図1は、本発明の一実施形態にかかる、1又は複数企業の業務を支援するためのコンフィギュラブルなバーチャルナレッジ管理システムの全体的なハードウェア構成を例示する。このバーチャルナレッジ管理システムは、一企業内で用いられてもよいし、コラボレートする複数企業で共通に用いられてもよいが、以下では、説明を簡単にするために一企業内で用いられる場合を例にとり説明する。
図1に示すように、このバーチャルナレッジ管理システムは、少なくとも1つのデータベースサーバ1、少なくとも1つのソルーションサーバ3、少なくとも1つの運営ログサーバ5、少なくとも1つのメールサーバ7、及び少なくとも1つのウェブ(WWW)サーバ8を備えており、それらのサーバ1、3、5、7及び8は通信ネットワーク10を介して相互通信可能に接続されている。さらに、複数のユーザ端末9が通信ネットワーク10に接続されており、ウェブサーバ8及びメールサーバ7にアクセスできるようになっている。ユーザ端末9は、それぞれ、(図示はされていないが)ウェブブラウザと電子メールプログラムを有して、ウェブサーバ8及びメールサーバ7にアクセスできるようになっている。ユーザは、典型的には、その企業内の各種セクション(例えば、営業部門、販売部門、開発部門、経理部門など)又は個々の従業員(被雇用者だけでなく雇用者も含み得る)であるが、その企業外の組織や人がユーザに含まれていてもよい。ユーザ端末9は、典型的には、ユーザによって使用されるパーソナルコンピュータ、携帯電話機或いはPDAなどの通信情報処理機器である。
データベースサーバ1は、その企業内に存在する1又は複数のデータベース2を管理する。各データベース2には、その企業の業務に関連する様々な種類の文書(例えば、企画書、仕様書、回覧文書、計算書、設計図面、広告文書、写真イメージ、録音データ、ムービーデータ、指示と応答、報告と承認、その他の各種メッセージ、など)が記録されている。さらに、各データベース2には、この企業内での情報のフローを制御するためのデータ(以下、「情報フロー制御データ」と総称する)も記録されている。情報フロー制御データには、様々な種類があり、例えば、文書利用権データ、ワークフローモデルデータ、プロジェクトデータなどがある。
文書利用権データとは、各ユーザがもつ文書利用権(例えば、多種多様な文書の中のどの文書に対して、検索、読み、書き、注釈入力、出力、保存又は承認などの各種利用操作のうちのどの操作が可能か、など)を定義したものである。また、ワークフローモデルデータは、或る仕事(業務プロセス)をどのユーザ(例えば、どの部署又はどの従業員)がどのような手順で行なうかというワークフローモデル(例えば、その仕事を複数のユーザが連携して行なう場合に、それらユーザ間の処理順序及び文書の流れ)を、個々の業務プロセス毎に定義したものである。また、プロジェクトデータとは、或るプロジェクトの構成(例えば、そのプロジェクトに組み込まれている業務プロセス又はワークフローモデルの種類、各業務プロセス又はワークフローモデルの部署への割り当て、割り当てられた業務プロセスを行なうときの各部署のタスク、各タスクの従業員への割り当て、割り当てられたタスクを行なうときの各従業員の役割、など)を定義したものである。
このような情報フロー制御データは、ソルーションサーバ3によって作成され、管理され、さらに、必要に応じて修正又は削除されるようになっている。そして、このような情報フロー制御データに基づいて、ソルーションサーバ3が、この企業内における情報の流れをコントロールするようになっている。
ソルーションサーバ3は、このバーチャルナレッジ管理システムの中枢部であり、そこには、この説明において「ソルーションソフトウェアスイート」と呼ばれる業務支援のためのコンピュータプログラムのセット4がインストールされている。ソルーションソフトウェアスイート4には、例えば、オブジェクトマネージャ(OM)、レビューマネージャ(RM)、ワークフローマネージャ(WM)、プロジェクトマネージャ(PM)及びアドミニストレーションマネージャ(AM)と呼ばれる5つのマネージャプログラム及び図示されていない他の幾つかのマネージャプログラムが含まれる。これらのマネージャを実行することにより、ソルーションサーバ3は、この企業内に存在する様々な文書又は情報を従来のデータベース管理システムのように管理するだけでなく、ユーザ間の協力や連携を容易化及び効率化するように、ユーザ間での様々な文書又は情報の流れをコントロールする。また、ソルーションサーバ3は、企業全体規模でその企業内の多種多様な文書又は情報を集約的に管理し、企業全体規模でそれら文書又は情報の流れを制御する。従って、企業内に複数の異なるデータベース2が存在していても、ユーザは、それらのデータベース2内の情報を、それがまるで単一のデータベース内の情報であるかのように、利用することができる。
