JP6407482B2 - 処置具の進退補助具、内視鏡システム - Google Patents

処置具の進退補助具、内視鏡システム Download PDF

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Description

この発明は、処置具を進退移動させる処置具の進退補助具に関する。
例えば特許文献1には、内視鏡に通される処置具のための進退補助具が開示される。
特許第5670002号明細書
本発明の課題は、操作力量を軽減して操作性を向上した進退補助具を実現することにある。
この発明の一態様に係る、処置具の進退補助具は、貫通孔を有するベースと、前記貫通孔を内視鏡の処置具挿入口に対向させるように、前記ベースを前記内視鏡に取り付ける取付部と、内部が前記貫通孔と連通するように前記ベースに取り付けられる第1の筒と、前記処置具挿入口に挿入される処置具を固定する固定部を有するとともに、前記第1の筒の中心軸に沿って前記第1の筒に対し進退方向に摺動する第2の筒と、回転させることにより、前記第2の筒を前記第1の筒に対し前記中心軸に沿って進退移動させる進退機構と、前記第2の筒が前記摺動する際の抵抗力より小さい付勢力で、前記第2の筒を前記ベースに対して前記中心軸に沿った所定の方向に付勢し、前記進退機構が一つの方向に回転する際に回転を補助する補助部と、を具備する。
図1は、第1実施形態に係る内視鏡システムおよび内視鏡を示す概略図である。 図2は、図1に示す内視鏡システムの進退補助具を示す斜視図である。 図3は、図2に示す進退補助具を第2の筒が突出位置にある状態で側方から示した側面図である。 図4は、図2に示す進退補助具を第2の筒が収納位置にある状態で側方から示した側面図である。 図5は、図2に示す進退補助具を第1の筒の中心軸に沿う方向に切断して示した断面図である。 図6は、図2に示す進退補助具を側方から示した側面図である。 図7は、左手の指と掌面(手の平)の位置関係を示す正面図である。 図8は、第1変形例の内視鏡システムの進退補助具の位置決め部を模式的に示した側面図である。 図9は、第2変形例の内視鏡システムの進退補助具の位置決め部を模式的に示した側面図である。 図10は、第3変形例の内視鏡システムの進退補助具の位置決め部を模式的に示した側面図である。 図11は、第4変形例の内視鏡システムの進退補助具の位置決め部を模式的に示した側面図である。 図12は、第5変形例の内視鏡システムの進退補助具の補助部を、第2の筒が突出位置にある状態で模式的に示した側面図である。 図13は、第5変形例の内視鏡システムの進退補助具の補助部を、第2の筒が収納位置にある状態で模式的に示した側面図である。 図14は、第6変形例の内視鏡システムの進退補助具の補助部を、第2の筒が突出位置にある状態で模式的に示した側面図である。 図15は、第6変形例の内視鏡システムの進退補助具の補助部を、第2の筒が収納位置にある状態で模式的に示した側面図である。 図16は、第7変形例の内視鏡システムの進退補助具の位置決め部を、第2の筒が突出位置にある状態で模式的に示した側面図である。 図17は、第7変形例の内視鏡システムの進退補助具の位置決め部を、第2の筒が収納位置にある状態で模式的に示した側面図である。 図18は、第8変形例の内視鏡システムの進退補助具のダイヤルの外周面に形成された位置決め部を、ダイヤルの外周面を平面的に展開して模式的に示した模式図である。 図19は、第9変形例の内視鏡システムの進退補助具を、第2の筒が突出位置にある状態で模式的に示した側面図である。 図20は、第9変形例の内視鏡システムの進退補助具を、第2の筒が収納位置にある状態で模式的に示した側面図である。 図21は、第10変形例の内視鏡システムの進退補助具を、第2の筒が突出位置にある状態で示した断面図である。 図22は、第10変形例の内視鏡システムの進退補助具を、第2の筒が収納位置にある状態で示した断面図である。 図23は、第10変形例の更なる変形にかかる内視鏡システムの進退補助具を、第2の筒が突出位置にある状態で示した断面図である。 図24は、第10変形例の内視鏡システムの進退補助具を示した斜視図である。 図25は、第10変形例の進退補助具が取り付けられている内視鏡において、把持部が術者の左手で把持され、長尺部と可撓管部とが術者の右手によって把持され、長尺操作部が右手で把持されている状態の概略図である。 図26は、右手の指と掌面(手の平)の位置関係を示す正面図である。 図27は、第11変形例の内視鏡システムの進退補助具を、第2の筒が突出位置にある状態で示した断面図である。 図28は、第11変形例の更なる変形にかかる内視鏡システムの進退補助具を、第2の筒が突出位置にある状態で示した断面図である。 図29は、第11変形例の更なる変形にかかる内視鏡システムの進退補助具を、第2の筒が収納位置にある状態で示した断面図である。 図30は、第12変形例の内視鏡システムの進退補助具を、第2の筒が突出位置にある状態で示した断面図である。 図31は、第2実施形態に係る内視鏡システムの進退補助具の移動ユニットを示す斜視図である。 図32は、図31に示す内視鏡システムのベースおよび固定部材を示す斜視図である。 図33は、図31に示す内視鏡システムの移動ユニットが内視鏡の操作部に近い位置にある状態を示す斜視図である。 図34は、図31に示す内視鏡システムにおいて、移動ユニットと内視鏡の操作部との距離が中間の距離にある状態を示す斜視図である。 図35は、図31に示す内視鏡システムの移動ユニットが内視鏡の操作部から遠い位置にある状態を示す斜視図である。
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態について説明する。以下に説明する内視鏡システムの内視鏡は、受診者(被検体)の孔(体腔)内に挿入されて使用される。この内視鏡システム11に適用される進退補助具14(処置具の進退補助具)は、内視鏡の処置具挿通チャンネル26内に通された処置具13の長手方向における位置を微調整したい際に利用され、ユーザが操作を加えることで処置具13の長手方向における位置を微調整できるものである。
[第1実施形態]
第1実施形態の内視鏡システム11について、図1から図6を用いて説明する。図1に示すように、内視鏡システム11は、内視鏡12と、内視鏡12の内部に通される処置具13と、内視鏡12に取り付けられる進退補助具14と、内視鏡12によって撮像された被写体像に基づいて画像処理をする内視鏡コントローラ15(画像処理ユニット)と、内視鏡コントローラ15での画像処理によって生成された映像を映し出す表示部16(モニタ)と、を備えている。
図1に示すように、内視鏡12(挿入機器)は、被検体の管腔などの管路に対し長手方向Lに沿って挿入される挿入部17と、挿入部17の基端に設けられユーザに把持される操作部18と、操作部18から延出されたユニバーサルコード21と、挿入部17の先端側に設けられる硬質な先端構成部22と、を有する。
図1に示すように、挿入部17は、その先端と基端とにより長手方向Lを規定する。図1に示すように、挿入部17は、その先端から基端に向かって順に、先端構成部22、湾曲部23、および管部24を有する。管部24は可撓性を有する。湾曲部23は公知の機構により、操作部18のノブ25により先端構成部22を複数の方向(例えば、上下左右の4方向)に湾曲させることができる。
図1に示すように、内視鏡12は、照明光学系、観察光学系及び処置具挿通チャンネル26を有する。その他、内視鏡は、送気/送水機構及び吸引機構を有する。送気/送水機構は先端にノズルを有し、操作部18の第1ボタン27で操作される。吸引機構は処置具挿通チャンネル26に連通され、操作部18の第2ボタン28で操作される。
照明光学系及び観察光学系は、内視鏡12の挿入部17の先端構成部22、湾曲部23、管部24、操作部18、およびユニバーサルコード21に挿通されている。照明光学系は、先端構成部22に照明窓を有する。観察光学系は先端構成部に観察窓を有する。
