JP5075538B2 - セラミックスグリーンシートの成形装置及び成形方法 - Google Patents

セラミックスグリーンシートの成形装置及び成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、セラミックスグリーンシートを乾燥成形するセラミックスグリーンシートの成形装置及び成形方法に関する。
従来、溶媒中(水、有機溶剤)に分散したセラミックス粉末及びバインダを含むスラリーからセラミックスグリーンシートを成形する装置として、セラミックスグリーンシートをシート成形した後に乾燥路内で所定の搬送方向に搬送するとともに、シート成形されたセラミックスグリーンシートに風を吹きあてて乾燥させる成形装置が知られており、成形工程におけるセラミックスグリーンシートの変形やクラックの発生の抑制が図られている。
例えば、水溶性バインダを含むセラミックスグリーンシートを乾燥させる装置として、焼成工程におけるセラミックスグリーンシートの変形やクラックが、乾燥工程における水分の気化の際に水溶性バインダがシート表面に偏ることによって発生することを抑制する成形装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
具体的には、この成形装置は、40〜60%の相対湿度の雰囲気下でセラミックスグリーンシートを乾燥させることによって、焼成工程におけるセラミックスグリーンシートの変形やクラックの発生を抑制している。すなわち、この成形装置では、水溶性バインダの溶媒である水分が乾燥路内に含まれる濃度(湿度)を適切に保つことによって、セラミックスグリーンシートの乾燥条件を適正化している。
しかしながら、上述した成形装置では、乾燥路内に送り込まれる風量が制御されていないため、セラミックスグリーンシートの変形や収縮率のバラツキの抑制が不十分であった。また、非水溶性バインダを含むセラミックスグリーンシートを乾燥させる場合、非水溶性バインダの溶媒である有機溶剤が乾燥路内で蒸発(揮発)し、乾燥路内における気化した有機溶剤の濃度が高くなるため、その取り扱いに細心の注意が必要であった。
また特許文献2には、セラミックグリーンシートのキャスティング(塗工)を行う周囲の温度を20〜25℃、湿度を55〜60℃の範囲に維持することで、セラミックスグリーンシートの焼成後の寸法変化を抑えてICパッケージ用セラミックス基板の歩留まりを向上させる方法が開示されている。しかしながら、乾燥環境全体の温度・湿度を制御しているため制御精度が悪いという問題があった。
平成5−131415号公報(請求項1、表1など) 平成11−289027号公報
本発明は、非水溶性バインダを含むセラミックスグリーンシートを乾燥させる際であっても、セラミックスグリーンシートの変形や収縮率のバラツキの発生を抑制できるセラミックスグリーンシートの成形装置及び成形方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴は、スラリー塗工物を搬送しながら乾燥成型させてセラミックスグリーンシートを得る乾燥路と、スラリー塗工物の流れ方向の上流域を含むように乾燥路内部の一部に配置され、内側に気体の流路となる湿度制御領域を形成し、外側と乾燥路の内壁の間に温風の流路となる温度制御領域を形成する中空状のカバー体と、カバー体のスラリー塗工物の流れ方向に直交して配置された、カバー体の内側に気体をスラリー塗工物の流れ方向の上流側から送り込む複数の送風口を備える送風ユニットと、気体の湿度を制御する湿度制御部と、気体の流量を制御する流量制御部と、を有するセラミックスグリーンシート成形装置を要旨とする。
本発明の第2の特徴は、スラリー塗工物の流れ方向の上流域を含むように乾燥雰囲気の一部に中空状のカバー体が配置され、内側に気体の流路となる湿度制御領域を、外側に温風の流路となる温度制御領域を備えたセラミックスグリーンシート成形装置を用いたセラミックスグリーンシートの成形方法であって、湿度制御領域に送り込まれる気体の湿度を制御する工程と、気体の流量を制御する工程と、湿度制御領域のスラリー塗工物の流れ方向の上流部から気体を湿度制御領域に送り込む工程と、非水溶性バインダを含むセラミックスラリーから調製されたスラリー塗工物を湿度制御領域と温度制御領域中を搬送しながら乾燥成形してセラミックスグリーンシートを得る工程と、を含むセラミックスグリーンシートの成形方法を要旨とする。
本発明によれば、非水溶性バインダを含むセラミックスグリーンシートを乾燥させる際であっても、セラミックスグリーンシートの変形や収縮率のバラツキの発生を抑制できるセラミックスグリーンシートの成形装置及び成形方法が提供される。
本発明に係るセラミックスグリーンシートの成形装置及び成形方法について、実施形態を挙げて図面を参照しながら以下に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付して説明を省略する。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1実施形態]
(セラミックスグリーンシート成形装置)
