JP4499471B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、電気絶縁性、耐熱性、基板との密着性、機械的強度等に優れ、特に半導体素子またはプリント基板等の回路基板の保護皮膜又は絶縁皮膜として有用な皮膜を形成しうる感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、上記感光性樹脂組成物を用いたパターンの形成方法に関する。
半導体素子用またはプリント基板等の回路基板の保護及び絶縁用の皮膜有機材料として、従来、耐熱性および機械特性などに優れているポリイミド樹脂が用いられている。
また、近年、半導体素子またはプリント基板などの電子・電気回路基板の回路パターン形成と保護及び絶縁を目的とした有機材料として、耐熱性および機械特性などに優れた感光性ポリイミド樹脂が使用されつつある。このような感光性ポリイミド樹脂組成物において、露光部が硬化し不溶化するネガ型の感光性ポリイミド樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照。)。しかし、ネガ型感光性ポリイミド樹脂組成物は感度、解像性および加工性に問題があり、これを改良することを目的として、ポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物が開発されてきた(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5等参照。)。しかしながら、一般に、ポリイミド樹脂は吸湿性が高く、電気特性の点で問題がある。特に近年、回路の微細化と信号の高速化に伴い要求される電気特性に十分に対応することができない。
一方、ポリベンゾオキサゾール樹脂は、耐熱性、機械強度等に加え、電気絶縁性に優れているため、これからの電子機器の高密度化、高性能化に向けた用途に十分に適用できるものとして期待されている。ポリベンゾオキサゾール樹脂の被膜は高い耐熱性、優れた電気特性、微細加工性を有しているため、ウェハーコート用のみならず層間絶縁用樹脂としての使用可能性も検討されている。
このポリベンゾオキサゾール前駆体はキノンジアジド化合物などの感光剤と組み合わせることでポジ型フォトレジストとして使用することが出来る。この組成物は紫外線の照射によりキノンジアジド基が光分解しケテンを経由してインデンカルボン酸を形成する反応を利用し、アルカリ溶液で現像してパターンを得ることが出来る。通常、50μm以下の微細なパターンを形成しようとするとジアゾナフトキノン化合物をポリベンゾオキサゾール前駆体固形分100部に対して30〜50重量部配合することになる。ジアゾナフトキノン基は吸光度係数が大きいため、膜厚が数μmであっても、紫外線照射で完全に反応させるには通常200mJ/cm以上の露光量を必要とする。そこで、ポリベンゾオキサゾール前駆体のフェノール性水酸基を酸で分解する遊離基で保護した樹脂と光酸発生剤を組み合わせ、露光で生じた酸を触媒として露光後の加熱によりレジストの基材樹脂が反応してパターンを得るポジ化学増幅型感光性組成物が開示されている(例えば、特許文献6、特許文献7、特許文献8等参照。)。これは露光で発生した酸が少量であっても、熱拡散により連鎖的に反応が進行するため極めて高い感度が得られる。しかしながら、この方法では膜厚が厚い場合、保護基がガスとして脱離するため、気泡として塗膜に残存し、パターン形成性のみならず、加熱閉環後のポリベンゾオキサゾール被膜の物性や絶縁性を著しく損ねる問題があった。
特公昭55−030207号公報 特開昭54−145794号公報 特開平06−324493号公報 特開平07−179604号公報 特開2000−143980号公報 特開2001−56559号公報 特開2001−66781号公報 特開2003−248314号公報
本発明の目的は、厚膜でも塗膜欠陥が発生せず、耐熱性、機械特性、加工性および電気特性に優れ、かつ高解像回路パターン形成が可能な感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明者等は上記の目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、今回、ポリアミド系ポリオキサゾール前駆体に一分子中に少なくとも2個のビニルエーテル基を有する化合物及び光酸発生化合物を組合わせることにより、厚膜でも塗膜欠陥が発生せず、耐熱性、機械特性、加工性および電気特性に優れ、かつ高解像回路パターン形成が可能な感光性樹脂組成物を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、(A)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体、
Figure 0004499471
し、nは2〜300の数である)
(B)一分子中に少なくとも2個のビニルエーテル基を有する化合物、及び
(C)光酸発生化合物
を含有し、ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)が、下記一般式(2)及び/又は(3)
Figure 0004499471
(式中、Xは熱で重合しうる官能基及びA に直結する窒素原子を有する窒素含有有機基を表す。)
Figure 0004499471
(式中、Yは、熱で重合しうる官能基を有する1価の有機基を表す。)
で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体であることを特徴とする感光性樹脂組成物に関する。
本発明はまた、上記感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程、該基板を加熱する工程、活性エネルギー線を選択的に照射する工程、照射後に基板を加熱する工程、及び塩基性現像液で現像する工程を順次行うことを特徴とするパターンの形成方法に関する。
