JP4497456B2 - ゲル状電解質およびそれを用いた電気化学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、ゲル状電解質およびそれを用いたリチウムイオン電池などの電気化学素子に関する。
太陽光はクリーンなエネルギー源として期待されており、その太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する種々の光電変換素子が提案されてきた。その中の一つとして、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物半導体に、ルテニウム錯体、ポルフィリン誘導体などの色素を含浸させ、これらの間で行われる光電気化学反応を利用した光電変換素子が開発され、例えば、光センサ、太陽電池などに利用されている。
このような光電変換素子の一般的な構造は、透明導電膜の表面に色素を担持させた金属酸化物半導体からなる多孔質層を形成した電極と、この電極と対向する対電極と、これらの2つの電極間に介在する電解質とを備えたものである。
従来、上記電解質としては、イオン伝導性の観点から低分子有機溶媒を用いた液状またはペースト状の電解質が用いられてきた。このような電解質は、マトリックスが流動性を有するためイオンの拡散が速く電池特性が良い反面、液漏れによる周囲の汚染のおそれがあった。特に、プラスチックセルとして光電変換素子を形成した場合には、セルの破損による液漏れのおそれが大きかった。
また、大面積の単一セルとして光電変換素子を形成し、それを水平方向に配置して使用した場合には、セルの重量により中央部が撓み、短絡などが発生するおそれがあった。さらに、それを鉛直方向に配置して使用した場合には、電解質が重力によりセルの下部に偏り、光電変換素子が動作不良を起こすおそれがあった。
そこで、全く低分子有機溶媒を含まない電解質、即ち完全固体の電解質が種々提案されている。例えば、CuIのような無機結晶性物質や、I-/I3 -のような酸化還元対を含むアルキレンオキシド系高分子固体電解質などが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。しかし、この完全固体の電解質では、半導体多孔質層の細孔への電解質の浸入が困難であり、イオン伝導性も低いなどの理由で充分な特性が得られていない。
このような背景のもとに、ゲル状電解質が提案されている。このゲル状電解質は、液状電解質(電解液)とゲル化剤からなり、低分子有機溶媒によるキャリアの移動を確保しつつ、電解質のマクロな流動性をなくしたものである。
リチウムイオン電池のゲル状電解質として用いられるフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)はよく用いられるゲル化剤の一つである。このPVDF−HFPを電解質のゲル化剤として用いた色素増感太陽電池が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。このPVDF−HFPは極性溶媒とともに加熱溶解して冷却すると、溶媒を多量に含む非晶質部と、硬質の結晶部分(物理架橋部分)とが混ざり合った構造となる。このような化学反応を伴わない物理架橋は、化学的に活性な物質を含んだ電解液でも問題なくゲル化することができる利点があり、また機械的強度も大きい。さらに、物理架橋の網目構造は比較的粗であり、キャリアの拡散に有利であり、イオン伝導性が高い。しかし、加熱により架橋点が融解し、高温では液状電解質になってしまう問題がある。
このような物理架橋の問題を解決する方法として、化学反応による架橋(重合反応)を利用して電解質をゲル化する方法も提案されている。この方法は、ゲル化剤モノマー、重合開始剤などと液状電解質とを混合し、加熱または紫外線照射などによってゲル化剤モノマーを重合して高分子化するものである。例えば、アクリル樹脂(特許文献3参照。)、ウレタン樹脂(特許文献4参照。)、エポキシ樹脂(特許文献5参照。)などをゲル化樹脂として使用することが提案されている。
しかし、上記方法では電解質中に含まれる活性成分によってはゲル化剤の重合反応を阻害する場合がある。例えば、光電変換素子の電解質に酸化還元対供給源として含まれる最も一般的なヨウ素は、アクリル樹脂の架橋反応であるラジカル反応の強力な阻害剤である。また、ヨウ素は、エポキシ樹脂やウレタン樹脂の一般的な架橋剤であるアミンとも反応して失活させる。このような場合、ヨウ素を除いて電解質をゲル化し、その後拡散によりヨウ素を電解質にドープすることもできるが、工程が煩雑となるばかりでなく、電解質中のヨウ素濃度を一定に制御することが困難である。
また、化学架橋の場合、一般に架橋点の密度が高くゲルの網目構造が細かいため、機械的強度の充分なゲルを作製しようとすると、どうしてもイオンの拡散が妨げられたり、保液量が減少したりしてイオン伝導性が低くなりがちである。そこで、ゲル化剤モノマーの代わりに架橋可能な官能基を含む高分子をゲル化剤として用い、少量のゲル化剤で緩やかな網目構造を作る提案がなされている(例えば、特許文献6〜9参照。)。しかし、この場合でもまだ満足な機械的強度が得られていないのが現状である。
