JP4502358B2 - 記録ヘッド基体、記録ヘッド、及び記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は記録ヘッド基体、記録ヘッド、及び記録装置に関し、特に、例えば、インクを吐出して記録を行なうために用いられる記録ヘッド基体とその基体を備えた記録ヘッド、及びそれを用いた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェット方式に従う記録装置に搭載される記録ヘッドの電気熱変換素子(ヒータ)とその駆動回路は、既に良く知られているように、半導体プロセス技術を用いて同一基板上に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−185594号公報。
【0004】
また、この駆動回路に加えて基板の状態、例えば、基板温度を検知するために同一基板上に温度検出素子を形成し、この素子からの出力値を用いて基板の温度をセンシングする技術がすでに種々提案されている。
【0005】
図11は従来の温度検知素子が形成されたインクジェット記録ヘッド基板(以下、基板という)の構成を示すブロック図である。
【0006】
図11において、100はヒータ及び駆動回路を半導体プロセス技術により一体形成した基板、101はヒータ及びドライバ回路を複数個配列したドライバ・ヒータアレイ、102は基板裏面よりインクを供給するためのインク供給チャネル、103は記録データを一時的に保持するためのシフトレジスタ(S/R)、104はシフトレジスタ(S/R)103及びデコーダ回路(後述)に記録装置からのデジタル信号を入力するためのバッファ回路を含む入力回路、105はシフトレジスタ(S/R)103及びデコーダ回路(後述)からドライバ・ヒータアレイ102中の個々のセグメントを選択するための信号を送るための信号線、107はドライバ・ヒータアレイ801中の所望のヒータブロック毎に選択して駆動するためのデコーダ回路(Decoder)、110は記録装置からの種々の信号の入力端子、120は基板100の温度を検知するための温度検知素子である。
【0007】
図12はインク吐出のためにヒータに通電するため1個のドライバ(1セグメント)を駆動するために用いる回路の等価図である。
【0008】
図12において、901はデコーダ回路107から送られる複数のブロックに分割されたヒータ群を選択するためのブロック選択信号(block select)とシフトレジスタ(S/R)103に転送されその後ラッチ信号で保持された記録データ(bit select)との論理積をとり選択的に各ヒータを駆動するためのNAND回路、902はNAND回路901からの出力を受けバッファするためのインバータ回路、903はインバータ回路902の電源となる電源ライン(VDD)、904はバッファ(後述)に供給され、ドライバトランジスタ(後述)のゲート電圧を供給するための電源となる電源ライン(VHT)、905はヒータ駆動用電源となる電源ライン(VH)、906はヒータ、907はヒータに電流を流すためのドライバトランジスタ、908はバッファ902からの出力を受けるバッファとなるインバータ回路である。
【0009】
図13は記録データを一時的に格納するためのシフトレジスタ(S/R)とラッチ回路の1ビット分に相当する回路の等価図である。
【0010】
また、図14はシフトレジスタ(S/R)に記録データを転送しヒータに電流を流すまでの一連の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0011】
図13に示す端子1001に入力されたクロックパルス(CLK)に同期して記録データ(DATA)が端子1003に供給される。シフトレジスタ(S/R)は記録データを一時的に格納し端子1005に印加されるラッチ信号(BG)によりラッチ回路が記録データを保持する。なお、クロックパルスとラッチ信号の入力においては、高速動作における高い信頼性を確保するために、端子1002と1004から夫々、クロックパルスとラッチ信号の反転信号(ICLK、IBG)を入力している。
【0012】
その後、複数のブロックに分割されたヒータ群を選択するためのブロック選択信号(block select)とラッチ信号(BG)により保持された記録データ(DATA)との論理積がとられ、端子1007から入力される電流駆動時間を直接決定するヒートイネーブル信号(HE)に同期してヒータ電流が流れる。この一連の動作を各ブロック毎に繰り返して記録が行なわれる。
【0013】
一般に電気熱変換素子(ヒータ)を用いたインクジェット記録ヘッド基板において、ヒータを駆動する時に発生する熱により記録を繰り返し行なうと基板の温度は上昇する。これがインクの吐出特性に影響を与えて記録状態が悪化しないように、一定の間隔で基板の温度をモニタし、その温度によって適切な駆動方法を選択するように制御がなされる。この時、温度をモニタする方法として最も一般的なものは同一基板上にダイオードを設けてこれに一定の電流を流し、発生する電圧の温度特性を読出すことで基板の温度状態を検知するものである。
【0014】
一般にダイオードの電流−電圧特性の温度変化は、
VF=(k・T/q)ln(IF/IS)
で表わされ、基板の製造プロセスによりほぼ一義的に決定され事前に予測可能な特性であるためこのダイオードの出力電圧をモニタすることで基板の温度が検知できる。
【0015】
