JP4496208B2 - 二酸化炭素吸収材、二酸化炭素分離装置および改質装置 - Google Patents

二酸化炭素吸収材、二酸化炭素分離装置および改質装置 Download PDF

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Description

本発明は、二酸化炭素吸収材、二酸化炭素分離装置および改質装置に関し、詳しくは炭化水素を主成分とする原料や燃料を利用するエネルギープラントや化学プラント、自動車等から発生する排気ガス、原料ガスや燃料ガス中から二酸化炭素を分離回収するための二酸化炭素吸収材、二酸化炭素分離装置、およびメタンのような炭素を含む原料ガスから水素を生成、回収する改質装置に係る。
発動機等の炭化水素を主成分とする燃料を燃焼させる燃焼装置において、排気ガス中の二酸化炭素を分離回収するためには、二酸化炭素濃度の高い燃焼室近傍で、二酸化炭素の分離回収を行なうことが効果的であり、二酸化炭素の回収場所の温度は300℃以上の高温になることが多い。
また、主生成ガスとして水素が生成され、二酸化炭素が副生成ガスとして生成する反応には、一般的によく知られているものが多く、それらは実際の装置への適用が検討されている。例えば、火力発電システムに用いられる化石燃料は、その主成分が炭化水素類であり、燃焼とともに炭素成分のほとんどが二酸化炭素になる。このような二酸化炭素回収方法として、燃焼前に化石燃料と反応させて、主生成物である水素と副生成物である二酸化炭素あるいは一酸化炭素を生成させる改質反応を行なってから、二酸化炭素を分離することが検討されている(特許文献1参照)。また、化学工業プロセスでは一酸化炭素と水とを反応させて主生成物である水素と副生成物である二酸化炭素を生成させるシステム反応が用いられている。これらの改質反応、化学工業プロセスにおいて、得られた主生成ガスである水素は燃料または原料として用いるため、その水素の回収率を高めることが求められている。例えば改質反応やシフト反応のように副生成物として二酸化炭素を生成する反応においては、二酸化炭素を反応の場から除去することによって、化学平衡が主生成物の生成側にシフトする。これによって、主生成物であるガスの回収率を高めることが可能となる。これらの改質反応やシフト反応は、400℃以上の温度で行なわれている。
ガス中から二酸化炭素を分離する従来の技術として、アルカノ-ルアミン系溶媒などによる化学吸収プロセスや、圧力スイング法、深冷分離法、および膜分離法などの方法が用いられている。しかしながら、二酸化炭素の分離に使用される膜や溶媒などの材料の耐熱性の限界から、いずれの方法も導入ガス温度の上限を200℃程度以下に抑える必要がある。
発動機等の炭化水素を主成分とする燃料を燃焼させる燃焼装置における排気ガス中の二酸化炭素を効率良く分離回収するに300℃以上の環境下で行なわなければならず、また改質反応やシフト反応中の二酸化炭素を除去は、400℃以上の温度で行なう必要があるので、従来の方法では反応場から二酸化炭素を除去することは困難であった。
このようなことから、特許文献2には500℃を超える温度域の二酸化炭素を含む高温ガスから冷却工程を経ずにその中の二酸化炭素と反応するリチウム複合酸化物を用いた二酸化炭素分離方法が開示されている。特許文献3には、改質反応やシフト反応を行う反応器にリチウムジルコネートやリチウムオルトシリケート等のリチウム複合酸化物を充填することによって、400℃を超える高温反応場から二酸化炭素を除去して、主生成物を効率的に得る方法が開示されている。例えば、メタン改質触媒とともにリチウムオルトシリケートを充填した反応器を用いたメタン水蒸気改質システムの場合は、下記式(1)で示したメタンの水蒸気改質反応と、式(2)で示したリチウムオルトシリケートによる二酸化炭素の吸収反応が反応器内で400〜650℃程度で同時に起こる。
CH4+2H2O⇔4H2+CO2 …(1)
Li4SiO4+CO2⇔Li2CO3+Li2SiO3 …(2)
式(2)で示したリチウムオルトシリケートと二酸化炭素の反応は、右向きである二酸化炭素の吸収反応は、600℃程度で最もはやくなる。なお二酸化炭素吸収反応温度域は、反応雰囲気下における二酸化炭素濃度に依存して変化し、二酸化炭素濃度が高くなるに従い吸収温度域の上限温度は高くなる。リチウムオルトシリケートを用いて、メタンの水蒸気反応場から二酸化炭素を除去することによって、反応式(1)の反応平衡が右向きの水素生成の反応にシフトするので、メタンの改質反応が促進し、水素の回収率が向上する。なお、二酸化炭素を吸収したリチウムオルトシリケートは、加熱することによって、式(2)に示す左向きの反応を起こし、二酸化炭素を放出する。したがって、リチウムオルトシリケートは再生が可能である。よって、改質反応やシフト反応を行う反応器にリチウムオルトシリケートを充填することによって、二酸化炭素を除去して、主生成物である水素を効率的に得る方法を繰返し行うことができる。
しかし、リチウムオルトシリケートのみでは二酸化炭素吸収速度が遅く、十分な速度が得られない。そこで、二酸化炭素吸収速度を向上させるのに、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムといったアルカリ炭酸塩を添加することで吸収性能を高めていた(特許文献4)。しかしながら、リチウムオルトシリケートやリチウムアルカリ炭酸塩を添加したリチウムオルトシリケートを用いて、低濃度二酸化二酸化炭素を吸収させた場合、十分な二酸化炭素吸収速度が得られないことがわかった。このため、メタン水蒸気改質反応やシフト反応などのガス中の二酸化炭素を吸収する二酸化炭素吸収材として用いた場合、メタン転化率が低く、高濃度の水素ガスが得られないといった問題が生じていた。そこで、低濃度二酸化炭素の吸収速度が大きい二酸化炭素吸収材が求められていた。
特開平11-263988号公報 特開2000−262890 特開2002-274809 特開2001-96122
上述したように従来の二酸化炭素吸収材は低濃度の二酸化炭素の吸収速度が小さいという問題があった。
本発明は、低濃度の二酸化炭素を効率よく吸収することが可能な二酸化炭素吸収材を提供することを目的とする。
ここで、低濃度の二酸化炭素とは処理すべきガス中の二酸化炭素濃度が20%以下であることを意味する。
本発明は、低濃度の二酸化炭素を効率良く吸収することが可能な二酸化炭素吸収材を備え、低濃度の二酸化炭素を効率よく吸収することができる二酸化炭素分離装置を提供することを目的とする。
本発明は、低濃度の二酸化炭素を効率良く吸収することが可能な二酸化炭素吸収材を備え、改質反応場から水素と共に副生される二酸化炭素を効率的に除去することができる改質装置を提供することを目的とする。
本発明の第1態様によると、20%以下の低濃度の二酸化炭素環境下で用いられる二酸化炭素吸収材であって、
リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートからなり、前記リチウムメタシリケートが前記リチウムオルトシリケートおよび前記リチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の量で含有されることを特徴とする二酸化炭素吸収材が提供される。
