JP3163311U - メガネフレームのツル継手構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】フロント部の両側に継手を介して折畳み出来るように取付けたツルが、メガネを掛ける際に開いた状態から、バネ力の作用下で外方向へ僅かに押し開くことが出来るメガネフレームのツル継手構造を提供する。【解決手段】ヨロイ側には固定蝶片を取着すると共にツル側には摺動蝶片8をスライド可能に取付け、ツル6の内表面にはガイドを突出して設けると共にガイドの一方端側内表面には長溝を形成し、又ガイドの他方端側内表面には凸ピン12を突出し、そして上記摺動蝶片8の内部空間にコイルバネ11を収容してツル6のガイドに噛み合わせて取付け、コイルバネ11の先端を凸ピン12に当接させると共に摺動蝶片8の先端に設けたネジ穴にストッパーネジ10を螺合し、この先端をツル6の長溝に遊嵌している。【選択図】図2
Description
本考案はメガネフレームのツルを折畳み可能に連結すると共に、開いた状態から外方向へ僅かに開くことが出来るようにしたメガネフレームのツル継手構造に関するものである。
ツルが開いた状態から外方向へ僅かに押し開くことが出来るように機能する継手はバネ蝶番と称され、メガネフレームのツル連結手段として多用されている。特開2001−290108号に係る「連結構造」はメガネフレームのテンプルとヨロイとを相対的に回動可能に連結するもので、テンプルの一端に二又に分岐させて形成した一対の片体を設けて水平方向に間隙を確保し、各片体に夫々孔を穿設すると共に、各片体に対向する溝をテンプルの長手方向に沿って延設しており、この対向する溝間に付勢部材を保持され、付勢部材の付勢力によってヨロイに対して付勢される移動部材を付勢部材に係着し、テンプルの間隙に移動可能に位置させている。
このように、開いた状態のツルを戻し方向へのバネ力を付勢して外方向へ押し開くことが出来るように構成し、その為にコイルバネを用いている。すなわち、コイルバネを圧縮変形させることでバネ力を発生しているが、その為に上記コイルバネを伸縮変形させる摺動部材が必要となっている。そこで、ゴミの介入やサビの発生でこの摺動部材の摺動に支障をきたす場合、ツルの開き操作がスムーズに機能しないことになる。
図6には最も基本的なバネ蝶番と称されるツル継手構造を示している。すなわち、該バネ蝶番の基本的な考えは、ヨロイ(イ)には固定蝶片(ロ)をロウ付け固定し、他方の蝶片を摺動蝶片(ハ)として一定距離の摺動を許すことによって外方向への開きをツル(ニ)に与えることが出来る。
ツル(ニ)にはガイド溝が形成され、摺動蝶片(ハ)はガイド溝を案内として摺動する訳であるが、上記摺動蝶片(ハ)の内部空洞にはコイルバネ(ホ)が収まっていて、ツル(ニ)を外ヘ開く際には摺動蝶片(ハ)が固定蝶片(ロ)側へ引張られて圧縮される。該コイルバネ(ホ)は摺動蝶片(ハ)の内部空洞入口に設けられてツル(ニ)の溝穴(ヘ)に係止したツメ(ト)に当たり、該ツメ(ト)はストッパーとして機能している。その結果、コイルバネ(ホ)の復元力がツル(ニ)に作用して、該ツル(ニ)を元の位置に戻そうとする。
ところで、上記摺動蝶片(ハ)にコイルバネ(ホ)を内蔵した蝶番構造は同図に示すごとく複雑であり、したがって製作工数も増大し、コスト的には高価なバネ付き蝶番と成ってしまう。しかも構造が複雑化している為に故障し易く、一旦故障すれば修理し難い等の問題もある。摺動蝶片(ハ)の内部空洞にコイルバネ(ホ)と芯金を押し込んでツメ(ト)に係止するならば、該ツメ(ト)並びにコイルバネ(ホ)を取り外すことが出来ない。
すなわち、ツメ(ト)は摺動蝶片(ハ)のガイドに拘束された状態でツメ(ト)の係止片(チ)が溝穴(ヘ)に嵌入し、芯金の頭(リ)はバネ力をもってツメ(ト)に当接し、係止片(チ)を溝穴(ヘ)へ押し込む力が働くことになる。従って、このツメ(ト)を摺動蝶片(ハ)から取外すことが出来なくなると同時に、修理は不能となる。
勿論、バネ蝶番と同じ機能を果たすことが出来る継手構造は他にも色々あって、メガネを掛けた際にツルは顔側面から頭部にかけてフィットする。しかし、従来の継手構造は一般的に複雑であると共に組み付けが面倒であり、その為に修理が容易でない。すなわち、普通のツルを連結する組み付け作業とは異なる。上記図6に示すバネ蝶番を取付ける場合には、ツル(ニ)には摺動蝶片(ハ)が摺動するガイドを設ける必要があり、そしてコイルバネ(ホ)及び芯金を挿入し、ツメ(ト)を嵌めなくてはならず、一般的な蝶番を介してツルを取付けるように簡単ではない。