さらに、高温でも安定な化学架橋と、機械的強度とイオン伝導性とのバランスがとれた物理架橋とのそれぞれの長所を併せ持つものとして、化学架橋性高分子と物理架橋性高分子との混合物をゲル化剤として用いるという提案も、リチウムイオン電池の電解質用ゲル化剤としてはなされている(例えば、特許文献10参照。)。しかし、この場合でも電解質中に含まれる活性成分によってはゲル化剤の重合反応を阻害する場合があるのは前述のとおりである。例えば、酸化還元対であるI-/I3 -などを含む電解質中では化学架橋反応が進行せず、目的とした高温安定性は得られない。
特開平7−288142号公報 特開平2−235957号公報 特開平9−27352号公報 特開2001−210390号公報 特開2000−150006号公報 特開2002−110245号公報 特開2002−289271号公報 特開2002−289272号公報 特開2002−289273号公報 特開2002−100405号公報 グレッツェル(Gratzel)、外2名、「ケミカル コミュニケーション(Chemical Communication)」、(英国)、2002年、第24巻、p.2972−2973
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、イオン伝導性に優れ、機械的強度が強く、かつ高温でも流動化しないゲル状電解質およびそれを用いた電気化学素子を提供するものである。
本発明は、化学架橋可能な官能基を含む架橋性高分子化合物を架橋してなる重合体(A)と、物理架橋可能な重合体(B)と、溶媒およびリチウム塩とを含み、前記架橋性高分子化合物の重量平均分子量が1×104〜5×106であることを特徴とするゲル状電解質である。
また、本発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる材料を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる材料、金属リチウム、およびリチウムと合金を形成することができる金属材料から選ばれる少なくとも1種の材料を含む負極と、電解質とを備えた電気化学素子であって、前記電解質が上記ゲル状電解質であることを特徴とする。
本発明は、イオン伝導性に優れ、機械的強度が強く、かつ高温でも流動化しないゲル状電解質およびそれを用いた電気化学素子を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施形態1)
本発明のゲル状電解質の実施の形態を説明するにあたり、先ず、このゲル状電解質を構成する樹脂組成物の説明を行う。本発明のゲル状電解質に用いる樹脂組成物の一例は、後述する溶媒および溶質を保持するために、化学架橋可能な官能基を含む架橋性高分子化合物を架橋してなる重合体(A)と、物理架橋可能な重合体(B)とを含んでいる。
高温耐久性の高い重合体(A)と、機械的強度が大きく、イオン伝導性が高い重合体(B)とを併合して用いることにより、イオン伝導性に優れ、機械的強度が強く、かつ高温でも流動化しないゲル状電解質用樹脂組成物を実現できる。なお、重合体(A)のみでは、機械的強度が不足し、例えばシート状に加工することが困難となる。一方、重合体(A)の添加量を高くすれば機械的強度は向上するが、イオン伝導性が著しく低下する。さらに、重合体(B)のみでは、高温で流動化してしまう。そこで、重合体(A)と重合体(B)とを併合することが必要となる。
上記重合体(A)は、2種以上の架橋性高分子化合物を混合して架橋したものであってもよい。
上記架橋性高分子化合物としては、重量平均分子量が1×104〜5×106である化合物を用い、より好ましくは重量平均分子量が1×105〜1×106である化合物を用いる。重量平均分子量を1×104以上とすることにより、適切な網目構造が形成されるため、高温での流動化を防止する効果が高まり、イオン伝導性の低下を防ぐことができる。一方、重量平均分子量を5×106以下とすることにより、電解液に対する溶解性が向上し、適切な粘度を有する混合液となるので、良質な重合体を形成しやすくなる。
上記架橋性高分子化合物に含まれる化学架橋可能な官能基としては、特に限定はされないが、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基であることが好ましい。これにより、ヨウ素などの架橋反応を阻害する溶質が存在する場合でも、安定な重合体を形成しやすくなり、より汎用性の高い樹脂組成物とすることができる。
上記オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む架橋性高分子化合物は、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーの重合体、または、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーと、他の重合性モノマーとの共重合体として合成することができる。
