JP3183269B2 - 反応生成物除去機能付き真空装置及びその反応生成物除去方法 - Google Patents

反応生成物除去機能付き真空装置及びその反応生成物除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応生成物除去機
能付き真空装置及びその反応生成物除去方法に関し、特
に、ガスプラズマのような反応用ガスを用いて製品加工
を行う真空容器の中で生成される反応生成物を真空室、
排気配管、ポンプから円滑に除去する機能を持った反応
生成物除去機能付き真空装置及びその反応生成物除去方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスのような製品を製造する
プロセスには、真空容器中で反応用ガスをプラズマ化し
たプラズマガスを用いて多様な反応を行わせるステップ
がある。このような反応により生成される反応生成物が
真空容器の壁面、排気配管の管面に付着して堆積する。
このような付着・堆積が進むと、背圧が高まる真空ポン
プに故障が生じ、色々な不都合を招く。
【0003】このような不都合を招かないような配慮が
従来からなされている。図3に示す公知装置は、真空化
室101にガス導入口102から導入される反応用ガス
と反応して生成される反応生成物を真空ポンプ103に
より吸引して除害筒104に送る途中の排気配管105
の適当な部位から不活性ガスを導入し、その不活性ガス
でその反応生成物106を誘引して除害筒まで誘導する
除去手段を備えている。このような公知手段に用いられ
ている不活性ガスは常温で用いられているので、冷却さ
れる反応生成物はやがては管面その他の部位に付着する
ようになり、それが堆積することを回避することができ
ない。
【0004】そこで、図3に示されるように、テープ状
ヒータ107を排気配管105の適所に貼りつけて、反
応生成物の温度低下を防止することが考えられる。その
ようなヒータを用いた装置が、特開平9−27458号
で知られている。このようなヒータは、排気配管を局所
的に加熱するが、熱分散を均一化して全面的に均一に加
熱する加熱手段としては適切でない。特に、真空ポンプ
のような複雑な内面形状、構造を持つ機器を均一に加熱
することは困難であり、反応生成物を除去する効率は当
然に悪い。現在は、結局、定期的、高頻度の清掃作業を
強いられている現状である。
【0005】流路を形成するどのような面にも反応生成
物が付着・堆積しないことが望まれている。特に、ポン
プのような複雑な形状、構造を持つ機器内の流路形成面
に反応生成物が付着・堆積しないことが望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、流路
を形成するどのような面にも反応生成物が付着・堆積し
ない反応生成物除去機能付き真空装置及びその反応生成
物除去方法を提供することにある。本発明の他の課題
は、ポンプのような複雑な形状、構造を持つ機器内の流
路形成面に反応生成物が付着・堆積しない反応生成物除
去機能付き真空装置及びその反応生成物除去方法を提供
することにある。本発明の更に他の課題は、真空ポンプ
の流路形成面への反応生成物の堆積を回避し、且つ、製
造プロセスを停止させない反応生成物除去機能付き真空
装置及びその反応生成物除去方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による反応生成物
除去機能付き真空装置は、内部で反応生成物が生成され
る真空室と、真空室内の反応生成物の蒸気を排出するた
めの排気管と、排気管に介設され蒸気を吸引するための
真空ポンプと、反応生成物を気化させることができる温
度のガスを排気管に供給するためのガス供給器とを有
ている。低圧下で気化又は昇華しやすい反応生成物は、
導入されるガスにより暖められて容易に気化し、蒸気状
態の反応生成物は固体化する温度まで冷却されることが
なく、蒸気状態のままでガス流に乗って排気される。ガ
スは、ポンプの複雑な構造・形状の狭い流路内でも流
れ、すべての流路及びその流路形成面の温度を蒸気状態
の反応生成物が固体化しない温度に維持する。このよう
にガスは、排気用媒体であり、且つ、温度維持用媒体で
ある。
【0008】ガスは反応生成物に反応しない不活性ガス
であることが好ましい。ガス供給器と排気管との間を接
続してガスをガス供給器から排気管に導入する。このよ
うな排気管は、複数本が設けられることが好ましい。言
い換えれば、排気管の複数部位からガスが排気管に導入
されることが好ましい。真空ポンプの上流側で排気管に
ガスが導入されることが好ましい。ガス配管が排気管に
接続される接続部位と真空室との間に真空ポンプが位置
づけられている場合には、その接続部位は、下流側の真
空ポンプの上流側であることが好ましい。
【0009】ガス配管が真空室に接続されていることは
特に好ましい。この場合、すべてのポンプは、ガス導入
部位よりも下流側になる。複数のポンプが上流側と下流
側に設けられている場合、下流側のポンプの上流側にも
ガス導入部位が配置されることが好ましい。ガス配管が
真空室に接続されている場合には、ガスは真空室の中で
反応が行われていない時間帯にその真空室に導入され
る。ガスは反応プロセスの間に導入されるので、反応生
成物の除去のために反応プロセスを停止させる必要がな
い。
【0010】本発明による反応生成物除去機能付き真空
装置は、反応生成物を気化させることができる温度のガ
スを排気管に供給するためのガス供給器に代えて、反応
