JP5829962B2 - 成膜装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記事情に鑑み、成膜装置の排気管内の付着物の堆積具合を推定する目安を提供し、排気管を掃除すべき時期を的確に判断できるようにすることを目的とする。
前記処理空間を有して、かつ前記処理空間に前記膜の原料を含む成膜ガスを供給する成膜部と、
前記処理空間と吸引手段とを連ねる排気管と、
前記排気管に設けられた開度調節弁と、
前記排気管の内圧を検出する排気圧力計と、
前記処理空間の周辺の雰囲気圧と前記排気圧力計の検出圧力との差圧が一定になるように、前記開度調節弁の開度を調節する弁調節部と、
前記開度調節弁の開度が予め定めた閾値に達したか否かを監視する監視部と、
を備え、前記排気管の内壁の付着物層の厚みが増すにしたがって、前記弁調節部が、前記開度調節弁の開度を小さくすることを特徴とする。
排気管の内壁に付着物が堆積するにしたがって、排気管の流路断面積が狭まることで、排気管内のガス流速が高まる。すると、排気圧力計の検出圧力が低下し、処理空間周辺の雰囲気圧と上記検出圧力との間の差圧が大きくなる。そこで、弁調節部が、上記差圧を一定に維持すべく、開度調節弁の開度を小さくする。したがって、開度調節弁の開度を監視することで、排気管内の付着物の堆積具合を推定できる。ひいては、排気管を掃除すべき時期を的確に判断できる。そして、的確な時期に排気管を掃除することによって、成膜装置の稼働率が低下するのを防止しつつ、排気管が閉塞されて使用済の成膜ガスが周囲に溢れ出るのを防止できる。
前記吸引手段は、前記排気管内のガスを通常運転時は一定の吸引圧で吸引することが好ましい。これによって、使用済みの成膜ガスを安定的に吸引して排気できる。加えて、排気管の内壁への付着物の堆積によって排気管の流路断面積が狭まると、排気管内のガス流速が確実に高まり、雰囲気圧と排気管の検出内圧との間の差圧が確実に大きくなる。したがって、付着物の堆積量と開度調節弁の開度とが確実に相関することになる。この結果、開度調節弁の開度を監視することで、排気管を掃除すべき時期をより的確に判断できる。前記一定の吸引圧は、前記吸引手段の吸引能力や、除害装置が在る場合には該除害装置の除害能力に応じて定めることができる。ここで、「通常運転時」とは、成膜装置が正常に稼働して成膜が行なわれている状態を言い、例えば前記開度調節弁の開度が前記閾値に達しておらず、その他、不具合等の異常が起きていない状態で成膜処理がなされている状態を言う。
これによって、前記排気管内に付着物が掃除すべき程度に堆積したことを報知できる。又は、付着物がそれ以上堆積するのを防止することで、使用済みの成膜ガスが処理空間の周りの雰囲気中に溢れ出すのを確実に回避できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る成膜装置1を示したものである。成膜装置1は、膜の原料を含む成膜ガスを被処理物9に供給して、化学気相成長法によって被処理物9の表面に膜を形成する。膜は、例えば結晶若しくは非晶質のシリコン又はシリコン化合物にて構成されているが、本発明はこれに限られない。原料は、膜の成分に応じて適宜選択され、常温常圧で気体であってもよく、液体又は固体を気化させた気化体であってもよい。被処理物9は、例えば半導体装置、液晶表示装置、太陽電池等の基板であるが、これに限定されるものではない。
成膜装置1の稼働中、筺体内空間2aの内圧を雰囲気圧力計41によって検出するとともに、排気管21の内圧を排気圧力計42によって検出して、これら検出圧力値を弁調節部32に送る。弁調節部32は、これら検出圧力値に基づいて、筺体内空間2aの内圧(処理空間10aの周辺の雰囲気圧)と排気管21の内圧との差圧が上記目標値(一定値)になるように、開度調節弁31の開度を調節する。筺体内空間2aの内圧は、筺体排気路2bからの排気によって大気圧(筺体2の外部の圧力)より少し低くなっている。また、吸引手段4を一定の吸引圧にて駆動する。この吸引圧は、筺体内空間2aの内圧よりも低い。したがって、
(大気圧)>(筺体内空間2aの内圧)>(排気管21の内圧)>(吸引手段4の吸引圧)
となる。よって、成膜部10における使用済みの成膜ガスのほぼ全部及び筺体内空間2aの雰囲気ガスの一部が、排ガスとなって、排気導入路20aから排気管21に吸い込まれる。この排ガスが、排気管21の上流側管部分21a、開度調節弁31、下流側管部分21bを順次通って除害装置5に送られ、除害装置5において除害処理されたうえで外部に排出される。
図5は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態では、排気管理部50の保安動作部として、供給路3aに開閉弁56(ガス供給遮断器)が設けられている。開閉弁56の制御線が監視部51に接続されている。監視部51には、開閉弁56を操作するための駆動回路(図示省略)が設けられている。
例えば、排気管理部50が、警報を示す信号又はデータを、成膜装置1を管理するコンピュータ等の管理装置に出力してもよい。上記コンピュータ等の管理装置が、排気管理部50の機能を有していてもよい。