ただし、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーを単独で重合する場合は、オキセタン基などの架橋性官能基の濃度が高くなりすぎ、重合度が低くなって所望の分子量の大きな架橋性高分子化合物(プレポリマー)が得られないことがある。しかし、非架橋性で保液性の良い他の重合性モノマーと共重合することにより、上記問題を解決することができる。その場合のそれぞれの重合性モノマーの割合は、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーのモル数をmモルとし、他の重合性モノマーのモル数をnモルとすると、モル比m/nが1/20〜2/1の範囲とするのが好ましく、より好ましくは1/10〜1/1の範囲である。上記モル比を1/20以上とすることにより、化学架橋点の割合を増加させて高温での流動化を効果的に抑制することができる。また、上記モル比を2/1以下とすることにより、電解質中の活性成分と、オキセタン基または脂環式エポキシ基との反応を抑制して、イオン伝導性の低下を防ぐことができる。
また、上記他の重合性モノマーはビニル系モノマーであることが好ましく、そのQ値は0〜1.5であることが好ましい。さらに、そのホモポリマーの溶解度パラメータ(SP値)は17〜30となるような重合性モノマーを用いるのが好ましい。
上記Q値は、ラジカル重合における反応性を表すパラメータであり、重合する2種類のモノマーのQ値が同等であれば、2種類のモノマーはランダムに重合する。しかし、一方のモノマーのQ値が著しく大きい場合は、Q値の大きなモノマーの単独重合が優先的に進行し、均一な共重合体とはなりにくい。本実施形態で用いられる、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーは、そのQ値がおよそ1前後であるので、これと共重合させる他の重合性モノマーのQ値が上記範囲内とすることにより、両者を共重合させやすくなる。
また、上記溶解度パラメータは、溶解性を表すパラメータであり、この値が近い物質同士はよく混じりあう。上記樹脂組成物を本実施形態のゲル状電解質として用いるには後述する電解液を含有させるが、この電解液に用いられる溶媒の溶解度パラメータは、通常、17〜30である。従って、ゲル状電解質用樹脂組成物の一部を構成する他の重合性モノマーのホモポリマーの溶解度パラメータが上記範囲にある場合、電解液とのなじみが良くなり保液性の良いゲルとなる。
上記オキセタン基を含む重合性モノマーとしては、式(1):
Figure 0004497456
(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、R2は炭素数1〜6のアルキル基である。)
で示されるモノマーであることが好ましい。式(1)に示した重合性モノマーは、ヨウ素やヨウ素化合物などの活性成分の存在下でも充分な速度でカチオン重合(架橋)するからである。
上記脂環式エポキシ基を含む重合性モノマーとしては、式(2):
Figure 0004497456
(式中、R3は水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)
で示されるモノマーであることが好ましい。式(2)に示した重合性モノマーもまた、ヨウ素やヨウ素化合物などの活性成分の存在下でも充分な速度でカチオン重合(架橋)するからである。
上記他の重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、およびこれらの誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルピロリドン、ビニレンカーボネート、N−ビニルアセトアミド、酢酸ビニル、塩化ビニルなどを使用できる。特に、(メタ)アクリル系モノマーである式(3):
Figure 0004497456
(式中、R4は水素または炭素数1〜3のアルキル基、R5は炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはアルキレンオキシド基である。)
で示されるモノマーであることが好ましい。式(3)に示した重合性モノマーは、ヨウ素やヨウ素化合物などの活性成分の存在下でも充分な速度でカチオン重合(架橋)するからである。
また、上記他の重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルのエステル末端をポリオキシアルキレンやエチレンカーボネートで変性した式(4)または式(5)で示される化合物も使用できる。
Figure 0004497456
(式中、R6は水素または炭素数1〜3のアルキル基、pは1〜10の整数である。)
Figure 0004497456