処置具挿通チャンネル26は、その先端が先端構成部22で開口され、その基端が管部24の基端部近傍又は操作部18で開口されている。処置具挿通チャンネル26の内側には、例えば患部の生体組織の切開・切除を行うことができる処置具13を通すことができる。ここでは、図1に示すように、操作部18に処置具挿通チャンネル26の基端に位置する処置具挿入口31があり、その処置具挿入口31に鉗子栓32(図23参照)が着脱可能である。なお、処置具挿通チャンネル26は、例えば操作部18の内部で公知の吸引路に分岐される。吸引路は第2ボタン28に連結されている。第2ボタン28の押圧操作により処置具挿通チャンネル26の先端の後述する開孔部から口金、チューブ、吸引路、ユニバーサルコード21を介して吸引物が排出される。
処置具13は、内視鏡12の処置具挿通チャンネル26内に通される一般的な処置具(手術器具)で構成される。処置具13は、内視鏡12の視野内において、患部にアプローチして患部の生体組織の切開・切除を行うことができる。
進退補助具14は、内視鏡12の処置具挿通チャンネル26内に通される処置具13をその長手方向(中心軸C方向)に沿う方向に進退移動させることができる。図1から図3に示すように、進退補助具14は、操作部18に取り付けられるベース33と、ベース33の貫通孔33Aを内視鏡12の処置具挿入口31に対向させるようにベース33を内視鏡12に取り付ける取付部34と、ベース33に取り付けられる第1の筒35と、第1の筒35の中心軸Cに沿って第1の筒35に対し進退方向に摺動する第2の筒36と、第2の筒36を第1の筒35に対し中心軸Cに沿って進退移動させる進退機構37と、進退機構37が一つの方向に回転する際にその回転を補助する補助部38と、第2の筒36をベース33に対する所定の位置に位置決めする位置決め部41と、を備える。第1の筒35、第2の筒36、進退機構37、および補助部38は、処置具13を進退移動させるための移動ユニット42を構成する。取付部34は、1か所に設けられていてもよいし、複数か所に設けられていてもよい。また、取付部34の形状は、帯状とすることが好ましい。
ベース33は、処置具13を通すための貫通孔33Aを有する(図5参照)。ベース33は、例えば、鉗子栓32に対して上側から被さることができる(図23等参照)。
図2、図5に示すように、第1の筒35は、内部が貫通孔33Aと連通するようにベース33に取り付けられる。第1の筒35は、円筒形の第1本体43と、第1本体43のベース33側に対向する部分から延びる第1腕部44と、を有する。第1腕部44の先端には、進退機構37のダイヤル45が回転可能に取り付けられている。第1本体43および第1腕部44は、例えば合成樹脂材料によって一体的に成形されている。図3に示すように、第1の筒35は、処置具13の延びる方向(第1の筒35の中心軸D)に沿って延びる溝部46を有する。この溝部46の内側に後述する第2の筒36のピン47がスライド移動可能に通される。第1の筒35の中心軸Dは、処置具13の中心軸Cと一致する。
第2の筒36は、筒状の第2本体51と、第2本体51のベース33と対向する側とは反対の先端側から第2本体51の半径方向に突出する円盤状の保持部材53と、第2本体51に対して着脱可能なキャップ状の固定部54と、固定部54の内側に設けられ、第2本体51に対して固定部54が締め込まれる際に、圧縮されることで処置具が固定される弾性のある締め付け部59と、を有する。締め付け部59は、伸縮自在な例えばゴムなどによって環状に形成されている。締め付け部59の中心にある孔部には、処置具13を通すことができる。固定部54は、第2本体51に対して例えばねじ止め等で固定されることで、締め付け部59を弾性変形させて処置具13に密着させる。これによって、締め付け部59は処置具13と係合し、処置具13と第2の筒36とが固定される。また、固定部54が第2本体51に固定された状態で、締め付け部59は、第2本体51の内側と外側との間で液の移動を阻害する液密部材としても機能し、処置具13に沿って体液等が外部にしみ出すことを防止する。第2の筒36は、第1の筒35に対して移動することができる。なお、第2の筒36と処置具13とを固定する構造は、上記に限られるものではない。固定部54は、スリットを有する形状であってもよい。固定部54のスリットに処置具13を挿入することで、摩擦抵抗によって処置具13と第2の筒部36とが一体化する構造であってもよい。
図2、図3に示すように、進退機構37は、ダイヤル45と、回動軸55と、ダイヤル45の回転を第2の筒36(処置具13)の進退移動に変換するカム機構56と、を有する。ダイヤル45は、第1の筒35の第1腕部44に設けられた回動軸55を中心に回転可能に設けられている。回動軸55は、処置具13の延びる方向(中心軸C方向)に沿う方向に延びる。カム機構56は、ダイヤル45の外周面にらせん状に形成されたカム溝57と、第2の筒36に第2本体51から突出するように形成されたピン47と、で構成される。このため、ダイヤル45は、ユーザの指で回転されることによって、カム機構56(カム溝57およびピン47)の作用によって第1の筒35に対して第2の筒36を突出させたり、第1の筒35の内部に第2の筒36を収納させたりすることができる。カム機構56は、ダイヤル45の回動力を、第2の筒36を第1の筒35の中心軸Cに沿った方向に進退移動させる力に変換する伝達部の一例である。したがって、進退機構37は、ユーザの指でダイヤル45が回転されることにより、処置具13を進退移動できる。すなわち、ベース33とは反対側から見て、例えば反時計回りにダイヤル45が回転されると、カム溝57の作用によってピン47がベース33とは反対側に移動される。同様に、ベース33とは反対側から見て、例えば時計回りにダイヤル45を回転させると、カム溝57の作用によってピン47がベース33側に移動される。
図3、図4に示すように、位置決め部41は、第1の筒35の溝部46内に突出した一対の凸部58で構成される。凸部58のそれぞれは、溝部46の底部46Aとは反対側の端近部46Bに行くにつれて溝中心軸Dに近づくように突出する「くさび形」に形成される。図3に示すように、第2の筒36が第1の筒35から突出した突出位置61から、第1の筒35内に収納された収納位置62に移動する際には、ピン47が凸部58に引っ掛かるような構造になるために、ピン47が凸部58間を通過する際に大きな抵抗力を生じる。これによって、位置決め部41は、意図しないときに第2の筒36が突出位置61から収納位置62に移動することを阻止する。このため、第2の筒36は、突出位置61から収納位置62には移動しにくくなるが、この方向への移動は補助部38の引張ばねの復元力が作用するので、処置具13の進退動作に支障はない。
一方、図3、図4に示すように第2の筒36が第1の筒35に収納された収納位置62から、第1の筒35から突出した突出位置61に移動する際には、上記した位置決め部41が「くさび形」の形状をとることによって、ピン47が凸部58に引っ掛かりにくい構造となるために、ピン47が凸部58間を通過する際に大きな抵抗力を生じない。このため、移動時の抵抗力が突出位置61から収納位置62に移動する場合よりも小さくなるため、第2の筒36を収納位置62から突出位置61に移動させる際にユーザの指にかかる負荷が低減される。一方、凸部58間をピン47が通過する際に一定の摩擦力が働くために、位置決め部41は、ユーザが意図しないときに第2の筒36が収納位置62から突出位置61に移動することを阻止する。
図2に示すように、補助部38は、弾性を有する部材、一例としてベース33と第2の筒36の保持部材53との間に渡された引張ばね(好ましくは引張コイルばね)で構成される。補助部38のベース33側の端部は、ベース33に固定された固定部材65(ねじ)を介して、ベース33に固定される。補助部38のベース33とは反対側の端部は、第2の筒36に固定された円盤状の保持部材53(保持部材53に形成された係止穴53A)を介して、ベース33に固定される。補助部38は、第1の筒35と第2の筒36との間に渡されていてもよい。補助部38は、第1の筒35の外側に配置される。