運営ログサーバ5は、このバーチャルナレッジ管理システムの運営のためのログ情報である運営ログ6を管理する。メールサーバ7は、ユーザ間の電子メールのやりとりを中継する。後述するように、ソルーションスイート4内のレビューマネージャ(RM)によって、ユーザ間の電子メールのやりとりが制御される。
ウェブサーバ8は、ソルーションサーバ3(ソルーションソフトウェアスイート4)のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)をユーザ端末9に提供するためのものであり、そのGUIは、ユーザ端末9内のウェブブラウザを用いて表示したり操作したりすることができるハイパーテキスト形式のGUI(以下、「ウェブベースGUI」という)である。従って、ユーザは、このウェブベースGUIを介して、ソルーションサーバ3(ソルーションソフトウェアスイート4)を利用することができる。
図2は、上述したソルーションソフトウェアスイート4の構成を例示する。
図2に示すように、ソルーションソフトウェアスイート4は、例えば、オブジェクトマネージャ(OM)11、レビューマネージャ(RM)12、ワークフローマネージャ(WM)13、プロジェクトマネージャ(PM)14及びアドミニストレーションマネージャ(AM)15という5つのマネージャプログラムを有する。これらの5つのマネージャ11〜15のぞれぞれの代表的な機能を例示すると次のとおりである。
オブジェクトマネージャ(OM)11は、その企業内に存在する様々な形式と種類の文書を、その企業全体にわたり集約的に管理する。それにより、その企業内の様々な文書が企業内の様々な部署又は従業員によって有効に利用されることが可能になる。また、OM11は、個々の文書を単にファイル単位で管理するだけでなく、複数の文書を一単位のオブジェクトとして纏めて管理することができ、そして、どのような種類の文書を纏めているかという点で複数の異なるタイプの文書オブジェクトが存在する。また、OM11は、その企業内の様々な部署又は従業員が行なう企業内の様々な文書に対する利用行為(例えば、検索、読み、書き、注釈入力、承認、出力、配布又は保管など)を、それら部署又は従業員がそれぞれもつ文書利用権に応じて制御する。それにより、その企業内に存在する膨大な数の文書の中で、それぞれの部署又は従業員にとって必要な又は有用な文書が自動的に取捨選択されて、その部署又は従業員の利用に供されることになる。さらに、OM11は、後述するプロジェクトマネージャ(PM)14と協力して、その企業内の様々なプロジェクトの進捗状態に応じて、それらのプロジェクトに参加する部署又は従業員に対して、それぞれの部署又は従業員が行なうべきタスクを通知する機能をもつ。
レビューマネージャ(RM)12は、その企業内の様々な部署又は従業員の相互間の電子メールの配信を制御する。例えば、電子メールを複数のタイプに分類してタイプごとに異なる方法で電子メールのフローを制御したり、各電子メールに対する返信期限を管理したり、各電子メールの転送やコピーの配布が可能かどうかを制御したり、といった様々な形の制御が可能である。また、RM12は、その企業の様々な部署又は従業員と、文書印刷室及び文書保管室との間の通信及び文書のやり取りに関する制御も行なう。さらに、RM12は、その企業内での文書の利用状況の総合的なトラッキングも行なう。