(式中、R7は水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)
上記オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーは2種以上であってもよく、また、他の重合性モノマーについても2種以上であってもよい。
物理架橋可能な重合体(B)としては、フッ化ビニリデンをモノマー成分として含む重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸メチル共重合体などを用いることができる。
上記フッ化ビニリデンをモノマー成分として含む重合体としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体などが該当するが、特にフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体が好ましい。ヘキサフルオロプロピレンを共重合することにより、溶解性が向上し、より実用的な温度でゲル化できるからである。
次に、本発明のゲル状電解質の実施の形態を説明する。本発明のゲル状電解質の一例は、上記樹脂組成物と、電解液、即ち溶媒および溶質とを含むものである。上記樹脂組成物に電解液を保持させることにより、イオン伝導性に優れ、機械的強度が強く、かつ高温でも流動化しないゲル状電解質を実現できる。
上記ゲル状電解質の全体の重量に対して、前述の重合体(A)の重量割合は0.5重量%以上10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以上5重量%以下である。この範囲内であれば、より確実にイオン伝導性に優れ、機械的強度が強く、かつ高温でも流動化しないゲル状電解質を作製できるからである。
また、上記ゲル状電解質の全体の重量に対して、前述の重合体(B)の重量割合は5重量%以上30重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5重量%以上20重量%以下である。この範囲内であれば、より確実にイオン伝導性に優れ、機械的強度が強いゲル状電解質を作製できるからである。なお、重合体(B)の種類と添加量を変更することにより、常温におけるゲル状電解質の機械的特性を制御できる。
上記電解液は溶媒と溶質とを含む。この溶媒は通常、溶質の解離を促進し、また溶質の解離により生じたイオン種の移動を速やかにするために用いられる。従って、この溶媒としては、溶質を溶解し、上記ゲル状電解質用樹脂組成物中に保持され得るものであれば種々のものを用いることができるが、特に環状エステル、環状カーボネート、鎖状カーボネート、およびニトリル類から選ばれる少なくとも1種の溶媒が好ましい。これらの溶媒は、各種の溶質を溶解でき、またイオン伝導性が高いからである。
環状エステルとしては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−ブチロラクトンなどのラクトン類が好ましい。環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどが好ましく、鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが好ましい。ニトリル類としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、メトキシプロピオニトリルなどが好ましい。また、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムアイオダイドなどのイオン性液体を溶媒として用いることもできる。なお、このイオン性液体は、後述するイオン供給源である酸化還元系構成物質としても用いることができる。また、分岐ポリエーテル類のように難揮発性に優れた溶媒を用いることもできる。さらに、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンメチルジグライムなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒は、いずれも単独で用いることもできるが、複数の溶媒を混合して用いることもできる。また、これらの溶媒の溶解度パラメータ(SP値)は、ほぼ17〜30である。
本実施形態のゲル状電解質は、光電変換素子の電解質に好適である。光電変換素子の電解質に用いる場合の溶質としては、酸化還元系構成物質が用いられる。本実施形態における酸化還元系構成物質とは、酸化還元反応において、可逆的に酸化体および還元体の形で存在する一対の物質をいい、酸化還元対ともいう。また、酸化体とは酸化状態の溶質(例えば、I3 -)をいい、還元体とは還元状態の溶質(例えば、I-)をいう。
