JP4289976B2 - 記録ヘッドの駆動方法、記録ヘッドの素子基板、記録ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び記録装置 - Google Patents

記録ヘッドの駆動方法、記録ヘッドの素子基板、記録ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び記録装置 Download PDF

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Description

本発明は記録ヘッドの駆動方法、記録ヘッドの回路基板、記録ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び記録装置に関し、特に、例えば、記録素子の抵抗の製造ばらつきを考慮して、様々な駆動条件時に発生する記録素子に投入されるエネルギーバラツキを押さえ、高品位な記録を行うとともに、記録ヘッドの耐久性向上をはかる記録媒体へインクを吐出して画像等の記録を行なう記録ヘッドの駆動方法、記録ヘッドの素子基板、記録ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び記録装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、或いはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて記録用紙やプラスチック薄板(例えば、OHP等に用いる)等の記録媒体に画像を記録していくように構成されている。
そのような記録装置は、採用される記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、感熱式、熱転写式、電子写真方式等に分けられる。
その内、インクジェット式の記録装置(以下、インクジェット記録装置)は、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うものであり、装置の小型化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易である等、多くの利点を有している。
さて、インクジェット記録方式の中にもいくつか手法があり、そのひとつに発熱体をノズル内に実装し、熱によりインク内にバブルを発生させ、その発泡エネルギーをインク吐出に用いるバブルジェット(登録商標)記録方式がある。ここでインクを吐出するための熱エネルギーを発生させる記録素子は、半導体製造プロセスを用いて製造することができる。そのため、バブルジェット技術を利用した記録ヘッドとして、(1)シリコン基板を基材として記録素子を形成して記録素子基板とし、その上に、インク流路を形成するための溝を形成した、ポリサルフォン等の樹脂やガラス等からなる天板を接合した構成のものや、(2)素子基板上に直接ノズルをフォトリソグラフィ工程により形成し、接合部をなくした高精度タイプのものが製品化されている。
また、素子基板がシリコン基板からなることを利用し、記録素子を素子基板上に構成するだけでなく、記録素子を駆動するためのドライバや、記録素子を記録ヘッドの温度に応じて制御する際に用いられる温度センサ及びその駆動制御部等を素子基板上に構成したものもある。
図7は従来のインクジェット記録ヘッド用の素子基板の構成の代表的な例を示すブロック図である(特許文献1参照)。
図7に示されているように、素子基板900には、インクに吐出用の熱エネルギーを与える、並列に配列された複数の発熱体(記録素子)901と各発熱体901を駆動するためのパワートランジスタ(ドライバ)902と、外部からシリアルに入力される画像データ及びこれに同期するシリアルクロックが入力され、1ライン毎に画像データを入力するシフトレジスタ904と、ラッチ用のクロックに同期してシフトレジスタ904から出力された1ライン分の画像データをラッチし、パワートランジスタ902にパラレルに転送するラッチ回路903と、パワートランジスタ902に対応してそれぞれ設けられ、ラッチ回路903の出力信号を外部からのイネーブル信号に応じてパワートランジスタ902に印加する複数のANDゲート915と、画像データや各種信号等を外部から入力するための入力端子905〜912が形成されている。
また、素子基板900には、素子基板900の温度を測定するための温度センサ、あるいは各発熱体901の抵抗値を測定するための抵抗モニタといったセンサモニタ914が形成される。このようなドライバや温度センサ及びその駆動制御部等を素子基板上に構成した記録ヘッドは実用化されており、記録ヘッドの信頼性の向上及び装置の小型化に寄与している。
このような構成において、シリアル信号として入力された画像データは、シフトレジスタ904によってパラレル信号に変換され、ラッチ用のクロックに同期してラッチ回路903で出力保持される。この状態で入力端子を介して発熱体901の駆動パルス信号(ANDゲート915に対するイネーブル信号)が入力されることにより、画像データに応じてパワートランジスタ902がオンされ、対応する発熱体901に電流が流れて、その液流路(ノズル)のインクが熱せられ、ノズル先端の吐出口よりインクが液滴として吐出される。
