JP4498901B2 - 成膜装置の排気方法 - Google Patents
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Description
一方、排出ガス中の反応生成物に水分やアルコール分が含まれていると排気管内壁への付着が促進される。そこで、排気管を外側から加熱することにより、水分やアルコール分を気化させ、反応生成物を乾燥させて付着を抑制する方法もある。しかし、この場合も排気管の内壁に一旦付着が起きると、熱が管路内に伝わりにくくなり、排出ガスを加温することができず、付着低減効果が薄れてしまう。
成膜部からの排気管にバラストガスを合流させ、このバラストガスの流量により排気管の排気圧力を制御する方法において、
前記バラストガスを加温したうえで前記排気管に合流させ、前記バラストガスの流量が減少したときは加温度が大きくなるように加温調節することを特徴とする。
これによって、排出ガスを排気管の管壁を介することなく確実に加温でき、ひいては排出ガス中の反応生成物に含まれる水分やアルコール分を確実に気化でき、反応生成物を確実に乾燥させることができる。その結果、排気管の内壁への付着を確実に低減することができる。たとえ付着が起きたとしても、付着低減効果が失われることもない。
本発明では、前記バラストガスの流量が減少したときは加温度が大きくなるように加温調節する。すなわち、排気管内壁への付着により排気抵抗が増大すると、バラストガスの流量が減少方向に制御される。これにより、排気管の温度が低下していく。そこで、バラストガスの加温度を高める。これにより、排気管の温度を所定に維持することができる。
前記合流部より下流の排気管に温度センサを設け、この温度センサの検出温度に応じて前記ヒータが出力調節されることが、より望ましい。
前記加温部が、前記バラストガスの流量に応じて出力調節されるようにしてもよい。
ここで、略常圧とは、1.013×104〜50.663×104Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×104〜10.664×
104Paが好ましく、9.331×104〜10.397×104Paがより好ましい。
図1は、半導体製造において基材Wに成膜を行なうための常圧熱CVD装置(成膜装置)を示したものである。装置は、成膜部10と、この成膜部10からの排気系20とを備えている。
バラストガス導入管31には、ヒータ40が設けられている。このヒータ40の設置部から排気管21との合流部までのバラストガス導入管31の外周には、断熱材等からなる保温部材41が巻き付けられている。
成膜部10による成膜処理と併行して、処理済ガスを排気管21で排出するとともに、この排気管21の負の排気圧力(大気圧に対する差圧)を差圧センサ33にて検出する。この検出差圧が圧力コントローラ34に入力される。圧力コントローラ34は、この検出差圧に基づいてインバータ35を駆動し、送風機32の出力を操作する。具体的には、検出差圧が設定差圧より大きいとき(排気圧力の負圧度が所定より大きいとき)は、送風機32の出力を増大させる。これによって、バラストガス導入管13から排気管21へのバラストガスの混入流量が増大する。そのため、排気圧力の大気圧に対する差圧が小さくなり設定差圧に近づく。逆に、検出差圧が設定差圧より小さいとき(排気圧力の負圧度が所定より小さいとき)は、上記とは反対の操作を行なう。これによって、排気管21の排気圧力を所定の大きさに維持することができる。ひいては、成膜部10の圧力を安定させることができ、処理の均一性を確保することができる。
したがって、粉体付着の進行に伴い、バラストガスの流量が減少し、ひいては、排出ガスへのバラストガス混合量が減少していくことになる。そうすると、排出ガスへの供給熱量が減少し、温度センサ42の検出温度が低下する。これを受けた温度コントローラ43が、ヒータ40の出力を増大させる。このため、バラストガスは、流量減少に伴って加温度が増大し、より高温になっていく。これによって、排出ガスの温度低下を阻止でき、所定温度に確実に維持することができる。この結果、反応生成物を確実に乾燥させることができ、粉体付着を確実に抑えることができる。
例えば、ヒータ40を排出ガスの温度でフィードバック制御しなくてもよい。
排出ガス温度に代えて、バラストガス導入管31のバラストガス温度が一定になるように、ヒータ40をフィードバック制御することにしてもよい。
本発明は、熱CVDだけでなく、プラズマCVD等の他の成膜装置にも適用可能である。
図1に示す実施形態と同様の装置を用い、同様の圧力制御及び温度制御を行なった。プロセスガスとしてTEOS+O3を用い、バラストガスとしてCDAを用いた。処理開始時の諸条件は以下の通りである。
排出ガス差圧(設定差圧): −10Pa
成膜ヘッド11からの処理済ガス流量: 0.45m3/min
バラストガス流量: 0.45m3/min
排気ブロア22の排気流量: 0.9m3/min
バラストガス温度: 200℃
排出ガス温度(設定温度): 90℃
排出ガス差圧: −10Pa
成膜ヘッド11からの処理済ガス流量: 0.45m3/min
バラストガス流量: 0.20m3/min
排気ブロア22の排気流量: 0.65m3/min
バラストガス温度: 350℃
排出ガス温度: 90℃
排出ガス温度が90℃に保たれ、粉体付着抑制効果を長時間にわたって高く維持できることが判明した。
排出ガス差圧: −10Pa
成膜ヘッド11からの処理済ガス流量: 0.45m3/min
バラストガス流量: 0.20m3/min
排気ブロア22の排気流量: 0.65m3/min
バラストガス温度: 200℃
排出ガス温度: 60℃
排出ガス温度が時間の経過とともに下がってくるが、下記の比較例1と比べると、バラストガス流量の減少速度が緩慢であり、粉体付着がある程度抑制できることが判明した。
比較例として、ヒータ40をオフし、バラストガスを常温にした状態で実験を行なった。開始から50時間経過後の状態を以下に示す。
排出ガス差圧: −10Pa
成膜ヘッド11からの処理済ガス流量: 0.45m3/min
バラストガス流量: 0.20m3/min
排気ブロア22の排気流量: 0.65m3/min
11 成膜ヘッド
20 排気系
21 排気管
22 排気ブロア
30 バラスト制御系
31 バラストガス導入管
32 送風機
33 差圧センサ(圧力センサ)
34 圧力コントローラ(圧力制御部)
35 インバータ
36 ヒータ(加熱部)
37 温度センサ
38 温度コントローラ(温度制御部)
Claims (1)
- 成膜部からの排気管にバラストガスを合流させ、このバラストガスの流量により排気管の排気圧力を制御する方法において、
前記バラストガスを加温したうえで前記排気管に合流させ、前記バラストガスの流量が減少したときは加温度が大きくなるように加温調節することを特徴とする成膜装置の排気方法。
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