対して、インバータ母線電流を検出するための電流検出用PWM信号を印加して、PWM信号を生成する。
さらに、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置は、つぎの特徴を有してもよい。すなわち、制御回路4は、PWM信号の1周期における駆動電圧のバランスを崩さないように、モータ駆動用PWM信号に対して電流検出用PWM信号を印加する。
特に、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置は、つぎの特徴を有してもよい。すなわち、制御回路4は、他の相のPWM信号が変化しないタイミングで、モータ駆動用PWM信号に対して1相ずつ順番に電流検出用PWM信号を印加する。
さらに、図1を用いて、詳細に説明する。
インバータ3は、3相のスイッチング素子対を備える。U相のスイッチング素子対3Uは、上アームスイッチング素子3UHと下アームスイッチング素子3ULとを有する。上アームスイッチング素子3UHは、直流電源5と接続され、直流電源5の高電圧側に配置される。下アームスイッチング素子3ULは、直流電源5と接続され、直流電源5の低電圧側に配置される。上アームスイッチング素子3UHと下アームスイッチング素子3ULとは、直列に接続される。上アームスイッチング素子3UHと下アームスイッチング素子3ULとの接続点は、モータ1のU相を成す駆動巻線1uと接続される。以下、モータの駆動巻線を「巻線」と記すこともある。インバータ3は、U相の駆動巻線1uに対して、U相の駆動電圧を印加する。
同様に、V相のスイッチング素子対3Vは、上アームスイッチング素子3VHと下アームスイッチング素子3VLとを有する。上アームスイッチング素子3VHは、直流電源5と接続され、直流電源5の高電圧側に配置される。下アームスイッチング素子3VLは、直流電源5と接続され、直流電源5の低電圧側に配置される。上アームスイッチング素子3VHと下アームスイッチング素子3VLとは、直列に接続される。上アームスイッチング素子3VHと下アームスイッチング素子3VLとの接続点は、モータ1のV相を成す駆動巻線1vと接続される。インバータ3は、V相の駆動巻線1vに対して、V相の駆動電圧を印加する。
さらに、W相のスイッチング素子対3Wは、上アームスイッチング素子3WHと下アームスイッチング素子3WLとを有する。上アームスイッチング素子3WHは、直流電源5と接続され、直流電源5の高電圧側に配置される。下アームスイッチング素子3WLは、直流電源5と接続され、直流電源5の低電圧側に配置される。上アームスイッチング素子3WHと下アームスイッチング素子3WLとは、直列に接続される。上アームスイッチング素子3WHと下アームスイッチング素子3WLとの接続点は、モータ1のW相を成す駆動巻線1wと接続される。インバータ3は、W相の駆動巻線1wに対して、W相の駆動電圧を印加する。
インバータ3は、U相、V相、W相の各相に対して、各相の駆動電圧を印加して、モータ1を駆動する。
電流検出器2は、直流電源5とインバータ3との間に接続される。電流検出器2は、インバータ母線電流を検出する。駆動巻線1u、1v、1wに流される電流は、インバータ母線電流を変換することで、検出できる。以下、駆動巻線1u、1v、1wに流される電流を「モータ電流」と記すこともある。インバータ3は、制御回路4から出力されるPWM信号に応じて、各相の駆動電圧を印加して、モータ1を駆動する。
制御回路4は、駆動電圧指令演算器11と、電流検出PWM生成器12と、パルス変調器13と、PWM合成器14と、を有する。
駆動電圧指令演算器11は、電流検出器2で検出されたインバータ母線電流の電流値と、動作指令器6からの指示内容により駆動電圧指令を演算する。
パルス変調器13は、駆動電圧指令をモータ駆動用PWM信号に変換する。
電流検出PWM生成器12は、電流検出用PWM信号を生成する。
PWM合成器14は、モータ駆動用PWM信号と電流検出用PWM信号とを合成し、PWM信号を生成する。
生成された3相のPWM信号は、PWM合成器14からインバータ3に出力される。具体的には、3相のPWM信号は、各相のスイッチング素子対3U、3V、3Wに出力される。
本実施の形態1におけるモータ制御装置において、電気角120〜180°の場合を例示して、その動作を説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における1シャント電流検出方式のPWM方式を説明する波形図である。図2に示すように、本実施の形態1におけるモータ制御装置では、モータ駆動用PWM信号UH1、VH1、WH1と、斜線部で示された電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2とが合成され、PWM信号UH、VH、WHが生成される。図1に示すように、生成されたPWM信号UH、VH、WHは、制御回路4からインバータ3に出力される。このPWM信号UH、VH、WHにより、モータ1が駆動される。
モータ駆動用PWM信号UH1、VH1、WH1は、駆動電圧指令VuS、VvS、VwSと三角波TAWとが比較された結果、決定される。電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2は、電流を検出するために必要とする、時間幅を有する。
本実施の形態1において、電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2は、モータ駆動用PWM信号UH1、VH1、WH1が全てロウレベルのタイミングで印加される。図13を援用して説明する。モータ駆動用PWM信号UH1、VH1、WH1が全てロウレベル(「0」)となるタイミングは、図13中、(a)で示される。このタイミングは、「同極性のタイミング」と呼ばれる。
つまり、電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2は、U相、V相、W相に対するモータ駆動用PWM信号UH1、VH1、WH1に、他相のPWM信号UH、VH、WHが変化しないタイミングで、順番に同じパルス幅で印加される。
よって、こうして生成されるPWM信号は、所望のモータ駆動を行うために必要とされる駆動電圧指令の値から生成されるべきPWM信号とは、瞬時的に異なる。しかし、本来、生成されるべきPWM信号とは異なるものの、パルス幅が短いために、モータトルクには影響を与えない。また、PWM信号の1周期の平均電圧は、所望のモータ駆動を行うために必要とされる駆動電圧指令どおりとなる。
換言すれば、PWM信号の1周期における駆動電圧のバランスが崩れないように、モータ駆動用PWM信号に対して、電流検出用PWM信号が印加される。
なお、図2には示していないが、PWM信号UL、VL、WLは、各々、PWM信号UH、VH、WHの反転信号である。
ここで、図2に示した、電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2が印加された期間の前後である期間ta1〜te1において、電流検出器2に流される電流について説明する。
図3A〜図3Eには、電流検出器2に流される電流が示される。つまり、図3A〜図3Eは、本発明の実施の形態1における電流検出器に流される電流を説明するための説明図である。図3A〜図3Eは、図2中で示す期間ta1〜te1と対応している。なお、後述する説明には、図12、図13も援用して説明する。
図12に示すように、電気角120〜180°において、制御回路4は、U相巻線1u、V相巻線1vには正の電流が流れるように制御する。同様に、制御回路4は、W相巻線1wには負の電流が流れるように制御する。
図2に示すように、期間ta1において、PWM信号UH、VH、WHは、すべてロウレベル(「0」)である。上述したように、PWM信号UL、VL、WLは、各々、PWM信号UH、VH、WHの反転信号である。よって、PWM信号UL、VL、WLは、すべてハイレベル(「1」)となる。よって、下アームスイッチング素子3UL、3VL、3WLは、ONとなる。この状態を、図3Aに示す。図3Aに示すように、電流検出器2では、電流が検出されない。
図2に示すように、期間tb1において、PWM信号UH、VL、WLは、ハイレベル(「1」)となる。よって、上アームスイッチング素子3UHと、下アームスイッチング素子3VL、3WLとは、ONとなる。この状態を、図3Bに示す。図3Bに示すように、電流検出器2では、U相電流Iuが検出される。