図8は図7に示すインクジェット記録ヘッド用の素子基板において寄生抵抗の変動に関係する部分を詳細に示す図である。
ここで、図7と図8に示されているパワートランジスタ902(ここでは、バイポーラトランジスタであるがMOSトランジスタでも良い)や複数の記録素子を駆動するための共通の電源配線やGND配線上には、記録装置本体による一定の電源電圧印加時に記録素子にエネルギーを投入する際の損失につながる寄生抵抗(或いは定電圧)成分916が存在するだけでなく、図8にも示したように発熱体901の同時駆動数によって寄生抵抗916で発生する電圧が異なるため、結果的に発熱体901に印加されるエネルギーが変動する。
実際のところ、図8にも示したように、記録素子である発熱体901は基板製造工程において膜厚の違いやその分布により量産時を考慮すると絶対抵抗値が±20%〜30%ばらつくことが避けられない状況である。
したがって、これまでの実用化されているインクジェット記録ヘッドの記録素子駆動用のドライバは、主になるべく低抵抗とする観点でパワートランジスタを使用してきた。ここでのパワートランジスタ902は一定の素子駆動電源と逆バイアスの一定電源、あるいはオン抵抗としてふるまう。この場合、記録素子の抵抗バラツキによって、記録素子901を流れる電流が変化するので、一定時間に投入される記録素子でのエネルギー(消費電力)は、記録素子の製造時の抵抗値によって大きく異なる。
従って、インクジェット記録ヘッドを駆動して安定したインク吐出を行うとともにその記録ヘッドの長寿命化を達成するために記録素子での消費電力を一定とするように、従来は記録素子を駆動するために印加するパルス幅を記録素子の抵抗により変化させて対応してきた。
さて、近年になって、記録のスピードアップのために必要な記録素子数がかなり増加してきている。また同時に、記録の高精細化により記録素子に印加するエネルギーの均一化は従来以上に求められるようになってきていて、上述したように、記録素子の同時駆動数の差が大きければ大きい程、各記録素子に印加されるエネルギーの変動幅も大きくなり、記録ヘッドの寿命も短くなる。これは、エネルギー変動により記録品質が低下する等の障害の発生につながることになる。
ここで非公知の技術として、上記エネルギーを一定にするという観点で効果がある構成として各発熱体に図9に示すように一定の電流が流れるようにドライバ部分を制御することが考えられる。このような構成にすることで、各発熱体には常に一定の電流が流れるため、抵抗値が使用中に変動しない限り、記録素子の同時駆動数に影響なく発熱体の抵抗値×一定電流値の2乗のエネルギーが供給され、上記課題は解決できる。また、ヒータに流れる電流を一定に保つ構成についても提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−256883号公報 特開2001−277516号公報
記録ヘッド用の基板において、抵抗成分の中で最も大きい記録素子(発熱抵抗体)の抵抗は製造バラツキにより約20〜30%ばらつくことはすでに述べた通りである。また、従来の機構におけるより記録装置本体側の電源電圧は一定であるので、記録素子の抵抗バラツキに対しては、記録素子に印加するパルス幅を調整することで、記録素子に印加するエネルギーが一定になるように対応してきたことも既に述べた通りである。
しかしながら上記従来例のように、記録素子の同時駆動数の違いによるエネルギーバラツキをなくすために発熱体に一定電流を投入した場合には、この記録素子の抵抗バラツキによるインクジェット記録ヘッド用基板中でのパワー損失が著しく異なることになる。
図10は一定電流で記録素子を駆動した場合のパワー損失のばらつきを示す図である。
図10に示す例では、記録素子の抵抗値が100Ω程度であり、一定電流として150mAの電流を通電した場合に発熱体の両端に発生する電圧と発熱体の製造ばらつき(この例では±20%)がある場合を想定している。そして、図10には、記録素子が最大抵抗(120Ω)である場合、記録素子の両端電圧(18V)に対し、ドライバ電圧制御用に1Vが必要であると考え、一定電流制御のためにこれより1V高い電圧(19V)を記録装置側で印加する場合の記録素子以外で消費されるエネルギーの比率を示している。なお、記録素子の抵抗値の変動(80〜120Ω)によって、一定電流投入時の記録素子での消費電力が異なる(1.8〜2.7W)が、この変動は実際の記録時の各記録素子に印加するパルス幅を変化させることで投入エネルギーの調整を行う。
なお、図10にはエネルギーを一定とした際に必要なパルス幅を同時に示している。
