JP2001149723A - フィルターユニット及びフィルター - Google Patents
フィルターユニット及びフィルターInfo
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Abstract
排気ガス中の反応生成物等の夾雑物、その他ミストやダ
ストを含めた微粒子を長期間除去できるようにすること
で、それ自体及びこれに後続する除害設備の負荷を軽減
させるフィルターユニットを提供する。 【解決手段】 被処理ガスがフィルターユニット内を1
回転以上渦巻状に進行する流路5−1,5−2を形成す
るようにガス不透過性の隔壁2−1,2−2,2−3が
設けられている。流路5−1,5−2を形成する隔壁2
−1,2−2,2−3の少なくとも片側の面に、フィル
ター部材3−1,3−2,3−3が流路5−1,5−2
を閉塞しないように積層されている。 【効果】 このフィルターユニットを半導体製造プロセ
スなどの排気ガスのラインに組み込むことで除害設備の
負荷が軽減でき、掃除回数や設備寿命を大幅に改善でき
ると共に、排気ガスの種類によっては除害設備そのもの
を省略することも可能となる。
Description
スなどにおいて排出される排気ガスの除害設備の前処理
となる、微粒子の除去ユニットに関する。さらに詳しく
は、半導体製造プロセスの中で特にChemical
Vapor Deposition形式(以下、CVD
と略する)と呼ばれる工程に適する除去ユニットであ
り、排出される排気ガス中に、反応生成物等の夾雑物、
その他ミストやダストを含めた微粒子の量が非常に多い
場合にでも長期間除去できるようにすることで、除去ユ
ニット自体及びこれに後続する除害設備の負荷を軽減さ
せるフィルターユニット及びこれを用いたフィルターに
関する。
法、アルミ等の金属エッチング法、CVD法といった方
式があるが、いずれの場合においてもフッ化水素酸、シ
ランガス、テトラエトキシシラン(以下、TEOSと略
する)、アンモニア等の有害なガスに、反応生成物等の
夾雑物、その他ミストやダストといった微粒子が混在し
た排気ガスが発生し、かかる微粒子を除去するための除
害設備を備えているのが一般的である。
交換樹脂やゼオライトといった吸着材に吸着させたり、
水スクラバーにより水に吸着させたり、バーナーによる
燃焼で分解する等の処理をするものがある。しかし、排
気ガス中に微粒子が混在すると、吸着材による除害設備
では、単位面積当りの圧力損失が大きくなる欠点が、水
スクラバーによる除害設備では、吸着液がヘドロ状とな
りそのヘドロ処理が必要となる欠点が、燃焼による除害
設備では、バーナーのノズルが詰まったり、燃焼室が汚
れたりする欠点があった。そのため、除害設備を定期掃
除したり、負荷が多い設備は定期的に交換する必要があ
った。特にCVD法では半導体製造プロセスからの排気
ガス中の微粒子量が多いため、掃除頻度が高く設備寿命
が非常に短期になる欠点があった。
方法として特開平7−256022号公報において真空
排ガスフィルターシステムを提案しているが、CVD法
における半導体製造プロセスでは3日〜3週間程度で該
システムのフィルター部材が閉塞する欠点が未だ存在す
るということを新たに見出し、排気ガス中の微粒子量が
多い場合にも適用できるフィルターユニットを開発する
ことを課題とした。
した課題を解消し、半導体製造プロセスなどの排気ガス
中の微粒子量が多い場合でも長期間連続的に除去するこ
とで、除害設備のメンテナンスを容易にし、使用者にお
ける経費を少なくできるフィルターユニット及びこれを
用いたフィルターを提供することにある。
フィルターユニット及びフィルターによって、より高度
に達成される。
フィルターユニットであって、該被処理ガスが該フィル
ターユニット内を1回転以上渦巻状に進行する流路を形
成するようにガス不透過性の隔壁が設けられ、該流路を
形成する隔壁の少なくとも片側の面にフィルター部材が
該流路を閉塞しないように積層されたフィルターユニッ
ト。
mol/gのイオン性基を有する繊維を加工した、密度
が0.005〜0.4g/cm3 である不織布でなるこ
