JP4498865B2 - クリップ - Google Patents
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Description
図22に示すように、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルに立設されたスタッドボルトに、ダッシュサイレンサやカーペット類を重ねて取り付けるクリップXは、端部にベース部1を有し、スタッドボルトに係止する筒状部2と、筒状部2の外側に嵌合し、先端に筒状部2と係合する爪3を有する保持部4と、L字状を呈し、L字の一辺が中央にヒンジ部5を有し、その辺の先端がヒンジ部5を介して保持部4の先端に連設し、L字状の腕部6が取付穴縁にあたり、90°旋回すると同時に保持部4が筒状部2に嵌合してベース部1と旋回した腕部6でダッシュサイレンサやカーペット類を挟み、裏側から筒状部2を押圧することで固定でき筒状部2をスタッドボルトに挿入係止するものである(特許文献1参照)。
また、クリップYにあっては、固定部材同士を保持する機能がないため、これらを重ねて挟持固定することができなかった。
さらに、クリップZを用い、固定部材の挟持固定に適用しても、固定部材の取付穴の穴縁が変形し、クリップZ自体が抜け落ちて役に立たなかった。
また、本発明は、前記凹部が、前記ピンの挿入方向に間隔をあけて複数設けられていることが好ましい。
また、本発明は、前記突部が前記ピンの挿入方向に間隔をあけて複数設けられていることが好ましい。
また、本発明は、前記旋回片が、前記ピンに押圧されて前記胴部の軸線に対して略90°旋回されることが好ましい。
また、本発明は、前記旋回片は、前記ピンの押圧点の近傍にて前記胴部に連設されていることが好ましい。
また、前記旋回片は、前記受入孔の中心近傍まで延出していることが好ましい。
また、前記ピン部材は、その中心にスタッドボルトが挿入可能な挿入孔を有し、該挿入孔には、挿入された前記スタッドボルトを係止する係止爪が形成されていることが好ましい。
また、前記開口部は、前記胴部の筒状平行部分と、前記拡開テーパ部とに跨って形成され、前記旋回片は、少なくとも先端側が、前記拡開テーパ部に沿ってテーパ形状に形成されていることが好ましい。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係るクリップを説明する。
図1は、第1の実施形態に係るクリップを説明するクリップの斜視図、図2は、クリップの上面図、図3は、クリップの分解斜視図、図4は、クリップを構成するグロメットの上面図、側面図及び裏面図、図5は、クリップを構成するピン部材の上面図、側面図及び裏面図である。
図に示すように、本実施形態のクリップ51は、それぞれ射出成型等により合成樹脂を一体成型することにより形成されたグロメット52とピン部材53とから構成されている。
また、ピン部材53のピン72には、それぞれの平面部73における同一高さ位置に係合突起(突起)75を有している。
なお、ここでは、図6に示すように、発泡材から形成されたクラッシュパッド81、フェルトシート82、遮音シート83からなる固定部材を積層して挟持固定する場合について説明する。
このとき、グロメット52の受入孔60及びピン部材53のピン72は、それぞれ平面部60a、73が形成されて断面が同一線対称形状とされているので、挿入位置がそれぞれの平面部60a、73同士が互いに対向する位置に規制される。
このように、取付孔84にクリップ51を差し込んだら、ピン部材53のベース部71を押圧し、第1係合穴61と係合突起75との係合力に抗してピン部材53のピン72をグロメット52の受入孔60内へさらに押し込む。
これにより、図6(c)に示すように、旋回片57は、押圧部59がピン72から受ける押圧力によって薄肉部58からなる旋回軸を中心として外側へ旋回する。
また、ピン部材53のベース部71が、グロメット52のフランジ部55に形成された窪み63内に入り込み、これらベース部71の表面とフランジ部55の表面とが面一とされる。
また、旋回片57が開口部56a内に配置されて胴部56で覆われた構造であるので、旋回片57が固定部材に引っかかり変形するような不具合なく固定部材の取付孔84へ挿入することができる。
図7に示すものは、グロメット52の受入孔60及びピン部材53のピン72とを断面円形に形成したものである。
このクリップ51では、グロメット52が第1係合穴61及び第2係合穴62に代えて周方向にわたって形成された第1係合溝(凹部)91及び第2係合溝(凹部)92を有し、また、ピン部材53が、周方向にわたって形成された係合突条(突起)90を有している。