図10によれば、記録素子の抵抗値が80Ωの時に実に記録素子にかかるパワーの約58%が一定の電流を流すための制御部分(インクジェット記録ヘッド用基板内のドライバー部分)で主に消費される(パワー損失)することとなる。さらに記録素子に投入されるエネルギーを一定にするために、記録素子の抵抗が80Ωであるときには印加パルス幅は1.25μsに、120Ωであるときには0.83μSに調整するが、その比は約1.5倍であり、損失エネルギーの差が記録素子抵抗が80Ωと120Ωで約10倍異なる。
これらが全てインクジェット記録ヘッド用の素子基板内で消費されることで基板の温度を上昇させ、インク吐出量に影響を及ぼす場合がある。
図11はインクジェット記録ヘッドの基板に一定電流を投入した場合の記録時間と基板温度との関係を示す図である。
図11からも分かるように、記録素子の抵抗にばらつきがあると基板温度の上昇の仕方も異なる。
図12はインク温度とインク吐出量との関係を示す図である。
図12からも分かるように、インク温度が変化するとインク吐出量も変化する。このインク温度は基板温度の影響を受けるので、基板温度の上昇はインク吐出の特性に影響を与えることになる。
従って、記録ヘッド製造時に記録素子の抵抗値に約20〜30%のばらつきが発生することが避けられないことは、均一なインク吐出性能をもったインクジェット記録ヘッドを提供することが非常に困難であることを示唆している。
以上説明したように、記録素子の同時駆動数の変化に伴う差をなくすために一定電流で記録素子を駆動するという方法を導入する場合、記録ヘッドの製造工程により生じる記録素子の抵抗値のばらつきによって、無駄なエネルギー消費が発生するだけでなく、実際の記録において、ヘッド基板の温度変化の特性も異なり、インクの温度によりインクの粘性等が変化することで記録ヘッドの記録性能が大きく変動するという問題が発生する。
本発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、記録素子の抵抗値のばらつきに係わりなく記録特性に優れた記録ヘッドの駆動方法、記録ヘッドの素子基板、記録ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の記録ヘッドの駆動方法は、以下の工程からなる。
即ち、複数の記録素子と前記複数の記録素子夫々に対応した複数のドライバトランジスタとを備えた素子基板を含み、前記素子基板が前記複数の記録素子各々に対して駆動電力を供給する共通の電源供給ラインと、該電源供給ラインと各記録素子との間の配線からなる寄生抵抗と、前記複数の記録素子と同一工程で形成されたモニタ抵抗を有した記録ヘッドの駆動方法であって、前記素子基板に備えられた前記モニタ抵抗の抵抗値を測定する測定工程と、前記測定工程において測定された抵抗値に応じて予め定められている前記記録素子両端の電圧となるための基準電流を基準電源に設定する設定工程と、前記寄生抵抗と前記各記録素子との間の電圧と前記基準電源の電圧とを比較する比較工程と、前記比較工程における比較結果に基づいて、前記複数のドライバトランジスタ各々の駆動を制御する制御工程とを有することを特徴とする記録ヘッドの駆動方法を備える。
また本発明は、上記構成の方法を記録ヘッドの素子基板に適用することによって実現しても良い。その基板は以下のような構成からなる。
即ち、複数の記録素子と前記複数の記録素子夫々に対応した複数のドライバトランジスタとを備えた記録ヘッドの素子基板であって、前記複数の記録素子各々に対して駆動電力を供給する共通の電源供給ラインと、該電源供給ラインと各記録素子との間の配線からなる寄生抵抗と、前記複数の記録素子と同一工程により形成されたモニタ抵抗と、前記モニタ抵抗の抵抗値に応じて予め定められている前記記録素子両端の電圧となるための基準電流を設定する設定回路と、前記設定回路により前記基準電流が設定される基準電源と、前記寄生抵抗と前記各記録素子との間の電圧と前記基準電源の電圧とを比較する比較回路と、前記比較回路における比較結果に基づいて、前記複数のドライバトランジスタ各々の駆動を制御する制御回路とを有することを特徴とする。
以上のような解決手段の構成をさらに詳しく言えば、前記ドライバトランジスタはMOSFETトランジスタであり、前記制御工程では前記MOSFETトランジスタのゲート電圧を調整すると良い。
また、前記制御工程では、前記寄生抵抗と前記各記録素子との間の電圧と前記基準電源の電圧とが等しくなるように、前記ゲート電圧を増加させるように制御することが望ましい。
なおまた、前記記録ヘッドはインクジェット記録ヘッドであり、その場合、前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることが望ましい。
さらに本発明は、上記構成の記録ヘッドの回路基板を記録ヘッドに組み込むことによって実現しても良い。
さらに本発明は、上記構成の記録ヘッドの回路基板を組み込んだ記録ヘッドとインクタンクとを有することを特徴とするヘッドカートリッジとによって実現しても良い。
またさらに本発明は、上記構成の記録ヘッドを用いた記録装置によっても実現できる。
