以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図1はこの発明の実施の形態1に係る用紙後処理装置を示すものである。
この用紙後処理装置1は、図1に示すように、図示しない複写機やプリンター等の画像形成装置によって画像が形成された用紙に対して、パンチ処理や綴じ処理、あるいは中綴じ折り処理などの後処理を施すように構成されている。
また、上記用紙後処理装置1には、画像形成装置によって画像が形成された用紙に対して、表紙やカラー画像が形成された用紙など、所望の用紙を所定のタイミングで適宜供給するインターポーザー2を備えたインターフェイスモジュール3と、前記インターフェイスモジュール3を通過した用紙に対して、所望のZ折やC折り等の折り処理を施す折り処理装置4とが組み合わされている。
そして、上記用紙後処理装置1では、図示しない画像形成装置によって画像が形成された用紙に対して、パンチユニットによってパンチ処理を施したり、ステープラーによって綴じ処理を施して、用紙束や小冊子を作成したり、オフセットするスタックトレイ(排出トレイ)によって複数枚の用紙を、1セット毎にオフセットさせて(ずらして)排出することが可能となっている。
上記インターフェイスモジュール3には、図1に示すように、その左側面に導入口5が設けられており、この導入口5からは、図示しない画像形成装置によって画像が形成された用紙90が導入されるようになっている。また、上記導入口5の内側には、用紙90を搬入する搬入ロール6が配設されている。さらに、上記搬入ロール6の下流側には、斜め上方に延びた用紙搬送路7を介して、水平方向横向きに開口した排出口8が設けられており、用紙搬送路7には、用紙90のカールを除去するカール除去ロール9が配設されている。
さらに、上記インターフェイスモジュール3の上部には、画像形成装置によって画像が形成された用紙90に対して、表紙やカラー画像が形成された用紙など、所望の用紙を適宜供給するインターポーザー2が載置されている。このインターポーザー2は、用紙を載置する給紙トレイ10と、当該給紙トレイ10上に載置された用紙を1枚ずつ分離した状態で給紙するナジャーロール11・フィードロール12・リタードロール13と、給紙された用紙をインターフェイスモジュール3へ排出する出口ロール14とを備えている。また、上記インターフェイスモジュール3の内部には、インターポーザー2から導入された用紙を、排出口8へと搬送する搬送ロール15を備えた用紙搬送路16が設けられている。
一方、上記折り処理装置4は、図1に示すように、その左側面にインターフェイスモジュール3から排出された用紙90を導入する導入口17が設けられているとともに、その右側面には、水平方向に配置された用紙搬送路18を介して用紙90を排出する排出口19が設けられている。また、上記導入口17の内側には、導入ロール20が配設されており、当該導入ロール20の下流側には、搬送ロール21を備え、下方に分岐した折り用の用紙搬送路22が、鉛直方向下向きに設けられている。この折り用の用紙搬送路22に導入された用紙90は、その先端部が突き当て部23に突き当てられた状態で、折りロール24によって2つ折りに折る処理がなされた後、搬送ロール25を備えた3つ折り用の用紙搬送路26に搬送される。そして、この3つ折り用の用紙搬送路26に搬送された用紙90は、その先端部が突き当て部27に突き当てられた状態で、折りロール28によって3つ折りに折る処理がなされる。その後、3つ折りに折る処理がなされた用紙90は、搬送ロール29を備えた排出用の用紙搬送路30を介して排出口19へと搬送される。上記折り処理装置4では、用紙90に対してC折りやZ折りが可能となっている。
図1はこの発明の実施の形態1に係る用紙後処理装置を示すものである。
この用紙後処理装置1には、その左側面に折り処理装置4を通過した用紙90を導入する導入口31が設けられているとともに、当該導入口31の内側には、用紙90を斜め上向きの用紙搬送路32に沿って搬送するための導入ロール33が配設されている。また、上記導入ロール33の下流側には、当該導入ロール33によって搬送されるとともに、更に下流側に位置する逆転ロール34によって逆送され、図示しない突き当て部に後端部が突き当てられて、スキューが補正された用紙90の所定位置に対して、パンチ処理を施す穿孔手段としてのパンチユニット35が配設されている。さらに、上記パンチユニット35の下流側は、用紙搬送路が2つに分岐しており、当該用紙搬送路のうち、上方に分岐した用紙搬送路36は、必要に応じてパンチ処理を施した用紙90や、画像が形成された用紙90をそのまま固定トレイ40に排出したり、綴じ処理を施したり、オフセット排出するためのものである。一方、上記用紙搬送路のうち、搬送ロール37を備えて下方に分岐した用紙搬送路38は、用紙90を中央部で綴じた後、綴じ部で2つに折る中綴じ折り処理を行って排出するためのものである。
上記上方に分岐した用紙搬送路36は、更に2つに分岐しており、鉛直方向上方に分岐した用紙搬送路39は、必要に応じて穿孔処理を施した用紙90や、画像が形成された用紙90をそのまま、あるいは不要な用紙90を固定トレイ40上に排出するためのものである。この用紙搬送路39には、搬送ロール41と、トップ排出ロール42が配設されており、必要に応じて穿孔処理を施した用紙90や、画像が形成された用紙90等をそのまま固定トレイ40に排出するように構成されている。
また、上記上方に分岐した用紙搬送路のうち、更に略水平方向に分岐した用紙搬送路43は、用紙90に対して一端縁に沿った綴じ処理や角部に綴じ処理を施したり、複数枚の用紙90をセット毎にオフセットさせた状態で排出するためのものである。この用紙搬送路43には、バッファー用の逆転ロール44と、排出手段としてのコンパイル排出ロール104とが配設されており、当該コンパイル排出ロール104によって用紙90を順次コンパイルトレイ105上に排出するようになっている。さらに、上記コンパイルトレイ105上に整列された所定枚数の用紙90は、必要に応じて、ステープラー161によって綴じ処理が施された後、排出ロール131によってオフセットする排出トレイとしてのスタックトレイ109上に排出される。上記用紙90には、ステープラー161によって、種々の綴じ処理が可能となっている。