続いて、図5から図7等を参照して、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の内視鏡12は、図1に示すように、操作部18を左手で把持し、右手で挿入部17を把持するように設計されている。図1に示すように、内視鏡12の処置具挿通チャンネル26には、処置具13が通されている。このように左手で操作部18を把持した状態で、例えば、ユーザが処置具13を内視鏡12からさらに突出させ、処置具13を前進させたい場合には、掌面63から離れる方向に指64を移動させてダイヤル45をベース33とは反対側から見て時計回り方向に回転させる。これによって、ピン47および第2の筒36は、カム溝57の作用によって処置具挿入口31側(ベース33側)に移動される。このとき、図5に示すように、補助部38の引張ばねの復元力が作用して第2の筒36をベース33側に付勢し、第2の筒36の移動を補助するために、ダイヤル45を時計回り方向に回転させるための力が低減される。これによって、人間工学上力が入りにくい方向である掌面63から離れる方向に指64を動かす場合でも、補助部38の作用によってダイヤル45の回転および処置具13の前進移動が補助される。なお、補助部38の引張ばねの付勢力は、第2の筒36が第1の筒35に対して摺動する際の抵抗力(摩擦力)よりも小さい。このとき、第2の筒36が摺動する際の抵抗力は、第1の筒35と第2の筒36と間の摩擦力と、進退機構(ダイヤル)が第2の筒36を進退移動させる際に加わる摩擦力、のうち少なくともいずれかを含む。
一方、ユーザが処置具13を内視鏡12側に戻すように後退させたい場合には、掌面63に近づく方向に指64を移動させて、ダイヤル45をベース33とは反対側から見て反時計回り方向に回転させる。これによって、ピン47および第2の筒36は、カム溝57の作用によって処置具挿入口31とは反対側(突出位置61側)に移動される。この場合には、図6に示すように、補助部38の引張ばねの復元力は、第2の筒36を移動させる際の抵抗になる。しかしながら、元々掌面63に近づく方向に指64を移動させることは、人間工学上力を出しやすい操作であるから、ダイヤル45の反時計回り方向への回転(処置具13の後退移動)に支障がでることはほとんどない。なお、この例では、突出位置61と収納位置62との間の移動を例に説明したが、突出位置61と収納位置62との途中の位置での移動でも同様の作用を奏する。
第1実施形態によれば、以下のことがいえる。処置具の進退補助具14は、貫通孔33Aを有するベース33と、貫通孔33Aを内視鏡12の処置具挿入口31に対向させるように、ベース33を内視鏡12に取り付ける取付部34と、内部が貫通孔33Aと連通するようにベース33に取り付けられる第1の筒35と、処置具挿入口31に挿入される処置具13を固定する固定部54を有するとともに、第1の筒35の中心軸Cに沿って第1の筒35に対し進退方向に摺動する第2の筒36と、回転させることにより、第2の筒36を第1の筒35に対し中心軸Cに沿って進退移動させる進退機構37と、第2の筒36が前記摺動する際の抵抗力より小さい付勢力で、第2の筒36をベース33に対して中心軸Cに沿った所定の方向に付勢し、進退機構37が一つの方向に回転する際に回転を補助する補助部38と、を具備する。
この構成によれば、進退機構37の一つの方向に回転を楽に行うことができ、進退機構37の操作に必要な力を低減して、操作性を向上した処置具の進退補助具14を提供できる。また、補助部38は、第2の筒36が前記摺動する際の抵抗力より小さい付勢力で第2の筒36を付勢するため、ユーザが意図しないときに補助部38の付勢力によって処置具13の位置が移動してしまうことを防止できる。
処置具13の進退補助具は、付勢された第2の筒36をベース33に対する所定の位置に位置決めする位置決め部41を具備する。この構成によれば、位置決め部41によって、ユーザが意図しないときには、第2の筒36が移動しないようにできる。これによって、処置具13が自由に移動することが抑制され、内視鏡12の視野から処置具13が外れてしまう等の不具合を防止できる。
位置決め部41は、第1の筒35と第2の筒36との中心軸C方向の相対的な位置関係を規定する。この構成によれば、位置決め部41によって第1の筒35と第2の筒36との間で相対的な位置関係を決めることができ、処置具13がユーザの意に反して自由に移動してしまうことがなく、内視鏡12の視野内から処置具13が外れてしまう等の不具合を防止できる。
第2の筒36の外径は第1の筒35の内径よりも小さく、第2の筒36は、第1の筒35の内部に挿入された状態の位置と、第1の筒35から突出した状態の位置との間で進退移動する。この構成によれば、第1の筒35に対して第2の筒36が移動する構成を簡単な構造に実現できる。
進退機構37は、外部から操作する力により所定の回動軸55を中心に回動するダイヤル45と、ダイヤル45の回動力を、第2の筒36を前記軸に沿った方向に進退移動させる力に変換する伝達部と、を有する。この構成によれば、ダイヤル45および伝達部を介した簡単な構造によって処置具13を進退移動させることができ、部品点数を削減して製造コストを低減できる。
また、第1実施形態によれば、次のこともいえる。処置具の進退補助具14は、第1の筒35と、内視鏡12に挿入される処置具13を固定する固定部54を有するとともに、第1の筒35に対して第1の筒35の延びる方向に摺動する第2の筒36と、回転させることにより、第2の筒36を第1の筒35の延びる方向に摺動させる進退機構37と、掌面63から離れる方向に指64を動かして進退機構37を回転させる際に進退機構37の回転を補助する補助部38と、を具備する。この構成によれば、人間工学上力が入りにくい方向に指64を動かす際に、補助部38によって進退機構37の回転を補助することができる。これによって、ユーザの操作性を向上した処置具の進退補助具14を実現できる。
以下に述べる変形例では、主として上記実施形態と異なる部分について説明し、上記実施形態と共通する部分については図示または説明を省略する。
(第1変形例)
図8に第1変形例にかかる内視鏡システム11の位置決め部41を示す。本変形例では、位置決め部41の構造が上記実施形態とは異なる。
図8に示すように、位置決め部41は、第1の筒35の溝部46内に突出した一対の凸部58で構成される。凸部58のそれぞれは、溝部46の底部46Aに行くにつれて溝中心軸Dに近づくように突出する「くさび形」に形成される。すなわち、第1変形例では、凸部58のくさび形の先端の向きが逆向きになっている。
第1変形例の内視鏡システムの作用について説明する。
図8に示すように、第2の筒36(図3参照)が第1の筒35から突出した突出位置61から、第1の筒35内に収納された収納位置62に移動する際には、上記した位置決め部41が「くさび形」の形状をとることによって、ピン47が凸部58に引っ掛かりにくい構造になるために、ピン47が凸部58間を通過する際に大きな抵抗力を生じない。一方、凸部58間をピン47が通過する際に一定の摩擦力が働くために、位置決め部41は、ユーザが意図しないときに第2の筒36が突出位置61から収納位置62に移動することを阻止する。また、突出位置61から収納位置62へ移動するに従って、補助部38の引っ張りばねの復元力が作用する。よって、第2の筒36を突出位置61から収納位置62に移動させる際にユーザの指にかかる負荷が低減される。
一方、第2の筒36を第1の筒35に収納された収納位置62から突出位置61に移動させる際には、第2の筒36を移動させる際に大きな抵抗力を生じる。このため、ユーザが意図しないときに第2の筒36が収納位置62から突出位置61に移動することを阻止できる。このとき、収納位置62から突出位置61への移動は、掌面63に近づける方向に指を動かしてダイヤル45を回転させる動作に対応する。このため、この方向へのダイヤル45の回転は人間工学上力を出しやすい操作になるので、処置具13の進退動作に支障はない。
(第2変形例)
図9に第2変形例にかかる内視鏡システム11の位置決め部41を示す。本変形例では、位置決め部41の構造が上記実施形態および上記変形例とは異なる。
図9に示すように、位置決め部41は、第1の筒35の溝部46内に突出した一対の凸部58で構成される。凸部58のそれぞれは、例えば、「正規分布状の山型」または「釣鐘型」に形成される。
第2変形例の内視鏡システムの作用について説明する。