従って本発明によれば、たとえ記録ヘッドの量産時に記録素子の抵抗値にバラツキが発生しても、最適な電流を記録素子に通電して記録を行うことができるという効果がある。
これにより、パワー損失の少ない、記録特性に優れた高品位な記録を実現することができる。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
また、以下に用いる「素子基板」とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線等が設けられた基体を示すものである。さらに、「素子基板上」とは、単に素子基体の上を指し示すだけでなく、素子基体の表面、表面近傍の素子基体内部側をも示すものである。
また、本発明でいう「作り込み」とは、別体の各素子を単に基体上に配置することを示すのではなく、各素子を半導体回路の製造工程等によって素子基体上に一体的に形成、製造することを示すものである。
<インクジェット記録装置の説明(図1)>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置という)は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2にキャリッジモータM1によって発生する駆動力を伝達機構4より伝え、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させるとともに、例えば、記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
また、記録ヘッド3の状態を良好に維持するためにキャリッジ2を回復装置10の位置まで移動させ、間欠的に記録ヘッド3の吐出回復処理を行う。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
図1に示した記録装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
さて、キャリッジ2と記録ヘッド3とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、この実施例の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用し、熱エネルギーを発生するために電気熱変換体を備え、その電気熱変換体に印加される電気エネルギーが熱エネルギーへと変換され、その熱エネルギーをインクに与えることにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させる。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
図1に示されているように、キャリッジ2はキャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝達機構4の駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。従って、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転及び逆転によってガイドシャフト13に沿って往復移動する。また、キャリッジ2の移動方向(矢印A方向)に沿ってキャリッジ2の絶対位置を示すためのスケール8が備えられている。この実施例では、スケール8は透明なPETフィルムに必要なピッチで黒色のバーを印刷したものを用いており、その一方はシャーシ9に固着され、他方は板バネ(不図示)で支持されている。
また、記録装置1には、記録ヘッド3の吐出口(不図示)が形成された吐出口面に対向してプラテン(不図示)が設けられており、キャリッジモータM1の駆動力によって記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が往復移動されると同時に、記録ヘッド3に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン上に搬送された記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。
さらに、図1において、14は記録媒体Pを搬送するために搬送モータM2によって駆動される搬送ローラ、15はバネ(不図示)により記録媒体Pを搬送ローラ14に当接するピンチローラ、16はピンチローラ15を回転自在に支持するピンチローラホルダ、17は搬送ローラ14の一端に固着された搬送ローラギアである。そして、搬送ローラギア17に中間ギア(不図示)を介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ14が駆動される。
またさらに、20は記録ヘッド3によって画像が形成された記録媒体Pを記録装置外ヘ排出するための排出ローラであり、搬送モータM2の回転が伝達されることで駆動されるようになっている。なお、排出ローラ20は記録媒体Pをバネ(不図示)により圧接する拍車ローラ(不図示)により当接する。22は拍車ローラを回転自在に支持する拍車ホルダである。