本発明の第2態様によると、20%以下の低濃度の二酸化炭素環境下で用いられる二酸化炭素吸収材であって、
リチウムオルトシリケートと、リチウムメタシリケートと、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムであるアルカリ炭酸塩および炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウムであるアルカリ土類炭酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つのアルカリ化合物とからなり、前記リチウムメタシリケートが前記リチウムオルトシリケートおよび前記リチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の量で含有され、前記アルカリ化合物が前記リチウムオルトシリケート、前記リチウムメタシリケートおよび前記アルカリ化合物の総量に対して0.5モル%以上、20モル%以下の量で含有し、かつ前記アルカリ化合物に対する前記リチウムメタシリケートのモル比率が0.04以上、0.35以下であることを特徴とする二酸化炭素吸収材が提供される。
本発明の第態様によると、二酸化炭素導入管および排出管を有し、20%以下の低濃度の二酸化炭素が前記導入管から導入される反応器;
前記反応器に収納され、リチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートからなり、前記リチウムメタシリケートが前記リチウムオルトシリケートおよび前記リチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の量で含有される二酸化炭素吸収材;および
前記反応器の外周に設けられ前記反応器に熱を供給するための加熱手段;
を具備することを特徴とする二酸化炭素分離装置が提供される。
本発明の第態様によると、炭素を含む原料ガスおよび水蒸気が導入される導入管および生成ガスが排出される排出管を有する反応器;
前記反応器に収納された改質反応を促進するための固体触媒;
前記反応器の外周に設けられ、前記反応器に熱を供給するための加熱手段;
を備え、炭素を含む前記原料ガスおよび前記水蒸気を前記導入管を通して前記反応器に導入し、前記加熱手段から前記反応器に熱を供給することにより原料ガスと水蒸気を前記固体触媒の存在下で改質させて水素および二酸化炭素を生成し、その二酸化炭素が前記反応器内に20%以下の低濃度で存在する改質装置であって、
二酸化炭素吸収材が前記反応器に収納され、かつ前記二酸化炭素吸収材はリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートからなり、前記リチウムメタシリケートが前記リチウムオルトシリケートおよび前記リチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の量で含有されることを特徴とする改質装置が提供される。
本発明によれば、低濃度の二酸化炭素を効率よく吸収することが可能な二酸化炭素吸収材を提供することができる。
本発明によれば、低濃度の二酸化炭素を効率良く吸収することが可能な二酸化炭素吸収材を備え、低濃度の二酸化炭素を効率よく吸収することができる二酸化炭素分離装置を提供することができる。
本発明によれば、低濃度の二酸化炭素を効率良く吸収することが可能な二酸化炭素吸収材を備え、改質反応場から水素と共に副生される二酸化炭素を効率的に除去して水素の生成効率を向上することが可能な改質装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る二酸化炭素吸収材を詳細に説明する。
実施形態に係る二酸化炭素吸収材は、リチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートを含有するリチウムシリケートを有し、前記リチウムシリケート中に配合されるリチウムメタシリケート(但し、前記リチウムオルトシリケートと二酸化炭素の反応により生成されるリチウムメタシリケートを含まず)が5重量%以上、40重量%以下である組成を有する。リチウムメタシリケートは、具体的にはリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の量で含有される。
前記リチウムオルトシリケートは、二酸化炭素の吸収に専ら関与する成分である。このリチウムオルトシリケートは、二酸化炭素と下記式(3)に示す吸収反応を生じ、下記式(4)に示す再生反応を生じる。
リチウムオルトシリケート
吸収:Li4SiO4+CO2→Li2SiO3+Li2CO3 …(3)
再生:Li2SiO3+Li2CO3→Li4SiO4+CO2 …(4)
前記リチウムオルトシリケートは、室温〜700℃程度の吸収温度域(第1の温度)で加熱することによって、前記反応式(1)で表される反応により二酸化炭素を吸収し、リチウムメタシリケート(Li2SiO3)と炭酸リチウム(Li2CO3)とが生成される。ただし、助剤としてのリチウムメタシリケートが二酸化炭素と反応しない温度約300℃から700℃の温度に加熱して前記式(3)の二酸化炭素の吸収を実施する。二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収材は、前述の吸収温度域を超える温度(第2の温度)で加熱することにより前記式(4)で示される反応によって二酸化炭素を放出し、元のリチウムオルトシリケートに再生される。このような二酸化炭素吸収材の二酸化炭素吸収と二酸化炭素吸収材への再生の反応は、繰り返し行うことが可能である。なお、二酸化炭素の吸収温度域は、反応雰囲気下における二酸化炭素濃度に依存して変化し、二酸化炭素濃度が高くなるに従い吸収温度域の上限温度は高くなる。
実施形態に係る二酸化炭素吸収材において、前記助剤としてのリチウムメタシリケートは前記リチウムオルトシリケートと二酸化炭素の反応により生成されるリチウムメタシリケートを含まない。すなわち、リチウムオルトシリケートは前記式(3)のように二酸化炭素と反応して吸収する過程でリチウムメタシリケート(Li2SiO3)が炭酸リチウム(Li2CO3)と共に等モル(モル比1)で生成される。このような場合において、助剤として配合されるリチウムメタシリケートは全体のリチウムメタシリケートから前記反応過程で生成されるリチウムメタシリケートを除いた量である。具体的には、共存される炭酸リチウム(Li2CO3)を基準にし、Li2SiO3/Li2CO3のモル比が1を超え、この超過したLi2SiO3のモル量が助剤として配合されるリチウムメタシリケート量である。したがって、リチウムオルトシリケートが二酸化炭素と反応する過程での実施形態に係る二酸化炭素吸収材は、Li2SiO3/Li2CO3のモル比が1を超える組成を有する。