ワークフローマネージャ(WM)13は、その企業内の様々な仕事(業務プロセス)の進め方を表したワークフローのモデルを作成して、それぞれの業務プロセスのワークフローモデルのデータをデータベース2に登録する機能をもつ。各業務プロセスのワークフローモデルデータには、どの部署又はどの従業員がその業務プロセスを担当するのか、どのような種類の文書がその業務プロセスで使用されるか、どのような順序で担当部署又は従業員が作業を行なうか又は文書を受け渡すか、といった情報が含まれる。新たなワークフローモデルを追加したり、既存のワークフローモデルをバージョンアップしたり、既存のワークフローモデルを削除したりすることが、簡単な方法で行なえる。WM13によって作成された様々な業務プロセスのワークフローモデルは、次に説明するプロジェクトマネージャ(PM)14によって、様々なプロジェクトの中に組み込まれてそれぞれのプロジェクトの進捗を制御するのに利用されることになる。
プロジェクトマネージャ(PM)14は、様々な業務プロセスが組み合わされたプロジェクトを作成して、そのプロジェクトデータをデータベース2に登録する機能をもつ。各プロジェクトデータには、どの業務プロセスがそのプロジェクトに含まれるのか、どのようなタスクがその業務プロセスに従事する部署又は従業員に割り当てられるのか、どのような役割(例えば、アナリストか、設計者か、システムエンジニアか、など)を各従業員がそれぞれのタスクで果たすのか、といった詳細情報が含まれる。また、PM14は、このようなプロジェクトの詳細情報を、そのプロジェクトに従事する部署又は従業員に通知する。さらに、PM14は、プロジェクトに含まれる業務プロセスの進捗状況を監視し、その業務プロセスに従事する部署又は従業員に対して、その進捗状況に応じた適切な文書又は情報を提供する。これにより、プロジェクトの進捗が制御される。PM14を用いることで、新たなプロジェクトを作成したり、既存のプロジェクトをバージョンアップしたり、業務プロジェクトを削除したりということが、簡単に行なえる。
アドミニストレーションマネージャ(AM)15は、このバーチャルナレッジ管理システムの全体的な運用又は制御のための各種データ(以下、運用データという)を登録する機能をもつ。例えば、ユーザの登録、ユーザの文書利用権の設定、各種の文書フォームの設定、各種の検索フォームの設定、GUIのフォームの設定、などがAM15を用いて行なうことができる。新たな運用データの作成、既存の有用データの変更、既存の運用データの削除などが、簡単に行なえる。
上述したマネージャ11〜15の機能によって、企業内の様々な文書や情報がデータベース2で単に管理されるだけでなく、業務の遂行を支援するように部署間又は従業員間における様々な文書や情報のフローの制御も併せて行なわれることになる。また、企業内に複数のデータベース2が存在しても、それら複数のデータベース2内の文書や情報を集約的に取り扱えるようになる。さらに、その企業の事情に応じて、情報フローの制御のやり方を柔軟に変えることもできる。このように、マネージャ11〜15の機能によって、企業のデータベース2は、業務遂行の効率化に一層貢献するようにその機能が強化又は改善される。図2に示すバーチャルナレッジベース20は、このように強化又は改善されたデータベースを指している。さらに、このバーチャルナレッジベース20は、その企業の業務内容や置かれた環境の変化に応じて、又は、企業毎に異なる事情に合わせて、その構成や機能を柔軟にアレンジすることができる。つまり、このバーチャルナレッジベース20はコンフィギュラブルである。企業内のあらゆるユーザ(部署又は従業員)10が、このコンフィギュラブルなバーチャルナレッジベース20を利用して各々の仕事を行なうことができる。
図3は、バーチャルナレッジベース20がもつ強化又は改善された機能の例を模式的に示している。
図3に示すように、その企業内の様々な部署(例えば、営業セクション、開発セクション、設計セクション、サービスセクションなど)又は様々な従業員(例えば、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんなど)によって作成又は編集された多種多様な文書30が、バーチャルナレッジベース20によって集約的に管理されている。そして、上述した各種の情報フロー制御データ(例えば、文書利用権、ワークフローモデル、プロジェクトデータなど)40に基づいて、部署間又は従業員間における様々な文書30のフローが自動的に制御される。その結果、企業規模での文書の共用と有効活用が促進される。
このような情報フロー制御の幾つかの具体例を以下に示す。
図4は、文書利用権データに基づいた情報フロー制御の一例を示す。