以下、同様に、図2に示すように、期間tc1において、PWM信号UL、VH、WLは、ハイレベル(「1」)となる。よって、上アームスイッチング素子3VHと、下アームスイッチング素子3UL、3WLとは、ONとなる。この状態を、図3Cに示す。図3Cに示すように、電流検出器2では、V相電流Ivが検出される。
図2に示すように、期間td1において、PWM信号UL、VL、WHは、ハイレベル(「1」)となる。よって、上アームスイッチング素子3WHと、下アームスイッチング素子3UL、3VLとは、ONとなる。この状態を、図3Dに示す。図3Dに示すように、電流検出器2では、W相電流−Iwが検出される。
図2に示すように、期間te1は、期間ta1と同様のPWM信号となる。つまり、PWM信号UL、VL、WLは、すべてハイレベル(「1」)となる。よって、期間ta1と同様、電流検出器2では、電流が検出されない。
このように、電気角120〜180°の場合において、図2に示した電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2を各々、印加することで、つぎのことがわかる。すなわち、図2に示す、電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2が印加された状態は、矢印で示したタイミングtu、tv、twとなる。タイミングtu、tv、twは、tb1、tc1、td1に相当する。従って、電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2が印加された状態で、U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwが検出されることがわかる。
図4には、電流検出用PWM信号を印加することで検出される電流が、電気角毎にまとめて示される。図4は、本発明の実施の形態1における電流検出用PWM信号で検出できるモータ電流を示す関係図である。図4に示す、組合せ(i)、(j)、(k)は、図2で示す、期間tb1、tc1、td1に対応している。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態1によれば、モータ駆動用PWM信号のパルス幅を増減させることなく、PWM信号の1周期において、安定してモータ電流を検出できる。よって、PWM信号の低次の周波数成分に起因する騒音を抑制できる。
本実施の形態1とすることで、駆動電圧指令の2相以上が近接した値になった場合であっても、電流検出用PWM信号を印加することにより、PWM信号の1周期内において、安定してモータ電流を検出することができる。
この結果、PWM周期ごとに、駆動電圧指令を変調したり、パルス幅の補正をしたりする必要がなくなる。よって、騒音の問題が抑制された1シャント電流検出方式を実現できる。
なお、上述した説明において、図2では、電流検出用PWM信号が、U相、V相、W相の順番で印加した場合を例示して説明した。しかし、電流検出用PWM信号は、どの順番で印加したとしても、本発明にて得ることができる効果を奏することができる。
また、本実施の形態1におけるモータ制御装置は、つぎのようにすることも可能である。すなわち、電流検出用PWM信号は、3相に対して、U相、V相、W相の順番に印加する。そして、電流検出は2相分のみ行い、残りの1相に関する電流検出は、演算にて求めることも可能である。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2のモータ制御装置の回路構成については、図1に示した実施の形態1と同様である。
次に本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2のモータ制御装置の回路構成については、図1に示した実施の形態1と同様である。
本発明の実施の形態2におけるモータ制御装置は、上述した実施の形態1に加えて、つぎの特徴を有する。
すなわち、本発明の実施の形態2におけるモータ制御装置において、PWM信号は3相からなる。
特に、制御回路4は、他の相のPWM信号が変化しないタイミングで、電流検出用PWM信号を印加する。制御回路4は、該タイミングで、モータ駆動用PWM信号とは独立して2相のモータ駆動用PWM信号に対して、順番に電流検出用PWM信号を印加する。制御回路4は、該タイミングで、残りの1相のモータ駆動用PWM信号にはモータ駆動用PWM信号の通電期間を広げるように追加して電流検出用PWM信号を印加する。
さらに、本発明の実施の形態2におけるモータ制御装置において、制御回路4は、電流検出用PWM信号を追加して生成される1相のPWM信号は、PWM信号の半周期分の位相をずらして出力する。
3相モータを駆動する場合、3相のモータ電流をすべて検出する必要はない。3相モータを駆動する場合、2相分のモータ電流を検出できれば、残りの1相のモータ電流は演算で求めることができる。
図5は、本発明の実施の形態2における1シャント電流検出方式のPWM方式を説明するための波形図である。図6A〜図6Dは、本発明の実施の形態2における電流検出器に流れる電流を説明するための説明図である。図6A、図6B、図6C、図6Dは、それぞれ図5の期間ta2、tc2、td2、te2に対応している。
以下、図面を用いて、詳細に説明する。
図5に示すように、V相とW相という2相に対して、PWM信号VH、WHが生成される。PWM信号VH、WHは、モータ駆動用PWM信号VH1、WH1と、電流検出用PWM信号VH2、WH2と、を有する。PWM信号VH、WHとして、モータ駆動用PWM信号VH1、WH1が印加される。さらに、PWM信号VH、WHには、モータ駆動用PWM信号VH1、WH1とは独立して、電流検出用PWM信号VH2、WH2が印加される。
3相モータの残りの1相となるU相に対して、PWM信号UHが生成される。PWM信号UHは、モータ駆動用PWM信号UH1と、電流検出用PWM信号UH2と、を有する。PWM信号UHとして、モータ駆動用PWM信号UH1が印加される。さらに、PWM信号UHには、モータ駆動用PWM信号UH1に追加して、電流検出用PWM信号UH2が印加される。
ここで、「モータ駆動用PWM信号とは独立して、電流検出用PWM信号を印加する」とは、両方の信号がハイレベル(「1」)となる期間が、お互いに重ならないように信号が印加されることを意味する。
図5には、つぎの状態が例示されている。すなわち、V相、W相には、電流検出用PWM信号VH2、WH2が、順番に、モータ駆動用PWM信号VH1、WH1とは独立して印加される。U相には、モータ駆動用PWM信号UH1を広げるように、電流検出用PWM信号UH2が追加して印加される。
実施の形態1と同様、本実施の形態2において、電気角120°〜180°の場合を例示して、説明する。
図5、図6A〜図6Dの記載から、各相に流される電流が明らかになる。
図5に示すように、V相には、期間tc2において、電流検出用PWM信号VH2が印加される。図6Bには、このときの各スイッチング素子の状態が示される。図6Bに示すように、上アームスイッチング素子3VHと、下アームスイッチング素子3UL、3WLとは、ONとなる。この結果、電流検出用PWM信号VH2が印加された期間tc2において、V相電流Ivが検出される。
つぎに、図5に示すように、W相には、期間td2において、電流検出用PWM信号WH2が印加される。図6Cには、このときの各スイッチング素子の状態が示される。図6Cに示すように、上アームスイッチング素子3WHと、下アームスイッチング素子3UL、3VLとは、ONとなる。この結果、電流検出用PWM信号WH2が印加された期間td2において、W相電流−Iwが検出される。
V相電流Iv、W相電流−Iwが検出されると、U相電流Iuは、これらの検出結果から演算で求められる。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態2において、駆動電圧指令VuS、VvS、VwSの2相以上が近接した値になった場合であっても、電流検出用PWM信号を印加することにより、PWM信号の1周期内において、安定してモータ電流を検出することができる。
この結果、PWM周期ごとに、駆動電圧指令を変調したり、パルス幅の補正をしたりする必要がなくなる。よって、騒音の問題が抑制された1シャント電流検出方式を実現できる。
なお、上述した説明において、図5では、各相につぎの電流検出用PWM信号を印加した。すなわち、V相、W相には、モータ駆動用PWM信号VH1、WH1とは独立して、電流検出用PWM信号VH2、WH2を印加した。U相には、モータ駆動用PWM信号UH1に追加して、電流検出用PWM信号UH2を印加した。
