JP4494026B2 - X線検査装置、x線検査方法およびx線検査装置の制御プログラム - Google Patents

X線検査装置、x線検査方法およびx線検査装置の制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、所定のX線発生点から広がりながら進行するX線を発生させて対象試料に照射し、同対象試料を透過した透過X線を撮像して画像データを取得し、同画像データを用いて同対象試料についての測定処理を行うX線検査装置、X線検査方法およびX線検査装置の制御プログラムに関する。
従来、この種のX線検査装置は、対象試料を載置可能なステージと、ターゲットを密閉管内に設けた密閉管型のX線発生器と、ドットマトリクス状に設けられた多数のCCD素子を有するX線検出器とを備え、X線管とX線検出器の間にサンプル(対象試料)を配置してはんだ検査を行っている(例えば、特許文献1参照。)。ターゲットから発生したX線は、広がりながらステージの対象試料載置面に向かって進行し、対象試料を透過するので、X線管とX線検出器とサンプルの位置関係によって拡大率を変更することができる。ここで、密閉管型のX線発生器を用いているのは、X線を発生するターゲットが外気の影響を受けないようにさせて、発生したX線の広がり度合を安定させたり、X線の強度を安定させたりするためである。
X線検査装置において、撮像時の幾何学的倍率Magは次式で表される。
Mag=B/A
ただし、Aは、X線発生器の焦点と被検査物体の間の距離
Bは、X線発生器の焦点と検出器の間の距離である。
検査対象が微小になると、幾何学的倍率を大きくする必要がある。例えば、10μmの半田を検査する場合、200倍程度の幾何学的倍率が必要である。通常のシステムでは上式中のBが300mm程度であり、幾何学的倍率200倍を得ようとする場合、Aを1.5mmとする必要がある。
特開2000−249532号公報
ここで問題となるのはXYステージの平面度である。ステージの平面度は±100μm程度が通常であり、この誤差により倍率は200±14倍の範囲で変動する。また、検査対象をX線検査装置にセットする際の浮きなどによっても倍率の変動は生じる。倍率が変化すると、検査対象が予め登録された位置と離れた位置に観察されるため、正しい検査が行えない。また、はんだの面積値計測結果に大きな誤差が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ステージの平面度や検査対象の浮きなどの影響を排除し、対象試料を安定してより精度よく測定することが可能なX線検査装置、X線検査方法およびX線検査装置の制御プログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、対象試料を載置可能なステージと、所定のX線発生点から広がりながら進行する所定強度のX線を発生させて同ステージに載置された対象試料に照射するX線発生機構と、同対象試料を透過した透過X線を撮像して撮像画像に対応する画像データを取得する画像取得手段と、取得された画像データを用いて同対象試料についての測定処理を行う測定手段とを備えるX線検査装置であって、上記X線発生機構は、外気に開放された位置とされた所定のX線発生点から上記X線を発生させて上記ステージに載置された対象試料に照射する機構とされ、上記測定手段は、所定の標準画像を基準とした異なる複数の拡大率のそれぞれに対応した各対比用画像データと上記画像データとを対比して上記撮像画像と同標準画像とのパターンマッチングを行い、当該パターンマッチングの結果から上記撮像画像の拡大率を決定し、上記画像データを用いて同決定した拡大率に対応した上記測定処理を行うことを特徴とする。
すなわち、X線発生機構により所定のX線発生点から所定強度のX線が発生すると、このX線はX線発生点から広がりながら進行し、ステージに載置された対象試料を透過する。X線が広がりながら進行することにより、同対象試料を透過した透過X線は画像取得手段により拡大されて撮像され、拡大された撮像画像に対応する画像データが取得される。すると、測定手段により、同画像データと各対比用画像データとを対比することによるパターンマッチングが行われる。ここで、各対比用画像データは、所定の標準画像(基準画像)を基準とした異なる複数の拡大率のそれぞれに対応して設けられたデータとされている。そして、拡大率別に標準画像と撮像画像(以下、両画像とも記載)とのパターンマッチングが行われ、パターンマッチングの結果から撮像画像の拡大率が決定される。拡大率が決定されると、画像データを用いて同決定した拡大率に対応した測定処理が行われる。
X線発生機構として外気に開放された位置とされたX線発生点からX線を発生させる機構を用いているため、密閉管型のX線発生器を用いた場合よりも対象試料をX線発生点に近づけることができる。このため、より拡大率の大きい撮像画像を撮像して対象試料についての測定を行うことができる。
対象試料をX線発生点に近接した位置にすると、大きな拡大率の撮像画像を得ることが可能になる一方、X線の進行方向における対象試料の位置がばらつくと撮像画像の拡大率に大きなばらつきが生じることになる。また、X線発生点が外気に開放された位置とされると、外気の影響を受けてX線の進行方向における広がり度合にばらつきが生じることがある。ここで、上記測定手段が画像データと各対比用画像データとから両画像のパターンマッチングを行うので、X線の進行方向における対象試料の位置のばらつきやX線の広がり度合のばらつきにかかわらず精度良く拡大率が決定される。
以上により、拡大率の変動に応じて適切な拡大率が決定され、決定された拡大率に対応した検査処理が行われるので、正確に測定を行うことができる。従って、ステージの平面度や検査対象の浮きなどの影響を排除し、より拡大率の大きい撮像画像に基づく測定処理を行うことができ、対象試料についての測定が安定してより精度良く行われる。
上記対象試料は、様々なものが考えられ、例えばBGAによって半田付けした基板であってもよいし、BGA以外によって半田付けした基板であってもよいし、半田付けした基板以外のものであってもよい。
上記画像取得手段は、様々な構成が考えられる。例えば、X線イメージインテンシファイアを用い、X線をX線イメージインテンシファイア管で受け止めて可視化した後にCCDで可視光を受光することにより透過X線を撮像し、対応する画像データを取得する構成とすることができる。むろん、X線フラットパネルセンサを用いて画像データを取得してもよい。
上記画像データは、多数の画素別とされた輝度値、明度値、等、様々なデータが考えられる。また、様々な階調数とすることができる。
上記対比用画像データは、多数の画素別とされた輝度値、明度値、等、様々なデータが考えられる。ここで、撮像画像の画像データを構成する画素の数と異なる画素数でもよいし、同じ画素数でもよい。また、撮像画像の画像データと異なる階調数でもよいし、同じ階調数でもよい。
各対比用画像データは、予め用意されたデータでもよいし、標準画像を表す画像データと拡大率とから各対比用画像データを生成して当該各対比用画像データとして用いるようにしてもよい。
標準画像を表す画像データは、予め用意されたデータでもよいし、対象試料の標準試料を撮像して得られる画像データでもよい。
上記測定処理は、例えば、半田バンプの良否を判定する処理、半田バンプの径を測定する処理、等、様々な構成が考えられる。
上記測定手段は、上記画像データと各対比用画像データとから上記複数の拡大率別に上記撮像画像と上記標準画像との一致度を算出し、算出した一致度が最大となった拡大率を、上記測定処理を行うための拡大率として決定する構成としてもよい。両画像との一致度が大きいほど撮像画像は標準画像に近い画像であるので、同一致度が最大となった拡大率は、実際の撮像画像の拡大率に最も近いものとなる。従って、対象試料についての測定がさらに精度良く行われる。