図15は従来の温度検知素子として用いられているダイオードの等価回路図である。
【0016】
図15において、INは入力電圧端子、OUTは出力電圧端子、1200はダイオードである。
【0017】
図16は一般的なダイオードの電圧−温度の特性図である。
【0018】
図16から分かるように、ダイオードは温度が上昇すると抵抗値が下がるので、そのダイオードに定電流を流しておくと、温度上昇に伴って出力電圧(OUT)が小さくなり、温度下降に伴って出力電圧(OUT)が大きくなる。
【0019】
温度検知素子用のダイオードは、図11で示した基板において、温度出力端子(Temp)に接続されており、このダイオードに一定の電流を流した時に発生する電圧を温度出力端子から読み取ることで基板の温度を検出する。この場合、基板上には少なくとも1個の温度出力端子を設け、これを外部と接続するためのインタフェースとする必要がある。
【0020】
【発明が解決しようとしている課題】
さて、上記従来例に従う温度検知の方法を複数の基板を有するインクジェット記録ヘッドに適用した場合、各基板に少なくとも1個配設された温度出力端子を各基板の温度状態を知るために全てモニタする必要が生じる。これは外部接続のための信号出力端子を記録ヘッドに基板の数だけ設ける必要があることを意味する。
【0021】
しかしながら、このような端子数の増加は記録ヘッドの電気接点数の増加につながり、ヘッド面積の増大、配線本数の増大、また各基板の温度を別々に処理するための処理回路の複雑化などを招いて、記録ヘッド、及びその記録ヘッドを用いた記録装置のコストアップの原因となってしまう。
【0022】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、一つの記録ヘッドに複数の記録ヘッド用基板を用いる場合に、全ての基板の温度検知素子の出力を個別にモニターするために複数の出力端子を設けることなく、記録ヘッドの温度状態に関する情報をモニタ可能な記録ヘッド基体、その基体を用いた記録ヘッド、及びその記録ヘッドを用いた記録装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の記録ヘッド基体は、以下のような構成からなる。
【0024】
即ち、複数の記録素子と前記複数の記録素子を駆動する駆動回路とを備えた少なくとも第1と第2の基板を有する記録ヘッド基体であって、第1の出力パッドと、第2の出力パッドと、前記第1の出力パッドに第1の配線を介して接続された第1の電流源と、前記第2の出力パッドに第2の配線を介して接続された第2の電流源とを有し、前記少なくとも第1と第2の基板夫々は、基板温度を測定する温度検知素子と、前記温度検知素子からの出力電圧を入力し、該入力された電圧から第1の信号を検出する第1の検出回路と、前記温度検知素子からの出力電圧を入力し、該入力された電圧から第2の信号を検出する第2の検出回路と、前記第1の検出回路から出力される前記第1の信号を基板外部に出力する第1の出力端子と、前記第2の検出回路から出力される前記第2の信号を基板外部に出力する第2の出力端子とを有し、前記第1の検出回路は、前記温度検知素子からの出力電圧を入力する第1の入力端子と、高電位側に設けられた第1のバイアス電流源と、前記第1の入力端子にゲートが接続され、前記第1のバイアス電流源にソースが接続される第1のpMOSトランジスタと、ソースが前記第1のバイアス電流源に前記第1のpMOSトランジスタと共通に接続され、ゲートが前記第1の出力端子に接続される第2のpMOSトランジスタと、前記第1のpMOSトランジスタのドレインと接地との間に、前記第1のpMOSトランジスタに直列接続される第1のnMOSトランジスタと、前記第2のpMOSトランジスタのドレインと接地との間に、前記第2のpMOSトランジスタに直列接続され、ゲートが前記第1のnMOSトランジスタのゲートと接続され、該ゲートがさらに前記第1のpMOSトランジスタのドレインに接続される第2のnMOSトランジスタと、ゲートが前記第2のpMOSトランジスタと前記第2のnMOSトランジスタとの間に接続され、ソースが前記第1の出力端子に接続された第3のnMOSトランジスタとを有し、前記第1の出力端子から前記第1の信号を出力する構成とし、前記第2の検出回路は、前記温度検知素子からの出力電圧を入力する第2の入力端子と、接地側に設けられた第2のバイアス電流源と、前記第2の入力端子にゲートが接続され、前記第2のバイアス電流源にソースが接続された第4のnMOSトランジスタと、ソースが前記第2のバイアス電流源に前記第4のnMOSトランジスタと共通に接続され、ゲートが前記第2の出力端子に接続される第5のnMOSトランジスタと、前記第4のnMOSトランジスタのドレインと高電位側ラインとの間に、前記第4のnMOSトランジスタに直列接続される第3のpMOSトランジスタと、前記第5のnMOSトランジスタのドレインと高電位側ラインとの間に、前記第5のnMOSトランジスタに直列接続され、ゲートが前記第3のpMOSトランジスタのゲートと接続され、該ゲートがさらに前記第4のnMOSトランジスタのドレインに接続される第4のpMOSトランジスタと、ゲートが前記第4のpMOSトランジスタと前記第5のnMOSトランジスタとの間に接続され、ソースが前記第2の出力端子に接続された第5のpMOSトランジスタとを有し、前記第2の出力端子から前記第2の信号を出力する構成とし、前記第1の出力端子は前記第1の配線に、前記第2の出力端子は前記第2の配線に接続されることを特徴とする記録ヘッド基体を備える。