本発明はさらに、上記パターンの形成方法を用いて得られたパターンを200〜500℃で加熱することにより得られることを特徴とするパターン形成基板及び樹脂被膜に関する。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポリアミド系ポリオキサゾール前駆体、一分子中に少なくとも2個のビニルエーテル基を有する化合物及び光酸発生化合物よりなるものであり、塗膜形成時に保護基がガスとして脱離することがないため、脱離ガスが気泡として塗膜に残存するという問題がなく、厚膜でも塗膜欠陥が発生せず、耐熱性、機械特性、加工性および電気特性に優れ、かつ高解像回路パターンを形成可能であり、特にレジスト用ポジ型感光性樹脂組成物として極めて有用なものである。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)、一分子中に少なくとも2個のビニルエーテル基を有する化合物(B)及び光酸発生化合物(C)を含有してなるものである。
ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)
本発明の感光性樹脂組成物の(A)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するものである。
Figure 0004499471
し、nは2〜300の数である)
上記式(1)中Aは4価の芳香族基を表し、該芳香族基には、炭素環式の又は環中に窒素、酸素及び硫黄原子より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1個、好ましくは1〜3個含有する複素環式の、単環状もしくは多環状で、場合により縮合環を形成していてもよい芳香族基が包含される。そのような芳香族基Aとしては、具体的には、例えば、下記の構造をもつものを挙げることができる。
Figure 0004499471
式中、XおよびYはそれぞれ独立に-CH2-、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-SO2NH-、-CO-、-CO2-、-NHCO-、-NHCONH-、-C(CF3)2-、-CF2-、-C(CH3)2-、-CH(CH3)-、-C(CF3)(CH3)-、-Si(R21)2-、-O-Si(R21)2-O-、-Si(R21)2-O-Si(R22)2-、-(CH2)a-Si(R21)2-O-Si(R22)2-(CH2)a-(ここでaは0〜6の整数である)及び直接結合よりなる群から選ばれ、R1〜R14、R21及びR22はそれぞれ独立にH、F、炭素数1から6のアルキルもしくはアルコキシル基又は-(CF2)b-CF3もしくは-O-(CF2)b-CF3(ここでbは0〜5の整数である)を表し、p及びqはそれぞれ0〜3の整数である。
これらの芳香族基Aのうち、特に、式(6−1)ないし(6−6)、(6−10)ないし(6−12)の基、さらに特に(6−1)、(6−4)、(6−6)及び(6−12)の基が好適である。
また、式(1)中、Aは2価の有機基を表わす。
上記の2価の有機基には、炭素環式の又は環中に窒素、酸素及び硫黄より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1個、好ましくは1〜3個含有する複素環式の、飽和もしく不飽和で単環状もしくは多環状の場合により縮合環を形成していてもよい2価の基が包含される。そのような有機基としては具体的には、例えば、下記の構造をもつものを挙げることができる。
Figure 0004499471
Figure 0004499471
式中、XおよびYはそれぞれ独立に-CH2-、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-SO2NH-、-CO-、-CO2-、-NHCO-、-NHCONH-、-C(CF3)2-、-CF2-、-C(CH3)2-、-CH(CH3)-、-C(CF3)(CH3)-、-Si(R21)2-、-O-Si(R21)2-O-、-Si(R21)2-O-Si(R22)2-、-(CH2)a-Si(R21)2-O-Si(R22)2-(CH2)a-(ここでaは0〜6の整数である)及び直接結合よりなる群から選ばれ、R1〜R16、R21及びR22はそれぞれ独立にH、F、炭素数1〜6のアルキルもしくはアルコキシル基又は-(CF2)b-CF3もしくは-O-(CF2)b-CF3(ここでbは0〜5の整数である)を表し、Zは-CH2-、-C2H4-又は-CH2=CH2-を表し、p及びqはそれぞれ0〜3の整数である。
これらの有機基Aのうち、特に、式(7−1)ないし(7−8)、(7−12)ないし(7−22)、(7−25)、(7−27)ないし(7−29)及び(7−31)の基、さらに特に式(7−1)、(7−5)、(7−7)、(7−14)及び(7−31)の基が好適である。
本発明のポリベンゾオキサゾール前駆体(A)は、前記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するものであるが、分子の末端は熱で重合しうる官能基を有していることが好ましく、特に下記一般式(2)、(3)及び(5)で示される化合物が好適である。
Figure 0004499471

上記式中、Xは熱で重合しうる官能基及びAに直結する窒素原子を有する窒素含有有機基を表し、Yは熱で重合しうる官能基を有する1価の有機基を表す。該熱で重合しうる官能基としては、特に炭素−炭素二重結合及び/又は炭素−炭素三重結合であることが好ましい。
上記一般式におけるXとしては、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 0004499471
上記式中R〜Rはそれぞれ独立に水素、アルキル基、アルコキシル基又は芳香環を表し、Zは2価の有機基を表す。
また、Yとしては、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 0004499471