上記一致度は、様々な構成により算出することができる。例えば、二値化された対比用画像データを拡大率別に用意しておき、撮像画像の画像データを二値化し、当該画像データと対比用画像データとの二値化データが一致する画素の数を求め、求めた画素数を一致度とすることができるし、さらに、当該画素数を撮像画像の画像データの画素数で除した値を一致度とすることもできる。むろん、対比用画像データや撮像画像の画像データを多階調データとして一致度を算出することも可能である。
上記測定手段は、上記複数の拡大率別に上記撮像画像と上記標準画像との一致度を算出する際、一致度を算出する対象の拡大率について、同撮像画像と同標準画像とを対比させる位置を変えながら対比させた位置毎に上記画像データと各対比用画像データとから同撮像画像と同標準画像との位置別の一致度を算出し、算出した位置別の一致度のうち最大の一致度を同対象の拡大率についての一致度とする構成としてもよい。
X線の進行方向とは垂直な方向における対象試料の位置がばらつくと、撮像画像中の対象試料の位置にばらつきが生じることになる。ここで、上記測定手段は撮像画像と標準画像とを対比させる位置を変えながら対比させた位置毎に画像データと各対比用画像データとから同撮像画像と同標準画像との位置別の一致度を算出し、最大の一致度を対象の拡大率についての一致度とするので、X線の進行方向とは垂直な方向における対象試料の位置のばらつきを考慮した適切な一致度が算出され、精度良く拡大率が決定される。
以上により、適切な拡大率が決定され、決定された拡大率に対応した検査処理が行われるので、正確に測定を行うことができる。
また、上記拡大率別に設けられた対比用画像データは、各拡大率について上記ステージに載置された対象試料の異なる複数の位置別に設けられたデータとされ、上記測定手段は、上記複数の拡大率別に上記撮像画像と上記標準画像との一致度を算出する際、一致度を算出する対象の拡大率について、上記画像データと上記位置別に設けられた対比用画像データとから同撮像画像と同標準画像との位置別の一致度を算出し、算出した位置別の一致度のうち最大の一致度を同対象の拡大率についての一致度とする構成としてもよい。上記と同様にして、X線の進行方向とは垂直な方向における対象試料の位置のばらつきを考慮した適切な一致度が算出され、精度良く拡大率が決定される。
上記測定手段は、上記画像データを用いて、上記決定した拡大率、および、当該拡大率について算出した上記位置別の一致度が最大となった位置に対応した上記測定処理を行う構成としてもよい。撮像画像と標準画像とを対比させた位置のうち、撮像画像と標準画像との一致度が最も大きくなった位置に対応した測定処理が行われるので、対象試料についての測定がさらに精度良く行われる。
上記撮像画像は、上記X線の進行方向と直交する所定のX軸およびY軸とから形成されるXY平面に平行な画像とされ、上記測定手段は、上記一致度を算出する対象の拡大率について、上記撮像画像と上記標準画像とを対比させる上記X軸方向の位置および上記Y軸方向の位置を変えながら対比させた位置毎に上記画像データと各対比用画像データとから同撮像画像と同標準画像との位置別の一致度を算出し、算出した位置別の一致度が最大となったX軸方向の位置およびY軸方向の位置、並びに、上記決定した拡大率、に対応した上記測定処理を行う構成としてもよい。撮像画像と標準画像との対比位置がX軸方向とY軸方向とに変えられるので、XY両軸方向について撮像画像と標準画像との一致度が最大となる位置に対応した測定処理が行われる。従って、対象試料についての測定がさらに精度良く行われる。
なお、上記ステージに載置された上記対象試料と上記X線発生点との間の距離は、密閉管型のX線発生器におけるX線発生点と密閉管との間の距離よりも短くされている構成としてもよい。すると、X線発生機構として密閉管型のX線発生器を用いた場合と比べて撮像画像の拡大率が大きくなり、対象試料についての測定をさらに精度良く行うことが可能となる。
上記パターンマッチングを行うことにより、ステージに載置された対象試料とX線発生点との間の距離を密閉管型のX線発生器におけるX線発生点と密閉管との間の距離よりも短くすることができるとも言える。従って、X線発生点を外気に開放された位置とするのと同時にパターンマッチングを行うことによって、初めて高精度の測定処理を行うことが可能となる。
ところで、上記測定手段は、所定の標準画像を基準とした異なる複数の拡大率のそれぞれに対応した各対比用画像データと上記画像データとを対比して上記撮像画像と同標準画像とのパターンマッチングを行い、当該パターンマッチングの結果から上記X線の進行方向における上記ステージに載置された対象試料の位置のばらつきおよび上記進行するX線の広がり度合のばらつきによる上記撮像画像の拡大率のずれを補償し、上記画像データを用いて補償後の拡大率に対応した上記測定処理を行う構成としてもよい。請求項1にかかる発明と同様の作用が得られ、密閉管型のX線発生器を用いた場合よりも対象試料をX線発生点に近づけることができるため、より拡大率の大きい撮像画像を撮像して対象試料についての測定を行うことができる。その際、拡大率の変動に応じて適切な拡大率が決定され、決定された拡大率に対応した検査処理が行われるので、正確に測定を行うことができる。従って、より拡大率の大きい撮像画像に基づく測定処理を行うことができ、対象試料についての測定がより精度良く行われる。
むろん、請求項2〜請求項6に記載した構成を請求項7に記載した構成に対応させることも可能である。
上述したX線検査装置は単独で実現される場合もあるし、ある方法に適用され、あるいは同方法が他の機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。また、上記装置を用いて対象試料についての測定処理を行う方法にも本発明を適用可能である。従って、本発明はX線検査方法としても有効であり、請求項8にかかる発明においても、基本的には同様の作用、効果を有する。発明の思想の具現化例として、上記装置にて所定の制御プログラムを実行させる場合もある。そこで、請求項9に記載したプログラムでも、基本的には同様の作用、効果を有する。また、同プログラムを記録した媒体が流通し、同記録媒体からプログラムを適宜コンピュータに読み込むことが考えられるので、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても適用可能であり、基本的には同様の作用、効果を有する。
むろん、請求項2〜請求項7に記載された構成を上記方法やプログラムや記録媒体に対応させることも可能である。
以上説明したように、請求項1、請求項7〜請求項9にかかる発明によれば、ステージの平面度や検査対象の浮きなどの影響を排除し、より拡大率の大きい撮像画像に基づく測定処理を行うことができるので、対象試料を安定してより精度よく測定することが可能となる。
請求項2〜請求項6にかかる発明によれば、対象試料についての測定をさらに精度良く行うことが可能となる。
以下、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)X線検査装置の構成:
(2)エネルギーサブトラクション処理:
(3)測定処理:
(4)第二の実施形態:
(5)第三の実施形態:
(6)第四の実施形態:
(7)まとめ:
(1)X線検査装置の構成:
図1に示すように、本発明の第一の実施形態にかかるX線検査装置は、X線撮像機構部10とX線撮像制御部20とから構成されている。X線撮像機構部10は、X線発生器(X線発生機構)11、X線検出器13、X−Yステージ(対象試料を載置可能なステージ)15を備えている。X線撮像制御部20は、X線制御部21、ステージ制御部23、画像処理部24、CPU25、出力部26a、入力部26b、メモリ27を備えている。
