JP2017127046A - 電力変換器制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
複数の相を有する電力変換器の相電流を検出する従来の手法としては、各相に設けていた電流検出部を減らして、1個、あるいは2個の電流検出部で各相の電流を求める構成が提案されている。
また、特許文献2に開示の装置では、電力変換器の下アーム側に電流検出部を2個必要としており、装置のコストが増加するという問題点がある。
実施の形態1は、電動機を駆動するために、スイッチング素子をON・OFFして所定の周波数および電圧を出力する電力変換器を、PWM制御によって制御する電力変換器制御装置において、1個の電流検出部によって3相の電流を検出し、小型で安価な構成によって電流を検出することができ、また安定に電動機を駆動・制御することのできるよう構成した電力変換器制御装置に関するものである。
補正方法と電流検出のタイミングを示す図6、スイッチングパルスの補正のフローチャートを示す図7に基づいて説明を行う。
電力変換器2は、電力変換器制御部1が出力するスイッチングパルスに基づいて直流電流源5の直流電力を交流電力に変換し、電動機3に交流電圧を印加して駆動する。電力変換器2には、U相とV相の下アームに流れる電流の合計値を検出する電流検出部4が備えられている。
電流指令部6では、上位から与えられたトルク指令に基づき回転座標系であるd−q座標で表された電流指令に変換する。d軸電流指令id*およびq軸電流指令iq*が、電流制御部7に指令値として送られる。
電流制御部7では、電流指令部6から与えられたd−q座標系の電流指令id*、iq*、磁極位置信号θe、および相電流演算部9で求められた3相電流値iu、iv、iwに基づいて、3相電圧指令vu*、vv*,vw*を計算して、PWM制御部8に出力する。
なお、各スイッチングパルスのタイミング関係において、電流検出を行うための十分な時間がない場合には、一部のスイッチングパルスの出力タイミングを補正する。
電流検出部10では、PWM制御部8の出力するスイッチングパルスのタイミングに従って、電力変換器2の電流検出部4を流れる電流値を、PWM制御の1キャリア周期内に2回検出し、3相電流iu、iv、iwのうちのいずれか2つの電流を出力する。
図1において、電力変換器制御部1では、上位から入力されるトルク指令と磁極位置信号θeから3相電圧指令vu*、vv*、vw*が計算される。電圧指令vu*、vv*、vw*の計算方法としては、電力変換器と電動機の間に流れる相電流値を用いて電流制御ループを構成し、相電流を電流指令値どおりに流れるよう制御することが一般的である。
なお、座標変換の演算に用いるθは、電気角の磁極位置信号θeが用いられる。
電流指令部6から、直交2相座標系で表された電流指令id*、iq*が電流制御部7に入力されており、電流制御部7では、相電流演算部9で検出した相電流値iu、iv、iwを直交2相座標系で表された電流検出値id、iqに変換した後、電流偏差をPI制御器により指令値vd*、vq*を生成する。
さらに電圧指令vd*、vq*を磁極位置信号θeに従って座標変換することにより、3相電圧指令vu*、vv*、vw*に変換してPWM制御部8に出力する。
電流検出部10は、PWM制御部8が出力する各スイッチングパルスのタイミングに合わせて電流検出部4に流れる電流をサンプリングして電流検出する。一般的に、電流検出部はシャント抵抗が用いられる。
なお、V0、V7は、直流電源から電流が流れないため、電圧ゼロベクトルと定義する。また、前記の各電圧ベクトルにおいて、同じ相の上下アームのいずれか一方がONされた場合、他方のアームはOFFされる関係にある。
電流検出部4では、電圧ベクトルV3とV4では、U相のN側のスイッチング素子のみONしているので、U相電流が検出できる。
従って、V2とV7以外の電圧ベクトルのときの電流を検出することにより、電流検出部4に流れるU相とV相の2つの下アームの合計電流から3相の電流を復元することが可能である。
なお、条件4、6以外にも、電圧ベクトルV0での電流検出ができない場合がある。電圧指令の最大値が一定値以上になることにより、電圧ベクトルV0の出力時間である区間t3が短くなり、電圧ベクトルV0での電流検出ができない場合である。このようなケースでは、s3、s4のタイミングで2回電流検出を行う。
検出区間t1が十分な時間の長さがなく、スイッチングパルスの補正が必要となる場合がある。このとき、中間値の電圧指令のスイッチングパルスを補正する。
3相電圧指令vu*、vv*、vw*が入力されると、スイッチングパルスに変換するためのキャリア比較処理を行い、並行して、電圧指令の大小関係が判定される。式(4)に示す条件1、2、3、5のときは、s1、s2のタイミングによる電流検出を行い、条件4、6のときは、s3、s4のタイミングによる電流検出を行う。条件1、2、3、5のときは、最大電圧Vmaxと中間電圧Vmedの差t2が、一定以上の時間がなければ、最大電圧Vmaxのスイッチングパルスを補正する。
この発明の実施の形態1では、3相交流電動機を例として説明を行ったが、この発明の対象となる電動機は、界磁巻線式同期電動機、永久磁石型同期電動機、誘導電動機等いずれの電動機でもよい。
また、この発明における電圧指令の計算には、位置センサによる磁極位置情報を用いて計算を行ったが、磁極位置情報を用いないV/f制御などを適用してもよい。この場合、検出した相電流値を、過電流防止など他の用途に用いることが可能である。
また、この発明における電力変換器において検出する電流は、U相とV相の組み合わせ以外の2相(U相およびW相、またはV相およびW相)でも同様に電流検出可能である。
実施の形態2に係る電力変換器制御装置は、実施の形態1とは異なり、PWM制御の1周期の間に4回の電流を検出するよう構成としたものである。