前記助剤としてのリチウムメタシリケートの含有量をリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対して5重量%未満にすると、低濃度の二酸化炭素吸収速度を高めることが困難になる。特に、二酸化炭素吸収材が後述する多孔質体である場合には、リチウムメタシリケートの含有量を5重量%未満にすると、その細孔表面積を高くすることが困難になって、低濃度の二酸化炭素吸収速度が低下する虞がある。一方、リチウムメタシリケートの含有量がリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対して40重量%を超えると、リチウムメタシリケートによる吸収速度向上効果が飽和するのみならず、二酸化炭素吸収材中のリチウムオルトシリケートの比率が減少して二酸化炭素の吸収量が低下する虞がある。リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対するより好ましいリチウムメタシリケートの含有量は、10重量%以上、30重量%以下、最も好ましくは10重量%以上、26重量%以下である。
実施形態に係る二酸化炭素吸収材は、アルカリ炭酸塩、アルカリ土類炭酸塩およびアルカリハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも1つのアルカリ系化合物をさらに含有することを許容する。このようなアルカリ系化合物は、リチウムオルトシリケートが二酸化炭素を吸収することにより二酸化炭素吸収材表面に生成される固体の炭酸リチウムを液相化し、二酸化炭素吸収材表面への二酸化炭素の拡散速度を大きくし、低濃度の二酸化炭素の吸収速度をより促進させる効果を有する。
前記アルカリ炭酸塩としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類炭酸塩としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等が挙げられる。前記アルカリハロゲン化物としては、例えば塩化リチウム、フッ化リチウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。
前記アルカリ系化合物の含有量は、リチウムオルトシリケート、リチウムメタシリケートおよびアルカリ系化合物の総量に対して0.5モル%以上、20モル%以下にすることが好ましい。
前記アルカリ系化合物の含有量を0.5モル%未満にすると、アルカリ系化合物を含有させることによる二酸化炭素吸収特性を高める効果を十分に発揮することが困難になる。一方、アルカリ系化合物の含有量が20モル%を超えると、アルカリ系化合物による二酸化炭素吸収特性の向上効果が飽和するのみならず、二酸化炭素吸収材中のリチウムオルトシリケートの比率が低下して二酸化炭素の吸収量や吸収速度が低下する虞がある。
また、前記アルカリ系化合物に対するリチウムメタシリケートのモル比(アルカリ系化合物/リチウムメタシリケート)は0.04以上、0.35以下にすることが好ましい。このようなモル比の規定により低濃度の二酸化炭素の吸収速度がより大きい二酸化炭素吸収材を得ることが可能になる。
特に、アルカリ系化合物の含有量、およびアルカリ系化合物に対するリチウムメタシリケートのモル比を規定することによって、低濃度の二酸化炭素の吸収速度がより一層大きい二酸化炭素吸収材を得ることが可能になる。
実施形態に係る二酸化炭素吸収材は、例えばリチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートを含む多孔質体、例えば多孔質ペレット、多孔質ハニカム構造体を挙げることができる。このような多孔質体は、二酸化炭素の流通性が高く、二酸化炭素との接触面積を大きくなって、低濃度の二酸化炭素の吸収速度をより一層向上することが可能になる。前記多孔質体は、例えば30〜75%の気孔率を有することが好ましい。多孔質体は、圧縮成型、造粒または押出し等により成形することが可能である。
このような多孔質の二酸化炭素吸収材は、例えば次のような方法により製造することができる。
まず、二酸化ケイ素及び炭酸リチウム及び炭酸ナトリウムを例えばモル比で14.8:24.4:1になるように秤量し、メノウ乳鉢等で約0.1時間から1時間混合する。得られた混合粉末をアルミナ坩堝に入れ、箱型電気炉で大気中約0.5時間から20時間熱処理し、リチウムオルトシリケート、リチウムメタシリケートおよび炭酸ナトリウムが混在した粉末を得る。つづいて、この粉末を所定量秤量し、金型に充填し、圧縮成型することにより多孔質体構造の二酸化炭素吸収材を製造する。
実施形態に係る二酸化炭素吸収材による低濃度の二酸化炭素を含むガスでの二酸化炭素の吸収において、前記ガス中の水分量は20%以上、75%以下であることが二酸化炭素の吸収速度を向上する上で好ましい。
以上説明した実施形態に係る二酸化炭素吸収材は、低濃度の二酸化炭素吸収速度を向上することができる。
すなわち、リチウムオルトシリケートのみからなる二酸化炭素吸収材では二酸化炭素吸収速度が遅く、十分な速度が得られない。このため、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムのようなアルカリ炭酸塩をリチウムオルトシリケートに添加することによって吸収性能を高めることが行われている。しかしながら、アルカリ炭酸塩を添加したリチウムオルソシリケートからなる二酸化炭素吸収材は低濃度の二酸化炭素ガスを吸収させて場合、十分な二酸化炭素吸収速度が得られない。
このようなことから、リチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートを含有するリチウムシリケートを有し、前記リチウムシリケート中に配合されるリチウムメタシリケート(但し、前記リチウムオルトシリケートと二酸化炭素の反応により生成されるリチウムメタシリケートを含まず)が5重量%以上、40重量%以下にすることによって、低濃度の二酸化炭素ガスを効率よく吸収することが可能な二酸化炭素吸収材を得ることができる。
このような組成の二酸化炭素吸収材において、特に多孔質の形態では細孔表面積が大きくなって、二酸化炭素との接触速度が高まるため、低濃度の二酸化炭素の吸収速度を一層高めることが可能になる。
また、低濃度の二酸化炭素を含むガス中の水分量が20%以上、75%以下の場合には、前記二酸化炭素吸収材のリチウムメタシリケートがリチウムオルトシリケートによる二酸化炭素の吸収速度を助長する触媒的な機能を果たすため、低濃度の二酸化炭素の吸収速度をより一層高めることが可能になる。
次に、実施形態に係る二酸化炭素分離装置を図1に示す概略断面図を参照して以下に具体的に説明する。