とを特徴とする、上記(1)のフィルターユニット。
段を有することを特徴とする、上記(1)又は(2)の
フィルターユニット。
と、該フィルターユニットを進行した被処理ガスが円筒
状フィルター部材の外周から該部材の中空路に進行する
ように、上記(1)記載のフィルターユニットと連結さ
れた第2のフィルターユニットとを有するフィルター。
/又は上記(4)の円筒状フィルター部材が、0.1〜
8mmol/gのイオン性基を有する繊維を加工した、
密度が0.005〜0.4g/cm3 である不織布でな
ることを特徴とする、上記(4)のフィルター。
及び/又は上記(4)の第2のフィルターユニットが、
冷媒を保持あるいは循環できる手段を有することを特徴
とする、上記(4)又は(5)のフィルター。
ト及びフィルターを図面に基づいて詳述する。本発明の
フィルターユニットにおいては、排気ガスなどの処理さ
れるガスが、フィルター部材に沿って触れながら流路を
1回転以上渦巻状に進行することがポイントである。
り、本発明を原理的に達するフィルターユニットの例1
(以下、渦巻状フィルターユニットとも言う)の斜視図
である。渦巻状フィルターユニットは、ガス不透過性の
下部底と上部蓋を有しているが、図1では上部蓋が取り
外された状態を示している。
側面で手前に突き出しているのは、被処理ガスがケーシ
ング内に流入するガス流入孔1である。円筒状のケーシ
ングは、ガス不透過性の第1の隔壁2−1をなし、該隔
壁2−1内には、該隔壁2−1へのガス流入孔1の開孔
近傍であって、ガスの流入を妨げない位置に、該隔壁2
−1の内壁全高にわたる第1のガス遮蔽板4−1が該隔
壁2−1の内壁に接して設けられている。該隔壁2−1
の内壁面には、該内壁の全高にわたり、ガス流入孔1の
開孔に対して反時計廻りに少し離れた位置から該ガス遮
蔽板4−1に接するまで延びる第1のフィルター部材3
−1が積層されている。
りも直径が小さく、該隔壁2−1と同高の第2の隔壁2
−2が設けられ、該隔壁2−2の外壁が第1のガス遮蔽
板4−1に接している。これによって第1の渦巻ゾーン
5−1という被処理ガスの流路が形成され、本図であれ
ば右下のガス流入孔1から第1の隔壁2−1内に圧入さ
れ、あるいは後述する排出流路8からの吸引により該隔
壁2−1内に送入された(以下、圧入及び送入を総称し
て導入ともいう)被処理ガスが、一旦上下に広がり次い
で左廻り(矢印方向)に第1のフィルター部材3−1に
沿って旋回し、第1のガス遮蔽板4−1により行先を止
められることになる。
なるところは、第1のガス遮蔽板4−1との接続部近傍
であって、該ガス遮蔽板4−1よりも時計廻り側(図1
では左側)に、縦長の窓が穿たれている点である。該窓
は第1の渦巻ゾーン5−1から第2の隔壁2−2内への
被処理ガスの流入を担う第2のガス流入孔6である。第
1の隔壁2−1と同様に、第2の隔壁2−2内には、第
2のガス流入孔6の開孔近傍であって、ガスの流入を妨
げない位置に、該隔壁2−2の内壁全高にわたる第2の
ガス遮蔽板4−2が該隔壁2−2の内壁に接して設けら
れている。また、第2の隔壁2−2の内壁面には、該内
壁の全高にわたり、第2のガス流入孔6の開孔に対して
反時計廻りに少し離れた位置から該ガス遮蔽板4−2に
接するまで延びる第2のフィルター部材3−2が積層さ
れている。
−2内には、該隔壁2−2よりも直径が小さく、該隔壁
2−2と同高の第3の隔壁2−3が設けられ、該隔壁2
−3の外壁が第2のガス遮蔽板4−2に接している。こ
れによって第2の渦巻ゾーン5−2という被処理ガスの
流路が形成される。導入された被処理ガスは、第2のガ
ス流入孔6から第2の渦巻ゾーン5−2内を左廻りに第
2のフィルター部材3−2に沿って旋回し、第2のガス
遮蔽板4−2に突き当たる。
4−2との接続部近傍であって、該ガス遮蔽板4−2よ
りも時計廻り側(図1では左側)に、第3のガス流入孔
7が穿たれている。また、該隔壁2−3の内壁面には、
該ガス流入孔7からのガスの流入を妨げない範囲で、第
3のフィルター部材3−3が積層されている。
される空隙は、第1及び第2の渦巻ゾーン5−1,5−
2とは異なり、ガス流の旋回を促す構造となっていない
