JP2007039751A - 基板処理システム及びそのトラップ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板を処理する処理室と、前記基板を加熱する加熱手段と、前記処理室に所望のガスを供給する供給系と、前記処理室内雰囲気を排気する排気系と、前記処理室から排気されたガスを固化して捕獲する、前記排気系に設けられたトラップ装置であって、トラップ本体102と、前記トラップ本体102に接続されるインレット部103と、前記トラップ本体102のガス経路部105に設けられるガス流衝突部材(デミスタ107)と、を備え、少なくとも前記インレット部103と前記トラップ本体との接続部周辺のガス経路部105を除いて、前記ガス経路部105内にガス流衝突部材を設ける。
【選択図】 図5
Description
このトラップ装置TRは、未反応成分や残留成分等の回収成分を捕獲するフィルタ壁aと、このフィルタ壁aを収容するトラップ本体(ケーシング)bと、トラップ本体bに処理室内雰囲気を導入するインレット部cと、フィルタ壁aによって浄化した後の浄化ガスを排出させるアウトレット部dとを備えている。
前記フィルタ壁aは、渦巻き状に形成されていてトラップ本体b内で渦巻き状のガス経路部eを形成しており、インレット部cの出口は、ガス経路部eの上流部に連通し、アウトレット部dの導入口(図示せず)は、ガス経路部eの下流部に連通している。
また、前記ガス経路部eには、流れを遮断するための邪魔板(図示せず)が一周毎に配置されていて、この邪魔板による流れの堰きとめにより、処理室内雰囲気がフィルタ壁aを通過するようになっている。
前記トラップ装置TRを、基板処理装置(図示せず)のガス排気管(図示せず)に取り付け、基板処理装置のガス排気管からインレット部cを通じてトラップ本体b内に処理室内雰囲気を導入すると、処理室内雰囲気は、フィルタ壁aに沿ってガス経路部e内を旋回する。そして邪魔板による一周毎の堰きとめにより、フィルタ壁aを通過して下流部に到達する。
このように、従来のトラップ装置TRでは、処理室内雰囲気がフィルタ壁aを複数回通過することによって、処理室内雰囲気中の未反応成分、残留成分等の回収成分が捕集されるので、清浄化されたガスがアウトレット部dから排出される。
なお、フィルタ壁aに付着した未反応成分及び残留成分、すなわち、固形分は、所定のメンテナンス周期毎に、回収される。
そこで、処理室内雰囲気中の未反応成分、残留成分等の回収成分がフィルタに捕獲されるメカニズムを検討すると、まず、フィルタ壁全面に回収成分による核が形成され、核同士の成長による連結により回収成分の捕獲が進んでいくことが分かった。また、核の形成及び核の成長はガス通路の圧力が高くなると容易になることも分かった。
従って、従来のトラップ装置のフィルタ壁でフィルタ壁の捕獲性能を向上するには、インレット部からガス通路に導入する処理室内雰囲気の圧力を上げて核ができやすく且つ核が成長しやすい環境とする必要がある。
そこで、金属素線のウール又は網状部材からなるガス流衝突部材をガス経路部に設置した新規なトラップ装置を試作し、ガス流衝突部材にインレット部より導入する処理室内雰囲気流を衝突させることにより減速し、減速により圧力を上昇乃至回復させると、ガス経路部内の環境が前記したような核が形成されやすく、又、核が成長しやすい環境となり得るかどうかを確認することとした。
図7は係るトラップ装置TRを示す。トラップ装置TRのガス経路部eには、インレット部cよりガス経路部eの上流端から下流端に及んで金属素線の網状部材からなるガス流衝突部材fを配置した。
このトラップ装置TRを基板処理装置(図示せず)の排気管に介挿すると、ガス流衝突部材fの金属素線の表面、隣接する金属素線間に未反応成分、残留成分等の回収成分が付着し、フィルタ壁aを覆うように成長した。また、回収成分の単位時間あたりの付着量(捕獲量)は、ガス流衝突部材を設けなかった場合と比較して大幅に向上したが、インレット部cの内面にも基板処理室内雰囲気中の未反応成分、残留成分等の回収成分が堆積してしまい、長期間の運転後には、インレット部cが残留成分等の回収成分で閉塞されてしまうという不具合が発生した。
つまり、ガス流衝突部材fを設けない場合は、図8に示すように、ガス経路部eの流れは、乱れのない層流の状態となるが、図7に示したように、インレット部cの出口付近にまでガス流衝突部材fが進出している場合には、ガス経路部eの背圧の増加や乱れの影響がインレット部内に及ぼしてしまいインレット部c内が残留成分等の回収成分が付着し成長しやすい環境となっていたものと考えられる。
