JP4759185B2 - シート処理装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート後処理装置及びこれを備えた画像形成装置に関し、特にシートを処理する際に行われるシートの整合動作に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、例えば画像形成された後の複写用紙等のシートに対する綴じ処理に要する手間を軽減するため、画像形成された後のシートを順次装置内に取り込み、このシートに対して綴じ処理を施すようにしたシート処理装置を備えたものがある。
【0003】
ここで、このようなシート処理装置としては、画像形成装置本体のシート排出口側の側面に設けられ、画像形成装置本体側で印字された後、順次、排出口から供給されるシートを整合し、この後、綴じ処理を施して排出するタイプのものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来のシート処理装置において、例えば画像形成装置本体側で画像形成(印字)したシートに対する綴じ処理を施す前にシートを整合させる必要があり、このため整合するシートを積載するための専用の整合積載部を備えるようにしている。しかし、このように専用の整合積載部を備えた場合には、装置が大型化するだけでなく、コストが高くなるといった不都合があった。
【0005】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、装置の小型化及びコストの低減が可能なシート処理装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像が形成されたシートに対して処理を行うシート処理装置において、シートを装置外へ排出する排出ローラ対と、シートを搬送して前記排出ローラ対に向かわせる搬送ローラ対と、前記搬送ローラ対と前記排出ローラ対との間のシート搬送路と、前記排出ローラ対の下流に対向して設けられ、前記搬送ローラ対により搬送されたシートを支持する第1位置と、シートを支持しない第2位置とにシート搬送方向と直交する幅方向に移動可能で、かつ前記第1位置からさらに幅方向に移動し、支持されたシートの幅方向側に当接することによってシートを整合する整合部材対と、前記整合部材対により整合されたシートに対して処理を行う処理手段と、前記排出ローラ対により排出されたシート、あるい前記処理手段により処理が行われた後、前記排出ローラ対の排出動作と、前記整合部材対の前記第2位置への移動により排出されるシートを積載るシート積載部と、を備え、前記排出ローラ対は、シートを排出可能な第1の状態と、前記排出ローラ対を構成するローラが離間する第2の状態とをとることが可能であり、前記排出ローラ対が前記第1の状態で、かつ前記整合部材対が前記第2位置にあるときシートは前記排出ローラ対により記シート積載部に直接積載され、前記排出ローラ対が前記第2の状態で、かつ前記整合部材対が前記第1位置にあるとき前記整合部材対によるシートの整合を可能とするシート整合積載部が前記シート搬送路及び前記整合部材対により形成され、シートは前記搬送ローラ対により前記シート整合積載部に積載されることを特徴とするものである。
【0007】
また本発明は、前記シート整合積載部に搬送されたシートのシート搬送方向の整合を行うシート戻し部材と、前記シート搬送路に設けられ、前記シート戻し部材によって戻されたシートの搬送方向後端を揃える壁部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また本発明は、前記整合部材対は、それぞれ前記搬送ローラ対により搬送されたシートを支持する支持部と、シートの幅方向側端に当接する当接面とを有していることを特徴とするものである。
【0009】
また本発明は、前記第1位置は、前記整合部材対の支持部の対向する端部間の幅方向の間隔が前記搬送ローラ対により搬送されたシートの幅よりも狭くなった位置であり、前記第2位置は前記支持部の対向する端部間の幅方向の間隔がシートの幅よりも広くなる位置であることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明は、前記整合部材対はシートに対する処理が終了した後、前記第2位置に移動し、かつ前記排出ローラ対が前記第1の状態となることで、処理されたシートを前記第2のシート積載部に排出させることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明は、前記処理手段は、前記シート整合積載部に積載された後、整合されたシートの所定位置を綴じるステイプラであることを特徴とするものである。
【0018】
また本発明は、前記排出ローラ対は、前記第2の状態にあるときには駆動が切断されることを特徴とするものである。
【0019】
また本発明は、前記整合部材対は、シートの幅方向に当接することで規定の位置にシートを整合する凸部を複数有することを特徴とするものである。