第1、第2の吸収筒11、12は、内管21、22と外管31、32とからなる二重構造になっている。ここでは、内管21、22が反応器であり、内管21、22とその外周に設けられた外管31、32との間が熱を供給する加熱手段として配置されている。前述したリチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートを含有するリチウムシリケートを有し、前記リチウムシリケート中に配合されるリチウムメタシリケート(但し、前記リチウムオルトシリケートと二酸化炭素の反応により生成されるリチウムメタシリケートを含まず)が5重量%以上、40重量%以下である二酸化炭素吸収材41、42は、反応器内にそれぞれ充填されている。リチウムメタシリケートは、具体的にはリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の量で含有され、この量の規定は前述した二酸化炭素吸収材において説明したのと同様である。二酸化炭素含有ガス供給管5から分岐された第1、第2の二酸化炭素含有ガス供給分岐管61、62は、各反応器の上部にそれぞれ連結されている。第1、第2のバルブ71、72は、第1、第2のガス供給分岐管61、62にそれぞれ介在している。
二酸化炭素回収用ガス供給管8から分岐された第1、第2のガス供給分岐管91、92は、各反応器の上部にそれぞれ連結されている。第3、第4のバルブ73、74は第2のガス供給分岐管91、92にそれぞれ介在している。
第1、第2のガス排出分岐管101、102は、各反応器の下部にそれぞれ連結され、かつこれらの分岐管101、102の他端は処理ガス排出管11に連結されている。第5バルブ75は、前記排出管11に介装されている。第1、第2の回収ガス排出分岐管121、122は、各反応器の下部にそれぞれ連結され、かつこれらの分岐管121、122の他端は回収ガス排出管13に連結されている。第6バルブ76は、前記回収ガス排出管13に介装されている。
燃料ガスを燃焼する燃焼器14は、第1吸収筒11に隣接して配置されている。一端が燃焼器14に連結された燃焼ガス供給管15から分岐された第1、第2の燃焼ガス供給分岐管161、162は、各加熱手段の下部側面にそれぞれ連結されている。第7、第8のバルブ77、78は、第1、第2の燃焼ガス供給分岐管161、162にそれぞれ介装されている。第1、第2の排気管171、172は、各加熱手段と連通するように連結されている。燃焼器14に燃料ガスを導入すると、ここで燃焼された燃焼ガスは、燃焼ガス供給管15および第1、第2の供給分岐管161、162を通して各加熱手段にそれぞれ供給され、これら空間を流通して第1、第2の排気管171、172から排気される。燃焼ガスが前記空間を流通する間に各反応器内に充填された二酸化炭素吸収材41、42が加熱される。
各反応器に流通するガスの時間当たりの流通モル数は、二酸化炭素吸収材41、42の充填モル数に対して約4倍以上、約50倍以下に設定することが好ましい。ガスの時間当たりの流通モル数が約50倍を超えると、反応器の容積利用率の観点から二酸化炭素吸収を効率よく行なうことが困難になる。一方、ガスの時間当たりの流通モル数を約4倍未満にすると、吸収反応に伴う発熱量が大きくなり過ぎ、通過ガスの温度上昇のため吸収反応自体が阻害される虞がある。吸収筒容積の利用効率と速やかな吸収反応の進行という両者の観点から前記ガスの時間当たりの流通モル数は、約8倍以上、約30倍以下にすることがより好ましい。
二酸化炭素吸収材41、42が収納された2つの反応器において、次の手順(1−1)、(1−2)で二酸化炭素吸収反応、二酸化炭素放出反応を交互に行なわせて二酸化炭素の吸収、回収を連続して実施する。
(1−1)第1吸収筒11での二酸化炭素吸収操作
まず、第1の吸収筒11の内管21(第1の反応器)に連結された第1の分岐管61に介装された第1バルブ71および処理ガス排出管11に介装された第5バルブ75をそれぞれ開き、これ以外のバルブ72、73、74、76、77、78を閉じる。燃焼器14から燃焼ガスを燃焼ガス供給管15および第1燃焼ガス供給分岐管161を通して内管21と外管31で形成される環状空間(第1の加熱手段)に流通することにより第1吸収筒11の内管21内(第1の反応器)に充填した二酸化炭素吸収材41を300℃以上、700℃以下に加熱する。低濃度、例えば20%以下の二酸化炭素を含むガスを二酸化炭素含有ガス供給管5から前記第1の分岐管61を通して第1の反応器に供給する。この時、前記ガスは前述した理由から水分量が20%以上、75%以下であることが好ましい。また、第1の反応器に流通するガスの時間当たりの流通モル数は、前述したように前記二酸化炭素吸収材の充填モル数に対して約4倍以上、約50倍以下に設定しているため、ガス中の二酸化炭素は二酸化炭素吸収材41に速やかに吸収・保持される。二酸化炭素濃度が低減されたガスは、第1のガス分岐管101および処理ガス排出管11を通して排出される。
第2吸収筒12での二酸化炭素吸収も同様な操作により行なわれる。
(1−2)第2吸収筒12からの二酸化炭素回収操作
前記(1−1)で説明した第1の吸収筒11での二酸化炭素吸収操作を行なっている間に、第2の吸収筒12に連結された第2の分岐管92に介装された第4バルブ74、回収ガス排出管13に介装された第6バルブ76および第2燃焼ガス供給分岐管162に介装された第8バルブ78をそれぞれ開く。この後、燃焼器14から燃焼ガスを燃焼ガス供給管15および第2燃焼ガス供給分岐管162を通して内管22と外管32で形成される環状空間(第2の加熱手段)に流通することにより第2吸収筒12の内管22内(第2の反応器)に充填した二酸化炭素吸収材42を約800℃以上に加熱するとともに、回収用ガス供給管8から所望の回収用ガスを第2の分岐管92を通して前記第2の反応器に供給する。この時、二酸化炭素吸収材42に既に吸収された二酸化炭素は二酸化炭素放出反応が生じて速やかに放出され、高濃度の二酸化炭素を含むガスは、第2回収ガス排出分岐管12および前記回収ガス排出管13を通して回収される。
第1吸収筒11からの二酸化炭素回収も同様な操作により行われる。
このように第1吸収筒11での二酸化炭素吸収操作を行う際に同時に第2吸収筒12からの二酸化炭素回収操作を行い、第1吸収筒11からの二酸化炭素回収操作を行う際に同時に第2吸収筒12での二酸化炭素吸収操作を行い、これらの操作を交互に繰り返すことによって連続的な二酸化炭素の分離・回収を実現することができる。
前記内管21、22、外管31、32、二酸化炭素含有ガス供給分岐管61、62、回収用ガス供給分岐管91、92、ガス排出分岐管101、102および回収ガス排出分岐管12、12は特にその材料等に左右されることなく、例えば緻密質アルミナ、またはニッケル、鉄のような金属を使用できる。また、燃焼ガスと二酸化炭素吸収材41、42との接触時間を長く保つことを考慮すれば、反応器はガス流通方向に向け長い管状の形態を有することが好ましい。
また、原料ガスの反応温度によって必要に応じ、反応容器内部の温度を所定の温度に設定するようにヒータなどの温度制御を反応容器内部あるいは外部に設定することもできる。
以上説明したように実施形態に係る二酸化炭素分離装置によれば、構造が簡素化された低コストで、連続的な二酸化炭素の分離・回収が可能になる。
次に、実施形態に係る改質装置を説明する。