メモリ27は、半導体メモリであるROMやRAMから構成され、予め本発明のX線検査装置の制御プログラム27aやデフォルトデータがROMに記録されるとともに、X線検査の実施に際して用いられる対比用画像データ27bや、X線を検出する度に生成される画像データ27cや、その他のデータがRAMに記録される。むろん、メモリの一部をハードディスクに置き換えてもよい。
X線制御部21は、X線発生器11に対する制御を行ってX線発生器11にX線を生成させる。上記デフォルトデータとして記録された撮像条件データを参照してX線管に対する印加電圧,撮像時間等を取得することにより、X線発生器11に流す管電流の電流量を制御しながら予め決められた撮像条件で駆動するようにX線発生器11を制御する。
ステージ制御部23は、X−Yステージ15が接続されており、同X−Yステージ15を水平のX,Y2方向に移動させる制御を行う。X−Yステージ15は、対象試料である半田付けされた基板31を所定の複数箇所(例えば、X方向に複数箇所かつY方向に複数箇所)に載置して半田の厚み等を測定するために移動させることができる。ステージ制御部23は、対象試料測定位置座標データをメモリ27から取得して、データで示される座標にX−Yステージ15を移動させる。
画像処理部24は、X線検出器13が接続されており、対象試料を透過した透過X線の強度に対応する輝度値(階調データ)をX線検出器13から取得する。同輝度値は逐次データとしてメモリ27に保存され、ドットマトリクス状とされた多数の画素からなる画像データ27cとされる。
出力部26aはCPU25での処理結果等を外部に出力するディスプレイであり、入力部26bは利用者からの入力を受け付ける操作入力機器である。むろん、出力部26aをプリンタや音声出力器としてもよい。利用者は、入力部26bを介して種々の操作入力を行うことができるし、CPU25の処理によって得られる種々の演算結果や計測データ、半田バンプの良否判定結果等を出力部26aからの表示により確認することができる。CPU25は、メモリ27に記憶された制御プログラム27aに従って所定の演算処理を実行可能であり、入力部26b等によって利用者から検査指示等の操作入力を受け付けると制御プログラム27aを実行し、対象試料を測定する。
X線発生器11は、X線制御部21の制御に従ってX線管に電圧を印加して管電流を流し、流れる管電流の電流量に応じた強度のX線を生成する。そして、指示された時間、X線をステージ15に向かって照射する。X線管に印加する電圧、X線管に流す管電流の電流量、X線の照射時間を所定の条件にすることにより、対象試料に所定強度のX線を照射することが可能である。
図2に示すように、X線発生器11に設けられたX線管11aは開放管と呼ばれるタイプのX線管であり、アノード11bとカソード11cと電子レンズ11dとターゲット11eと絞り11fを備えている。X線管11aに対する印加電圧によってカソード11cから飛び出した電子は電子ビームとなってアノード11b方向に進行し、コイルからなる電子レンズ11dおよび絞り11fによって絞られてターゲット11eの焦点(所定のX線発生点)11e1に衝突する。すると、焦点11e1でターゲット11e内の電子が励起され、励起された電子が低準位の軌道に遷移する際のエネルギーがX線として出射窓11e2から放射される。発生したX線は焦点11e1から進行方向に垂直な方向に広がりながら進行し、焦点11e1を頂点とした略円錐状に照射される。そして、ステージ15に対象試料S1が載置されているとき、X線発生器11は試料S1にX線を照射する。焦点の距離からX線検出器までの距離を一定とした場合、焦点と試料との距離が近いほど倍率が大きくなって大きなX線像を得ることができ、より高分解能のX線撮像画像を得ることができる。
ここで、焦点11e1から出射窓11e2までの距離をFWD、出射窓11e2から試料S1までの距離をWOD、焦点11e1からX線検出器13の検出面13eまでの距離をFDDとすると、焦点11e1から試料S1までの距離FODはFWD+WODとなり、検出面13eでの幾何学的な拡大率はFDD/FODとなる。なお、図では、試料S1の下面に測定対象の半田バンプがあるものとして、WODとFODを試料S1の下面を基準とした距離としている。
そして、撮像画像の空間分解能は、(X線検出器13の画素ピッチ/拡大率)、すなわち、X線検出器13の検出素子の配置間隔をFDD/FODで除した値となる。ただし、空間分解能は、焦点寸法の制約を受ける。
X線管11aは開放管であり、このタイプのX線管ではターゲット11eと試料との距離が非常に小さい状態で試料に対してX線を照射することができる。これに対して密閉管と呼ばれるタイプのX線管では、開放管と比較してターゲットと試料との距離が大きくなる。
図3は、従来の密閉管型のX線管の概略構成を示している。焦点から出射窓までの距離をfwd、出射窓から試料までの距離をwod、焦点からX線検出器の検出面までの距離をfddとすると、焦点から試料までの距離fodはfwd+wodとなり、検出面での幾何学的な拡大率はfdd/fodとなる。ここで、ターゲットを密閉管内に配置する関係上、距離fwdは例えば10mm程度等と、焦点から出射窓まではある程度の距離が必要となる。
例えば、10μmの半田バンプを検査する場合、200倍程度の幾何学的倍率が必要である。従来では焦点とX線検出器の検出面との間の距離が300mm程度であり、幾何学的倍率200倍を得ようとする場合、焦点と試料との間の距離を1.5mmとする必要がある。ここで問題となるのはXYステージの平面度である。ステージの平面度は±100μm程度が通常であり、この誤差により倍率は200±14倍の範囲で変動する。また、検査対象を装置にセットする際の浮きなどによっても倍率の変動は生じる。倍率が変化すると、検査対象が予め登録された位置と離れた位置に観察されるため、正しい検査が行えない。また、半田バンプの面積値計測結果に大きな誤差が生じる。
一方、開放管型の本X線発生器の場合、焦点が外気に開放された位置とされているので、距離FWDは例えば0.5mm程度等と、密閉管型のX線発生器を用いた場合よりも短くなり、対象試料を焦点に近づけることができる。
このように、本X線検査装置においてステージに載置された対象試料と焦点との間の距離は、密閉管型のX線発生器における焦点と密閉管との間の距離よりも短くすることができる。例えば、焦点から対象試料までの距離が密閉管型X線発生器の場合と比べて1/10になると、撮像画像の拡大率は10倍となり、空間分解能は1/10となる。密閉管型X線発生器では拡大率50倍程度、分解能3μmであるのに対し、開放管型の本X線発生器では拡大率500倍程度、分解能0.3μm程度を実現可能である。従って、密閉管型X線発生器を用いた場合と比べて撮像画像の拡大率が大きくなり、対象試料についての測定が精度良く行われる。このようにして、ステージの平面度や検査対象の浮きなどの影響を排除し、安定して試料を検査することが可能となる。
なお、焦点から対象試料までの距離FODを密閉管型X線発生器では実現できない8mm以下(より好ましくは5mm以下、さらには3mm以下)とすると、密閉管型X線発生器と比べて確実に撮像画像の拡大率を大きくすることができ、対象試料についての測定の精度を確実に向上させることができる。
X線の強度は、単位時間あたりのX線光子の数(cps; counts per second)等で表現される。X線管11aから照射されるX線は、印加電圧によってピークを与えるフォトンエネルギーが異なるとともにフォトンエネルギー分布に広がりを有している。従って、印加電圧を変更すれば強度ピークを与えるフォトンエネルギーおよびフォトンエネルギー分布が異なるX線を生成することができ、例えば、錫のk吸収端(29.4keV)の前後に強度ピークを有する異なるフォトンエネルギー分布のX線を利用してエネルギーサブトラクション処理を行うことができる。