【0020】
また本発明は、前記凸部は耐磨耗性の高い材料で形成されていることを特徴とするものである。
【0021】
また本発明は、画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成されたシートを処理するシート処理装置を備えた画像形成装置において、前記シート処理装置は上記のいずれかに記載のものであることを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の一例であるレーザビームプリンタの全体構成を示す概略断面図である。
【0024】
同図において、100Aはレーザビームプリンタ、100はレーザビームプリンタ本体(以下、プリンタ本体という)であり、このレーザビームプリンタ100Aは単独にコンピュータ、或いはLAN等のネットワークに接続され、これらコンピュータやネットワークから送られた画像情報やプリント信号等に基づいて、所定の画像形成プロセスによってシートに画像形成(印字)し、排出するようになっている。
【0025】
また、300はシート処理装置であり、このシート処理装置300は、プリンタ本体100の上方に配されると共に、プリンタ本体100から機外に排出されるシートをシート処理装置内の搬送部を経由して画像面を下側にしたフェイスダウン状態で第1の(シート)積載部300Bに載置した後、後述する整合手段301による整合を行い、所定のジョブ毎にシートを束ねて当該シートの1ヶ所又は複数箇所をステイプルして第2の積載部325に排出積載したり、単にフェイスダウンで第2の積載部325に排出積載するようになっている。
【0026】
ここで、シート処理装置300とプリンタ本体100とは、不図示のケーブルコネクターで電気的に接続されている。また、シート処理装置300は、各部を格納するケーシング(装置本体)部300Aを有し、プリンタ本体100に着脱可能とされている。
【0027】
次に、プリンタ本体100の各部の構成について、搬送されるシートSの搬送経路に沿って説明する。
【0028】
プリンタ本体100では、給送カセット200内にシートSが複数枚積載され、各種ローラによって最上位のシートS1が順次1枚ずつ分離給送されるようになっている。そして、コンピュータやネットワークから供給された所定のプリント信号により、給送カセット200から給送されたシートSは、まず所謂レーザービーム方式の画像形成プロセスによりトナー画像を形成する画像形成部101において上面にトナー画像が転写され、続いて下流側の定着器120で熱及び圧力を加えられることにより、このトナー画像が永久定着される。
【0029】
次に、画像が定着されたシートSは、排出ローラ130に至るまでの略U字状のシート搬送路で折り返されることにより画像面が反転し、このように画像面が下側になった状態でプリンタ本体100から外部にフェイスダウンで排出される。
【0030】
ここで、このシートSは不図示の制御部からの制御信号に基づいて回動するプリンタ本体100のフラッパ150の位置に応じて、例えば排出ローラ130によってプリンタ本体100の上部に設けられたフェイスダウン(FD)排出部125に排出されるか、シート処理装置300の第2の(シート)積載部325に排出されるかが選択されるようになっている。
【0031】
次に、シート処理装置300の構成及びプリンタ本体100から搬送されたシートSがシート処理装置300に向かう場合の各部の動きについて、図2及び図3を用いて説明する。
【0032】
図2において、330aは排紙上ローラ、330bは排紙下ローラ、Mは駆動源としてのジョガーモータ、322はパドル、323はシート後端を突き当てるための基準壁である。ここで、同図に示すように、排紙上ローラ330aと排紙下ローラ330bで構成される排出ローラ対330は、上述したフラッパ150のシート搬送方向の下流側上方に配置され、不図示の駆動モータによって回転駆動される。
【0033】
また、排紙上ローラ330aはパドル軸350を中心に回動可能なアーム330cに軸支されている。ジョガーモータMは、後述する各スライドガイド301,302を駆動するためのモータであり、本実施の形態ではステッピングモータが用いられている。
【0034】
また、シート戻し手段であるパドル322は、ゴムなどの可撓性材料で構成され、パドル軸350にシート搬送方向と直交する方向に複数個固定されている。そして、プリンタ本体100からシートが排出されると、パドル軸350の駆動により時計まわりに回転するようになっており、これによりシートSはシート搬送方向と反対方向に移動して壁部材である基準壁323に当接し、整合される。
【0035】
また、図3に示すように、本実施の形態のシート処理装置300では、シートの幅方向の整合を行う整合部材として、詳細を後述するスライドガイド301及びスライドガイド302が設けられている。また、同図において、Hはシート束に針打ちしてシート束に対して綴じ処理を行う綴じ手段であるステイプラであり、このステイプラHは画像形成されたシートの画像面の左上コーナー部に針打ちを行って各シートを綴じるため、スライドガイド301側に固定配置されている。
