JP2018078744A - グロメット - Google Patents

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直也 長橋
Naoya Nagahashi
直也 長橋
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Abstract

【課題】インナー部材の係止爪部をパネル穴内に挿入する力を大幅に低減して、車体側のパネル部材への実装作業を容易化できるコンパクトなグロメットを提供する。
【解決手段】ワイヤハーネスの電線群Wを挿通させるグロメット本体12と、複数の係止爪部23を有するインナー部材14とを備えたグロメットであり、インナー部材14が、グロメット本体12内に片方が回止め状態で互いに相対回転可能に係合する第1環状基板21および第2環状基板22を有し、第1環状基板21が、複数の係止爪部23を径方向に可動に支持し、第2環状基板22が、相対回転方向に応じて係止爪部23に径方向の内側から係脱可能で、相対回転位置が係合側にあるときに係止爪部23をパネル面側に係合する拡径状態に保持する裏当てガイド板部22dを有し、相対回転の位置が離脱側にあるとき、複数の係止爪部23がパネル面側から離脱する自由形状をとる。
【選択図】図1

Description

本発明は、グロメットに関し、特にワイヤハーネスの電線群が車体側のパネル部材の開口を貫通する部分に装着されるグロメットに関する。
自動車の車室の内外にわたってワイヤハーネスを配索する場合、その車室の内外を仕切る車体側のパネル部材(車体パネルまたは同パネルに支持されるパネル状の部材であるが、以下、これらを総称して単にパネルともいう)の開口部分に筒状のグロメットを装着したワイヤハーネスの電線群を貫通させ、ワイヤハーネスの電線群を保護しつつ防水性や遮音性を確保することがなされている。
従来のこの種のグロメットとしては、例えば図11に示すように、ゴム弾性を有するグロメット本体101に樹脂製のインナー部材102を組み合せたグロメット100が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。このグロメット100では、グロメット本体101が中心側にワイヤハーネスの電線群を挿通可能な筒状部101aを有し、外周側に車体パネル110の開口縁部111に接触する複数のシールリップ部101b、101cを有している。また、インナー部材102が、一端側にフランジ部102aを有するとともに、他端側に拡縮径可能に片持ち支持された抜け止め用の複数のロック爪102bを有している。そして、グロメット100が車体パネル110の開口縁部111に車室外方側から挿入されるとき、複数のロック爪102bが縮径方向に撓む一方、その挿入完了時に開口縁部111の背面側(車室内方側)に抜け止め状態に係止されるようになっている。
特許第5549408号明細書
しかしながら、上述のような従来のグロメットにあっては、インナー部材が、パネルの開口内に短く幅広である複数の係止爪部を撓ませながら挿入し、その開口の内周縁部を乗り越えた複数の係止爪の鉤状部を初期形状への復帰によりその開口の内周縁部に係止させる、いわゆるスナップロック式の係止構造となっていた。そのため、インナー部材の比較的短い複数の係止爪部を係止位置まで挿入するのに大きな力が必要で、グロメットを装着したワイヤハーネスの車体側への実装作業が容易でないという問題があった。
これに対し、複数の係止爪部を長くすることでグロメットの実装作業性を改善することが可能であるが、グロメットが係止爪の挿入方向に厚くなってしまうことから、実装スペースの省スペース化の要求に応えられなくなってしまうという問題があった。
さらに、インナー部材の複数の係止爪部をパネルの開口内に大きな力で押し込む必要から、グロメットをパネル穴に固定するための作業領域が、車体パネルに対し専ら外方側に制限されてしまうという問題もあった。
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、インナー部材の複数の係止爪部をパネル穴内に挿入する力を大幅に低減して、グロメットの車体側のパネル部材への実装作業を容易化できるコンパクトなグロメットを提供することを目的とする。