図1に示すように、第1実施形態に係るセラミックスグリーンシート成形装置100は、スラリー塗工物52を搬送しながら乾燥成形してセラミックスグリーンシートを得る乾燥路10と、スラリー塗工物52の流れ方向の上流域を含む乾燥路10内部の一部に配置され、内側に気体の流路となる湿度制御領域を形成し、外側と乾燥路10の内壁の間に温風の流路となる温度制御領域を形成する中空状のカバー体12と、カバー体12のスラリー塗工物52の流れ方向に直交して配置された、カバー体12の内側に上記気体をスラリー塗工物52の流れ方向の上流側から送り込む複数の送風口21a、21b、21c、21d、21eを備える送風ユニット20と、を有する。カバー体12を設けたことにより、図3に示すように乾燥路10の内部に湿度制御領域と、カバー体12の外側と乾燥路10の内壁の間に温風の流路となる温度制御領域が形成されている。さらに、セラミックスグリーンシート成形装置100は、図2に示すように、経路30(経路30a〜経路30e)を介して送風ユニット20に気体を供給する給気システム200を有する。給気システム200は、図4に示すように、気体の湿度を制御する湿度制御部と、気体の流量を制御する流量制御部と、を有する。
乾燥路10の寸法に特に制限はないが、例えば、乾燥路10の短手方向の長さは約2mであり、乾燥路10の長手方向の長さは約16mである。また、カバー体12の高さは、キャンバスベルト11から約0.15mであり、カバー体12の短手方向の長さは約1.3mであり、カバー体12の長手方向の長さは約11mである。
乾燥路10は、図2に示すように、スラリー塗工物52の流れ方向の上流(入口)から下流(出口)に向かい略等間隔に設けられた仕切壁15a、15b、15cにより、第1ゾーン、第2ゾーン、第3ゾーン及び第4ゾーンで定義される4つの領域に区分されている。
キャリヤフィルム50の上に塗工されたスラリー塗工物52はキャリアフィルム50ごとキャンバスベルト11で搬送され、送風ユニット20の下部に設けられた搬入口10aからカバー体12内に搬入されるように構成されている。また乾燥路10の下流側に設けれらた搬出口10bからスラリー塗工物52(セラミックスグリーンシート)は乾燥路10の外に搬出されるように構成されている。
キャンバスベルト11のスラリー塗工物52載置面を覆うようにして、かかる載置面を含んだ面を底面とする中空長方形状のカバー体12が、仕切壁15a、15b、15cの一部を貫通するように第1ゾーンから第3ゾーンに設けられている。カバー体12の内側には図3に示すように湿度制御された気体の流路となる湿度制御領域が形成されている。
カバー体12のスラリー塗工物52の流れ方向上流端部に、カバー体12内に湿度制御された気体を送り込む送風ユニット20が配置されている。送風ユニット20は短手方向に沿って配列された複数の送風口21a〜送風口21eを有する。各送風口21a〜送風口21eは、長手方向に沿ってカバー体12内に気体を送り込む。
給気ユニット200に設けられた湿度制御部がカバー体12の内側に送り込む気体の湿度を制御する。また給気ユニット200に設けられた流量制御部が送風口21a〜送風口21eからカバー体12の内側に送り込む気体の流量を制御する。これにより、セラミックスグリーンシートの変形や収縮率のバラツキを効果的に抑制することができる。「セラミックスグリーンシート」の変形とは、焼成時の反り等をいい、収縮率のバラツキとは、焼成前後の寸法変化率(焼成割掛け率)のロット間及びロット内の変動等をいう。
第1ゾーンから第4ゾーンの内、第1ゾーンから第3ゾーンにカバー体12を設け、第1ゾーンから第3ゾーンにおいて湿度制御、流量制御された気体中に溶媒を蒸発させ、スラリー塗工物52の表面に乾燥膜を形成させて、乾燥が減率乾燥段階に移った後、風量の大きい第4ゾーンにおいて有機溶媒等を蒸発(気化)させる。また第1ゾーンから第3ゾーンに形成されたカバー体12により、図3に示すように、湿度制御された気体の流路と、乾燥炉が設置された部屋の空気を暖めて大量の気体を流す温風の流路とに区分けしたことで、カバー体12内に流す不活性気体量を減らしコストダウンを図ることができる。
第1ゾーンから第4ゾーンの各ゾーンには温風を送り込む温風送付装置(図示せず)が設けられている。そのため、乾燥路10の内壁と、カバー体12の外側と、仕切壁15a、15b、15cとで区切られた空間(即ちカバー体12の内側に形成される空間を除いた乾燥路10の内部空間)に温度制御領域が形成されている。
乾燥路10の底面には、第1ゾーンから第3ゾーンの各ゾーンの4隅、第4ゾーンの乾燥路10の入口側2隅に、各ゾーン内の気体を排気する排気口13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j,13k,13l,13m,13nが設けられている。第4ゾーンでは、乾燥路10の出口側の隅に、排気ノズル13outが設けられている。排気ノズル13outの短手方向の長さは、カバー体12の短手方向の長さよりも若干長く、排気ノズル13outは、乾燥路10の短手方向においてカバー体12と略同位置に設けられる。
乾燥路10の底面の第4ゾーンの出口側に、カバー体12の短手方向の長さよりも若干長い排気ノズル13outが設けられるため、各送風口21a〜21eが乾燥路10内に送り込む気体の流れが乱れること、短手方向の両端を流れる気体の風速が速くなることを抑制できる。
経路30aは、給気システム200と送風口21aとを連通しており、経路30a上には、送風口21aが乾燥路10内に送り込む気体の質量流量を制御するMFC31a(マスフローコントローラ)が設けられている。
同様に、経路30b〜経路30eは、給気システム200と送風口21b〜送風口21eとをそれぞれ連通しており、経路30b〜経路30e上には、送風口21b〜送風口21eが乾燥路10内に送り込む気体の質量流量を制御するMFC31b〜MFC31eがそれぞれ設けられている。
このように、各MFC31(MFC31aMFC31e)が気体の質量流量を制御することによって、各送風口21(送風口21a〜送風口21e)が乾燥路10内に送り込む気体の比率が制御される。