上記式中R〜Rはそれぞれ独立に水素、アルキル基、アルコキシル基又は芳香環を表し、Zは2価の有機基を表す。
ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)の合成方法は、既知の方法を用いることが出来る。例えばジカルボン酸ジクロリドをN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶剤に溶解したものを、同様な溶剤に溶解したビス(o−アミノフェノール)化合物とピリジンなどの適当な縮合剤の溶液に滴下して反応させることにより得ることが出来る(例えば特開昭56−27140号公報、特開昭62−207332号公報等参照。)。また、ジカルボン酸と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール及び縮合剤との反応から得られたジカルボン酸誘導体並びにビス(o−アミノフェノール)化合物を反応させることによっても得ることが出来る(例えば、特開2000−143639号公報等参照。)。さらには、ジカルボン酸ジエステルとビス(o−アミノフェノール)化合物とのエステルアミド交換反応によっても得ることが出来る(例えば特開2004−118021号公報等参照。)。
末端に熱重合性基を有する有機基、例えば前記化学式(8−1)〜(8−10)および(9−1)〜(9−7)を導入したポリベンゾオキサゾール前駆体(A)は、上記のようにして得られた末端に熱重合性基を有しないポリベンゾオキサゾール前駆体の末端有機基に、不飽和基を有するジカルボン酸無水物、不飽和基を有するアルデヒド化合物、または不飽和基を有するアミン化合物を反応させることにより得ることが出来る。また、カルボン酸無水物またはアルデヒド化合物をビス(o−アミノフェノール)化合物とあらかじめ反応させた後、ジカルボン酸ジクロリドまたはジカルボン酸ジエステルと反応させても、それらをすべて同時に混合して反応させても良く、末端をアミノ基過多としたポリベンゾオキサゾール前駆体を得た後に付加させても良い。同様に不飽和基を有するアミン化合物を末端に導入して得る場合、縮合剤を用いて、あらかじめ該アミン化合物をジカルボン酸ジクロリドと反応させた後ビス(o−アミノフェノール)化合物と反応させて得ることが出来、また、すべてを同時に反応させることも可能である。さらには樹脂末端を酸クロリド基過多としたポリベンゾオキサゾール前駆体を得た後に付加させても良い。以上のようにして得られたポリベンゾオキサゾール前駆体は、水、メタノール、エタノール、アセトンまたはそれらの混合溶液などの貧溶媒中に投入して沈澱させ、濾別・乾燥して固体として得ることができる。
一分子中に少なくとも2個のビニルエーテル基を有する化合物(B)
本発明の感光性樹脂組成物の(B)成分である一分子中に少なくとも2個のビニルエーテル基を有する化合物は、下記式(4)で表されるビニルエーテル基を少なくとも2個、好ましくは2〜4個有するものである。
Figure 0004499471
上記式中、Eはエチレン、プロピレン、ブチレンなどの炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を表し、E及びEはそれぞれ独立に水素または炭素1〜3のアルキル基を表す。
ビニルエーテル基を有する化合物(B)の好ましいものとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノール樹脂などのポリフェノール化合物やエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどのポリオール類と、クロロエチルビニルエーテルなどのハロゲン化アルキルビニルエーテルとの縮合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシエチルビニルエーテルのようなヒドロキシアルキルビニルエーテルとの反応物等が挙げられる。特に、上記ポリフェノール化合物とハロゲン化アルキルビニルエーテルとの縮合物及び芳香環をもつポリイソシアネート化合物とヒドロキシアルキルビニルエーテルとの反応物が、エッチング耐性、形成されるパターンの精度などの観点から好適である。
これらビニルエーテル基を有する化合物(B)はポリベンゾオキサゾール前駆体(A)のフェノール性水酸基と50〜150℃の加熱により付加反応し、架橋塗膜を形成することができる。また反応により形成された結合は酸により容易に解離し、再び水酸基を生成する。
ビニルエーテル基を有する化合物(B)の含有量は、ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)100重量部に対して1〜50重量部、特に2〜40重量部の範囲内であることが、感光性樹脂組成物の貯蔵安定性、感光性被膜のパターン形成における露光感度および、ポリベンゾオキサゾール被膜の機械物性、耐熱性などの点で好ましい。
光酸発生化合物(C)
本発明の感光性樹脂組成物の(C)成分である光酸発生化合物は、活性光線により酸を発生する化合物であり、この発生した酸を触媒として、上記ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)の水酸基とビニルエーテル基を有する化合物(B)との反応により生成した結合を分解、水酸基を再生させるものであり、感放射線性の酸発生剤化合物として従来から公知のものを使用することができる。
上記光酸発生化合物(C)としては、例えば、ジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウム及びヨードニウム塩:ハロゲン化合物:有機金属/有機ハロゲンの組み合わせ:強酸、例えばトルエンスルホン酸のベンゾイン及びo−ニトロベンジルエステル:並びに米国特許番号4371605に記載されるN−ヒドロキシアミド及びN−ヒドロキシイミドスルホネート類が含まれる。アリールナフトキノンジアジド−4−スルホネート類も含まれる。好適な光酸発生剤化合物は、ジアリールヨードニウムまたはトリアリールスルホニウム塩である。