本発明に係るグロメットは、上記目的達成のため、 ワイヤハーネスの電線群を挿通させる筒状をなすとともに、パネルの開口の周囲で該パネルの一方の面に接触する環状シール部を有するグロメット本体と、前記グロメット本体に支持された基板部および該基板部から前記パネルの開口内に突出し前記パネルの他方の面側に係合する略鉤状の複数の係止爪部を有するインナー部材と、を備えたグロメットであって、前記インナー部材が、それぞれ前面側で前記パネルに接触する前記環状シール部の背面側に位置し、かつ片方が前記グロメット本体に対し回り止めされた状態で前記グロメット本体内に収納されるとともに、互いに相対回転可能に係合する第1環状基板および第2環状基板を有しており、前記第1環状基板が、前記複数の係止爪部をそれぞれの基端側で少なくとも先端側が径方向に変位するよう可動に支持する可動支持部を有し、前記第2環状基板が、前記第1環状基板に対する相対回転の方向に応じて前記複数の係止爪部に前記径方向の内側から係合および離脱可能で、前記相対回転の位置が前記係合側にあるときに前記複数の係止爪部を前記パネルの前記他方の面側に係合する拡径状態に保持する拡径操作部を有し、前記第2環状基板の前記第1環状基板に対する前記相対回転の位置が前記離脱側にあるとき、前記複数の係止爪部が前記パネルの前記他方の面側から離脱する自由形状をとるものである。
この構成により、本発明では、第2環状基板の第1環状基板に対する相対回転位置が離脱側であれば、インナー部材からパネルの開口内に突出した複数の係止爪部が径方向の内方側に離れた自由状態の傾斜姿勢をとっており、第2環状基板の第1環状基板に対する相対回転位置が係合側であれば、拡径操作部により、複数の係止爪部がパネルの他方の面側に係合する拡径状態に保持される。
したがって、インナー部材の複数の係止爪部を係止位置まで大きな力で押し込む必要がなくなり、グロメットの車体パネルへの実装作業およびグロメットを装着したワイヤハーネスの車体側への実装作業が格段に容易化されることとなる。しかも、複数の係止爪部を長くする必要がないので、係止爪部を十分に短くでき、グロメットを係止爪部の挿入方向に薄くできることから、実装スペースの省スペース化の要求に応え得るものとなる。
さらに、インナー部材の複数の係止爪部をパネルの開口内に大きな力で押し込む必要がないことから、グロメットを車体パネルに固定するための作業領域を、車体パネルに対し係止爪部の挿入方向の内奥側に設定することも可能となる。グロメット本体の筒状部をその内奥側にまで突出させておけば、そのような作業により好適である。
なお、車体パネルの一方側である車室外方側から、グロメット実装時に第1環状基板および第2環状基板を相対回転させるには、第1環状基板および第2環状基板のうち車体側のパネル部材に対向する一方の環状基板を車体側のパネル部材に対し回り止めした状態で、グロメットと他方の環状基板を回動させる操作を行うこと、あるいは、グロメットと他方の環状基板を回り止め保持した状態下で、車体側のパネル部材に対向する一方の環状基板を回動操作することができる。前者の場合、例えば一方の環状基板を車体側のパネル部材に局部接触させてスパイク効果やグリップ力により回り止めしたり粘着シートにより回り止めしたりすることができ、後者の場合、第1環状基板および第2環状基板のうちグロメット本体に対し周方向に回動可能な他方の環状基板にグロメット本体の外側から回動操作が可能となる凸部を設けるとともに、グロメット本体に凸部を周方向に移動操作可能な可撓もしくは弾性の内壁面部を設けることができる。
本発明のグロメットにおいて、前記第1環状基板の前記可動支持部は、前記複数の係止爪部をそれぞれ前記径方向に回動可能に支持している構成とすることができる。
また、その場合、前記第1環状基板の前記可動支持部は、前記複数の係止爪部をそれぞれの基端側で支持しているとよい。
本発明によれば、インナー部材の複数の係止爪部をパネル穴内に挿入する力を大幅に低減して、グロメットの車体側のパネル部材への実装作業を容易化できるコンパクトなグロメットを提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るグロメットの実装前の状態を示すそのパネル対向面側から見た斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るグロメットの実装前後の状態変化を示す図であり、(A)はその実装前のパネル対向面側の正面図、(B)はその実装後のパネル対向面側の正面図である。 (A)は本発明の一実施の形態に係るグロメットにおけるインナー部材を構成する第1環状基板を径方向に見た側面断面図であり、(B)はそのインナー部材を異なる径方向に見た側面断面図、(C)はそのインナー部材の変形態様を示す側面断面図である。 (A)は本発明の一実施の形態に係るグロメットにおける環板状のインナー部材の第1環状基板を第2環状基板に相対回転可能に係合させる組立段階の説明図であり、(B)は環板状のインナー部材をグロメット本体に装着する組付段階の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るグロメットにおけるインナー部材をグロメット本体に装着する組付段階をそれらのパネル対向面側から見た斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るグロメットのパネル対向面側から見た分解斜視図である。 (A)は本発明の一実施の形態に係るグロメットにおけるグロメット本体をパネル対向面側から見た正面図であり、(B)、(C)はそのグロメットにおける第1環状基板および第2環状基板をパネル対向面側から見たそれぞれの正面図である。 本発明の一実施の形態に係るグロメットの外面側から見た分解斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るグロメットにおけるインナー部材をグロメット本体に装着する組付段階をそれらの外面側から見た斜視図である。 (A)は本発明の一実施の形態に係るグロメットの実装状態をその外面側から見た要部斜視図であり、(B)はその実装時における第2環状基板の回動操作の一例を説明する説明図である。 従来例のグロメットの縦断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(一実施の形態)
図1ないし図10に示す一実施の形態のグロメットは、自動車の車室の内外を仕切る車体パネル、例えばダッシュパネル(以下、単にパネルという)に形成された開口の内周縁部に係止する状態でパネルに固定され、パネルを貫通するワイヤハーネスの電線群Wを保護しつつ貫通部分での防水性および遮音性を確保するものである。
まず、本実施形態のグロメットの構成を説明する。
図1ないし図3に示すように、本実施形態のグロメット10は、パネル11(車体パネルその他の車体側のパネル部材)の開口11aの内周縁部11bに係止されるようになっており、ゴム弾性を有する弾性素材(例えばゴムまたはエラストマー樹脂)で形成されたグロメット本体12と、ポリプロピレン等で成形された比較的硬質の合成樹脂製のインナー部材14とを備えている。
グロメット本体12は、ワイヤハーネスの電線群Wを挿通およびテープ固定可能な中心側の筒状部12aと、その筒状部12aの軸方向一端側あるいは軸央部でパネル11の開口11aを覆うよう略円板状に拡径した蓋状部12bと、蓋状部12bの外周部分に支持され図1中の上端側でパネル11に近接する周壁部12cとを有している。なお、ワイヤハーネスの電線群Wは、粘着テープ等により結束されたりコルゲートチューブ等が外装されたものであってもよい。
グロメット本体12の周壁部12cの先端側(図1中の上端側)には、その先端側を前面側としてパネル11に接触するリップ形状の環状シール部13が設けられており、環状シール部13は、その前面側でパネル11の開口11aの周囲におけるパネル11の上面11c(一方の面;図3(A)参照)に所定の接触圧で接触している。
図3および図4に示すように、インナー部材14は、グロメット本体12に収納された略円環板状の同一外径の第1環状基板21および第2環状基板22と、第1環状基板21に支持されつつ第2環状基板22に近接する側へとパネル11の開口11a内に斜めに突出する複数、例えば4つの係止爪部23とを有している。
インナー部材14の第1環状基板21および第2環状基板22は、それぞれグロメット本体12の環状シール部13の背面側に位置するように重ねて配置されており、第1環状基板21が第2環状基板22よりもパネル11から離れるようグロメット本体12の内方側に位置し、第2環状基板22がパネル11に近接している。
図3ないし図10に示すように、グロメット本体12と対面する第1環状基板21の片面側(図3(A)中の下面側)には、グロメット本体12の内面側の円形凹部12dに対し凹凸係合する板厚方向の複数、例えば4つの突起21aが周方向等間隔に設けられている。また、第1環状基板21の他の片面側(図3(A)中の上面側)には、第2環状基板22に対し周方向に摺動可能にかつ全体として相対回転可能に係合する板厚方向の複数、例えば4つの突起21bが周方向等間隔に設けられている。
第2環状基板22は、第1環状基板21と略同一幅の円環板状部22aを有しており、その円環板状部22aに、第1環状基板21の複数の突起21bをそれぞれ周方向に摺動可能に収容する複数の円弧ガイド穴部22bが周方向等間隔に形成されている。これら複数の円弧ガイド穴部22bは、ここでは同曲率半径の円弧状に湾曲する長穴形状をなしているが、貫通した穴でなくてもよい。
第2環状基板22の円環板状部22aの内周側には、第1環状基板21に対し周方向の一方側に相対回転するときに複数の係止爪部23に係合する複数の爪ガイド溝部22cが、周方向等間隔に形成されている。