図4に示すように、その企業には例えば「Aさん」51と「Bさん」52などの複数の従業員がいる。その企業のシステム管理者57は、矢印106に示すように、アドミニストレーションマネージャ(AM)15を用いて、「Aさん」51及び「Bさん」52などの従業員の各々のための文書利用権データ(例えば、フォルダの利用制限に関するフォルダセキュリティ設定データ53、54や、利用行為の種類に関するファンクションセキュリティ設定データ55、56など)を、その企業の実情に応じて適当に作成してデータをデータベースに登録することができる。また、管理者57は、アドミニストレーションマネージャ(AM)15を用いて、必要に応じて文書利用権データの変更や修正や追加や削除等の編集を行なうこともできる。
図示の例では、「Aさん」用のフォルダセキュリティ設定データ53には、データベース内のフォルダ(例えば、「#A」と「#B」と「#C」)のうち、「Aさん」51が利用できるフォルダが何であり(例えば、「#A」と「#B」)、利用できないフォルダが何であるか(例えば、「#C」)が定義されている。「Bさん」用のフォルダセキュリティ設定データ54には、データベース内のフォルダ(例えば、「#A」と「#B」と「#C」)のうち、「Bさん」52が利用できるフォルダが何であり(例えば、「#A」と「#B」と「#C」)、利用できないフォルダが何であるか(例えば、なし)が定義されている。
図示の例では、また、「Aさん」用のファンクションセキュリティ設定データ55には、フォルダに対して「Aさん」51が行なえる利用行為の種類が何であり(例えば、参照)、行なえない利用行為は何であるか(例えば、追加、変更、改訂、消去)、並びに、文書オブジェクト(例えば、文書又は文書のセット)に対して「Aさん」51が行なえる利用行為の種類が何であり(例えば、追加、改訂、参照)、行なえない利用行為は何であるか(例えば、変更、消去)が定義されている。「Bさん」用のファンクションセキュリティ設定データ56には、フォルダに対して「Bさん」51が行なえる利用行為の種類が何であり(例えば、追加、変更、改訂、参照、消去)、行なえない利用行為は何であるか(例えば、なし)、並びに、文書オブジェクト(例えば、文書又は文書のセット)に対して「Bさん」52が行なえる利用行為の種類が何であり(例えば、追加、変更、改訂、参照、消去)、行なえない利用行為は何であるか(例えば、なし)が定義されている。
オブジェクトマネージャ(OM)11は、「Aさん」51及び「Bさん」52などの従業員の各々に対して、データベース内の様々な文書オブジェクトを利用させることができる。その際、OM11は、管理者57によって予め登録された各従業員のための文書利用権データ53、54、55、56に従って、各従業員の文書オブジェクトの利用行為を制御する。例えば、OM11は、各従業員のフォルダセキュリティ設定データに基づいて、その従業員が利用できる文書フォルダを制限する。また、例えば、OM11は、各従業員のファンクションセキュリティ設定データに基づいて、その従業員がフォルダやオブジェクトに対して行える利用行為の種類を制限する。
図示の例では、データベース内に文書フォルダ「#A」61と「#B」62と「#C」63が存在する。OM11は、「Aさん」用のフォルダセキュリティ設定データ53に従って、「Aさん」51に対して、矢印101と102に示すように、文書フォルダ「#A」と「#B」のみの利用を許可し、文書フォルダ「#C」の利用は禁止する。一方、OM11は、「Bさん」用のフォルダセキュリティ設定データ54に従って、「Bさん」52に対して、矢印103と104と105に示すように、文書フォルダ「#A」と「#B」と「#C」の全てのフォルダの利用を許可する。
この場合、各従業員のユーザ端末のスクリーンには、例えば、その従業員にとって利用可能な文書フォルダと利用不可能なフォルダとが異なる色又は態様で表示され、或いは、利用可能なフォルダのみが表示されるようにすることができる。また、各従業員のユーザ端末のスクリーンに表示された文書フォルダのうち、その従業員にとって利用可能な文書フォルダは開くことができるが、利用不可能な文書フォルダは開けないというようにすることができる。