また、上記コンパイルトレイ105の基端部には、用紙90の基端部を突き当てるエンドウォール151が退避可能に配設されているとともに、用紙90を排出方向に沿って整列する第1の用紙揃え手段としてのパドル111が回転可能に配設されている。さらに、上記コンパイルトレイ105の中間部には、用紙90を排出方向と直交する方向(幅方向)に整列する第2の用紙揃え手段としてのタンパー141が図面に垂直な方向に移動可能に配設されている。また、上記コンパイルトレイ105の先端部には、用紙90を整列する補助パドル121と、用紙束を案内する出没可能なシェルフ部材171が配設されている。又さらに、上記スタックトレイ109の基端部には、当該トレイ109上に排出される用紙90の基端部を押さえる押さえ部材としてのクランパー55が回動可能に配設されている。
なお、上記排出手段としての排出ロール131と補助パドル121は、所定のタイミングで、個別に上方に移動可能となっている。
さらに、上記用紙搬送路36の上端部には、下側に向けて二重搬送路56が分岐しており、当該二重搬送路56には、バッファーロール57が設けられている。
また、上記パンチユニット35の下流側から分岐した用紙搬送路38には、その下方に、用紙90を整列トレイ60上に排出するための排出ロール61が設けられているとともに、前記整列トレイ60の下端部には、用紙90の下端部を突き当てるエンドガイド62が上下方向に移動可能に設けられている。さらに、上記整列トレイ60の中間部には、中綴じ用のステープラー63と、用紙90を整列させる図示しないタンパーを駆動するタンパー駆動部64と、整列された用紙90を中央部で折る折りナイフ部65とが配設されている。そして、上記整列トレイ60上で整列された用紙90は、折りナイフ部65と2組の折りロール66によって、中央部で2つに折られた後、出口ロール67によってブックトレイ68上に排出されるように構成されている。なお、69は整列トレイ60の上下に設けられて用紙90を整列させるためのパドルを示している。
上記用紙後処理装置1の内部に導入された用紙90に対しては、図2に示すように、ステープル機能部100において、端綴じ処理が施される。
上記ステープル機能部100には、図2に示すように、用紙搬送路43を構成する搬送ガイド101、102によって用紙90が案内されるとともに、当該搬送ガイド101、102の出口部近傍には、用紙90を検知して各機構部の動作を制御するための信号を出力する用紙検知手段としてのコンパイルイクジットセンサ103が配設されている。また、上記搬送ガイド101、102の出口部には、一対の排出ロール104が設けられており、当該排出ロール104によってコンパイルトレイ105上に用紙90が上方から排出されるように構成されている。その際、上記コンパイルトレイ105は、先端部が上方に位置するように傾斜した状態で配置されているとともに、排出ロール104の用紙排出方向は、水平方向又は水平方向よりも僅か上向きに設定されている。その結果、上記排出ロール104の用紙排出方向は、コンパイルトレイ105の表面に対して、所定の鋭角をなすように設定されている。また、上記コンパイルトレイ105上で整列され、ステープラー161によって綴じられた冊子は、排出ロール131によって排出トレイ109上に排出されるようになっている。さらに、上記コンパイルトレイ105には、縦方向揃え(用紙搬送方向揃え)の基準壁となる縦基準壁(後述するエンドウォール151)が用紙排出方向と反対方向に設けられている。また、上記コンパイルトレイ105には、横方向揃え(用紙搬送方向と直交する方向)の基準壁となる横基準壁(図示せず)が、例えば装置の手前側(フロント側)に設けられている。
また、上記ステープル機能部100では、コンパイルトレイ105上に排出される用紙90が、縦方向揃え部110により縦方向(用紙搬送方向)に沿って揃えられるとともに、縦揃え補助部120によって縦方向揃え部110の用紙搬送方向(縦方向)の用紙揃え動作が補助される。さらに、上記ステープル機能部100では、用紙束支持・排出部130によって、用紙束の整合性を良くするために、ステープル綴じを実行する際、用紙束を押さえると共に、ステープル綴じが終了した後の用紙束を排出するように構成されている。又、上記コンパイルトレイ105上に排出される用紙90は、横方向揃え部140によって、用紙搬送方向に直交する方向(横方向)に対して用紙揃えが実行される。更に、上記ステープル機能部100は、コンパイルトレイ105の後端部に配設されたエンドウォール部150を備えており、このエンドウォール部150は、縦方向の用紙揃えに際して壁となって用紙揃えを行うエンドウォール151と、当該エンドウォール151を駆動させる機構を有している。また、上記コンパイルトレイ105の後端部には、ステープルヘッド161を備え、コンパイルトレイ105上に排出された用紙束に対してステープル綴じを施すステープル機構部160が配設されている。更に、上記コンパイルトレイ105の先端部には、コンパイルトレイ105内の用紙を支えるガイドであるシェルフ171を含み、このシェルフ171を駆動させる機構を有するシェルフ機構部170が配設されている。