給気システム200を作動させることにより、湿度制御領域の絶対湿度を1〜20g/kgDA、年間湿度変動レンジを0.1〜1.0g/kgDA、好ましくは0.1〜0.5g/kgDAに制御可能とすることが好ましい。湿度制御領域の絶対湿度が1に満たないと静電気が溜まりやすくなり、湿度制御領域の絶対湿度が20を超えると成形室環境が22〜25℃なので結露してしまうからである。
(給気システムの構成)
図3は、第1実施形態に係る給気システム200の構成を示す。図3に示すように、給気システム200は、送風ユニット20に経路30を介して接続されており、送風ユニット20に気体を供給する。
給気システム200は、気体を供給する気体源201を有しており、気体源201に貯留された気体に含まれる不純物はフィルタ202によって取り除かれる。例えば、気体源201は、液体窒素を貯留している。また、気体源201から供給される気体の絶対湿度は、例えば、0.08g/kg(DA)である。なお、この絶対湿度を露点で表すと、約−40℃である。
給気システム200は、乾燥した気体の経路であるドライ経路と、湿った気体の経路であるウェット経路とを有しており、乾燥した気体及び湿った気体はミキシングチャンバ207で混合される。
ドライ経路は、レギュレータ203と、バルブ204と、MFC205と、逆止弁206とを有する。
レギュレータ203は、気体源201から供給される気体の圧力を制御し、バルブ204は、気体源201から供給される気体の流量を制御する。MFC205は、後述する流量制御部209から取得する制御信号に応じて、気体源201から供給される気体(すなわち、ミキシングチャンバ207内に送り込まれる気体)の質量流量を制御するマスフローコントローラである。逆止弁206は、ミキシングチャンバ207から気体が逆流することを防ぐ弁である。
ウェット経路は、レギュレータ210と、バルブ211と、MFC212と、逆止弁213と、バブリング容器214とを有する。
レギュレータ210は、気体源201から供給される気体の圧力を制御し、バルブ211は、気体源201から供給される気体の流量を制御する。MFC212は、気体源201から供給される気体(すなわち、バブリング容器214に供給される気体)の質量流量を制御するマスフローコントローラである。逆止弁213は、バブリング容器214から気体(又は、水)が逆流することを防ぐ弁である。
バブリング容器214は、水を貯留しており、気体源201から供給される気体に水分を加える。なお、バブリング容器214で水分が加えられた気体の絶対湿度は、例えば、10.69g/kg(DA)である。この絶対湿度を露点で表すと、約15℃である。
バブリング容器214には、バブリング容器214に貯留される水の量を計測する水面計215と、バブリング容器214に貯留される水を抜くドレイン216とが設けられている。また、バブリング容器214には、バブリング容器214内に給水する給水口(不図示)が設けられている。なお、バブリング容器214に貯留される水の量は、後述するバブリング容器制御部218によって制御される。
ミキシングチャンバ207には、露点センサ208と、圧力計219と、圧力調整弁220とが接続されている。
露点センサ208は、ミキシングチャンバ207内の気体の露点(絶対湿度)を計測する。圧力計219は、ミキシングチャンバ207内の気体の圧力を計測する。圧力調整弁220は、ミキシングチャンバ207内の圧力を調整する。
なお、ミキシングチャンバ207内の圧力は、後述する圧力制御部221が圧力調整弁220を制御することによって調整される。
経路30上には、経路30内を流れる気体を加熱するヒータ222が設けられている。なお、経路30内を流れる気体の温度は、後述する温度制御部223がヒータ222を制御することによって調整される。
(カバー体12内に送り込まれる気体の露点制御方法)
第1実施形態に係るカバー体12内に送り込まれる気体の露点は、流量制御部209、バブリング容器制御部218及び圧力制御部221などによって制御される。なお、露点制御が良好に収束するように、露点制御は、流量制御部209、バブリング容器制御部218及び圧力制御部221のいずれかによって行われることが好ましい。
流量制御部209は、ミキシングチャンバ207内の気体の露点(絶対湿度)を露点センサ208から取得して、ミキシングチャンバ207内の気体の露点と目標露点とを比較する。
ミキシングチャンバ207内の気体の露点が目標露点よりも高い場合、流量制御部209は、ドライ経路を流れる気体の質量流量の増大を指示する制御信号を生成して、生成した制御信号をMFC205に入力する。また、ドライ経路を流れる気体の質量流量が増大すると、ミキシングチャンバ207内の圧力が高まる。その結果、バブリング容器214の水の蒸気圧が下がってウェット経路の露点が下がる。そして、ミキシングチャンバ207内にドライ経路から供給される気体の割合が増える効果及びウェット経路の気体の露点が下がる効果によって、露点を迅速に下げる効果が高まる。
一方、ミキシングチャンバ207内の気体の露点が目標露点よりも低い場合、流量制御部209は、ドライ経路を流れる気体の質量流量の減少を指示する制御信号を生成して、生成した制御信号をMFC205に入力する。また、ドライ経路を流れる気体の質量流量が減少すると、ミキシングチャンバ207内の圧力が低くなる。その結果、バブリング容器214の水の蒸気圧が高まってウェット経路の気体の露点が上がる。そして、ミキシングチャンバ207内にドライ経路から供給される気体の割合が減少する効果及びウェット経路の気体の露点が上がる効果によって、露点を迅速に高くする効果が高まる。