第2の筒36(図3参照)が第1の筒35から突出した突出位置61から、第1の筒35内に収納された収納位置62に移動する際には、凸部58間をピン47が通過する際に一定の摩擦力が働く。このために、位置決め部41は、ユーザが意図しないときに第2の筒36が突出位置61から収納位置62に移動することを阻止する。なお、このとき突出位置61から収納位置62へ移動するに従って、補助部38の引っ張りばねの復元力が作用する。このため、移動時の抵抗力が収納位置62から突出位置61に移動する場合よりも小さくなるため、第2の筒36を突出位置61から収納位置62に移動させる際にユーザの指にかかる負荷が低減される。
一方、第2の筒36を第1の筒35に収納された収納位置62から突出位置61に移動させる際には、突出位置61から収納位置62に移動する際と同様の抵抗力を生じる。このため、ユーザが意図しないときに第2の筒36が収納位置62から突出位置61に移動することを阻止できる。このとき、収納位置62から突出位置61への移動は、掌面63に近づける方向に指を動かしてダイヤル45を回転させる動作に対応する。このため、この方向へのダイヤル45の回転は人間工学上力を出しやすい操作になるので、処置具13の進退動作に支障はない。
(第3変形例)
図10に第3変形例にかかる内視鏡システム11の位置決め部41を示す。本変形例では、位置決め部41の構造が上記実施形態および上記変形例とは異なる。
図10に示すように、位置決め部41は、第1の筒35の溝部46内に突出した一つの凸部58で構成される。凸部58は、上記実施形態と同様の形状を有し、溝部46の底部46Aとは反対側の端近部46Bに行くにつれて溝中心軸Dに近づくように突出する「くさび形」に形成される。
第3変形例の内視鏡システム11の作用について説明する。
図10に示すように、第2の筒36(図3参照)が第1の筒35から突出した突出位置61から、第1の筒35内に収納された収納位置62に移動する際には、ピン47が凸部58に引っ掛かるような構造になるために、ピン47が凸部58を通過する際に大きな抵抗力を生じる。これによって、位置決め部41は、意図しないときに第2の筒36が突出位置61から収納位置62に移動することを阻止する。このため、第2の筒36は、突出位置61から収納位置62には移動しにくくなるが、この方向への移動は補助部38の引張ばねの復元力が作用するので、処置具13の進退動作に支障はない。
一方、第2の筒36が第1の筒35に収納された収納位置62から、第1の筒35から突出した突出位置62に移動する際には、上記した位置決め部41が「くさび形」の形状をとることによって、ピン47が凸部58に引っ掛かりにくい構造となるために、ピン47が凸部58間を通過する際に大きな抵抗力を生じない。このため、移動時の抵抗力が突出位置61から収納位置62に移動する場合よりも小さくなるため、第2の筒36を収納位置62から突出位置61に移動させる際にユーザの指にかかる負荷が低減される。一方、凸部58をピン47が通過する際に一定の摩擦力が働くために、位置決め部41は、ユーザが意図しないときに第2の筒36が収納位置62から突出位置61に移動することを阻止する。
(第4変形例)
図11に第4変形例にかかる内視鏡システム11の位置決め部41を示す。本変形例では、位置決め部41の構造が上記実施形態および上記変形例とは異なる。
図11に示すように、位置決め部41は、第1の筒35の溝部46内に突出した一対の凸部58で構成される。凸部58のそれぞれは、例えば、台形状に形成される。凸部58の台形の一方の脚(第1脚66)は、第1の筒35の中心軸C(ピン47の移動方向、溝中心軸D)に対して直交する方向であり、凸部58の台形の他方の脚(第2脚67)は、第1の筒35の中心軸C(ピン47の移動方向、溝中心軸D)に対して斜めである。
溝部46は、開口部が外部に連通した形状(すり割り形状)を有する。第1の筒35は、溝部46以外にも、第1の筒35の中心軸C方向に沿って延びるスリットを複数有してもよい。溝部46以外にスリットを1又は複数設けることによって、第1の筒35の第1本体43の剛性が低下し、位置決め部41付近で第1の筒35が弾性変形しやすい構造になる。
第4変形例の内視鏡システム11の作用について説明する。
第2の筒36(図3参照)が第1の筒35から突出した突出位置61から、第1の筒35内に収納された収納位置62に移動する際には、ピン47は、位置決め部41の凸部58(第1脚66)に当接して、第1の筒35の第1本体43の一部を図11中で2点鎖線で示すように弾性変形させながら凸部58間を通過する。このとき、ピン47の移動方向と第1脚66の方向が直交しているために、第1の筒35の第1本体43を弾性変形させるために必要な力は比較的大きい。そして、このように第1本体43を弾性変形させるための力の反作用で抵抗力が発生するために、ユーザが意図しないときに第2の筒36が突出位置61から収納位置62に移動することが阻止される。なお、このとき第2の筒36は、突出位置61から収納位置62には移動しにくくなるが、突出位置61から収納位置62へ移動するに従って、補助部38の引っ張りばねの復元力が作用する。このため、移動時の抵抗力が収納位置62から突出位置61に移動する場合よりも小さくなるため、第2の筒36を突出位置61から収納位置62に移動させる際にユーザの指にかかる負荷が低減される。
一方、第2の筒36を第1の筒35に収納された収納位置62から突出位置61に移動させる際には、ピン47は、位置決め部41の凸部58(第2脚67)に当接して、第1の筒35の第1本体43の一部を弾性変形ささせながら凸部58間を通過する。このとき、ピン47の移動方向と第2脚67の方向が斜めになっているために、第1の筒35の第1本体43を弾性変形させるために必要な力は、第2の筒36が突出位置61から収納位置62に移動する場合よりも小さい。しかしながら、このような場合でも、第1本体43を弾性変形するために多少の力は必要であるため、ユーザが意図しないときに第2の筒36が収納位置62から突出位置61に移動することは阻止される。このとき、収納位置62から突出位置61への移動は、掌面63に近づける方向に指を動かしてダイヤル45を回転させる動作に対応する。このため、この方向へのダイヤル45の回転は人間工学上力を出しやすい操作になるので、処置具13の進退動作に支障はない。
(第5変形例)
図12、図13を参照して、第5変形例にかかる内視鏡システム11を説明する。本変形例では、進退機構37および補助部38の構造が上記実施形態および上記変形例とは異なる。
進退機構37は、ダイヤル45と、ダイヤル45の回転を第2の筒36(処置具13)の進退移動に変換するカム機構56(伝達部)と、を有する。ダイヤル45は、第1の筒35の第1腕部44に設けられた回動軸55を中心に回動可能に設けられている。カム機構56は、ダイヤル45の外周面にらせん状に形成されたカム溝57と、第2の筒36に第2本体51から突出するように形成されたピン47と、で構成される。本変形例では、カム溝57は、上記実施形態とは逆向きのらせん状をなしている。このため、ベース33とは反対側から見て、時計回りにダイヤル45が回転されると、カム溝57の作用によってピン47がベース33とは反対側に移動される。ベース33とは反対側から見て、反時計回りにダイヤル45を回転させると、カム溝57の作用によってピン47がベース33側に移動される。
補助部38は、第1の筒35と第2の筒36の保持部材53との間に渡された圧縮ばね(圧縮コイルばね)で構成される。補助部38は、上記実施形態と同様に、ベース33と第2の筒36との間に渡されていてもよい。
図12、図13を参照して、本変形例の作用について説明する。
ユーザが処置具13を内視鏡12からさらに突出させて、処置具13を前進させたい場合には、掌面63に近づく方向に指64を移動させてダイヤル45をベース33とは反対から見て反時計回り方向に回転させる。これによって、ピン47および第2の筒36は、カム溝57の作用によって処置具挿入口31側(収納位置62側)に移動される。このとき、図12に示すように、補助部38の圧縮ばねを圧縮するように力が働くため、その反作用として働く力が第2の筒36を移動させる際の抵抗力になる。しかしながら、元々掌面63に近づく方向に指64を移動させることは、人間工学上力を出しやすい操作であるから、ダイヤル45の反時計回り方向への回転(処置具13の前進移動)に支障がでることはほとんどない。
