JP2004305950A - 排気トラップ、排気トラップのクリーニング方法、及び、反応処理装置 - Google Patents

排気トラップ、排気トラップのクリーニング方法、及び、反応処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004305950A
JP2004305950A JP2003104790A JP2003104790A JP2004305950A JP 2004305950 A JP2004305950 A JP 2004305950A JP 2003104790 A JP2003104790 A JP 2003104790A JP 2003104790 A JP2003104790 A JP 2003104790A JP 2004305950 A JP2004305950 A JP 2004305950A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust
gas
trap
diffusion member
cleaning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003104790A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Tanaka
雅之 田中
Hiroshi Ogose
啓 生越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2003104790A priority Critical patent/JP2004305950A/ja
Publication of JP2004305950A publication Critical patent/JP2004305950A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】排気ガス中の未反応の処理ガスや反応副生成物を高い回収率で捕集することができるとともに、排気系のコンダクタンスの低下を抑制することができ、寿命の長い排気トラップを提供する。
【解決手段】本発明の排気トラップ20は、排気ガスの導入口21及び導出口22を有するトラップ容器21の内部に、導入口側に配置された拡散部材24と、拡散部材よりも導出口側に離間して配置された充填型フィルタ25とを有し、拡散部材の配置領域には通気空間が確保され、拡散部材は、導入口と離間して配置されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は排気トラップ、排気トラップのクリーニング方法及び反応処理装置に係り、特に、半導体処理装置に設けられる排気系に適用する場合に好適な排気処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子機器や電子部品の製造工程においては、半導体ウエハやガラス基板などの各種基板上に種々の処理が施される。これらの各種処理の中には、排気系に接続された反応処理室内に反応性の処理ガスが導入され、この処理ガスが反応処理室内において反応することにより基板に対して施される成膜処理やエッチング処理などの反応処理がある。このような反応性の処理ガスを用いる反応処理においては、反応処理室内から排気系にそのまま未反応の処理ガスが排出されたり、反応処理室の反応により生じた反応副生成物などが排出されたりする。
【0003】
上記の未反応の処理ガスや反応副生成物は、そのまま大気中に放出されることによって環境汚染の原因になるとともに、処理ガスの種類によっては排気系の内部に堆積物を生じさせて排気系のコンダクタンスを低下させたり、排気装置の故障を招いたりするという問題点がある。そこで、従来から、排気ラインの途中に排気トラップを介挿し、この排気トラップにおいて未反応の処理ガスを反応させたり、反応副生成物を捕集したりすることによって、下流側の排気系の不具合を回避するといった方法が採用されている。排気トラップとしては、ハウジングの内部に複数のバッフル板を配置したバッフル板型トラップやマイクロメッシュを配置したメッシュ型トラップなどが知られている(たとえば、以下の特許文献1及び2参照)。
【0004】
例えば、TiCl(四塩化チタン)、WF(六フッ化タングステン)、(Ta(OE)(ペントエトキシタンタル)などの高融点金属化合物ガスを用いて成膜処理を施す場合には、排気ガスの蒸気圧が高いことなどにより未反応の処理ガスや反応副生成物を排気トラップで除去することが難しいため、充分な回収率を得ることができず、下流側の排気装置や除害装置に負担がかかり、ランニングコストの上昇などを招いている。そこで、排気トラップの手前において排気系路中に上記の未反応の処理ガスと反応する反応ガスを導入し、この反応ガスによる反応によって排気トラップ内における凝着物の堆積を促進させるといった方法が提案されている(たとえば、以下の特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−72291号公報
【特許文献2】
特開2000−45073号公報
【特許文献3】
特開2001−214272号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の排気トラップにおいては、バッフル板やマイクロメッシュにより未反応の処理ガスにより生じた生成物や反応副生成物などを捕集するように構成されているが、特に上述の高融点金属化合物ガスを用いる処理装置に適用した場合にはその回収率が低く、また、上記のような反応ガスの導入による回収率の向上効果もある程度限定されているのが現状である。したがって、排気系の下流側に接続されている排気装置や除害装置における凝着物の堆積が充分に低減されず、排気装置のメンテナンス作業を頻繁に行わなければならないという問題点がある。
【0007】
特に、近年、反応室内において基板上に原子層単位で成膜を行うALD(Atomic Layer Deposition)などを実施する装置では、きわめて大量の反応副生成物や未反応の処理ガスが発生するため、通常の排気トラップでは対応できないという問題点もある。
【0008】
ところで、従来のバッフル板やマイクロメッシュを用いた排気トラップの代わりに、図4に示すような細片、細粒、繊維などの充填物を充填させてなる充填型フィルタ14をハウジング11内に配置した排気トラップ10を用いることが考えられる。この排気トラップ10においては、排気ガスは導入口12から導入されて充填型フィルタ14を通過し、導出口13から排出される。充填型フィルタ14の内部には、セラミックヒータなどの加熱部材15が挿入配置され、また、フィルタ内の温度を検出するための熱電対などの温度検出器16が配置される。このような排気トラップ10においては、加熱部材15による加熱によって未反応の処理ガスの反応が生起されるとともに、充填型フィルタ14によって反応副生成物が効率的に捕集されることが期待される。