同様の効果を奏するものであれば、本実施の形態2を実現する組合せは、上述した具体例に限定されない。本実施の形態2を実現する組合せは、他の組合せでもよい。
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3について説明する。図7は、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置の回路構成を示す構成図である。図8A〜図8Dは、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置のモータ負荷に応じた動作を説明するための波形図であり、図8A、図8Bは低負荷時の波形図、図8C、図8Dは高負荷時の波形図である。
次に本発明の実施の形態3について説明する。図7は、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置の回路構成を示す構成図である。図8A〜図8Dは、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置のモータ負荷に応じた動作を説明するための波形図であり、図8A、図8Bは低負荷時の波形図、図8C、図8Dは高負荷時の波形図である。
本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置は、上述した実施の形態1、2に加えて、つぎの特徴を有する。
すなわち、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置において、電流検出用PWM信号を追加した1相のPWM信号は、最大電圧相である。
また、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置において、制御回路40は、駆動電圧指令演算器11と、パルス変調器13と、電流検出PWM生成器12と、PWM合成器14と、を備える。
駆動電圧指令演算器11は、制御回路40の外部から得る動作指令と、インバータ母線電流と、を演算して駆動電圧指令を出力する。
パルス変調器13は、駆動電圧指令に基づいて、モータ駆動用PWM信号を生成する。
電流検出PWM生成器12は、駆動電圧指令に基づいて、電流検出用PWM信号を生成する。
PWM合成器14は、モータ駆動用PWM信号に対して電流検出用PWM信号を印加して、PWM信号を生成する。
さらに、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置は、最大電圧相判定器15と、最大相PWM半周期操作器16と、を備える。
最大電圧相判定器15は、最大電圧相を判定する。
最大相PWM半周期操作器16は、最大電圧相判定器15の判定結果に基づいて、最大電圧相のPWM信号について半周期分の位相をずらす。
制御回路40は、最大電圧相判定器15と、最大相PWM半周期操作器16と、を備えてもよい。
以下、図面を用いて、詳細に説明する。
図7に示すように、本実施の形態3におけるモータ制御装置では、実施の形態1、2に記載された制御回路4に対して、最大電圧相判定器15と、最大相PWM半周期操作器16と、が追加される。
実施の形態1、2で示したように、電流検出用PWM信号は、他相のPWM信号が変化しないタイミングで、モータ駆動用PWM信号に印加する必要がある。図8A、図8Bから図8C、図8Dに掛けて示したように、モータ1に加えられる負荷が、大きくなる。図8C、図8Dに示すように、例えば、駆動電圧指令VuSが大きくなった場合、モータ駆動用PWM信号UH1のパルス幅は、大きくなる。
この場合、電流検出用PWM信号を、他相のPWM信号が変化しないタイミングで出力することが困難となる。よって、電流検出器2にて、モータ電流を検出することができない。
この不具合を解消するために、本実施の形態3では、つぎの対応を行う。
すなわち、実施の形態2で示した、電流検出用PWM信号をモータ駆動用PWM信号に追加する相を、本実施の形態3では、最大電圧相判定器15により判定された駆動電圧指令が、最大になる相とする。図7には、最大電圧相判定器15が示される。
最大電圧相判定器15により選ばれた相に対して、最大相PWM半周期操作器16は、半周期ずらしたPWM信号を出力する。本実施の形態3において、PWM信号は、半周期ずらしただけである。よって、PWM信号の1周期において、モータ1の駆動状態は変化しない。
本実施の形態3におけるモータ制御装置の動作について、図9Aに示された区間Aを例示して、説明する。
図9A〜図9Cは、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置において、1シャント電流検出方式を採用して、3相モータをPWM駆動する際の動作を説明する波形図である。具体的には、図9Aは、高負荷時の駆動電圧指令を示す波形図である。図9Bは、PWM信号を半周期ずらす操作前の波形図である。図9Cは、PWM信号を半周期ずらす操作後の波形図である。
区間Aにおいて、モータ1の駆動電圧指令が最大となる最大電圧相は、U相である。このとき、拡大したPWM信号を図9Bに示す。
図9Bから明らかなように、駆動電圧指令VuSは大きい。よって、実施の形態2のように、電流検出用PWM信号を印加した場合、V相、W相の電流検出用PWM信号VH2、WH2を印加している最中に、U相のPWM信号UHが変化する。従って、V相、W相に流される電流は、検出できない。
そこで、本実施の形態3では、最大電圧相であるU相のPWM信号UHについて、PWM信号の半周期分をずらす操作を行う。図9Cには、PWM信号の半周期分をずらした状態を示す。
図9Bに示すように、実施の形態2の制御方法を用いた場合、PWM信号UHは、三角波TAWの山側でロウレベル(「0」)となっている。これに対して、図9Cに示すように、本実施の形態3の制御方法を用いた場合、PWM信号UHは、三角波TAWの谷側でロウレベル(「0」)となっている。また、図9Cに示すように、本実施の形態3の制御方法を用いた場合、PWM信号UHは、三角波TAWの山側でハイレベル(「1」)となっている。つまり、図9Bに示す実施の形態2に比べて、図9Cに示す本実施の形態3であれば、PWM信号UHが、半周期ずらされた波形となっていることがわかる。
このようなPWM信号とすれば、V相、W相の電流検出用PWM信号VH2、WH2の印加中であっても、U相のPWM信号UHを含む、他相のPWM信号が変化することはない。その結果、電流検出器2により、安定してモータ電流を検出することができる。
図10は、本実施の形態3における電流検出用PWM信号の印加時において、検出できるモータ電流を示す関係図である。図10に示すとおり、最大電圧相は、電気角120°毎に変化する。そこで、本実施の形態3では、最大電圧相判定器15を用いて最大電圧相を判定する。この判定結果に基いて、出力するPWM信号について、半周期分の位相をずらすか、否かを切替える。
図10に示すように、組合せ(l)では、最大電圧相がU相となり、W相電流が検出される。同様に、組合せ(m)では、最大電圧相がU相となり、V相電流が検出される。
以下、同様に、組合せ(n)では、最大電圧相がV相となり、W相電流が検出される。また、組合せ(o)では、最大電圧相がV相となり、U相電流が検出される。
さらに、組合せ(p)では、最大電圧相がW相となり、V相電流が検出される。また、組合せ(q)では、最大電圧相がW相となり、U相電流が検出される。
このように、本実施の形態3によれば、モータ負荷が大きくなり、駆動電圧指令値が大きくなった場合であっても、電流検出用PWM信号を印加することにより、PWM信号の1周期内において、安定してモータ電流を検出することができる。
この結果、PWM周期ごとに、駆動電圧指令を変調したり、パルス幅の補正をしたりする必要がなくなる。よって、簡単な構成で、騒音の問題が抑制された1シャント電流検出方式を実現できる。
本発明のモータ制御装置によれば、安価な構成で実現された1シャント電流検出方式を用いたとしても、騒音の問題が抑制される。よって、ブラシレスDCモータ以外にも幅広く適用が可能となる。
1,21 モータ
2,22 電流検出器
3,23 インバータ
3U,3V,3W スイッチング素子対
3UH,3VH,3WH 上アームスイッチング素子
3UL,3VL,3WL 下アームスイッチング素子
4,24,40 制御回路
5,25 直流電源