ので、ガスの旋回は期待し難い。従って、該空隙は図中
矢印の方向の次工程に被処理ガスを排出する排出流路8
であり、第3の隔壁2−3はガス排出の役目を果たす
「排出管」とも言うべきものであり、第3のフィルター
部材3−3はなくてもよい。
を取り外した状態を示しているが、第3の隔壁(又は排
出管)2−3が上部蓋に開孔していることは言うまでも
ない。また、上記では第3の隔壁2−3を第2の隔壁2
−2と同高と説明したが、排出管とも言うべき第3の隔
壁2−3についてのみ必ずしも同高である必要はなく、
上部蓋より突き出す高さがあってもよい。尚、上部蓋の
下面と各々の隔壁及びガス遮蔽板の上端面との間は、適
宜の充填材やパッキング、接着剤等で被処理ガスがフィ
ルターユニット系外にリークしない程度にシールされて
いることも当然であろう。
応として、本図の場合であれば第1の隔壁2−1の外周
に、冷却用ジャケット(図示せず)を併設することもで
きる。冷却用ジャケットは、フィルターユニットを冷却
する目的の冷媒を保持あるいは循環できる装置であり、
公知のものが用いられ得る。冷媒としては特に制限され
ないが、水が好ましく用いられる。
の流れは、以下のようになる。即ち反応生成物等の夾雑
物、その他ミストやダストを含めた微粒子を含有する排
気ガスは、ガス流入孔1を経由して第1の隔壁2−1内
に導入される。該ガスは、第1の渦巻ゾーン5−1に入
り左廻りの旋回流となって第1のフィルター部材3−1
に触れながら1回転し、第2のガス流入孔6を経て再び
第2の渦巻ゾーン5−2で左廻りの旋回を0.8回転行
なう。さらに、第3のガス流入孔7を経て排出流路8よ
り系外に排出され、後続する除害設備に導かれる。
ニット単独の他に、特に微粒子径が細かく渦巻状フィル
ターユニット単独では十分に除去できない場合には、渦
巻状フィルターユニットの後に、被処理ガスが円筒状フ
ィルター部材の外周から中央路に進行するようにした第
2のフィルターユニットを組み合わせたフィルターを準
備してもよい。この場合は、上述した例1の渦巻状フィ
ルターユニットの排出流路8から排出される被処理ガス
が円柱状フィルターユニットを経た後に、除害設備に導
かれることになる。
から中央路に進行する第2のフィルターユニットの一例
を説明する。図2は、円柱状フィルターユニットの縦断
面図であり、円筒状フィルター部材11を収容した円柱
状フィルターユニットのガス流入孔9と排出流路13を
通る仮想垂直面で切断したときの縦断面図である。図中
の左下で突き出しているのは、被処理ガスのガス流入孔
9であり、前述により理解されるように、渦巻状フィル
ターユニットの排出流路8と連結される。円柱状フィル
ターユニットのガス流入孔9と渦巻状フィルターユニッ
トの排出流路8との連結には、フレキシブルチューブ、
直結排管などが用いられる。
円筒状フィルター部材11を収容しており、容器10の
天板及び底板とフィルター部材11の上端面及び下端面
とは、各々適宜に密着されている。
状であるので、中央部に空間を有するがこれを本発明で
は中央路12と言い、これの上部開孔は本円柱状フィル
ターユニットの排出流路13と連通していることは当然
であり、排出流路13は次いで除害設備(図示せず)に
向かうことも明らかであろう。尚、容器10には外套と
して、もしくは場合によっては容器内側に(いずれも図
示せず)、前述の冷却用ジャケットを併設しうることは
言うまでもない。
は、ガス流入孔9より入ってフィルター部材11の周囲
を囲繞した後、白抜きの矢印で示すようにフィルター部
材11の内部を進み中央路12に集まって矢印の如く排
出流路13に向かう。
実施態様を示す横断面図であり、ガス流入孔を通る仮想
水平面で渦巻状フィルターユニットを切断したときの横
断面図である。この渦巻状フィルターユニットの例2
は、図1の例1と外形が近似した上部蓋、下部底を有す
る円柱状である。
ガス流入孔1である。図1の例1では同心円状の複数の
隔壁が用いられているが、図3の例2では正に隔壁が渦
巻状をなしており、この例2では特にフィルター部材の
支持壁材14と称する。湾曲した支持壁材14の内壁面
には、フィルター部材3が積層され、流路としての渦巻