これらは一般に、複合金属ハロゲン化物イオンの塩、例えばテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネート、へキサフルオロホスフェートなどの形態で存在している。
感光性を示す酸発生剤の他の有効な群には、正対イオンとして芳香族オニウム酸発生剤を有するアニオン基が付加しているオリゴマー類及びポリマー類が含まれる。上記ポリマー類の例には、米国特許番号4,661,429のコラム9、1−68行及びコラム10、1−14行に記述されているポリマー類が含まれる。
化学放射線の利用可能波長に対するスペクトル感度を調整する目的で、このシステムに増感剤を添加するのが望ましい。この必要性はこの系の要求及び使用する特定感光性化合物に依存している。例えば、300nm未満の波長にのみ応答するヨードニウムおよびスルホニウム塩の場合、ベンゾフェノンおよびそれらの誘導体、多環状芳香族炭化水素類、例えはペリレン、ピレンおよびアントラセン、並びにそれらの誘導体などを用いることで、より長い波長に感光させることができる。ジアリールヨードニウム及びトリアリールスルホニウム塩の分解もまた、ビス−(p−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−アセトンで感光性が与えられ得る。3〜4個の原子から成る鎖長を有するアントラセンに結合したスルホニウム塩は、有効な光可溶化剤である。MG.Tilleyの博士論文、North Dakota State University,Fargo,ND(1988) [Diss.Abstr.lnt.B,49,8791(1989):Chem.Abstr.,111,39942u]に記述されている化合物は、好適な種類の光可溶化剤である。他の好適な酸発生剤は、ATASS、即ちへキサフルオロアンチモン酸3−(9−アントラセニル)プロビルジフェニルスルホニウムである。この化合物では、アントラセンとスルホニウム塩とが、3個の炭素から成る鎖で結合している。
これら増感剤の配合量は、ベンゾオキサゾール前駆体(A)100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部の範囲内が適当である。
ここで用いられてもよい酸発生剤の追加的例は、ジフェニルヨードニウムトシレート、ベンゾイントシレート、及びへキサフルオロアンチモン酸トリアリールスルホニウムである。また、上記した以外にも、例えば鉄−アレン錯体類、ルテニウムアレン錯体類、シラノール−金属キレート錯体類、トリアジン化合物類、ジアジドナフトキノン化合物類、スルホン酸エステル類、スルホン酸イミドエステル類、ハロゲン系化合物類等を使用することができる。更に特開平7−146552号及び特願平9−289218号公報に記載の酸発生剤も使用することができる。
また、感熱性酸発生剤として用いられる化合物としては、例えば、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、セレニウム塩及びヨードニウム塩等のオニウム塩:ジアゾニウム:ハロゲン系化合物:有機金属/有機ハロゲンの組み合わせ:強酸、例えばトルエンスルホン酸のベンゾイン及びo−ニトロベンジルエステル:並びに米国特許番号4371605に記載されるN−ヒドロキシアミド及びN−ヒドロキシイミドスルホネート類が含まれる。アリールナフトキノンジアジド−4−スルホネート類も含まれる。感熱性酸発生剤の他の有効な群には、正対イオンとして芳香族オニウム酸発生剤を有するアニオン基が付加しているオリゴマー類およびポリマー類が含まれる。上記ポリマー類の例には、米国特許番号4,661,429のコラム9、1−68行およびコラム10、1−14行に記述されているポリマー等が含まれる。また、他の好適な感熱性酸発生剤は、ATASS、即ちへキサフルオロアンチモン酸3−(9−アントラセニル)プロビルジフェニルスルホニウムである。この化合物では、アントラセンとスルホニウム塩とが、3個の炭素から成る鎖で結合している。ここで用いられてもよい酸発生剤の追加的例は、ジフェニルヨードニウムトシレート、ベンゾイントシレート、およびへキサフルオロアンチモン酸トリアリールスルホニウムである。また、上記した熱酸発生剤として以外にも、例えば、鉄−アレン錯体類、ルテニウムアレン錯体類、シラノール−金属キレート錯体類、トリアジン化合物類、ジアジドナフトキノン化合物類、スルホン酸エステル類、スルホン酸イミドエステル類等を使用することができる。更に特開平7−146552号公報、特願平9−289218号公報、特開平10−204407号公報、特開平1−96169号公報、特開平2−1470号公報、特開平2−255646号公報、特開平2−268173号公報、特開平3−11044号公報、特開平3−115262号公報、特開平4−1177号公報、特開平4−327574号公報、特開平4−308563号公報、特開平4−328106号公報、特開平5−132461号公報、特開平5−132462号公報、特開平5−140132号公報、特開平5−140209号公報、特開平5−140210号公報、特開平5−170737号公報、特開平5−230190号公報、特開平5−230189号公報、特開平6−271532号公報、特開平6−271544号公報、特開平6−321897号公報、特開平6−321195号公報、特開平6−345726号公報、特開平6−345733号公報、特開平6−814754号公報、特開平7−25852号公報、特開平7−25863号公報、特開平7−89909号公報、特開平7−501581号公報、国際公開を97/08141等に記載されているものが使用できる。
また、感熱性酸発生剤と光熱変換色素を組み合わせて使用することも出来る。該光熱変換色素としては、光を吸収し熱を発生する物質であり、従来から公知の顔料もしくは染料を用いることができる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