また、本実施形態のゲル状電解質は、後述するリチウムイオン電池の電解質にも有効である。リチウムイオン電池の電解質に用いる場合の溶質としては、リチウム塩が用いられる。このリチウム塩としては、例えば、ヘキサフルオロ燐酸リチウム、過塩素酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、または各種有機リチウム塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
また、本実施形態のゲル状電解質には、機械的強度の向上、イオン伝導性の向上などの目的で、各種の無機微粒子を添加してもよい。この無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、カーボンなどを用いることができるが、特にシリカなどの無色の微粒子の添加はゲル状電解質の透光性を妨げず、光電変換素子の電解質には好適である。
続いて、本実施形態のゲル状電解質の製造方法の一例を説明する。本実施形態のゲル状電解質の製造方法は、先に説明した化学架橋可能な官能基を含む架橋性高分子化合物と、物理架橋可能な重合体とからなるゲル化剤を準備し、次に、このゲル化剤と、溶媒と、溶質と、重合開始剤とを混合した後、ゲル化剤に含まれるオキセタン基、脂環式エポキシ基などの官能基の化学反応により架橋を行うことにより、溶媒と溶質とを含む電解液のゲル化を行う。
オキセタン基、脂環式エポキシ基などの官能基の架橋反応は、これらの官能基の一般的な重合反応により行うことができる。例えば、カチオン重合性の開始剤を用いて熱や光で重合反応を起こすことができる。重合開始剤としては、熱重合の場合には、例えば、BF3、トリクレジルボレート、トリメトキシボロキシンなどのホウ素系化合物、またはLiBF4といったリチウム塩などを用いることができる。光重合の場合には、例えば、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロリン酸などのトリフェニルスルフォニウム系開始剤、またはジ−t−ブチル−フェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェイトなどのヨードニウム系開始剤を用いることができる。なかでも、BF3、トリクレジルボレート、トリメトキシボロキシン、LiBF4などのホウ素系開始剤が好ましく、特にトリクレジルボレートが好ましい。これらは、ゲル状電解質中に溶解する溶質の組成や溶媒の種類に影響されずに適切な重合反応を起こすことができるからである。
本実施形態のゲル状電解質を本発明の電気化学素子に適用する場合、そのゲル状電解質の作製方法は特に限定されない。即ち、ゲル化剤(上記ゲル状電解質用樹脂組成物)と電解液とを常温で混合した流動体を電極間に注入し、その後に架橋反応を行ってゲル化してもよい。また、上記流動体を一方の電極の表面に直接塗布して他方の電極と貼り合せ、その後にゲル化してもよい。さらに、上記流動体をキャスト法などを用いてシート状にゲル化し、このシート状電解質を電極間に挟み込んでもよい。
上記シート状電解質は、上記流動体を化学架橋が起らないような緩やかな条件で加熱して前述の重合体(B)の物理架橋のみでゲル化している状態でもよく、架橋性高分子化合物による化学架橋も行われた状態でもよい。また、必要に応じてシート状電解質を電極間に挟み込んだ後に光または熱による化学架橋が行われてもよい。さらに、シート状電解質の作製にあたって、上記流動体の粘度を下げて作業性をよくする目的で、上記流動体にさらに低沸点溶媒を加えてキャストし、その後この低沸点溶媒を除去してシート状電解質としてもよい。
(実施形態
次に、本発明の電気化学素子の一例であるリチウムイオン電池の実施の形態について説明する。本実施形態のリチウムイオン電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる材料を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる炭素材料、金属リチウム、およびリチウムと合金を形成することができる金属から選ばれる少なくとも1種の材料を含む負極と、実施形態で説明したゲル状電解質とを備えている。
ゲル状電解質としては、実施形態1のゲル状電解質用樹脂組成物と、リチウム塩を溶媒中に溶解した電解液とを含んでいれば、その種類は特に限定されない。
正極の材料としては、例えば、LiCoO2などのリチウム・コバルト酸化物、LiMn24などのリチウム・マンガン酸化物、LiNiO2などのリチウム・ニッケル酸化物、LiNiO2のNiの一部をCoで置換したLiNixCo(1-x)2、さらに、MnとNiとを等量含んだLiNi(1-x)/2Mn(1-x)/2Cox2、オリビン型LiMPO4(M:Co、Ni、Mn、Fe)を用いることができる。
負極の材料であるリチウムと合金を形成することができる金属(半金属を含む。)としては、例えば、Al、Si、Sn、Pb、Ge、Sbなどが使用でき、特に、SiとSnが好ましい。これらは、Liの挿入・脱離における可逆性が高いからである。