X線発生器11からのX線の照射方向には、X−Yステージ15とX線検出器13が配設されている。X−Yステージ15は、検査対象試料となる複数の半田バンプを備えるチップを実装した基板31を載置可能であり、基板31を載置した状態でX線の照射方向と略垂直方向に移動可能である。このステージ15は、ステージ制御部23が指示する任意の座標値によって正確に位置が制御される。また、X−Yステージ15には、標準試料も載置可能であり、X線の照射範囲を基板31の載置範囲外にすることもできる。従って、X−Yステージ15の移動によって、X線の照射範囲内に対象試料あるいは標準試料を配設可能であるし、X線が試料に照射されない状態にすることもできる。
図4に示すように、X線検出器13は、X線イメージインテンシファイアを備え、入射X線の強度に相当するデジタルの検出信号を出力する。対象試料を透過した透過X線は、X線イメージインテンシファイア管13aの内部に入力され、透過X線の入力像に対応する可視光の光学像に変換されて出力される。X線イメージインテンシファイア管13aには、ドットマトリクス状に設けられた多数の検出素子13cを有するCCD撮像部13bが接続されている。多数の検出素子13cは、縦横整然と平面状に並べられ、X−Yステージ15の上方にて、X−Yステージ15を介してX線発生器11のX線照射方向に対向する位置に配置されている。
多数の検出素子13cは、例えばCCD撮像部の基板の片面に形成されたアモルファスシリコン受光素子とすることができる。また、ドットマトリクス状に並べられた検出素子13cは、例えば横2400個×縦2400個の576万個等、様々な数とすることができる。上記可視光が各CCDに到達すると、各CCDにて同可視光の強度に応じた電圧が検出される。CCD撮像部13bは、対象試料を透過した透過X線の強度を多数の検出素子13c別に検出し、透過X線の強度に対応した電圧を出力する。上述した撮像画像の空間分解能は、検出素子13cの縦横の間隔を拡大率FDD/FODで割った値となる。
CCD撮像部13bには、デジタル変換部13dが接続されている。デジタル変換部13dは、CCD撮像部13bにて検出された電圧を各検出素子13c別にデジタルの輝度値に変換し、画像処理部24に対して出力する。本実施形態では、出力される輝度値は、例えば0〜4095の4096階調等、様々な階調数とすることができる。
このようにして、X線検出器13は、多数の検出素子13cにて対象試料を透過した透過X線の強度を検出素子13c別に検出することにより透過X線を撮像し、検出した透過X線の強度に対応する階調データを多数の検出素子13c別に出力する。すると、画像処理部24は、出力された階調データである輝度値を多数の検出素子13c別に入力することにより、撮像画像に対応する画像データを取得する。なお、画像処理部24が輝度値に基づいて画像処理を行う最小単位の各画素は、各検出素子13cに対応している。従って、取得される画像データは、ドットマトリクス状とされた多数の画素別の階調データからなるデータである。
X線制御部21は、公知の管電圧制御回路と管電流制御回路を備えている。管電圧を制御する際、管電圧制御回路は、カソード11cに印加される管電圧を抵抗素子の直列回路で数ボルト程度に分圧し、分圧電圧と公知の基準電圧生成回路からの基準電圧とを比較回路に入力してフィードバック制御を行う。管電流を制御する際、管電流制御回路は、X線管11aの中を流れる管電流を抵抗素子で数ボルト程度の電圧に変換し、この電圧と公知の基準電圧生成回路からの基準電圧とを比較回路に入力してフィードバック制御を行う。ここで、例えばサイリスタの導通角制御によってカソード11cに流れるフィラメント電流の電流量が変わると、カソード11cから発生する熱電子の量も変わり、ターゲット11eからカソード11cへ流れる管電流の電流量が変わる。
(2)エネルギーサブトラクション処理:
次に、エネルギーサブトラクション処理について説明する。各元素のX線吸収係数には、フォトンエネルギーに対する依存性がある。X線のフォトンエネルギーに対するX線吸収係数をみると、半田バンプに含まれる錫(Sn)のX線吸収係数のk吸収端が29.4keVであるのに対して、銅(Cu:プリント配線の主成分)のX線吸収係数は当該29.4keV近辺でほぼリニアに変化する。そこで、k吸収端前後に強い強度ピークを有する異なるフォトンエネルギー分布のX線を対象試料に対して照射し、それぞれの透過X線を検出すると、銅を透過したX線については2つのフォトンエネルギー分布のそれぞれにおいて検出強度にほとんど差異を生じないが、錫の場合は大きな差異を生じる。
この差異を利用すると、銅の寄与を排除して錫の寄与を抽出しながら厚み相当値を算出することができる。なお、基板に実装されるチップの主成分であるシリコンのX線吸収係数も上記錫のk吸収端前後でリニアに変化し、シリコンの寄与を排除することができる。ここでは、簡単のためX線が透過する物質を錫と銅に限定して説明するが、むろん、他の元素が含まれていても錫のk吸収端の前後に他の元素の吸収端が存在しない限り同様の処理で寄与を排除することができる。
一般に、物質を透過したX線の強度は以下の式(1)にて表現することができる。
Figure 0004494026
ここで、IはX線検出器13によって検出される透過X線の強度であり、I0はX線が対象試料を透過しない場合にX線検出器13によって検出されるX線の強度であり、μ0は錫のX線吸収係数,μ1は銅のX線吸収係数であり、t0は錫の厚み,t1は銅の厚みである。また、expの指数部分に相当する値は厚み相当値である。なお、以下では簡単のため各X線のエネルギーに広がりがあることは無視して説明する。
異なる2つのフォトンエネルギー分布のX線についてそれぞれ1,2と番号を付すると、以下の式(2)(3)のように表現することができる。
Figure 0004494026
これらの式では、異なるフォトンエネルギーにて同一の対象を測定することを想定しているので、錫と銅の厚みは番号1,2で同一である。
銅のX線吸収係数は錫のk吸収端の前後でリニアに変化するので、当該k吸収端の直前および直後でほとんど値が変わらない。従って、エネルギーサブトラクション処理においてμ11とμ12とは同値と考えることができる。一方、錫のX線吸収係数は錫のk吸収端の前後で大きく変化する。そこで、式(2)(3)のそれぞれについて自然対数をとりその結果同士の差分値を算出すると、以下の式(4)になる。
Figure 0004494026
同式(4)の左辺は錫の厚みに比例してその大きさが変化するので、錫の厚み相当値である。また、右辺の値はX線の強度によって算出可能な値である。そこで、各フォトンエネルギーにて透過X線を撮像して撮像画像に対応する画像データを取得し、両画像データからX線検出器13の各検出素子についてこの値を算出し、算出値に対応した画像を形成すると、錫の寄与のみを視覚化した画像を得ることができ、半田バンプの良否を判定することができる。
このようにして、撮像画像に対応する画像データを用いて対象試料についての測定処理を行うことができる。
(3)測定処理:
X線発生器として開放管型を用いると、対象試料を焦点に近接した位置にしてより拡大率を増大させて撮像画像を得ることができる一方、X線の進行方向における対象試料の位置がばらつくと拡大率に大きなばらつきが生じる。また、焦点は真空とされておらず外気に開放されているので、外気の影響を受けてX線の進行方向における広がり度合にばらつきが生じることがある。そこで、本X線検査装置では、所定の標準画像(基準画像)と撮像画像とのパターンマッチング(テンプレートマッチング)を行い、パターンマッチングの結果から撮像画像の拡大率を決定し、決定した拡大率に対応した測定処理を行うようにしている。