顔料の粒径は0.001〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.01〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.05〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.001μm未満のときはポジ型感光性組成物中での安定性、現像性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると画像形成被膜層の均一性の点で好ましくない。
染料としては、従来から公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料などの染料が挙げられる。
本発明において、これらの顔料又は染料のうち赤外光又は近赤外光を吸収するものが、赤外光又は近赤外光を発光するレーザでの利用に適する点で特に好ましい。そのような赤外光又は近赤外光を吸収する顔料としてはカーボンブラックが好適に用いられる。
この様なカーボンブラックとしては、特開2002−241643号公報に記載されている水性インキ用カーボンブラックを使用することが好ましい。該水性インキ用カーボンブラックについては該公報に詳細に記載されているので、本明細書においては簡単な説明でもって詳細な説明に代える。
水性インキ用カーボンブラックは、CTAB比表面積が140m/g以上、比着色力(Tint)が120%以上であって、DBP吸収量が100cm/100g以上のカーボンブラックAとDBP吸収量が100cm/100g未満のカーボンブラックBとを、A:Bが70:30〜10:90の重量比で混合したカーボンブラックを酸化処理して、X線光電子分光法により測定した全炭素原子と全酸素原子との原子比(酸素結合エネルギーの強度/炭素結合エネルギーの強度)を0.1以上に、水素含有表面官能基量が3.0μeq/m以上に、化学修飾されたことを特徴とする水性インキ用カーボンブラックである。
また、該水性インキ用カーボンブラックにおいて、水中に分散した状態におけるカーボンブラックのアグロメレートの平均粒径Dupa50%は50〜110nm、アグロメレートの最大粒径Dupa99%が250nm以下の粒子凝集性状を示す。
更に、該水性インキ用カーボンブラックが、CTAB比表面積は140m/g以上、比着色力(Tint)が120%以上で、DBP吸収量が100cm/100g以上のカーボンブラックAとDBP吸収量が100cm/100g未満のカーボンブラックBとを、A:Bが70:30〜10:90の重量比で混合したカーボンブラックを水中に分散した状態で酸化処理し、X線光電子分光法により測定した全炭素原子と全酸素原子との原子比(酸素結合エネルギーの強度/炭素結合エネルギーの強度)を0.1以上に、水素含有表面官能基量を3.0μeq/m以上に化学修飾し、濾別後、アルカリ水溶液に分散し、次いで分散液中に残存する塩を分離精製してなるものも使用できる。
また、赤外光又は近赤外光を吸収する染料としては、例えば、特開昭58−125246号公報、特開昭59−84356号公報、特開昭59−202829号公報、特開昭60−78787号公報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号公報、特開昭58−181690号公報、特開昭58−194595号公報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号公報、特開昭58−224793号公報、特開昭59−48187号公報、特開昭59−73996号公報、特開昭60−52940号公報、特開昭60−63744号公報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
これらの顔料もしくは染料は、本発明組成物全固形分に対し0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10重量%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10重量%の割合で感光性樹脂組成物中に添加することができる。顔料もしくは染料の添加量が0.01重量%未満であると感度が低くなり、また50重量%を越えると画像形成被膜層の均一性が失われ、画像形成被膜層の耐久性が悪くなる。
本発明により提供される感光性樹脂組成物には、ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)、ビニルエーテル基含有化合物(B)及び光酸発生化合物(C)に加えて、さらに必要に応じて、界面活性剤、流動性調節剤、キレート化剤などの添加剤を含有せしめることができる。
該感光性樹脂組成物は、以上に述べた各成分をそのまま又は必要に応じて溶剤中で混合することにより調製することができる。その際に使用しうる溶剤は組成物の各成分を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソフォロン等のケトン類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜10の脂肪族アルコール類;フェノール、クレゾール等の芳香族基含有フェノール類;ベンジルアルコール等の芳香族基含有アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、又はそれらのグリコール類のメタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、クレゾール等のモノエーテルもしくはジエーテル又は当該モノエーテルのエステル類等のグリコールエーテル類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類;脂肪族及び芳香族炭化水素類等、さらにジメチルスルホキシド等を挙げることができる。これらの溶剤は必要に応じて単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