上記コンパイルトレイ105の用紙排出方向の後端部には、図2に示すように、その上方に縦方向揃え部110が設けられている。この縦方向揃え部110は、排出ロール104によってコンパイルトレイ105上に順次排出される用紙90を、当該コンパイルトレイ105の後端に設けられたエンドウォール151に押し当てて、縦方向に揃えるためのコンパイルパドル111を備えている。このコンパイルパドル111は、例えば、EPDM等の弾性材料によって形成され、接線方向に沿って設けられた3本の羽根を備えており、矢印方向に沿って回転可能に配設されている。また、上記コンパイルパドル111を回転可能に支持する軸には、リンク114が取り付けられているとともに、当該リンク114には、短いリンク113を介して、コンパイルパドル111を上下動(リトラクト/アドバンス動作)させるコンパイルパドルアップ/ダウンソレノイド112が連結されている。更に、上記コンパイルパドル111の軸方向には、カールの強い用紙を押さえる等、用紙揃えを助けるための規制ガイド115、116が配設されている。上記縦方向揃え部110では、排出ロール104によってコンパイルトレイ105上に順次排出される用紙90が、コンパイルパドル111によって用紙排出方向の後端部に搬送され、エンドウォール151に押し当てられて縦方向に揃えられるとともに、後端部にカール等が生じている用紙90は、規制ガイド115、116によって抑えられるようになっている。
この縦方向揃え部110は、図3に示すように、軸方向に沿って回転可能に配設された3つのコンパイルパドル111を備えており、当該3つのコンパイルパドル111が取り付けられた軸は、2本の長尺なリンク114によって回転自在に支持されている。さらに、上記2本の長尺なリンク114には、コンパイルパドル111に回転力を伝達する軸を介して、短尺なリンク113が連結されているとともに、当該短尺なリンク113には、コンパイルパドルアップ/ダウンソレノイド112の作動腕が連結されている。また、上記コンパイルパドルアップ/ダウンソレノイド112の作動腕には、バネ117が装着されている。そして、上記コンパイルパドルアップ/ダウンソレノイド112をON/OFFすると、当該コンパイルパドルアップ/ダウンソレノイド112の作動腕が、図中(A)方向に沿って移動し、リンク113が(B)方向に揺動する。さらに、上記リンク113が(B)方向に揺動すると、リンク114は、( C) 方向に沿ってスライドする。これらリンク113、114の動きによって、例えば、積載される用紙90の枚数等、用紙束の厚さ等に基づき、必要なタイミングにて、コンパイルパドル111を上下動させることが可能となっている。また、規制ガイド116は、リンク114の( C) 方向の動作に連動して、( D) 方向に揺動するように構成されている。これによって、カールの強い用紙90の後端を押さえ込むことが可能となる。なお、図3では、図面の見易さを考慮して、規制ガイド115を省略しているが、実際には、コンパイルパドル111と同軸状に複数個(例えば3個)の規制ガイド115が配設されている。
また、上記縦揃え補助部120は、図2に示すように、コンパイルトレイ105の先端部の上方に配置されている。この縦揃え補助部120は、コンパイルトレイ105上に排出される用紙90をエンドウォール151に押し当てる動作を補助するサブパドル121を備えている。このサブパドル121は、コンパイルパドル111と同様に、例えば、EPDM等の弾性材料によって形成され、接線方向に沿って設けられた3本の羽根を備えており、矢印方向に沿って回転可能に配設されている。そして、上記サブパドル121は、これら3本の羽根によって、コンパイルトレイ105に供給される用紙90の縦揃えを補助している。また、上記サブパドル121は、リンク123、124を介して、サブパドルアップ/ダウンソレノイド122によって上下方向に沿って移動可能に構成されている。サブパドル121は、例えば、用紙枚数が所定枚数(50枚)になった時点で、サブパドルアップ/ダウンソレノイド122によって上昇させるように移動される。
上記縦揃え補助部120は、図4に示すように、駆動源によって駆動力が伝達されるタイミングプーリ125を備えており、当該タイミングプーリ125の駆動力は、サブパドルクラッチ128及びタイミングベルトによって駆動力を伝達可能なリンク126を介してサブパドル121に伝達されるようになっている。また、上記リンク126は、所定のタイミングで上下方向に沿って揺動され、サブパドル121を動作(上下動)させるように構成されている。この上下動によって、コンパイルトレイ105からの用紙排出時には、用紙束の排出を妨げることのないような上止点の位置にサブパドル121が移動するように制御され、用紙揃えに搬送力が必要であるときには、搬送力を大きくするために、必要なタイミングにて、下止点の位置にサブパドル121が移動するように制御されている。
また、上記縦揃え補助部120は、サブパドルアップ/ダウンソレノイド122を備えており、当該サブパドルアップ/ダウンソレノイド122には、支点123aを中心として図の(G)方向に沿って揺動するリンク123が連結されている。さらに、上記リンク123には、リンク124が連動するように連結されており、当該リンク124を図の (H)方向に沿って揺動させると、複数枚のギアを介してサブパドル121が支持されたリンク126が、図の(F)方向に沿って揺動するように構成されている。そして、この縦揃え補助部120では、コンパイルトレイ105に排出される用紙90が、例えば50枚を超えると、サブパドルアップ/ダウンソレノイド122を吸引するようになっている。上記サブパドルアップ/ダウンソレノイド122を吸引すると、支点123aを中心として図の(G)方向にリンク123が回動し、連動するリンク124と、サブパドル121を含む全体が上方向(図の(F)方向)に動くようになっている。また、サブパドルアップ/ダウンソレノイド122を開放することにより、支点123aを中心として図の (H)方向にリンク123が回動し、連動するリンク124と、サブパドル121を含む全体が下方向に移動し、コンパイルトレイ105に排出される用紙90が1枚から50枚までに対応する高さに動くようになっている。このようにしてサブパドル121と用紙90の積載面との高さを調整することで、用紙積載量が異なった場合であってもサブパドル121による搬送力を略一定の状態に保つことができる。更に、上記縦揃え補助部120には、用紙用面規制ガイド127が設けられており、サブパドル121によって予定以上の搬送力が用紙に付与された場合であっても、用紙90が座屈することのないように構成されている。