6 動作指令器
11,26 駆動電圧指令演算器
12 電流検出PWM生成器
13,27 パルス変調器
14 PWM合成器
15 最大電圧相判定器
16 最大相PWM半周期操作器
23UH,23VH,23WH 高電圧側スイッチング素子
23UL,23VL,23WL 低電圧側スイッチング素子
2,22 電流検出器
3,23 インバータ
3U,3V,3W スイッチング素子対
3UH,3VH,3WH 上アームスイッチング素子
3UL,3VL,3WL 下アームスイッチング素子
4,24,40 制御回路
5,25 直流電源
6 動作指令器
11,26 駆動電圧指令演算器
12 電流検出PWM生成器
13,27 パルス変調器
14 PWM合成器
15 最大電圧相判定器
16 最大相PWM半周期操作器
23UH,23VH,23WH 高電圧側スイッチング素子
23UL,23VL,23WL 低電圧側スイッチング素子
本発明は、ブラシレスDCモータなどを効率的に駆動するモータ制御装置に関する。
近年、各電気機器は、地球環境保護の観点から、消費電力を低減することが強く求められている。消費電力を低減する技術の一つとして、効率が高いモータを任意の周波数で駆動する、インバータ制御などが広く使用されている。効率が高いモータには、ブラシレスDCモータなどがある。以下、ブラシレスDCモータを、「モータ」と記すこともある。また、モータを駆動する技術方式として、矩形波状の電流によりモータを駆動する矩形波駆動方式がある。矩形波駆動方式と比べて、より効率が高く、騒音も低くすることができる正弦波駆動方式もある。特に、正弦波駆動方式が注目されている。
ブラシレスDCモータを効率よく正弦波駆動方式で駆動するためには、ブラシレスDCモータに流される巻線電流の位相を、適切に制御する必要がある。以下、巻線電流を、「電流」と記すこともある。巻線電流の位相を適切に制御するためには、モータが有する3相のうち、最低でも2相分の巻線電流を検出する必要がある。この2相分の電流を安価に検出する電流検出方式として、1シャント電流検出方式が提案されている。
図11は、従来のモータ制御装置の回路構成を示す構成図である。図11に示すように、従来の1シャント電流検出方式が用いられたモータ制御装置は、インバータ23と、直流電源25と、電流検出器22を備える。
電流検出器22は、インバータ23と直流電源25との間に1つ設けられる。インバータ23に供給されるPWM信号に応じて、適切に電流検出器22からの信号をサンプリングすれば、2相分の電流が検出できる。
インバータ23の一端は、直流電源25の高電圧側電極と接続される。インバータ23の他端は、直流電源25の低電圧側電極と接続される。インバータ23は、3相分の1対のスイッチング素子を有する。1対のスイッチング素子は、高電圧側のスイッチング素子と低電圧側のスイッチング素子とを有する。高電圧側のスイッチング素子と低電圧側のスイッチング素子とは、直列に接続される。高電圧側のスイッチング素子には、「H」の添え字を付す。低電圧側のスイッチング素子には、「L」の添え字を付す。つまり、U相に用いられる1対のスイッチング素子として、高電圧側スイッチング素子23UHと、低電圧側スイッチング素子23ULとを有する。同様に、V相に用いられる1対のスイッチング素子として、高電圧側スイッチング素子23VHと、低電圧側スイッチング素子23VLとを有する。W相に用いられる1対のスイッチング素子として、高電圧側スイッチング素子23WHと、低電圧側スイッチング素子23WLとを有する。
図12は、電気角とモータ巻線に流される電流の方向とを示す説明図である。図12には、モータ21が有する各相の巻線に流される相電流の状態が示される。また、図12には、電気角を60°毎に区切った、各区間における各相の巻線に流される電流の方向が示される。図12に示すように、インバータ23からモータ中性点に流れる方向を正、モータ21からインバータ23に流れる方向を負と定義する。例えば、電気角0〜60°の区間においては、U相巻線21UとW相巻線21Wには正の電流が流されており、V相巻線21Vには負の電流が流れている。図12に示すように、モータ21には、正弦波状の電流が流される。正弦波状の電流は、電気角が60°毎に、各相の電流の向きが切り替わる。このような正弦波状の電流が流されるため、モータ21は効率よく駆動される。
図12に示された正弦波状の電流をモータ21に流すために、つぎの制御がなされる。すなわち、制御回路24が有する駆動電圧指令演算器26によって、モータ21に対する駆動電圧指令が演算される。演算された駆動電圧指令に基いて、各スイッチング素子を制御するPWM信号が生成される。PWM信号は、パルス変調器27によって生成される。図13に示される、生成された各相のPWM信号の組合せにより、インバータ23が駆動される。
図13は、1シャント電流検出方式におけるPWM信号と検出できる相電流の関係を示す関係図である。図13において、「0」は、PWM信号のロウレベルを示す。「0」で示されるPWM信号は、対応するスイッチング素子が「OFF」の状態である。「1」は、PWM信号のハイレベルを示す。「1」で示されるPWM信号は、対応するスイッチング素子が「ON」の状態である。図13には、PWM信号の組合せにより、電流検出器22で検出できるモータ21の電流が示される。例えば、組合せ(b)のPWM信号の場合、W相に流れる電流Iwが検出できる。また、組合せ(c)のPWM信号の場合、V相に流れる電流Ivが検出できる。
ここで、各相に対する駆動電圧指令が互いに十分離れていれば、各PWM信号の組合せを示す状態の保持時間が確保される。よって、PWM信号が1周期分、変化する間に、図13に示したPWM信号の組合せに従って、2相分の電流が検出できる。以下、PWM信号の1周期を「PWM周期」ともいう。
しかし、2相あるいは3相に対する駆動電圧指令が近接すると、各PWM信号の組合せを示す状態の保持時間が短くなる。よって、2相分の電流が、検出できなくなるという課題が発生する。この課題を解決する方法が、特許文献1に記載されている。特許文献1は、2相分の電流が検出できなくなるような期間には、PWM信号のパルス幅を補正するというものである。
図14A、図14Bは、従来の1シャント電流検出方式におけるPWM方式を説明するための波形図である。
図14A、図14Bには、PWM信号のパルス幅を補正する前後における、3相の駆動電圧指令VuS、VvS、VwSと、3相のPWM信号UH、VH、WHの波形が示される。
各PWM信号において、正しく電流を検出するために、最低限必要とされる保持時間を時間tとする。時間tとは、PWM信号が変化してから、電流検出器22で検出される電流が安定するまでの待ち時間と検出された電流の電流値が取り込まれる時間とを合わせた時間である。正しく電流を検出するためには、時間tだけPWM信号の状態(「1」または「0」)を保持する必要がある。しかし、図14Aに示すように、3相の駆動電圧指令値のうち、2つ以上が近接した場合、時間tを確保できなくなるPWM信号が発生する。時間tを確保できないPWM信号が発生すると、電流を検出できなくなる。
この状態を回避するために、つぎの対応を行う。図11に示すように、駆動電圧指令演算器26は、2相に対する駆動電圧指令値が近いため、2相分の電流を検出できないと判断する。このとき、図14Bに示すように、駆動電圧指令演算器26は、PWM信号の周期T1でPWM信号の各組合せを時間tだけ保持するように、例えば駆動電圧指令VwSを変調する。この結果、PWM信号WHのパルス幅を30から20に減少させる。また、次のPWM信号の周期T2で駆動電圧指令VwSを変調して、PWM信号WHのパルス幅を30から40に増加させる。
このように、PWM信号の2周期において、PWM信号WHのパルス幅の平均は、30のままで変っていない。しかも、電流を検出するための時間tは確保できるので、安定して電流を検出できる。ここで、家電製品など騒音が問題になる用途において、PWM信号の周波数は、PWMによる騒音が可聴域に入らないように、16〜20kHz程度に設定されることが一般的である。以下、PWM信号の周波数を「PWM周波数」と記すこともある。
上記の目的を達成するために、本発明のモータ制御装置は、インバータと、電流検出器と、制御回路と、を備える。