またさらに、記録装置1には、図1に示されているように、記録ヘッド3を搭載するキャリッジ2の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えば、ホームポジションに対応する位置)に、記録ヘッド3の吐出不良を回復するための回復装置10が配設されている。
回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構11と記録ヘッド3の吐出口面をクリーニングするワイピング機構12を備えており、キャッピング機構11による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の吸引手段(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させ、それによって、記録ヘッド3のインク流路内の粘度の増したインクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行う。
また、非記録動作時等には、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピング機構11によるキャッピングすることによって、記録ヘッド3を保護するとともにインクの蒸発や乾燥を防止することができる。一方、ワイピング機構12はキャッピング機構11の近傍に配され、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク液滴を拭き取るようになっている。
これらキャッピング機構11及びワイピング機構12により、記録ヘッド3のインク吐出状態を正常に保つことが可能となっている。
<インクジェット記録装置の制御構成(図2)>
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コントローラ600は、MPU601、後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納したROM602、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド3の制御のための制御信号を生成する特殊用途集積回路(ASIC)603、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等を設けたRAM604、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行うシステムバス605、以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給するA/D変換器606などで構成される。
また、図2において、610は画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置610と記録装置1との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、プリント開始を指令するためのプリントスイッチ622、及び記録ヘッド3のインク吐出性能を良好な状態に維持するための処理(回復処理)の起動を指示するための回復スイッチ623など、操作者による指令入力を受けるためのスイッチから構成される。630はホームポジションhを検出するためのフォトカプラなどの位置センサ631、環境温度を検出するために記録装置の適宜の箇所に設けられた温度センサ632等から構成される装置状態を検出するためのセンサ群である。
さらに、640はキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバ、644は記録ヘッド3を駆動させるヘッドドライバである。
ASIC603は、記録ヘッド3による記録走査の際に、RAM602の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(吐出ヒータ)の駆動データ(DATA)を転送する。
図3はインクジェット記録ヘッド用基板(以下、基板という)100及びその基板を搭載した記録ヘッド3、さらにその記録ヘッドを搭載した記録装置において記録素子に印加するエネルギーに影響を与える部分の構成を示すブロック図である。
なお、装置本体には記録ヘッドや記録素子基板に対して電力を供給する電源が設けられており、この電源から所定の電圧、電流が素子基板に対して与えられる。
従って、ここでは、従来の基板に対し変化がない部分については省略し、本発明を適用する実施例に特徴的な部分のみを表記している。
図3において、101は記録素子(発熱抵抗体)、102は各記録素子に一定電流を流すための電圧制御を行うことを含めた記録素子のスイッチング素子(ドライバ)、103a、103bは基板100内の共通配線に生ずる寄生抵抗、104a、104bは記録ヘッド3内の共通配線に生ずる寄生抵抗、105a、105bは記録装置の共通配線に生ずる寄生抵抗、107は基板100の記録素子101の抵抗値を反映するために記録素子形成と同一工程時に形成したモニタ用抵抗である。