さらに、上記用紙束支持・排出部130は、図2に示すように、用紙の支持と用紙束の排出を行うイジェクトロール131を備えており、当該イジェクトロール131は、コンパイルトレイ105の先端部に回転自在に配設された対向ロール139との間で、用紙束を所定のタイミングで挟持し、用紙の支持と用紙束の排出を行うように構成されている。
また、上記用紙束支持・排出部130は、イジェクトロール131の手前側に配設された押さえ込みロール132を備えている。この押さえ込みロール132は、例えば、Z形に折られた用紙の折部近傍を、イジェクトロール131と共に押さえ込むように配設されている。上記押さえ込みロール132は、イジェクトロール131よりもコンパイル方向側(用紙排出方向と反対側)に設けられており、例えばA3サイズの用紙(A3SEF)がZ形に折られてA4サイズとなったときの用紙の折部近傍を押さえ込むことができるようになっている。上記イジェクトロール131および押さえ込みロール132は、回動中心137を中心として回動するように構成されている。
また、上記用紙束支持・排出部130は、図5に示すように、イジェクトクランプモータ134を備えており、当該イジェクトクランプモータ134を所定の方向に所定量だけ回動することによって、このイジェクトクランプモータ134により回動されるリンク136及びスプリング138を介して、イジェクトロール131及び押さえ込みロール132を、図2に示す回動中心137を中心に、図5の(I)方向に揺動させるように構成されている。上記押さえ込みロール132は、板ばね133によって回転自在に支持されている。さらに、上記用紙束支持・排出部130は、イジェクトモータ135を備えており、当該イジェクトモータ135によってタイミングベルト等を介して、イジェクトロール131を回転駆動させるように構成されている。
上記イジェクトロール131は、イジェクトモータ135によって回転駆動され、ステープル機構部160によってステープル綴じされた後の用紙90を、対向ロール139とによって挟持しつつ、排出方向に向かって搬送するようになっている。また、本実施の形態が適用されるイジェクトモータ135は、用紙束が排出された後、空のコンパイルトレイ105に最初に用紙90が搬送されるタイミングにて、排出方向と反対方向であるコンパイル方向に向かって用紙90を搬送するように、イジェクトロール131を逆回転させている。その理由は、上記イジェクトロール131が上方に退避した状態では、サブパドル121が用紙90に接触するため、当該イジェクトロール131が用紙90に接触することはないが、コンパイルトレイ105上への用紙90の排出間隔を短く設定することによって生産性を向上させた場合には、イジェクトロール131が上方に退避する以前に、次の用紙がコンパイルトレイ105上に排出される場合も考えられる。そのため、イジェクトモータ135は、用紙束が排出された後、空のコンパイルトレイ105に最初に用紙90が搬送されるタイミングにて、イジェクトロール131を逆回転させ、排出方向と反対方向であるコンパイル方向に向かって用紙90を搬送するように構成されている。
更に、上記用紙束支持・排出部130は、スプリング138によって所定の押圧力で用紙を押圧している。このとき、スプリング138の圧縮仲張方向( 図の( J) 方向) とイジェクトロール131の移動方向( 図の( I) 方向) とが一致していないことから、スプリング138の圧縮または伸張によってイジェクトロール131にかかる圧力の変化を緩和させている。この結果、イジェクトロール131の用紙90に対する押圧力が、積載される用紙90の量によって大きく変化することを防ぐことができる。
また、上記コンパイルトレイ105の中間部より先端側には、図2に示すように、当該コンパイルトレイ105上に排出される用紙90を、用紙搬送方向と直交する方向(横方向)に揃える横方向揃え部140が設けられている。この横方向揃え部140は、用紙搬送方向と直交する方向にスライドし、コンパイルトレイ105上に排出される用紙90に対して、例えば装置のリア側からフロント側に向けて、1枚ごとに横揃えを行うタンパー141を備えている。このタンパー141は、移動手段としてのタンパーモータ142によって、用紙搬送方向と直交する方向(横方向)に往復移動するように構成されており、当該タンパー141には、タンパーモータ142の駆動力がベルト143を介して伝達されるようになっている。
上記横方向揃え部140には、図6に示すように、タンパー141の移動方向に沿った端部に、タンパー141のホーム位置を検知するフォトセンサであるタンパーホームセンサ144が設けられている。通常、タンパー141は、タンパーホームセンサ144により検知されたホームポジションにて待機している状態にある。このタンパー141のホームポジションは、用紙90の搬送方向と直交する方向において、リア側に最も退避した位置に設定されている。タンパー141は、装置のフロント側にある横基準壁145(図中破線で示す)に向けて用紙90のサイドエッジを押さえつけるように機能している。上記タンパー141の待機位置は、タンパーホームセンサ144の位置に関わらず、用紙90のサイズが小さい場合にはフロント側に近い位置に設定される。また、上記タンパー141の待機位置は、タンパーモータ142のステッピング制御によって決定される。横方向揃えでは、コンパイルトレイ105に対する用紙搬送のタイミングに合わせてタンパーモータ142が回転し、タンパー141は、ベルト143の回動に伴って上記用紙サイズに応じた待機位置から図のK方向に移動する。この移動動作によって、コンパイルトレイ105に搬入される用紙90に対する横揃えを可能としている。より具体的には、タンパー141に設けられた押し付け面である壁部141aを用紙90のサイドエッジに押し付けることで、横基準壁145に用紙90を整合させている。
