JP4499167B2 - 温調シート - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用シートのシートクッション又はシートバックの裏面側から表面側に温度調節された空気(以下、温調空気と略す)を送風する温調シートに関する。
従来のこの種の温調シートには、シートクッション、シートバックを構成する発泡体製シートパッドの表面に凹溝を設け、この凹溝内に、シートパッドに設けた送風孔を介しシートバックの裏面側に設けた送風装置より温調空気を送風し、この温調空気をシートパッドを被覆する通気性のトリムカバーよりシートクッション、シートバックの表面に供給しているものがある(例えば、特開２００１−３２７３６２号公報)。
特開２００１−３２７３６２号公報
以上の従来品は着座者が着座した際、前記凹溝が着座者の圧力で圧潰され通風性を損なわれないように凹溝内に、通気性を維持できる編物を充填し、更に、トリムカバーとシートパッドとの間に立体メッシュ編物からなるパッドを介在させている。
従って、この従来品は凹溝内の通風性を保持する構成が複雑化し、コストが上昇するし、また、編物の凹溝内にの介在により、通風性及び温調空気の伝達効率が劣る不具合があった。
また、例えば、助手席乗員姿勢検知システムなどに用いられるフィルム状の着座センサーを前記シートパッドの表面に配すると、着座センサーが前記凹溝を跨いで配置されるため、着座時の荷重による前記凹溝の開口縁への着座センサーの押し付けにより、着座センサーの断裂等も否定できない。
更に、トリムカバーが布製の場合は、前記凹溝へのトリムカバーの落ち込みに起因する窪みがシートの表面に形成され易いため、シートの外観品質の低下を伴う虞もある。
そこで、本発明は斯かる従来品の不具合を除去することを目的とする。
以上の目的を達成するための本発明に係る温調シートは、複数の凹溝をその表面に開口して有するシートパッドと、温調された空気を前記シートパッドの裏面側から表面側に送風する送風装置と、該送風装置から送風された空気を前記複数の凹溝に分岐させる分岐部とを設けた温調シートであって、
前記分岐部のシートパッド表面側を覆う非通気性の第１プレートと、シートパッド表面側で前記複数の凹溝を個別に覆う非通気性の複数の第２プレートとを備え、前記第１プレートが通気孔を持つことなく形成されるとともに、前記第２プレートが、前記凹溝からの空気を放出可能とする通気孔を部分的に有して形成され、かつ前記第１プレートおよび第２プレートは、可撓性を有するプレートからなり、前記シートパッド表面に接着により固定されたことを特徴とする温調シート。
本発明によれば、シートパッドの分岐部表面を非通気性のプレートで覆い、乗員に対応する箇所であるシートパッドの凹溝表面を通気孔を有する第２プレートで覆うことで、乗員の着座によって凹溝が塞がることがないし、また、分岐部に熱がこもることがない、そして、第２プレートに通気孔を設けているので、シートの最適箇所に温調空気を送風できる。
加えて、必要な部分のみに通気孔を有し、他の部分の凹溝及び凹溝状の分岐部は、第１プレート、第２プレートで覆われているので、温調空気は凹溝の末端まで効率的に送風される。
更に、例えば、助手席乗員姿勢検知システムなどに用いられるフィルム状の着座センサーを前記シートパッドの表面に配すると、第１プレート、第２プレートにより、着座時の荷重による前記凹溝の開口縁への着座センサーの押し付けによる着座センサーの断裂等も防止できる。更に、トリムカバーが布製の場合は、前記凹溝へのトリムカバーの落ち込みに起因する前記シートの外観品質の低下も防止できる。
以下、本発明の実施形態に係る温調シートを図面に基づいて説明する。
図１は本発明の一実施形態に係る温調シートに係るシートバックの正面図、図２は図１のＩＩ―ＩＩ線断面図、図３は同ＩＩＩ―ＩＩＩ線断面図、図４は本発明に係るシートパッドと第１プレート、第２プレートの正面図、図５は図４に示すシートパッドに第１プレート、第２プレートを接着した状態の正面図、図６は着座センサーをシートパッドの表面に第１プレート、第２プレートで保護した状態の正面図である。
本発明に係る温調シートはトリムカバー２に被覆される発泡体製のシートパッド１の表面に設けた複数の凹溝１０、１０に、通気孔Ｂ１、Ｂ１…を有する第２プレートＢ、Ｂを被せ、前記複数の凹溝１０、１０に送風装置３から送風された温調空気を分岐させる凹溝状の分岐部１０Ａを第１プレートＡで覆うように構成されている。
前記トリムカバー２は通気性を有する温調シートに使用されている布製などを使用し、シートパッド１には図２に示すように、その裏面側に設けた送風装置３に送風された温調空気がシートパッド１の表面側に送風されるように、送風孔１１が開孔されている。そして、この送風孔１１に連通する前記分岐部１０Ａと凹溝１０、１０が、図４に示すように、シートパッド１の表面側に設けてある。
