JP4274521B2 - 二チャンネル内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の処置具挿通チャンネルが設けられた二チャンネル内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
二チャンネル内視鏡は一般に、挿入部内に二本の処置具挿通路が配置され、挿入部の先端に設けられた先端部本体に二つの処置具突出口が配置された構成になっている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2000−37348、図4等
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図7は上述のような従来の二チャンネル内視鏡の二つの処置具突出口11a,12aから各々処置具の先端部分101,201を突出させて内視鏡的処置を行っている状態を示している。3は先端部本体、4は観察窓である。
【0005】
このような二チャンネル内視鏡による内視鏡的処置においては、二つの処置具の先端部分101,201の位置と向きの関係がその症例における処置の種類や病変部位等に適合している必要があり、適合していない場合には円滑に処置を行うことができない場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、症例毎に二つの処置具の位置及び方向の関係を最適な状態に随時設定して、内視鏡的処置を常に容易かつ安全に行うことができる二チャンネル内視鏡を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の二チャンネル内視鏡は、フレキシブルな挿入部内に第1の処置具挿通チャンネルを挿通配置して、第1の処置具挿通チャンネルの出口開口である第1の処置具突出口を挿入部の先端付近に配置し、挿入部に対して周方向に任意に向きを変えて被脱自在なフレキシブルな筒状アダプタに第2の処置具挿通チャンネルを配置して、第2の処置具挿通チャンネルの出口開口である第2の処置具突出口を筒状アダプタの先端に配置すると共に、第2の処置具挿通チャンネルを通って第2の処置具突出口から突出される処置具の先端部分の起上程度を手元側からの遠隔操作により調整する処置具起上片を、第2の処置具突出口部分に配置したものである。
【0008】
なお、手元側において処置具起上片の最小起上限界を任意に設定するためのストッパが設けられていてもよく、その場合、手元側から牽引操作されることにより処置具起上片を起上方向に動作させる操作ワイヤと、操作ワイヤを押し込み方向に付勢する付勢手段とが設けられ、ストッパにより、操作ワイヤの押し込み方向の移動限界位置が設定されるようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、二チャンネル内視鏡に二つの処置具100,200が通された状態の全体構成を示し、図2は、挿入部可撓管1に対して着脱自在に被嵌される筒状アダプタ10が挿入部可撓管1に取り付けられていない状態を示している。
【0010】
図2に示されるように、フレキシブルな挿入部可撓管1の先端部分には、挿入部可撓管1の基端(手元側)に連結された操作部6からの遠隔操作により二点鎖線で示されるように屈曲する湾曲部2が設けられている。
【0011】
湾曲部2の先端には、観察窓等が配置された先端部本体3が連結されていて、挿入部可撓管1、湾曲部2及び先端部本体3によって挿入部が構成されている。7は湾曲操作を行うための湾曲操作ノブである。
【0012】
そして、例えば四フッ化エチレン樹脂チューブからなる第1の処置具挿通チャンネル11が、挿入部可撓管1内から湾曲部2内にわたって挿通配置されていて、第1の処置具挿通チャンネル11の出口開口である第1の処置具突出口11aが先端部本体3に形成され、第1の処置具挿入口11bは操作部6の下端部付近に配置されている。
【0013】
筒状アダプタ10は、III−III断面を図示する図3にも示されるように、弾力性のある例えばシリコンゴム等によって細長い筒状に形成されており、弾力的に押し広げられて挿入部可撓管1の外周面に被覆される環状部10aに沿って第2の処置具挿通チャンネル12が配置された構成になっている。なお、この実施例においては、第2の処置具挿通チャンネル12の部分に滑りのよい四フッ化エチレン樹脂チューブ等を内挿した構成をとっている。
【0014】
図3に示される14は、後述する処置具起上片30を手元側から操作するために筒状アダプタ10の長手方向に沿って進退自在に配置された一本の操作ワイヤであり、筒状アダプタ10に全長にわたって取り付けられたガイドコイル15内に緩く挿通されている。
【0015】