さらに、上記エンドウォール部150は、図7に示すように、縦方向揃えの基準となるエンドウォール151を備えており、コンパイルトレイ105上に排出される用紙90を、縦方向に沿ったステープル綴じの基準位置(縦方向)に整列させるように構成されている。また、エンドウォール部150は、エンドウォール151を退避させる(開かせる)際の駆動源となるステッピングモータであるエンドウォールモータ152を備えており、当該エンドウォールモータ152の回転駆動力は、ベルト153を介してエンドウォール151の開閉を行う軸156に伝達されるようになっている。また、上記エンドウォール151の開閉は、軸156の端部に設けられたエンドウォール151の閉じた状態を検知するフォトセンサであるエンドウォールホームセンサ154と、エンドウォール151の開いた状態を検知するフォトセンサであるエンドウォールオープンセンサ155とによって検知される。また、上記エンドウォール151は、その天井部151bが回動軸157を中心にして回動するように構成されているとともに、当該天井部151bは、壁部151aに設けられたスプリング158によって元の状態に戻されるように構成されている。
ここで、ステープル綴じは、積載された用紙束の角を1箇所、ステープルするシングル(1箇所綴じ)モードと、複数箇所をステープルするデュアル(2箇所)モードとを選択することができる。このシングル(1箇所綴じ)モードのときには、エンドウォール151は退避しない。デュアル(2箇所)モードのときには、ステープル動作とエンドウォール151とが干渉することから、エンドウォール151をコンパイルトレイ105の積載面から退避させることが必要である。エンドウォール151が退避のために回動する際、用紙束によって天井部151bが押され、中心軸157を介して天井部151bが開く。用紙束との接触がなくなった時点で、スプリング158によって、壁部151aとL字を形成する天井部151bが元の状態に戻り、壁部151a、天井部151bおよび底部151cによってコの字を形成することができる。この状態のまま、エンドウォール151を元の位置に戻すことで、次にコンパイルすることが必要となる用紙の受け入れが可能となる。
また、上記ステープル機構部160は、図8に示すように、ステープル綴じを実際に行うステープラー161を備えている。このステープラー161は、コンパイルトレイ105上に整合された用紙90の一端縁に沿った方向、及び当該一端縁の両端にそれぞれ位置するエッジ部に移動可能となるように、ベースプレート162に取付けられている。このベースプレート162には、ステープラー161を案内するためのガイドレール163が設けられているとともに、ステープラー161には、当該ステープラー161を移動させるステッピングモータからなるステープルムーブモータ164が取付けられている。上記ガイドレール163に沿って移動するステープラー161は、当該ステープラー161のホーム位置を検知するステープルムーブホームセンサ165と、ステープラー161の中央位置を検知するステープルセンターポジションセンサ166とによって検知されるように構成されている。
前述のシングル(1箇所綴じ)を行う際には、ステープルヘッド161は、ステープルムーブホームセンサ165によって検知される第1のホームボジション位置に留まって、必要なタイミングにて、順次、ステープル綴じを実行する。一方、デュアル(2箇所)を実行する際には、まず、ステープルセンターポジションセンサ166によって検知される第2のホームポジション位置に待機している。その後、コンパイルトレイ105に一纏まりの用紙90が積載され、エンドウォール151が開いた後に、ステープルムーブモータ164を駆動させてステープルヘッド161をステープル位置まで移動させ、2箇所にステープル綴じを施すように機能している。
さらに、上記シェルフ機構部170は、図9に示すように、コンパイルトレイ105上に排出される用紙90を支えるガイドである2枚のシェルフ171を備えており、これら2枚のシェルフ171は、それぞれ平板状に形成されている。上記シェルフ171は、ステッピングモータからなるシェルフモータ172によって、図の(N)方向に沿ってスライドするように構成されている。上記シェルフモータ172の駆動力は、ラック&ピニオン機構173によってシェルフ171に伝達されるとともに、当該シェルフ171のホーム位置は、フォトセンサからなるシェルフホームセンサ174によって検知されるようになっている。
上記シェルフ171は、コンパイルトレイ105上に載置される用紙90を支持するために、用紙搬送方向(用紙排出方向)に沿って所定の長さが必要である。この所定の長さをもったコンパイルトレイ105の先をそのまま排出口とすると、図2に示す排出トレイ109が用紙後処理装置1から大きく突出してしまう。そこで、用紙束を排出する際には、用紙排出方向と反対方向にシェルフ171を引っ込めるように構成されている。これによって、装置全体を小型化することが可能となる。
次に、図1〜図9を用いて説明したステープル機能部10の一連の動作について、これらの図を用いて説明する。