ゾーン5が形成されている。
で、図1の例1における第1のガス遮蔽板及び第2のガ
ス流入孔にそれぞれ相当する第1のガス遮蔽板4−1及
び第2のガス流入孔6が、唯一中央部にあるだけであ
る。ガス流入孔6を有し、ガス遮蔽板4−1を介して支
持壁材14の末端と接続している最中央部の部材は、図
1の例1における第3の隔壁2−3と同様に、排出管2
−3である。本例の場合、渦巻ゾーン5はガス遮蔽板4
−1で唯一回止められているだけなので単数である。排
出管2−3が除害設備に導かれること、あるいは前述の
冷却用ジャケットを併設しうることなども例1と同様で
ある。
は5回転であり、図1の例1の場合は1.8回転であ
る。尚、本発明でいう回転とは、フィルターユニットの
ガス流入孔を含む水平面での横断面において、排出管の
中心とガス流入孔の本ユニットへの開孔部を結ぶ仮想の
直線(例えば図3ではこれを点線で示している)を基準
とし、ガス流入孔の開孔部から排出管までの流路の回転
回数を表す。本発明では1回転以上、好ましくは1.5
〜10回転が推奨される。この回転回数は、半導体製造
プロセスなどからの排気ガスの種類、風量、微粒子の量
及び粒子径等の要因を考慮し、適宜設定される。1回転
未満では、排気ガス中の微粒子除去効率が不十分となり
好ましくない。また10回転を超えると装置作成の手間
が増え高価となるので好ましくない。
ルターユニットに用いられるフィルター部材は、排気ガ
スが概して高温であるので耐熱性や耐薬品性に優れた繊
維素材でなり、排気ガスがこれに触れて進行する過程で
反応生成物等の夾雑物、その他ミストやダストを含めた
微粒子を捕捉する。かかる要求を満足する繊維素材から
なるフィルター部材であれば、その形態は問わないが、
製造が容易であるなどの点から不織布が好ましい。特に
推奨されるのは、0.1〜8mmol/gのイオン性基
を有する繊維を加工した、密度が0.005〜0.4g
/cm3 である不織布でなるフィルター部材である。
中において電離し陰イオン又は陽イオンとなる性質を有
する基であり、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸
基などのアニオン性基、アミノ基、二級アミノ基、三級
アミノ基、四級アンモニウム基などのカチオン性基があ
る。
するものではないが、例えばカルボキシル基を持つ繊維
(市販されているものとして東洋紡績 (株) 製ランシー
ル、鐘紡 (株) 製ベルオアシス)、カルボキシル基とア
ミド基を持つ繊維(市販されているものとして東洋紡績
(株) 製モイスケア)、アミノ基を持つ繊維(市販され
ているものとして東洋紡績 (株) 製N−63)が例示で
きる。上記のカルボキシル基には、−COOXで表され
る塩型のカルボキシル基が含まれ、XとしてはLi,N
a,K等のアルカリ金属、Be,Mg,Ca,Ba等の
アルカリ土類金属、Cu,Zn,Al,Mn,Ag,F
e,Co,Ni等の他の金属、NH4 ,陽性のアミン等
の有機の陽イオンを挙げることができる。
ては、特公昭62−62181号公報や特開平6−65
810号公報などに、カルボキシル基とアミド基を持つ
繊維の製造法については、特開平5−132858号公
報などに、アミノ基を持つ繊維の製造法については、特
開平9−52913号公報などにそれぞれ記載されてい
る。
るイオン性基の総量は、0.1〜8mmol/gであ
る。イオン性基の総量が0.1mmol/g未満では、
排気ガス中の微粒子除去効率が不十分となり好ましくな
い。また、イオン性基の総量が8mmol/gを超えて
も微粒子除去効率に変化がないことに加え、イオン性基
の総量の高い素材では繊維強度が不十分となり、結果と
してフィルター部材の強度に問題が生じる可能性があり
好ましくない。但し、上記に規定のイオン性基を持たな
い繊維であっても、繊維表層部を活性化処理することで
電荷を持つに至った繊維(市販されているものとしてキ
ュノ (株) 製ゼータプラス)でも、上記に規定のイオン
性基を有する繊維と同様の効果があると考えられる。
たフィルター部材が望ましいが、不織布の加工性を向上