【0009】
しかしながら、上記の充填型フィルタ14を用いた上記の排気トラップ10では、導入口12の近傍において堆積物17が集中的に捕集されるため、きわめて短時間のうちに排気系のコンダクタンスが低下するので、反応室の減圧が不可能になるなど、処理を継続することができなくなる。したがって、頻繁に排気トラップ10の内部の充填型フィルタ14を取り替える必要があり、メンテナンス作業が煩雑になるという問題点がある。一方、堆積物17が導入口12の近傍に集中して堆積することから、導入口12から離れた場所に配置されていた充填物においては堆積物17の付着量は比較的少ない。ところが、実際にはメンテナンスにより排気系のコンダクタンスを十分に改善させるためには全ての充填物を交換しなければならないため、充填物の無駄が多いという問題点もある。また、バッフル板やマイクロメッシュを用いた排気トラップにおいても、導入口近傍に堆積物が集中的に捕集されてしまう場合がある。
【0010】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、排気ガス中の未反応の処理ガスや反応副生成物を高い回収率で捕集することができるとともに、排気系のコンダクタンスの低下を抑制することができ、寿命の長い排気トラップを提供することにある。また、排気トラップを分解清掃や部品交換などを行わずに延命させることのできる排気トラップのクリーニング方法或いは反応処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の排気トラップは、排気ガスの導入口及び導出口を有するトラップ容器の内部に、前記導入口よりも大きい断面積を有する充填型フィルタが収容配置され、前記導入口と前記充填型フィルタとの間に前記導入口よりも大きい断面性を有する空間が設けられていることを特徴とする。この発明によれば、導入口と充填型フィルタとの間に空間が設けられていることにより、導入口から導入された排気ガスは上記空間において広がった後に前記充填型フィルタに到達するため、充填型フィルタの一部への堆積物の集中を緩和することができ、充填型フィルタの断面積のより広い範囲を有効に利用することができることから、充填型フィルタの目詰まりを低減することができ、排気トラップの長寿命化を図ることができる。
【0012】
また、本発明に係る別の排気トラップは、排気ガスの導入口及び導出口を有するトラップ容器の内部に、前記導入口側に配置された、前記排気ガスを拡散させる拡散部材と、該拡散部材よりも前記導出口側に離間して配置されたフィルタとを有し、前記拡散部材の配置領域には通気空間が確保され、前記拡散部材は、前記導入口と離間して配置されていることを特徴とする。この発明によれば、導入口から導入される排気ガスは拡散部材によって拡散された後にフィルタに到達するため、フィルタの一部への堆積物の集中を緩和することができ、フィルタの断面積のより広い範囲を有効に利用することができることから、フィルタの目詰まりを低減することができ、排気トラップの長寿命化を図ることができる。また、拡散部材において堆積物を捕集することができれば(拡散部材が凝着機能を有する場合には)、下流側の充填型フィルタにおける堆積物の付着量を低減することができるので、さらなる長寿命化を図ることができる。この場合、拡散部材の配置領域に充分な通気空間が確保されていれば、拡散部材への堆積物の付着によって目詰まりが生ずることも回避できる。
【0013】
本発明において、前記フィルタは、充填型フィルタであることが好ましい。充填型フィルタである場合には、堆積物の捕集率を高めることができる反面、堆積物の集中による目詰まりが生じやすいが、本発明では充填型フィルタにおいても堆積物の集中や目詰まりを低減することができるため、充填型フィルタの利点を有効に享受することができる。
【0014】
なお、充填型フィルタとしては、砕片、細片、細粒、帯材、繊維材などのような比較的小さな寸法を有する充填物を充填したものを広く包含する。また、たとえば、線材や繊維材を押し固めたようなものも含む。
【0015】
また、トラップ容器には、導入口の近傍に、導入口から下流側に向かうに従って徐々に内部断面が拡大する拡径部が設けられることが好ましい。これによって排気ガスをスムーズに拡散させることができる。さらに、トラップ容器には、導出口の近傍に、導出口に向かうに従って徐々に内部断面が縮小する縮径部が設けられることが好ましい。この縮径部の内側には上記充填型フィルタが配置される。これにより、充填型フィルタにおいて排気ガスが流通しない領域を低減でき、充填物への堆積物の付着量の均一化を図ることができるため、フィルタの目詰まりの低減や充填物の無駄を回避することができる。
【0016】
本発明において、前記拡散部材は、前記排気ガスに晒されることによりその表面に堆積物を凝着させる凝着手段を有することが好ましい。これによって拡散部材によって堆積物を効率的に捕集することが可能になるため、フィルタへの堆積量を低減することができることから、フィルタの目詰まりをさらに低減できる。
【0017】
本発明において、前記拡散部材は、前記凝着手段として少なくとも前記導入口側に凹凸表面を有することが好ましい。これによって、少なくとも排気ガスに直接晒される部分において拡散部材の表面積を増大することができるため、拡散部材への堆積物の付着効率を高めることができる。
【0018】
本発明において、前記凝着手段として、前記拡散部材により排気ガスを加熱若しくは冷却する手段を有することが好ましい。拡散部材が排気ガスを加熱若しくは冷却するように構成されていることによって、排気ガスの種類に応じて排気ガス中の未反応の処理ガスの化学反応や凝縮作用を促進することができるため、拡散部材に対する堆積物の付着量を増加させることができ、これによってフィルタの目詰まりをさらに低減できる。
【0019】
なお、この場合において、上記の充填型フィルタもまた、排気ガスを加熱若しくは冷却するように構成されていることが好ましい。これによって、排気トラップの捕集効率をさらに高めることができる。
【0020】
本発明において、前記拡散部材は、前記フィルタを貫通して伸びる支柱によって支持され、該支柱が前記拡散部材を加熱若しくは冷却するように構成されていることが好ましい。すなわち、拡散部材を加熱若しくは冷却する加熱部材若しくは冷却部材が上記支柱(支持部材)としての機能をも有することによって、拡散部材を加熱若しくは冷却することができるとともに、別途の支持構造を設けなくても、拡散部材を配置固定することができる。特に、このような構成は、拡散部材をフィルタに対して離間した位置に固定するために有利な構成である。この場合に、前記支柱(支持部材、加熱部材或いは冷却部材)が拡散部材とフィルタとを同時に加熱若しくは冷却することができるように構成することがさらに望ましい。
【0021】