バブリング容器制御部218は、バブリング容器214に貯留される水量と目標水量とを比較する。バブリング容器214に貯留される水量が目標水量よりも少ない場合、バブリング容器制御部218は、バブリング容器214に貯留される水の量を増大させる。一方、バブリング容器214に貯留される水量が目標水量よりも多い場合、バブリング容器制御部218は、バブリング容器214に貯留される水の量を減少させる。
目標水量は、ミキシングチャンバ207内の気体の露点(絶対湿度)と目標露点との比較結果に応じて変更される。具体的には、ミキシングチャンバ207内の気体の露点が目標露点よりも高い場合、ミキシングチャンバ207内の気体の露点を下げるために、目標水量は小さな値に変更される。一方、ミキシングチャンバ207内の気体の露点が目標露点よりも低い場合、ミキシングチャンバ207内の気体の露点を上げるために、目標水量は大きな値に変更される。これによって、露点制御範囲の拡大や露点制御の応答性向上が見込まれる。
バブリング容器制御部218は、バブリング容器214に貯留される水の温度を制御してもよい。具体的には、バブリング容器制御部218は、ミキシングチャンバ207内の気体の露点が目標露点よりも高い場合、ミキシングチャンバ207内の気体の露点を低くするために、バブリング容器214に貯留される水の温度を下げる。一方、バブリング容器制御部218は、ミキシングチャンバ207内の気体の露点が目標露点よりも低い場合、ミキシングチャンバ207内の気体の露点を高くするために、バブリング容器214に貯留される水の温度を上げる。
また、バブリング容器制御部218は、バブリング容器214内の圧力を制御してもよい。具体的には、バブリング容器制御部218は、ミキシングチャンバ207内の気体の露点が目標露点よりも高い場合、ミキシングチャンバ207内の気体の露点を低くするために、バブリング容器214内の圧力を上げる。一方で、バブリング容器制御部218は、ミキシングチャンバ207内の気体の露点が目標露点よりも低い場合、ミキシングチャンバ207内の気体の露点を高くするために、バブリング容器214内の圧力を下げる。
圧力制御部221は、ミキシングチャンバ207内の気体の圧力と目標圧力とを比較する。続いて、圧力制御部221は、ミキシングチャンバ207内の気体の圧力が目標圧力よりも大きい場合、圧力調整弁220を制御して、ミキシングチャンバ207内の気体の圧力を下げる。
ここで、目標圧力は、ミキシングチャンバ207内の気体の露点(絶対湿度)と目標露点との比較結果に応じて変更される。具体的には、ミキシングチャンバ207内の気体の露点が目標露点よりも低い場合、ミキシングチャンバ207内の気体の露点を上げるために、目標圧力は小さな値に変更される。これによって、ミキシングチャンバ207内の気体の露点を上げる場合において、露点制御範囲の拡大や露点制御の応答性向上が見込まれる。
温度制御部223は、乾燥路10内を適切な温度にするために、乾燥路10内に吹き込む気体の温度を制御する。
(セラミックスグリーンシートの成形方法)
実施形態1に係るセラミックスグリーンシートの成形方法について、図1,図2,図3のセラミックスグリーンシートの成形装置を用いて説明する。
(イ)図1,図2,図3に示すような、スラリー塗工物52の流れ方向の上流域を含むように乾燥雰囲気の一部に中空状のカバー体12が配置され、内側に気体の流路となる湿度制御領域を、外側に温風の流路となる温度制御領域を備えたセラミックスグリーンシート成形装置100を用意する。乾燥路10内の温度を第1ゾーンから第4ゾーンに向けて徐々に上昇するように制御することが好ましい。また、乾燥路10内の温度を約20〜100℃の範囲で制御することが好ましい。
(ロ)給気ユニット200を作動させて、湿度制御領域のスラリー塗工物52の流れ方向の上流端部から気体を湿度制御領域に送り込む。その際、湿度制御領域に送り込まれる気体の湿度や流量を制御する。湿度制御領域の絶対湿度を1〜20g/kgDA、年間湿度変動レンジを0.1〜1.0g/kgDA、好ましくは0.1〜0.5g/kgDAに制御することが好ましい。湿度制御領域の絶対湿度が1g/kgDAに満たないと静電気が溜まりやすくなり、湿度制御領域の絶対湿度が20g/kgDAを超えると成形室環境が22〜25℃なので結露してしまうからである。
乾燥路10内全体の湿度を制御するのに比べて、湿度制御領域のみの調整で済むため、乾燥雰囲気内の湿度を精度よく調整することができる。例えば、乾燥路内全体の湿度を制御する場合の例として、特許文献2の発明の特許請求の内容を絶対湿度範囲で表記すると9.08〜11.93g/kgDAで、レンジは2.85g/kgDAになる。20℃固定で相対湿度55〜60%で絶対湿度レンジは0.84g/kgDA、25℃固定で湿度55〜60%の絶対湿度レンジは1.01g/kgDAになる。特許文献2の図2から湿度に対してDgは負の相関があり、湿度レンジ5%で実現できるDgバラツキは相関線より0.00925であり、湿度の特許請求の範囲における平均値57.5%のDg=2.256を基準とすると湿度によるDgバラツキは0.41%である。一方、図1、図2のセラミックスグリーンシートの成形装置100では、気体に混ぜる水の量をマスフローコントローラーを用いて高精度に制御するので、絶対湿度レンジが0.12g/kgDAに大幅に低減ができ、焼成割掛率バラツキの大幅低減0.00864%(0.072%×0.06×2)が可能となる。
(ハ)セラミックスグリーンシートの原料となる溶媒中にセラミックス粉末、非水溶性バインダを分散させたスラリーを調製する。かかるスラリーを図3に示すように、キャンバスベルト11上に配置されたキャリアフィルム50例えばポリエチレンテレフタレートシート等の上面に一定の厚みで塗布してスラリー塗工物52を得る。