画像形成装置によって画像が形成された用紙90は、図2に示すように、搬送ガイド101、102の間を通り、排出手段としての排出ロール104によってコンパイルトレイ105上に排出される。この排出された用紙90は、第1の用紙揃え手段を構成する縦方向揃え部110のコンパイルパドル111および縦方向揃え補助手段を構成する縦揃え補助部120のサブパドル121により、縦基準壁であるエンドウォール151に寄せられる。このとき、上記用紙90は、第2の用紙揃え手段を構成する横方向揃え部140のタンパー141により、コンパイルトレイ105の例えばフロント側に設けられた横基準壁145に寄せられる。この動作を必要に応じて繰り返すことによって、コンパイルトレイ105上に用紙90が整然と集積される。
第1の用紙揃え手段を構成する縦方向揃え部110では、図2に示すように、コンパイルパドル111を常時、回転させ、コンパイルトレイ105上に排出される用紙90の上面に当接して、用紙90の後端側エッジ(リアエッジ)をエンドウォール151に押し当てている。このとき、前述のように、コンパイルトレイ105に積載される用紙90が所定の厚み以上となったとき(例えば50枚を超えたとき)には、コンパイルパドルアップ/ダウンソレノイド112を動作させて、コンパイルパドル111を上昇させることで、コンパイルパドル111による搬送力が適度な状態に保たれる。
一方、縦方向揃え補助手段を構成する縦揃え補助部120では、図4を用いて説明したように、用紙90が供給される毎に、サブパドル121を上止点の位置から下止点の位置に移動させている。サブパドル121は常時、図2に示す右回り(時計回り)の方向に回転しており、下止点の位置への移動動作に伴い、用紙90をエンドウォール151に押し当てる縦方向揃えを補助している。また、コンパイルトレイ105に積載される用紙90が所定の厚み以上となったとき(例えば50枚を超えたとき)には、サブパドルアップ/ダウンソレノイド122を動作させて、サブパドル121の下止点の位置を上昇させることで、サブパドル121による搬送力が適度な状態に保たれる。
ここで、第2の用紙揃え手段(サイドレジ横揃え手段、センターレジ横揃え手段)を構成する横方向揃え部140では、用紙90が排出される際、タンパー141が排出される用紙90の奥エッジより更に奥に位置するサイズ位置(待機位置)に待機している。待機位置は、前述のように、図6に示すホームボジション位置である場合の他、搬送される用紙90の主走査方向長さ(用紙搬送方向に直交する方向の長さ)が短い用紙90が搬送される場合には、ホームポジション位置よりもフロント側に近い位置に設定される。排出ロール104により用紙90の後端が排出された後に、タンパー141が横基準壁方向に移動し、再度、待機位置に戻る動作を、用紙90がコンパイルトレイ105に供給される毎に、必要に応じて複数回繰り返すことで、横揃えを可能としている。
その後、用紙束を形成する必要枚数の用紙90が積載されて整合された後、用紙束支持・排出部130のイジェクトクランプモータ134(図5参照)が動作し、押さえ込みロール132およびイジェクトロール131が下降して、用紙面上に当接し、用紙束を押さえて支持する。そして、シングル(1箇所綴じ)モードの場合には、ステープルヘッド161に設けられたステープルモータ(図示せず)を動作させ、用紙束に対してステープル綴じを施す。その後、イジェクトモータ135(図5参照)が回転し、イジェクトロール131が排出方向に回転することで、用紙束(冊子)を排出トレイ109に向けて排出する。このとき、シェルフ機構部170では、図9に示したシェルフモータ172を動作させ、シェルフ171を引っ込める方向にスライドさせている。
一方、デュアル(2箇所)モードの場合には、押さえ込みロール132およびイジェクトロール131が下降し、用紙束が押さえられて支持された後、エンドウォール部150のエンドウォールモータ152(図7参照)が動作する。これによって、エンドウォール151が回動され、コンパイルトレイ105からエンドウォール151が退避される。ここで、デュアル(2箇所)モードの場合、ステープラー161はステープルセンターポジションセンサ166(図8参照)の位置に待機しているが、エンドウォール151が退避した後、ステープル機構部160のステープルムーブモータ164(図8参照)が駆動し、ステープラー161をステープル位置に移動して、2箇所にステープル綴じが施される。その後、シングル(1箇所綴じ)モードの場合と同様にして用紙束(冊子)が排出トレイ109に排出される。
ところで、この実施の形態では、用紙90に第1の用紙揃え手段111が作用する前に、第2の用紙揃え手段141を用紙90の排出方向と直交する方向に移動させて用紙90の端部に当接させ、前記用紙90を排出方向と直交する方向に突き動かす移動手段142を備えるように構成されている。
また、この実施の形態では、前記第2の用紙揃え手段141によって前記用紙90を排出方向と直交する方向に突き動かす動作は、前記第1の用紙揃え手段111による揃え動作が開始する以前に開始し、前記用紙90が第1の用紙揃え手段111によって第1の基準面151に到達する以前に、用紙90の端部から一旦離間した後、再度開始するように構成されている。
さらに、この実施の形態では、前記第2の用紙揃え手段141によって前記用紙90を排出方向と直交する方向に再度突き動かす動作は、前記第1の用紙揃え手段111による排出方向に沿った用紙揃えが完了した後に開始するように構成されている。
また、この実施の形態では、前記第2の用紙揃え手段141の1回目の移動距離は、用紙90の排出方向と直交する方向の長さが短いほど長く設定されている。
更に、この実施の形態では、前記第2の用紙揃え手段141の1回目の移動距離は、用紙90の排出方向と直交する方向の長さが同じであっても、用紙90の厚みが所定値以上の場合は、短く設定されるように構成されている。
さらに、この実施の形態では、前記用紙90が厚紙である場合には、前記第2の用紙揃え手段141を前記用紙90の排出方向と直交する方向に複数回移動させる動作を実施しないように構成されている。