さらに、図示の例では、OM11は、「Aさん」用のファンクションセキュリティ設定データ55に従って、「Aさん」51に対して、利用可能な文書フォルダ「#A」と「#B」について参照のみを許可し、追加、変更、改訂及び消去は禁止する。また、OM11は、「Aさん」用のファンクションセキュリティ設定データ55に従って、「Aさん」51に対して、利用可能な文書フォルダ「#A」と「#B」内のオブジェクトについて追加、改訂及び参照のみを許可し、変更及び消去は禁止する。一方、OM11は、「Bさん」用のファンクションセキュリティ設定データ56に従って、「Bさん」52に対して、利用可能な文書フォルダ「#A」と「#B」の「#C」について追加、変更、改訂、参照及び消去を許可し、それらの文書フォルダ内のオブジェクトについて追加、変更、改訂、参照及び消去を許可する。
このような各従業員の企業内の情報の利用に関する制御が、その企業の全体に亘って行なわれる。上記のような従業員ごとの情報利用制御の代わりに、又はそれと併せて、部署(つまり、グループごと)の情報利用制御を同様の方法で行なうこともできる。このような情報利用制御を企業規模で行なうことより、その企業内に存在する膨大な多種多様な文書又は情報の中から、適切な文書又は情報が取捨選択されて、適切な部署又は従業員の利用に供されることになる。
さらに、OM11は、データベース内の様々な文書を、文書オジェクトという文書データの論理的なエンティティを用いて管理している。文書オジェクトには複数のタイプがあり、それら異なるタイプの文書オブジェクトは、図4において、文書フォルダ「#B」62内に文書オブジェクト71〜76として例示されている。すなわち、例えば、シングルシート(SS)オブジェクト71、マルチシート(MS)オブジェクト72、マルチドキュメント(MD)オブジェクト73、マルチレプレゼンテーション(MR)オブジェクト74、アノテーション(AN)オブジェクト75、及びレジスタード(RG)オブジェクト76などの異なるタイプの文書オブジェクトがある。さらに、OM11は、他の複数の文書オブジェクトのセットであるワークリスト(WKL)77というオブジェクトも取り扱うことができる。図4では、図示の都合上、各タイプの文書オブジェクトが1つだけ図示されているが、言うまもなく、いずれのタイプの文書オブジェクトも複数存在し得る。
シングルシート(SS)オブジェクト71は、オブジェクト定義データ81を有し、このオブジェクト定義データ81は、1枚のシートを表した1つの文書ファイル82に関連付けられている。マルチシート(MS)オブジェクト72は、オブジェクト定義データ83を有し、このオブジェクト定義データ83は、複数枚のシートを表した1つの文書ファイル又は複数の文書ファイルのセット84に関連付けられている。例えば、1枚の独立した設計図面のような文書ファイルは、SSオブジェクト71として取り扱われるに適している。他方、例えば、1枚の大きい図面を分割した複数枚の部分図面のように、一纏めにして管理することが便利である複数シートの文書ファイルは、1つのMSオブジェクトとして取り扱われるのに適している。シングルシート(SS)オブジェクト71又はマルチシート(MS)オブジェクト72として取り扱われる文書ファイル82、84は、シングルシート(SS)オブジェクト71又はマルチシート(MS)オブジェクト72それ自体と同じフォルダ内に存在する必要は無く、ユーザが使用するローカルコンピュータを含むバーチャルナレッジベース20内の何れの場所に存在していてよい。
マルチドキュメント(MD)オブジェクト73は、オブジェクト定義データ85を有し、このオブジェクト定義データ85は、情報の異なる複数の文書ファイルのセット86に関連付けられている。例えば、一つの製品の写真と部品と説明をそれぞれ表したイメージファイルと表計算ファイルとDTPファイルのように、一纏めにして管理することが便利である異情報の文書ファイルは、1つのMDオブジェクトとして取り扱われるのに適している。マルチドキュメント(MD)オブジェクト73として取り扱われる文書ファイル86は、マルチドキュメント(MD)オブジェクト73それ自体と同じフォルダ内に存在する必要は無く、ユーザが使用するローカルコンピュータを含むバーチャルナレッジベース20内の何れの場所に存在していてよい。