前記第１プレートＡ、第２プレートＢはいずれも乗員が着座した際に、その圧力に
よりシートパッド１の表面の変形に追従可能な可撓性を有する合成樹脂製プレートで、
例えばポリエチレンテレフテレート(０．２５ｔ)などの合成樹脂材からなる非通気性のプ
レートを使用する。
そして、図１、２、３、４、５に示すように、第１プレートＡが通気孔を持つことな
く分岐部の開口形状より大形に形成されている。
第２プレートＢには、図５に示すように、凹溝１０の幅以上の大きさの複数の通気孔
Ｂ１…Ｂ１が開孔され、この通気孔Ｂ１…Ｂ１が凹溝１０内に送風された温調空気がト
リムカバー２を通してシートの表面側である着座者側に放出される。
図５に示すように、以上の第１プレートＡはシートパッド１の分岐部１０Ａ、また、第２プレートＢ、Ｂはシートパッド１の凹溝１０、１０の各々の表面を覆うように、両面接着テープなどの接着剤でシートパッド１の表面に固定されている。
図中、５は送風装置３の支持部材、４１は温調空気のセンサーを示す。
なお、図示するものは第１プレートＡに対して第２プレートＢ、Ｂを独立して設けているが、これを一体に成形しても良い。
図示するシートパッド１はその表面に吊込用溝１２…を設けて、トリムカバー２の裏面に設けた吊込部２０を喰い込ませているが、この吊込部２０によって前記凹溝１０、１０の一部が塞がれないように、例えば凹溝１０、１０と吊込用溝１２との交差個所に対応する部分の吊込部２０に切欠部が形成されている。
図６に示すように、シートパッド１の表面に、フィルムで被覆されている着座センサー４を配設したものにおいては、その着座センサー４の両端部４０等を前記第１プレートＡ、第２プレートＢ、Ｂのいずれか一方(不図示)または双方の上に載置する。着座センサー４はシート幅方向に延びる複数のプレート状センサーを上下に併設している。最上段のセンサーは第１プレートＡの表面に覆いかぶさり、最上段以外のセンサーはその両端部４０を第２プレートＢ、Ｂの双方の上に載置される。このとき、シートパッド１に設けた分岐部１０Ａや凹溝１０、１０の表面側に着座センサー４を配置する場合には凹溝１０、１０と着座センサー４の間に第１プレートＡまたは第２プレートＢ、Ｂを介在させる。これにより、着座センサー４のフィルム切れ、断裂などの損傷を防止できる。
以上のように温調シートは構成されているため、送風装置３から送風孔１１に送風された温調空気は凹溝１０、１０の分岐部１０Ａから、各凹溝１０、１０内に供給され、第２プレートＢ、Ｂの通気孔Ｂ１、Ｂ１…からトリムカバー２を介してシートバックの表面側に放出される。
その際、分岐部１０Ａは第１プレートＡ、また、各凹溝１０、１０は第２プレートＢで覆われている。従って、乗員の着座によって分岐部１０Ａ、各凹溝１０、１０は圧潰されて塞がれることがない。そして、分岐部１０Ａに温調空気の熱がこもることなく、温調空気が各凹溝１０、１０の末端まで効率よく送風される。
そして、シートパッド１の表面に有する分岐部１０Ａ、各凹溝１０、１０が圧潰されないため、分岐部１０Ａ、凹溝１０、１０の変形に起因するトリムカバー２の皺の発生を防止できるし、トリムカバー２の分岐部１０Ａ、凹溝１０、１０内への落ち込みを防止できシートの外観品質を向上できる。
図示するものは温調シートがシートバックの場合を示すが、シートクッションにも適用できる。
本発明の温調シートの正面図である。 図１のＩＩ―ＩＩ線断面図である。 図１のＩＩＩ―ＩＩＩ線断面図である。 要部の分解正面図である。 要部の正面図である。 他の実施例の要部の正面図である。
符号の説明
１…シートパッド、３…送風装置、４…着座センサー、１０…凹溝、１０…凹溝、
１０Ａ…分岐部、Ａ…第１プレート、Ｂ…第２プレート、Ｂ…第２プレート












。


Claims (1)

  1. 複数の凹溝をその表面に開口して有するシートパッドと、温調された空気を前記シートパッドの裏面側から表面側に送風する送風装置と、該送風装置から送風された空気を前記複数の凹溝に分岐させる分岐部とを設けた温調シートであって、
    前記分岐部のシートパッド表面側を覆う非通気性の第１プレートと、シートパッド表面側で前記複数の凹溝を個別に覆う非通気性の複数の第２プレートとを備え、前記第１プレートが通気孔を持つことなく形成されるとともに、前記第２プレートが、前記凹溝からの空気を放出可能とする通気孔を部分的に有して形成され、かつ前記第１プレートおよび第２プレートは、可撓性を有するプレートからなり、前記シートパッド表面に接着により固定されたことを特徴とする温調シート。
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