【0025】
また他の発明によれば、上記構成の記録ヘッド基体を実装する記録ヘッドを備える。
【0029】
またなお、前記温度検知素子は、ダイオード或いはPNP型トランジスタであることが望ましい。
【0030】
なおまた、前記記録ヘッドはインクジェット記録ヘッドであり、その場合、前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることが望ましい。
【0031】
さらに他の発明によれば、上記記録ヘッドを用いて記録を行なう記録装置を備える。
【0032】
以上の構成により本発明によれば、例えば、温度検知素子としてダイオードを用いた場合には、図16に示すようにその電圧特性は負の温度依存性を持っているため、各基板のうちでダイオードから出力する電圧の最大値が最も温度の低い基板の温度を示し、各基板のうちでダイオードから出力する電圧の最小値が最も温度の高い基板の温度を示すことになる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
【0034】
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0035】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0036】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0037】
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
【0038】
<インクジェット記録装置の説明(図1)>
図1は本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
【0039】
図1に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置という)は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2にキャリッジモータM1によって発生する駆動力を伝達機構4より伝え、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させるとともに、例えば、記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
【0040】
また、記録ヘッド3の状態を良好に維持するためにキャリッジ2を回復装置10の位置まで移動させ、間欠的に記録ヘッド3の吐出回復処理を行う。
【0041】
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。なお、参照番号6は以下に説明する4つの独立したインクカートリッジをまとめて言及するときに用いる。
【0042】
図1に示した記録装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジ6M、6C、6Y、6Kを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
【0043】
さて、キャリッジ2と記録ヘッド3とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、この実施形態の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用し、熱エネルギーを発生するために電気熱変換体を備え、その電気熱変換体に印加される電気エネルギーが熱エネルギーへと変換され、その熱エネルギーをインクに与えることにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させる。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
【0044】
図1に示されているように、キャリッジ2はキャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝達機構4の駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。従って、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転及び逆転によってガイドシャフト13に沿って往復移動する。
【0045】
また、記録装置1には、記録ヘッド3の吐出口(不図示)が形成された吐出口面に対向してプラテン(不図示)が設けられており、キャリッジモータM1の駆動力によって記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が往復移動されると同時に、記録ヘッド3に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン上に搬送された記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。
【0046】
さらに、図1において、14は記録媒体Pを搬送するために搬送モータM2によって駆動される搬送ローラである。
【0047】
<インクジェット記録装置の制御構成(図2)>
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【0048】