このピン部材53には、その中心にスタッド挿入孔93が形成されており、このスタッド挿入孔93には、その先端部側からのスタッドボルトが挿入可能とされている。
また、このピン部材53には、スタッド挿入孔93に、スタッドボルトの挿入方向前方側へ向かって傾斜する一対の係止爪94が形成されている。
このピン部材53は、揺動係止爪95を備えている。この揺動係止爪95は、スタッドボルトの挿入方向後方側がピン部材53に連結されたもので、この連結箇所から端部へ向かって次第に厚さが厚くされている。そして、この揺動係止爪95の端部における外周側が当接部95aとされ、内周側が係止部95bとされている。
そして、図13に示すように、このクリップ51では、固定部材を、その取付孔84にクリップ51を挿入して旋回片57とフランジ部55とによって挟持固定する際に、固定部材を配設した車両の床面等に設けられたスタッドボルト96をピン部材53のスタッド挿入孔93に挿入させる。
次に、第2の実施形態に係るクリップを説明する。なお、上記第1の実施形態と同一構造部分には、同一符号を付して説明を省略する。
図14は、第2の実施形態に係るクリップを説明するクリップの斜視図、図15は、クリップの分解斜視図である。
図に示すように、本実施形態のクリップ51も、それぞれ射出成型等により合成樹脂を一体成型することにより形成されたグロメット52とピン部材53とから構成されている。
また、胴部56には、互いに対向する係止穴65が同一高さ位置に形成されている。
さらに、ピン部材53のピン72には、それぞれの平面部73に、互いに対向する第1係合突起(突起)76及び第2係合突起(突起)77が高さ方向に間隔をあけて形成されている。
このようにすると、グロメット52の胴部56に設けた旋回片57がピン部材53によって外側へ略90°旋回される。
これにより、固定部材が比較的軟質であっても、極めて容易にかつ確実に旋回片57とグロメット52のフランジ部55とによって固定部材を挟持固定することができる(図6参照)。
ピン部材53には、中心にスタッド挿入孔93が形成されており、このスタッド挿入孔93には、その先端部側からのスタッドボルトが挿入可能とされ、また、スタッドボルトの挿入方向前方側へ向かって傾斜する一対の係止爪94が形成されている。
そして、この胴部56は、開口部56aが、胴部56の筒状の平行部分と、拡開テーパ部64とに跨って形成され、これにより、旋回片57は、その先端側が拡開テーパ部64に沿ってテーパ形状に形成されたテーパ部57aを有している。
また、押し込まれたピン部材53のスタッド挿入孔93に形成された係止爪94が、スタッドボルト96のねじ山に係合し、その係合力により、ピン部材53がスタッドボルト96に係止され、クリップ51によって挟持固定されたクラッシュパッド81、フェルトシート82及び遮音シート83からなる固定部材が車両の床面等に固定される。
次に、第3実施形態に係るクリップについて説明する。なお、第1、第2実施形態のクリップと同一構造部分には、同一符号を付して説明を省略する。
図18は、本発明の第3実施形態に係るクリップの上面図及び一部の側面図、図19は、旋回片の動きを説明するグロメットの一部の斜視図である。
これら旋回片101は、胴部56の中心部分が、円弧状の円弧当接部103とされ、各組の旋回片101の対向する部分が、直線当接部104とされている。
また、このクリップ51では、先端部が一対のテーパ面74を有する側面視山型に形成されたピン72が挿入されると、そのピン72の各テーパ面74がそれぞれの旋回片101の直線当接部104に当接し、旋回片101が外周側へ押し出され、旋回片101とフランジ部55とによって固定部材が挟持固定される。
なお、図20に示すグロメット52では、それぞれの旋回片101は、同一端部側が薄肉部102によって胴部56に連結され、この同一端部側の薄肉部102にて旋回可能とされている。また、図21に示すグロメット52では、それぞれの旋回片101は、反対の端部側が薄肉部102によって胴部56に連結され、この反対の端部側の薄肉部102にて旋回可能とされている。
52 グロメット
53 ピン部材
55 フランジ部
56 胴部
56a 開口部
57 旋回片
58 薄肉部
59 押圧部
60 受入孔
61 第1係合穴(凹部)
62 第2係合穴(凹部)
63 窪み
64 拡開テーパ部
65 係合孔(凹部)
73 平面部(当接面)
74 テーパ面
75 係合突起(突部)