一方、ユーザが処置具13を内視鏡12側に戻すように後退させたい場合には、掌面63から遠ざかる方向に指を移動させてダイヤル45をベース33とは反対側から見て時計回り方向に回転させる。これによって、ピン47および第2の筒36は、カム溝57の作用によって処置具挿入口31とは反対側(突出位置61側)に移動される。このとき、図12に示すように、補助部38の圧縮ばねの復元力が作用して第2の筒36の移動を補助するために、ダイヤル45を時計回り方向に回転させるための力が低減される。これによって、人間工学上力が入りにくい方向に指を動かす場合でも、補助部38の作用によってダイヤル45の回転および処置具13の前進移動が補助される。なお、この例では、突出位置61と収納位置62との間の移動を例に説明したが、突出位置61と収納位置62との途中の位置での移動でも同様の作用を奏する。
(第6変形例)
図14、図15を参照して、第6変形例にかかる内視鏡システム11を説明する。本変形例では、補助部38の設置位置が上記実施形態および上記変形例とは異なる。
補助部38は、第1の筒35と第2の筒36との間に渡された引張ばね(引張コイルばね)で構成される。補助部38は、第1の筒35の内側に配置される。
図14から図15を参照して、本実施形態の作用について説明する。
ユーザが処置具13を内視鏡12からさらに突出させて、処置具13を前進させたい場合には、掌面63から離れる方向に指64を移動させてダイヤル45を回動軸55の第1腕部44とは反対の先端側から見て時計回り方向に回転させる。これによって、ピン47および第2の筒36は、カム溝57の作用によって処置具挿入口31側(ベース33側)に移動される。このとき、図14に示すように、補助部38の引張ばねの復元力が作用して第2の筒36をベース33側に付勢し、第2の筒36の移動を補助するために、ダイヤル45を時計回り方向に回転させるための力が低減される。これによって、人間工学上力が入りにくい方向に指を動かす場合でも、補助部38の作用によってダイヤル45の回転および処置具13の前進移動が補助される。
一方、ユーザが処置具13を内視鏡12側に戻すように後退させたい場合には、掌面63に近づく方向に指を移動させてダイヤル45を回動軸55の先端側から見て反時計回り方向に回転させる。これによって、ピン47および第2の筒36は、カム溝57の作用によって処置具挿入口31とは反対側に移動される。このとき、図15に示すように、補助部38の引張ばねの復元力が第2の筒36の移動の抵抗になる。しかしながら、元々掌面63に近づく方向に指を移動させることは、人間工学上力を出しやすい操作であるから、ダイヤル45の反時計回り方向への回転(処置具13の後退移動)に支障がでることはほとんどない。なお、この例では、突出位置61と収納位置62との間の移動を例に説明したが、突出位置61と収納位置62との途中の位置での移動でも同様の作用を奏する。
(第7変形例)
図16、図17を参照して、第7変形例にかかる内視鏡システム11を説明する。本変形例では、位置決め部41の構造が上記実施形態および上記変形例とは異なる。
図16に示すように、位置決め部41は、第1の筒35の溝内で、第1の筒35の中心軸C方向に沿って複数の位置に分散して設けられる。すなわち、位置決め部41は、第1の筒35の中心軸C方向に沿って分散配置した複数組の凸部58対を有する。それぞれの凸部58対は、溝部46内で対向するように設けられる。
凸部58のそれぞれは、溝部46の底部46Aとは反対側の端近部46Bに行くにつれて溝中心軸Dに近づくように突出する「くさび形」に形成される。図16に示すように、第2の筒36が突出位置61から収納位置62に移動する際には、ピン47が凸部58に引っ掛かるような構造になるために、ピン47が凸部58間を通過する際に大きな抵抗力を生じる。一方、図17に示すように、第2の筒36を収納位置62から突出位置61に移動させる際には、ピン47が凸部58間を通る際に一定の抵抗力がかかるものの、比較的小さな力で第2の筒36を移動させることができる。
本変形例では、第2の筒36が第1の筒35から突出した突出位置61と、第2の筒36が第1の筒35内に収納された収納位置62と、の間に、複数の中間位置が規定される。本変形例では、中間位置が2個設けられる。第1中間位置71は、突出位置61に寄った位置に設定され、この位置は、溝部46の端近部46Bから2番目の凸部58とピン47とで規定される。第2中間位置72は、収納位置62に寄った位置に設定され、この位置は、溝部46の底部46Aから2番目の凸部58とピン47とで規定される。なお、中間位置は、2個以上設定されていてもよい。
図16、図17を参照して、本変形例の作用について説明する。
ユーザは、処置具13を前進させたい場合、或いは処置具13を後退させたい場合には、上記実施形態と同様にダイヤル45をベース33とは反対側から見て時計回り方向或いは反時計回り方向に回転させることで処置具13の前進移動および後退移動ができる。本変形例では、さらに、ユーザは、位置決め部41によってピン47および第2の筒36を突出位置61および収納位置62で固定的に保持できるとともに、それらの間の中間位置(第1中間位置71、第2中間位置72)においても、位置決め部41によってピン47および第2の筒36の位置を固定的に保持できる。
本変形例によれば、位置決め部41は、第1の筒35と第2の筒36との間に設けられ、中心軸C方向における第1の筒35と第2の筒36との相対的な位置関係を複数段階で規定する。この構成によれば、例えば以下のような処置を行うことができる。例えば、内視鏡12視下において、受診者(被検体)の孔内で例えば最も奥部の処置をする際には、処置具13を最も前進させた位置に保持できる。また、受診者の孔内において手前側を処置する際には、処置具13を最も後退させた位置に保持できる。さらに、受診者の孔内においてそれらの中間の位置を処置する場合には、処置具13をそれらの中間の位置に保持できる。このように、例えば、処置具13で処置を行う位置に応じて、ユーザが中心軸C方向における処置具13の位置を段階的に変化させたい場合等に特に有用である。
(第8変形例)
図18を参照して、第8変形例にかかる内視鏡システムを説明する。本変形例では、位置決め部を設ける位置および位置決め部の構造が上記実施形態および上記変形例とは異なる。
本変形例では、位置決め部41は、第1の筒35の溝内ではなく、ダイヤル45側に設けられる。より具体的には、位置決め部41は、ダイヤル45に形成されたカム溝57と連通する複数の溝として形成される。図18は、略円柱形に形成されたダイヤル45の外周部を平面的に展開して模式的に示した図である。カム溝57は、ベース33側に位置する第1端部73と、ベース33とは反対側に位置する第2端部74と、を有する。
位置決め部41は、第1端部73に連通するように形成された溝状の第1保持部75と、第2端部74に連通するように形成された溝状の第2保持部76と、第1端部73と第2端部74との途中の位置でカム溝57に連通するように形成された溝状の第3保持部77と、を有する。位置決め部41(第1保持部75、第2保持部76、第3保持部77)は、回動軸55の延びる方向Eに対して直交する方向に設けられている。
図18を参照して、本変形例の作用について説明する。
ユーザは、処置具13を前進させたい場合、或いは処置具13を後退させたい場合には、上記実施形態と同様にダイヤル45をベース33とは反対側から見て時計回り方向或いは反時計回り方向に回転させることで処置具13の前進移動および後退移動ができる。本変形例では、さらに、ユーザは、第1保持部75内にピン47を移動させることで、第2の筒36を収納位置で固定的に保持できる。また、ユーザは、第2保持部76内にピン47を移動させることで、第2の筒36を突出位置61で固定的に保持できる。さらにユーザは、第3保持部77内にピン47を移動させることで、収納位置62と突出位置61との途中の位置で第2の筒36の位置を固定的に保持できる。
したがって本変形例によれば、第7変形例と概ね同様の効果を奏する。
(第9変形例)