させるため、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨ
ン、アクリル、ナイロン、ポリアミド等の繊維を混合し
ても差し支えない。不織布の加工方法としては、ニード
ルパンチ、ケミカルボンド、サーマルボンド、スパンボ
ンド等の一般的な不織布加工方法を用いて製造すること
ができる。
は、密度が0.005〜0.4g/cm3 である不織布
でなるフィルター部材である。不織布加工されたフィル
ター部材の密度が0.005g/cm3 未満であると、
不織布の加工自体、不織布からフィルター部材への成
型、フィルター部材の組み付けが難しいという問題があ
り、加えてフィルター部材の強度が不足してくるため好
ましくない。また、密度が0.4g/cm3 を超えると
排気ガスがフィルター部材の内部にまで入りづらく、結
果として微粒子捕捉量及び除去効率が低下する欠点を生
ずる。尚、フィルター部材の外側(隔壁に対して反対側
の流路側)を低密度に、内側(積層する隔壁側)を高密
度にする密度勾配をつけて、フィルター部材全体として
上記範囲の密度とする態様をも本発明は包含する。
ター部材を隔壁に積層させる方法としては、隔壁の内壁
に沿うように平面状のフィルター部材を湾曲させて隔壁
内に挿入し、加熱により又は接着剤を介して接着させる
方法、粘着テープ、マジックテープ(登録商標)などを
介して隔壁の内壁に貼る方法、クリップなどによりフィ
ルター部材と隔壁とを挟んで一体化させる方法、金属ネ
ットなどを案内部材として案内部材と隔壁との間に挿入
して一体化させる方法などがある。フィルター部材が平
面状のものでないときは、繊維に水分を付与した後に加
熱プレスなどで加熱乾燥する方法、熱融着繊維を混綿し
た後に加熱融着する方法などにより平面状に成形する。
但し、フィルター部材の表面積を大きくするために、外
側(隔壁に対して反対側の流路側)にひだ状の加工を施
したり、凹凸を設けたり、溝を形成したりすることは何
ら差支えない。
ト内の渦巻ゾーンのガス流路面積が、該ユニットへの排
気ガス流入孔の配管面積よりも小さくならない限り特に
限定されない。即ち、渦巻状フィルターユニットの中央
を通る仮想垂直面で渦巻状フィルターユニットを切断し
たときの渦巻ゾーンの縦断面積が、該ユニットへのガス
流入孔の開孔部の面積よりも小さくならない限り、フィ
ルター部材の厚みは特に限定されない。
合には、渦巻状フィルターユニットでほとんどの粒子を
除去できる。こういった場合には円柱状フィルターユニ
ットを通す必要はない。しかし被処理ガス中にミスト状
の微粒子が含まれ、渦巻状フィルターユニットでは除去
しきれない場合には、渦巻状フィルターユニットを通し
た後、ただちに円柱状フィルターユニットを通すように
した、渦巻状フィルターユニットと円柱状フィルターユ
ニットとを組み合わせたフィルターを用いることが望ま
しいことは既述の通りである。
れる円筒状フィルター部材を加工する方法としては、例
えば特開平7−256022号公報に記載された方法が
ある。具体的には、繊維に水分を付与した後、中空円筒
成形器中に仕込み、60℃の熱風を吹き込んで乾燥する
方法、熱融着繊維を混綿したのち加熱融着する方法、不
織布や糸に成形したのち円柱状又は円筒状の物に巻く方
法などを採用できる。
り、即ち被処理ガスがフィルター部材に沿って触れなが
ら進行する流路が確保される限り、隔壁の少なくとも片
側の面にフィルター部材が積層されていればよい。従っ
て、図1及び図3においては、隔壁の内壁面にのみフィ
ルター部材を積層させた例を示しているが、隔壁の内壁
面のみならず、フィルターユニット内の隔壁の外壁面に
もフィルター部材が積層されていてもよい。また、フィ
ルターユニット内の隔壁の外壁面のみにフィルター部材
を積層させてもよい。但し、被処理ガス中の微粒子は遠
心力によって隔壁の内壁面に衝突するので、少なくとも
隔壁の内壁面にフィルター部材を積層するのが好まし
い。
中の高温で気化している成分が、配管内で冷却されて微
粒子を析出する場合がある。この析出を促進してやると
除去効率が向上する知見を発明者らは経験的に見い出し
た。析出を促進するには、フィルターユニット全体を冷