【0036】
そして、このような構成のシート処理装置300は、コンピュータ等から予め出力されたコマンドに基づいてステイプル処理を行うようになっており、このようなステイプル処理を行う場合には、まずステイプルされるシートSがプリンタ本体100に設けられた搬送ローラ121(図1参照)で排出される前に、不図示のソレノイドによりフラッパ150を図2の(a)に示すように反時計回り方向に回動させ、紙パスをシート処理装置側に切り換える。
【0037】
これにより、シートSは搬送ローラ121によりシート処理装置300に搬入される。そして、このようにシート処理装置300に搬入されたシートSは、入口センサ390のフラグ391を時計回りに回転させ、これによりフラグ391がフォトセンサ392を透光させることで検知される。この後、入口ローラ対363により上方へ搬送される。
【0038】
ところで、本実施の形態において、このシート処理装置300は、シートをステイプルして第2の積載部325に排出積載すること及び単にフェイスダウンで第2の積載部325に排出積載することができるようになっている。
【0039】
次に、フェイスダウンで第2の積載部325にシートを排出積載する動作について説明する。
【0040】
この場合、図4の(a)に示すように、シート搬入方向に対して右側のスライドガイド301及び左側のスライドガイド302のシートを支持する支持部を構成する底面が、搬入されてくるシートSに当接しない位置に、つまりシートSを支持しない、シートの幅方向より所定量だけ外側の位置(第2位置)に退避している。
【0041】
したがって、入口ローラ対363により搬送されたシートは排紙ローラ対330までシートを搬送する搬送ローラ対であるステイプルローラ対320を通過した後、ステイプラHの間口を通過してから排紙ローラ対330により搬送され、(b)の矢印及び図2の(b)に示すように第2のシート排出部325に向けて落下して行く。
【0042】
次に、シートをステイプルして第2の積載部325に排出積載する動作について説明する。
【0043】
この場合、スライドガイド301,302は、図3の(a)に示すようにスライドガイド301,302の壁面に設けられ、シートを整合する凸部を構成する基準ピン303,304が、搬入されてくるシートSと干渉しないような位置に退避している。
【0044】
またこのとき、2つのスライドガイド301,302の底面の端面の間隔はシートSの幅より小さい位置にあり、2つのスライドガイド301,302がこのような位置(第1位置)にあることにより、進入してくるシートSを支持する第1の積載部300Bを構成することができるようになっている。
【0045】
したがって、入口ローラ対363により搬送されたシートはステイプルローラ対320を通過した後、ステイプラHの間口を通過してから排紙ローラ対330により搬送されて、スライドガイド301,302により構成される第1のシート積載部300Bのガイド面上へ搬送される。
【0046】
ここで、2つのスライドガイド301,302のシート支持部によって構成される第1のシート積載部300Bのガイド面は、図5の(a)に示すように、水平方向に対して所定角度で傾斜するとともに、シート搬入方向の上流側と下流側とで相互に異なった傾斜角度となっており、具体的には上流側の所定区間と下流側の所定区間との間で傾斜角度αで屈曲する屈曲部300Cが形成されている。なお、このような屈曲部300Cを有することにより、各スライドガイド301,302ではガイドされないシートSの中央部の撓みを防止している。
【0047】
一方、このように1枚目のシートがスライドガイド301,302により形成される面上に搬送された直後に、同図の(b)に示すようにアーム330cが反時計回りに回動し、これによりアーム330cに軸支されている排紙上ローラ330aが上方向に退避し、排紙ローラ対330が離間される。また、これと同時に排紙ローラ対330に接続されていた駆動を切断し、排紙上ローラ330a及び排紙下ローラ330bの回転を停止させる。この結果、シートSの後端がステイプルローラ対320を完全に抜けると、シートSは自重で搬送方向と反対方向に戻り、基準壁323方向に移動する。
【0048】
ここで、このように排紙ローラ対330を離間し、排紙下ローラ330bの回転を停止させることにより、スライドガイド301、302により構成される第1の積載部300Bと、基準壁323(ステイプルローラ対320)および排出ローラ対330との間のシート搬送路R1とでシートSを整合するためのシート整合積載部300Eが形成される。
【0049】
次に、左側のスライドガイド302のみが動作し、第1のシート積載部300B上に積載されたシートSの幅方向の整合動作が開始される。具体的には、スライドガイド302がモータMに駆動されて図3の右側に移動することでスライドガイド302に設けられた基準ピン304がシートSの左側面に当接してスライドガイド301側にシートSを押し込む。
