JP4503303B2 - メガネフレームのツル連結構造 - Google Patents

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本発明はメガネフレームのツルを折畳み可能に連結すると共に、開いた状態からはバネ力が付勢されて外方向へ僅かに開くことが出来るようにしたメガネフレームのツル連結構造に関するものである。
ツルが開いた状態から外方向へ僅かに押し開くことが出来るように機能する継手はバネ蝶番と称され、メガネフレームのツル連結手段として多用されている。特開2001−290108号に係る「連結構造」はメガネフレームのテンプルとヨロイとを相対的に回動可能に連結するもので、テンプルの一端に二又に分岐させて形成した一対の片体を設けて水平方向に間隙を確保し、各片体に夫々孔を穿設すると共に、各片体に対向する溝をテンプルの長手方向に沿って延設しており、この対向する溝間に付勢部材を保持され、付勢部材の付勢力によってヨロイに対して付勢される移動部材を付勢部材に係着し、テンプルの間隙に移動可能に位置させている。
このように、開いた状態のツルを戻し方向へのバネ力を付勢して外方向へ押し開くことが出来るように構成し、その為にコイルバネを用いている。すなわち、コイルバネを圧縮変形させることでバネ力を発生しているが、その為に上記コイルバネを伸縮変形させる摺動部材を備えている。そして、該摺動部材はツル外側面に大きく露出し、その為にメガネの外観が損なわれると共に、スリムなツルとはならない。すなわち、バネ蝶番機能を備えたメガネフレームであることが一目で分かる外観と成ってしまう。
図4には最も基本的なバネ蝶番と称される継手構造を示している。すなわち、該バネ蝶番の基本的な考えは、ヨロイ(イ)には固定蝶片(ロ)をロウ付け固定し、他方の蝶片を摺動蝶片(ハ)として一定距離の摺動を許すことによって外方向への開きをツル(ニ)に与えることが出来る。
ツル(ニ)にはガイド溝が形成され、摺動蝶片(ハ)はガイド溝を案内として摺動する訳であるが、上記摺動蝶片(ハ)の内部空洞にはコイルバネ(ホ)が収まっていて、ツル(ニ)を外ヘ開く際には摺動蝶片(ハ)が固定蝶片(ロ)側へ引張られて圧縮される。該コイルバネ(ホ)は摺動蝶片(ハ)の内部空洞入口に設けられてツル(ニ)の溝穴(ヘ)に係止したツメ(ト)に当たり、該ツメ(ト)はストッパーとして機能している。その結果、コイルバネ(ホ)の復元力がツル(ニ)に作用して、該ツル(ニ)を元の位置に戻そうとする。
ところで、上記摺動蝶片(ハ)にコイルバネ(ホ)を内蔵した蝶番構造は同図に示すごとく複雑であり、したがって製作工数も増大し、コスト的には高価なバネ付き蝶番と成ってしまう。しかも構造が複雑化している為に故障し易く、一旦故障すれば修理し難い等の問題もある。摺動蝶片(ハ)の内部空洞にコイルバネ(ホ)と芯金を押し込んでツメ(ト)に係止するならば、該ツメ(ト)並びにコイルバネ(ホ)を取り外すことが出来ない。
すなわち、ツメ(ト)は摺動蝶片(ハ)のガイドに拘束された状態でツメ(ト)の係止片(チ)が溝穴(ヘ)に嵌入し、芯金の頭(リ)はバネ力をもってツメ(ト)に当接し、係止片(チ)を溝穴(ヘ)へ押し込む力が働くことになる。したがって、このツメ(ト)を摺動蝶片(ハ)から取外すことが出来なくなると同時に、修理は不能となる。
勿論、バネ蝶番と同じ機能を果たすことが出来る継手構造は他にも色々あって、メガネを掛けた際にツルは顔側面から頭部にかけてフィットする。しかし、従来の継手構造は一般的に複雑であると共に組み付けが面倒であり、その為に修理が容易でない。上記図4に示すバネ蝶番を取付ける場合には、ツル(ニ)には摺動蝶片(ハ)が摺動するガイドを設ける必要があり、そしてコイルバネ(ホ)及び芯金を挿入し、ツメ(ト)を嵌めなくてはならず、一般的な蝶番をロウ付けして取付けるように簡単ではない。
又、同図に示すバネ蝶番では、コイルバネ(ホ)やツメ(ト)を収容する摺動蝶片(ハ)がツル(ニ)の内側に大きく突出した形態となり、メガネの外観が損なわれると共に重くなってしまう。近年のスリムなメガネフレーム用のバネ蝶番としては外観的にも適さない。
特開2001−290108号に係る「連結構造」
このように、従来のツル連結構造には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であり、メガネフレームの外観を損なうことなくスリムで、しかもシンプルな構造にて構成されるツル連結構造を提供する。
本発明に係るメガネフレームのツル連結構造は、フロント部両側にロウ付けされるヨロイにはコイルバネを収容し、又該ヨロイに設けた溝には摺動部材をスライド可能に備えている。例えばスライド部材には長穴が形成され、ヨロイに設けているピンが長穴に嵌ると共に、該ピンをガイドとして摺動部材はスライドすることが出来る。ここで、ヨロイに取付けられてスライド可能な摺動部材の外側面は露出するように取付けられる。
そして、摺動部材の先端はヨロイ先端面から突出し、ヨロイに継手を介して連結されるツルの端面に当接し、ツルを外方向へ押し開く際にはツル端面にバネ力が付勢される。すなわち、ツル端面に当って後退する摺動部材はヨロイに収容したコイルバネを圧縮し、圧縮されるコイルバネのバネ力はツル端面に反力として作用し、該ツルは元の位置に戻るようなバネ力が働く。