パターンの形成
本発明の感光性樹脂組成物は、ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)、一分子中に少なくとも2個のビニルエーテル基を有する化合物(B)および光酸発生化合物(C)を含有してなるものであり、該感光性樹脂組成物を塗装することにより形成された感光性被膜は、加熱処理することでそのポリベンゾオキサゾール前駆体(A)中のフェノール性水酸基とビニルエーテル基を有する化合物(B)中のビニルエーテル基とが付加反応することによりアルカリ現像液に不溶の架橋被膜が形成される。該架橋被膜を活性光線にて露光した場合、該架橋被膜に含有される光酸発生剤(C)から酸が発生し、それによって架橋被膜の架橋結合部が分解してフェノール性水酸基が再生成し、露光部の被膜だけがアルカリ可溶性となるものであり、本発明では、この原理を用いて活性光線によりポジ型のパターンを形成するものである。露光後に、分解反応を促進させるため加熱処理を行うことが好ましい。
パターンの形成は、具体的には、例えば、以下に示すようにして行うことができる。
先ず、基板、例えば、半導体材料のシリコンウエハー、セラミクス類、ガリウム砒素類、PS版用アルミニウム板、銅箔をラミネートしたプリント回路用基板、ガラス板、樹脂等の基板上に、本発明の感光性樹脂組成物を、例えばスピンコーティング、スプレイコーティング、ロールコーティング、カーテンフローコーティング、印刷法等のそれ自体既知のコーティング法で塗布し、乾燥する。そのときの塗布膜厚は厳密に制限されるものではなく、形成パターンの使用目的等に応じて変えることができるが、通常、乾燥膜厚で約0.1〜約50μm、特に約1〜約30μmの範囲内が適当である。次に該塗布膜を50〜160℃、好ましくは80〜140℃の温度で加熱処理することにより架橋被膜を得ることができる。
つぎに、得られた架橋被膜(レジスト膜)にパターンマスク(例えば写真ポジ)を介して紫外線などの活性光線を照射露光する。露光に使用する活性光線としては、一般に、2,000〜10,000オングストロームの波長を有する光線が適している。そのような光線を発する光源としては、例えば、太陽光、水銀灯、キセノンランプ、アーク灯、レーザー光などが挙げられる。活性光線の照射量は、通常、1〜800mJ/cm、好ましくは20〜500mJ/cmの範囲内とすることができる。露光後の塗膜を、好ましくは50〜140℃の温度で加熱してもよい。
活性光線の照射露光後、塗膜は現像される。現像処理は、通常、アルカリ水溶液により塗膜の露光部分を洗い流すことによって行われる。この現像処理に用いうるアルカリ水溶液としては、カセイソーダ、カセイカリ、メタケイ酸ソーダ、炭酸ソーダ等のアルカリ水溶液;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のテトラアルキルアンモニウム塩水溶液;トリエチルアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンなどのアミン化合物水溶液が例示される。
さらに、基板がエッチング可能な場合には、露出している基板部分を適当なエッチング剤で除去することにより、パターン被膜を得ることができる。
得られるポリベンゾオキサゾール前駆体のパターン被膜は、通常、200〜500℃、好ましくは250〜400℃の温度で約10〜約300分間で焼付けることによりポリベンゾオキサゾール樹脂のパターン被膜とすることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
ポリベンゾオキサゾール前駆体の製造
製造例1
窒素気流下、回転子を入れ、三方コックをつけたナス型フラスコに塩化リチウム0.093g(2.2mmol)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン0.366g(1.0mmol)及び乾燥N−メチル−2−ピロリドン1.5mlを添加し、攪拌して溶解した後、1,3−アダマンチルジカルボン酸クロリド0.26g(1.0mmol)を固体のまま加えて、氷冷下、12時間攪拌させた。得られた反応溶液を蒸留水に注ぎ沈澱させた。沈殿したポリマーを濾別し、減圧乾燥することでポリベンゾオキサゾール前駆体(A−1)を得た。得られた前駆体について赤外線分光分析(IR分析)及び核磁気共鳴分析(NMR分析)を行って構造を解析した。その結果、IR分析チャートにおいて、6432cm-1(OH);2915cm-1、2857cm-1(CH2、CH);1654cm-1(C=O)及び1253cm-1(CF3)に吸収ピークが認められ、また、1H−NMR分析(DMSO−d6)チャートにおいて、10.28(s、2H、OH)、8.53(s、2H、NHCO)、8.08(s、2H、Ar)、6.95-6.84(dd、J=8.4、4H、Ar)、2.19-1.67(m、14H、CH2 or CH)にスペクトルのピークが認められ、目的のポリヒドロキシアミドであることを確認した。また、前駆体(A−1)の数平均分子量は約10,000であった。
なお、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値である(溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド、ポリスチレン換算)。
製造例2