以下、実施例に基づき本発明を説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<ヨウ素を含有したゲル状電解質の作製>
(参考例1
前述の式(1)においてR1がCH3、R2がC25で表されるオキセタン基を含む重合性モノマーmモルと、前述の式(3)おいてR4がCH3、R5がCH3で表される他の重合性モノマー(Q値:0.78、ホモポリマーのSP値:18.6)nモルとを、モル比m/nが1/3で共重合して重量平均分子量が3×105の架橋性高分子化合物Aを作製した。また、γ−ブチロラクトン(SP値:26.2)に0.5mol/dm3のテトラプロピルアンモニウムアイオダイドと0.01mol/dm3のヨウ素とを溶解して電解液Aを作製した。次に、架橋性高分子化合物Aを電解液Aに10重量%の濃度で溶解して高分子溶液Aを作製した。
続いて、68重量部の上記電解液Aと、重合開始剤として2重量部のトリクレジルボレートと、フッ化ビニリデンをモノマー成分として含む重合体として20重量部のフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(アトフィナ社製の“Power Flex LGB1”)とをよく混合した後、10重量部の上記高分子溶液Aを加えてよく混合し、ゲル状電解質前駆体Aを作製した。
このゲル状電解質前駆体Aを200μmの厚さにキャストし、密閉状態において75℃で1時間加熱したところ、僅かに白濁が起こり全体が硬化した。その後、5℃で30分間冷却し、ゲル状電解質膜Aを得た。このゲル状電解質膜Aを室温(20℃)で観察したところ、膜としての形状を維持するのに充分な機械的強度を有していた。また、このゲル状電解質膜Aを密閉状態において80℃で10分間加熱したところ、膜の流動化は生ぜず、80℃における形状安定性は良好であった。
次に、このゲル状電解質膜Aを直径7mmの円形に打ち抜き、2枚の白金板で挟み、1mV/sの速度で±0.5Vの電圧掃引を行い、流れた電流値を測定した。この測定により得られた電流−電圧曲線(ボルタモグラム)の電流値が最大となった点を限界電流値とした。測定された限界電流値は、0.35mAであった。
(参考例2
前述の式(2)においてR3がCH3で表される脂環式エポキシ基を含む重合性モノマーmモルと、前述の式(3)おいてR4がCH3、R5がCH3で表される他の重合性モノマーnモルとを、モル比m/nが1/3で共重合して重量平均分子量が3×105の架橋性高分子化合物Bを作製した。次に、架橋性高分子化合物Bを実施例1で作製した電解液Aに10重量%の濃度で溶解して高分子溶液Bを作製した。
続いて、68重量部の上記電解液Aと、重合開始剤として1重量部のトリクレジルボレートと、フッ化ビニリデンをモノマー成分として含む重合体として20重量部のフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体“Power Flex LGB1”とをよく混合した後、10重量部の上記高分子溶液Bを加えてよく混合し、ゲル状電解質前駆体Bを作製した。
その後は、ゲル状電解質前駆体Bの加熱時間を10分にしたこと以外は、参考例1と同様にしてゲル状電解質膜Bを作製した。このゲル状電解質膜Bを室温(20℃)で観察したところ、膜としての形状を維持するのに充分な機械的強度を有していた。また、このゲル状電解質膜Bを密閉状態において80℃で10分間加熱したところ、膜の流動化は生ぜず、80℃における形状安定性は良好であった。
次に、参考例1と同様にしてゲル状電解質膜Bの限界電流値を測定したところ、0.3mAであった。
(参考例3
前述の式(1)においてR1がCH3、R2がC25で表されるオキセタン基を含む重合性モノマーmモルと、前述の式(3)おいてR4がCH3、R5がCH3で表される他の重合性モノマーnモルとを、モル比m/nが1/2で共重合して重量平均分子量が3×105の架橋性高分子化合物Cを作製した。次に、架橋性高分子化合物Cを用いたこと以外は、参考例1と同様にしてゲル状電解質膜Cを作製した。このゲル状電解質膜Cを室温(20℃)で観察したところ、膜としての形状を維持するのに充分な機械的強度を有していた。また、このゲル状電解質膜Cを密閉状態において80℃で10分間加熱したところ、膜の流動化は生ぜず、80℃における形状安定性は良好であった。
また、参考例1と同様にしてゲル状電解質膜Cの限界電流値を測定したところ、0.35mAであった。
(参考例4
前述の式(1)においてR1がCH3、R2がC25で表されるオキセタン基を含む重合性モノマーmモルと、前述の式(3)おいてR4がCH3、R5がCH3で表される他の重合性モノマーnモルとを、モル比m/nが1/3で共重合して重量平均分子量が6×105の架橋性高分子化合物Dを作製した。次に、架橋性高分子化合物Dを用いたこと以外は、参考例1と同様にしてゲル状電解質膜Dを作製した。このゲル状電解質膜Dを室温(20℃)で観察したところ、膜としての形状を維持するのに充分な機械的強度を有していた。また、このゲル状電解質膜Dを密閉状態において80℃で10分間加熱したところ、膜の流動化は生ぜず、80℃における形状安定性は良好であった。