(ニ)得られたスラリー塗工物52を湿度制御領域に配置する。具体的には図1の送風ユニット20の下部に設けられた搬入口10aからカバー体12内に搬入する。
(ホ)キャンバスベルト11を作動させてスラリー塗工物52を搬送させる。セラミックスグリーンシート成形装置100内の挿入部から挿入されたスラリー塗工物52を、第1ゾーンから第4ゾーンで定義される4つの領域を搬送することでスラリー塗工物52が乾燥成形されてセラミックスグリーンシートが得られる。
なお、セラミックススラリーの塗布方式はドクターブレード方式である。例えば、セラミックススラリーの塗布幅は約1.1mであり、セラミックススラリーの塗工速度は約0.1〜10m/minである。また、セラミックススラリーは、溶媒として有機溶剤を含んでもよく、溶媒として水を含んでもよいことに留意すべきである。
(作用及び効果)
第1実施形態に係るセラミックスグリーンシート成形装置100によれば、給気システム200が、カバー体12内に送り込まれる気体の湿度を制御することに加えて、複数の送風口21a〜21eからカバー体12内に送り込まれる気体の流量を制御することによって、セラミックスグリーンシートの変形や収縮率のバラツキを効果的に抑制することができる。
なお、セラミックスグリーンシートの変形とは、セラミックスグリーンシートの焼成時に生じる反りなどを指しており、収縮率のバラツキとは、セラミックスグリーンシートの焼成前後における寸法変化率(焼成割掛け率)について、ロット間又はロット内における変動を指している。
また、セラミックスグリーンシートが有機溶剤を含む場合、以下に示す効果が得られる。具体的には、給気システム200が乾燥路10内に送り込まれる気体の湿度(すなわち、乾燥路10内の水分の濃度)を制御することによって、非水溶性バインダを含むセラミックスグリーンシートの収縮率のバラツキを抑制する。
ここで、従来技術に示す成形装置のように、セラミックスグリーンシートに含まれる非水溶性バインダの溶媒である有機溶剤の濃度を制御して、セラミックスグリーンシートの乾燥を制御することは想定される。
これ対して、第1実施形態では、セラミックスグリーンシートに含まれる非水溶性バインダの溶媒である有機溶剤とは異なる水分の濃度を制御して、セラミックスグリーンシートの乾燥を適正化することに留意すべきである。これは、セラミックスグリーンシートの表面に乾燥路10内の水分が取り込まれて、セラミックスグリーンシートに含まれる非水溶性バインダに水分が吸着する現象が生じるためと考えられる。
セラミックスグリーンシートに含まれる非水溶性バインダの溶媒としての有機溶剤が乾燥路内で蒸発(揮発)したとしても、送風口21a〜21eからカバー体12内に不活性な気体(例えば、窒素やアルゴン)が送り込まれるため、カバー体12の中の酸素濃度は爆発範囲に達せず、乾燥路10内における気化した有機溶剤の濃度が爆発下限界以上に高くなることはない。
さらに、各MFC31が、各経路30を流れる気体の質量流量を経路30毎に制御するため(すなわち、乾燥路10内に送り込まれる気体の質量流量を送風口21a〜21e毎に制御するため)、乾燥路10内に送り込まれる気体の流量が緻密に制御される。これによって、セラミックスグリーンシートの変形を抑え、収縮率のバラツキをさらに効果的に抑制することができる。
また、バブリング容器制御部218が、バブリング容器214に貯留される水の量を制御することによって、ウェット経路内の気体の露点を制御する。従って、乾燥路10内に送り込まれる気体の露点制御範囲の拡大や露点制御の応答性向上を図ることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態にかかるセラミックスグリーンシート成形装置は、給気システムを除いて、第1実施形態と同様に構成されている。よって第1実施形態と第2実施形態の相違点について主に説明する。
具体的には、上述した第1実施形態では、給気システムは、バブリング容器214を用いて、乾燥路10内に送り込まれる気体の露点制御を行っている。これに対して、第2実施形態では、給気システムは、水の質量流量を制御する液体マスフローコントローラを用いて、乾燥路10内に送り込まれる気体の露点制御を行う。
(給気システムの構成)
以下において、第1実施形態に係る給気システムの構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、第2実施形態に係る給気システム300の構成を示す。なお、給気システム300は、給気システム200と同様に、送風ユニット20に経路30を介して接続されており、送風ユニット20に気体を供給する。
図4に示すように、給気システム300は、気体源301と水源309とを有しており、乾燥した気体が流れるドライ経路と水が流れる水の経路とを有する。なお、気体源301は液体窒素などを貯留している。また、気体源301から供給される気体の絶対湿度は、例えば、0.08g/kg(DA)である。なお、この絶対湿度を露点で表すと、約−40℃)である。
ドライ経路は、フィルタ302と、レギュレータ303と、バルブ304と、MFC305と、逆止弁306とを有する。フィルタ302は、気体源301から供給される気体に含まれる不純物を取り除く。レギュレータ303は、気体源301から供給される気体の圧力を制御し、バルブ304は、気体源301から供給される気体の流量を制御する。