特開2001−290108号に係る「連結構造」
このように、バネ蝶番機能を備えた従来のツル継手構造には上記のごとき問題がある。本考案が解決しようとする課題はこれら問題点であり組立を簡単に行うことが出来ると共に、従来のバネ蝶番と同じ機能を具備できるように構成されるメガネフレームのツル継手構造を提供する。
本考案に係るツル継手構造は、フロント部側のヨロイには固定蝶片が固定され、ツル側には摺動蝶片をスライド可能に取付けている。その為に、ツルにはガイドが設けられ、このガイドに沿って摺動蝶片はスライドすることが出来る。そして、摺動蝶片の内部には空間を形成し、この空間にコイルバネが収容される。また、摺動蝶片の先端にはネジ穴が設けられ、このネジ穴にはストッパーネジが螺合して取付けられる。
ツルの内表面には摺動蝶片がスライドするガイドの他に、長溝が設けられていて、この長溝に上記ストッパーネジの先端が遊嵌される。また、ツルの内表面には凸ピンが突出し、摺動蝶片の内部空間に収容したコイルバネの先端が当るように成る。従って、摺動蝶片がスライドするとコイルバネを圧縮することが出来、ツルにバネ力が付勢される。
本考案のツル継手構造は、ヨロイ側に固定蝶片が固定され、ツル側には摺動蝶片がスライド可能に取付けられ、そしてツルを外方向へ押し開くならば、摺動蝶片の内部空間に収容したコイルバネを圧縮することで、開いたツルにはバネ力が付勢される。従って、バネ蝶番として機能することが出来、メガネを安定して掛けることが出来る。
そして、上記摺動蝶片は内部空間にコイルバネを収容すると共にツル側に設けたガイドに嵌ってスライド可能に取付けられ、ストッパーネジを先端に螺合することでツルのガイドから外れないようになる。すなわち、ガイドがツル内表面から突出して設けられることで、摺動蝶片の取付けを簡単に行うことが出来、逆に修理する際にも簡単に取外しが出来る。
図1は本考案のツル継手構造を備えたメガネフレームを示す具体例であり、同図の1はフロント部、2はレンズが嵌るリム、3はヨロイ、4は連結部材、5は鼻当てパット、6はツルを夫々表している。両リム2,2は連結部材4にて連結され、フロント部1の両側には概略L形のヨロイ3,3がロウ付けされており、該ヨロイ3,3にはツル6,6が折畳み出来るように取付けられている。本考案はこのツル6,6を折畳みすることが出来ると共にツル6,6を同図に示すように開いた状態から僅かに外方向へ押し開くことを可能としたツルの継手構造である。
ところで、本考案のツル継手構造は、ヨロイ側にロウ付けした固定蝶片7とツル側に取付けた摺動蝶片8から成り、これら固定蝶片7と摺動蝶片8は軸ネジ9を介して互いに連結している。ツル6を折畳む場合には軸ネジ9を中心として摺動蝶片8は屈曲するが、ツル6を外方向へ押し開く際には、ツル端はヨロイ先端に当接している為に、該軸ネジ9を中心として屈曲すると共に摺動蝶片8はツル6に沿ってスライドすることが出来る。
上記ヨロイ側の固定蝶片7はロウ付けされている為に動かないが、ツル側の摺動蝶片8をスライドすることでツル6を外方向へ押し開くことが出来る。ここで、摺動蝶片8には内部空間が形成されており、この内部空間に収容しているコイルバネは摺動蝶片8のスライドに伴って圧縮され、圧縮変形されたコイルバネはツルを元の位置(図1の状態)に戻すバネ力が働く。すなわち、バネ蝶番として機能することが出来、メガネが位置ズレしにくく、安定して掛けることが可能となる。
ところで、バネ蝶番としての機能を備えた本考案のツル継手構造は、上記摺動蝶片8の取付け構造に特徴があり、該摺動蝶片8を簡単に取付けることが出来ると共に、故障した際には簡単に取外して修理を行うことが出来るように構成している。図2は摺動蝶片8をツル6に取付けた状態で継手構造の一部を表している。該摺動蝶片8はツル6に設けたガイドに嵌って取付けられ、先端にはストッパーネジ10が螺合し、その先端はツル6に形成した長溝に遊嵌している。
従って、ストッパーネジ10はこの長溝の範囲内で摺動し、同時に摺動蝶片8はこの長溝の範囲内でスライドすることが可能となる。そして、摺動蝶片8に設けている内部空間には小さいコイルバネ11が収容されており、摺動蝶片8が図2の右方向へスライドするとコイルバネ11は圧縮される。ツル6には凸ピン12が突出していて、該凸ピン12は摺動蝶片8の内部空間に嵌っていると共にコイルバネ11の先端が当接している。その結果、摺動蝶片8の右方向スライドに伴ってコイルバネ11は圧縮され、圧縮されたコイルバネ11のバネ力によって摺動蝶片8を左方向へ押し戻す力が作用する。