【0050】
そして、シートSの右側面がスライドガイド301に設けられた基準ピン303に突き当たることで、シートの幅方向の整合が行われる。シートが基準ピン303に当接して整合された位置で設定されたステイプル位置にシートSが移動するように設定されている。整合動作後、スライドガイド302がシートSの幅より広がる方向に移動し、再び待機ポジションで次のシートの搬送に対応できるようにする。
【0051】
ここで、スライドガイド301,302の構成について詳細に説明する。
【0052】
各スライドガイド301,302は、図3に示すようにモールドフレームFに設けられたガイドピン313a及び板金フレームFに設けられたガイドピン313bの計4本でガイドされることにより、図3の左右方向、すなわちシート搬送方向に直角な方向(幅方向)に往復移動可能とされると共にジョガーモータMからの駆動力により移動するようになっている。
【0053】
また各スライドガイド301,302は、シート搬送方向下流からから見ると、図3の(b)に示すように、シートSの両サイドをガイドする各壁部とシートSの上下面を支持する支持部とにより、断面略コ字型の形状を呈しており、このコ字型の下面によって第1のシート積載部300B上に排出される各シートを支持し、シートSの幅方向中央部についてはガイドしない構成となっている。
【0054】
さらに、スライドガイド302には段ギア317と噛み合う平板歯車を有するスライドラック部310が設けられている。またスライドガイド301にも段ギア317と噛み合う平板歯車を有するスライドラック312が取り付けられている。
【0055】
ここで、スライドラック312は、コイル状のバネ314を介してスライドガイド301に対して相対移動可能に設けられている。なお、このバネ314は、その一端側がスライドガイド302に当接し、他端側がスライドラック312に当接し、スライドガイド301とスライドラック312とを広げる方向に付勢している。また、スライドラック312は、スライドガイド301側のエンボス部301aを移動させる角穴部312aを有している。
【0056】
さらにスライドガイド301の側壁には耐磨耗にすぐれた金属で構成される2本の基準ピン303が、スライドガイド302の側壁には2本の基準ピン304がそれぞれ設けられており、シートを整合するときには、既述したようにスライドガイド302が移動して、シートの両側端面305,306に、基準ピン304,303が当接する。
【0057】
また、スライドガイド301及びスライドガイド302は、段ギア317及ジョグ板金フレームFにより高さ方向を支持されている。
【0058】
次に、各スライドガイド301,302の動作について説明する。
【0059】
シート処理装置300に電源が入ると、ステイプルローラ対320が回転を開始し、次にジョガーモータMが回転して段ギア317が回転することで、スライドガイド302のスライドラック部310が駆動されて外側に退避する。
【0060】
またスライドガイド301は、ジョガーモータMが回転して段ギア317が回転すると、まずスライドラック312が相対移動し、スライドラック312の角穴部312aがスライドガイド301のエンボス部301aの図3の右側端面に当接した後、角穴部312aで押圧されることにより外側に退避する。
【0061】
スライドガイド301にはスリット部301Sが設けられており、スリット部301Sが所定の退避距離まで移動すると、図4の(b)に示すように、フォトセンサ316が透光し、その時点でジョガーモータMが停止する。以下、この位置をホームポジションという。
【0062】
一方、シートSがシート処理装置300に進入する信号がプリンタ本体100から入力されると、ジョガーモータMが回転し、スライドガイド301,302が内側に移動し、図3に示すように進入するシートSの幅よりも所定量dだけ広い位置で停止する。この位置において、スライドガイド301は、ストッパ301bがガイドピン313aに当接し、それ以上内側には移動できない状態となる。以下、この位置を待機位置という。なお、この待機位置ではスライドガイド301の側面が整合動作時の基準位置になる。
【0063】
ここで、本実施の形態では、シートSのサイズ(幅)が通紙可能な最大サイズである場合に、両側の隙間がそれぞれ所定量d,dとなるように、スライドガイド301,302の待機位置が設定されている。
【0064】
なお、これよりも幅の狭いシートを整合する場合には、これに応じた分だけスライドガイド302が右側に移動することにより、図3に示す待機位置における左側の隙間が常に所定量dとなる。一方、この場合には、シートとスライドガイド302との隙間は、所定量dよりも幅狭となった量の半分だけ広がることになる。
【0065】