図19、図20を参照して、第9変形例にかかる内視鏡システム11を説明する。本変形例では、第2の筒36が第1の筒35の外側に被さる構造が、上記実施形態および上記変形例とは異なる。
本変形例では、上記実施形態とは異なり、第2の筒36の内径は第1の筒35の外径よりも大きく形成される。
図19、図20を参照して、本変形例の作用について説明する。
ユーザが処置具13を内視鏡12からさらに突出させて、処置具13を前進させたい場合には、掌面63から離れる方向に指64を移動させてダイヤル45をベース33とは反対側から見て時計回り方向に回転させる。これによって、ピン47および第2の筒36は、カム溝57の作用によって処置具挿入口31側(ベース33側)に移動される。このとき、第2の筒36は、第1の筒35の外側に被さる。なお、本変形例では、収納位置62において、第1の筒35の内側に第2の筒36が収納される。その際、図19に示すように、補助部38の引張ばねの復元力が作用して第2の筒36をベース33側に付勢し、第2の筒36の移動を補助するために、ダイヤル45を時計回り方向に回転させるための力が低減される。これによって、人間工学上力を出しにくい方向に指を動かす場合でも、補助部38の作用によってダイヤル45の回転および処置具13の前進移動が補助される。
一方、ユーザが処置具13を内視鏡12側に戻すように後退させたい場合には、掌面63に近づく方向に指64を移動させてダイヤル45をベース33とは反対側から見て反時計回り方向に回転させる。これによって、ピン47および第2の筒36は、カム溝57の作用によって処置具挿入口31とは反対側(突出位置61側)に移動される。なお、本変形例では、突出位置61において、第1の筒35の先端側に向けて第2の筒36が突出する。その際、図20に示すように、補助部38の引張ばねの復元力が第2の筒36の移動の抵抗になる。しかしながら、元々掌面63に近づく方向に指を移動させることは、人間工学上力を出しやすい操作であるから、ダイヤル45の反時計回り方向への回転(処置具13の後退移動)に支障がでることはほとんどない。なお、この例では、突出位置61と収納位置62との間の移動を例に説明したが、突出位置61と収納位置62との途中の位置での移動でも同様の作用を奏する。
本変形例によれば、処置具の進退補助具14は、第2の筒36の内径は第1の筒35の外径よりも大きく、第2の筒36は、第1の筒35を内部に挿入した状態の位置と、第1の筒35を第2の筒36から突出させる状態の位置との間で進退移動する。この構成によれば、第1の筒35に対して第2の筒36が移動する構成を簡単な構造に実現できる。
(第10変形例)
図21から図26を参照して、第10変形例にかかる内視鏡システムを説明する。本変形例では、第2の筒36を第1の筒35に対して移動させる構造、および補助部38の構成および配置が、上記実施形態および上記変形例とは異なる。
長尺部78は処置具挿入口31から挿入部17の先端構成部22側までの長さを有し、処置具挿入口31から挿入部17の先端構成部22側まで配設されている。長尺部78は長手軸を有している。第2の筒36は、長尺部78および長尺部78の一端と第2の筒36を固定する長尺部固定部81を介して第1の筒35に対して突出位置61と収納位置62との間で進退移動できる。長尺部78は、操作部18側から先端構成部22側に引っ張られることによって、長尺部78の長手軸方向に沿って前進する。これにより長尺部78は、長尺部固定部81を介して第1の筒35に対して収納位置62側に作動する(図22参照)。また、長尺部78は、長尺部78が先端構成部22側から操作部18側に押し戻されることによって、長尺部78の長手軸方向に沿って後退する。これにより長尺部78は、長尺部固定部81を介して第1の筒35に対して突出位置61に移動する(図21参照)。長尺部78を進退操作するために、進退補助具14は、長尺部78の一端に長尺操作部αを有している。図24、図25に示すように、長尺操作部αは、例えば、術者によって保持されるつまみとして機能する。さらに進退補助具14は、長尺部78が挿通することによって長尺部78をガイドする長尺ガイド部材βを有している。長尺ガイド部材βは、長尺部78が挿通する細長い筒部材として形成される。長尺ガイド部材βは、長尺部78よりも短い。長尺ガイド部材βは、ベース33から挿入部17の管部24まで配設されている。また長尺ガイド部材βは、可撓性を有している。長尺ガイド部材βは、ベース33に固定される。長尺ガイド部材βは、術者が長尺ガイド部材βを含む長尺部78を把持し術者の手の指64´の何れか(図26参照)で長尺操作部αをつまんだ状態で(図25参照)、術者の手の指64´の何れかが挿通する指挿通部γ(図24参照)を有している。指挿通部γはリング状の帯状部材である。尚、長尺操作部αは術者の手の指64´の何れか(図26参照)が挿通可能なリング形状でもよい。また、第1の筒35と第2の筒36の大小関係は、第9変形例と同様である。
図21に示すように、補助部38は、ベース33と第2の筒36との間に渡された引張ばね(引張コイルばね)で構成される。本変形例のさらなる変形として、補助部38は、ベース33と第2の筒36との間に介在された圧縮ばね(圧縮コイルばね)で構成されてもよい。この場合、補助部38の一端は、ベース33に固定され、補助部38の他端は、第2の筒36に固定される。また、本変形例のさらなる変形として、補助部38は、図23に示すように、ワイヤ固定部81とベース33との間に渡された引張ばね(引張コイルばね)で構成されてもよい。また、図23において、補助部38は、ワイヤ固定部81とベース33との間に介在された圧縮ばね(圧縮コイルばね)で構成されてもよい。この場合、補助部38の一端は、ベース33に固定され、補助部38の他端は、ワイヤ固定部81に固定される。補助部38は、第1の筒35の外側に配置される。
尚、突出位置61から収納位置62への移動は、掌面63´から離れる方向に指64´を動かすことになり、これは人間工学上力が入りにくい方向となるが、補助部38の付勢力が発生する方向となるため長尺部78の摺動が補助される。これによって、ユーザの操作性を向上した処置具の進退補助具14を実現できる。一方、収納位置62から突出位置61への移動は、掌面63´に近づける方向に指64´を動かすことになり、これは人間工学上力を出しやすい操作になるので、補助部38による長尺部78の摺動への支障はない。
本変形例によれば、第9変形例と同様の作用を奏する。
(第11変形例)
図27を参照して、第11変形例にかかる内視鏡システム11を説明する。本変形例では、ダイヤル45の内周面にカム溝57が形成される構造、および補助部38の構成および配置が、上記実施形態および上記変形例とは異なる。
進退機構37は、ダイヤル45と、ダイヤル45の回転を第2の筒36(処置具13)の進退移動に変換するカム機構56(伝達部)と、を有する。ダイヤル45は、第1の筒35を回動軸として、第1の筒35を中心に回動可能に設けられている。回動軸となる第1の筒35の軸心は、処置具13の中心軸Cに合致している。カム機構56は、ダイヤル45の内周面にらせん状に形成されたカム溝57と、第2の筒36に第2本体51から突出するように形成されたピン47と、で構成される。このため、ダイヤル45は、ユーザの指64で回転されることによって、カム機構56(カム溝57およびピン47)の作用によって第1の筒35に対して第2の筒36を突出させたり、第1の筒35の内部に第2の筒36を収納させたりできる。したがって、進退機構37は、ユーザの指でダイヤル45が回転されることにより、処置具13を進退移動できる。すなわち、ベース33とは反対側から見て、時計回りにダイヤル45が回転されると、カム溝57の作用によってピン47がベース33とは反対側に移動される。同様に、ベース33とは反対側から見て、反時計回りにダイヤル45を回転させると、カム溝57の作用によってピン47がベース33側に移動される。
補助部38は、ベース33と第2の筒36との間に渡された引張ばね(引張コイルばね)で構成される。本変形例のさらなる変形として、補助部38は、ベース33と第2の筒36との間に介在された圧縮ばね(圧縮コイルばね)で構成されてもよい。この場合、補助部38の一端は、ベース33に固定され、補助部38の他端は、第2の筒36に固定される。補助部38は、第1の筒35と第2の筒36との間に渡されていてもよい。補助部38は、第1の筒35の内で且つダイヤル45の内側に配置される。
