JP4495399B2 - 二チャンネル内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の処置具挿通チャンネルが設けられた二チャンネル内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
二チャンネル内視鏡は一般に、遠隔操作によって屈曲する湾曲部が挿入部可撓管の先端に連結された構成のフレキシブルな挿入部内に二本の処置具挿通路が配置され、挿入部の先端に設けられた先端部本体に二つの処置具突出口が配置された構成になっている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−37348、図4等
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図8は、上述のような従来の二チャンネル内視鏡の二つの処置具突出口11a,12aから各々処置具の先端部分101,201を突出させて内視鏡的処置を行っている状態を示している。
【0005】
1は挿入部可撓管、2は湾曲部、3は先端部本体、4は観察窓であり、挿入部可撓管1の押し引き操作と湾曲部2の屈曲操作によって先端部本体3の位置が目的箇所に誘導され、それから、二つの処置具突出口11a,12aから各々処置具の先端部分101,201が突出される。
【0006】
しかし、このような二チャンネル内視鏡による内視鏡的処置においては、二つの処置具の先端部分101,201の位置と向きの相対的な関係がその症例における処置の種類や病変部位等に適合していないために、円滑に処置を行うことができない場合がある。
【0007】
そこで本発明は、症例毎に二つの処置具の位置及び方向の関係を最適な状態に随時設定して、内視鏡的処置を常に容易かつ安全に行うことができる二チャンネル内視鏡を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の二チャンネル内視鏡は、遠隔操作によって屈曲する湾曲部が挿入部可撓管の先端に連結された構成のフレキシブルな挿入部内に第1の処置具挿通チャンネルを挿通配置すると共に、第1の処置具挿通チャンネルの出口開口である第1の処置具突出口を湾曲部より先寄りの位置に配置し、挿入部可撓管に対して被脱自在なフレキシブルな筒状アダプタに第2の処置具挿通チャンネルを配置すると共に、第2の処置具挿通チャンネルの出口開口である第2の処置具突出口を筒状アダプタの先端に配置して、筒状アダプタが挿入部可撓管に装着された状態のときに第2の処置具突出口が湾曲部より後寄りに位置するようにし、第2の処置具突出口から突出される処置具の先端部分の起上角度を筒状アダプタの手元側からの遠隔操作により調整する処置具起上片を、第2の処置具突出口部分に配置したものである。
【0009】
なお、筒状アダプタが挿入部可撓管に対して周方向に任意の向きに装着可能であってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、二チャンネル内視鏡に二つの処置具100,200が通された状態の全体構成を示し、図2は、挿入部可撓管1に対して着脱自在に被嵌される筒状アダプタ10が挿入部可撓管1に取り付けられていない状態を示している。
【0011】
二チャンネル内視鏡のフレキシブルな挿入部可撓管1の先端部分には、挿入部可撓管1の基端(手元側)に連結された操作部6からの遠隔操作により屈曲させることができる湾曲部2が連結されている。
【0012】
湾曲部2は、操作部6に配置された湾曲操作ノブ7を矢印Xに示されるように回転操作することにより、矢印Yに示されるように屈曲する。この実施例では湾曲操作ノブ7として上下方向用と左右方向用とが併設されていて、その操作の組み合わせにより湾曲部2を360°任意の方向に任意の角度(例えば最大200°程度の角度まで)屈曲させることができる。
【0013】
湾曲部2の先端には、観察窓や照明窓等が配置された先端部本体3が連結されていて、挿入部可撓管1、湾曲部2及び先端部本体3によって挿入部が構成されている。
【0014】
そして、例えば四フッ化エチレン樹脂チューブからなる第1の処置具挿通チャンネル11が、挿入部可撓管1内から湾曲部2内にわたって挿通配置されていて、第1の処置具挿通チャンネル11の出口開口である第1の処置具突出口11aが先端部本体3に形成されている。第1の処置具挿入口11bは、操作部6の下端部付近に配置されている。
【0015】
筒状アダプタ10は、ほぼ挿入部可撓管1に対応する長さに形成されていて、III−III断面を図示する図3にも示されるように、弾力性のある例えばシリコンゴム等によって細長い筒状に形成されている。
【0016】