MFC305は、気体源301から供給される気体(すなわち、後述する気化器307に供給される気体)の質量流量を制御するマスフローコントローラである。逆止弁306は、気化器307から気体が逆流することを防ぐ弁である。
水の経路は、フィルタ310と、レギュレータ311と、バルブ312と、水質センサ313と、MFC314と、バルブ315とを有する。
フィルタ310は、水源309から供給される水に含まれる不純物を取り除く。レギュレータ311は、水源309から供給される水の圧力を制御し、バルブ312は、水源309から供給される水の量を制御する。
水質センサ313は、フィルタ310を通った水の水質を計測する。なお、水質の測定結果は、フィルタ310の交換時期の把握などに用いられる。MFC314は、後述する流量制御部316から取得する制御信号に応じて、水源309から供給される水(すなわち、気化器307に供給される水)の質量流量を制御する液体マスフローコントローラである。バルブ315は、水の経路内に滞留する水を抜くために設けられたバルブである。
気化器307は、水の経路を介して供給される水を気化して、ドライ経路を介して供給される気体に水分を加える。気化器307には、露点センサ308と、圧力計317と、圧力調整弁318とが接続されている。
露点センサ308は、気化器307内の気体の露点(絶対湿度)を計測する。圧力計317は、気化器307内の気体の圧力を計測する。圧力調整弁318は、気化器307内の圧力を調整する。
なお、気化器307内の圧力は、後述する圧力制御部319が圧力調整弁318を制御することによって調整される。
経路30上には、経路30内を流れる気体を加熱するヒータ222が設けられている。なお、経路30内を流れる気体の温度は、後述する温度制御部223がヒータ222を制御することによって調整される。
(乾燥路10内に送り込まれる気体の露点制御方法)
以下において、第2実施形態に係る乾燥路10内に送り込まれる気体の露点制御方法について説明する。具体的には、乾燥路10内に送り込まれる気体の露点は、流量制御部316、圧力制御部319や温度制御部223などによって制御される。
流量制御部316は、気化器307内の気体の露点(絶対湿度)を露点センサ308から取得して、気化器307内の気体の露点と目標露点とを比較する。
続いて、流量制御部316は、気化器307内の気体の露点が目標露点よりも高い場合、水の経路を流れる水の質量流量の減少を指示する制御信号を生成して、生成した制御信号をMFC314に入力する。一方で、流量制御部316は、気化器307内の気体の露点が目標露点よりも低い場合、水の経路を流れる水の質量流量の増大を指示する制御信号を生成して、生成した制御信号をMFC314に入力する。
圧力制御部319は、気化器307内の気体の圧力と目標圧力とを比較する。続いて、圧力制御部319は、気化器307内の気体の圧力が目標圧力よりも大きい場合、圧力調整弁318を制御して、気化器307内の気体の圧力を下げることによって、気化器307内の圧力を一定に保つように制御する。
(作用及び効果)
第2実施形態に係るセラミックスグリーンシート成形装置100によれば、流量制御部316が、MFC305によって水の経路を流れる水の質量流量を制御し、気化器307が、水の経路を介して供給される水を気化して、ドライ経路を介して供給される気体に水分を加える。これによって、第1実施形態と異なる構成であるが、第1実施形態と同様の効果が得られる。
[実施例1]
(セラミックススラリーの調整)
混合溶剤(トルエン/イソプロピルアルコール=50/50)中に、バインダ(ポリビニルブチラール)、分散剤及びセラミックス粉末を分散させ、ボールミルで24hr混合後脱泡してセラミックススラリーとした。
(湿度制御)
総窒素量を300 SLM(Standard Litter per Miniute; 温度=0℃、気圧=101.3kPaの条件における気体流量)とし、絶対湿度を0.09から11.9g/kg(DA)(1kgDryAir中にある水分量g)まで増加させた場合、絶対湿度の増加に伴って、セラミックスの焼成時収縮率が単調に増加した。また、セラミックスの焼成時収縮率の増加量は、9.79%となった(つまり、1g/kg(DA)の増加に対し、0.072%収縮率が増加)。また、相関係数は、0.98以上となった。
給気制御システム200を使用して、カバー体12内へ、成形機の短手方向に5分割した各送風口21a〜21eから50SLMの気体を送り、絶対湿度7.5g/kgDAで制御しながら、テープ成形を約18時間実施した。その際の露点センサ208での絶対湿度、流量制御部209でのドライ流量、圧力計219でのミキシングチャンバ内圧力を10秒毎にサンプリングした。得られた結果を図6、図7、図8に示す。絶対湿度は7.43〜7.55g/kgDA(レンジ0.12g/kgDA、σ0.014g/kgDA)だった。ドライ流量は61.0〜65.8L/分(レンジ4.8L/分、σ0.63L/分)だった。ミキシングチャンバ内圧力は52.2〜53.7kPa(レンジ1.5kPa、σ0.21kPa)だった。給気システム内の温度が22℃であるため、絶対湿度レンジ0.12 g/kgDAは相対湿度0.72%に相当する。気体源として液体窒素を気化させた窒素を使用しているので、成形時の湿度は年間を通じて±0.06 g/kgDA(相対湿度±0.36%に相当)で管理できる。
成形機室内の絶対湿度の年間変動幅は、6.6〜9.7g/kg(DA)である。また、収縮率の年間変動は、0.46%であった。従来の成形機では、部屋内の気体の湿度環境で成形することから、上記湿度と収縮率の相関関係より、絶対湿度による年間の収縮率変動は、0.46%のうち0.22%と推定される。本成形機の給気システムによる給気の絶対湿度の制御精度は、±0.06g/kg(DA)であることから、絶対湿度による収縮率変動がほぼ無くなり、年間収縮率変動は、0.46%から0.25%まで低減した。