この改質装置は、炭素を含む原料ガスおよび水蒸気が導入される導入管および生成ガスが排出される排出管を有する反応器と、この反応器に収納された改質反応を促進するための固体触媒と、前記反応器に収納された前述したリチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートを含有するリチウムシリケートを有し、前記リチウムシリケート中に配合されるリチウムメタシリケート(但し、前記リチウムオルトシリケートと二酸化炭素の反応により生成されるリチウムメタシリケートを含まず)が5重量%以上、40重量%以下である二酸化炭素吸収材と、前記反応器の外周に設けられ前記反応器に熱を供給するための加熱手段と、を具備する。リチウムメタシリケートは、具体的にはリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の量で含有され、この量の規定は前述した二酸化炭素吸収材において説明したのと同様である。
前記炭素を含む原料ガスとしては、例えばメタン、天然ガス、CO等を用いることができる。
前記固体触媒としては、例えばアルミナ担体にニッケル、ルテニウム、ロジウム等の触媒金属を担持したものを用いることができる。
前記固体触媒と前記二酸化炭素吸収材の充填比率は、重量比で1:1〜1:8にすることが好ましい。
実施形態に係る改質装置を図2に示す概略図を参照して以下に具体的に説明する。
反応器21は、ガス導入管22、生成ガス排出管23を備えている。改質反応を促進する固体触媒24および前述した組成の二酸化炭素吸収材25は、前記反応器21内に充填されている。加熱手段、例えばヒータ26は反応器21の上下に配置されている。
このような図2に示す改質装置において、反応器21内に改質反応を促進する固体触媒24および二酸化炭素吸収材25を所望の比率で充填した後、炭素を含む原料ガス(例えばメタン)および水蒸気の混合ガスを例えば500〜650℃の温度でガス導入管22を通して反応器21内に供給する。この時、前記固体触媒の存在下で前記式(1)の水蒸気改質反応が進行して水素が生成されると共に、二酸化炭素が副生される。副生された二酸化炭素は、その改質反応場である反応器21内に充填されたリチウムオルトシリケートと前記式(2)に従って反応し、その反応場から炭酸リチウムとして吸収、除去される。改質反応場で副生された二酸化炭素を除去することにより、前記式(1)に示す化学平衡を水素の生成側にシフトするため、水素に富んだ生成ガスが生成ガス排出管22を通して回収することが可能になる。
一方、二酸化炭素吸収材25による二酸化炭素の吸収が飽和状態まで達した場合、ヒータ26で二酸化炭素吸収材25を700℃を超える温度(例えば850℃)に加熱することにより、前記式(4)に示すように二酸化炭素を放出して再生することが可能になる。
以上説明した実施形態の改質装置によれば、炭素を含む原料ガスおよび水蒸気が導入される反応器内に改質反応を促進するための固体触媒と共に、リチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートを含み、リチウムメタシリケートが特定量配合された二酸化炭素吸収材を充填することによって、改質反応場で主成ガスである水素と共に副生された二酸化炭素を効率的に除去して水素の生成反応を促進できる。特に、改質反応場は最大75%の水分を含み、前述したように二酸化炭素吸収材のリチウムメタシリケートがリチウムオルトシリケートによる二酸化炭素の吸収速度を助長する触媒的な機能を果たす条件になっているため、副生された二酸化炭素を効率的に除去して水素の生成反応を促進できる。その結果、高濃度の水素を効率的に生成することが可能になる。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末とを、炭酸リチウム:二酸化珪素の重量比が2.38:1になる量準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケート(Li4SiO4)とリチウムメタシリケート(Li2SiO3)の重量比が165.1:8.98で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量は5.2重量%であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率63%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(実施例2)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末とを、炭酸リチウム:二酸化珪素の重量比が.32:1になる量準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が157.4:18で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量は10重量%であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率64%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(実施例3)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末とを、炭酸リチウム:二酸化珪素の重量比が2.08:1になる量準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が134.3:44.9で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量は25.1重量%であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率63.8%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(実施例4)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末とを、炭酸リチウム:二酸化珪素の重量比が1.88:1になる量で準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が109.9:73.3で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量が40重量%であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率62%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(比較例1)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末とを、炭酸リチウム:二酸化珪素の重量比が2.46:1になる量で準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が172.8:0で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量が0重量%であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率60.5%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(比較例2)