そして筒状アダプタ10には、弾力的に押し広げられて挿入部可撓管1の外周面に被覆される環状部10aに軸線方向に沿うように、第2の処置具挿通チャンネル12が配置されている。なお、この実施例においては、第2の処置具挿通チャンネル12の部分に滑りのよい四フッ化エチレン樹脂チューブ等を内挿した構成をとっている。
【0017】
図3に示される14は、後述する処置具起上片30を手元側から操作するために筒状アダプタ10の長手方向に沿って進退自在に配置された一本の操作ワイヤであり、筒状アダプタ10に全長にわたって取り付けられたガイドコイル15内に緩く挿通されている。
【0018】
図2に示されるように、筒状アダプタ10の基端部分には、挿入部可撓管1と操作部6との連結部付近に被さる形状の基端口金10bが形成されていて、その基端口金10bの上端部分に第2の処置具挿入口12bが配置されている。
【0019】
そして、図1に示されるように、筒状アダプタ10は挿入部可撓管1のほぼ全長にわたって被覆されて挿入部可撓管1を弾力的に軽く締め付ける形状に形成され、環状部10aの先端に取り付けられた先端口金10cが湾曲部2の後端より僅かに後方に位置するようになっている。
【0020】
このように構成された筒状アダプタ10は、挿入部可撓管1に対する取り付け時に、矢印Aで示されるように軸線周りに回転させることにより、挿入部可撓管1に対して周方向に任意の向きに取り付けて、その症例にとって最も具合のよい状態にすることができる。
【0021】
図4は、挿入部可撓管1に筒状アダプタ10が取り付けられた状態における挿入部の正面図であり、第1の処置具突出口11aが、観察窓4及び照明窓5と並んで先端部本体3の先端面に配置されている。
【0022】
そして、第2の処置具突出口12aが筒状アダプタ10の先端に配置されているので、筒状アダプタ10を挿入部可撓管1に対する取り付け時に、軸線周りに矢印Aで示されるように回転させることにより、第1の処置具突出口11aに対する第2の処置具突出口12aの位置関係を任意に設定することができる。
【0023】
図5は、挿入部可撓管1に筒状アダプタ10が装着されて、第1の処置具突出口11aと第2の処置具突出口12aから、第1の処置具100の先端部分101と第2の処置具200の先端部分201が突出した使用状態の先端部分を示している。
【0024】
第2の処置具挿通チャンネル12の出口開口である第2の処置具突出口12aは、筒状アダプタ10の先端部分に設けられた先端口金10cに開口形成されている。
【0025】
そして、第2の処置具突出口12a部分には、第2の処置具挿通チャンネル12を通って突出する第2の処置具200の先端部分201の起上程度を調整するための処置具起上片30が、支軸31を中心に回動自在に筒状アダプタ10の先端口金10cに取り付けられている。
【0026】
処置具起上片30はこの実施例においては略半円筒状に形成されており、処置具起上片30の後端部分に突設された腕状部30aに操作ワイヤ14の先端が連結されている。ただし、処置具起上片30の形状等は各種の実施態様を採りうる。
【0027】
その結果、操作ワイヤ14が矢印Cで示されるように手元側から牽引操作されると、処置具起上片30が支軸31を中心に矢印Dで示されるように起上方向に回動し、第2の処置具200の先端部分201の突出方向が矢印Eで示されるように起上する。
【0028】
図1及び図2に戻って、筒状アダプタ10の第2の処置具挿入口12bの基部には、操作ワイヤ14を手元側から牽引操作するための操作指掛け16が配置されている。
【0029】
そして、手元側で操作指掛け16を矢印Bに示されるようにスライド操作することにより、操作ワイヤ14が牽引されて、第2の処置具200の先端部分201が矢印Eで示されるように起上する。18は、筒状アダプタ10に対して固定的に取り付けられた固定指掛けである。
【0030】
図6は、操作ワイヤ14を牽引操作するための筒状アダプタ10の手元操作部を示しており、第2の処置具挿通チャンネル12の基端12cに連通して、筒状アダプタ10の基端口金10bの上端付近に処置具挿入口金本体20が固定的に突設されている。
【0031】
そして、処置具挿入口金本体20の上端付近には固定指掛け18が固定的に取り付けられ、処置具挿入口金本体20の下端部分にはガイドコイル15の基端が固定されている。
【0032】
操作指掛け16は、軸線方向に進退自在に処置具挿入口金本体20に被嵌されている。そして、操作ワイヤ14の基端14aが固定ピン17を介して操作指掛け16に固定されており、操作指掛け16が処置具挿入口金本体20の下端位置にあるときには操作ワイヤ14が全く牽引されていない。
【0033】
固定指掛け18と操作指掛け16との間には、圧縮コイルスプリング19が常に圧縮された状態に装着されて、操作指掛け16が下端側に押し付けられる方向に付勢されている。その結果、操作ワイヤ14が手元側から押し込み方向に常時付勢されている。
【0034】