一方、図6に示すようにスライドガイド301,302により幅方向の整合を行った後、両スライドガイド301,302が若干量外側に退避することによりシートSの整合方向の規制をラフ状態にし、シートSがシート搬送方向に移動可能な状態にする。この後、図5の(b)に示すように、パドル322がパドル軸350を中心に時計回りにシートSの上面に当接しながら一回転し、これによりシートSが基準壁323に突き当てられて整列する。
【0066】
そして、これらの動作でシート搬送方向および幅方向の整合が可能となる。なお、このように整合された状態を保つために図6に示すように整合された状態のシートの右端面近傍に、図3のA方向矢視図である図7に示すように摩擦部材400aを設けたレバー400bが上下方向に移動して整合されたシートSを押圧するスタンプ手段400が設けられている。
【0067】
ここで、このスタンプ手段400は上下方向に回動するレバー400bを備えており、整合動作が終了した後、次に進入するシートが、整合されたシートに当接する前に、(b)に示すように上方回動していたレバー400bを下方回動させ、(a)に示すようにシート上面を押圧することにより、次のシートにより整合された状態のシートが移動し、整合が乱れるのを防ぐようにしている。
【0068】
なお、このようにして1枚目のシートの整合が終了した後、2枚目のシートが搬送されるが、この場合、2枚目以降のシートの搬送時には、排紙ローラ対330が離間した第2の状態となっているため、シートSの後端がステイプルローラ対320を完全に抜けると、シートは自重で搬送方向と反対方向に戻り、基準壁323方向に移動する。なお、ここからの整合動作は1枚目と全く同様であるので説明を省略する。
【0069】
そして、このような動作を繰り返し行い、1ジョブの最後(n番目)のシート(Sn)を整合する動作を行い、スライドガイド302に設けられた各基準ピン304がシートの左側面をスライドガイド301の各基準ピン303に突き当て、スライドガイド302の移動を停止した図6の状態で、シート束の後端右側に位置する小型のステイプラHで後端右側の位置をステイプルする。
【0070】
ここで、この構成及び動作によれば、各シートの整合動作中はスライドガイド301が基準位置で停止して移動せず、スライドガイド302のみが移動して各シートの左側端部が基準位置に揃うので、スライドガイド301側に固定配置されたステイプラHによる綴じ処理が正確かつ確実に行われる。
【0071】
さらには、1ジョブにおいて搬入される各シートの幅にばらつきがある場合や1ジョブ内でシートサイズが例えばLTRからA4に変化した場合であっても、各シートの左端部の位置が一定に揃えられるので、ステイプラHによる綴じ処理の仕上がりが正確かつ綺麗になり、優れた効果が得られる。
【0072】
一方、このようにしてステイプル動作が終了すると、図5の(c)に示すように、アーム330cが時計回りに回転することでアーム330cに軸支されている排紙上ローラ330aが下方向に移動して、排紙ローラ対330がシートの排出が可能な第1の状態となると同時に排紙ローラ対330を駆動して排紙上ローラ330aおよび排紙下ローラ330bの回転を開始する。これにより、シート束Sは排紙ローラ対330に挟持されてスライドガイド301,302により形成される第1の積載部300B上に搬送される。
【0073】
そして、この後、シート束Sが排紙ローラ対330から完全に排出されると、ジョガーモータMが回転駆動されることにより、図6に示す状態からスライドガイド302が広がる方向に移動する。なお、このスライドガイド302の移動開始時には、スライドガイド301側は、スライドラック312が図6の右側に移動し、スライドガイド301自体は直ちには移動しない。
【0074】
そして、スライドガイド302の位置が図3に示す待機位置を過ぎると、スライドラック312のエンボス部312aがスライドガイド301の角穴部310aの端面と当接して、スライドガイド301が図3の右側に移動を開始し、両スライドガイド301,302が移動する。
【0075】
さらにこの後、両スライドガイド301,302の間隔がシートの幅近傍又はそれより広くなったとき、スライドガイド301,302に支持されているステイプル済みのシート束は、図5の(c)に示すように下方に落下し、第2の積載部325に積載される。以上が、本実施の形態におけるプリンタ本体及びシート処理装置の構成及び一連の動作である。
【0076】
ところで、既述したように本実施の形態では、シート処理装置300をプリンタ本体100の上部に装着し、プリンタ本体100から排出されるシートの搬送路をフラッパ150で切り替えることにより、シートを反転させて排出積載することができるようにしている。
【0077】
ここで、このようにシート処理装置300をプリンタ本体100の上部に装着し、シートを反転させて排出積載するようにすることにより、スイッチバック機構を設けることなく画像形成済みのシートをページ順に排出積載することができる。また、スイッチバックのためにシート間隔を広く開けなければならないという不都合もない。
【0078】