図2に示すように、コントローラ600は、MPU601、後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納したROM602、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド3の制御のための制御信号を生成する特殊用途集積回路(ASIC)603、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等を設けたRAM604、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行うシステムバス605、以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給するA/D変換器606などで構成される。
【0049】
また、図2において、610は画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置610と記録装置1との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。
【0050】
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、プリント開始を指令するためのプリントスイッチ622、及び記録ヘッド3のインク吐出性能を良好な状態に維持するための処理(回復処理)の起動を指示するための回復スイッチ623など、操作者による指令入力を受けるためのスイッチから構成される。630はホームポジションhを検出するためのフォトカプラなどの位置センサ631、環境温度を検出するために記録装置の適宜の箇所に設けられた温度センサ632等から構成される装置状態を検出するためのセンサ群である。
【0051】
さらに、640はキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。
【0052】
ASIC603は、記録ヘッド3による記録走査の際に、RAM602の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(吐出ヒータ)の駆動データ(DATA)を転送する。
【0053】
<記録ヘッドのインク流路とインク吐出口の構造(図3)>
図3は記録ヘッド3の内、ブラックインクを吐出する部分の立体的な構造を示す斜視図である。
【0054】
図3からブラック(K)のインクを収容したインクカートリッジ6Kから供給されるインクの流れが明らかになる。図3に示されているように、記録ヘッド3には、ブラック(K)インクを供給するインク供給チャネル102があり、インクカートリッジ6Kからはインク供給チャネル102に基板100の裏面側からブラックインクを供給する供給路(不図示)が備えられている。
【0055】
このインクチャネルを経てブラックインクは夫々、インク流路30によって基板上に設けられた電気熱変換体(ヒータ)40まで導かれる。そして、電気熱変換体(ヒータ)40に対して後述する回路を通して通電されると、電気熱変換体(ヒータ)40上にあるインクに熱が与えられ、インクが沸騰し、その結果、生じた泡によって吐出口35からインク液滴90が吐出される。
【0056】
なお、図3において、100は後で詳述する電気熱変換体やこれを駆動する種々の回路、メモリ、キャリッジ2との電気的接点となる種々のパッド、種々の信号線が形成される記録ヘッド用基板(以下、ヘッド基板という)である。
【0057】
また、1つの電気熱変換体(ヒータ)、これを駆動するMOS−FET、及び電気熱変換体(ヒータ)をまとめて記録素子といい、複数の記録素子を総称して記録素子部という。
【0058】
図3では記録ヘッド3の内、ブラックインクを吐出する部分に対応する立体的な構造を示したが、他の3つのカラーインクを吐出するために用いる記録ヘッド3の対応部分も同様な構造をしている。ただし、その構造は図3に示す構成の3倍である。即ち、インクチャネルは3つであり、ヘッド基板の規模も約3倍程度となる。
【0059】
次に、以上の構成の記録装置に搭載される記録ヘッドの実施形態について詳細に説明する。
【0060】
<第1実施形態>
図4は本発明の第1実施形態に従うインクジェット記録ヘッド基板(以下、基板という)の構成を示すブロック図である。
【0061】
なお、図4において、既に図11に関連して説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略することにし、ここでは、この実施形態に特徴的な構成要素のみを説明する。
【0062】
さて、130は後で図8を用いて説明するように、記録ヘッド全体として複数個の温度センサを接続したときにそれらの出力電圧の最小値(温度の最大値)を検出するために用いるバッファ回路、140は同様に図8を用いて説明するように、記録ヘッド全体として複数個の温度センサを接続したときにそれらの出力電圧の最大値(温度の最小値)を検出するために用いるバッファ回路である。これら2つのバッファ回路130、140の出力(Temp(max)、Temp(min))は夫々、出力端子111と出力端子112に接続される。
【0063】
図5は温度検知回路120、バッファ回路130、140で構成される部分の詳細な構成を示す回路図である。
【0064】