[実施例2]
従来設備では、セラミックスグリーンシートの収縮率は、塗布m数に応じて徐々に低下し、0.1%程度変動する。この原因は成形機乾燥環境の温度変化もしくは溶剤濃度変化であると推定している。この変動を補償するために、絶対湿度を上記相関(絶対湿度−収縮率)にしたがって、塗布m数に応じて、6.83から8.02g/kg(DA)に段階的に上昇させることで、従来低下していた収縮率変動(0.1%)を0.02%まで抑制することができた。
[実施例3]
従来設備では、短手方向1.1mに塗布されたセラミックステープの収縮率バラツキは、約0.04%程度あった。流入気体を短手方向5分割((1)〜(5))とし、その流量を(1)87 SLM、(2)0 SLM、(3)0 SLM、(4)0 SLM、(5)87 SLMとした場合、中央の収縮率が端部の収縮率に対し0.07%低かった。また、各送風口21a〜21eから送り込まれる気体の流量を(1)0 SLM、(2)44 SLM、(3)87 SLM、(4)44 SLM、(5)0 SLMとした場合、中央の収縮率が端部の収縮率に対して0.1%高い値となった。5分割の流量に応じて収縮率を自由に設定できたことから、流量を最適化することで、0.01%の幅方向の収縮率バラツキを得ることができた。
なお、各送風口21a〜21eからカバー体12内に送り込まれる気体の流量は、各送風口21a〜21eに割り当てられた流量比で制御されてもよい。上述した流量が(1)87 SLM、(2)0 SLM、(3)0 SLM、(4)0 SLM、(5)87 SLMである場合を例に挙げると、各送風口21a〜21eの流量比は、(1)50%、(2)0%、(3)0%、(4)0%、(5)50%となる。同様に、上述した流量が(1)0 SLM、(2)44 SLM、(3)87 SLM、(4)44 SLM、(5)0 SLMである場合を例に挙げると、各送風口21a〜21eの流量比は、(1)0%、(2)25%、(3)50%、(4)25%、(5)0%となる。
[実施例4]
従来設備では、セラミックスグリーンシートの焼成時反りは、平均で350μmであったが、流入量を精密に制御し、機内の溶剤濃度を最適化することで上記反り量を平均60μmまで低減できた。
[実施例5]
カバー体内酸素濃度は、気体として窒素を用いた場合において、総流量が100 SLMである場合に10%となり、総流量が200 SLMである場合に5%となり、総流量が300 SLMである場合に2%となり、高濃度溶剤雰囲気に対する安全性(10%以下)は、100 SLM以上で得られた。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、給気システム200及び給気システム300の動作を実現するプログラムが提供されてもよい。
上述した第1実施形態では、流量制御部209は、ドライ経路を流れる気体の質量流量を制御するが、これに限定されるものではなく、ウェット経路を流れる気体(バブリング容器214に供給される気体)の質量流量を制御してもよい。
具体的には、流量制御部209は、ミキシングチャンバ207内の気体の露点が目標露点よりも高い場合、バブリング容器214に供給される気体の質量流量の減少を指示する制御信号を生成して、生成した制御信号をMFC212に入力する。一方で、流量制御部209は、ミキシングチャンバ207内の気体の露点が目標露点よりも低い場合、バブリング容器214に供給される気体の質量流量の増大を指示する制御信号を生成して、生成した制御信号をMFC212に入力する。
上述した第2実施形態では、流量制御部316は、水の経路を流れる水の質量流量を制御するが、これに限定されるものではなく、ドライ経路を流れる気体の質量流量を制御してもよい。
具体的には、流量制御部316は、気化器307内の気体の露点が目標露点よりも高い場合、ドライ経路を流れる気体の流量の増大を指示する制御信号を生成して、生成した制御信号をMFC305に入力する。一方で、流量制御部316は、気化器307内の気体の露点が目標露点よりも低い場合、ドライ経路を流れる気体の流量の減少を指示する制御信号を生成して、生成した制御信号をMFC305に入力する。
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、給気システムは、乾燥路10内に送り込まれる気体の絶対湿度(露点)を制御するが、これに限定されるものではない。具体的には、給気システムは、乾燥路10内に送り込まれる気体の相対湿度を制御してもよい。
なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、給気システムは、ドライ経路及びウェット経路(又は、水の経路)を有しているが、これに限定されるものではなく、乾燥路10内に送り込まれる気体の湿度及び流量を制御する構成を有していればよい。
第1実施形態に係る乾燥路10の斜視図である。 第1実施形態に係るセラミックスグリーンシート成形装置100の一部切り欠き上面図である。 第1実施形態に係るセラミックスグリーンシート成形装置100の正面断面図である。 第1実施形態に係る給気システム200の構成を示す図である。 第2実施形態に係る給気システム200の構成を示す図である。 実施例1に係る露点センサ208での絶対湿度のグラフを示す。 実施例1に係る流量制御部209でのドライ流量のグラフを示す。 実施例1に係る圧力計219でのミキシングチャンバ内圧力のグラフを示す。