図5は、上記パターンマッチングを模式的に示している。パターンマッチングを行う際、所定の標準画像I1を基準とした異なる複数の拡大率Ei(iは1〜pの整数、pは1より大きい整数)別に設けられた対比画像(テンプレート画像)I2と、撮像画像I3とを対比し、両画像I2,I3の一致度Ciを算出する。具体的には、図1に示すように、対比用画像データ27bは複数の拡大率のそれぞれに対応して対比画像I2を表現する各対比用画像データ27b1から構成され、各対比用画像データ27b1と、撮像画像I3が表現された画像データ27cとが対比され、両画像データ27b1,27cから一致度が求められる。
例えば、図6に示すように、拡大率別の対比用画像データDI2を1または0で表現した二値化データとし、撮像画像の画像データを二値化して1または0で表現し、当該画像データDI3と対比用画像データDI2との二値化データが一致する画素の数Ncを求め、求めた画素数Ncを撮像画像の画像データの画素数Naで除した値を一致度とすることができる。むろん、画素数Nc自体を一致度とすることもできる。また、撮像画像の画像データや対比用画像データを多階調データとして一致度を算出することもできる。
このようにして、画像データ27cと各対比用画像データ27b1とから、複数の拡大率別に両画像の一致度Ciを算出し、拡大率Eiと対応付けて一致度テーブルT1を作成してメモリ27に記憶させる。
一致度Ciを算出すると、一致度Ciが最大の一致度Cmとなった拡大率Emを、半田バンプ良否判定等の測定処理を行うための拡大率として決定する。そして、決定した拡大率Emに対応した測定処理を行う。
このようにして、パターンマッチングの結果から撮像画像の拡大率Emを決定し、撮像画像の画像データを用いて拡大率Emに対応した測定処理を行うことができる。その際、複数の拡大率のそれぞれに対応した各対比用画像データと撮像画像の画像データとからパターンマッチングが行われるので、X線の進行方向における対象試料の位置ばらつきやX線の広がり度合のばらつきによらずに高精度で拡大率が決定され、拡大率に対応した検査処理が行われる。従って、対象試料を焦点に近接させることにより、拡大率の大きい撮像画像に基づいて正確に測定処理を行うことができ、対象試料についての測定を精度良く行うことができる。
また、図7に示すように、対象試料の位置ばらつきを考慮して適切な一致度を求めるようにしている。X線の進行方向とは垂直な方向における対象試料の位置がばらつくと、撮像画像中の対象試料の位置にばらつきが生じることになるからである。
図7に示す各撮像画像I3は、ステージ15に載置された対象試料を上側から見て示す画像となっており、X線の進行方向と直交する水平面上の所定のX軸(図7では右向きの軸)およびY軸(図7では下向きの軸)とから形成されるXY平面に平行な画像とされている。X軸とY軸とは、互いに直交している。一方、対比画像I2の画素数は縦横ともに撮像画像I3より多くされ、対比画像I2は撮像画像I3よりも広い画像とされている。
複数の拡大率E1〜Ep別に撮像画像I3と標準画像I1との一致度C1〜Cpを算出する際、一致度Ciを算出する対象の拡大率Eiについて、撮像画像I3と標準画像I1とを対比させる位置を変えながら位置別の一致度CLj(jは1〜qの整数、qは1より大きい整数)を算出する。具体的には、対比画像I2と撮像画像I3を対比させるX軸方向の位置とY軸方向の位置とを変えながら、対比させた位置(X1〜Xq,Y1〜Yqで表す)毎に、画像データ27cと各対比用画像データ27b1とから両画像I2,I3の位置別の一致度CLjを算出する。図の例では、対比画像I2のXY位置L1に対比させられる撮像画像I3の左上の位置は、対比画像I2中の座標(x0,y0)とされ、対比画像I2のXY位置L2に対比させられる撮像画像I3の左上の位置は、対比画像I2中の座標(x1,y0)とされている。このように、撮像画像I3は、対比画像I2上でX軸方向に所定間隔でずらされながら対比されるとともに、Y軸方向に所定間隔でずらされながら対比される。そして、位置別の一致度CLjをXY位置Xj,Yjと対応付けて位置別一致度テーブルT2を作成してメモリ27に記憶させる。
位置別の一致度CLjを算出すると、算出した一致度CLjのうち最大の一致度CLmを対象の拡大率についての一致度とする。また、位置別の一致度を最大にさせるXY位置Xm,Ymを対象拡大率Eiに対応付けて、一致度テーブルT1に格納しておく。そこで、拡大率別の一致度が最大の一致度Cmとなった拡大率Emを測定処理用の拡大率として決定するとともに、拡大率Emについて位置別の一致度CLjが最大の一致度CLmとなったXY位置、すなわち、X軸方向の位置(Xmmとする)とY軸方向の位置(Ymmとする)とを測定処理を行うための位置として決定する。そして、決定した拡大率Em、位置Xmm,Ymmに対応した測定処理を行う。
このようにして、パターンマッチングの結果から撮像画像の拡大率Em、X軸方向の位置Xmm、Y軸方向の位置Ymmを決定し、決定したパラメータに対応した測定処理を行うことができる。その際、対象の拡大率の一致度を位置別の一致度の最大とするので、X線の進行方向とは垂直な方向において対象試料の位置がばらついても適切な一致度が算出され、精度良く拡大率が決定されて、決定された拡大率に対応した検査処理が行われる。従って、対象試料について正確な測定処理を行うことができる。
なお、上記パターンマッチングを行うことにより、ステージに載置された対象試料と焦点との間の距離を密閉管型のX線発生器における焦点と密閉管との間の距離よりも短くすることができるとも言える。すなわち、パターンマッチングを行うだけでは密閉管型X線発生器を用いて得られる精度までしか測定精度を得ることができず、開放管型のX線発生機構を用いるだけでは対象試料の位置ばらつきやX線の広がり度合のばらつきのために精度を向上させることができず、開放管型のX線発生機構を用いるのと同時にパターンマッチングを行うことによって初めて高精度の測定処理を行うことが可能となる。
図8は、本X線検査装置が行う対比画像生成処理を示すフローチャートである。CPU25は、制御プログラム27aに従って各部に指示を出し、この処理を実施する。後述する処理も同様である。
まず、ステージ15の所定の撮像位置に対象試料の標準試料を載置した状態としておいて、ステージ制御部23に対して制御データを出力して図示しないサーボモータによりステージ15を移動させ、標準試料をX線照射経路に移動させる(ステップS10。以下、「ステップ」の記載を省略)。次に、各種撮像条件を設定する(S15)。ここで、X線制御部21に対して、所定電流量の管電流をX線発生器11に流す制御データを出力する。さらに、X線を生成させる制御データをX線制御部21に対して出力するとともに、透過X線の強度を検出させる制御データを画像処理部24に対して出力することにより、標準試料を撮像する(S20)。
すると、X線発生器11は、所定電流量の管電流が流れ、焦点から広がりながら進行する所定強度のX線を生成し、X線照射経路上にある標準試料に照射する。標準試料を透過した透過X線は、X線検出器13に到達して撮像され、その強度が多数の検出素子13c別に電圧信号として検出される。検出された電圧信号は、デジタル変換部13dで各検出素子13c別に対応する輝度値に変換される。
撮像を行うと、X線検出器13から各検出素子13c別に輝度値を入手することにより標準試料の撮像画像に対応する標準画像データを取得し、メモリ27に格納する(S25)。その後、標準画像データから拡大率毎に対比用画像データ27bを生成する(S30)。例えば、標準試料の撮像画像に対する対比画像の相対的な拡大率として0.8倍から1.2倍までを0.1倍単位で変化させる場合、対比画像はT0.8,T0.9,T1.0,T1.1,T1.2の5種類が生成される。