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末とを、炭酸リチウム:二酸化珪素の重量比が2.39:1になる量で準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が166.4:7.48で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量が4.3重量%であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率61.5%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(比較例3)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末とを、炭酸リチウム:二酸化珪素の重量比が1.78:1になる量で準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が95.7:89.8で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量が48.4重量%であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率60%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(比較例4)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末とを、炭酸リチウム:二酸化珪素の重量比が2.46:1になる量準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートのみからなる粉末を得た。ひきつづき、得られた粉末を二酸化炭素雰囲気中、500℃で15分間放置してリチウムオルトシリケートの一部を二酸化炭素と反応させた後、アルゴン雰囲気中に移した。得られた粉末は、リチウムメタシリケート量がリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対して
24.8重量%で、かつ前記二酸化炭素との反応で生成された炭酸リチウムおよびリチウムメタシリケートが等モル含有する組成であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率61%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
得られた実施例1〜4および比較例1〜4の円柱状二酸化炭素吸収材について、二酸化炭素吸収及び放出繰り返し性能を評価した。すなわち、この二酸化炭素吸収材のCO2吸収性能は、熱重量分析装置(TG)を用いて測定した。CO2吸収は、2.5%CO2・50%H2Oガス流通下(1気圧・300mL/分)、600℃で1時間保持することで行った。吸収速度は、600℃保持における60分間の重量増加率(重量%/時間)を指標とした。その結果を下記表1に示す。なお、下記表1には二酸化炭素吸収材中のリチウムメタシリケート(Li2SiO3)のリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量を併記した。
Figure 0004496208
前記表1から明らかなようにリチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートからなり、リチウムメタシリケートがそれらのリチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の範囲で含む実施例1〜4の二酸化炭素吸収材は、リチウムメタシリケートの含有割合が前記範囲を外れる比較例1〜3の二酸化炭素吸収材に比べてCO2吸収速度が高いことがわかる。これより、助剤として添加するリチウムメタシリケートを5重量%以上、40重量%以下の範囲内で含む二酸化炭素吸収材は、低濃度の二酸化炭素の吸収速度が高いことがわかる。
また、リチウムメタシリケートが5重量%以上、40重量%以下の範囲でも、そのリチウムメタシリケートの由来がリチウムオルトシリケートと二酸化炭素の反応により含有された比較例4の二酸化炭素吸収材では、比較例1〜3の二酸化炭素吸収材と同様に、低濃度の二酸化炭素の吸収速度が低いことがわかる。
(実施例5)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径が1μmの炭酸リチウム粉末と、平均粒径が1μmの炭酸ナトリウム粉末とを炭酸リチウム:二酸化珪素:炭酸ナトリウムの重量比が2.3:1:0.011になる量準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が157.7:17.7で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量が10.1重量%であった。また、得られた粉末は全成分の総量に対する炭酸ナトリウム量が0.62モル%で、かつ炭酸ナトリウムとリチウムメタシリケートのモル比率(炭酸ナトリウム/リチウムメタシリケート)が0.047であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率65.2%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(実施例6)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径が1μmの炭酸リチウム粉末と、平均粒径が1μmの炭酸ナトリウム粉末とを炭酸リチウム:二酸化珪素:炭酸ナトリウムの重量比が2.3:1:0.055になる量準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を、箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が157.7:17.7で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量が10.1重量%であった。また、得られた粉末は全成分の総量に対する炭酸ナトリウム量が3.01モル%で、かつ炭酸ナトリウムとリチウムメタシリケートのモル比率(炭酸ナトリウム/リチウムメタシリケート)が0.24であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率65.5%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(実施例7)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末と、平均粒径が1μmの炭酸ナトリウム粉末とを炭酸リチウム:二酸化珪素:炭酸ナトリウムの重量比が2.3:1:0.082になる量準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が157.7:17.7で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量が10.1重量%であった。