生成物が昇華する昇華温度のガスを排気管に供給するた
めのガス供給器を有してもよい。反応生成物を昇華させ
るガスの流れは、昇華し又は固体化しない反応生成物を
乗せて迅速に排気することができる。本発明による反応
生成物除去方法は、言い換えれば、真空化される真空化
室の内部に反応用ガスを導入して加工を行った結果生成
される反応生成物を昇華用ガスで昇華させることによ
その反応生成物を排気管に介設されたポンプで吸引
して、反応生成物を昇華させたまま排気管及びポンプを
通して排除する排除方法である。導入する昇華用ガスの
温度を制御することは、更に好ましい。温度制御は、排
気配管の途中の適切な部位に温度センサーを設置し、検
出温度に連動させて昇華用ガスの昇温を制御することが
好ましい。このような適切な部位の1つは、排気管の最
下流に位置する除害筒の直前である。
【0011】
【発明の実施の形態】図に一致させて本発明の実施の形
態が記述される。図1は、本発明による反応生成物除去
機能付き真空装置の実施の形態を示し、機器配置系統図
である。真空化容器室1は、これに反応用ガスを導入す
るための反応用ガス導入口2が開けられている。真空化
容器室1の内側に電極3が設けられている。電極3は、
電源装置4により高圧化される。反応用ガス導入口2か
ら導入される反応用ガスは、電極3によりプラズマ化さ
れる。プラズマ化された反応用ガスは、真空化容器室1
内の製品材料と反応して、反応生成物を生成する。
【0012】真空化容器室1の外壁に、上流側真空化ポ
ンプ5が取り付けられている。真空化容器室1内の気体
又は粉体は、直ちに、真空化容器室1の中から上流側真
空化ポンプ5のポンプ室に吸引される。真空化容器室1
の外部に除害筒6が設置されている。除害筒6は、真空
化容器室1の中で生成される反応生成物その他の物質を
無害化するための装置である。除害筒6は、上流側真空
化ポンプ5よりも下流側に配置されている。
【0013】上流側真空化ポンプ5と除害筒6との間に
は排気管7が介設され、除害筒6は排気配管7を介して
下流側真空化ポンプ8に接続されている。下流側真空化
ポンプ8は排気管7を介して上流側真空化ポンプ5に接
続されている。真空化容器室1の外側に、高温ガス発生
器9が設けられている。高温ガス発生器9は、熱交換器
又は加熱器10を備えている。昇華用ガスが、高温ガス
発生器9に導入され加熱器10により暖められる。昇華
用ガスは、反応生成物を昇華させる昇華温度よりも高い
温度まで加熱器により加熱される。
【0014】高温ガス発生器9の出口には、分配器11
が接続されている。分配器11は、多方口を有し、その
各口は独立に流量を制御するための流量制御弁(図示せ
ず)を備えている。排気管7の上流側接続部位12と分
配器11の1つの口とは、上流側ガス導入管13により
接続されている。上流側接続部位12は、上流側真空化
ポンプ5の下流側で上流側真空化ポンプ5に近接した位
置である。排気管7の下流側接続部位14と分配器11
の他の口とは、下流側ガス導入管15により接続されて
いる。下流側接続部位14は、下流側真空化ポンプ8の
下流側で下流側真空化ポンプ8に近接した位置である。
上流側ガス導入管13と下流側ガス導入管15につい
て、独立した2つの加熱器を用いることができる。
【0015】反応ガス・ガスプラズマが製品材料と反応
して真空化容器室1の中で生成される反応生成物である
気体(粉体を含むこともある)は、上流側真空化ポンプ
5により吸引される。上流側真空化ポンプ5の内部では
温度降下の程度は低く、反応生成物は気体状態で上流側
真空化ポンプ5を通過する。温度降下し始める反応生成
物は、上流側接続部位12から導入される昇華用ガスで
加熱され、その気体状態を維持する。昇華用ガスとして
は、反応生成物に反応しないガス特に不活性ガス(H
e、N、Ar等)が好適である。
【0016】昇華状態の反応生成物は、排気管7に付着
せず、下流側真空化ポンプ8の中の複雑な狭い流路の内
面にも付着しないで、昇華用ガスの気流に乗って誘引さ
れ下流側真空化ポンプ8を通過することができる。下流
側真空化ポンプ8を通過して部分的に固体化しつつある
反応生成物は、下流側接続部位14から導入される昇華
用ガスにより再び加熱されその気流に乗って気体状態で
除害筒6に送り込まれ、除害筒6の中の捕獲器(図示せ
ず)に捕獲される。除害筒6は、定期的に交換される。
より下流側の排気管7の管内面に局所的により多く付着
し堆積することがある反応生成物は、上流側接続部位1
2又は下流側接続部位14から導入される昇華用ガスに
より加熱され昇華して、気体状態で除害筒6に送り込ま
れる。
【0017】図2は、本発明による反応生成物除去機能
付き真空装置の実施の他の形態を示し、機器配置系統図
である。図2に示される真空化容器室1、反応用ガス導
入口2、電極3、電源装置4、上流側真空化ポンプ5、
除害筒6、排気管7、下流側真空化ポンプ8の機器系統
関係は、図1に示される実施の形態の機器系統関係に全
く同じである。
【0018】加熱器10と他の機器との関係は、図1の
実施の形態のその関係と異なる。真空化容器室1に含ま
れる真空化容器側接続部位21が、加熱器10の分配器
11に接続されている。図1に示した他の接続部位1
2,14を更に設けて、上流側ガス導入管13及び下流
側ガス導入管15を追加することができる。
【0019】加熱器10で加熱された昇華用ガスは、真
空化容器室1に初期的に導入される。真空化容器室1内