また、参考例1と同様にしてゲル状電解質膜Dの限界電流値を測定したところ、0.4mAであった。
(比較例1)
前述の式(1)においてR1がCH3、R2がC25で表されるオキセタン基を含む重合性モノマーmモルと、前述の式(3)おいてR4がCH3、R5がCH3で表される他の重合性モノマーnモルとを、モル比m/nが1/3で共重合して重量平均分子量が5×103の架橋性高分子化合物Eを作製した。次に、架橋性高分子化合物Eを用いたこと以外は、参考例1と同様にしてゲル状電解質前駆体Eを作製した。このゲル状電解質前駆体Eを参考例1と同様にして75℃で2時間加熱したところ、白濁も硬化も起らなかった。
次に、このゲル状電解質前駆体Eを参考例1と同様にして冷却してゲル状電解質膜Eを得た。このゲル状電解質膜Eを室温(20℃)で観察したところ、膜としての形状を維持するのに充分な機械的強度を有していた。しかし、このゲル状電解質膜Eを密閉状態において80℃で10分間加熱したところ、液状に融解し、80℃における形状安定性は不良であった。
(比較例2)
フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を用いず、98重量部の電解液Aと、重合開始剤として2重量部のトリクレジルボレートとを混合したこと以外は、参考例1と同様にしてゲル状電解質前駆体Gを作製した。その後、参考例1と同様にしてゲル状電解質膜Gを作製した。このゲル状電解質膜Gを室温(20℃)で観察したところ、軟質なゼリー状であり、キャストした基板から剥がし取ったり、打ち抜いたりすることができず、膜としての形状を維持するのに充分な機械的強度を有していなかった。
次に、このゲル状電解質膜Gをスパチュラで掬うようにして電極間に挟み、参考例1と同様にして限界電流値を測定したところ、0.2mAであった。
(比較例3)
オキセタン基を含む架橋性高分子化合物を用いず、20重量部のフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体“Power Flex LGB1”と、参考例1で作製した80重量部の電解液Aとを混合したこと以外は、参考例1と同様にしてゲル状電解質前駆体Hを作製した。その後、参考例1と同様にしてゲル状電解質膜Hを作製した。このゲル状電解質膜Hを室温(20℃)で観察したところ、膜としての形状を維持するのに充分な機械的強度を有していた。しかし、このゲル状電解質膜Hを密閉状態において80℃で10分間加熱したところ、液状に融解し、80℃における形状安定性は不良であった。
また、参考例1と同様にしてゲル状電解質膜Hの限界電流値を測定したところ、0.4mAであった。
以上の参考例1〜4および比較例1〜3のゲル状電解質膜A〜Hの特性として、室温(20℃)における機械的強度、80℃における形状安定性、イオン伝導性の指標である限界電流値をまとめて表1に示した。表1の機械的強度および形状安定性は、良好(○)、不良(×)で表示した。
Figure 0004497456
表1から、本発明の参考例1〜4のゲル状電解質膜は、常温での機械的強度、高温での形状安定性、およびイオン伝導性に優れていることがわかる。一方、架橋性高分子化合物の重量平均分子量が1×104を下回った比較例1および架橋性高分子化合物を用いなかった比較例3では、いずれも高温での形状安定性に欠けていた。また、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を用いなかった比較例2では、常温での機械的強度に欠けていた。
<リチウム塩を含有したゲル状電解質の作製>
参考例1で作製した電解液Aに代えて、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを重量比で1:1に混合した混合溶媒にリチウム塩としてLiPF6を1mol/dm3となるように溶解して電解液Iを作製した。この電解液Iを用いたこと以外は、参考例1と同様にしてゲル状電解質膜Iを作製した。このゲル状電解質膜Iを室温(20℃)で観察したところ、膜としての形状を維持するのに充分な機械的強度を有していた。また、このゲル状電解質膜Iを密閉状態において80℃で10分間加熱したところ、膜の流動化は生ぜず、80℃における形状安定性は良好であった。
次に、このゲル状電解質膜Iを直径7mmの円形に打ち抜き、2枚のリチウム板で挟み、20℃、1kHzの周波数で交流インピーダンス法によりイオン伝導度を測定したところ、0.9mS/cmであった。
(比較例)
オキセタン基を含む架橋性高分子化合物を用いず、20重量部のフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体“Power Flex LGB1”と、実施例で作製した80重量部の電解液Iとを混合したこと以外は、実施例と同様にしてゲル状電解質前駆体Jを作製した。その後、実施例と同様にしてゲル状電解質膜Jを作製した。このゲル状電解質膜Jを室温(20℃)で観察したところ、膜としての形状を維持するのに充分な機械的強度を有していた。しかし、このゲル状電解質膜Jを密閉状態において80℃で10分間加熱したところ、液状に融解し、80℃における形状安定性は不良であった。