具体的には、第2環状基板22には、円環板状部22aの内周側に鉤型に突出する複数の裏当てガイド板部22d(拡径操作部)が等角度間隔に設けられており、複数の爪ガイド溝部22cは、円環板状部22aおよび複数の裏当てガイド板部22dによってそれぞれ複数の係止爪部23を導入する開口端側で溝幅が広く、内奥側で溝幅が狭くなるように形成されている。すなわち、複数の裏当てガイド板部22dは、複数の係止爪部23と同数設けられている。
また、第2環状基板22の複数の裏当てガイド板部22dには、それらの第1環状基板21側の片面からグロメット本体12の蓋状部12bに向って突出する複数の回動操作用突起22eが設けられており、グロメット本体12の蓋状部12bには、第1環状基板21と第2環状基板22の相対回転可能な角度範囲の全域で複数の回動操作用突起22eをそれぞれ摺動可能に収納する複数の可撓スライドカバー部12eが設けられている。
複数の回動操作用突起22eは、例えばそれぞれ角部および先端縁部が面取りされた角柱状をなしており、図10(b)に示すように、各回動操作用突起22eの片側で対応する可撓スライドカバー部12の溝状の内凹断面形状を縮小するようにその可撓スライドカバー部12を部分的に変形させるとともにその変形箇所を移動させることで、グロメット本体12の外側からグロメット本体12の内方の第2環状基板22を回動させる操作ができるようになっている。
この回動操作は、第1環状基板21に対し第2環状基板22を周方向の一方側に相対回転させることで、複数の爪ガイド溝部22cを複数の係止爪部23に係合させ、複数の係止爪部23を複数の爪ガイド溝部22cの内奥側に入り込ませるものである。
複数の係止爪部23は、それぞれ基端部23a、中間部23bおよび先端部23cを有しており、それぞれの基端部23aは、第1環状基板21の内周側に板厚方向に回動可能に支持されている。
第1環状基板21は、複数の係止爪部23をそれぞれの基端部23a側で少なくとも先端部23c側が径方向(第1環状基板21の径方向)に変位するよう可動、例えば第1環状基板21の径方向および板厚方向に回動可能に支持する複数の可動支持部21sを有しており、それぞれの可動支持部21sは、例えば第1環状基板21の他の部分より若干薄肉に形成されている。
第1環状基板21の可動支持部21sに支持された複数の係止爪部23の自由形状での傾斜姿勢において、複数の係止爪部23の中間部23bは、それぞれ第1環状基板21に対し第2環状基板22が周方向の一方側に相対回転するときに複数の裏当てガイド板部22dに係合し、その相対回転の角度が大きくなるに従って複数の爪ガイド溝部22cの内奥側に入り込むようになっている。また、それぞれの中間部23bが対応する爪ガイド溝部22cの内奥側に入り込むとき、複数の係止爪部23は、先端部23cをパネル11の開口11aの内周縁部11b(以下、開口縁部11bという)に接近させるように起立するようになっている。
複数の係止爪部23の先端部23cは、それぞれ鉤形の係止爪形状をなしており、複数の係止爪部23が図3(B)に点線で示すような所定の起立姿勢をとるとき、それぞれパネル11の開口縁部11bに対して等角度間隔に同図中のパネル11の上面11c側および開口11aの内方側から当接し、グロメット10をパネル11の開口縁部11bに対して抜止め係止するようになっている。
図3(c)に変形態様を示すように、インナー部材14には、第1環状基板21に支持されつつ第2環状基板22を第1環状基板21との重合位置に案内可能で、かつ、パネル11の開口縁部11bに係合する複数のガイド爪部24を設けてもよい。ここで、複数のガイド爪部24は、グロメット10の中心軸線回りに等角度間隔を隔てつつ開口縁部11bに近接するように、第1環状基板21の内周側の複数箇所で突起状に切り起こされている。
本実施形態においては、このように、インナー部材14の第1環状基板21および第2環状基板22が、環状シール部13の背面側に互いに重なる状態でグロメット本体12内に収納されるとともに、第1環状基板21がグロメット本体12に対し凹凸係合により回り止めされた状態で、互いに相対回転可能に係合している。
そして、第2環状基板22が第1環状基板21に対する相対回転の方向に応じて複数の係止爪部23に複数の裏当てガイド板部22dを径方向の内側から係合させて、複数の係止爪部23をパネル11の上面11c側に係合させる拡径状態の起立姿勢に保持することができる。