図5において、301は温度に対して一義的に決まる電流−電圧特性を有する温度検知素子として用いられるダイオード、302はダイオード301に一定の電流を供給するための電流源、304と305は夫々、図8を用いて説明するように、記録ヘッド全体として複数個の温度センサを接続したときにそれらの出力電圧の最小値(温度の最大値)と最大値(温度の最小値)を検出するために用いるバッファ回路である。
【0065】
バッファ回路304、305夫々、最小電圧値、及び最大電圧値を検出するために用いるので、内部の回路構成が多少異なる。
【0066】
図6は最大電圧値(温度の最小値)を検出するために用いるバッファ回路305の構成を示す図であり、同様に図7は最小電圧値(温度の最大値)を検出するために用いるバッファ回路304の構成を示す図である。
【0067】
図6〜図7において、400と500は夫々、バッファ回路への入力端子、401と501はpMOSトランジスタ、402と502はnMOSトランジスタ、404と504はバイアス電流を供給する電流源である。
【0068】
図8は第1実施形態に従う基板100を複数個配設した記録ヘッドの構成を示す図である。このように構成することで、記録ヘッドには複数の温度検出回路が複数個複数箇所に配設されることになる。
【0069】
図8において、200は基板100を複数個配設するためのヘッド基体、111と112は夫々、ダイオードの最小電圧値と最大電圧値を検出するために用いるバッファ回路130と140の出力端子、201は各基板の出力端子111を共通に接続する配線、202は各基板の出力端子112を共通に接続する配線、203は配線201の出力パッド、204は配線202の出力パッド、205は共通接続した配線に接続された負荷電流源である。
【0070】
以上説明したような構成によれば、図4〜図5に示すように各基板内部に2つのバッファ回路を設けておき、これら2つの回路の内、最大電圧(最小温度)を検出するために用いるものは図6に示すように出力段の回路構成をnMOSトランジスタのソースから電圧が出力されるいわゆるソースフォロワ出力形式とし、最小電圧(最大温度)を検出するために用いるものは図7に示すように出力段の回路構成をpMOSトランジスタのソースから電圧が出力されるいわゆるソースフォロワ出力として、これらの出力を夫々図8に示すようにヘッド基体上で共通接続しこれに電流源による負荷を付加する。このような回路構成にすることで各バッファの出力インピーダンスはソースフォロワにより分離された形になるのでお互いに干渉することなく、共通接続ラインには所望の電圧が出力されることになる。
【0071】
このように構成することで、出力パッド203からは各基板の出力端子111からの出力電圧の内、最小電圧が出力され、出力パッド204からは各基板の出力端子112からの出力電圧の内、最大電圧が出力される。
【0072】
従って以上接続した実施形態に従えば、記録ヘッドに配設した温度検知回路として用いられる複数個のダイオードの最小電圧値及び最大電圧値、即ち、複数の記録ヘッド基板中の最も温度の低い基板の温度に対応した電圧及び最も温度の高い基板の温度に対応した電圧を得ることができる。
【0073】
<第2実施形態>
ヒータ数が多くなった場合や同一基板内で複数色のインクを吐出するために対応したヒータ列を有する場合など基板サイズが大きくなったときには、同一の基板内に複数の温度検知回路を配設することがある。ここでは同一の基板内に複数の温度検知回路がある場合について説明する。
【0074】
図9は本発明の第2実施形態に従うインクジェット記録ヘッド基板(以下、基板という)の構成を示すブロック図である。
【0075】
なお、図9において、既に図4と図11に関連して説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略することにし、ここでは、この実施形態に特徴的な構成要素のみを説明する。
【0076】
第1実施形態では基板100の片側のみに温度検知回路とバッファ回路と出力端子を設けていたが、この実施形態では、図9に示されているように、もう一方の側にも、温度検知回路120と2つのバッファ回路130、140と同様の回路である温度検知回路120′と2つのバッファ回路130′、140′と出力端子113と114を設ける構成にしている。
【0077】
図10は第2実施形態に従う基板100を配設した記録ヘッドの構成を示す図である。なお、図10における構成要素の参照番号は同じであるので、その説明は省略する。
【0078】
この場合においても、第1実施形態と同様に各温度検知回路にバッファ回路を付加して、これを図10に示すようにヘッド基体上で共通接続し負荷電流源を付加すれば、同様にヘッド基板内のどの位置の温度かまでは特定できないものの、温度検知回路に用いられるダイオードの最小電圧値および最大電圧値、即ち、同一基板中の最も温度の低い場所の温度に対応した電圧および最も温度の高い場所の温度に対応した電圧が得られることになる。
【0079】
なお、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせ、各々に複数の温度検知素子を備えた基板を複数個配設した記録ヘッド基体を用いても、第1実施形態と第2実施形態において達成するのと同様の効果を得ることができる。
【0080】
さらに、以上説明した実施形態では、バッファ回路にMOS型トランジスタを用いた例を示したが、同様の効果が得られるバッファ回路であればバイポーラ型トランジスタを用いたものや、MOS型バイポーラ型混在のものでも良いことは言うまでもない。