本発明のツル連結構造は、ヨロイに設けた摺動部材の先端がツル端面に当接し、該ツルを押し開くならば摺動部材を押し戻してヨロイに収容しているコイルバネが圧縮される。その結果、ツル端面には押圧力として作用し、ツルを元の位置に戻すことが出来るように働き、従来からのバネ蝶番としての機能が備わる。
本発明のツル連結構造は、スライド可能な摺動部材にバネ力を付勢しただけのシンプルな構造であり、従来のバネ蝶番に比較してその製作は簡単となり、コストも安くなる。一方、コイルバネはヨロイに形成した空間に収容される為に、該コイルバネが外部に表面化することはなく、また、摺動部材はヨロイに設けた溝に外側面を露出した状態で嵌っているが、外観上は一般のツル連結構造と同じであり、メガネフレームの外観が損なわれることはなく、スリムなメガネフレームを構成することが出来る。ストレートなツルではなく、概略L型をしたヨロイに摺動部材を取付けても、スリムなメガネフレームの外観が損なわれることはない。
図1は本発明のツル連結構造を備えているメガネフレームを示している。同図の1はフロント部、2はツルを示し、フロント部1は両リム3,3が連結部材4にて連結されると共に、リム3,3の外側にはヨロイ6,6がロウ付けされて構成している。又、リム3,3の内側であって連結部材4の下方には鼻当てパット5,5が取付けられている。
そしてヨロイ6,6にはツル2,2が継手を介して折畳み出来るように取付けられている。このように、メガネフレームの外観は従来のものと大きく異なることはなく、バネ蝶番の機能が備わっているようには見えない。本発明のツル連結構造は外観を大きく異ならしめることなくバネ蝶番としての機能を備えることが出来る。
図2(a)、(b)はツル2がヨロイ6に継手7を介して連結されている場合の拡大図を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。同図はツル2が開いた状態であるが、継手7を介して折畳むことが出来る。継手7は軸ネジ8を有し、該軸ネジ8を介して互いに噛合ったヨロイ側の蝶片とツル側の蝶片が連結されている。
ヨロイ6の先端面9とツル2の端面10は当接しておらず、先端面9と端面10との間には僅かな隙間11が形成され、この隙間11の範囲内でツル2は外方向へ押し開くことが出来る。一般的なメガネフレームでは、ツルが開いた状態ではこのような隙間はなく、ツル端面はヨロイ先端面に当接し、これがストッパーとして機能する。
ヨロイ6には同図に示すように摺動部材12が取付けられてスライドすることが出来る。摺動部材12はヨロイ6にスライド可能に取付けられ、その先端13はヨロイ先端面9から突出し、ツル2の端面10に近接又は当接している。そして、ツル2が点線で示すように外方向へ押し開かれるならば、摺動部材12は端面10に押されて後退することが出来る。
しかし、摺動部材12は単に後退するだけではなく、突出する方向へバネ力が付勢され、該バネ力によってツル2は実線で示す元の位置へ戻される力が働く。図3はヨロイ6に摺動部材12を組み付ける場合を示しているが、該ヨロイ6には溝14が設けられ、該溝14の奥には空間15を連続して形成している。
そこで、空間15にはコイルバネ16を収容し、収容されたコイルバネ16の一方端を押えるように摺動部材12を溝14に嵌める。そして、摺動部材12が溝14から外れないようにヨロイ6に取付けられるネジピン17は長穴18に嵌っている。同図の(b)に断面を示しているように、摺動部材12はコイルバネ16に押されてヨロイ先端から突出しているが、ネジピン17に当って停止して外れることはない。
摺動部材12の一方側には突片19が形成され、該突片19は空間15の入口に嵌ると共に、空間15に収容されるコイルバネ16の一方端を押圧している。摺動部材12は突片19が空間15に嵌ると共に、ネジピン17が長穴18に嵌ってガイドされることでスライドする。摺動部材12の先端13はヨロイ先端面9から突出し、ツル2が開いたならばその端面10は先端13に当接し、さらに外方向へ開く際には摺動部材12を後退させることになる。そして突片19はコイルバネ16を圧縮する。
摺動部材12はその外側面20を露出しているが、ストレートなツルではなく概略L型のヨロイ6に取付けている為に目立つことなく、メガネフレームの外観は損なわれない。
メガネフレームの正面図及び側面図。 ツル連結部の拡大図。 摺動部材を備えたヨロイ。 従来のバネ蝶番。
符号の説明
1 フロント部
2 ツル
3 リム
4 連結部材
5 鼻当てパット
6 ヨロイ
7 継手
8 軸ネジ
9 先端面
10 端面
11 隙間
12 摺動部材
13 先端
14 溝
15 空間
16 コイルバネ
17 ネジピン
18 長穴
19 突片
20 外側面






















Claims (1)

  1. フロント部の両側に継手を介して折畳み出来るように取付けたツルが、メガネを掛ける際に開いた状態からバネ力の作用下においてさらに外方向へ僅かに押し開くことが出来るツル連結構造において、ヨロイには溝を設けると共に該溝底から連通した空間を形成し、該空間にコイルバネを収容して溝には外側面を露出した状態で摺動部材をスライド可能に嵌め、そして摺動部材には長穴を設けてヨロイに設けたネジピンを挿通し、摺動部材の一方端に形成した突片を上記空間の入口に嵌めてコイルバネのバネ力を付勢し、該摺動部材の先端をヨロイ先端面から突出すると共に該摺動部材先端を押し開くツル端面に当接可能としたことを特徴とするツル連結構造。
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