以下、この発明の実施の形態2について、キャリア信号とスイッチングパルス、および電流検出タイミングの詳細を示す図8に基づいて説明する。
実施の形態3に係る電力変換器制御装置は、回転子に界磁巻線を有する電動機を制御する構成としたものである。以下、この発明の実施の形態3について、電力変換器制御装置に係るシステム構成図である図9に基づいて説明する。
図9において、図1と同一あるいは相当部分には、同一の符号を付している。図9は、実施の形態1と異なり、回転子の界磁巻線の電流を制御する界磁電流制御部を備えた電力変換器制御装置のシステム構成を示している。
この実施例では、3相電圧指令の最大電圧値が大きく、電圧ベクトルV0の検出区間が不足するような運転条件では、界磁電流を低く抑制することによって3相電圧指令が低くなるよう制御し、電圧ベクトルV0の電流検出区間が、最低電流検出区間Admin以上になるよう制御する。
以上説明したように、実施の形態3に係る電力変換器制御装置は、界磁巻線を有する電動機を制御する構成としているため、実施例1と同様に、安価な構成で電流検出を行うことができ、また、スイッチングパルスの補正を行うことなく、電圧ベクトルV0での検出を行うことができるように構成しており、その結果、安定に電動機を制御することを可能とする効果がある。
実施の形態4に係る電力変換器制御装置は、巻線群を複数有する電動機14に接続される第1の電力変換器2と第2の電力変換器15を制御する構成としたものである。
以下、この発明の実施の形態4について、電力変換器制御装置に係るシステム構成図である図10に基づいて説明する。
以上説明したように、実施の形態4に係る電力変換器制御装置は、巻線群が多重化された電動機を制御する構成としているため、実施例1と同様に安価に電流検出を行う、二重化された電動機も安定に精度良く制御することを可能とする効果がある。
図11において、22は上位コントローラ、23はSRAMなどの記憶装置、24は電力変換器を制御するためのPWM制御を行うプロセッサ、25は1個の電流検出部を備えた電力変換器、26は電動機である。
以上説明したように、電力変換器の制御をソフトウェアで処理することも可能であり、安価なコストで実現することも可能である。
3、11、14、26 電動機、
4、16 電流検出部、5 直流電源、6、17 電流指令部、
7、18 電流制御部、8、19 PWM制御部、
9、20 相電流演算部、10、21 電流検出部
22 上位コントローラ、23 記憶装置、24 プロセッサ、
27 処理回路
Claims (7)
- ブリッジ接続された複数のスイッチング素子によって、3相以上の複数相の交流電流を出力する電力変換器を制御する電力変換器制御装置であって、前記3相以上の複数相のうち2つの相のスイッチング素子に流れる合計電流を検出する1つの電流検出部と、前記電流検出部により検出される電流を基に前記電力変換器を制御するPWM信号を発生するPWM制御部とを含む電力変換器制御部を備えたことを特徴とする電力変換器制御装置。
- 前記電力変換器制御部が、前記電流検出部により検出される電流を基に前記電力変換器に与える電圧指令を計算する電流制御部を備え、前記電流制御部からの前記電圧指令に基づいて、前記PWM制御部が前記PWM信号を出力し、前記電流検出部が前記PWM信号を生成するキャリア信号の1周期中に少なくとも2回の電流を検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器制御装置。
- 前記電流検出部は、前記電力変換器において、複数の相のうち特定の相が通電している電圧ベクトルと、マイナス側、あるいはプラス側のすべての相のスイッチング素子が通電している電圧ゼロベクトルのタイミングで電流を検出することを特徴とする請求項2に記載の電力変換器制御装置。
- 前記電流検出部は、前記PWM信号を生成するキャリア信号の1周期中に、前記電圧ゼロベクトルと他の電圧ベクトルとのタイミングで少なくとも2回電流の検出を行い、あるいは前記電圧ゼロベクトルでない複数の電圧ベクトルのタイミングで少なくとも2回電流の検出を行い、前記電圧ベクトルの条件に応じていずれかの電流の検出を切り替えて行うよう制御することを特徴とする請求項3に記載の電力変換器制御装置。
- 前記電流検出部は、前記PWM信号を生成するキャリア信号の1周期中の前半に2回の電流検出を行い、さらに後半で2回の電流検出を行い、前記PWM信号を生成するキャリア信号の1周期中に少なくとも4回電流を検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器制御装置。
- 前記PWM制御部は、回転子に界磁巻線を有する電動機に接続されている前記電力変換器を制御して、前記電動機の界磁電流を調整することにより、前記電流検出部が、マイナス側、あるいはプラス側のすべての相のスイッチング素子が通電している前記電圧ゼロベクトルの区間で電流検出できるように制御するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の電力変換器制御装置。
- 前記電力変換器が、複数の相を有する固定子巻線を多重化された電動機に接続され、前記電動機の各々の巻線群に対応して第1の電力変換器と第2の電力変換器を備え、前記電力変換器制御部が、前記電流検出部により検出される電流を基に前記第1の電力変換器と前記第2の電力変換器に与える電圧指令を計算する電流制御部を備え、前記電流制御部からの前記電動機の各々の巻線群に対応した前記電圧指令に基づいて、前記PWM制御部が前記電動機の各々の巻線群に対応した前記複数のスイッチング素子をオン・オフ制御するための前記PWM信号を出力し、前記電流検出部が、前記PWM制御部の出力する前記PWM信号に基づいて電流を検出することを特徴とする請求項1に記載の電力変換器制御装置。
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