なお、本実施形態では、各対比用画像データに対応させる拡大率の値として上述した幾何学的拡大率FDD/FODの値(FDDとFODはともにmm単位等、同じ単位)を用い、後述のX線検査処理を行うことにしている。むろん、X線検査処理で用いる拡大率の値には、標準試料の撮像画像に対する対比画像の相対的な拡大率の値や、所定の幾何学的拡大率に対する相対的な拡大率の値などを用いてもよく、いずれの場合にも本発明を実施していることになる。
そして、各拡大率に対応させて、各対比用画像データ27bをメモリ27に記憶し(S35)、フローを終了する。
なお、本実施形態において、対比画像生成処理を行うX線検査装置は対比画像生成手段を構成する。
図9は、本X線検査装置が行うX線検査処理を示すフローチャートである。
まず、ステージ15の複数箇所の検査位置に対象試料を載置した状態としておいて、ステージ制御部23に対して制御データを出力して図示しないサーボモータによりステージ15を移動させ、測定対象の対象試料のいずれかをX線照射経路に移動させる(S100)。次に、各種撮像条件を設定する(S105)。ここで、X線制御部21に対して、所定電流量の管電流をX線発生器11に流す制御データを出力する。さらに、X線を生成させる制御データをX線制御部21に対して出力するとともに、透過X線の強度を検出させる制御データを画像処理部24に対して出力することにより、対象試料を撮像する(S110)。
すると、X線発生器11は、所定電流量の管電流が流れ、焦点から広がりながら進行する所定強度のX線を生成し、X線照射経路上にある対象試料に照射する。対象試料を透過した透過X線は、X線検出器13に到達して撮像され、その強度が多数の検出素子13c別に電圧信号として検出される。検出された電圧信号は、デジタル変換部13dで各検出素子13c別に対応する輝度値に変換される。
撮像を行うと、X線検出器13から各検出素子13c別に輝度値を入手することにより撮像画像に対応する画像データを取得し、メモリ27に格納する(S115)。その後、上述したパターンマッチングを行う処理を行い(S120)、決定した拡大率Em、位置Xm,Ymに対応した測定処理を行う(S125)。そして、ステージ15の全検査位置について測定処理を行ったか否かを判断し(S130)、測定処理を行っていない検査位置が残っている場合にはS100〜S130を繰り返し、全検査位置について測定処理を行った場合にはフローを終了する。
なお、本実施形態において、S105〜S115の処理を行うX線検査装置は画像取得手段を構成し、S120〜S125の処理を行うX線検査装置は測定手段を構成する。
図10は、S120のパターンマッチング処理を示すフローチャートである。
まず、撮像画像に対応する多階調の画像データ27cを、パターンマッチング用の二値化データに変換する(S205)。変換後の二値化データも、撮像画像に対応する画像データである。次に、各対比画像と撮像画像との一致度を算出する対象の対象拡大率Eiを設定する(S210)。例えば、各拡大率に拡大率番号iを対応付けておき、拡大率番号を表すポインタを1からpまで順番に更新することにより、対象拡大率を設定することができる。
さらに、一致度を算出する対象拡大率について、対比画像と撮像画像との位置別の一致度を算出する対象のX軸方向の対象位置XjとY軸方向の対象位置Yjとを設定する(S215)。ここでも、位置Xj,Yjに位置番号jを対応付けておき、位置番号を表すポインタを1からqまで順番に更新することにより、対象位置を設定することができる。
そして、対象拡大率Eiに対応する二値化された対比用画像データと撮像画像の二値化データとから、対比画像I2中の対象位置Xj,Yjに撮像画像I3を対比させたときの位置別の一致度CLjを算出し、位置別一致度テーブルT2に格納してメモリ27に一時記憶させる(S220)。
その後、対比させる全位置を設定したか否かを判断する(S225)。設定していない位置が残っている場合には、繰り返しS215〜S225の処理を行う。
全位置について設定した場合には、位置別一致度テーブルT2に格納された位置別の一致度CLjの中から最大の一致度CLmを取得し、当該最大の一致度CLmを対象拡大率Eiの一致度Ciとして一致度テーブルT1に格納してメモリ27に一時記憶させる(S230)。また、対象拡大率について位置別の一致度が最大となったXY位置Xm,Ymも拡大率Eiおよび一致度Ciと対応付けて一致度テーブルT1に格納してメモリ27に一時記憶させる(S235)。
その後、一致度を算出する全拡大率を設定したか否かを判断する(S240)。設定していない拡大率が残っている場合には、繰り返しS210〜S240の処理を行う。
全拡大率について設定した場合には、一致度テーブルT1に格納された一致度Ciの中から最大の一致度Cmを取得するとともに、当該一致度Cmに対応する拡大率Em、XY位置Xmm,Ymmを取得し、メモリ27内の所定領域に一時記憶させて(S245)、フローを終了する。
すると、図9のS125では、撮像画像に対応する画像データを用いて、決定した拡大率Em、当該拡大率Emについて算出した位置別の一致度が最大となった位置Xmm,Ymmに対応した測定処理を行う。
以上説明したように、本発明によると、密閉管型X線発生器を用いた場合よりも対象試料を焦点に近づけることができるため、より拡大率の大きい撮像画像を撮像して対象試料についての測定を行うことができる。その際、パターンマッチングにより測定処理を行うための拡大率、X軸方向の位置、Y軸方向の位置が決定され、測定処理が行われるので、対象試料の位置のばらつきやX線の進行方向における広がり度合のばらつき等の影響が除かれる。従って、ステージの平面度や検査対象の浮きなどの影響を排除し、従来と比べてワンオーダー上の拡大率にて安定した測定を非常に精度良く行うことが可能となる。
なお、画像の拡大縮小をテンプレートマッチングで求めているが、この処理を物体の大きさ測定で置き換えることも可能である。
(4)第二の実施形態:
ところで、図11の下段に示すように、異なる複数の拡大率別に撮像画像と標準画像との一致度を算出する際、一致度を算出する対象の拡大率Eiについて、対比させる位置別に対比画像I4を設けておき、各対比画像I4と撮像画像I3とを対比し、両画像I4,I3の位置別の一致度CLiを算出してもよい。具体的には、拡大率別の各対比用画像データ27b1は、異なる複数の対比させる位置のそれぞれに対応して対比画像I4を表現する各位置別の対比用画像データから構成され、各位置別の対比用画像データと、撮像画像I3が表現された画像データ27cとが対比され、位置別の一致度CLiが求められる。
ここで、図11の上段に示すように、各対比画像I4は、第一の実施形態の対比画像I2に相当する仮想の対比画像I5の一部とされ、図の例では、XY位置L1に対応する対比画像I4の左上の位置は、仮想の対比画像I5中の座標(x0,y0)とされ、XY位置L2に対応する対比画像I4の左上の位置は、仮想の対比画像I5中の座標(x1,y0)とされている。対比画像I4は、仮想の対比画像I5上でX軸方向に所定間隔でずらされるとともに、Y軸方向に所定間隔でずらされている。
以上のようにしても、図10のS220で上記位置別に設けられた対比用画像データと上記画像データとから撮像画像と位置別の対比画像との位置別の一致度CLiを算出して一時記憶させることにより、撮像画像と標準画像とのパターンマッチングを行って一致度が最大となる拡大率Em、XY位置Xmm,Ymmを求めることができる。そして、決定した拡大率Em、XY位置Xmm,Ymmに対応する測定処理を行うことができ、第一の実施形態と同様の効果が得られる。