図2に示されるように、筒状アダプタ10の基端部分には、挿入部可撓管1と操作部6との連結部付近に被さる形状の基端口金10bが形成されていて、その基端口金10bの上端部分に第2の処置具挿入口12bが配置されている。
【0016】
そして、図1に示されるように、筒状アダプタ10は挿入部可撓管1のほぼ全長にわたって被覆されて挿入部可撓管1を弾力的に軽く締め付ける寸法形状に形成されており、環状部10aの先端に取り付けられた先端口金10cが湾曲部2の湾曲動作を妨げないようにレイアウトされている。
【0017】
このように構成された筒状アダプタ10は、挿入部可撓管1に対する取り付け時に、矢印Aで示されるように軸線周りに回転させることにより、挿入部可撓管1に対して周方向に任意の向きに取り付けることができる。
【0018】
図4は、挿入部可撓管1に筒状アダプタ10が取り付けられた状態における挿入部の正面図であり、第1の処置具突出口11aが、観察窓4及び照明窓5と並んで先端部本体3の先端面に配置されている。
【0019】
そして、第2の処置具突出口12aが筒状アダプタ10の先端に配置されているので、筒状アダプタ10を挿入部可撓管1に対する取り付け時に軸線周りに回転させることにより、第1の処置具突出口11aに対する第2の処置具突出口12aの位置関係を任意に設定することができる。
【0020】
図5は、第1の処置具突出口11aと第2の処置具突出口12aから、第1の処置具100の先端部分101と第2の処置具200の先端部分201が突出した使用状態の先端部分を示している。
【0021】
第2の処置具挿通チャンネル12の出口開口である第2の処置具突出口12aは、筒状アダプタ10の先端部分に設けられた先端口金10cに開口形成されている。
【0022】
そして、第2の処置具突出口12a部分には、第2の処置具挿通チャンネル12を通って突出する第2の処置具200の先端部分201の起上程度を調整するための処置具起上片30が、支軸31を中心に回動自在に筒状アダプタ10の先端口金10cに取り付けられている。
【0023】
処置具起上片30はこの実施例においては略半円筒状に形成されており、処置具起上片30の後端部分に突設された腕状部30aに操作ワイヤ14の先端が連結されている。
【0024】
その結果、操作ワイヤ14が矢印Cで示されるように手元側から牽引操作されると、処置具起上片30が支軸31を中心に矢印Dで示されるように起上方向に回動し、第2の処置具200の先端部分201の突出方向が矢印Eで示されるように起上する。
【0025】
図1に戻って、操作ワイヤ14を手元側から牽引操作するための操作指掛け16が第2の処置具挿入口12bの基部に配置されており、手元側で操作指掛け16を矢印Bに示されるようにスライド操作することにより、操作ワイヤ14が牽引されて、第2の処置具200の先端部分201が矢印Eで示されるように起上する。18は、筒状アダプタ10に対して固定的に取り付けられた固定指掛けである。
【0026】
図6は、操作ワイヤ14を牽引操作するための手元操作部を示しており、第2の処置具挿通チャンネル12の基端12cに連通して、筒状アダプタ10の基端口金10bの上端付近に処置具挿入口金本体20が固定的に突設されている。
【0027】
そして、処置具挿入口金本体20の上端付近には固定指掛け18が固定的に取り付けられ、処置具挿入口金本体20の下端部分にはガイドコイル15の基端が固定されている。
【0028】
操作指掛け16は、軸線方向に進退自在に処置具挿入口金本体20に被嵌されている。そして、操作ワイヤ14の基端14aが固定ピン17を介して操作指掛け16に固定されており、操作指掛け16が処置具挿入口金本体20の下端位置にあるときには操作ワイヤ14が全く牽引されていない。
【0029】
固定指掛け18と操作指掛け16との間には、圧縮コイルスプリング19が常に圧縮された状態に装着されて、操作指掛け16が下端側に押し付けられる方向に付勢されている。その結果、操作ワイヤ14が手元側から押し込み方向に常時付勢されている。
【0030】
そして、操作指掛け16と固定指掛け18に指を掛けて、圧縮コイルスプリング19の付勢力に抗して操作指掛け16を固定指掛け18寄りに引き寄せることにより、操作ワイヤ14が牽引されて、処置具起上片30が起上方向に回動する。
【0031】
また、操作指掛け16に形成された孔を緩く貫通するように固定指掛け18から突設されたネジ棒21の先端寄りの部分に手動ストッパナット22が螺合しており、その手動ストッパナット22の位置を調整することによって、操作ワイヤ14の押し込み方向の移動限界位置(即ち、処置具起上片30の最小起上限界)を任意に設定することができる。23は、手動ストッパナット22の落下防止用ストッパである。
【0032】