インバータは、一方を直流電源に接続するとともに、他方を複数相の駆動巻線を有するモータに接続する。インバータは、直流電源の高電圧側に配置する上アームスイッチング素子と直流電源の低電圧側に配置する下アームスイッチング素子とを有する複数のスイッチング素子対を備える。インバータは、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との接続点がモータの各相を成す駆動巻線と接続される。インバータは、複数相の駆動巻線に対して複数相の駆動電圧を印加してモータを駆動する。
電流検出器は、直流電源とインバータとの間に配置される。
制御回路は、電流検出器が検出するインバータ母線電流を変換することで、駆動巻線に流れる電流を検出する。制御回路は、インバータが備える複数のスイッチング素子対に対して複数相のPWM信号を出力する。
制御回路は、モータを駆動するためのモータ駆動用PWM信号に対して、インバータ母線電流を検出するための電流検出用PWM信号を印加して、PWM信号を生成する。
本発明は、後述する各実施の形態におけるモータ制御装置により、電流検出用PWM信号に応じて、電流検出器に流される電流から安定してモータ電流が検出できる。また、3相共に同じ時間幅の電流検出用PWM信号が印加されるため、モータの駆動巻線に加えられる電圧にずれが発生しない。モータの駆動巻線に加えられる電圧にずれが発生しないため、改めて駆動電圧を補正する必要はない。従って、PWM信号の低次の周波数成分に起因する騒音を抑制でき、可聴域における騒音問題を回避できる。
換言すれば、簡単な構成で、PWM信号の周波数において、低次の周波数成分に起因する騒音を抑制できる。
つまり、従来のモータの制御方法には、つぎの改善点があった。すなわち、図14A、図14Bに示すように、PWM信号の2周期の間で、駆動電圧指令値が変調されて、パルス幅が補正される。PWM信号のパルス幅が補正、すなわち、PWM信号のパルス幅が増減されると、PWM信号の2周期で変化する成分が発生する。このため、PWM周波数の1/2の成分において、騒音が発生する。例えば、PWM周波数を20kHzに設定した場合、周波数が10kHzの騒音が発生する。10kHzの周波数は可聴域であるため、この騒音への対応が求められる。特に、指示する駆動電圧指令が小さいときには、各相に対する電圧レベルが互いに接近する。よって、駆動電圧指令が頻繁に変調されるため、PWM信号のパルス幅も頻繁に補正される。PWM信号のパルス幅が頻繁に補正されると、騒音の問題が発生しやすくなる。
以下、特に顕著な効果を発揮する3相のブラシレスDCモータについて、図面を用いて説明する。
なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、背景技術で説明したものと同じ構成要素については、同一の符号を付し、説明を援用する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置の回路構成を示す構成図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置は、直流電源5に接続されるインバータ3と、電流検出器2と、制御回路4と、を備える。
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置の回路構成を示す構成図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置は、直流電源5に接続されるインバータ3と、電流検出器2と、制御回路4と、を備える。
インバータ3は、一方を直流電源5に接続するとともに、他方を複数相の駆動巻線を有するモータ1に接続する。インバータ3は、直流電源5の高電圧側に配置する上アームスイッチング素子と直流電源5の低電圧側に配置する下アームスイッチング素子とを有する複数のスイッチング素子対を備える。インバータ3は、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との接続点がモータ1の各相を成す駆動巻線と接続される。インバータ3は、複数相の駆動巻線に対して複数相の駆動電圧を印加してモータ1を駆動する。
電流検出器2は、直流電源5とインバータ3との間に配置される。
制御回路4は、駆動電圧指令演算器11と、電流検出PWM生成器12と、パルス変調器13と、PWM合成器14と、を有する。
制御回路4は、電流検出器2が検出するインバータ母線電流を変換することで、駆動巻線に流れる電流を検出する。制御回路4は、インバータ3が備える複数のスイッチング素子対に対して複数相のPWM信号を出力する。
制御回路4は、モータ1を駆動するためのモータ駆動用PWM信号に、インバータ母線電流を検出するための電流検出用PWM信号を印加して、PWM信号を生成する。
さらに、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置は、つぎの特徴を有してもよい。すなわち、制御回路4は、PWM信号の1周期における駆動電圧のバランスを崩さないように、モータ駆動用PWM信号に対して電流検出用PWM信号を印加する。
特に、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置は、つぎの特徴を有してもよい。すなわち、制御回路4は、他の相のPWM信号が変化しないタイミングで、モータ駆動用PWM信号に対して1相ずつ順番に電流検出用PWM信号を印加する。
さらに、図1を用いて、詳細に説明する。
インバータ3は、3相のスイッチング素子対を備える。U相のスイッチング素子対3Uは、上アームスイッチング素子3UHと下アームスイッチング素子3ULとを有する。上アームスイッチング素子3UHは、直流電源5と接続され、直流電源5の高電圧側に配置される。下アームスイッチング素子3ULは、直流電源5と接続され、直流電源5の低電圧側に配置される。上アームスイッチング素子3UHと下アームスイッチング素子3ULとは、直列に接続される。上アームスイッチング素子3UHと下アームスイッチング素子3ULとの接続点は、モータ1のU相を成す駆動巻線1uと接続される。以下、モータの駆動巻線を「巻線」と記すこともある。インバータ3は、U相の駆動巻線1uに対して、U相の駆動電圧を印加する。
同様に、V相のスイッチング素子対3Vは、上アームスイッチング素子3VHと下アームスイッチング素子3VLとを有する。上アームスイッチング素子3VHは、直流電源5と接続され、直流電源5の高電圧側に配置される。下アームスイッチング素子3VLは、直流電源5と接続され、直流電源5の低電圧側に配置される。上アームスイッチング素子3VHと下アームスイッチング素子3VLとは、直列に接続される。上アームスイッチング素子3VHと下アームスイッチング素子3VLとの接続点は、モータ1のV相を成す駆動巻線1vと接続される。インバータ3は、V相の駆動巻線1vに対して、V相の駆動電圧を印加する。
さらに、W相のスイッチング素子対3Wは、上アームスイッチング素子3WHと下アームスイッチング素子3WLとを有する。上アームスイッチング素子3WHは、直流電源5と接続され、直流電源5の高電圧側に配置される。下アームスイッチング素子3WLは、直流電源5と接続され、直流電源5の低電圧側に配置される。上アームスイッチング素子3WHと下アームスイッチング素子3WLとは、直列に接続される。上アームスイッチング素子3WHと下アームスイッチング素子3WLとの接続点は、モータ1のW相を成す駆動巻線1wと接続される。インバータ3は、W相の駆動巻線1wに対して、W相の駆動電圧を印加する。
インバータ3は、U相、V相、W相の各相に対して、各相の駆動電圧を印加して、モータ1を駆動する。
電流検出器2は、直流電源5とインバータ3との間に接続される。電流検出器2は、インバータ母線電流を検出する。駆動巻線1u、1v、1wに流される電流は、インバータ母線電流を変換することで、検出できる。以下、駆動巻線1u、1v、1wに流される電流を「モータ電流」と記すこともある。インバータ3は、制御回路4から出力されるPWM信号に応じて、各相の駆動電圧を印加して、モータ1を駆動する。
制御回路4は、駆動電圧指令演算器11と、電流検出PWM生成器12と、パルス変調器13と、PWM合成器14と、を有する。
駆動電圧指令演算器11は、電流検出器2で検出されたインバータ母線電流の電流値と、動作指令器6からの指示内容により駆動電圧指令を演算する。
パルス変調器13は、駆動電圧指令をモータ駆動用PWM信号に変換する。
電流検出PWM生成器12は、電流検出用PWM信号を生成する。
PWM合成器14は、モータ駆動用PWM信号と電流検出用PWM信号とを合成し、PWM信号を生成する。