また、第2環状基板22の第1環状基板21に対する相対回転の位置が離脱側にある初期状態(グロメット10の車体パネル11への組付け前の状態)では、複数の係止爪部23がパネル11の開口縁部11bから離脱する自由形状をとり、グロメット10の複数の係止爪部23をパネル11の開口11a内にさほど大きな抵抗なく容易に挿入できるようになっている。
なお、ワイヤハーネスの電線群Wは、パネル11より車室内方側で例えばアンカー付きのクランプやクリップによって車室内側で車体パネル11に固定された何らかの固定部材に結束固定されている。したがって、グロメット10がパネル11に装着され、ワイヤハーネスの電線群Wの車体側への結束固定が完了した後では、グロメット10の複数の係止爪部23がパネル11の開口縁部11bに抜止め係止されることと相俟って、ワイヤハーネスの電線群Wを車室外方側に引き抜くことができないようになっている。
次に、作用を説明する。
上述のように構成された本実施形態においては、ワイヤハーネスの電線群Wにグロメット10が外装された状態で、そのワイヤハーネスが車両側のパネル11に実装される。
このとき、グロメット10においては、第2環状基板22の第1環状基板21に対する相対回転の位置が前述の離脱側にあり、複数の係止爪部23が先端部23cをパネル11の内周縁部11b、特にその上面11c側から離脱する縮径側に位置させる自由形状となっている。
したがって、パネル11の開口11a内にワイヤハーネスの電線群Wを車室外方側から挿入し、グロメット10の複数の係止爪部23をパネル11の開口縁部11bに係合させるとき、複数の係止爪部23を抵抗なく開口11a内に挿入でき、従来のように、複数の係止爪部をパネルの開口部に大きな力で押し込む作業は必要ない。
また、車体パネル11の一方側である車室外方側から、グロメット10を実装する際に第1環状基板21および第2環状基板22を相対回転させるには、第1環状基板21および第2環状基板22のうちパネル11に対向する第2環状基板22をパネル11に対し回り止めした状態で、グロメット10および第1環状基板21を回動させる操作を行うことができ、あるいは、グロメット10および第1環状基板21を回り止め保持した状態下で、パネル11に対向する第2環状基板22を回動操作することができる。
前者の場合、例えば第2環状基板22を複数の突起等によりパネル11に多点で局部接触させてスパイク効果やグリップ力により回り止めしたり、第2環状基板22とのパネル11の間に介装した両面粘着シートにより回り止めしたりすることができる。
後者の場合、第1環状基板21および第2環状基板22のうちグロメット本体12に対し周方向に回動可能な第2環状基板22にグロメット本体12の外側から回動操作が可能となる凸部を設けるとともに、グロメット本体12にその凸部を周方向に移動操作可能な可撓もしくは弾性の内壁面部を設けることができる。
本実施形態は、後者の場合で、前述の通り、第2環状基板22にグロメット本体12の外側から回動操作が可能な複数の回動操作用突起22eが設けられるとともに、グロメット本体12の蓋状部12bに、第1環状基板21と第2環状基板22の相対回転可能な角度範囲の全域で複数の回動操作用突起22eをそれぞれ摺動可能に収納する複数の可撓スライドカバー部12eが設けられている。
したがって、複数の係止爪部23を開口11a内に挿入する段階では、第2環状基板22の第1環状基板21に対する相対回転位置が離脱側で、インナー部材14からパネル11の開口11a内に突出した複数の係止爪部23の先端部23cが内周縁部11bから径方向の内方側に離れた自由状態の傾斜姿勢をとっている。
そして、第2環状基板22の第1環状基板21に対する相対回転位置が係合位置になるように複数の回動操作用突起22eが回動操作されると、複数の裏当てガイド板部22dにより、複数の係止爪部23がパネル11の開口縁部11bの上面11c側に係合する拡径状態の起立姿勢に保持される。
したがって、インナー部材14の複数の係止爪部23を係止位置まで大きな力で押し込む必要がなくなり、グロメット10の車体側のパネル11への実装作業およびグロメット10を装着したワイヤハーネスの車体側への実装作業が格段に容易化されることとなる。しかも、複数の係止爪部23を押し込み時に撓み易くするために長くするという必要もないので、複数の係止爪部23を十分に短くでき、グロメット10を複数の係止爪部23の挿入方向に薄くできることから、実装スペースの省スペース化の要求に応え得るものとなる。
さらに、インナー部材14の複数の係止爪部23をパネル11の開口11a内に大きな力で押し込む必要がないことから、グロメット10をパネル11に固定するための作業領域、すなわち第2環状基板22を回動操作する作業領域を、パネル11に対する複数の係止爪部23の挿入方向の内奥側、すなわち車室内方側に設定することも可能となる。その場合、グロメット本体12の筒状部12aを車室側(挿入方向の内奥側)にまで突出させておけば、ワイヤハーネスの電線群W、グロメット本体12および第1環状基板21を回り止め保持する作業を容易化できる。