マルチレプレゼンテーション(MR)オブジェクト74は、オブジェクト定義データ87を有し、このオブジェクト定義データ87は、形式の異なる複数の文書ファイルのセット88に関連付けられている。例えば、同じ設計図面のCADファイルと、ラスタイメージファイルと、ページ記述言語ファイルのように、一纏めにして管理することが便利である同一情報の異形式の文書ファイルは、1つのMRオブジェクトとして取り扱われるのに適している。マルチレプレゼンテーション(MR)オブジェクト74として取り扱われる文書ファイル88は、マルチレプレゼンテーション(MR)オブジェクト74それ自体と同じフォルダ内に存在する必要は無く、ユーザが使用するローカルコンピュータを含むバーチャルナレッジベース20内の何れの場所に存在していてよい。
アノテーション(AN)オブジェクト75は、オブジェクト定義データ90を有し、このオブジェクト定義データ90は、他のいずれかの文書オブジェクト91に付随すると共に、アノテーションの内容を表す文書ファイル又は文書ファイルのセット92に関連付けられている。例えば、或る会議を録音したサウンドデータファイルは、その会議の議事録を記述した文書オブジェクトに付随するANオブジェクトとして取り扱われるのに適している。アノテーション(AN)オブジェクト75として取り扱われる文書ファイル92は、アノテーション(AN)オブジェクト75が付随する文書オブジェクト91それ自体と同じフォルダ内に存在する必要は無く、ユーザが使用するローカルコンピュータを含むバーチャルナレッジベース20内の何れの場所に存在していてよい。
レジスタード(RG)オブジェクト76は、オブジェクト定美データ89のみを有し、これに関連付けられた実際の文書ファイルは未だ無いが、とりあえず形式的にデータベースに登録される文書オブジェクトである。後に、或る文書ファイルと関連付けられることで、RGオブジェクト76は、他の上述したいずれかのタイプに変わることができる。
ワークリスト(WKL)77は、オブジェクト定義データ93を有し、このオブジェクト定義データ93は、他の1又は複数(通常は、複数)の文書オブジェクト(図示の例では、文書オブジェクト72と73)に関連付けられている。例えば、或る仕事を行うために使用される複数の文書オブジェクトは、一つのワークリスト(WKL)として取り扱われるのに適している。ワークリスト(WKL)93として取り扱われる複数の文書オブジェクトは83、85は、同じフォルダ内に存在する必要は無く、バーチャルナレッジベース20内の何れの場所に存在していてよい。
図4に例示するように、いずれの文書オブジェクト71、72、73、74、75、76、77も、その文書オブジェクトのタイプを示すタイプ識別子を含んだオブジェクト定義データ81、83、85、87、89、90、93を有している。OM11は、文書オブジェクト71、72、73、74、75、76、77のタイプをオブジェクト定義データ81、83、85、87、89、90、93内のタイプ識別子に基づいて識別する。そして、OM11は、従業員のユーザ端末のスクリーンに文書オブジェクト71、72、73、74、75、76、77のシンボル(例えばアイコン)を表示するときには、それぞれのタイプに固有のデザインのシンボルを用いることができる。また、OM11は、MS、MD、MR 、AN又はWKLのように複数文書ファイル又は複数文書オブジェクトを纏めたオブジェクトの内容をユーザ端末のスクリーンに表示するときには、そのオブジェクトに関連付けられた複数の文書ファイル又は文書オブジェクトの内容を同時に又は逐次に表示することができる。
図5は、電子メールのフロー制御の具体例を示す。
図5に示すように、その企業には例えば「Aさん」111と「Bさん」112と「Cさん」113などの複数の従業員がいる。これらの従業員がやり取りする電子メールには、複数のタイプがある。例えば、フォーマルメール(FM)、インフォーマルメール(IFM)及びブルテンメール(BM)の3つのタイプのメールがある。FMでは、各種の通信制御設定(例えば、返信期限、転送許可、及び通信グループ制限等に関する設定)を細かく行なうことができる。IFMでは、通信制御設定がFMほどには細かく行なえない。BMは、情報を送信するだけの(つまり、返信できない)メールであり、例えば社報の配布などの用途に用いられる。