生成された3相のPWM信号は、PWM合成器14からインバータ3に出力される。具体的には、3相のPWM信号は、各相のスイッチング素子対3U、3V、3Wに出力される。
本実施の形態1におけるモータ制御装置において、電気角120°〜180°の場合を例示して、その動作を説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における1シャント電流検出方式のPWM方式を説明する波形図である。図2に示すように、本実施の形態1におけるモータ制御装置では、モータ駆動用PWM信号UH1、VH1、WH1と、斜線部で示された電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2とが合成され、PWM信号UH、VH、WHが生成される。図1に示すように、生成されたPWM信号UH、VH、WHは、制御回路4からインバータ3に出力される。このPWM信号UH、VH、WHにより、モータ1が駆動される。
モータ駆動用PWM信号UH1、VH1、WH1は、駆動電圧指令VuS、VvS、VwSと三角波TAWとが比較された結果、決定される。電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2は、電流を検出するために必要とする、時間幅を有する。
本実施の形態1において、電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2は、モータ駆動用PWM信号UH1、VH1、WH1が全てロウレベルのタイミングで印加される。図13を援用して説明する。モータ駆動用PWM信号UH1、VH1、WH1が全てロウレベル(「0」)となるタイミングは、図13中、(a)で示される。このタイミングは、「同極性のタイミング」と呼ばれる。
つまり、電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2は、U相、V相、W相に対するモータ駆動用PWM信号UH1、VH1、WH1に、他相のPWM信号UH、VH、WHが変化しないタイミングで、順番に同じパルス幅で印加される。
よって、こうして生成されるPWM信号は、所望のモータ駆動を行うために必要とされる駆動電圧指令の値から生成されるべきPWM信号とは、瞬時的に異なる。しかし、本来、生成されるべきPWM信号とは異なるものの、パルス幅が短いために、モータトルクには影響を与えない。また、PWM信号の1周期の平均電圧は、所望のモータ駆動を行うために必要とされる駆動電圧指令どおりとなる。
換言すれば、PWM信号の1周期における駆動電圧のバランスが崩れないように、モータ駆動用PWM信号に対して、電流検出用PWM信号が印加される。
なお、図2には示していないが、PWM信号UL、VL、WLは、各々、PWM信号UH、VH、WHの反転信号である。
ここで、図2に示した、電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2が印加された期間の前後である期間ta1〜te1において、電流検出器2に流される電流について説明する。
図3A〜図3Eには、電流検出器2に流される電流が示される。つまり、図3A〜図3Eは、本発明の実施の形態1における電流検出器2に流される電流を説明するための説明図である。図3A〜図3Eは、図2中で示す期間ta1〜te1と対応している。なお、後述する説明には、図12、図13も援用して説明する。
図12に示すように、電気角120°〜180°において、制御回路4は、U相巻線21U、V相巻線21Vには正の電流が流れるように制御する。このとき、制御回路4は、W相巻線21Wには負の電流が流れるように制御する。
図2に示すように、期間ta1において、PWM信号UH、VH、WHは、すべてロウレベル(「0」)である。上述したように、PWM信号UL、VL、WLは、各々、PWM信号UH、VH、WHの反転信号である。よって、PWM信号UL、VL、WLは、すべてハイレベル(「1」)となる。よって、下アームスイッチング素子3UL、3VL、3WLは、ONとなる。この状態を、図3Aに示す。図3Aに示すように、電流検出器2では、電流が検出されない。
図2に示すように、期間tb1において、PWM信号UH、VL、WLは、ハイレベル(「1」)となる。よって、上アームスイッチング素子3UHと、下アームスイッチング素子3VL、3WLとは、ONとなる。この状態を、図3Bに示す。図3Bに示すように、電流検出器2では、U相電流Iuが検出される。
以下、同様に、図2に示すように、期間tc1において、PWM信号UL、VH、WLは、ハイレベル(「1」)となる。よって、上アームスイッチング素子3VHと、下アームスイッチング素子3UL、3WLとは、ONとなる。この状態を、図3Cに示す。図3Cに示すように、電流検出器2では、V相電流Ivが検出される。
図2に示すように、期間td1において、PWM信号UL、VL、WHは、ハイレベル(「1」)となる。よって、上アームスイッチング素子3WHと、下アームスイッチング素子3UL、3VLとは、ONとなる。この状態を、図3Dに示す。図3Dに示すように、電流検出器2では、W相電流−Iwが検出される。
図2に示すように、期間te1は、期間ta1と同様のPWM信号となる。つまり、PWM信号UL、VL、WLは、すべてハイレベル(「1」)となる。よって、期間ta1と同様、電流検出器2では、電流が検出されない。
このように、電気角120°〜180°の場合において、図2に示した電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2を各々、印加することで、つぎのことがわかる。すなわち、図2に示す、電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2が印加された状態は、矢印で示したタイミングtu、tv、twとなる。タイミングtu、tv、twは、tb1、tc1、td1に相当する。従って、電流検出用PWM信号UH2、VH2、WH2が印加された状態で、U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwが検出されることがわかる。
図4には、電流検出用PWM信号を印加することで検出される電流が、電気角毎にまとめて示される。図4は、本発明の実施の形態1における電流検出用PWM信号で検出できるモータ電流を示す関係図である。図4に示す、組合せ(i)、(j)、(k)は、図2で示す、期間tb1、tc1、td1に対応している。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態1によれば、モータ駆動用PWM信号のパルス幅を増減させることなく、PWM信号の1周期において、安定してモータ電流を検出できる。よって、PWM信号の低次の周波数成分に起因する騒音を抑制できる。
本実施の形態1とすることで、駆動電圧指令の2相以上が近接した値になった場合であっても、電流検出用PWM信号を印加することにより、PWM信号の1周期内において、安定してモータ電流を検出することができる。
この結果、PWM周期ごとに、駆動電圧指令を変調したり、パルス幅の補正をしたりする必要がなくなる。よって、騒音の問題が抑制された1シャント電流検出方式を実現できる。
なお、上述した説明において、図2では、電流検出用PWM信号が、U相、V相、W相の順番で印加した場合を例示して説明した。しかし、電流検出用PWM信号は、どの順番で印加したとしても、本発明にて得ることができる効果を奏することができる。
また、本実施の形態1におけるモータ制御装置は、つぎのようにすることも可能である。すなわち、電流検出用PWM信号は、3相に対して、U相、V相、W相の順番に印加する。そして、電流検出は2相分のみ行い、残りの1相に関する電流検出は、演算にて求めることも可能である。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2のモータ制御装置の回路構成については、図1に示した実施の形態1と同様である。
次に本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2のモータ制御装置の回路構成については、図1に示した実施の形態1と同様である。
本発明の実施の形態2におけるモータ制御装置は、上述した実施の形態1に加えて、つぎの特徴を有する。
すなわち、本発明の実施の形態2におけるモータ制御装置において、PWM信号は3相からなる。