本発明において、前記拡散部材は、前記フィルタの全範囲から見て前記導入口の開口範囲を平面的に全て覆うように構成されていることが好ましい。フィルタの全範囲から見て拡散部材が導入口の開口範囲(開口断面部分)を全て平面的に覆うように構成されていることにより、導入口から導入された排気ガスが拡散部材による影響を受けずに直接にフィルタの一部に到達するといったことがなくなるため、フィルタの一部に堆積物が集中して付着することが少なくなり、フィルタにおける堆積物の分散化によって、排気トラップを大幅に長寿命化することができる。
【0022】
次に、本発明に係る排気トラップのクリーニング方法は、上記のいずれかに記載の排気トラップの前記導出口に開閉弁を介して排気手段を接続し、該排気手段により排気を行いながら前記導入口からクリーニングガスを導入するとともに、前記開閉弁の開度を小さくすることによって前記排気トラップの内圧を上昇させることにより、前記排気トラップをクリーニングするクリーニング工程を設けることを特徴とする。排気手段により排気を行いながらクリーニングガスを導入することにより、排気トラップの寿命をさらに長くすることができる。また、このクリーニング工程は、開閉弁の開度を小さくすることにより排気トラップの内圧を比較的高くした状態で行われるので、クリーニングガスによる内部浄化を効率的に行うことができることから、短時間に排気トラップを清浄化することができ、或いは、より高度な清浄作用を得ることができる。なお、開閉弁の開度を小さくするとは、通常の排気系の動作時(排気ガスを排気しているとき)の開度に較べて小さくすることを意味する。
【0023】
本発明において、前記クリーニング工程の前に、前記開閉弁の開度を大きくしてパージガスを流すことにより前記排気ガスを排除する排気ガス排除工程と、前記クリーニング工程の後に、前記開閉弁の開度を大きくしてパージガスを流すことにより前記クリーニングガスを排除するクリーニングガス排除工程とを有することが好ましい。排気ガスを排除する排気ガス排除工程及び/又はクリーニングガスを排除するクリーニングガス排除工程において、開閉弁の開度を大きくすることによって工程時間を短縮することができ、また、残ガスの排除度合を高めることができる。
【0024】
次に、本発明に係る反応処理装置は、複数の処理ガスを供給するガス供給手段と、該ガス供給手段によって供給される前記処理ガスを導入して反応させる反応処理室と、反応処理室に接続された排気ラインと、排気ラインに接続された上記のいずれかに記載の排気トラップと、該排気トラップの下流側に接続された排気手段とを有することを特徴とする。ここで、TiCl(四塩化チタン)、WF(六フッ化タングステン)、(Ta(OE)(ペントエトキシタンタル)などの高融点金属化合物ガスを上記処理ガスとして用いて成膜処理を行う成膜処理装置である場合に本発明は特に有効である。また、上記の高融点金属化合物ガスとともに用いられる他の処理ガスとしては、TiClとともに還元性ガスとして用いられるHやNH、WFとともに還元性ガスとして用いられるSiHやSiHCl、(Ta(OE)とともに酸化ガスとして用いられるOなどが挙げられる。
【0025】
本発明において、前記排気トラップと前記排気手段との間に開度を調整可能な開閉弁を有し、前記処理ガスの一つがクリーニングガスであることが好ましい。このクリーニングガスとしては、ClFなどが挙げられる。
【0026】
本発明において、前記クリーニングガスを前記排気トラップに流しながら前記開閉弁の開度を低下させて前記排気トラップの内圧を上昇させ、前記排気トラップの内部をクリーニングするクリーニング工程が実施可能に構成されていることが好ましい。たとえば、このクリーニング工程は、反応処理装置の制御部によって自動的に実行される。
【0027】
本発明において、前記クリーニング工程の前に、前記開閉弁の開度を大きくしてパージガスを流すことにより前記排気ガスを排除する排気ガス排除工程と、前記クリーニング工程の後に、前記開閉弁の開度を大きくしてパージガスを流すことにより前記クリーニングガスを排除するクリーニングガス排除工程とを実施可能に構成されていることが好ましい。たとえば、この排気ガス排除工程、クリーニング工程、及び、クリーニングガス排除工程は、反応処理装置の制御部によって自動的に順次実行される。
【0028】
なお、上記各発明において、排気トラップの上流側、或いは、排気トラップの内部に、排気ガス中の未反応の処理ガスと反応する反応ガスを導入するように構成することが好ましい。特に、上記排気トラップの内部に反応ガスを導入する場合には、拡散部材の導入口側において反応ガスを導入することが望ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る排気トラップ、排気トラップのクリーニング方法及び反応処理装置の実施形態について詳細に説明する。
【0030】
[第1実施形態]
図1は第1実施形態の排気トラップ20の構造を示す概略断面図、図2は拡散部材の構造を示す底面図(a)、B−B断面図(b)、平面図(c)及びD−D断面図(d)である。なお、図1の一点鎖線より右側は図2に示すB−B断面に相当する断面を示し、一点鎖線より左側は図2に示すD−D断面に相当する断面を示してある。
【0031】
この排気トラップ20は、ハウジング21に導入口22及び導出口23が設けられ、その内部の導入口22側に拡散部材(凝着板)24が配置され、導出口側に充填型フィルタ25が配置されている。拡散部材24は、導入口22に対して離間して配置されている。より具体的には、ハウジング21は、導入口22と充填型フィルタ25との間に導入口22の開口面積よりも広い断面積を有する空間を形成している。そして、上記の充填型フィルタ25は、導入口22の開口面積よりも大きな断面積を有するものとなっている。さらに、上記空間の内部に上記拡散部材24が配置されている。この拡散部材24は、ハウジング21の流路断面(上記空間の断面)よりも一回り小さな板状体として構成され、これによって拡散部材24の配置領域に通気空間(図示例では拡散部材24の周囲にある。)が確保されている。さらに、充填型フィルタ25は、拡散部材24に対して導出口23側(下流側)に離間して配置されている。
【0032】
拡散部材24は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属で構成されていることが好ましい。図2にも示すように、拡散部材24の導入口22側に向いた表面24aは、微細な凹凸形状を有する凹凸表面となっている。これによって、拡散部材24の表面積は設置面積よりも大幅に増大している。この凹凸表面は、エンボス加工などによって簡単に形成できる。拡散部材24の裏面側には、下流側に突出した筒状構造などを有する取付部24bが設けられている。取付部24bは複数(図示例では6つ)設けられていて、ここにセラミックヒータなどの加熱部材27の先端部が装着(挿入)される。また、拡散部材24の裏面側には凹穴24c(図2参照)が形成され、この凹穴24cには熱電対などの温度検出器28が挿入配置される。