排気管理部50の保安動作部として、発報器53,54及びガス供給遮断器56に代えて、又はこれらに加えて、装置1の一部又は全体の電源をオフする電源遮断手段や、排気機構30の排気流量を増大させる排気流量制御手段などを設けてもよい。上記電源遮断手段による電源オフによって、成膜ガスの成膜部10への供給が停止されるようにしてもよい。上記排気流量制御手段が、保安動作時に限り、吸引手段4の吸引圧(負圧度)を高くすることで、排気機構30の排気流量を増大させてもよい。
開度調節弁31の開度の閾値として、第1、第2の閾値を設定してもよい。ここで、第1の閾値>第2の閾値とする。そして、開度調節弁31の開度が第1の閾値に達したら、排気管21の交換時期を知らせる予報を行い、第2の閾値に達したら発報や成膜ガス供給停止等の保安動作を行うようにしてもよい。上記予報は、ブザーやランプの作動で行なってもよいし、図示しない成膜装置1のコントロールパネルでの表示で行なってもよい。
本発明の成膜方法は熱CVDに限られない。例えば、膜原料をプラズマによって活性化させて成膜反応を起こさせるプラズマCVDを適用してもよい。
まず、実施例に用いた装置1の構成について述べる。
排気管21の内直径は、上流側及び下流側の管部分21a,21bについて共に80mmであった。
上流側管部分21aの長さは、約700mmであった。
下流側管部分21bの長さは、約700mmであった。
開度調節弁31として、東横化学社製、型番TX−852を用いた。
雰囲気圧力計41として、長野計器社製、型番GC62を用いた。
排気圧力計42として、長野計器社製、型番GC62を用い、これを上流側管部分21aに設置した。
さらに、吸引手段4の吸引圧を計測するために、下流側管部分21bに圧力計(長野計器社製、型番GC62)を設置した。
(a)上流側管部分21a及び下流側管部分21bの何れにおいても付着物層がまったく形成されていない状態
(b)上流側管部分21aには付着物層がまったく形成されておらず、かつ下流側管部分21bの内壁に厚み15mmの付着物層が形成されている状態
(c)上流側管部分21aの内壁に厚み15mmの付着物層が形成されており、かつ下流側管部分21bには付着物層がまったく形成されていない状態
(d)上流側管部分21a及び下流側管部分21bの両方の内壁に厚み15mmの付着物層8形成されている状態
条件(a)の計測結果は、各吸引圧力における開度調節弁31のイニシャル開度(排気管21のコンダクタンスが最大値Cmaxのときの開度)に相当する。
条件(b)及び(c)の計測結果から明らかな通り、同一の吸引圧力下においては、上流側管部分21aが閉塞されるほうが、下流側管部分21bが閉塞されるよりも、開度調節弁31の開度が小さくなった。
さらに、条件(d)の計測結果から明らかな通り、両方の管部分21a,21bが共に閉塞されるほうが、何れか片方の管部分21a又は21bだけが閉塞されるよりも、開度調節弁31の開度が小さくなった。
2 筺体
2a 筺体内空間
2b 筺体排気路
3 原料供給源
3a 供給路
4 吸引手段
5 除害装置
8 付着物層
9 被処理物
10 成膜部
10a 処理空間
11 ディスパージョンヘッド(成膜ヘッド)
12 ヒータ
13 サセプタ
14 ハウジング
15 ノズルプレート
15a 導入凹部
15b 吹出凹部
16 導入路
17 吹出路
20 排気機構
20a 排気導入路
21 排気管
21a 上流側管部分
21b 下流側管部分
22〜26 管体
30 開度調節機構
31 開度調節弁
31a 弁体
31c 軸
32 弁調節部
33 開度検知部
41 雰囲気圧力計
42 排気圧力計
42p プローブ
50 排気管理部
51 監視部
53 ブザー(保安動作部)
54 ランプ(保安動作部)
56 開閉弁(保安動作部)
Claims (4)
- 大気圧近傍の処理空間内で被処理物の表面に膜を形成する成膜装置において、
前記処理空間を有して、かつ前記処理空間に前記膜の原料を含む成膜ガスを供給する成膜部と、
前記処理空間と吸引手段とを連ねる排気管と、
前記排気管に設けられた開度調節弁と、
前記排気管の内圧を計測する排気圧力計と、
前記処理空間の周辺の雰囲気圧と前記排気圧力計の検出圧力との差圧が一定になるように、前記開度調節弁の開度を調節する弁調節部と、
前記開度調節弁の開度が予め定めた閾値に達したか否かを監視する監視部と、
を備え、前記排気管の内壁の付着物層の厚みが増すにしたがって、前記弁調節部が、前記開度調節弁の開度を小さくすることを特徴とする成膜装置。 - 前記吸引手段が、前記排気管内のガスを通常運転時は一定の吸引圧で吸引することを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
- 前記閾値が、前記排気管のコンダクタンスが最大時の70%〜20%程度の範囲内であるときの前記開度に対応することを特徴とする請求項1又は2に記載の成膜装置。
- 前記閾値に達したとき、発報又は前記原料の供給停止を含む保安動作を行なう保安動作部を、前記監視部に接続したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の成膜装置。
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