窒素気流下、回転子を入れ、三方コックをつけたナス型フラスコに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン0.732g(2mmol)を入れ、これにピリジン0.316g(4mmol)をN−メチル−2−ピロリドン1mlに溶解させた溶液を加え、氷冷下で30分間攪拌した。次に、氷冷下でイソフタル酸ジクロライド0.406g(2mmol)をN−メチル−2−ピロリドン1mlに溶解させた溶液をゆっくり滴下し、その後室温にして10時間攪拌した。反応溶液を多量のメタノール中に注ぎポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを濾別し、メタノールで洗浄後、減圧乾燥を行い、ポリベンゾオキサゾール前駆体(A−2)を得た。前駆体(A−2)の数平均分子量は約10,000であった。
製造例
窒素気流下、回転子を入れ、三方コックをつけたナス型フラスコに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン1.47g(4mmol)、ジフェニルイソフタル酸1.27g(4mmol)及びN−メチル−2−ピロリドン5.3mlを添加し、攪拌して溶解させた後、180℃まで昇温し、同温度で攪拌しながら7時間反応させた。次に、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物0.135gを加え、170℃で2時間撹拌して反応させた。反応溶液をメタノール:水混合溶液(体積比=1:9)中に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを濾別し、少量のテトラヒドロキシフランで溶解し、メタノール:水混合溶液中に注ぎ、ポリマーを再度沈殿させた。沈殿したポリマーを濾別し、減圧乾燥を行いポリベンゾオキサゾール前駆体(A−)を得た。前駆体(A−)の数平均分子量は約8,000であった。
製造例
窒素気流下、回転子を入れ、三方コックをつけたナス型フラスコに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン1.46g(4.0mmol)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物0.131g(0.80mmol)及びN−メチル−2−ピロリドン3mlを添加し、攪拌して溶解させた後、120℃まで昇温し、同温度で攪拌しながら2時間反応させた。次に窒素封入後、氷冷下でこの反応混合物にイソフタル酸クロリド0.727g(3.6mmol)及びピリジン0.316g(4mmol)をN−メチル−2−ピロリドン1.5mlに溶解した溶液をゆっくり滴下して加え、さらに室温で12時間攪拌して反応させた。得られた反応溶液をメタノール:水混合溶液(体積比=1:9)中に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを濾別し、少量のテトラヒドロキシフランで溶解しメタノール:水混合溶液中に注ぎポリマーを再度沈殿させた。沈殿したポリマーを濾別し、減圧乾燥を行いポリベンゾオキサゾール前駆体(A−)を得た。前駆体(A−)の数平均分子量は約4,000であった。
製造例
窒素気流下、回転子を入れ、三方コックをつけたナス型フラスコに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン1.464g(4.00mmol)を入れ、そこにピリジン0.316g(4mmol)をN−メチル−2−ピロリドン2mlに溶解した溶液を加え、氷冷下で30分間攪拌した。氷冷下でこの反応混合物にイソフタル酸ジクロライド0.727g(3.60mmol)をN−メチル−2−ピロリドン1mlに溶解させた溶液とピリジン0.316g(4mmol)をゆっくり滴下して加え、その後室温にて10時間攪拌した。得られた反応溶液を蒸留水に注ぎ沈澱させた。沈殿したポリマーを濾別し、減圧乾燥することでポリベンゾオキサゾール前駆体(A−)を得た。前駆体(A−)の数平均分子量は約4,000であった。
製造例
回転子を入れた三角フラスコに、製造例2のポリベンゾオキサゾール前駆体(A−2)0.994g(2mmol)及びN,N−ジメチルアミノピリジン0.049g(0.4mmol)をN−メチル−2−ピロリドン1.5mlに溶解した溶液とdi−tert−ブチルジカーボネート1.09g(5mmol)を加え室温にて1時間攪拌した。得られた反応溶液をメタノール:水混合溶液(体積比=1:1)100mlに注ぎ沈澱させた後、沈殿物をフィルター濾過して取り出しポリベンゾオキサゾール前駆体(A−)を得た。
感光性樹脂組成物
実施例
製造例で得られた両末端を不飽和基含有化合物で封止したポリベンゾオキサゾール前躯体(A−0.25g、下記式(10)で示す化合物0.047g及び光酸発生剤ジフェニルヨードニウム−8−アニリノナフタレン−1−スルホネート0.016gをN−メチル−2−ピロリドン1mlに溶解した。その後、0.5μmのPTFEフィルター(4フッ化エチレン繊維を主としたフィルター)を通して不溶物を除去し、感光性樹脂組成物を得た。
Figure 0004499471
得られた感光性樹脂組成物をシリコンウエハー上に滴下し、スピンコーター(スロープ5秒間及び2,000回転×30秒間)を用いて膜厚を調整した。その後、120℃で5分間予備乾燥を行い厚さ2.0μmの感光性被膜を得た。次に、該感光性被膜をパターンマスクで覆い、UV照射装置によりg線を100mJ/cm 照射し、さらに120℃で5分間の焼付けを行った後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像を行った。走査型電子顕微鏡「HITACHI S−800」(日立製作所社製、以下SEMと称す。)にて観察し、膜厚1.8μmで線幅6μmの良好なパターンが得られたことを確認した。さらに得られたパターンを350℃で1時間加熱し、加熱後のパターンを再度SEMにて観察したところ、パターン崩れのない形状が確認された。
実施例
実施例においてポリベンゾオキサゾール前駆体(A−)に代えて、両末端を不飽和基含有化合物で封止したポリベンゾオキサゾール前駆体(A−)を用いる以外は実施例と同様にして感光性樹脂組成物を得た。得られた感光性樹脂組成物を用いて実施例と同様にしてパターンの形成を行った。その結果、膜厚1.8μmで線幅6μmの良好なパターンが得られた。さらに得られたパターンを350℃で1時間加熱し、SEMにて観察したところ、パターン崩れのない形状が確認された。