却することが好ましく、既述した冷却用ジャケットを冷
媒によって冷却すれば良い。冷媒としては水が好まし
い。
状フィルターユニットの容器10は、ガス不透過性であ
ることに加えて、被処理ガスによって腐蝕されにくい材
料で、かつ被処理ガスの温度に耐えられる材料で製作す
るのが望ましい。例えば、ステンレス製の容器、ガラス
ライニング又はテフロンコーティングを施した容器など
が好適に用いられる。また、被処理ガスが漏れないよう
に接続部分にテフロン、ガラス繊維等のシールを施すこ
とが好ましい。
セスなどから排出される排気ガスなどの被処理ガス中の
反応生成物等の夾雑物、その他ミストやダストを含めた
微粒子を迅速に、かつ確実に除去する理由は十分解明す
るに至っていないが、概ね次のように考えられる。即
ち、半導体製造プロセスなどから排出される被処理ガス
の温度低下によって、ミスト状やダスト状の微粒子が析
出する。図1に示す渦巻状フィルターユニットでは、析
出した微粒子が遠心力によってフィルター部材に衝突す
る。衝突した微粒子は、フィルター部材に付着するか落
下してフィルター部材の底部に貯まることで捕集され
る。
基を持つ繊維は排気ガス中のミストやダストの凝集を促
進する作用が確認されており、微粒子の除去効率の向上
に寄与していると考えられる。大きな粒子が多い場合だ
と渦巻状フィルターユニットのみで高い除去効率を示す
が、ミスト状の微粒子が含まれると渦巻状フィルターユ
ニットだけでは除去しきれず、さらに円柱状フィルター
ユニットを通すのが望ましい場合がある。所定総量のイ
オン性基を有する繊維でなる円筒状フィルター部材で
は、イオン性基を持つ繊維の作用で凝集がさらに進み、
フィルター部材に微粒子が付着して除去される。
本発明の範囲はこれらにのみ限定されるものではない。
以下に特性値の評価方法等を述べる。
約0.5gを精秤(Xg)し、これに0.1mol/L
水酸化ナトリウム水溶液70mlを加え30分間放置し
た後にガラスフィルターでろ過し、約50mlのイオン
交換水で洗浄する。洗浄液もろ液と混合し、フェノール
フタレインで呈色させた色が消失するまで、0.1mo
l/Lの塩酸水溶液で滴定(Yml)し、下記の式1に
より算出した。
−0.1Y/X
まで乾燥し、平らな面に不織布を置き、10cm角で5
00gの金属板を不織布に静かにのせて厚みを測定する
(Zcm)。また、不織布の質量を測定(Wg)して、
下記の式2により算出した。
れた円筒状フィルター部材の直径、内径、高さを測定
し、体積を算出する(Tcm3 )。また、恒量まで乾燥
した質量を測定(Sg)し、下記の式3により算出し
た。
ター部材を除く)の製作 表1に示す回転回数を持つフィルターユニットI〜Vを
製作した。ユニット番号Iは、図3に示す渦巻状に隔壁
が設けられた態様において、渦巻の回転数が1回転のも
のである。具体的には、隔壁の高さが52cm、隔壁間
の距離が75mm、ガス流入孔1の内径が50mm、ガ
ス流入孔1の位置が隔壁の下端から10cm、ガス流入
孔6の大きさが高さ52mm、内径55mmである。
隔壁が設けられた態様を具現化したものである。具体的
には各隔壁の高さが26cm、第1の隔壁2−1の内径
が260mm、第2の隔壁2−2の内径が160mm、
第3の隔壁2−3の内径が55mm、隔壁間の距離が5
0mm、ガス流入孔1の内径が40mm、第2のガス流
入孔6の大きさが70mm×200mm、第3のガス流
入孔7の大きさが50mm×200mm、ガス流入孔1
の位置が隔壁の下端から10cmである。
様に渦巻状に隔壁が設けられたものであるが、渦巻の回
転数が5回転である点で異なる。具体的には、隔壁間の
距離がユニット番号Iよりも短く、30mmである点で
異なる。
に渦巻状に隔壁が設けられたものであるが、渦巻の回転
数が10回転である点で異なる。具体的には、隔壁間の
距離がユニット番号Iよりも短く、15mmである点で
異なる。
の隔壁2−1だけを用いたものであり、円筒状容器に被
処理ガスの流入孔1と排出流路8を備えるだけを意味す
る。従って、ユニット番号Vは被処理ガスに旋回を与え
る機能がない。
壁の内側面に積層するための金属ネットが底面で固定さ