本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の作用を奏する。また、第11変形例の更なる変形として、図28、図29に示すように、補助部38(引張ばね)を第1の筒35およびダイヤル45の外側に設けてもよい。図28、図29におけるさらなる変形として、補助部38は、圧縮ばね(圧縮コイルばね)で構成されてもよい。図28は、第2の筒36が突出位置61にある状態に対応する。図29は、第2の筒36が収納位置62にある状態に対応する。この更なる変形例によっても、上記実施形態と同様の作用を奏する。
(第12変形例)
図30を参照して、第12変形例にかかる内視鏡システム11を説明する。本変形例では、第2の筒36と第3の筒83との間に封止部材84(Oリング)が配置される構造が、上記実施形態および上記変形例とは異なる。
進退補助具14は、操作部18に取り付けられるベース33と、ベース33の貫通孔33Aを内視鏡12の処置具挿入口31に対向させるように内視鏡12に取り付ける取付部34と、ベース33に取り付けられる第1の筒35と、第1の筒35の中心軸Cに沿って第1の筒35に対し進退方向に摺動する第2の筒36と、第2の筒36の内側に位置するようにベース33に取り付けられる遮断部材82と、第2の筒36を第1の筒35に対し中心軸Cに沿って進退移動させる進退機構37と、進退機構37が一つの方向に回転する際にその回転を補助する補助部38と、第2の筒36をベース33に対する所定の位置に位置決めする位置決め部41と、を備える。第1の筒35、第2の筒36、遮断部材82、進退機構37、および補助部38は、処置具13を進退移動させるための移動ユニット42を構成している。
遮断部材82は、第1の筒35の内側に設けられ円筒状をなしている第3の筒83と、第3の筒83のベース33とは反対側の先端部付近に設けられた封止部材84と、を有する。第3の筒83は、突出位置61にある状態の第2の筒36とオーバーラップするオーバーラップ部分83Aと、オーバーラップ部分83Aに設けられた溝85と、を有する。
溝85は、オーバーラップ部分83Aにおいて第3の筒83の外周部に環状に窪んで形成されている。この溝85の内側に、封止部材84が配置される。封止部材84は、シリコンゴム等のゴム状の弾性を有する材料で形成されたOリングで構成される。封止部材84は、第3の筒83の外周部と第2の筒36の内周面との間に介在される。封止部材84は、第2の筒36の内周面に密着することができる。
図30を参照して、本変形例の作用について説明する。
本変形例では、上記実施形態と同様に、ベース33とは反対側から見て時計回り方向または反時計回り方向にユーザがダイヤル45を回転させることで、第1の筒35に対して第2の筒36を収納位置62と突出位置61との間で移動する。このとき、第2の筒36がどのような位置にあるときでも、封止部材84が第2の筒36の内周面に密着する。また、第2の筒36が移動する際には、第2の筒36の内周面に対して摺動する。一方、第2の筒36側においては、固定部54と締め付け部59とを介した固定構造(水密構造)によって、処置具13に沿って第2の筒36の外側に液体が漏れ出してしまうことが防止される。このため、もし仮に処置具13に沿って受診者(被検体)の体液等、液体がしみ出すことがあっても、遮断部材82と、固定部54および締め付け部59を介した水密構造と、によって液体の流出が防止され、当該液体が第2の筒36の外側に漏れ出してしまうことがない。
本変形例によれば、処置具の進退補助具14は、第2の筒36の内周面に当接して、第2の筒36の内側と第2の筒36の外側との間で液体の移動を遮断する遮断部材82を有する。この構成によれば、第2の筒36の外部に処置具13に沿って上がってくる液体を遮断部材82によって閉じ込めることができるため、第2の筒36の周辺の部材が当該液体に触れることがなく、第2の筒36の周辺の部材を清浄な状態に維持できる。
[第2実施形態]
第2実施形態の内視鏡システム11について、図31から図35を用いて説明する。第2実施形態の内視鏡システム11では、進退補助具14の構造が異なっているが、他の部分は第1実施形態と共通している。以下では、主として上記実施形態と異なる部分について説明し、上記実施形態と共通する部分については図示または説明を省略する。
図31、図32に示すように、進退補助具14は、操作部18に取り付けられるベース33と、ベース33の貫通孔33Aを内視鏡12の処置具挿入口31に対向させるように内視鏡12に取り付ける取付部34と、ベース33に取り付けられる第1の筒35と、第1の筒35の中心軸Cに沿って第1の筒35に対し進退方向に摺動する第2の筒36と、第2の筒36を第1の筒35に対し中心軸Cに沿って進退移動させる進退機構37と、進退機構37が一つの方向に回転する際にその回転を補助する補助部38と、第2の筒36をベース33に対する所定の位置に位置決めする位置決め部41と、を備える。第1の筒35、第2の筒36、進退機構37、補助部38、および位置決め部41は、処置具13を進退移動させるための移動ユニット42を構成している。移動ユニット42は、後述する第1係合部91を介してベース33に取り付けられる。
第1の筒35は、ベース33の貫通孔33Aに差し込まれる差込部86と、差込部86に形成された第1係合部91と、差込部86に形成されるとともに固定部材65の先端が嵌る一対の受け部92と、を有する。差込部86は、円筒形をなしている。一対の受け部92は、差込部86の外周面に形成される。一対の受け部92は、第1係合部91を間に挟んだ両側に設けられている。受け部92のそれぞれは、差込部86の差込方向(第1の筒35の中心軸C方向)と直交する方向に延びる溝状をなしている。
第1係合部91は、差込部86の本体から第1の筒35の半径方向に突出した突起として形成される。第1係合部91は、ベース33に向かって突出する突起とも言い換えられる。本実施形態では、第1係合部91は、一対の突起として形成されるが、この一対の突起は、図31中に2点鎖線で示す一つの長い位置決め部材93として機能する。なお、第1係合部91は、一対の突起ではなく、複数の突起対として、差込部86に設けられていてもよい。また、第1係合部91は、第1の筒35の半径方向に沿って形成した窪みとして形成されてもよい。
ベース33は、処置具13を通すための貫通孔33Aを有する。ベース33は、例えば、鉗子栓32に対して上側から被さることができる(図27等参照)。ベース33は、第1の筒35(移動ユニット42)側に形成された第1係合部91を受容できる第2係合部94を有する。ベース33は、固定部材65(ねじ)が通される貫通穴を有する。
第2係合部94は、ベース33に対する移動ユニット42の取付け角度が互いに異なる複数の位置を段階的にとることができるように第1係合部91(位置決め部材93)と係合することができる。第2係合部94は、ベース33の半径方向に沿う複数の凹部である。言い換えると、第2係合部94は、ベース33の半径方向に沿う凹部対を複数組有している。図32に示すように、第2係合部94は、第1係合部91(位置決め部材93)を異なる角度で受容することができる。第2係合部94は、第1係合部91が第1の筒35の半径方向に沿う窪みとして形成される場合には、貫通孔33Aの中心軸方向(移動ユニット42側)に向かって突出する突出部(第1係合部91の窪みに係合する突出部)として形成される。
図31から図35を参照して、本実施形態の内視鏡システム11の作用について説明する。
ダイヤル45をベース33とは反対側から見て時計回り方向または反時計回り方向に回転させて第1の筒35に対して第2の筒36を進退移動できることは上記第1実施形態と同様である。本実施形態では、さらに、第2係合部94に対する第1係合部91の取付け角度を操作することで、ユーザの手の大きさに応じてベース33に対する移動ユニット42の取付け角度を調整できる。すなわち、ユーザが女性の医師である場合等、比較的手が小さいユーザが内視鏡システム11を使用する場合には、第2係合部94に対して第1係合部91を適切な位置で係合させ、図33に示すように移動ユニット42およびダイヤル45の位置を内視鏡12の操作部18に近い位置に配置することができる。