【0033】
ここで、排気トラップ20の内部において、充填型フィルタ25の設置範囲(表面範囲)のどこから見ても、導入口22の開口断面(開口範囲)は拡散部材24によって平面的に完全に覆われるように構成されている。換言すれば、導入口22の開口範囲から拡散部材24に触れることなく直線的に充填型フィルタ25に到達することができないように構成されている。
【0034】
本実施形態においては、導入口22から導入される排気ガスは、導入口22の開口断面よりも大きな断面を有する上記空間内において拡散し、充填型フィルタ25のより広い範囲を通過するように構成される。このとき、拡散部材24は、導入口22から導入される排気ガスの拡散を助長し、充填型フィルタ25の断面のより広い範囲に排気ガスを導くことによって、充填型フィルタ25の一部(例えば、導入口22直下にある部分)に対する堆積物の集中を緩和するように構成される。
【0035】
充填型フィルタ25は、砕片、細片、細粒、帯材、繊維材などの各種充填物を充填してなるものである。これらの充填物としては、特に、線構造の金属充填物であることが好ましい。たとえば、「ラシヒスーパーリング」(商標、ラシヒ社製)が挙げられる。このような充填物は、メッシュ構造のカゴ(箱)などで構成される収容枠26内に充填配置されている。この充填型フィルタ25は、ハウジング21内の排気経路の全流路断面に亘って配置されている。すなわち、この充填型フィルタ25の配置領域には充填物が全く配置されていない通気空間が存在しないように構成されている。
【0036】
上記の加熱部材27は、ハウジング21の外側から内部に導入され、充填型フィルタ25を貫通して上記拡散部材24(の取付部24b)に装着されている。そして、この加熱部材27は、拡散部材24を支持する支柱(支持部材)としても機能するようになっている。これによって、拡散部材24の周囲に専用の支持部材を配置したり取り付けたりする必要がなくなるので、排気トラップ20のコンダクタンスを高めることができるとともに、拡散部材24の清掃、交換などのメンテナンス作業も容易になる。
【0037】
この第1実施形態は、特に、高融点金属化合物ガスを用いるプロセスの排気系に装着される場合に好適な排気トラップとなっている。特に、WFと、SiHやSiHClなどの還元性ガスとの反応によってW薄膜を形成するプロセスに用いられる。このプロセスにおいては、排気ガスを加熱することによって排気ガス中の未反応の処理ガスが反応し、堆積物を生ずる。このため、本実施形態では、加熱部材27によって拡散部材24を所定温度となるように加熱することによって、この拡散部材24(特にその表面24a)に反応生成物である堆積物を主体的に付着させる。これにより、下流側に配置された充填型フィルタ25における堆積物の付着量を低減することができる。つまり、本実施形態における拡散部材24は、排気ガスによる堆積物を、充填型フィルタ25に先立って捕集する凝着機能をも有している。
【0038】
ここで、導入口22、拡散部材24、充填型フィルタ25は相互に間隔を有して離間して配置されているため、排気トラップ20のコンダクタンスは、拡散部材24への堆積物の付着量にはほとんど依存せず、基本的に充填型フィルタ25の目詰まりの程度により決定される。したがって、充填型フィルタ25における堆積物の付着量を低減できれば、排気トラップ20のコンダクタンスを長期間に亘って維持することができ、その長寿命化を図ることができる。
【0039】
なお、拡散部材24の表面24aは凹凸形状とされているため、その表面積が増大し、排気ガスに対する作用効果の度合も増大するため、拡散部材24における堆積物の付着量をより増加させることができる。
【0040】
特に、本実施形態では、充填フィルタ25の全表面範囲から見て導入口22の開口範囲が拡散部材24により平面的に完全に覆われる構成となっているため、導入口22から導入された排気ガスが拡散部材24の影響を全く受けずに充填型フィルタ25に到達することがないように構成されている。これによって、充填型フィルタ25に対して局所的に堆積物が集中して付着するといったことが低減される。特に、上記のWFなどの高融点金属化合物ガスは重いガスであるため、排気経路に沿って直線的に流れやすい。したがって、導入口22から導入された上記ガスは直線的に進んでほとんどが拡散部材24の表面に接近し、拡散部材24によって加熱されて反応するので、拡散部材24における堆積物の回収率(捕集率)はきわめて高くなる。
【0041】
また、拡散部材24が導入口22から充填型フィルタ25に至る経路途中に上記のように配置されていることによって、排気ガスが乱され攪拌されて充填型フィルタ25に流入するため、充填型フィルタ25の特定箇所に堆積物が集中的に付着するといったことがなくなり、堆積物の付着分布の偏りが緩和される。したがって、上記と同様にコンダクタンスの低下が抑制され、排気トラップの寿命を延ばすことができる。
【0042】
[第2実施形態]
次に、図3を参照して、本発明に係る第2実施形態の排気トラップ30について説明する。この実施形態では、上記第1実施形態とほぼ同様の、ハウジング31、導入口32、導出口33、表面34a及び取付部34bを備えた拡散部材34、充填型フィルタ35、収容枠36、加熱部材37、及び、温度検出器38を有するため、同様の部分については説明を省略する。
【0043】
上記の第1実施形態では、ハウジング21が導入口22側にて開閉できるように構成されているのに対して、この第2実施形態では、ハウジング31が導出口33側で開閉できるように構成されている。
【0044】
また、第2実施形態では、ハウジング内部の充填型フィルタ35(及び収容枠36)の底面と、導出口33との間に間隔Gが設けられている。また、充填型フィルタ35における導出口33に臨む底面部位以外の底面部分は、ハウジング31の内面に間隔Gで対向配置されている。この間隔Gが設けられていることにより、充填フィルタ35の実質的な通気断面積を第1実施形態の構造よりも大きくすることができる。たとえば、第1実施形態では、充填型フィルタ25の底部が、充填型フィルタ25の断面積より小さな導出口23の開口部に接している。したがって、充填型フィルタ25の底部近傍の外周部には排気ガスが流れにくくなるため、実質的な通気断面積が減少する。このことは、排気トラップ20のコンダクタンスの低下及び短命化につながる可能性がある。これに対して、本実施形態においては、第1実施形態よりも充填型フィルタ35の通気断面積を実質的に増大させることができるため、特に、充填型フィルタ35のより広い断面範囲を用いて堆積物を捕集することができることになるから、充填物に対する堆積物の付着分布を第1実施形態よりも分散させることが可能になるため、コンダクタンスの向上及び長寿命化を図ることができる。
【0045】
[反応処理装置]