すなわち、この実施の形態では、上記第2の用紙揃え手段としてのタンパー141が、図6に示すように、タンパーモータ142により用紙90の排出方向と直交する方向(K)に沿って移動自在に構成されている。このタンパー141は、図10に示すように、横方向揃え部140(図6参照)のフレーム(符号なし)上面にスライド自在に取り付けられる基部200と、この基部200の一端部に起立した状態で設けられた側壁部210とから構成されている。また、側壁部210は、所定の幅を有しており、排出ロール104側の上端部211が平坦に形成されているとともに、当該上端部211よりも先端側の部分212が傾斜した状態となっている。なお、図10中、213は側壁部210の先端面を示している。
また、この実施の形態では、図1に示す画像形成装置およびインターポーザから用紙搬送方向に直交する方向の用紙中央部を基準位置としたセンターレジストレーション(以下、センターレジという)にて用紙90が供給されるようになっている。そして、この実施の形態では、送られてくる用紙90のサイズや向きによって、用紙後処理装置1における用紙90の横揃え処理のやり方が異なっている。
図11は、用紙後処理装置1における用紙90の横揃え処理を設定する横揃え設定部300を示すブロック図である。この横揃え設定部300は、制御部の一機能を構成している。横揃え設定部300のCPU301は、ROM302に記憶されたプログラムに従い、RAM303との間で適宜データのやり取りを行いながら処理を実行する。この横揃え設定部300には、入カインターフェース304を介して、図示しないUIの用紙サイズ・向き指定ボタン181より入力された用紙サイズおよびその用紙の向き情報が入力されるようになっている。一方、横揃え設定部300は、出カインターフェース305を介して、タンパーモータ142を制御するようになっている。
また、この実施の形態では、用紙サイズ・向き指定ボタン181により入力された用紙サイズ・向き情報がB5SEF(ShortEndFeed)以外の場合には、1回タンパー処理を実行し、B5SEFの場合には2〜3回タンパー処理を実行するように構成されている。つまり、用紙搬送方向に直交する方向の長さ(用紙幅)が所定の大きさ(例えば200mm)未満の場合には、2〜3回タンパー処理を、200mm以上の場合には、1回タンパー処理を実行するように設定されている。
さらに、この実施の形態では、用紙サイズ・向き指定ボタン181により厚紙が指定され、当該用紙90の厚みが所定値以上の場合は、例えば、用紙サイズがB5SEFである場合であっても、タンパー141の1回の移動距離を短く設定し、当該タンパー141を2〜3回移動させるように構成しても良い。
また、この実施の形態では、前記用紙90が厚紙である場合には、タンパー141を用紙90の排出方向と直交する方向に複数回移動させる動作を実施しないように構成しても良い。この場合には、上記タンパー141を遅い速度で所定位置まで1回で移動させるように構成される。
以上の構成において、この実施の形態に係る用紙後処理装置では、次のようにして、簡単な構成によって、用紙の端部に屈曲等の変形が発生するのを防止しつつ、用紙を搬送方向と直交する方向に素早く整合させることができ、生産性を低下させることなく、用紙に対して後処理を施すことが可能となっている。
すなわち、この実施の形態に係る用紙後処理装置1では、図2に示すように、ステープラー161によって用紙90の端部に端綴じ処理を実行する際に、用紙90がガイド101、102に沿って搬送され、図12(a)に示すように、当該用紙90が排出ロール104によって、コンパイルトレイ105上に落下する状態で排出されるようになっている。上記用紙90は、図12(a)に示すように、排出ロール104の搬送力によってコンパイルトレイ105上の空間に放出された後、自重によってコンパイルトレイ105上に落下する。このとき、上記用紙90は、コンパイルトレイ105上に落下して、当該コンパイルトレイ105の後端側に移動するまでは、コンパイルパドル111の搬送力を受けたないフリーな状態となっている。
その際、上記用紙90は、図示しない画像形成装置によって、搬送方向と直交する方向の中央部を基準として搬送され、図13に示すように、そのままの状態で用紙後処理装置1の内部に導入される。これに対して、上記用紙後処理装置1は、図6に示すように、用紙90の搬送方向と直交する方向の一端部に固定した状態で設けられた横基準壁145に、用紙90の端部(e2)を突き当てて整列するように構成されている。そのため、上記用紙90の搬送方向と直交する方向の長さが短い場合には、図13に示すように、コンパイルトレイ105上に用紙90を整列させる際に、タンパー141が用紙90を搬送方向と直交する方向に移動させる距離が長くなる。
そこで、この実施の形態では、図11に示すように、タンパー141を移動させるタンパーモータ142を制御して、用紙90が排出ロール対104によってコンパイルトレイ105上に落下した状態で排出される際に、図12(a)及び図13に示すように、当該用紙90がコンパイルトレイ105上に落下する途中の状態で、用紙90にコンパイルパドル111が作用する前に、図14に示すように、タンパー141を用紙90の搬送方向と直交する方向に素早く移動させて戻すことによって、用紙90のエッジ部(e1)を叩き、この用紙90を図13に示すように搬送方向と直交する方向へ移動させるようになっている。
図14において、タンパーモータ142は、3回にわたって、用紙90のエッジを叩く方向に回転駆動されているとともに、2回にわたって、用紙90のエッジから離間する方向に回転駆動されている。上記タンパーモータ142が1回目に用紙90のエッジを叩く方向に移動する動作は、一番移動量が大きく設定されており、当該1回目の回転は、用紙90の後端がコンパイルパドル111によって搬送される以前に完了している。その後、上記タンパーモータ142は、用紙90のエッジから離間する方向に僅か回転し、再度、1回目よりも速い速度(立ち上がりの勾配が大きい速度)で用紙90のエッジを叩く方向に回転するように設定されている。次に、上記タンパーモータ142は、用紙90のエッジから離間する方向に回転した後、1回目と等しい速度で用紙90のエッジを叩く方向に回転して、当該用紙90の端部を用紙幅よりも2mm程度狭い位置にタンパー141を移動して、動作を終了する。