そこで、ガス経路部の捕獲性能を実質的に向上し且つインレット部での詰まりをなくすために解決すべき技術的課題が生じるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
このようにすると、ガス流衝突部材に処理室内雰囲気流が衝突し減衰される結果、ガス経路部内の圧力が上昇乃至回復し、ガス経路部内の環境が、処理室内雰囲気中の残留成分等の回収成分の核ができやすく、核が成長しやすい環境となる。ガス流衝突部材の表面、フィルタ壁の表面に、未反応成分及び残留成分等の固形分の核が形成されると、形成された核の周りに固形分が付着して成長するので、従来よりも回収成分の捕獲量が増大する。また、前記ガス流衝突部材は、インレット部内で反応成分及び残留成分の付着し成長することがないように、少なくともインレット部とトラップ本体との接続周辺に存在することがないように、インレット部とトラップ本体との接続周辺を除くガス経路部内に設けられているので、インレット部の内面への残留成分等の回収成分の付着、成長が防止される。
加熱手段であるヒータ207の内側に、基板であるウエハ200を処理する反応容器として反応管203が設けられ、この反応管203の下端開口は蓋体であるシールキャップ219により気密部材であるOリング220を介して気密に閉塞され、少なくとも、このヒータ207、反応管203、及びシールキャップ219により基板処理室である処理室201を形成している。シールキャップ219には石英キャップ218を介して基板保持手段であるボート217が立設され、前記石英キャップ218はボート217を保持する保持体となっている。そして、ボート217は処理室201に挿入される。ボート217にはバッチ処理される複数のウエハ200が水平姿勢で管軸方向に多段に積載される。前記ヒータ207は処理室201に挿入されたウエハ200を所定の温度に加熱する。
ステップ1では、プラズマ励起の必要なNH3ガスと、プラズマ励起の必要のないDCSガスとを併行して流す。まず第1のガス供給管232aに設けた第1のバルブ243a、及びガス排気管231に設けた第4のバルブ243dを共に開けて、第1のガス供給管232aから第1のマスフローコントローラ241aにより流量調整されたNH3ガスをノズル233の第2のガス供給孔248bからバッファ室237へ噴出し、第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270間に高周波電源273から整合器272を介して高周波電力を印加してNH3をプラズマ:励起し、活性種として処理室201に供給しながらガス排気管231から排気する。
NH3ガスをプラズマ励起することにより活性種として流すときは、第4のバルブ243dを適正に調整して処理室201内圧力を10〜100Paとする。第1のマスフローコントローラ241aで制御するNH3の供給流量は1000〜10000sccmである。NH3をプラズマ励起することにより得られた活性種にウエハ200を晒す時間は2〜120秒間である。このときのヒータ207の温度はウエハ200が300〜600℃になるよう設定してある。NH3は反応温度が高いため、上記ウエハ温度では反応しないので、プラズマ励起することにより活性種としてから流すようにしており、このためウエハ温度は設定した低い温度範囲のままで行える。
ステップ2では、第1のガス供給管232aの第1のバルブ243aを閉めて、NH3の供給を止めるが、引続きガス溜め247へ供給を継続する。ガス溜め247に所定圧、所定量のDCSが溜まったら上流側の第2のバルブ243bも閉めて、ガス溜め247にDCSを閉じ込めておく。また、ガス排気管231の第4のバルブ243dは開いたままにし真空ポンプ246により、処理室201を20Pa以下に排気し、残留NH3を処理室201から排除する。また、この時にはN2等の不活性ガスを処理室201に供給すると、更に残留NH3を排除する効果が高まる。
ガス溜め247内には、圧力が20000Pa以上になるようにDCSを溜める。また、ガス溜め247と処理室201との間のコンダクタンスが1.5×10−3m3/s以上になるように装置を構成する。また、反応管203の容積とこれに対する必要なガス溜め247の容積との比として考えると、反応管203の容積が100l(リットル)の場合においては、100〜300ccであることが好ましく、容積比としてはガス溜め247は反応室容積の1/1000〜3/1000倍とすることが好ましい。