次に、本発明に係る反応処理装置の実施形態について図5を参照して説明する。図5は、反応処理装置100の構成を模式的に示す概略構成図である。
【0046】
この反応処理装置100は、ガス供給手段110と、反応処理室120と、排気系130とを有する。ガス供給手段110は、上述のような高融点金属化合物ガス、還元性ガス、酸化性ガス、He、N、Arなどの不活性ガスなど、各種のガスを反応処理室120に供給するように構成されている。より具体的な構成としては、ガスボンベや気化器などのガス発生手段、流量制御器、弁、配管などが挙げられる。これらは、反応処理装置100の全体を統括する制御部(マイクロプロセッサユニットやプログラマブルコントローラなどにより構成できる。)100Aによって制御されるように構成される。なお、上記の各種ガスを反応処理室120を介することなく直接に排気系130に導入するためのバイパスライン(プリフローライン)113が設けられている。
【0047】
反応処理室120は、ガス供給手段110によって供給されるガスを導入し、排気系130によって実現される所定の減圧環境下において各種の反応処理を行うためのものである。この反応処理としては、成膜処理、エッチング処理などが挙げられる。反応処理室120には、処理対象となる基板(半導体ウエハやガラス基板など)が配置される。反応処理室120には、排気ライン121が接続されている。この排気ライン121には、圧力調整弁122、開閉弁123、圧力計124などが接続される。圧力調整弁122は、反応処理室120の内圧を測定する圧力計122aの圧力検出値に基づいて、反応処理室120の内圧を制御するためのものである。
【0048】
排気系130には、上記排気ライン121に連通した排気ライン130Aの途中に上述の排気トラップ20又は30が設けられている。また、この排気トラップ20,30の下流側に開閉弁132が設置されている。この開閉弁132は、バタフライ弁などのような開度を調整できる弁構造を有する。開閉弁132のさらに下流側には、排気装置133,134が接続されている。たとえば、排気装置133はメカニカルブースターポンプ、排気装置134はドライポンプである。
【0049】
本実施形態においては、排気系130において、排気トラップ20,30の手前位置において排気ライン130Aに反応ガスを導入するためのガス導入手段131が設けられている。このガス導入手段131は、排気ライン130A内を流れる排気ガス中に含まれる未反応の処理ガスと反応する反応ガスを導入することによって、排気トラップ20,30の内部で生ずる堆積物の量を増大させ、これによって、その下流側の排気装置133,134の内部における堆積物の付着量を減少させるためのものである。反応ガスとしては、NH、O、Hなどの酸化性ガス又は還元性ガス、水蒸気などの各種ガスが挙げられる。
【0050】
なお、この反応ガスを導入するガス導入手段は、排気トラップの内部に直接反応ガスを導入するように構成されていてもよい。この場合、導入位置は、上記拡散部材の上流側(導入口側)であることが望ましい。
【0051】
この反応処理装置100においては、上記制御部100Aによってガス供給手段110、反応処理室120及び排気系130を全自動若しくは半自動的に制御できるように構成されている。この反応処理装置100には、ガス供給手段110からクリーニングガス(ClFなど)が反応処理室120やバイパスライン113を介して排気系130に供給できるように構成されている。そして、通常の反応処理プロセスだけでなく、反応処理室120や排気系130のクリーニング工程を実施できるように構成されている。これらのクリーニング工程は、たとえば、制御部100Aの制御の下に自動的に実行される。
【0052】
排気トラップ20,30は、上述の如く、高コンダクタンスで長寿命という利点を有するものであるが、本実施形態では、排気トラップ20,30の寿命をさらに長くするために、排気トラップ20,30のクリーニング処理を実施することができる。このクリーニング処理は、▲1▼排気ガス排除工程、▲2▼クリーニング工程、▲3▼クリーニングガス排除工程の順で実行される。
【0053】
▲1▼排気ガス排除工程では、排気装置133,134を稼動させた状態で、ガス供給手段110によって排気ライン130Aに不活性ガスなどを供給し、開閉弁132の開度を大きくすることによって短時間のうちに排気系130から排気ガス(未反応の処理ガスや反応副生成物をも含む。)を排除(パージ)する。この排気ガス排除工程が所定時間実行された後に、▲2▼クリーニング工程を実施する。
【0054】
▲2▼クリーニング工程では、ガス供給手段110からクリーニングガスを排気ライン130Aに供給し、開閉弁132の開度を小さくすることによって排気トラップ20,30の内圧を高める。このときの排気トラップ20,30の内圧としては、通常プロセス中の圧力が0.133〜0.199kPa(1〜1.5Torr)程度の場合、1.33〜1.99kPa(10〜15Torr)程度に上昇させる。これによって、排気トラップ20,30の内部におけるクリーニング効果を高めることができる。このとき、排気トラップ20,30では、上記拡散部材24,34及び充填型フィルタ25,35を所定温度で加熱する。このクリーニング工程は、排気トラップ20,30内の堆積量に応じて適宜に設定された時間継続される。
【0055】
▲3▼クリーニングガス排除工程では、上記クリーニング工程で用いたクリーニングガスを排除するために、不活性ガスなどを排気ライン130Aに導入し、開閉弁132の開度を大きくして実行される。この工程も適宜の時間実施される。
【0056】
なお、上記クリーニング工程における排気ライン130Aへのガス供給は、反応処理室120を経由したガス供給であってもよく、バイパスライン113を経由した直接的な(反応処理室120を経由しない)ガス供給であってもよい。ただし、前者のガス供給経路では反応処理室120のクリーニング時と同様の経路となるので、反応処理室120の状況によってはクリーニング効果が低下する。一方、後者のガス供給経路で行うことによって、反応処理室120の状況に拘らずクリーニングが可能になり、また、クリーニング効果を高めることもできる。
【0057】
[他の構成例]
次に、図6を参照して、上記の排気トラップの一部を異ならしめた他の構成例について説明する。図6(a)に示す排気トラップ50においては、ハウジング51に導入口52及び導出口53が設けられている。ハウジング51の内側には、拡散部材54及び充填型フィルタ55が配置され、導入口52と充填型フィルタ55との間には、導入口52の開口断面よりも大きな断面を有する空間が構成されている。拡散部材54は、この空間において充填型フィルタから見た場合に導入口の開口断面の少なくとも一部を覆うように配置されている。
【0058】