このように、上記タンパーモータ142を用紙90のエッジから離間する方向に移動させることにより、縦揃え手段がない場合であっても、用紙90の自重によって縦揃えを実行することが可能となる。
なお、上記タンパー141の移動タイミングは、コンパイルイクジットセンサ103による用紙90の後端検出信号に基づいて決定される。具体的には、上記タンパー141を移動させるタイミングは、用紙90の後端が排出ロール104を通過した直後に設定されている。
次に、上記用紙90は、図12(b)(c)に実線で、図13に2点鎖線で示すように、タンパー141によって叩かれた状態で、搬送方向と直交する方向に移動しつつ、自重によってコンパイルトレイ105の表面に沿って基端部側へ移動し、用紙90の搬送方向のエッジ部がコンパイルパドル111によってエンドウオール151に突き当てられる。
その後、上記タンパー141は、用紙90のエッジ部(e2)が横基準壁145に当接する以前に、再度、図15に示すように、用紙90の搬送方向と直交する方向に、最初の移動よりも遅い速度で1回乃至2回(図示例では、2回)移動することによって、用紙90のエッジ部を押動し、当該用紙90の他方のエッジ部を横基準壁145に突き当てて、コンパイルトレイ105上に整列された状態にする。
このとき、上記タンパー141は、用紙の搬送方向と直交する方向の幅に対して横基準壁145とタンパー141の用紙押し面との距離が2mm程度短い位置で停止し、用紙の束を押さえた後、所定タイミングで矢印b方向に移動し、次の用紙の排出を阻害しない位置(用紙排出通路よりも外側)まで移動し、待機位置に復帰する。
以下、同様の動作が繰り返されて、上記コンパイルトレイ105上には、図16に示すように、所定枚数の用紙90が整列された状態で積載された後、ステープラー161によって所定位置に綴じ処理が施される。
このように、上記実施の形態では、簡単な構成によって、用紙の端部に屈曲等の変形が発生するのを防止しつつ、用紙を搬送方向と直交する方向に素早く整合させることができ、生産性を低下させることなく、用紙に対して後処理を施すことが可能となっている。
なお、前記第2の用紙揃え手段によって前記用紙を排出方向と直交する方向に再度突き動かす動作は、前記用紙が第1の用紙揃え手段によって第1の基準面に到達した後に開始するように構成しても良い。
実施の形態2
図17はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、第2の用紙揃え手段によって用紙を排出方向と直交する方向に突き動かす動作は、第1の用紙揃え手段による揃え動作が開始する以前に開始し、前記用紙が第1の用紙揃え手段によって第1の基準面に到達する以前に一旦停止した後、再度開始するように構成されている。
すなわち、この実施の形態2では、図17に示すように、タンパーモータ142が、3回にわたって、用紙90のエッジを叩く方向に回転駆動されているとともに、2回にわたって、用紙90のエッジから離間する方向に回転駆動されている。上記タンパーモータ142が1回目に用紙90のエッジを叩く方向に移動する動作は、一番移動量が大きく設定されており、当該1回目の回転は、用紙90の後端がコンパイルパドル111によって搬送される以前に完了している。その後、上記タンパーモータ142は、1回目の回転が終了した位置で停止してタンパー141を停止させ、用紙90の後端がコンパイルパドル111によって搬送された直後に、再度、1回目よりも速い速度(立ち上がりの勾配が大きい速度)で用紙90のエッジを叩く方向に回転するように設定されている。
このように、用紙が第1の用紙揃え手段によって第1の基準面に到達する以前に、第2の用紙揃え手段によって用紙を排出方向と直交する方向に突き動かす動作を一旦停止した後、再度開始するように構成することによって、用紙の縦方向及び横方向の揃えを短時間に完了させることが可能となる。
実施の形態3
図18はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、前記第2の用紙揃え手段の用紙揃え面は、用紙の端部に弾性的に当接するように構成されている。
すなわち、この実施の形態3に係るタンパー141は、図18に示すように、その基部200が、水平方向に沿って延びる板状の基台201と、この基台201の一方の端部から上方に向かって延びる板材202とを有している。また、上記タンパー141は、その側壁部210が、一方の側面に壁部141aが形成される側板214と、この側板214の上方から水平方向に向かって突出形成される庇部215と、この側板214の裏面側から水平方向に延び、基板200の板材202に設けられた貫通孔202aに貫通配設される円柱状の軸216と、この軸216に巻き回され、側板211と板材202との間に配置される弾性部材としてのバネ217とを備えている。
上記側壁部210は、円柱状の軸216と貫通孔202aを介して、基部200にスライド自在に取り付けられているとともに、弾性部材としてのバネ217を介して、用紙90の排出方向と直交する方向に沿って移動自在となるように構成されている。
そのため、この実施の形態2では、タンパー141の側壁部211が、用紙の端部に弾性的に当接するため、用紙を突き動かして整合させる動作を効果的に行うことができる。
104:排出ロール、105:コンパイルトレイ、111:コンパイルパドル(第1の用紙揃え手段)、141:タンパー(第2の用紙揃え手段)、142:タンパーモータ(移動手段)。