ステップ3では、処理室201の排気が終わったらガス排気管231の第4のバルブ243dを閉じて排気を止める。第2のガス供給管232bの下流側の第3のバルブ243cを開く。これによりガス溜め247に溜められたDCSが処理室201に一気に供給される。このときガス排気管231の第4のバルブ243dが閉じられているので、処理室201内の圧力は急激に上昇して約931Pa(7Torr)まで昇圧される。DCSを供給するための時間は2〜4秒設定し、その後上昇した圧力雰囲気中に晒す時間を2〜4秒に設定し、合計6秒とした。このときのウエハ温度はNH3の供給時と同じく、300〜600℃である。DCSの供給により、下地膜上のNH3とDCSとが表面反応して、ウエハ200上にSiN膜が成膜される。成膜後、第3のバルブ243cを閉じ、第4のバルブ243dを開けて処理室201を真空排気し、残留するDCSの成膜に寄与した後のガスを排除する。また、この時にはN2等の不活性ガスを処理室201に供給すると、更に残留するDCSの成膜に寄与した後のガスを処理室201から排除する効果が高まる。また第2のバルブ243bを開いてガス溜め247へのDCSの供給を開始する。
前記ボート217は、ボートエレベータ36に設置され、ボートエレベータ36の昇降機構(図示せず)によるボート217の上昇によって反応管203内部に装填される。ボート217の反応管203内への挿入後は、ボート217下部のボートエレベータ36に付属する台座をかねたシールキャップ219が反応管203に気密部材であるOリング220を介して密着するので気密性が保持される。
ガス排気管231には、真空ポンプ246(図3参照)より上流側に本実施形態にかかるトラップ装置100が設けられ、下流側に、除害装置40が設けられる。
この状態を保持しながら反応管203内に一定流量のCVD用の反応性ガスを供給し、反応管203内の圧力を一定の圧力に保持する。このとき、反応管203及び内部のウエハ200は、前記ヒータ207によって所定温度に保持される。
反応管203内の温度を、例えば、750℃に保持し、反応管203内の圧力を、例えば、1Torrに保持しながら、前記したように、SiH2Cl2(ジクロロシラン)とNH3(アンモニア)とを交互に供給するとウエハ200の表面にSiNx膜(窒化膜)が形成される。
トラップ装置100には、前記反応管内雰囲気から未反応成分、残留成分等の回収成分を捕獲するフィルタ壁101と、このフィルタ壁101を収容するトラップ本体(ケーシング)102と、トラップ本体102内に前記ガス排気管231から反応管内雰囲気(基板処理室内雰囲気)を導入するためのインレット部103と、未反応成分、残留成分等の回収成分を捕獲した後の反応管内雰囲気を前記ガス排気管231に排気するためのアウトレット部108(図5参照)とが備えられる。
前記トラップ本体102は、両端部が閉塞された円筒状に形成され、フィルタ壁101はトラップ本体102に内蔵されている。前記フィルタ壁101は、図4には詳細に示されていないが、フィルタで構成されており、渦巻き状に成形された後に、トラップ本体102に内蔵される。
渦巻き状のフィルタ壁101をトラップ本体102内に内蔵すると、トラップ本体102内には、処理室内雰囲気から未反応成分、残留成分を層状の固体分として捕獲するためのガス経絡部が105形成される。なお、図4には示されていないが、ガス経路部105には、一周毎に邪魔板が配置されていて、邪魔板がガスの流れを一周毎に遮断し、全体として渦巻き状の流れを形成するようになっている。そして、トラップ本体102には厚み方向に貫通する連絡路106が設けられ、インレット部103は、その出口部を連絡路106に挿入した状態でトラップ本体102に溶接によって気密に固着される。また、前記アウトレット部108はガス経路部105の下流部に連通しており、トラップ本体102の端部壁を内側から外側に貫通して外部に所定長さ延びている。
従って、デミスタ107を設置する範囲は、インレット部103の出口端を基準に円周角で45°〜90°の範囲に決定する。
デミスタ107の設置範囲を円周角で45°未満とすると、副生成物を含んだ排気ガスがデミスタ107に衝突した際、インレット部103出口に戻され、インレット部103出口端に堆積する。この堆積物が核となり、急速に詰まりを発生させるという不都合があり、90°を超えると、吸収帯である渦の面積が減少するため、捕集能力が減少し、2次側配管に副生成物が付着する不都合がある。