この構成例では、拡散部材54は、排気ガスの流下方向と平行な平面上の断面形状が略円形に構成されている。このように、拡散部材54が排気ガスの流下方向に滑らかに湾曲した曲面形状を有する表面を備えていることにより、導入口52から導入された排気ガスをスムーズに拡散させて充填型フィルタ55に到達させることができる。なお、この構成例の拡散部材54は、たとえば、図の紙面と直交する方向の両端部においてハウジング51に接続されるように構成することによって支持される。
【0059】
ハウジング51には、導入口52から徐々に内部断面積を増大させるように構成された拡径部51Aを有する。これによって、導入口52から導入された排気ガスを内部空間内に円滑に拡散させることができる。また、ハウジング51の上記充填型フィルタ55の収容部分には、導出口53に向けて徐々に内部断面積を減少させるように構成された縮径部51Bを有する。これによって、充填型フィルタ55の断面積が導出口53に向けて徐々に低減されるため、第2実施形態と同様に充填型フィルタ55におけるフィルタ作用に実質的に寄与しない領域を低減することができ、堆積物の付着量の均一化を図ることができるため、充填物の無駄を無くすことができる。
【0060】
図6(b)には、さらに異なる排気トラップの構成例を示す。この構成例における拡散部材56以外の構成は、図6(a)に示す排気トラップ50と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。この構成例では、拡散部材56は、導入口52から下流側に向けて徐々に断面を増大させた多角形状を備えている。これによって、導入口52から導入された排気ガスを、拡散部材56の断面の広がりに従って内部空間の周囲にスムーズに拡散させることができる。
【0061】
図6(c)には、上記とは別の排気トラップの構成例を示す。この構成例における拡散部材57以外の構成も、図6(a)に示す排気トラップ50と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。この構成例では、拡散部材57は多数の細孔57aを備えたものとなっている。また、拡散部材57は、上記空間の全断面範囲に亘って配置されている。この場合、開口部52の直下部分(図示中央部分)における細孔57aの開口率を小さくし、開口部52の直下部分から離れるほど(中央から周縁部に向かうほど)に細孔57aの開口率が大きくなるように構成することが好ましい。たとえば、図示例のように、上記直下部分では細孔57aを小さくし、直下部分から離れるほど細孔57aを大きく形成すればよい。また、上記直下部分では細孔57の形成密度を小さくし、直下部分から離れるほどに形成密度が大きくなるように構成しても構わない。これによって、排気ガスをより均一に拡散させることができる。なお、この拡散部材57は、排気ガスに対する単なる拡散機能を有するのみならず、排気ガスの通過量を内部空間の断面全体に亘って均一化させる機能をも有するため、充填型フィルタ55の表面近傍に配置されていても構わない。
【0062】
図6(d)には、さらに別の排気トラップの構成例を示す。この構成例における拡散部材58以外の構成も、図6(a)に示す排気トラップ50と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。この構成例では、拡散部材58は、内部空間において可動に構成され、その動作によって排気ガスを拡散させるようになっている。図示例では、拡散部材58は複数のフィンを有するファン構造を有し、軸支部材58bなどによって回転自在に軸支されている。そして、図示しない駆動手段による駆動力などによって拡散部材58が回転することによりフィン58aが排気ガスを拡散させるように構成されている。
【0063】
最後に、図7及び図8を参照して、排気トラップのさらに別の構成例について説明する。この排気トラップ40は、ハウジング41に導入口42及び導出口43が設けられ、その内部に凝着部材(凝着板、バッフル板、或いは、フィン)45が配置されている。この凝着部材45は、トラップ内部の流路方向に伸びる中心軸体44に接続固定されている。図示例では、凝着部材45は、中心軸体44に設けられたフィンとして構成されている。
【0064】
中心軸体44の内部には流通路44Aが構成されている。一方、凝着部材45の内部にも流通空間45Aが設けられている。この流通空間45Aは、上記の流通路44Aに連通している。凝着部材45の表面には、上記流通空間45Aに連通した多数の噴出口45Bが形成されている。そして、上記流通路44Aを介して流通空間45Aに反応ガスを供給することにより、上記の噴出口45Bから反応ガスを排気トラップ40の内部に噴出させることができる。このときの反応ガスは、上記反応処理装置100において説明したガス導入手段131により導入される反応ガスと同じものである。
【0065】
このように、排気トラップ40の内部に凝着部材45を配置し、この凝着部材45から反応ガスを導出させるようにすることにより、排気トラップ40内の排気ガスに反応ガスが混合されるため、未反応の処理ガスが反応して堆積物を発生する。これにより、排気トラップ40の回収率を向上させることができる。また、この場合には、小さな噴出口45Bから高圧の反応ガスを噴出させることによって、その断熱膨張効果によって凝着部材45及びその周囲を冷却することができる。したがって、排気ガスを冷却することによって捕集率を高めることができる排気系ではより効果的である。また、図示例のように複数の凝着部材(フィン)を設けた場合には、反応ガスの導出量を調整する(たとえば、下流側に設置されている凝着部材から導出される反応ガス量を上流側の凝着部材から導出されるガス量よりも多くする)ことによって、複数の凝着部材により均一に堆積物を付着させることができる。これは、排気トラップのコンダクタンスの維持及び長寿命化に関して有効である。この排気トラップにおいては、例えば、TiCl−NH系でのTiClx−n(NHy)(x,n,yは自然数)の捕集に特に有効である。
【0066】
なお、このように反応ガスを導出(噴出)するように構成された凝着部材を上記発明(各実施形態)の拡散部材として用いることも可能である。これによって上記拡散部材における堆積量をさらに増加させることができる。また、上記の排気トラップ40を、上記排気トラップ20,30の代わりに図5に示す反応処理装置100に用いることもできる。さらに、冷却のための中心軸体44及び凝着部材45の内部に水等の冷媒を通す流通路を設けることにより更に冷却することができる。
【0067】
本発明の排気トラップ、排気トラップのクリーニング方法、反応処理装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0068】
たとえば、上記排気トラップの第1実施形態及び第2実施形態では、いずれも拡散部材を加熱する例を示してあるが、凝着作用において排気ガスを冷却した方が堆積量を増加できる排気系の場合には、冷媒などを拡散部材の内部に流すことによって、或いは、熱電効果などを用いた冷却部材を用いることなどによって、拡散部材を冷却するように構成してもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば以下の効果を奏する。