図3は摺動蝶片8が取付けられるツル6を表している。同図に示すようにツル6にはL形断面のガイド13,13が内表面14から突出した状態で対を成して設けられ、そしてガイド13,13の一方端側には長溝15を形成し、ガイド13,13の他方端側には凸ピン12を突出している。該ツル6の加工方法は特に限定しないが、L形断面ガイド13,13、及び長溝15は切削加工され、凸ピン12はロウ付けすることが出来る。又は、ツル6に貫通して設けた穴に凸ピン12を圧入して固定することも可能である。
図4は摺動蝶片8を独立して示した具体例であり、底側にはL形ガイド片16,16が対を成して設けられ、L形ガイド片16,16の間には内部空間17を形成している。そして、先端にはネジ穴18を設けている。ところで、上記内部空間17にはコイルバネ11が収容され、L形ガイド片16,16はツル6に設けたL形ガイド13,13と噛み合ってスライド可能に取付けられる。そして、ネジ穴18には上記ストッパーネジ10が螺合して取付けられる。
図5は摺動蝶片8をツル6に取付ける工程を示しているが、内部空間17にコイルバネ11を収容した該摺動蝶片8は矢印方向からツル6のガイド13,13と噛み合うように取付けられる。そして、コイルバネ11が凸ピン12に当って摺動蝶片8を所定の位置までスライドさせて取付けた場合、上記ストッパーネジ10をネジ穴18に螺合する。
螺合したストッパーネジ10の先端はツル6に設けた長溝15に嵌り、その結果、摺動蝶片8はツル6に取付けられて外れないようになる。そして、摺動蝶片8は長溝15の範囲内においてスライドすることが出来る。このように、摺動蝶片8を取付けたツル6は、該摺動蝶片8に設けたネジ穴19に軸ネジ9を挿入してヨロイ側の固定蝶片7と連結される。
1 フロント部
2 リム
3 ヨロイ
4 連結部材
5 鼻当てパット
6 ツル
7 固定蝶片
8 摺動蝶片
9 軸ネジ
10 ストッパーネジ
11 コイルバネ
12 凸ピン
13 ガイド
14 内表面
15 長溝
16 ガイド片
17 内部空間
18 ネジ穴
19 ネジ穴
2 リム
3 ヨロイ
4 連結部材
5 鼻当てパット
6 ツル
7 固定蝶片
8 摺動蝶片
9 軸ネジ
10 ストッパーネジ
11 コイルバネ
12 凸ピン
13 ガイド
14 内表面
15 長溝
16 ガイド片
17 内部空間
18 ネジ穴
19 ネジ穴
Claims (2)
- フロント部の両側に継手を介して折畳み出来るように取付けたツルが、メガネを掛ける際に開いた状態からバネ力の作用下で外方向へ僅かに押し開くことが出来るメガネフレームのツル継手構造において、ヨロイ側には固定蝶片を取着すると共にツル側には摺動蝶片をスライド可能に取付けることで両蝶片を介してツルを連結し、ツルの内表面にはガイドを突出して設け、ガイドの一方端側内表面には長溝を形成し、又ガイドの他方端側内表面には凸ピンを突出し、そして上記摺動蝶片の内部空間にコイルバネを収容してツルのガイドに噛み合わせて取付け、コイルバネの先端を凸ピンに当接させると共に摺動蝶片の先端に設けたネジ穴にストッパーネジを螺合し、この先端をツルの長溝に遊嵌したことを特徴とするツルの継手構造。
- 上記ツルにはL形ガイドを内表面から突出して設け、一方の摺動蝶片の底には同じくL形ガイド片を形成した請求項1記載のツルの継手構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010005034U JP3163311U (ja) | 2010-07-28 | 2010-07-28 | メガネフレームのツル継手構造 |
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JP2013186441A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-19 | Excel Gankyo:Kk | メガネフレームのツル継手構造 |
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