このように、シートを装置上面に排出するようなプリンタ本体100(画像形成装置)において、その装置本体上面の排出部の上方にシート処理装置300を設け、シートを反転させた状態で、或いは反転した状態のシートに対して処理を行った後、第2の積載部325に排出させる動作を選択的に行うようにすることにより、シート処理装置300の構成を簡略化することができると共に、シート処理装置300及びこれを備えたプリンタ本体100(画像形成装置)の設置面積及びコストを低減することができる。
【0079】
さらに、本実施の形態のようにシートを綴じる際、排紙ローラ対330を離間することにより、スライドガイド301、302により構成される第1の積載部300Bと、基準壁323および排出ローラ対330との間のシート搬送路R1でシートSを整合するためのシート整合積載部300E(図5参照)形成することができる。これにより、専用の整合部を常時設けることなくシート束の整合を行うことが可能となり、シート処理装置300の簡略化、小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0080】
なお、これまでの説明においては、シートの整合動作時にスライドガイド302のみが動作し、スライドガイド301は動作しない構成としたが、シートの整合動作時にスライドガイド301も動作する構成としても良い。この場合には、例えばスライドガイド301をスライドガイド302と同様の構成とすることで実現可能である。
【0081】
さらに、整合動作後のシートを下方に落とす場合に、2つのスライドガイド301,302が動作する構成としたが、シートSを下方に落とす場合にいずれか一方のみが動作する構成としても良い。
【0082】
また、これまでの説明においては、シートに対する処理として綴じ処理を行う場合について述べてきたが、この構成によれば、シートに穴を開けるパンチャーや糊付けしてシート束をつくるような処理を行うシート処理装置でも同様の効果を得ることが可能となる。
【0083】
次に、本発明の第参考例について説明する。
【0084】
図8は、本参考例に係るシート処理装置の構成を示す概略断面図である。なお、同図において、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0085】
参考例においては、既述した実施の形態において排出ローラ対330の下流に設けられているスライドガイド301,302の代わりに、整合手段として一対のジョガー381,382を同図に示すように排出ローラ対330の上流に設けるようにしている。
【0086】
また、既述した実施の形態では、シート整合積載部をスライドガイド301,302により構成される第1の積載面300Bと基準壁323(ステイプルローラ対320)および排出ローラ対330の間のシート搬送路で構成していたが、本参考例においては、基準壁323(ステイプルローラ対320)と排出ローラ対330との間のシート搬送路R2の距離を長くすることで、基準壁323と排出ローラ対330との間でシート整合積載部300Eを形成するようにしている。
【0087】
そして、このように基準壁323と排出ローラ対330との間でシート整合積載部300Eを形成することにより、シート整合積載部300Eをシート処理装置300のケーシング部300A内に収めることができるようにしている。これにより、処理を行っているシートにユーザー等が触れたりすることがなくなり、シートの処理をより確実に行うことができる。
【0088】
次に、このように構成された本参考例に係るシート処理(綴じ)動作について説明する。なお、ここではフェイスダウンでシート積載部325Aに排出積載する動作については実施の形態と同様であるので説明を省略し、シートをステイプルしてシート積載部325Aに排出積載する動作について説明を行う。
【0089】
この場合、アーム330cが反時計回りに回動することで排紙上ローラ330aが上方向に退避し、排紙ローラ対330が離間されると同時に排紙ローラ対330に接続されていた駆動を切断して排紙上ローラ330a,および排紙下ローラ330bの回転を停止させる。この動作により、シートSを整合するためのシート整合積載部300Eが基準壁323(ステイプルローラ対320)と排紙ローラ対330との間のシート搬送路R2に形成される。
【0090】
次に、シート処理装置300に搬入されたシートSは、入口センサ390のフラグ391を時計回りに回転させ、これによりフラグ391がフォトセンサ392を透光させることで検知される。この後、入口ローラ対363により上方へ搬送される。
【0091】
次に、シートSの後端がステイプルローラ対320を完全に抜けるとシートSは、自重で搬送方向と反対方向に戻り、基準壁323の方向に移動する。そして、この後、図9に示すように1対のジョガー381,382のうち左側のジョガー382が動作し、少なくともステイプルローラ対320と排出ローラ対330との間のシート搬送路に積載されているシートSの幅方向の整合動作が開始されるようになっている。