比較例1
製造例1で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(A−1)0.25g及び光酸発生剤ジフェニルヨードニウム−8−アニリノナフタレン−1−スルホネート0.016gをN−メチル−2−ピロリドン1mlに溶解した。その後、0.5μmのPTFEフィルター(四フッ化エチレン繊維を主として使用したフィルター)を通して不溶物を除去し、感光性樹脂組成物を得た。
得られた感光性樹脂組成物をシリコンウエハー上に滴下し、スピンコーター(スロープ5秒間及び2,000回転×30秒間)を用いて膜厚を調整した。その後、120℃で5分間予備乾燥を行い厚さ2.0μmの感光性被膜を得た。次に、該感光性被膜をパターンマスクで覆い、UV照射装置によりg線を100mJ/cm照射し、さらに120℃で5分間の焼付けを行った後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像を行った。その結果、被膜は現像液に溶解し、パターンを得ることはできなかった。
比較例2
実施例において、ポリベンゾオキサゾール前駆体(A-)に代えて、製造例で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(A-)を用いた以外は実施例と同様にして感光性樹脂組成物を得た。得られた感光性樹脂組成物を用いて実施例と同様にしてパターンの形成を行った。その結果、膜厚1.8μmで線幅6μmのパターンが得られた。さらに得られたパターンを350℃で1時間加熱し、SEMにて観察したところ、パターンが崩れていることが確認された。
比較例3
製造例で得られたt−ブトキシカルボニル基で保護されたポリベンゾオキサゾール前駆体(A−)0.25g、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−1,8−ナフタレンジカルボキシイミド)0.0278g及びN−メチル−2−ピロリドン1mlを、光を遮断したサンプル瓶に入れ30分間攪拌した。その後、0.5μmのPTFEフィルターを通して不溶物を除去し、感光性樹脂組成物を得た。これを予備乾燥後の乾燥膜厚が18μmになるようアプリケーターを用いてガラス基板上に塗布し、90℃で5分間加熱し、次に120℃で5分間予備乾燥を行い感光性被膜を得た。次に、該感光性被膜をパターンマスクで覆い、UV照射装置によりg線を500mJ/cm2照射し、さらに120℃で5分間焼付けを行なった後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像を行った。その結果、線幅20μmの良好なパターンが得られた。さらに得られたパターンを350℃で1時間加熱し、SEMにて観察したところ、気泡の発生による欠陥に基づくパターン崩れが確認された。

Claims (7)

  1. (A)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体、
    Figure 0004499471
    し、nは2〜300の数である)
    (B)一分子中に少なくとも2個のビニルエーテル基を有する化合物、及び
    (C)光酸発生化合物
    を含有し、ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)が、下記一般式(2)及び/又は(3)
    Figure 0004499471
    (式中、Xは熱で重合しうる官能基及びA に直結する窒素原子を有する窒素含有有機基を表す。)
    Figure 0004499471
    (式中、Yは、熱で重合しうる官能基を有する1価の有機基を表す。)
    で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. ビニルエーテル基を有する化合物(B)が、下記式(4)で表されるビニルエーテル基を2〜4個含有する化合物である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0004499471
    (式中、Eは炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を表わし、E、Eは同一又は異なって水素又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
  3. ビニルエーテル基を有する化合物(B)の含有量が、ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)100重量部に対して1〜50重量部の範囲内である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 光酸発生化合物(C)の含有量が、ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)及びビニルエーテル基を有する化合物(B)の合計量100重量部に対して0.1〜40重量部の範囲内である請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程、該基板を加熱する工程、活性エネルギー線を選択的に照射する工程、照射後に基板を加熱する工程、及び塩基性現像液で現像する工程を順次行うことを特徴とするパターンの形成方法。
  6. 請求項に記載のパターンの形成方法を用いて得られたパターンを200〜500℃で加熱することにより得られることを特徴とするパターン形成基板。
  7. 請求項で得られたパターンを200℃〜500℃で加熱する事により得られる樹脂被膜。
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