で昇華していない反応生成物は、真空化容器室1内で昇
華用ガスにより加熱され、真空化容器室1内で昇華して
いる反応生成物は、更に加熱され、上流側真空化ポンプ
5を通過する際に温度降下しても、昇華温度以下には温
度降下しない。図2の実施の形態では、図1の実施の形
態に比べて、上流側真空化ポンプ5における付着防止が
より完全に行われる。
【0020】図2の実施の形態では、真空化容器室1の
中での反応ステップの進行中は、昇華用ガスを真空化容
器室1内には導入できない。その反応ステップ間の合間
に、昇華用ガスを1真空化容器室内には導入する。この
導入のためにそのステップを含むプロセスの進行が遅延
することはない。
【0021】図1中の下流側部位22、上流側部位23
に温度センサー等を配置することが好ましい。最上流側
部位24に温度センサーを追加することも好ましい。こ
れらの位置の温度センサーと加熱器10と分配器11と
をコントローラ(図示せず)に接続して、温度センサー
が常時一定の温度を検出するように加熱器10の出力と
分配器の弁の開閉度を制御することができる。そのコン
トローラは、昇華用ガスの温度を任意に設定することが
できる。
【0022】
【発明の効果】本発明による反応生成物除去機能付き真
空装置及びその反応生成物除去方法は、反応生成物を加
熱しながらその加熱を行うガスの気流に乗せて排出する
ので、流路形成面への付着・堆積を防止する防止率が高
く、安定した真空到達度を得ることができる。内面清掃
のために生産を一時的に停止する必要がない。流路途中
の除去器が不要であり、その除去器を交換する間一時的
に生産を停止する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による反応生成物除去機能付き
真空装置の実施の形態を示す機器配置系統図である。
【図2】図2は、本発明による反応生成物除去機能付き
真空装置の実施の他の形態を示す機器配置系統図であ
る。
【図3】図3は、公知装置の機器配置系統図である。
【符号の説明】
1…真空化容器室 5…上流側真空化ポンプ 7…排気管 8…下流側真空化ポンプ 9…高温ガス発生器 10…加熱器 11…分配器 12…上流側接続部位 13…上流側ガス導入管 14…下流側接続部位 15…下流側ガス導入管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 37/16 C23C 16/44 H01L 21/205

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部で反応生成物が生成される真空室と、 前記真空室内の前記反応生成物の蒸気を排出するための
    排気管と、 前記排気管に介設され前記蒸気を吸引するための真空ポ
    ンプと 前記反応生成物を気化させることができる温度のガスを
    前記排気管に供給するためのガス供給器とを有する こと
    を特徴とする反応生成物除去機能付き真空装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記ガスは前記反応生成物に反応しない不活性ガスであ
    ることを特徴とする反応生成物除去機能付き真空装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、更に、 前記ガス供給器と前記排気管との間を接続して前記ガス
    を前記ガス供給器から前記排気管に導入するためのガス
    配管とからなることを特徴とする反応生成物除去機能付
    き真空装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記真空ポンプは、前記ガス配管が前記排気管に接続さ
    れる接続部位と前記真空室との間に位置づけられている
    ことを特徴とする反応生成物除去機能付き真空装置。
  5. 【請求項5】請求項3において、 前記ガス配管は前記真空室に接続されていることを特徴
    とする反応生成物除去機能付き真空装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、 前記ガスは前記真空室の中で反応が行われていない時間
    帯に前記真空室に導入されることを特徴とする反応生成
    物除去機能付き真空装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記反応生成物を気化させることができる温度のガスを
    前記排気管に供給するための前記ガス供給器に代えて、 前記反応生成物が昇華する昇華温度のガスを前記排気管
    に供給するためのガス 供給器を有することを特徴とする
    反応生成物除去機能付き真空装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、 前記ガスは前記真空ポンプよりも上流側に導入されるこ
    とを特徴とする反応生成物除去機能付き真空装置。
  9. 【請求項9】真空化される真空化室の内部に反応用ガス
    を導入して加工を行った結果生成される反応生成物を
    昇華用ガスで昇華させることにより、 前記反応生成物を排気管に介設されたポンプで吸引し
    、前記反応生成物を昇華させたまま前記排気管及び前
    記ポンプを通して排除することを特徴とする真空装置の
    反応生成物除去方法。
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