また、108は駆動制御ロジック部であり、記録装置のヘッドドライバ644から送出されシフトレジスタ、ラッチ等を介した記録のための画像データや前述した記録素子にインク吐出のためのエネルギーを供給するための駆動パルス信号に基づいてドライバ102をオン/オフ制御するとともに、モニタ用抵抗107の抵抗値に基づいて同時駆動記録素子数の変動により上述の寄生抵抗で発生する電圧降下に係わらず、一定電流を記録素子に通電する制御を行う制御部、110は記録素子を駆動する駆動パルスのパルス幅制御を担っている。
さらに、112は各記録素子にモニタ用抵抗107の抵抗値を反映して決定された一定の電流値となるような設定情報を記憶する、例えば、EEPROM、FeRAM、MRAM等の不揮発性メモリであるヘッドメモリである。この実施例では、ヘッドメモリ112に格納された情報に基づいて、記録素子101の両端に発生する電圧を最適化し、ドライバ102におけるエネルギー損失を記録素子の製造時のバラツキ等によらず、最小限とすることができる。
111はヘッドメモリ112から読み出された情報に基づいて一定電流を設定する設定回路である。
図4は、この実施例に従う基板製造からヘッド製造、記録ヘッドの記録装置搭載、及び記録までの工程を示したフローチャートである。
まず、ステップS110では、半導体製造プロセスを用いて素子基板110を製造する。基本的な製造プロセスは従来通りである。ただし、この実施例では、製造された基板100に、記録素子101、モニタ用抵抗107、制御部108、及び各記録素子にその抵抗値に応じて決定された一定電流値を設定する設定回路111等が作り込まれている。
素子基板の製造後にステップS120において、他の部品等を組み合わせて記録ヘッド3を製造する。記録ヘッド3には、各記録素子に一定の電流値を設定するため、また記録素子を駆動する時間を決定するための情報を保存するヘッドメモリ112が搭載されている。記録ヘッド3の完成後に、ステップS130において、一定電流値を決定するため、モニタ用抵抗107の抵抗値を読み取り、さらに、ステップS140では、その抵抗値に基づいて製造ばらつきを持った記録素子に通電する最適な電流値を決定する。
ここで、記録素子の抵抗値がばらついた際の電流値の設定について説明する。
図5はこの実施例に従う記録素子の抵抗値がばらついた際の電流値の設定について示す図である。
ここでは、従来例で説明したのと同じ条件、即ち、記録素子の抵抗値が100Ω程度であり、製造ばらつきにより、その抵抗値に±20%のばらつきがある場合を想定している。また、一定電流値としては電源電圧からドライバ定電流制御用電圧の変動最大値(ここでは1V)を引いた電圧(ここでは15V)が記録素子の両端に発生するように設定した。
例えば、記録素子の抵抗値が80Ωとなる場合、記録素子の両端の電圧が15Vとなる電流は188mAである。そこで、電流値が188mAとするべく基板100にその情報を提供するために、ヘッドメモリ112に書き込みを行う。他の抵抗値の基板の場合は同様に、図5に示す表に従い適正な電流にセットするようにヘッドメモリ112に書き込みを行えば良い。
以上のようにしてステップS150の工程が実行される。
次に、ステップS160の工程、即ち、ヘッドメモリ112にセットされた情報に基づいて一定電流を通電する例について図6を用いて説明する。
図6は記録素子101及び記録素子を駆動するためのブロックを1ビット分抜粋した構成を示す図である。
図6において、601は記録素子、602は一定電流を記録素子(ヒータ)601に通電するため流れる電流に応じてオン抵抗が変化し、所望の電流に収束させるMOSトランジスタのドライバ、603は基板100内部の記録素子駆動電源供給ライン、604はGNDライン、605は記録素子601に通電するための配線に生じる微小寄生抵抗、606はヘッドメモリ112に設定された電流情報を反映して、即ち、記録素子の抵抗値を反映して電圧を変化させることができる基準電源、ここでの基準電源は電源電圧の変動や温度依存性を持たないバンドギャップ電圧の電圧源等を用いている。607はOPアンプ、608はOPアンプ607から供給されるドライバ駆動用電源電圧を制御部108からのロジック信号に応じてドライバ602に供給するゲート電圧制御部である。
このような構成の回路において、OPアンプ607は各記録素子に個別に流れる電流に応じて配線寄生抵抗605で発生する電圧降下が基準電圧と等しくなるまでは、ドライバのゲート電圧を増加するように制御する。また、配線寄生抵抗605の抵抗値は記録素子(ヒータ)のようにエネルギーを消費することはなく、温度も急峻に変化しないのでほぼ一定となる。従って、モニタ用抵抗107の抵抗値から算出した電流値にするために基準電源606の電圧をヘッドメモリ112に設定された電流情報に基づいて変化させ、一定の電流を記録素子に投入することができる。