【0070】
▲1▼充填型フィルタの上流側に空間を設けたことにより、導入口から導入された排気ガスをより広い断面範囲に拡散させることができるため、充填型フィルタへの堆積物の付着分布を分散させることができることから、目詰まりが低減され、排気トラップの長寿命化を図ることができる。
【0071】
▲2▼拡散部材によって導入口から導入された排気ガスを拡散させることができるため、フィルタへの堆積物の付着分布を分散させることができることから、目詰まりが低減され、排気トラップの長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の排気トラップの構造を示す概略断面図。
【図2】第1実施形態の拡散部材の形状を示す底面図(a)、B−B断面図(b)、平面図(c)及びD−D断面図(d)。
【図3】第2実施形態の排気トラップの構造を示す概略断面図。
【図4】比較例の排気トラップの構造を示す概略断面図。
【図5】反応処理装置の全体構成を示す概略構成図。
【図6】他の構成例の排気トラップの構造を示す概略端面図(a)〜(d)。
【図7】さらに別の他の構成例の排気トラップの構造を示す概略断面図。
【図8】拡散部材の拡大部分断面斜視図。
【符号の説明】
20,30…排気トラップ、21,31…ハウジング、22,32…導入口、23,33…導出口、24,34…拡散部材、25,35…充填型フィルタ、26,36…収容枠、27,37…加熱部材(加熱手段)、100…反応処理装置、110…ガス供給手段、120…反応処理室、130…排気系、130A…排気ライン、132…開閉弁、133,134…排気装置

Claims (14)

  1. 排気ガスの導入口及び導出口を有するトラップ容器の内部に、前記導入口よりも大きい断面積を有する充填型フィルタが収容配置され、前記導入口と前記充填型フィルタとの間に前記導入口よりも大きい断面積を有する空間が設けられていることを特徴とする排気トラップ。
  2. 排気ガスの導入口及び導出口を有するトラップ容器の内部に、前記導入口側に配置された、前記排気ガスを拡散させる拡散部材と、前記拡散部材よりも前記導出口側に離間して配置されたフィルタとを有し、前記拡散部材の配置領域には通気空間が確保され、前記拡散部材は、前記導入口と離間して配置されていることを特徴とする排気トラップ。
  3. 前記フィルタは、充填型フィルタであることを特徴とする請求項2に記載の排気トラップ。
  4. 前記拡散部材は、前記排気ガスに晒されることによりその表面に堆積物を凝着させる凝着手段を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の排気トラップ。
  5. 前記拡散部材は、前記凝着手段として少なくとも前記導入口側に凹凸表面を有することを特徴とする請求項4に記載の排気トラップ。
  6. 前記凝着手段として、前記拡散部材により排気ガスを加熱若しくは冷却する手段を有することを特徴とする請求項4に記載の排気トラップ。
  7. 前記拡散部材は、前記フィルタを貫通して伸びる支柱によって支持され、該支柱が前記拡散部材を加熱若しくは冷却するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の排気トラップ。
  8. 前記拡散部材は、前記フィルタの全範囲から見て前記導入口の開口範囲を平面的に全て覆うように構成されていることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一項に記載の排気トラップ。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の排気トラップの前記導出口に開閉弁を介して排気手段を接続し、該排気手段により排気を行いながら前記導入口からクリーニングガスを導入するとともに、前記開閉弁の開度を小さくすることによって前記排気トラップの内圧を上昇させることにより、前記排気トラップをクリーニングするクリーニング工程を設けることを特徴とする排気トラップのクリーニング方法。
  10. 前記クリーニング工程の前に、前記開閉弁の開度を大きくしてパージガスを流すことにより前記排気ガスを排除する排気ガス排除工程と、前記クリーニング工程の後に、前記開閉弁の開度を大きくしてパージガスを流すことにより前記クリーニングガスを排除するクリーニングガス排除工程とを有することを特徴とする請求項9に記載の排気トラップのクリーニング方法。
  11. 複数の処理ガスを供給するガス供給手段と、該ガス供給手段によって供給される前記処理ガスを導入して反応させる反応処理室と、反応処理室に接続された排気ラインと、排気ラインに接続された請求項1乃至8のいずれか一項に記載の排気トラップと、該排気トラップの下流側に接続された排気手段とを有することを特徴とする反応処理装置。
  12. 前記排気トラップと前記排気手段との間に開度を調整可能な開閉弁を有し、前記処理ガスの一つがクリーニングガスであることを特徴とする請求項11に記載の反応処理装置。
  13. 前記クリーニングガスを前記排気トラップに流しながら前記開閉弁の開度を低下させて前記排気トラップの内圧を上昇させ、前記排気トラップの内部をクリーニングするクリーニング工程が実施可能に構成されていることを特徴とする請求項12に記載の反応処理装置。
  14. 前記クリーニング工程の前に、前記開閉弁の開度を大きくしてパージガスを流すことにより前記排気ガスを排除する排気ガス排除工程と、前記クリーニング工程の後に、前記開閉弁の開度を大きくしてパージガスを流すことにより前記クリーニングガスを排除するクリーニングガス排除工程とを実施可能に構成されていることを特徴とする請求項13に記載の反応処理装置。
JP2003104790A 2003-04-09 2003-04-09 排気トラップ、排気トラップのクリーニング方法、及び、反応処理装置 Pending JP2004305950A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003104790A JP2004305950A (ja) 2003-04-09 2003-04-09 排気トラップ、排気トラップのクリーニング方法、及び、反応処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003104790A JP2004305950A (ja) 2003-04-09 2003-04-09 排気トラップ、排気トラップのクリーニング方法、及び、反応処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004305950A true JP2004305950A (ja) 2004-11-04