また、得られた粉末は全成分の総量に対する炭酸ナトリウム量が4.44モル%で、炭酸ナトリウムとリチウムメタシリケートのモル比率(炭酸ナトリウム/リチウムメタシリケート)が0.35であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率65.1%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(実施例8)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末と、平均粒径が1μmの炭酸ナトリウム粉末とを炭酸リチウム:二酸化珪素:炭酸ナトリウムの重量比が2.2:1:0.011になる量準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が147.4:29.6で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量が16.7重量%であった。また、得られた粉末は全成分の総量に対する炭酸ナトリウム量が0.62モル%で、かつ炭酸ナトリウムとリチウムメタシリケートのモル比率(炭酸ナトリウム/リチウムメタシリケート)が0.029であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率61.4%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(実施例9)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末と、平均粒径が1μmの炭酸ナトリウム粉末とを炭酸リチウム:二酸化珪素:炭酸ナトリウムの重量比が2.:1:0.008になる量準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が161.5:13.2で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量が10.1重量%であった。また、得られた粉末は全成分の総量に対する炭酸ナトリウム量が0.45モル%で、炭酸ナトリウムとリチウムメタシリケートのモル比率(炭酸ナトリウム/リチウムメタシリケート)が0.046であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率61.7%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(実施例10)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末と、平均粒径が1μmの炭酸ナトリウム粉末とを、炭酸リチウム:二酸化珪素:炭酸ナトリウムの重量比が2.3:1:0.11になる量準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が157.7:17.7で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量が10.1重量%であった。また、得られた粉末は全成分の総量に対する炭酸ナトリウム量が5.9モル%で、炭酸ナトリウムとリチウムメタシリケートのモル比率(炭酸ナトリウム/リチウムメタシリケート)が0.48であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率60.6%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
(比較例5)
平均粒径が0.8μmの二酸化珪素粉末と、平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末と、平均粒径が1μmの炭酸ナトリウム粉末とを、炭酸リチウム:二酸化珪素:炭酸ナトリウムの重量比が2.39:1:0.003になる量準備し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合した。つづいて、この原料混合粉を箱型電気炉にて大気中、1000℃で8時間処理して、リチウムオルトシリケートを主体とした粉末を得た。得られた粉末は、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの重量比が166.4:7.48で、リチウムメタシリケートのリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量が4.3重量%であった。また、得られた粉末は全成分の総量に対する炭酸ナトリウム量が0.17モル%で、炭酸ナトリウムとリチウムメタシリケートのモル比率(炭酸ナトリウム/リチウムメタシリケート)が0.03であった。この粉末を押出機内に投入し、押出法を用いて、気孔率60.3%で円柱状(外径5mm)の多孔質体からなる二酸化炭素吸収材を作製した。
得られた実施例5〜10および比較例5の二酸化炭素吸収材について、実施例1と同様の評価方法を用いて吸収速度を評価した。その結果を下記表2に示す。なお、下記表2には二酸化炭素吸収材中のリチウムメタシリケート(Li2SiO3)のリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量、全成分の総量に対する炭酸ナトリウム(Na2CO3)の量、および炭酸ナトリウムとリチウムメタシリケートのモル比率(Na2CO3/Li2SiO3)を併記した。
Figure 0004496208
前記表2から明らかなように、リチウムオルトシリケート、リチウムメタシリケートおよび炭酸ナトリウムからなり、リチウムメタシリケートがリチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の範囲である実施例5〜10の二酸化炭素吸収材は、リチウムオルトシリケート、リチウムメタシリケートおよび炭酸ナトリウムからなり、リチウムメタシリケートの量が前記範囲を外れる比較例5に比べてCO2吸収速度が高いことがわかる。
特に、リチウムオルトシリケート、リチウムメタシリケートおよび炭酸ナトリウムからなり、リチウムメタシリケートがリチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の範囲、炭酸ナトリウムが全成分の総量に対して0.5モル%以上、20モル%以下で、炭酸ナトリウム/リチウムメタシリケートのモル比が0.04以上、0.35以下である実施例5〜7の二酸化炭素吸収材は、炭酸ナトリウムが全成分の総量に対するモル量および炭酸ナトリウム/リチウムメタシリケートのモル比のいずれかが前記範囲を外れる実施例8〜10に比べてCO2吸収速度がより一層高いことがわかる。
なお、上述した実施例5〜10ではアルカリ炭酸塩、アルカリ土類炭酸塩、アルカリハロゲン化物の1種として炭酸ナトリウムを用いた例のみを示したが、他のアルカリ炭酸塩、アルカリ土類炭酸塩、アルカリハロゲン化物を用いても、同様な効果を得ることができる。
(実施例11)
前述した図2に示す改質装置を用いて水素を生成した。