このように、この回路では、各記録素子に流れる電流をフィードバックしてドライバ602のゲート電圧を制御することで各記録素子ごとに一定電流を維持するようにしている。また、その電流値はドライバ602で制御する電圧が最低限で済むように設定可能となるため、一定電流を通電することによる、エネルギー損失も記録素子の抵抗値によらず一定でかつ小さくすることができる。
当然ながら、図3で示した寄生抵抗103a,b、104a,b、105a,b等により記録素子共通で発生する電圧降下に記録素子の同時駆動数が変化することで差が発生しても、この実施例の構成によれば、各記録素子に流れる電流を一定とする構成であるため、記録素子に与えるエネルギーのばらつきに至ることはない。これら共通配線で発生しうる電圧降下の差をあらかじめ考慮してドライバ602による電圧制御範囲とするだけで良い。
以上の構成を用いた場合、図5に示す通り、記録素子の抵抗値が80〜120Ωの範囲でばらついても、各記録素子の抵抗値に合わせて一定電流を決定し、セットすることで、従来例では問題となっていた、低抵抗側での大きなパワー損失(58%)はなくなり、抵抗ばらつきの全範囲においてパワー損失が一定となるようにできる。
このようにして電流値が設定した記録ヘッドを用いて、次は安定的にインク吐出ができるように、ほぼ一定のエネルギーをインクに供給するために各記録素子に通電するための信号パルスの幅を決定する。これは実際には、パルス幅をある値から徐々に増加させて行き安定するパルス幅を設定すれば良い。
以上のようにして、ステップS160の工程が実行される。
なお、図5には、ほぼ同一のエネルギーを供給するパルス幅を実施例として記載している。
即ち、図5によれば、ひとつの記録素子に投入するエネルギーを2.25μJとした場合、記録素子の抵抗に応じて0.8μS〜1.2μSが適したパルス幅となる。ここで、図5に示すエネルギーロスの値を見てもわかるとおり、従来例ではそのエネルギーロスが記録素子の抵抗値のばらつきにより10倍の差があったのに対し、この実施例では記録素子の抵抗値のばらつきがあってもエネルギーロスは一定であり、さらに、その損失値も最低限にとどまっている。
こうして決定したパルス幅は、ステップS170において、記録ヘッド3のヘッドメモリ112にパルス幅情報として記憶される。
以上のようにして、製造され、設定された記録ヘッド3はステップS180で記録装置に搭載され、その後、ステップS190で記録装置は、ヘッドメモリ112に記憶されたパルス幅情報及び記録する画像情報に基づいてヘッドドライバ644より記録信号を記録ヘッド3、そして基板100に供給することで記録を行う。
従って以上説明した実施例に従えば、記録ヘッドに備えられたモニタ用抵抗の値に基づいて、各記録ヘッド毎に記録素子を駆動するための駆動制御に用いる基準電源の基準電圧を設定し、その基準電圧と各記録素子の寄生抵抗に起因する電圧降下量とを比較し、その比較結果に基づいて、記録素子を駆動するMOSトランジスタのゲート電圧を制御するので、各記録素子に通電される電流を一定に維持することができる。
これまでは記録素子ひとつについて電流が一定となる構成を説明してきた。
記録ヘッドは複数の記録素子を有しており、各記録素子毎に本構成を有することで各記録素子に流れる電流が一定、すなわちエネルギーを一定に保つことができる。あるいは同時に駆動される記録素子ごとに本件の構成をとり、共有することも可能である。あるいは特許文献2に記載のようにダミーの記録素子を設定して複数の基準となる電圧を選択することで本発明の効果を得ることも可能である(図13を参照)。さらに図13に対して記録素子に流れる電流を一定にするために寄生抵抗部での電圧を比較する構成例は図14となる。
以上により、安定した高品位な記録、記録ヘッドの長寿命化が達成できる。
さらに、以上の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
また、以上の実施例は記録ヘッドを走査して記録を行なうシリアルタイプの記録装置であったが、記録媒体の幅に対応した長さを有する記録ヘッドを用いたフルラインタイプの記録装置であっても良い。フルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、上記の実施例で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。 図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。 インクジェット記録ヘッド用基板、その基板を搭載した記録ヘッド、その記録ヘッドを搭載した記録装置における記録素子に印加するエネルギーに影響を与える部分の構成を示すブロック図である。 基板製造からヘッド製造、記録ヘッドの記録装置搭載、及び記録までの工程を示したフローチャートである。 記録素子の抵抗値がばらついた際の電流値の設定について示す図である。 記録素子101及び記録素子を駆動するためのブロックを1ビット分抜粋した構成を示す図である。 従来のインクジェット記録ヘッド用の基板の構成の代表的な例を示すブロック図である。 図7に示すインクジェット記録ヘッド用の基板において寄生抵抗の変動に関係する部分を詳細に示す図である。 各発熱体に一定の電流が流れるようにドライバ部分を制御する構成を示す図である。 一定電流で記録素子を駆動した場合のパワー損失のばらつきを示す図である。 インクジェット記録ヘッドの基板に一定電流を投入した場合の記録時間と基板温度との関係を示す図である。 インク温度とインク吐出量との関係を示す図である。 他の実施例の記録ヘッド用基板内の回路構成を示す図である。 他の実施例の記録ヘッド用基板内の回路構成を示す図である。