(5)第三の実施形態:
また、図12と図13に示すテーブルT3,T4を作成して撮像画像の拡大率やXY位置のずれを補償する観点でパターンマッチング処理を行い、測定処理を行うようにしてもよい。
パターンマッチングを行う際、所定の標準画像I1を基準とした異なる複数の拡大率のそれぞれに対応した各対比用画像データと撮像画像I3の画像データとを対比してパターンマッチングを行う。ここで、測定処理を行うための基準とする基準拡大率Esが設けられてメモリ27に記憶されており、各対比用画像データで表現されるそれぞれの対比画像I6は、基準拡大率Esに対する拡大率の比に対応付けられている。この比を、ずれ度合Gi(iは1〜pの整数、pは1より大きい整数)としている。本実施形態では、異なる複数のずれ度合Gi別に設けられた対比画像I6と、撮像画像I3とを対比し、両画像I6,I3の一致度Ciを算出する。そして、一致度Ciをずれ度合Giと対応付けて一致度テーブルT3を作成してメモリ27に記憶させる。実際の拡大率Eiは、Es/Giとなる。
複数のずれ度合G1〜Gp別に撮像画像I3と標準画像I1との一致度C1〜Cpを算出する際、一致度Ciを算出する対象のずれ度合Giについて、対比画像I6と標準画像I1とを対比させる位置を変えながら位置別の一致度CLjを算出する。ここで、測定処理を行うための基準とする基準位置Xs,Ysが設けられてメモリ27に記憶されており、対比画像I6と撮像画像I3とを対比させる位置は、基準位置Xs,YsからのXYずれ量(ΔX1〜ΔXq,ΔY1〜ΔYqで表す)に対応付けられている。そして、位置別の一致度CLjをずれ量ΔXj,ΔYjと対応付けて位置別一致度テーブルT4を作成してメモリ27に記憶させる。実際のX軸方向の位置XjはXs−ΔYj、Y軸方向の位置YjはYs−ΔYjとなる。
上記テーブルT3,T4を用いることにより、図9と図10で示したX線検査処理と同様の処理を行って測定処理を行うことができる。
図14は、パターンマッチング処理を示すフローチャートである。処理を開始すると、撮像画像に対応する多階調の画像データ27cをパターンマッチング用の画像データに変換し(S305)、各対比画像と撮像画像との一致度を算出する対象の対象ずれ度合Giを設定する(S310)。さらに、対象ずれ度合について、対比画像と撮像画像との位置別の一致度を算出する対象のX軸方向のずれ量ΔXjとY軸方向のずれ量ΔYjとを設定する(S315)。そして、対象ずれ度合Giに対応する対比用画像データと撮像画像のパターンマッチング用の画像データとから、対比画像I6中の対象位置Xj,Yjに撮像画像I3を対比させたときの位置別の一致度CLjを算出し、ずれ量ΔXj,ΔYjを対応させて位置別一致度テーブルT4に格納し、一時記憶する(S320)。
その後、対比させる全位置を設定したか否かを判断し(S325)、設定していない位置が残っている場合には繰り返しS315〜S325の処理を行う。
全位置について設定した場合には、テーブルT4に格納された位置別の一致度CLjの中から最大の一致度CLmを取得し、当該最大の一致度CLmを対象ずれ度合Giの一致度Ciとして一致度テーブルT3に格納し、一時記憶する(S330)。また、対象ずれ度合について位置別の一致度が最大となったXYずれ量ΔXm,ΔYmもずれ度合Giおよび一致度Ciと対応付けてテーブルT3に格納し、一時記憶する(S335)。
その後、一致度を算出する全ずれ度合を設定したか否かを判断し(S340)、設定していないずれ度合が残っている場合には繰り返しS310〜S340の処理を行う。
全ずれ度合について設定した場合には、一致度テーブルT3に格納された一致度Ciの中から最大の一致度Cmを取得するとともに、当該一致度Cmに対応するずれ度合Gm、XYずれ量ΔXmm,ΔYmmを取得し、一時記憶して(S345)、フローを終了する。
図9のS125では、決定したずれ度合Gmを用いて撮像画像の拡大率のずれを補償し、決定したXYずれ量ΔXmm,ΔYmmを用いて撮像画像の位置のずれを補償して、撮像画像に対応する画像データを用いて補償後の拡大率Em、位置Xmm,Ymmに対応した測定処理を行う。ここで、
Em=Es/Gm ・・・(5)
Xmm=Xs−ΔXmm ・・・(6)
Ymm=Ys−ΔYmm ・・・(7)
を用いて拡大率や位置のずれを補償することができる。
以上より、パターンマッチングの結果からX線の進行方向におけるステージに載置された対象試料の位置のばらつきおよび進行するX線の広がり度合のばらつきによる撮像画像の拡大率と位置のずれを補償し、画像データを用いて補償後の拡大率と位置に対応した測定処理を行うことができる。そして、第一の実施形態と同様の効果が得られる。
(6)第四の実施形態:
上述した実施形態ではテンプレートマッチングで得た拡大率を利用して画像を補正したが、ステージを上下させて適切な状態にフィードバックして再度撮像してもよい。
図15に示すX線検査処理を開始すると、第一の実施形態と同じS100〜S120の処理を行う。本実施形態のステージ制御部23は、X−Yステージ15をZ方向(上下方向)にも移動させる制御を行うことが可能とされている。同図ではS135,S140が追加されており、S120のパターンマッチング処理終了後に上記決定した拡大率Emが所定範囲内であるか否かを判断する(S135)。例えば、0<tEm1<1<tEm2を満たす所定の閾値tEm1,tEm2を設けておき、tEm1<Em<tEm2を満たすか否かを判断すればよい。tEm1は0.9等とすることができ、tEm2は1.1等とすることができる。Emが所定範囲外の場合、ステージ制御部23によってステージ15をZ方向に微動させて位置を修正し(S140)、S105〜S120,S135を繰り返す。一方、Emが所定範囲内の場合、第一の実施形態と同じS125〜S130を行い、パターンマッチング処理で決定した拡大率、X位置、Y位置に対応した測定処理を行う。
以上の処理を行うと、拡大率が所定範囲内の場合のみ測定処理が行われるので、フィードバック処理を行わない場合よりもさらに正確に測定を行うことができ、対象試料についての測定をより精度良く行うことが可能となる。
なお、S135ではX軸方向の位置XmmやY軸方向の位置Ymmが所定範囲内であるか否かを判断し、S140でステージ15をX方向やY方向に微動させてXY位置を修正してもよい。同様に、さらに正確に測定を行うことができ、対象試料についての測定をより精度良く行うことが可能となる。
(7)まとめ:
本発明のX線検査装置は、その要旨を変更しない範囲で各種の変更が可能であり、上述した実施形態に限られるものではない。
例えば、多数の検出素子は、縦横整然と並んだドットマトリクス状以外にも、蜂の巣状等に並んだドットマトリクス状に配置されていてもよい。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、対象試料をより精度よく測定することが可能となる。
第一の実施形態にかかるX線検査装置の概略ブロック図。 X線管の概略構成を示す図。 従来の密閉管型のX線管の概略構成を示す図。 X線検出器の構成の概略を示すブロック図。 標準画像と撮像画像とのパターンマッチングを模式的に示す図。 撮像画像と対比画像との一致度を算出する具体例を模式的に示す図。 対比させる位置別に一致度を算出する様子を模式的に示す図。 X線検査装置が行う対比画像生成処理を示すフローチャート。 X線検査装置が行うX線検査処理を示すフローチャート。 パターンマッチング処理を示すフローチャート。 第二の実施形態において位置別の一致度を算出する様子を模式的に示す図。 第三の実施形態において標準画像と撮像画像とのパターンマッチングを模式的に示す図。 対比させる位置別に一致度を算出する様子を模式的に示す図。 パターンマッチング処理を示すフローチャート。 第四の実施形態においてX線検査処理を示すフローチャート。