特に、制御回路4は、他の相のPWM信号が変化しないタイミングで、電流検出用PWM信号を印加する。制御回路4は、該タイミングで、モータ駆動用PWM信号とは独立して2相のモータ駆動用PWM信号に対して、順番に電流検出用PWM信号を印加する。制御回路4は、該タイミングで、残りの1相のモータ駆動用PWM信号にはモータ駆動用PWM信号の通電期間を広げるように追加して電流検出用PWM信号を印加する。
さらに、本発明の実施の形態2におけるモータ制御装置において、制御回路4は、電流検出用PWM信号を追加して生成される1相のPWM信号は、PWM信号の半周期分の位相をずらして出力する。
3相モータを駆動する場合、3相のモータ電流をすべて検出する必要はない。3相モータを駆動する場合、2相分のモータ電流を検出できれば、残りの1相のモータ電流は演算で求めることができる。
図5は、本発明の実施の形態2における1シャント電流検出方式のPWM方式を説明するための波形図である。図6A〜図6Dは、本発明の実施の形態2における電流検出器に流れる電流を説明するための説明図である。図6A、図6B、図6C、図6Dは、それぞれ図5の期間ta2、tc2、td2、te2に対応している。
以下、図面を用いて、詳細に説明する。
図5に示すように、V相とW相という2相に対して、PWM信号VH、WHが生成される。PWM信号VH、WHは、モータ駆動用PWM信号VH1、WH1と、電流検出用PWM信号VH2、WH2と、を有する。PWM信号VH、WHとして、モータ駆動用PWM信号VH1、WH1が印加される。さらに、PWM信号VH、WHには、モータ駆動用PWM信号VH1、WH1とは独立して、電流検出用PWM信号VH2、WH2が印加される。
3相モータの残りの1相となるU相に対して、PWM信号UHが生成される。PWM信号UHは、モータ駆動用PWM信号UH1と、電流検出用PWM信号UH2と、を有する。PWM信号UHとして、モータ駆動用PWM信号UH1が印加される。さらに、PWM信号UHには、モータ駆動用PWM信号UH1に追加して、電流検出用PWM信号UH2が印加される。
ここで、「モータ駆動用PWM信号とは独立して、電流検出用PWM信号を印加する」とは、両方の信号がハイレベル(「1」)となる期間が、お互いに重ならないように信号が印加されることを意味する。
図5には、つぎの状態が例示されている。すなわち、V相、W相には、電流検出用PWM信号VH2、WH2が、順番に、モータ駆動用PWM信号VH1、WH1とは独立して印加される。U相には、モータ駆動用PWM信号UH1を広げるように、電流検出用PWM信号UH2が追加して印加される。
実施の形態1と同様、本実施の形態2において、電気角120°〜180°の場合を例示して、説明する。
図5、図6A〜図6Dの記載から、各相に流される電流が明らかになる。
図5に示すように、V相には、期間tc2において、電流検出用PWM信号VH2が印加される。図6Bには、このときの各スイッチング素子の状態が示される。図6Bに示すように、上アームスイッチング素子3VHと、下アームスイッチング素子3UL、3WLとは、ONとなる。この結果、電流検出用PWM信号VH2が印加された期間tc2において、V相電流Ivが検出される。
つぎに、図5に示すように、W相には、期間td2において、電流検出用PWM信号WH2が印加される。図6Cには、このときの各スイッチング素子の状態が示される。図6Cに示すように、上アームスイッチング素子3WHと、下アームスイッチング素子3UL、3VLとは、ONとなる。この結果、電流検出用PWM信号WH2が印加された期間td2において、W相電流−Iwが検出される。
V相電流Iv、W相電流−Iwが検出されると、U相電流Iuは、これらの検出結果から演算で求められる。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態2において、駆動電圧指令VuS、VvS、VwSの2相以上が近接した値になった場合であっても、電流検出用PWM信号を印加することにより、PWM信号の1周期内において、安定してモータ電流を検出することができる。
この結果、PWM周期ごとに、駆動電圧指令を変調したり、パルス幅の補正をしたりする必要がなくなる。よって、騒音の問題が抑制された1シャント電流検出方式を実現できる。
なお、上述した説明において、図5では、各相につぎの電流検出用PWM信号を印加した。すなわち、V相、W相には、モータ駆動用PWM信号VH1、WH1とは独立して、電流検出用PWM信号VH2、WH2を印加した。U相には、モータ駆動用PWM信号UH1に追加して、電流検出用PWM信号UH2を印加した。
同様の効果を奏するものであれば、本実施の形態2を実現する組合せは、上述した具体例に限定されない。本実施の形態2を実現する組合せは、他の組合せでもよい。
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3について説明する。図7は、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置の回路構成を示す構成図である。図8A〜図8Dは、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置のモータ負荷に応じた動作を説明するための波形図であり、図8A、図8Bは低負荷時の波形図、図8C、図8Dは高負荷時の波形図である。
次に本発明の実施の形態3について説明する。図7は、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置の回路構成を示す構成図である。図8A〜図8Dは、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置のモータ負荷に応じた動作を説明するための波形図であり、図8A、図8Bは低負荷時の波形図、図8C、図8Dは高負荷時の波形図である。
本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置は、上述した実施の形態1、2に加えて、つぎの特徴を有する。
すなわち、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置において、電流検出用PWM信号を追加した1相のPWM信号は、最大電圧相である。
また、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置において、制御回路40は、駆動電圧指令演算器11と、パルス変調器13と、電流検出PWM生成器12と、PWM合成器14と、を備える。
駆動電圧指令演算器11は、制御回路40の外部から得る動作指令と、インバータ母線電流と、を演算して駆動電圧指令を出力する。
パルス変調器13は、駆動電圧指令に基づいて、モータ駆動用PWM信号を生成する。
電流検出PWM生成器12は、駆動電圧指令に基づいて、電流検出用PWM信号を生成する。
PWM合成器14は、モータ駆動用PWM信号に対して電流検出用PWM信号を印加して、PWM信号を生成する。
さらに、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置は、最大電圧相判定器15と、最大相PWM半周期操作器16と、を備える。
最大電圧相判定器15は、最大電圧相を判定する。
最大相PWM半周期操作器16は、最大電圧相判定器15の判定結果に基づいて、最大電圧相のPWM信号について半周期分の位相をずらす。
制御回路40は、最大電圧相判定器15と、最大相PWM半周期操作器16と、を備えてもよい。
以下、図面を用いて、詳細に説明する。
図7に示すように、本実施の形態3におけるモータ制御装置では、実施の形態1、2に記載された制御回路4に対して、最大電圧相判定器15と、最大相PWM半周期操作器16と、が追加される。
実施の形態1、2で示したように、電流検出用PWM信号は、他相のPWM信号が変化しないタイミングで、モータ駆動用PWM信号に印加する必要がある。図8A、図8Bから図8C、図8Dに掛けて示したように、モータ1に加えられる負荷が、大きくなる。図8C、図8Dに示すように、例えば、駆動電圧指令VuSが大きくなった場合、モータ駆動用PWM信号UH1のパルス幅は、大きくなる。
この場合、電流検出用PWM信号を、他相のPWM信号が変化しないタイミングで出力することが困難となる。よって、電流検出器2にて、モータ電流を検出することができない。
この不具合を解消するために、本実施の形態3では、つぎの対応を行う。
すなわち、実施の形態2で示した、電流検出用PWM信号をモータ駆動用PWM信号に追加する相を、本実施の形態3では、最大電圧相判定器15により判定された駆動電圧指令が、最大になる相とする。図7には、最大電圧相判定器15が示される。