【0092】
具体的には、左側のジョガー382がモータM(図8参照)により駆動されて同図の矢印に示すシート方向に移動することで、ジョガー382に設けられた各基準ピンL384がシートSの左側面に当接して右側のジョガー381側にシートSを押し込み、これによりシートSの側面が右側のジョガー381に突き当たることでシートSの幅方向の整合が行われる。
【0093】
なお、このようにシートSが右側のジョガー381に当接して整合された位置となったとき、シートSは予め設定されたステイプル位置に位置するようになっている。
【0094】
そして、このような整合動作後、左側のジョガー382が、矢印方向と逆方向であるシートSの幅より広がる方向に移動し、再び待機ポジションで次のシートの搬送に対応できるようにする。
【0095】
なお、このようにして1枚目のシートの整合が終了した後、2枚目のシートが搬送されるが、この場合、2枚目以降のシートの搬送時には、排紙ローラ対330が離間した第2の状態となっているため、シートSの後端がステイプルローラ対320を完全に抜けると、シートは自重で搬送方向と反対方向に戻り、基準壁323の方向に移動する。なお、ここからの整合動作は1枚目と全く同様であるので説明を省略する。
【0096】
そして、このような動作を繰り返し行い、1ジョブの最後(n番目)のシート(Sn)を整合する動作を行った後、ジョガー382がシートSをジョガーR381に突き当てた状態でジョガー382の移動を停止し、この状態でシート束の後端右側に位置するステイプラHで後端右側の位置をステイプルする。
【0097】
一方、このようにしてステイプル動作が終了すると、図10に示すようにアーム330cが時計回りに回転することでアーム330cに軸支されている排紙上ローラ330aが下方向に移動して、排紙ローラ対330がシートの排出が可能な第1の状態となると同時に排紙ローラ対330を駆動して排紙上ローラ330aおよび排紙下ローラ330bの回転を開始する。これにより、ステイプルされたシート(束)Sがシート処理装置300のシート積載部325Aまで搬送されて積載される。
【0098】
このように、本参考例のように、排出ローラ対330が第2の状態のとき、シート整合積載部300Eが形成されるようにすることにより、専用の整合部を常時設けることなくシート束の整合を行うことが可能となり、シート処理装置300の簡略化、小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0099】
また、排紙ローラ対330の上流側にジョガー381,382(整合手段)を設けるようにすることにより、シート積載部325Aの上方を開放することができ、シート積載部325Aに積載されたシートSを容易に取り出すことができる。
【0100】
次に、本発明の第参考例について説明する。
【0101】
図11は、本参考例に係るシート処理装置の構成を示す概略断面図である。なお、同図において、図8と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0102】
同図において、525はシート積載部を構成するトレイであり、本参考例において、このトレイ525はモータM2により昇降可能となっている。そして、このようにトレイ525を昇降可能な構成とすることにより、シートSを整合し、ステイプルする際、同図に示すようにシートSの先端部をトレイ525で支えることが可能となる。
【0103】
これにより、同図に示すように排出ローラ対330が第2の状態となったとき、シート整合積載部300Eを基準壁323(ステイプルローラ対320)と排紙ローラ対330のシート搬送路R2およびトレイ525とで形成することができる。
【0104】
そして、このようにシート整合積載部300Eをシート搬送路R2およびトレイ525とで形成することにより、シート搬送路R2の長さを短くすることができる。また、トレイ525の上方を開放することができるのでトレイ525に積載されたシートSを容易に取り出すことができる。また、図12に示すようにトレイ525がシートの積載枚数に応じて降下することで積載するシート積載量を多くすることができる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シートを排出する排出ローラ対が、排出ローラ対を構成するローラが離間する第2の状態となったとき、整合手段によるシートの整合を可能とするシート整合積載部が形成されるようにすることにより、専用のシート整合積載部を設けることなくシートを整合することができ、これにより装置の小型化及びコストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の一例であるレーザビームプリンタの全体構成を示す概略断面図。
【図2】 上記シート処理装置の構成及びプリンタ本体から搬送されたシートがシート処理装置に向かう場合の各部の動きを説明する図。