本実施形態においては、第1環状基板21の可動支持部21sは、複数の係止爪部23をそれぞれの基端側で径方向に回動可能に支持しているので、第1環状基板21と複数の係止爪部23を一体成形でき、部品のコスト低減およびグロメット10の製造の容易化を図ることができる。
このように、本実施形態においては、インナー部材14の複数の係止爪部23をパネル11の開口11a内に挿入する力を大幅に低減して、グロメット10の車体側のパネル11への実装作業を容易化できるコンパクトなグロメット10を提供することができる。
なお、上述の一実施形態においては、第1環状基板21と複数の係止爪部23が一体に成形されるものとしたが、複数の係止爪部23を第1環状基板21に対し別部品として可動に支持させる構成であってもよく、その場合、可動支持部21sは、複数の係止爪部23の基端部を径方向にスライドさせるようなものであってもよい。
また、上述の一実施形態においては、インナー部材14を比較的硬質の合成樹脂製としたが、金属製であってもよい。例えば第2環状基板22を板金製にしたり、第1環状基板21の複数の可動支持部21sをばね要素とし他を異なる金属製や樹脂製とすることも考えられる。
さらに第1環状基板21の複数の可動支持部21sを他の部分より薄肉にするものとしたが、係止爪部23を回動変位可能に支持できる形状とすればよく、薄肉にせず、可動支持部21sの幅方向の一部、例えば中央部を孔形状にしてもよい。
以上説明したように、本発明は、インナー部材の複数の係止爪部をパネル穴内に挿入する力を大幅に低減して、グロメットの車体側のパネル部材への実装作業を容易化できるコンパクトなグロメットを提供でき、ワイヤハーネスの電線群が車体側のパネル部材の開口を貫通する部分に装着されるグロメット全般に有用である。
10 グロメット
11 パネル(車体側のパネル部材)
11a 開口
11b 開口縁部(開口の内周縁部)
11c 上面(一方の面)
11d 下面(一方の面)
11e 内周面
12 グロメット本体
12a 筒状部
12b 蓋状部
12c 周壁部
12d 円形凹部
12e 可撓スライドカバー部
13 環状シール部
14 インナー部材
21 第1環状基板(基板部)
21a、21b 突起
21s 可動支持部
22 第2環状基板(基板部)
22a 円環板状部
22b 円弧ガイド穴部
22c 爪ガイド溝部
22d 裏当てガイド板部(拡径操作部)
22e 回動操作用突起
23 係止爪部
23a 基端部
23b 中間部
23c 先端部
24 ガイド爪部
W 電線群(ワイヤハーネスの電線群)

Claims (3)

  1. ワイヤハーネスの電線群を挿通させる筒状をなすとともに、パネルの開口の周囲で該パネルの一方の面に接触する環状シール部を有するグロメット本体と、前記グロメット本体に支持された基板部および該基板部から前記パネルの開口内に突出し前記パネルの他方の面側に係合する略鉤状の複数の係止爪部を有するインナー部材と、を備えたグロメットであって、
    前記インナー部材が、それぞれ前面側で前記パネルに接触する前記環状シール部の背面側に位置し、かつ片方が前記グロメット本体に対し回り止めされた状態で前記グロメット本体内に収納されるとともに、互いに相対回転可能に係合する第1環状基板および第2環状基板を有しており、
    前記第1環状基板が、前記複数の係止爪部をそれぞれの基端側で少なくとも先端側が径方向に変位するよう可動に支持する可動支持部を有し、
    前記第2環状基板が、前記第1環状基板に対する相対回転の方向に応じて前記複数の係止爪部に前記径方向の内側から係合および離脱可能で、前記相対回転の位置が前記係合側にあるときに前記複数の係止爪部を前記パネルの前記他方の面側に係合する拡径状態に保持する拡径操作部を有し、
    前記第2環状基板の前記第1環状基板に対する前記相対回転の位置が前記離脱側にあるとき、前記複数の係止爪部が前記パネルの前記他方の面側から離脱する自由形状をとることを特徴とするグロメット。
  2. 前記第1環状基板の前記可動支持部は、前記複数の係止爪部をそれぞれ前記径方向に回動可能に支持していることを特徴とする請求項1に記載のグロメット。
  3. 前記第1環状基板の前記可動支持部は、前記複数の係止爪部をそれぞれの基端側で支持していることを特徴とする請求項2に記載のグロメット。
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