【0081】
このことをさらに具体的に言うならば、最大電圧を出力するバッファ回路140、140′の出力段には図6に示すようにnチャンネル型MOSトランジスタが備えられているが、その代わりにNPN型バイポーラトランジスタを備えても良く、同様に、最小電圧を出力するバッファ回路130、130′の出力段には図7に示すようにpチャンネル型MOSトランジスタが備えられているが、その代わりにPNP型バイポーラトランジスタを備えても良い。
【0082】
この場合にはそれぞれ最大電圧を出力するバッファ回路においてはその出力段をNPNトランジスタのエミッタから電圧が出力されるいわゆるエミッタフォロワ出力形式とし、最小電圧を出力するバッファ回路においてはその出力段をPNPトランジスタのエミッタから電圧が出力されるエミッタフォロワ出力形式とすることで、各バッファの出力インピーダンスはエミッタフォロワにより分離された形になるのでお互いに干渉することなく、共通接続ラインには所望の電圧が出力されることになり同様の効果が得られることになる。
【0083】
また、以上説明した実施形態では、温度検知素子にダイオードを用いた例で説明したが本発明はこれによって限定されるものではなく、例えば、その素子にPNP型トランジスタを用いても良い。
【0084】
またさらに、以上説明した実施形態では、バッファ回路をヒータとヒータを駆動する回路と同一基板上に構成する例を示したが、バッファ回路を備えた別部材を記録ヘッド上に配設する形態でも同様の効果が得られることができる。
【0085】
またさらに、以上説明した実施形態では、どの基板が温度最小値または温度最大値を示しているかという情報までは検出できないが、少なくとも記録ヘッド内の最大温度および最小温度が検出されることで記録ヘッド制御に必要な情報としては重要な情報が簡単な回路構成で実現されるという利点もある。
【0086】
またさらに、以上説明した実施形態では、ヒータから発生する熱エネルギーを利用したインクジェット記録ヘッドを取り上げて説明してきたが、本発明は記録素子にヒータを用いる熱転写方式の記録ヘッドにも、さらにはピエゾ素子等を用いたインクジェット記録ヘッドにも適用できるものである。
【0087】
さらに、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0088】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0089】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0090】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0091】
また、以上の実施形態は記録ヘッドを走査して記録を行なうシリアルタイプの記録装置であったが、記録媒体の幅に対応した長さを有する記録ヘッドを用いたフルラインタイプの記録装置であっても良い。フルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0092】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0093】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0094】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0095】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0096】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0097】
【発明の効果】
従って以上説明したように本発明によれば、一つの記録ヘッドに、少なくとも1つの温度検出素子を備えた複数の記録ヘッド用基板を用いる場合にも全ての基板の全ての温度検知素子からの出力を個別にモニタするために複数の端子を設けることなく、記録ヘッドの温度状態に関する情報をモニターできるという効果がある。
【0098】
これにより、記録ヘッドの小型化、処理回路の単純化、記録ヘッド、及びその記録ヘッドを用いた記録装置の生産コストの削減に貢献することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置の構成の概要を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】記録ヘッド3の内、ブラックインクを吐出する部分の立体的な構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に従うインクジェット記録ヘッド基板の構成を示すブロック図である。
【図5】温度検知回路120、バッファ回路130、140で構成される部分の詳細な構成を示す回路図である。
【図6】最大電圧値(温度の最小値)を検出するためのバッファ回路305の構成を示す図である。
【図7】最小電圧値(温度の最大値)を検出するためのバッファ回路304の構成を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態に従う基板100を複数個配設した記録ヘッドの構成を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に従うインクジェット記録ヘッド基板の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2実施形態に従う基板100を配設した記録ヘッドの構成を示す図である。