符号の説明
10・・・乾燥路、11・・・キャンバスベルト、12・・・カバー体、13・・・排
気口、15a〜15c・・・仕切壁、20・・・送風ユニット、21・・・送風口、30・・・経路、31・・・MFC、52・・・スラリー塗工物、100・・・セラミックスグリーンシート成形装置、200・・・給気システム、201・・・気体源、202・・・フィルタ、203・・・レギュレータ、204・・・バルブ、205・・・MFC、206・・・逆止弁、207・・・ミキシングチャンバ、208・・・露点センサ、209・・・流量制御部、210・・・レギュレータ、211・・・バルブ、212・・・MFC、213・・・逆止弁、214・・・バブリング容器、215・・・水面計、216・・・ドレイン、218・・・バブリング容器制御部、219・・・圧力計、220・・・圧力調整弁、221・・・圧力制御部、222・・・ヒータ、223・・・温度制御部、300・・・給気システム、301・・・気体源、302・・・フィルタ、303・・・レギュレータ、304・・・バルブ、305・・・MFC、306・・・逆止弁、307・・・気化器、308・・・露点センサ、309・・・水源、310・・・フィルタ、311・・・レギュレータ、312・・・バルブ、313・・・水質センサ、314・・・MFC、315・・・バルブ、316・・・流量制御部、317・・・圧力計、318・・・圧力調整弁、319・・・圧力制御部

Claims (11)

  1. スラリー塗工物を搬送しながら乾燥成型させてセラミックスグリーンシートを得る乾燥路と、
    その乾燥路内部の一部に前記スラリー塗工物の流れ方向の上流域を含むように配置され、内側に気体の流路となる湿度制御領域を形成し、外側と乾燥路の内壁の間に温風の流路となる温度制御領域を形成する中空状のカバー体と、
    そのカバー体の前記スラリー塗工物の流れ方向に直交して配置された、前記カバー体の内側に前記気体を前記スラリー塗工物の流れ方向の上流側から送り込む複数の送風口を備える送風ユニットと、
    前記カバー体の内側に送り込む気体の湿度を制御する給気システムと、
    その給気システムと前記送風ユニットとをつなぐ経路上にあるマスフローコントローラと、
    を有するセラミックスグリーンシート成形装置。
  2. 前記スラリー塗工物は、非水溶性バインダを含むセラミックスラリーから調製されたものである請求項1に記載のセラミックスグリーンシート成形装置。
  3. 前記湿度制御領域の絶対湿度が1〜20g/kgDA、年間湿度変動レンジが0.1〜1.0g/kgDAに制御可能である請求項1に記載のセラミックスグリーンシート成形装置。
  4. 前記マスフローコントローラを、複数有する請求項1に記載のセラミックスグリーンシート成形装置。
  5. 前記給気システムが、
    乾燥した気体の経路であるドライ経路と、
    湿った気体の経路であるウェット経路若しくは水が流れる水の経路と、
    それらドライ経路、及び、ウェット経路若しくは水の経路、がつながるミキシングチャンバ又は気化器と、
    そのミキシングチャンバ又は気化器内の気体の露点を計測する露点センサと、
    その露点センサから取得した気体の露点と目標露点とを比較して、前記ドライ経路、又は、ウェット経路若しくは水の経路の、気体又は水の質量流量を制御する制御信号を生成する流量制御部と、
    を有する請求項1に記載のセラミックスグリーンシート成形装置。
  6. 前記流量制御部から生成した制御信号を入力するマスフローコントローラを備える請求項5に記載のセラミックスグリーンシート成形装置。
  7. 前記給気システムが前記ウェット経路を有する場合に、そのウェット経路に、バブリング容器が備わるとともに、そのバブリング容器に貯留される水の、量、温度、又は圧力のうち少なくとも何れか一つを制御するバブリング容器制御部が備わる請求項5に記載のセラミックスグリーンシート成形装置。
  8. 前記給気システムが、更に、
    前記ミキシングチャンバ又は気化器の圧力を調整する圧力弁と、
    その圧力弁を制御する圧力制御部と、
    前記ミキシングチャンバ又は気化器内の気体の圧力を計測する圧力計と、
    を有する請求項5に記載のセラミックスグリーンシート成形装置。
  9. 前記送風口から前記湿度制御領域内に送り込まれる気体の温度を制御する温度制御部を、更に備える請求項1記載のセラミックスグリーンシート成形装置。
  10. スラリー塗工物の流れ方向の上流域を含むように乾燥雰囲気の一部に中空状のカバー体が配置され、内側に気体の流路となる湿度制御領域を、外側に温風の流路となる温度制御領域を備えたセラミックスグリーンシート成形装置を用いたセラミックスグリーンシートの成形方法であって、
    前記湿度制御領域に送り込まれる気体の湿度を制御する工程と、
    前記気体の流量を制御する工程と、
    前記湿度制御領域のスラリー塗工物の流れ方向の上流部から前記気体を前記湿度制御領域に送り込む工程と、
    非水溶性バインダを含むセラミックスラリーから調製されたスラリー塗工物を前記湿度制御領域と前記温度制御領域中を搬送しながら乾燥成形してセラミックスグリーンシートを得る工程と、
    を含むセラミックスグリーンシートの成形方法。
  11. 前記湿度制御領域の絶対湿度を1〜20g/kgDA、年間湿度変動レンジを0.1〜1.0g/kgDAに制御する請求項10に記載のセラミックスグリーンシートの成形方法。
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