そして、操作指掛け16と固定指掛け18に指を掛けて、圧縮コイルスプリング19の付勢力に抗して操作指掛け16を固定指掛け18寄りに引き寄せることにより、操作ワイヤ14が牽引されて、処置具起上片30が起上方向に回動する。
【0035】
このような構成により、本発明の二チャンネル内視鏡においては、その症例における処置の種類や病変部位等に合わせて、湾曲操作ノブ7の操作による湾曲部2の屈曲状態と、操作指掛け16の操作による処置具起上片30の起上状態を調整することにより、図7に示されるように、湾曲部2より先側に配置された第1の処置具突出口11aから突出される第1の処置具100の先端部分101と、湾曲部2より後側に配置された第2の処置具突出口12aから突出される第2の処置具200の先端部分201との位置及び方向の関係を、その症例の処置操作にとって最適な状態に随時設定することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、その症例における処置の種類や病変部位等に合わせて、湾曲部の屈曲状態と処置具起上片の起上状態を調整して、第1の処置具突出口から突出される第1の処置具の先端部分と、第2の処置具突出口から突出される第2の処置具の先端部分との位置及び方向の関係を、その症例の処置操作にとって最適な状態に随時設定して、内視鏡的処置を常に容易かつ安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の挿入部に筒状アダプタが取り付けられた状態の全体構成を示す側面図である。
【図2】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の挿入部に筒状アダプタが取り付けられていない状態の側面図である。
【図3】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の図2におけるIII−III断面図である。
【図4】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の筒状アダプタが挿入部に取り付けられた状態の挿入部の先端の正面図である。
【図5】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の使用状態における先端部分を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例の筒状アダプタの手元操作部の側面断面図である。
【図7】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の使用状態における先端部分を示す斜視図である。
【図8】従来の二チャンネル内視鏡の使用状態における先端部分を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 挿入部可撓管
2 湾曲部
3 先端部本体
7 湾曲操作ノブ
10 筒状アダプタ
11 第1の処置具挿通チャンネル
11a 第1の処置具突出口
11b 第1の処置具挿入口
12 第2の処置具挿通チャンネル
12a 第2の処置具突出口
12b 第2の処置具挿入口
14 操作ワイヤ
16 操作指掛け
30 処置具起上片
31 支軸
100,200 処置具
101,201 処置具の先端部分
Claims (1)
- 遠隔操作によって屈曲する湾曲部が挿入部可撓管の先端に連結された構成のフレキシブルな挿入部内に第1の処置具挿通チャンネルを挿通配置すると共に、上記第1の処置具挿通チャンネルの出口開口である第1の処置具突出口を上記湾曲部より先寄りの位置に配置し、
上記挿入部可撓管に対して周方向に任意の向きに装着できるように被脱自在なフレキシブルな筒状アダプタに第2の処置具挿通チャンネルを配置すると共に、上記第2の処置具挿通チャンネルの出口開口である第2の処置具突出口を上記筒状アダプタの先端に配置して、上記筒状アダプタが上記挿入部可撓管に装着された状態のときに上記第2の処置具突出口が上記湾曲部より後寄りに位置するようにし、
上記第2の処置具突出口から突出される処置具の先端部分の起上角度を上記筒状アダプタの手元側からの遠隔操作により調整する処置具起上片を、上記第2の処置具突出口部分に配置すると共に、上記処置具起上片の起上角度を小さくする方向に上記処置具起上片を常時付勢するためのスプリングを設け、
上記遠隔操作を行うための手段として、操作指掛けと固定指掛けを上記筒状アダプタの第2の処置具挿通チャンネルの基端位置に設けて、上記操作指掛けが上記スプリングで付勢される状態に配置し、
上記筒状アダプタを上記挿入部可撓管に着脱すると、上記操作指掛けと上記固定指掛けと上記スプリングとが、上記第2の処置具挿通チャンネルと共に上記挿入部可撓管に対して着脱されることを特徴とする二チャンネル内視鏡。
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