【図11】従来の温度検知素子が形成されたインクジェット記録ヘッド基板の構成を示すブロック図である。
【図12】インク吐出のためにヒータに通電するため1個のドライバ(1セグメント)を駆動するために用いる回路の等価図である。
【図13】記録データを一時的に格納するためのシフトレジスタ(S/R)とラッチ回路の1ビット分に相当する回路の等価図である。
【図14】シフトレジスタ(S/R)に記録データを転送しヒータに電流を流すまでの一連の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】従来の温度検知素子として用いられているダイオードの等価回路図である。
【図16】一般的なダイオードの電圧−温度の特性図である。
【符号の説明】
100 基板
101 ドライバ・ヒータアレイ
102 インク供給チャネル
103 シフトレジスタ
111〜114 出力端子
120 温度検知回路
130、130′、140、140′ バッファ回路
200 記録ヘッド基体
205 負荷電流源
402 nMOSトランジスタ
502 pMOSトランジスタ
Claims (6)
- 複数の記録素子と前記複数の記録素子を駆動する駆動回路とを備えた少なくとも第1と第2の基板を有する記録ヘッド基体であって、
第1の出力パッドと、
第2の出力パッドと、
前記第1の出力パッドに第1の配線を介して接続された第1の電流源と、
前記第2の出力パッドに第2の配線を介して接続された第2の電流源とを有し、
前記少なくとも第1と第2の基板夫々は、
基板温度を測定する温度検知素子と、
前記温度検知素子からの出力電圧を入力し、該入力された電圧から第1の信号を検出する第1の検出回路と、
前記温度検知素子からの出力電圧を入力し、該入力された電圧から第2の信号を検出する第2の検出回路と、
前記第1の検出回路から出力される前記第1の信号を基板外部に出力する第1の出力端子と、
前記第2の検出回路から出力される前記第2の信号を基板外部に出力する第2の出力端子とを有し、
前記第1の検出回路は、
前記温度検知素子からの出力電圧を入力する第1の入力端子と、
高電位側に設けられた第1のバイアス電流源と、
前記第1の入力端子にゲートが接続され、前記第1のバイアス電流源にソースが接続される第1のpMOSトランジスタと、
ソースが前記第1のバイアス電流源に前記第1のpMOSトランジスタと共通に接続され、ゲートが前記第1の出力端子に接続される第2のpMOSトランジスタと、
前記第1のpMOSトランジスタのドレインと接地との間に、前記第1のpMOSトランジスタに直列接続される第1のnMOSトランジスタと、
前記第2のpMOSトランジスタのドレインと接地との間に、前記第2のpMOSトランジスタに直列接続され、ゲートが前記第1のnMOSトランジスタのゲートと接続され、該ゲートがさらに前記第1のpMOSトランジスタのドレインに接続される第2のnMOSトランジスタと、
ゲートが前記第2のpMOSトランジスタと前記第2のnMOSトランジスタとの間に接続され、ソースが前記第1の出力端子に接続された第3のnMOSトランジスタとを有し、前記第1の出力端子から前記第1の信号を出力する構成とし、
前記第2の検出回路は、
前記温度検知素子からの出力電圧を入力する第2の入力端子と、
接地側に設けられた第2のバイアス電流源と、
前記第2の入力端子にゲートが接続され、前記第2のバイアス電流源にソースが接続された第4のnMOSトランジスタと、
ソースが前記第2のバイアス電流源に前記第4のnMOSトランジスタと共通に接続され、ゲートが前記第2の出力端子に接続される第5のnMOSトランジスタと、
前記第4のnMOSトランジスタのドレインと高電位側ラインとの間に、前記第4のnMOSトランジスタに直列接続される第3のpMOSトランジスタと、
前記第5のnMOSトランジスタのドレインと高電位側ラインとの間に、前記第5のnMOSトランジスタに直列接続され、ゲートが前記第3のpMOSトランジスタのゲートと接続され、該ゲートがさらに前記第4のnMOSトランジスタのドレインに接続される第4のpMOSトランジスタと、
ゲートが前記第4のpMOSトランジスタと前記第5のnMOSトランジスタとの間に接続され、ソースが前記第2の出力端子に接続された第5のpMOSトランジスタとを有し、前記第2の出力端子から前記第2の信号を出力する構成とし、
前記第1の出力端子は前記第1の配線に、前記第2の出力端子は前記第2の配線に接続されることを特徴とする記録ヘッド基体。 - 前記温度検知素子は、ダイオード或いはPNP型トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド基体。
- 請求項1に記載の記録ヘッド基体を実装する記録ヘッド。
- 前記記録ヘッドは、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。
- 前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項4に記載の記録ヘッド。
- 請求項3乃至5のいずれか1項に記載の記録ヘッドを用いて記録を行なう記録装置。
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