Family

ID=33467481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003104790A Pending JP2004305950A (ja) 2003-04-09 2003-04-09 排気トラップ、排気トラップのクリーニング方法、及び、反応処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004305950A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006093037A1 (ja) * 2005-03-02 2006-09-08 Hitachi Kokusai Electric Inc. 半導体製造装置及び半導体装置の製造方法
JP2007039751A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理システム及びそのトラップ装置
WO2007088940A1 (ja) * 2006-02-02 2007-08-09 Tokyo Electron Limited 減圧処理装置
JP2015211169A (ja) * 2014-04-28 2015-11-24 三菱電機株式会社 不純物拡散装置
JP2016540124A (ja) * 2013-11-26 2016-12-22 ウルトラテック インク 改善されたプラズマ強化aldシステム
KR20230023735A (ko) 2020-06-22 2023-02-17 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 트랩 장치 및 반도체 제조장치
DE102022102768A1 (de) 2022-02-07 2023-08-10 Stephan Wege Symmetrischer Prozessreaktor

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006093037A1 (ja) * 2005-03-02 2006-09-08 Hitachi Kokusai Electric Inc. 半導体製造装置及び半導体装置の製造方法
US8172946B2 (en) 2005-03-02 2012-05-08 Hitachi Kokusai Electric Inc. Semiconductor device manufacturing apparatus and manufacturing method of semiconductor device
JP2007039751A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理システム及びそのトラップ装置
WO2007088940A1 (ja) * 2006-02-02 2007-08-09 Tokyo Electron Limited 減圧処理装置
JP2016540124A (ja) * 2013-11-26 2016-12-22 ウルトラテック インク 改善されたプラズマ強化aldシステム
US10351950B2 (en) 2013-11-26 2019-07-16 Ultratech, Inc. Plasma enhanced ALD system
JP2015211169A (ja) * 2014-04-28 2015-11-24 三菱電機株式会社 不純物拡散装置
KR20230023735A (ko) 2020-06-22 2023-02-17 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 트랩 장치 및 반도체 제조장치
DE102022102768A1 (de) 2022-02-07 2023-08-10 Stephan Wege Symmetrischer Prozessreaktor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4948021B2 (ja) 触媒体化学気相成長装置
US20080072822A1 (en) System and method including a particle trap/filter for recirculating a dilution gas
JP4399452B2 (ja) 基板処理装置及び半導体装置の製造方法
TWI567220B (zh) Capture device and film forming device
US8349283B2 (en) Metal recovery method, metal recovery apparatus, gas exhaust system and film forming device using same
JP2007511902A (ja) 薄膜成長用反応装置
TW201000671A (en) Batch type atomic layer deposition apparatus
CN1993172A (zh) 有助于增进气体与汽化材料接触的方法和装置
WO2004034454A1 (ja) 基板処理装置
JP2004305950A (ja) 排気トラップ、排気トラップのクリーニング方法、及び、反応処理装置
JP4111828B2 (ja) 特に結晶層を堆積する方法
US8808453B2 (en) System for abating the simultaneous flow of silane and arsine
EP2082077A2 (en) System and method including a particle trap/filter for recirculating a dilution gas
KR20110041488A (ko) 가스 이송 장치
KR20090125014A (ko) 박막 증착에서 여과 및 가스/증기 혼합 장치
JP2005048208A (ja) 基板処理装置
JP2000087852A (ja) 反応生成物除去機能付き真空装置及びその反応生成物除去方法
KR20120122516A (ko) 수평 흐름 원자층 증착 장치
TW202115277A (zh) 配備冷卻流路的半導體工程反應副產物收集裝置
JP2004327893A (ja) 半導体製造装置用りんトラップ装置
JP2004358407A (ja) 排気系のトラップ構造及び補助トラップ並びに排気系における排気トラップの捕集効率を高める方法
JP2004241412A (ja) 気相成長装置
JP2010067906A (ja) 気化器及びそれを用いた成膜装置
KR20090102482A (ko) 화학 기상 증착 장치
JP2004083973A (ja) 真空処理装置