次に、実施例と同様にしてゲル状電解質膜Jのイオン伝導度を測定したところ、0.9mS/cmであった。
以上の結果を表に示す。
Figure 0004497456
から、本発明の実施例のゲル状電解質膜は、リチウムイオン電池のゲル状電解質としても、優れた熱安定性とイオン伝導性を併せ持つものであることが分かる。
以上のように本発明は、イオン伝導性に優れ、機械的強度が強く、かつ高温でも流動化しないゲル状電解質用樹脂組成物、ゲル状電解質およびそれを用いた電気化学素子を提供することができる。

Claims (8)

  1. オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む架橋性高分子化合物を架橋してなる重合体(A)と、フッ化ビニリデンをモノマー成分として含む重合体(B)と、溶媒およびリチウム塩とを含み、
    前記架橋性高分子化合物の重量平均分子量が1×104〜5×106であり、
    前記架橋性高分子化合物は、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーmモルと、ビニル系モノマーnモルとを、モル比m/nが1/20〜2/1の範囲で共重合してなり、
    前記ビニル系モノマーのQ値が0〜1.5であり、そのホモポリマーの溶解度パラメータが17〜30であることを特徴とするゲル状電解質。
  2. オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む架橋性高分子化合物を架橋してなる重合体(A)と、フッ化ビニリデンをモノマー成分として含む重合体(B)と、溶媒およびリチウム塩とを含み、
    前記架橋性高分子化合物の重量平均分子量が1×104〜5×106であり、
    前記架橋性高分子化合物は、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーmモルと、他の重合性モノマーnモルとを、モル比m/nが1/20〜2/1の範囲で共重合してなり、
    前記他の重合性モノマーが、式(3):
    Figure 0004497456
    (式中、R4は水素または炭素数1〜3のアルキル基、R5は炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはアルキレンオキシド基である。)
    で示されるモノマーであることを特徴とするゲル状電解質。
  3. 前記オキセタン基を含む重合性モノマーが、式(1):
    Figure 0004497456
    (式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、R2は炭素数1〜6のアルキル基である。)
    で示されるモノマーである請求項1または2に記載のゲル状電解質。
  4. 前記脂環式エポキシ基を含む重合性モノマーが、式(2):
    Figure 0004497456
    (式中、R3は水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)
    で示されるモノマーである請求項1または2に記載のゲル状電解質。
  5. 前記フッ化ビニリデンをモノマー成分として含む重合体が、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体である請求項1〜のいずれかに記載のゲル状電解質。
  6. ゲル状電解質の全体の重量に対して、前記重合体(A)の重量割合が0.5重量%以上10重量%以下であり、前記重合体(B)の重量割合が5重量%以上30重量%以下である請求項1〜のいずれかに記載のゲル状電解質。
  7. 前記溶媒が、環状エステル、環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エーテル、鎖状エーテル、およびニトリル類から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含む請求項1〜のいずれかに記載のゲル状電解質。
  8. リチウムイオンを吸蔵・放出することができる材料を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる材料、金属リチウム、およびリチウムと合金を形成することができる金属材料から選ばれる少なくとも1種の材料を含む負極と、電解質とを備えた電気化学素子であって、
    前記電解質が、請求項1〜のいずれかに記載のゲル状電解質であることを特徴とする電気化学素子。
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