れて設けられている。この金属ネットをガイドとして、
このガイドよりも外側の隔壁とガイドとの間に不織布を
挿入する。いずれのフィルターユニットにおいても、金
属ネットとこの金属ネットよりも外側にある隔壁の内側
面との間隔が5mmとなるように金属ネットを設けた。
ユニット番号IIの第1の隔壁は材質SUS316製であ
り、第1の隔壁2−1の外周面に沿って冷却用ジャケッ
トが併設されている。その他は透明アクリル樹脂で製作
した。
られるフィルター部材用不織布の製作 表2に示す構成の綿をブレンドし、カード掛けし、さら
にニードルパンチ法によって不織布1〜10を製作し
た。
す。 LS:東洋紡績 (株) 製超吸水性繊維ランシールF
5.6dt×51mm、含有カルボキシル基2.2mm
ol/g MCA:東洋紡績 (株) 製吸放湿性繊維モイスケアN−
38B 4.4dt×50mm/含有カルボキシル基
6.1mmol/g MCB:東洋紡績 (株) 製吸放湿性繊維モイスケアN−
97 5.2dt×42mm/含有カルボキシル基8.
5mmol/g AAF:東洋紡績 (株) 製酸性ガス吸着繊維N−63
3.2dt×57mm/含有アミノ基2.0mmol/
g PP:チッソ (株) 製ポリプロピレン繊維RB013
6.6dt×64mm/イオン性基含有せず HM:東レ (株) 製熱融着性繊維9611 4.4dt
×51mm/イオン性基含有せず
フィルター部材を除く)の製作 図2に示すユニットの容器10を材質SUS316で製
作した。容器の内径は27cm、排出流路13の内径は
5cmであり、ガス流入孔9と排出管13の間でマノメ
ータを取りつけ、該フィルターユニットでの圧力損失を
測定できるようにした。
外径178mm、内径56mm、高さ130mmのドー
ナツ型の型に詰めた。番号Gのフィルター部材は、型の
中に仕切を設け、出来あがり後の円筒状エレメントの内
側が高密度、外側が低密度となるように綿の量を調整し
た。番号A,B,G,Kのフィルター部材は、型に水蒸
気を吹き込み、次いで乾燥することで、それ以外のフィ
ルター部材は型に綿を詰めたまま、120℃の加熱によ
り円筒状フィルター部材A〜Kを成型した。但し、番号
Hのフィルター部材はイオン性基の総量が多いことに起
因して繊維強度が低くなったため、また番号Kのフィル
ター部材は密度が低いことに起因して、それぞれ型から
出した時点で既に形態を保持することができなかった。
状フィルターユニットの製作 表1に示したフィルターユニット内に表2に示した不織
布を設け、上記円柱状フィルターユニット内に表3に示
したフィルター部材を設けた。
ニットとをフレキシブルチューブを用いて連結し、表
4、5に示すフィルターを完成させた。但し、番号10
については渦巻状フィルターユニットのみを用い、番号
11については円筒状フィルターユニットのみを用い
た。
量を予め測定し、その排出流路に電気掃除機(マキタ社
製406型)を接続して、空気流量が0.1Nm3 /m
inになるよう調整する。次いでJIS試験用粉体(J
IS Z8901 3種けい砂粉)をフィルターユニッ
トのガス流入孔より1分間に10gの割合で合計200
0gまで投入する。
ットについてはフィルター部材の圧力損失(mm水柱)
を測定した後、電気掃除機を停止し、フィルターユニッ
トの質量を測定し、実験前後のフィルターユニットの質
量差を捕捉量(g)とし、下記の式4により除去効率
(%)を算出した。またJIS試験用粉体の投入途中に
円柱状フィルターユニットにおけるフィルター部材の圧
力損失が100mm水柱を超えた場合には、円筒状フィ
ルターエレメントが閉塞したとして、それまでに投入し
たJIS試験用粉体の質量を記録し、新たな投入を中止
した。さらに、実験後にフィルターユニットを分解し、
実験前後でのフィルター部材の状態変化を目視で確認し
た。これらの結果は表4,5に示した。
体の投入量(g))×100
き、かつ良好な粒子除去効率を示した。これに対して、
円柱状フィルターユニットのみを用いた番号11では持
続性がなく、回転回数が0のフィルターユニットを用い
た番号12では円筒状フィルター部材への負荷が大きく
持続性に欠ける。番号5との対比において不織布の材料