その結果、操作指掛け16を操作すれば、第2の処置具200の先端部分201の突出方向を、手動ストッパナット22によって設定された最小起上状態より大きな起上範囲において任意に調整することができ、操作指掛け16から指を離せば、処置具起上片30が手動ストッパナット22により設定された最小起上限界位置に戻ってその状態が維持される。
【0033】
このような構成により、本発明の二チャンネル内視鏡においては、その症例における処置の種類や病変部位等に合わせて、挿入部可撓管1に対する筒状アダプタ10の回転状態を調整してセットすると共に、操作指掛け16を操作して処置具起上片30による第2の処置具200の先端部分201の起上状態を調整することにより、第1の処置具突出口11aから突出される第1の処置具100の先端部分101と、第2の処置具突出口12aから突出される第2の処置具200の先端部分201との位置及び方向の関係を、その症例の処置操作にとって最適な状態に随時設定することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、挿入部に対する筒状アダプタの被嵌方向を調整してセットすると共に、筒状アダプタに設けられた第2の処置具挿通チャンネルを通って第2の処置具突出口から突出される処置具の先端部分の突出方向を手元側からの遠隔操作にしたがって規制することにより、症例毎に二つの処置具の位置及び方向の関係を最適な状態に随時設定して、内視鏡的処置を常に容易かつ安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の挿入部に筒状アダプタが取り付けられた状態の全体構成を示す側面図である。
【図2】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の挿入部に筒状アダプタが取り付けられていない状態の側面図である。
【図3】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の図2におけるIII−III断面図である。
【図4】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の筒状アダプタが挿入部に取り付けられた状態の挿入部の先端の正面図である。
【図5】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の使用状態における先端部分を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例の筒状アダプタの手元操作部の側面断面図である。
【図7】従来の二チャンネル内視鏡の使用状態における先端部分を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 挿入部可撓管(挿入部)
2 湾曲部(挿入部)
3 先端部本体(挿入部)
10 筒状アダプタ
11 第1の処置具挿通チャンネル
11a 第1の処置具突出口
11b 第1の処置具挿入口
12 第2の処置具挿通チャンネル
12a 第2の処置具突出口
12b 第2の処置具挿入口
14 操作ワイヤ
16 操作指掛け
19 圧縮コイルスプリング(付勢手段)
21 ネジ棒
22 手動ストッパナット(ストッパ)
30 処置具起上片
31 支軸
100,200 処置具
101,201 処置具の先端部分
Claims (1)
- 遠隔操作により屈曲する湾曲部を挿入部可撓管の先端に連結して構成されたフレキシブルな挿入部内に第1の処置具挿通チャンネルを挿通配置して、上記第1の処置具挿通チャンネルの出口開口である第1の処置具突出口を上記挿入部の先端付近に配置し、
上記挿入部可撓管を弾力的に締め付けて上記湾曲部には被さらない状態に、上記挿入部に周方向に任意に向きを変えて被脱自在なフレキシブルな筒状アダプタに、第2の処置具挿通チャンネルを配置して、上記第2の処置具挿通チャンネルの出口開口である第2の処置具突出口を上記筒状アダプタの先端に配置すると共に、
上記第2の処置具挿通チャンネルを通って上記第2の処置具突出口から突出される処置具の先端部分の起上程度を手元側からの遠隔操作により調整する処置具起上片を、上記第2の処置具突出口部分に配置して、
上記手元側から牽引操作されることにより上記処置具起上片を起上方向に動作させる操作ワイヤと、上記操作ワイヤを押し込み方向に付勢する付勢手段、及び上記手元側において上記処置具起上片の最小起上限界を任意に設定するために上記操作ワイヤの押し込み方向移動限界位置を外部から手動調整自在なストッパを設けたことを特徴とする二チャンネル内視鏡。
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