図2の改質装置において、内径が0.05m、長さが1.2mの管状の反応器21を用いた。反応器21内には、金属ニッケルを約20重量%担持した平均粒径10μmのアルミナ粒子0.4kg(固体触媒24)と、平均粒径10μmに造粒され、10重量%のリチウムメタシリケートを含むリチウムオルトシリケートからなる1.6kgの二酸化炭素吸収材25を混合して充填した。
水蒸気とメタンをH2O/CH4=3の比率で混合し、この混合ガスを予め600℃に加温し、1L/分の割合でガス導入管22から反応器21に導入した。反応器21内の圧力は1気圧とした。
運転を開始してから30分間後における改質装置のメタン改質率を下記式に基づいて算出した。
メタン改質率(%)=100−{(1秒間当たりに排出される生成ガス中のCH4モル数)/(1秒間当たりに導入される混合ガス中のCH4モル数)}×100
(実施例12)
平均粒径10μmに造粒され、10重量%のリチウムメタシリケートおよび2.85重量%の炭酸ナトリウムを含むリチウムオルトシリケートからなる二酸化炭素吸収材を用いた以外、実施例11と同様に方法によりメタン改質率を求めた。
(比較例6)
平均粒径10μmに造粒され、リチウムメタシリケートを添加していないリチウムオルトシリケートのみからなる二酸化炭素吸収材を用いた以外、実施例11と同様に方法によりメタン改質率を求めた。
これらの結果を下記表3に示す。なお、下記表3には二酸化炭素吸収材中のリチウムメタシリケート(Li2SiO3)のリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートの総量に対する量、および全成分の総量に対する炭酸ナトリウム(Na2CO3)の量を併記した。
Figure 0004496208
前記表3から明らかなようにリチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートからなり、リチウムメタシリケートがリチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の範囲で含む二酸化炭素吸収材を用いる実施例11、リチウムオルトシリケート、リチウムメタシリケートおよび炭酸ナトリウムからなり、リチウムメタシリケートがリチウムオルトシリケートおよびリチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の範囲で含む二酸化炭素吸収材を用いる実施例12のメタン改質反応は、リチウムオルトシリケート単独からなる二酸化炭素吸収材を用いる比較例6のメタン改質反応に比べてメタン改質率が高いことがわかる。これは、リチウムメタシリケートを添加することにより低濃度の二酸化炭素吸収速度が増加し、前記式(1)の反応平衡が右向きにシフトしてメタンの改質反応が促進しされたためである。
本発明の二酸化炭素分離装置の概念図。 本発明の実施形態に係る改質反応装置を示す概略図。
符号の説明
1、12…第1、第2の吸収筒、21、22…内管、31、32…外管、41、42…炭酸ガス吸収材、5…炭酸ガス含有ガス供給管、8…炭酸ガス回収用ガス供給管、11…処理ガス排出管、13…回収ガス排出管、14…燃焼器、15…燃焼ガス供給管、171、172…第1、第2の排気管、21…反応器、22…ガス導入管、23…生成ガス排出管、24…固体触媒、25…炭酸ガス吸収材、26…ヒータ。

Claims (6)

  1. 20%以下の低濃度の二酸化炭素環境下で用いられる二酸化炭素吸収材であって、
    リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートからなり、前記リチウムメタシリケートが前記リチウムオルトシリケートおよび前記リチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の量で含有されることを特徴とする二酸化炭素吸収材。
  2. 20%以下の低濃度の二酸化炭素環境下で用いられる二酸化炭素吸収材であって、
    リチウムオルトシリケートと、リチウムメタシリケートと、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムであるアルカリ炭酸塩および炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウムであるアルカリ土類炭酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つのアルカリ化合物とからなり、前記リチウムメタシリケートが前記リチウムオルトシリケートおよび前記リチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の量で含有され、前記アルカリ化合物が前記リチウムオルトシリケート、前記リチウムメタシリケートおよび前記アルカリ化合物の総量に対して0.5モル%以上、20モル%以下の量で含有し、かつ前記アルカリ化合物に対する前記リチウムメタシリケートのモル比率が0.04以上、0.35以下であることを特徴とする二酸化炭素吸収材。
  3. 多孔質体であることを特徴とする請求項1または2記載の二酸化炭素吸収材。
  4. 二酸化炭素の導入管および排出管を有し、20%以下の低濃度の二酸化炭素が前記導入管から導入される反応器;
    前記反応器に収納され、リチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートからなり、前記リチウムメタシリケートが前記リチウムオルトシリケートおよび前記リチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の量で含有される二酸化炭素吸収材;および
    前記反応器の外周に設けられ、前記反応器に熱を供給するための加熱手段;
    を具備することを特徴とする二酸化炭素分離装置。
  5. 前記二酸化炭素吸収材が多孔質体であることを特徴とする請求項4記載の二酸化炭素分離装置。
  6. 炭素を含む原料ガスおよび水蒸気が導入される導入管および生成ガスが排出される排出管を有する反応器;
    前記反応器に収納された改質反応を促進するための固体触媒;および
    前記反応器の外周に設けられ、前記反応器に熱を供給するための加熱手段;
    を備え、炭素を含む前記原料ガスおよび前記水蒸気を前記導入管を通して前記反応器に導入し、前記加熱手段から前記反応器に熱を供給することにより原料ガスと水蒸気を前記固体触媒の存在下で改質させて水素および二酸化炭素を生成し、その二酸化炭素が前記反応器内に20%以下の低濃度で存在する改質装置であって、
    二酸化炭素吸収材が前記反応器に収納され、かつ前記二酸化炭素吸収材はリチウムオルトシリケートとリチウムメタシリケートからなり、前記リチウムメタシリケートが前記リチウムオルトシリケートおよび前記リチウムメタシリケートの総量に対して5重量%以上、40重量%以下の量で含有されることを特徴とする改質装置。
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