ユーザが大柄な医師である場合等、比較的手が大きいユーザが内視鏡システム11を使用する場合には、第2係合部94に対して第1係合部91を適切な位置で係合させ、図34に示すように、移動ユニット42と、内視鏡12の操作部18との間の距離を中間の距離(一般的な長さ)にすることができる。処置具の進退補助具14による処置具13の進退操作を行わない場合には、第2係合部94に対して第1係合部91を適切な位置で係合させ、図35に示すように移動ユニット42およびダイヤル45の位置を内視鏡12の操作部18から遠い位置に配置することができる。
本実施形態によれば、以下のことがいえる。処置具の進退補助具14は、内視鏡12に取り付けられるベース33と、第1係合部91を介してベース33に取り付けられるとともに、内視鏡12内に通される処置具を進退移動させる移動ユニット42と、ベース33に設けられ、ベース33に対する移動ユニット42の取付け角度が互いに異なる複数の位置を段階的にとることができるように第1係合部91と係合する第2係合部94と、を備える。
この構成によれば、内視鏡12に対して移動ユニット42の位置を近づけたり、内視鏡12に対して移動ユニット42の位置を遠ざけたりすることができる。これによって、どのような手の大きさを有するユーザにも使い易い処置具の進退補助具14を提供できる。また、移動ユニット42の取付け角度を段階的に変更することができるため、ユーザの手の大きさに応じて最適な位置に移動ユニット42を配置して、ユーザが使い易い処置具の進退補助具14を実現できる。更に、処置具の進退補助具14による処置具13の進退操作を行わない場合には、内視鏡12の操作を妨げないように操作部18から遠い位置に配置することができる。
第1係合部91は、ベース33に向かって突出する突起および移動ユニット42の半径方向に沿った窪みのいずれか一方であり、第2係合部94は、第1係合部91が前記突起で形成される場合には前記突起が係合する凹部であり、第1係合部91が前記窪みで形成される場合には前記窪みに係合する突出部である。
この構成によれば、突起および凹部、或いは、窪みおよび突出部、を利用した簡単な構造によって移動ユニット42の取付け角度を変更可能な処置具の進退補助具14を実現できる。これによって、処置具の進退補助具14の製造コストが極端に増加することなく、且つどのような手の大きさのユーザにも使い易い処置具の進退補助具を実現できる。
これまで、幾つかの実施形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。上記各実施形態および各変形例では、補助部38は、ばねで構成されているが、補助部38は、ばねに限定されるものではなく、ゴム状の弾性を有する伸縮部材やダンパ等であってもよい。また、上記した異なる実施形態中の構成要素を適宜に組み合わせて一つの内視鏡システム11または処置具の進退補助具14を実現することができる。
出願人は、以下に記載した構造についても発明として認識している。
[1] 内視鏡に取り付けられるベースと、
第1係合部を介して前記ベースに取り付けられるとともに、前記内視鏡内に通される処置具を進退移動させる移動ユニットと、
前記ベースに設けられ、前記ベースに対する前記移動ユニットの取付け角度が互いに異なる複数の位置を段階的にとることができるように前記第1係合部と係合する第2係合部と、
を備える処置具の進退補助具。
[2] 前記第1係合部は、前記ベースに向かって突出する突起および前記移動ユニットに設けられた窪みのいずれか一方であり、
前記第2係合部は、前記第1係合部が前記突起で形成される場合には前記突起が係合する凹部であり、前記第1係合部が前記窪みで形成される場合には前記窪みに係合する突出部である[1]に記載の処置具の進退補助具。
11…内視鏡システム、12…内視鏡、13…処置具、14…進退補助具、33…ベース、33A…貫通孔、34…取付部、35…第1の筒、36…第2の筒、37…進退機構、38…補助部、41…位置決め部、42…移動ユニット、45…ダイヤル、47…ピン、55…回動軸、56…カム機構、63…掌面、64…指、91…第1係合部、94…第2係合部。

Claims (14)

  1. 貫通孔を有するベースと、
    前記貫通孔を内視鏡の処置具挿入口に対向させるように、前記ベースを前記内視鏡に取り付ける取付部と、
    内部が前記貫通孔と連通するように前記ベースに取り付けられる第1の筒と、
    前記処置具挿入口に挿入される処置具を固定する固定部を有するとともに、前記第1の筒の中心軸に沿って前記第1の筒に対し進退方向に摺動する第2の筒と、
    回転させることにより、前記第2の筒を前記第1の筒に対し前記中心軸に沿って進退移動させる進退機構と、
    前記第2の筒が前記摺動する際の抵抗力より小さい付勢力で、前記第2の筒を前記ベースに対して前記中心軸に沿った所定の方向に付勢し、前記進退機構が一つの方向に回転する際に前記回転を補助する補助部と、
    を具備する処置具の進退補助具。
  2. 前記第2の筒が前記摺動する際の抵抗力は、前記第1の筒と前記第2の筒との間の摩擦力、および前記進退機構が前記第2の筒を進退移動させる際に加わる摩擦力、のうち少なくともいずれかを含む請求項1に記載の処置具の進退補助具。
  3. 付勢された前記第2の筒を前記ベースに対する所定の位置に位置決めする位置決め部を具備する請求項1に記載の処置具の進退補助具。
  4. 前記位置決め部は、前記第1の筒と前記第2の筒との前記中心軸方向の相対的な位置関係を規定する請求項3に記載の処置具の進退補助具。
  5. 前記位置決め部は、前記第1の筒と前記第2の筒との間に設けられ、前記中心軸方向における前記第1の筒と前記第2の筒との相対的な位置関係を複数段階で規定する請求項4に記載の処置具の進退補助具。
  6. 前記第2の筒の外径は前記第1の筒の内径よりも小さく、
    前記第2の筒は、前記第1の筒の内部に挿入された状態の位置と、前記第1の筒から突出した状態の位置との間で進退移動する請求項1に記載の処置具の進退補助具。
  7. 前記第2の筒の内周面に当接して、前記第2の筒の内側と前記第2の筒の外側との間で液体の移動を遮断する遮断部材を有する請求項6に記載の処置具の進退補助具。
  8. 前記遮断部材は、
    前記第1の筒の内側に位置するとともに、前記第2の筒とオーバーラップする部分を有する第3の筒と、
    前記オーバーラップする部分で、前記第3の筒の外周部と前記第2の筒の内周面との間に介在された封止部材と、
    を有する請求項7に記載の処置具の進退補助具。
  9. 前記第2の筒の内径は前記第1の筒の外径よりも大きく、
    前記第2の筒は、前記第1の筒を内部に挿入した状態の位置と、前記第1の筒を該第2の筒から突出させる状態の位置との間で進退移動する請求項1に記載の処置具の進退補助具。
  10. 前記進退機構は、
    外部から操作する力により所定の回動軸を中心に回動するダイヤルと、
    前記ダイヤルの回動力を、前記第2の筒を前記中心軸に沿った方向に進退移動させる力に変換する伝達部と、
    を有する請求項1に記載の処置具の進退補助具。
  11. 前記回動軸は、前記処置具の延びる方向に沿う方向に延びる請求項10に記載の処置具の進退補助具。
  12. 前記回動軸の軸心は、前記処置具の中心軸に合致する請求項10に記載の処置具の進退補助具。
  13. 前記内視鏡と、
    前記処置具と、
    請求項1に記載の処置具の進退補助具と、
    を具備する内視鏡システム。
  14. 第1の筒と、
    内視鏡に挿入される処置具を固定する固定部を有するとともに、前記第1の筒に対して前記第1の筒の延びる方向に摺動する第2の筒と、
    前記第2の筒を前記第1の筒の延びる方向に摺動させる進退機構と、
    掌面から離れる方向に指を動かして前記第2の筒を摺動させる際に前記第2の筒の摺動を補助する補助部と、
    を具備する処置具の進退補助具。
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