76 第1係合突起(突起)
77 第2係合突起(突起)
81 クラッシュパッド(固定部材)
82 フェルトシート(固定部材)
83 遮音シート(固定部材)
84 取付孔
90 係合突条(突部)
91 第1係合溝(凹部)
92 第2係合溝(凹部)
94 係止爪
95 揺動係止爪(係止爪)
96 スタッドボルト
Claims (16)
- ピン部材とグロメットとからなり、互いに重ねられた固定部材に貫通する取付孔へ挿通し、挿通方向から前記ピン部材を押圧することで、前記固定部材を重ねて挟持固定するクリップにおいて、
前記グロメットは、フランジ部と、該フランジ部から延出する筒形状の胴部と、前記フランジ部から前記胴部に沿って延び、前記ピン部材のピンを受け入れる受入孔とを備え、
前記胴部には、先端部に、筒中心から半径方向放射状に向かう開口部が形成され、該開口部の開口縁部に、前記胴部よりも薄肉な薄肉部を介して旋回片が連結され、該旋回片は、前記受入孔内に挿入される前記ピンに押圧されて前記薄肉部を旋回軸として外側へ旋回し、前記フランジ部とで前記固定部材を挟持固定し、
前記ピンは、前記受入孔の内面と対向する面に突部を有し、
前記受入孔の内面は、前記突部と係合する凹部を有することを特徴とするクリップ。 - 前記凹部は、前記ピンの挿入方向に間隔をあけて複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
- 前記突部は、前記ピンの挿入方向に間隔をあけて複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
- 前記開口部は、前記胴部の先端側を含む全周にて前記旋回片を囲むように形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のクリップ。
- 前記旋回片は、前記ピンに押圧されて前記胴部の軸線に対して略90°旋回されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のクリップ。
- 前記旋回軸は、前記ピンの挿入方向と直交する軸であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のクリップ。
- 前記旋回片は、前記胴部の内面に沿って隙間を介して前記内面と平行に延び、前記ピンに押圧される押圧部を有することを特徴とする請求項6に記載のクリップ。
- 前記旋回片は、前記受入孔への前記ピンの挿入方向後方側へ屈曲されたクランク形状とされていることを特徴とする請求項7に記載のクリップ。
- 前記旋回軸は、前記ピンの挿入方向に沿う軸であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のクリップ。
- 前記旋回片は、前記ピンの押圧点の近傍にて前記胴部に連設されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のクリップ。
- 前記ピン及び前記旋回片は、前記旋回片の外側への旋回後に互いに当接して前記旋回片を旋回させた状態に維持する当接面を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のクリップ。
- 前記旋回片は、前記受入孔の中心近傍まで延出していることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のクリップ。
- 前記ピンは、その先端に、前記旋回片に当接し、前記旋回片を外側へ押し出すテーパ面を有することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のクリップ。
- 前記ピン部材は、その中心にスタッドボルトが挿入可能な挿入孔を有し、該挿入孔には、挿入された前記スタッドボルトを係止する係止爪が形成されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のクリップ。
- 前記胴部は、先端へ向かって次第に拡径する拡開テーパ部を有し、該拡開テーパ部によって前記スタッドボルトが前記ピン部材の挿入孔へ案内されることを特徴とする請求項14に記載のクリップ。
- 前記開口部は、前記胴部の筒状平行部分と、前記拡開テーパ部とに跨って形成され、前記旋回片は、少なくとも先端側が、前記拡開テーパ部に沿ってテーパ形状に形成されていることを特徴とする請求項15に記載のクリップ。
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