最大電圧相判定器15により選ばれた相に対して、最大相PWM半周期操作器16は、半周期ずらしたPWM信号を出力する。本実施の形態3において、PWM信号は、半周期ずらしただけである。よって、PWM信号の1周期において、モータ1の駆動状態は変化しない。
本実施の形態3におけるモータ制御装置の動作について、図9Aに示された区間Aを例示して、説明する。
図9A〜図9Cは、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置において、1シャント電流検出方式を採用して、3相モータをPWM駆動する際の動作を説明する波形図である。具体的には、図9Aは、高負荷時の駆動電圧指令を示す波形図である。図9Bは、PWM信号を半周期ずらす操作前の波形図である。図9Cは、PWM信号を半周期ずらす操作後の波形図である。
区間Aにおいて、モータ1の駆動電圧指令が最大となる最大電圧相は、U相である。このとき、拡大したPWM信号を図9Bに示す。
図9Bから明らかなように、駆動電圧指令VuSは大きい。よって、実施の形態2のように、電流検出用PWM信号を印加した場合、V相、W相の電流検出用PWM信号VH2、WH2を印加している最中に、U相のPWM信号UHが変化する。従って、V相、W相に流される電流は、検出できない。
そこで、本実施の形態3では、最大電圧相であるU相のPWM信号UHについて、PWM信号の半周期分をずらす操作を行う。図9Cには、PWM信号の半周期分をずらした状態を示す。
図9Bに示すように、実施の形態2の制御方法を用いた場合、PWM信号UHは、三角波TAWの山側でロウレベル(「0」)となっている。これに対して、図9Cに示すように、本実施の形態3の制御方法を用いた場合、PWM信号UHは、三角波TAWの谷側でロウレベル(「0」)となっている。また、図9Cに示すように、本実施の形態3の制御方法を用いた場合、PWM信号UHは、三角波TAWの山側でハイレベル(「1」)となっている。つまり、図9Bに示す実施の形態2に比べて、図9Cに示す本実施の形態3であれば、PWM信号UHが、半周期ずらされた波形となっていることがわかる。
このようなPWM信号とすれば、V相、W相の電流検出用PWM信号VH2、WH2の印加中であっても、U相のPWM信号UHを含む、他相のPWM信号が変化することはない。その結果、電流検出器2により、安定してモータ電流を検出することができる。
図10は、本実施の形態3における電流検出用PWM信号の印加時において、検出できるモータ電流を示す関係図である。図10に示すとおり、最大電圧相は、電気角120°毎に変化する。そこで、本実施の形態3では、最大電圧相判定器15を用いて最大電圧相を判定する。この判定結果に基いて、出力するPWM信号について、半周期分の位相をずらすか、否かを切替える。
図10に示すように、組合せ(l)では、最大電圧相がU相となり、W相電流が検出される。同様に、組合せ(m)では、最大電圧相がU相となり、V相電流が検出される。
以下、同様に、組合せ(n)では、最大電圧相がV相となり、W相電流が検出される。また、組合せ(o)では、最大電圧相がV相となり、U相電流が検出される。
さらに、組合せ(p)では、最大電圧相がW相となり、V相電流が検出される。また、組合せ(q)では、最大電圧相がW相となり、U相電流が検出される。
このように、本実施の形態3によれば、モータ負荷が大きくなり、駆動電圧指令値が大きくなった場合であっても、電流検出用PWM信号を印加することにより、PWM信号の1周期内において、安定してモータ電流を検出することができる。
この結果、PWM周期ごとに、駆動電圧指令を変調したり、パルス幅の補正をしたりする必要がなくなる。よって、簡単な構成で、騒音の問題が抑制された1シャント電流検出方式を実現できる。
本発明のモータ制御装置によれば、安価な構成で実現された1シャント電流検出方式を用いたとしても、騒音の問題が抑制される。よって、ブラシレスDCモータ以外にも幅広く適用が可能となる。
1,21 モータ
2,22 電流検出器
3,23 インバータ
3U,3V,3W スイッチング素子対
3UH,3VH,3WH 上アームスイッチング素子
3UL,3VL,3WL 下アームスイッチング素子
4,24,40 制御回路
5,25 直流電源
6 動作指令器
11,26 駆動電圧指令演算器
12 電流検出PWM生成器
13,27 パルス変調器
14 PWM合成器
15 最大電圧相判定器
16 最大相PWM半周期操作器
23UH,23VH,23WH 高電圧側スイッチング素子
23UL,23VL,23WL 低電圧側スイッチング素子
2,22 電流検出器
3,23 インバータ
3U,3V,3W スイッチング素子対
3UH,3VH,3WH 上アームスイッチング素子
3UL,3VL,3WL 下アームスイッチング素子
4,24,40 制御回路
5,25 直流電源
6 動作指令器
11,26 駆動電圧指令演算器
12 電流検出PWM生成器
13,27 パルス変調器
14 PWM合成器
15 最大電圧相判定器
16 最大相PWM半周期操作器
23UH,23VH,23WH 高電圧側スイッチング素子
23UL,23VL,23WL 低電圧側スイッチング素子
Claims (8)
- 一方を直流電源に接続するとともに、他方を複数相の駆動巻線を有するモータに接続し、
前記直流電源の高電圧側に配置する上アームスイッチング素子と前記直流電源の低電圧側に配置する下アームスイッチング素子とを有する複数のスイッチング素子対を備え、
前記上アームスイッチング素子と前記下アームスイッチング素子との接続点が前記モータの各相を成す駆動巻線と接続され、
前記複数相の駆動巻線に対して複数相の駆動電圧を印加して前記モータを駆動するインバータと、
前記直流電源と前記インバータとの間に配置された電流検出器と、
前記電流検出器が検出するインバータ母線電流を変換することで、前記駆動巻線に流れる電流を検出し、前記インバータが備える前記複数のスイッチング素子対に対して複数相のPWM信号を出力する制御回路と、
を備えたモータ制御装置において、
前記制御回路は、前記モータを駆動するためのモータ駆動用PWM信号に対して、前記インバータ母線電流を検出するための電流検出用PWM信号を印加して、前記PWM信号を生成するモータ制御装置。 - 前記制御回路は、前記PWM信号の1周期における前記駆動電圧のバランスが崩されないように、前記モータ駆動用PWM信号に対して前記電流検出用PWM信号を印加する請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記制御回路は、他の相の前記PWM信号が変化しないタイミングで、前記モータ駆動用PWM信号に対して1相ずつ順番に前記電流検出用PWM信号を印加する請求項2に記載のモータ制御装置。
- 前記PWM信号は3相からなり、
前記制御回路は、他の相の前記PWM信号が変化しないタイミングで、前記モータ駆動用PWM信号とは独立して2相の前記モータ駆動用PWM信号に対して、順番に前記電流検出用PWM信号を印加し、残りの1相の前記モータ駆動用PWM信号には前記モータ駆動用PWM信号の通電期間を広げるように追加して前記電流検出用PWM信号を印加する請求項3に記載のモータ制御装置。 - 前記制御回路は、前記電流検出用PWM信号を追加して生成される1相の前記PWM信号は、前記PWM信号の半周期分の位相をずらして出力する請求項4に記載のモータ制御装置。
- 前記電流検出用PWM信号を追加した1相の前記PWM信号は、最大電圧相である請求項5に記載のモータ制御装置。
- 前記制御回路は、外部から得る動作指令と前記インバータ母線電流とを演算して駆動電圧指令を出力する駆動電圧指令演算器と、
前記駆動電圧指令に基づいて前記モータ駆動用PWM信号を生成するパルス変調器と、
前記駆動電圧指令に基づいて前記電流検出用PWM信号を生成する電流検出PWM生成器と、
前記モータ駆動用PWM信号に対して前記電流検出用PWM信号を印加して、前記PWM信号を生成するPWM合成器と、
を備える請求項1に記載のモータ制御装置。 - 最大電圧相を判定する最大電圧相判定器と、
前記最大電圧相判定器の判定結果に基づいて、前記最大電圧相の前記PWM信号について半周期分の位相をずらす最大相PWM半周期操作器と、をさらに備える請求項7に記載のモータ制御装置。
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