符号の説明
10…X線撮像機構部
11…X線発生器(X線発生機構)
11a…X線管
11b…アノード
11c…カソード
11d…電子レンズ
11e…ターゲット
11e1…焦点(所定のX線発生点)
11e2…出射窓
11f…絞り
13…X線検出器
13a…X線イメージインテンシファイア管
13b…CCD撮像部
13c…検出素子
13d…デジタル変換部
13e…検出面
15…X−Yステージ
20…X線撮像制御部
21…X線制御部
23…ステージ制御部
24…画像処理部
25…CPU
26a…出力部
26b…入力部
27…メモリ
27b,DI2…対比用画像データ
27c,DI3…画像データ
31…基板(対象試料)
I1…標準画像
I2,I4,I6…対比画像(テンプレート画像)
I3…撮像画像
I5…仮想の対比画像
T1,T3…一致度テーブル
T2,T4…位置別一致度テーブル

Claims (9)

  1. 対象試料を載置可能なステージと、所定のX線発生点から広がりながら進行する所定強度のX線を発生させて同ステージに載置された対象試料に照射するX線発生機構と、同対象試料を透過した透過X線を撮像して撮像画像に対応する画像データを取得する画像取得手段と、取得された画像データを用いて同対象試料についての測定処理を行う測定手段とを備えるX線検査装置であって、
    上記X線発生機構は、外気に開放された位置とされた所定のX線発生点から上記X線を発生させて上記ステージに載置された対象試料に照射する機構とされ、
    上記測定手段は、所定の標準画像を基準とした異なる複数の拡大率のそれぞれに対応した各対比用画像データと上記画像データとを対比して上記撮像画像と同標準画像とのパターンマッチングを行い、当該パターンマッチングの結果から上記撮像画像の拡大率を決定し、上記画像データを用いて同決定した拡大率に対応した上記測定処理を行うことを特徴とするX線検査装置。
  2. 上記測定手段は、上記画像データと各対比用画像データとから上記複数の拡大率別に上記撮像画像と上記標準画像との一致度を算出し、算出した一致度が最大となった拡大率を、上記測定処理を行うための拡大率として決定することを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
  3. 上記測定手段は、上記複数の拡大率別に上記撮像画像と上記標準画像との一致度を算出する際、一致度を算出する対象の拡大率について、上記画像データが示す撮像画像と上記一致度を算出する対象の拡大率に対応する対比用画像データが示す対比画像とを対比させる位置を変えながら対比させ、対比させた位置毎に上記撮像画像と上記対比画像との一致度を算出し、算出した位置別の一致度のうち最大の一致度を同対象の拡大率についての一致度とすることを特徴とする請求項2に記載のX線検査装置。
  4. 上記拡大率別に設けられた対比用画像データは、上記所定の標準画像を基準とした各拡大率別のテンプレート画像の一部を構成する位置別の対比画像を表現するデータとされ、
    上記測定手段は、上記複数の拡大率別に上記撮像画像と上記標準画像との一致度を算出する際、一致度を算出する対象の拡大率について、上記画像データと上記位置別の対比画像を表現するデータとから同撮像画像と同標準画像との位置別の一致度を算出し、算出した位置別の一致度のうち最大の一致度を同対象の拡大率についての一致度とすることを特徴とする請求項2に記載のX線検査装置。
  5. 上記測定手段は、上記画像データを用いて、上記決定した拡大率、および、当該拡大率について算出した上記位置別の一致度が最大となった位置に対応した上記測定処理を行うことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のX線検査装置。
  6. 上記撮像画像は、上記X線の進行方向と直交する所定のX軸およびY軸とから形成されるXY平面に平行な画像とされ、
    上記測定手段は、上記一致度を算出する対象の拡大率について、上記撮像画像と上記標準画像とを対比させる上記X軸方向の位置および上記Y軸方向の位置を変えながら対比させた位置毎に上記画像データと各対比用画像データとから同撮像画像と同標準画像との位置別の一致度を算出し、算出した位置別の一致度が最大となったX軸方向の位置およびY軸方向の位置、並びに、上記決定した拡大率、に対応した上記測定処理を行うことを特徴とする請求項3に記載のX線検査装置。
  7. 対象試料を載置可能なステージと、所定のX線発生点から広がりながら進行する所定強度のX線を発生させて同ステージに載置された対象試料に照射するX線発生機構と、同対象試料を透過した透過X線を撮像して撮像画像に対応する画像データを取得する画像取得手段と、取得された画像データを用いて同対象試料についての測定処理を行う測定手段とを備えるX線検査装置であって、
    上記X線発生機構は、外気に開放された位置とされた所定のX線発生点から上記X線を発生させて上記ステージに載置された対象試料に照射する機構とされ、
    上記測定手段は、所定の標準画像を基準とした異なる複数の拡大率のそれぞれに対応した各対比用画像データと上記画像データとを対比して上記撮像画像と同標準画像とのパターンマッチングを行い、当該パターンマッチングの結果から上記X線の進行方向における上記ステージに載置された対象試料の位置のばらつきおよび上記進行するX線の広がり度合のばらつきによる上記撮像画像の拡大率のずれを補償し、上記画像データを用いて補償後の拡大率に対応した上記測定処理を行うことを特徴とするX線検査装置。
  8. 対象試料を載置可能なステージと、所定のX線発生点から広がりながら進行する所定強度のX線を発生させて同ステージに載置された対象試料に照射するX線発生機構と、同対象試料を透過した透過X線を撮像して撮像画像に対応する画像データを取得する画像取得手段とを備えるX線検査装置を用いることにより、取得された画像データを用いて同対象試料についての測定処理を行うX線検査方法であって、
    上記X線発生機構を、外気に開放された位置とされた所定のX線発生点から上記X線を発生させて上記ステージに載置された対象試料に照射する機構とし、
    所定の標準画像を基準とした異なる複数の拡大率のそれぞれに対応した各対比用画像データと上記画像データとを対比して上記撮像画像と同標準画像とのパターンマッチングを行い、当該パターンマッチングの結果から上記撮像画像の拡大率を決定し、上記画像データを用いて同決定した拡大率に対応した上記測定処理を行うことを特徴とするX線検査方法。
  9. 対象試料を載置可能なステージと、所定のX線発生点から広がりながら進行する所定強度のX線を発生させて同ステージに載置された対象試料に照射するX線発生機構と、同対象試料を透過した透過X線を撮像して撮像画像に対応する画像データを取得する画像取得手段とを備え、取得された画像データを用いて同対象試料についての測定処理を行うX線検査装置の制御プログラムであって、
    上記X線発生機構は、外気に開放された位置とされた所定のX線発生点から上記X線を発生させて上記ステージに載置された対象試料に照射する機構とされ、
    所定の標準画像を基準とした異なる複数の拡大率のそれぞれに対応した各対比用画像データと上記画像データとを対比して上記撮像画像と同標準画像とのパターンマッチングを行い、当該パターンマッチングの結果から上記撮像画像の拡大率を決定し、上記画像データを用いて同決定した拡大率に対応した上記測定処理を行う機能をコンピュータに実現させることを特徴とするX線検査装置の制御プログラム。
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