の異なる番号13〜16では、粒子捕捉量や除去効率が
低くなる傾向にある。また、番号6との対比において円
筒状フィルター部材の材料の異なる番号17及び18に
おいても、粒子捕捉量や除去効率が低くなる傾向にあ
る。
み実験) 半導体製造プロセスのCVDライン(排出ガスの種類は
TEOS)に、不織布番号1のフィルター部材(不織
布)を具備するユニット番号IIの渦巻状フィルターユ
ニットと、番号Dの円筒状フィルター部材を収容した円
柱状フィルターユニットとを連結したものを組み込み、
3週間の運転を行なった。但し、この実施例では、渦巻
状フィルターユニットを水で冷却しなかった。
した結果、渦巻状フィルターユニットは960g、円柱
状フィルターユニットには240gの微粒子が捕捉され
ていた。また、微粒子のリークはほとんど見られなかっ
た。従来のCVDラインには、かかるユニットは装備さ
れていなかったが、これだけ捕捉されるということはそ
のまま後続の工程における除害設備の負荷軽減に寄与す
ることを意味する。さらに、ユニットの排出流路で微粒
子のリークをチェックしたところ、リークがほとんど見
られなかったことから、この運転試験後もユニットを交
換せずにそのまま運転可能と考えられ、3週間以上の連
続稼動が期待できる優れた成績である。
シラン・アンモニア)に、番号Gの円筒状フィルター部
材を収容した円柱状フィルターユニットを組み込み、運
転を開始したが、2週間でフィルター部材が閉塞し運転
できなくなった。しかし、微粒子のリークはほとんどな
く、捕捉量は1600gであった。
ターエレメント(不織布)を具備する番号IIの渦巻状
フィルターユニットと、番号Aの円筒状フィルター部材
を収容した円柱状フィルターユニットとを連結したもの
を組み込み、2ヶ月間の運転を行なった。渦巻状フィル
ターユニットは水で冷却を行なった。
なく、運転終了後に設備を分解して捕捉量を測定した結
果、渦巻状フィルターユニットには10240g、円柱
状フィルターユニットには2560gの微粒子が捕捉さ
れていた。また、微粒子のリークはほとんど見られなか
った。
ーユニット又はフィルターを半導体製造プロセスなどの
排気ガスのラインに組み込むことで除害設備の負荷が軽
減でき、掃除回数や設備寿命を大幅に改善できると共
に、排気ガスの種類によっては除害設備そのものを省略
することも可能となる。
す横断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】被処理ガス中の微粒子を除去するフィルタ
ーユニットであって、該被処理ガスが該フィルターユニ
ット内を1回転以上渦巻状に進行する流路を形成するよ
うにガス不透過性の隔壁が設けられ、該流路を形成する
隔壁の少なくとも片側の面にフィルター部材が該流路を
閉塞しないように積層されたフィルターユニット。 - 【請求項2】フィルター部材が、0.1〜8mmol/
gのイオン性基を有する繊維を加工した、密度が0.0
05〜0.4g/cm3 である不織布でなることを特徴
とする、請求項1記載のフィルターユニット。 - 【請求項3】冷媒を保持あるいは循環できる手段を有す
ることを特徴とする、請求項1又は2記載のフィルター
ユニット。 - 【請求項4】請求項1記載のフィルターユニットと、 該フィルターユニットを進行した被処理ガスが円筒状フ
ィルター部材の外周から該部材の中空路に進行するよう
に、請求項1記載のフィルターユニットと連結された第
2のフィルターユニットとを有するフィルター。 - 【請求項5】請求項1記載のフィルター部材及び/又は
請求項4記載の円筒状フィルター部材が、0.1〜8m
mol/gのイオン性基を有する繊維を加工した、密度
が0.005〜0.4g/cm3 である不織布でなるこ
とを特徴とする、請求項4記載のフィルター。 - 【請求項6】請求項1記載のフィルターユニット及び/
又は請求項4記載の第2のフィルターユニットが、冷媒
を保持あるいは循環できる手段を有することを特徴とす
る、請求項4又は5記載のフィルター。
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