符号の説明
3 記録ヘッド
100 基板
101 記録素子(発熱体)
102 記録素子のスイッチング素子(ドライバ)
103a,b、104a,b、105a,b 寄生抵抗
107 モニタ用抵抗
108 制御部
110 駆動制御ロジック部
111 設定回路
112 ヘッドメモリ
601 記録素子
602 MOSドライバ
603 駆動電源ライン
604 GNDライン
605 配線寄生抵抗
606 基準電源
607 OPアンプ
608 ゲート電圧制御部
644 ヘッドドライバ

Claims (11)

  1. 複数の記録素子と前記複数の記録素子夫々に対応した複数のドライバトランジスタとを備えた素子基板を含み、前記素子基板が前記複数の記録素子各々に対して駆動電力を供給する共通の電源供給ラインと、該電源供給ラインと各記録素子との間の配線からなる寄生抵抗と、前記複数の記録素子と同一工程で形成されたモニタ抵抗を有した記録ヘッドの駆動方法であって、
    前記素子基板に備えられた前記モニタ抵抗の抵抗値を測定する測定工程と、
    前記測定工程において測定された抵抗値に応じて予め定められている前記記録素子両端の電圧となるための基準電流を基準電源に設定する設定工程と、
    前記寄生抵抗と前記各記録素子との間の電圧と前記基準電源の電圧とを比較する比較工程と、
    前記比較工程における比較結果に基づいて、前記複数のドライバトランジスタ各々の駆動を制御する制御工程とを有することを特徴とする記録ヘッドの駆動方法。
  2. 前記ドライバトランジスタはMOSFETトランジスタであり、前記制御工程では前記MOSFETトランジスタのゲート電圧を調整することを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッドの駆動方法。
  3. 前記制御工程は、前記寄生抵抗と前記各記録素子との間の電圧と前記基準電源の電圧とが等しくなるように、前記ゲート電圧を増加させるように制御することを特徴とする請求項2に記載の記録ヘッドの駆動方法。
  4. 複数の記録素子と前記複数の記録素子夫々に対応した複数のドライバトランジスタとを備えた記録ヘッドの素子基板であって、
    前記複数の記録素子各々に対して駆動電力を供給する共通の電源供給ラインと、
    該電源供給ラインと各記録素子との間の配線からなる寄生抵抗と、
    前記複数の記録素子と同一工程により形成されたモニタ抵抗と、
    前記モニタ抵抗の抵抗値に応じて予め定められている前記記録素子両端の電圧となるための基準電流を設定する設定回路と、
    前記設定回路により前記基準電流が設定される基準電源と、
    前記寄生抵抗と前記各記録素子との間の電圧と前記基準電源の電圧とを比較する比較回路と、
    前記比較回路における比較結果に基づいて、前記複数のドライバトランジスタ各々の駆動を制御する制御回路とを有することを特徴とする記録ヘッドの素子基板。
  5. 前記ドライバトランジスタは、MOSFETトランジスタであり、
    前記制御回路では前記MOSFETトランジスタのゲート電圧を調整することを特徴とする請求項4に記載の記録ヘッドの素子基板。
  6. 前記制御回路は、前記寄生抵抗と前記各記録素子との間の電圧と前記基準電圧とが等しくなるまで、前記ゲート電圧を増加させるように制御することを特徴とする請求項5に記載の記録ヘッドの素子基板。
  7. 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の記録ヘッドの素子基板を用いた記録ヘッド。
  8. 前記記録ヘッドはインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項7に記載の記録ヘッド。
  9. 前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項8に記載の記録ヘッド。
  10. 請求項7乃至9のいずれか1項に記載の記録ヘッドを用いた記録装置。
  11. 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の記録ヘッドの素子基板を用いた記録ヘッドと、インクタンクとを有することを特徴とするヘッドカートリッジ。
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