このように、ガス流衝突部材として、金属素線の網状板から成るデミスタ107を用いると、インレット部103から導入される処理室内雰囲気流の減衰が可能となり、ガス経路部105内の圧力を上昇させることによって、回収成分による核の形成と、成長とを助長することが可能となる。なお、デミスタ107には、金属素線を束ねて板状とした粗目のウールを採用しても構わない。
また、フィルタ壁101の表面に毛羽立ちや凹凸による突起又は植毛を設けてガス流衝突部材としてもよい。また、フィルタ壁101を蛇腹状に形成し、半径方向に沿って突出する部分をガス流衝突部材としてもよい。さらに、ガス経路部105の流路断面を上流側から下流側に向かって段階的に狭くすることによってフィルタ壁101の表面にガス流衝突部材を形成してもよい。このようにすると、処理室内雰囲気流がガス流衝突部材と衝突して減衰され、ガス経路部105の圧力が回復するので、デミスタ107と同様に処理室内雰囲気中の回収成分に対するガス経路部105全体の捕獲量が増大するとともに、インレット部103の内面への回収成分の付着が防止される。
さらに、ガス経路部105のフィルタ壁101による捕集能力を増加させるため、少なくともインレット部103と前記トラップ本体102との接続部周辺のガス経路部105を除くガス経路部105の流路断面を上流側で広く上流側から下流側に向かって順次狭くすることによってフィルタ壁101全体をガス流衝突部材とし、フィルタ壁101への衝突と、管路抵抗の増加によって回収成分に対する捕獲性能を向上するようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、付着物としては、不活性ガスによって反応管203から排気されたNH3の未反応分(残留分)と、反応管203から排気されたDCS(SiH2Cl2、ジクロルシラン)の未反応分(残留分)とが該当する。
トラップ装置100によって浄化した後の反応室内雰囲気は、真空ポンプ246を通過した後、ガス排気管231の集合部45を経て除害装置40に導入され、ここで、最終の浄化処理を受けて清浄な排気として大気に開放される。
従って、本実施形態のトラップ装置100によればインレット部103の詰まりが防止され、所定のメンテナンス周期でのメンテナンスが可能となる。また、トラップ装置100による残留ガス等の固形分の捕獲効率が上がり、トラップ装置100から排気される処理室内雰囲気中の残留成分等の固形分含有率が大幅に低下しているので、下流の除害装置40の三方弁等の弁類への固形分の付着を防止することができる。このため除害装置40のメンテナンス周期を大幅に延長することができる。
さらに、本発明にかかるトラップ装置100は、排気ガスから微粒子状の成分を捕獲して浄化する他の処理装置への適用が可能である。
このように、本発明は、種々の改変が可能であり、本発明はこの改変された発明に及ぶことは当然である。
101 フィルタ壁
102 トラップ本体
103 インレット部
105 ガス経路部
106 連絡路
107 デミスタ(ガス流衝突部材)
Claims (2)
- 基板を処理する処理室と、
前記基板を加熱する加熱手段と、
前記処理室に所望のガスを供給する供給系と、
前記処理室内雰囲気を排気する排気系と、
前記処理室から排気されたガスを固化して捕獲する、前記排気系に設けられたトラップ装置であって、
トラップ本体と、前記トラップ本体に接続されるインレット部と、前記トラップ本体のガス経路部に設けられるガス流衝突部材と、を備え、
少なくとも前記インレット部と前記トラップ本体との接続部周辺のガス経路部を除いて、前記ガス経路部内に前記ガス流衝突部材を設ける
ことを特徴とする基板処理システム。 - 基板を処理する処理室に連通する排気系から排気されたガスを固化して捕獲するトラップ装置であって、
トラップ本体と、前記トラップ本体に接続されるインレット部と、前記トラップ本体のガス経路部に設けられるガス流衝突部材と、を備え、
少なくとも前記インレット部と前記トラップ本体との接続部周辺のガス経路部を除いて、前記ガス経路部内にガス流衝突部材を設ける
ことを特徴とする基板処理システムのトラップ装置。
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