【図3】 上記シート処理装置の要部平面図及び要部側面図。
【図4】 上記シート処理装置に設けられたスライドガイドがホームポジションに位置してシート束が落下する状態を示す図。
【図5】 上記シート処理装置の綴じ動作における各部の動きを説明する図。
【図6】 上記スライドガイドによりシートを整合した状態を示す図。
【図7】 図3のA方向矢視図。
【図8】 本発明の第参考例に係るシート処理装置の構成を示す図。
【図9】 上記シート処理装置の要部平面図。
【図10】 上記シート処理装置のステイプルしたシートを排出する動作を示す図。
【図11】 本発明の第参考例に係るシート処理装置の構成を示す図。
【図12】 上記シート処理装置に設けられたトレイがシートの積載枚数に応じて降下した状態を示す図。

Claims (10)

  1. 画像が形成されたシートに対して処理を行うシート処理装置において、
    シートを装置外へ排出する排出ローラ対と、
    シートを搬送して前記排出ローラ対に向かわせる搬送ローラ対と、
    前記搬送ローラ対と前記排出ローラ対との間のシート搬送路と、
    前記排出ローラ対の下流に対向して設けられ、前記搬送ローラ対により搬送されたシートを支持する第1位置と、シートを支持しない第2位置とにシート搬送方向と直交する幅方向に移動可能で、かつ前記第1位置からさらに幅方向に移動し、支持されたシートの幅方向側に当接することによってシートを整合する整合部材対と、
    前記整合部材対により整合されたシートに対して処理を行う処理手段と、
    記排出ローラ対により排出されたシート、あるい前記処理手段により処理が行われた後、前記排出ローラ対の排出動作と、前記整合部材対の前記第2位置への移動により排出されるシートを積載るシート積載部と、
    を備え、
    前記排出ローラ対は、シートを排出可能な第1の状態と、前記排出ローラ対を構成するローラが離間する第2の状態とをとることが可能であり、前記排出ローラ対が前記第1の状態で、かつ前記整合部材対が前記第2位置にあるときシートは前記排出ローラ対により記シート積載部に直接積載され、前記排出ローラ対が前記第2の状態で、かつ前記整合部材対が前記第1位置にあるとき前記整合部材対によるシートの整合を可能とするシート整合積載部が前記シート搬送路及び前記整合部材対により形成され、シートは前記搬送ローラ対により前記シート整合積載部に積載されることを特徴とするシート処理装置。
  2. 記シート整合積載部に搬送されたシートのシート搬送方向の整合を行うシート戻し部材と、前記シート搬送路に設けられ、前記シート戻し部材によって戻されたシートの搬送方向後端を揃える壁部材とを備えたことを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
  3. 前記整合部材対は、それぞれ前記搬送ローラ対により搬送されたシートを支持する支持部と、シートの幅方向側端に当接する当接面とを有していることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
  4. 前記第1位置は、前記整合部材対の支持部の対向する端部間の幅方向の間隔が前記搬送ローラ対により搬送されたシートの幅よりも狭くなった位置であり、前記第2位置は前記支持部の対向する端部間の幅方向の間隔がシートの幅よりも広くなる位置であることを特徴とする請求項3記載のシート処理装置。
  5. 前記整合部材対はシートに対する処理が終了した後、前記第2位置に移動し、かつ前記排出ローラ対が前記第1の状態となることで、処理されたシートを前記第2のシート積載部に排出させることを特徴とする請求項4記載のシート処理装置。
  6. 前記処理手段は、前記シート整合積載部に積載された後、整合されたシートの所定位置を綴じるステイプラであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート処理装置。
  7. 前記排出ローラ対は、前記第2の状態にあるときには駆動が切断されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート処理装置。
  8. 前記整合部材対は、シートの幅方向に当接することで規定の位置にシートを整合する凸部を複数有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート処理装置。
  9. 前記凸部は耐磨耗性の高い材料で形成されていることを特徴とする請求項記載のシート処理装置。
  10. 画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成されたシートを処理するシート処理装置を備えた画像形成装置において、
    前記シート処理装置は前記請求項1乃至のいずれか1項に記載のものであることを特徴とする画像形成装置。
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