その企業のシステム管理者114は、矢印158に示すように、アドミニストレーションマネージャ(AM)15を使用して、それぞれのタイプの電子メールについて、その企業の実情に応じた適当なフォームを作成してデータベースに登録することができる。ここで、電子メールのフォームとは、電子メールに予め含まれている様々な情報項目の中から選ばれた、電子メールを表示するときに表示される情報項目のセット、換言すれば、電子メールの情報を表示するときに用いるインデックスの書式である。どのような種類の通信制御設定ができるかは、フォーム次第である。図示の例では、FM用に2種類のフォーム「F#1」と「F#2」が、IFM用に1種類のフォーム「IF#1」が、BM用に1種類のフォーム「B#1」が作成されている。また、管理者114は、アドミニストレーションマネージャ(AM)15を用いて、必要に応じてメールフォームの変更や修正や追加や削除等の編集を行なうことができる。
「Aさん」111、「Bさん」112及び「Cさん」113などの各従業員のためのメールボックス(MB)121、131、132が存在する。AさんMB121に関連してFMフォルダ122、IFMフォルダ123及びBMフォルダ124が図示されているように、各人のメールボックスに関連して、上述したメールタイプ(つまり、FM、IFM、BM)別のメールフォルダがある。
レビューマネージャ(RM)12は、各従業員に対して、任意のメールフォームを使用して任意のタイプの電子メールを作成して任意の宛先に送信する機能を提供する。また、レビューマネージャ(RM)12は、各従業員に対して、その従業員に宛てて送信された電子メールを、その従業員のメールボックスに格納して、そのメールボックス内の受信メールをその従業員に表示する機能を提供する(矢印151、155、157)。そのとき、レビューマネージャ(RM)12は、受信メールのタイプを識別して、その受信メールをそのタイプに対応するメールフォルダに格納する。さらに、レビューマネージャ(RM)12は、各従業員に対して、受信メールの転送や返信などの通信を、その受信メールに付された通信制御設定に基づいて制御する機能を提供する。
例えば、図5において矢印158に示すように、「Cさん」113が、FM用フォーム「FM#1」142を用いてフォーマルメール(FM)125を作成して、それを「Aさん」111に宛てて送信したとする。このとき、「Cさん」113は、FM125において、返信期限の設定を「2002年4月1日」とし、転送許可(AF)の設定を「ON」にし、通信グループ制限(LM)の設定を「ON」にしたとする。この場合、RM12は、受信者である「Aさん」111にFM125を表示するときには、「2002年4月1日」という返信期限を表示するとともに、「Aさん」111がこのFM125に対して返信をしたか否かということと、まだ返信してない場合には期限「2002年4月1日」を経過したか否かを監視して、その監視結果を例えば色付きのシンボルなどを用いて表示する。
また、上記例の場合、RM12は、FM125の転送許可(AF)の設定が「ON」であることから、「Aさん」111がFM125を他のアドレスに転送できないように制御する(例えば、FM125の表示画面において「転送」のメニューが操作できないようにする)。
さらに、上記例の場合、RM12は、FM125の通信グループ制限(LM)の設定が「ON」であることから、「Aさん」111がFM125に対する返信メールを送信しようとする場合、その返信メールの宛先を、FM125の送信者である「Cさん」111と、FM125の宛先になっていたアドレスのみに制限する。例えば、「Cさん」111がFM125を「Aさん」111と「Bさん」112の二人だけに宛てて送信していたならば、FM125に対する返信メールの宛先は、「Cさん」111と「Aさん」111と「Bさん」112の3人のグループ内に制限され(よって、矢印153と154の返信だけが可能である)、それ以外のアドレスには返信メールを送ることができない。
他方、図5に例示されているもう一つのFM126においては、転送許可(AF)の設定が「OFF」であることから、「Aさん」111はFM126を他のアドレスに転送することができる。また、FM126においては通信グループ制限(LM)の設定が「OFF」であることから、「Aさん」111はFM126対する返信メールを、任意のアドレスに送ることができる。
以上のような電子メールの通信制御により、秘密性のある重要な電子メールを不適切なアドレスへ誤って送ってしまうことが防止される。
図6は、ワークフローモデルデータ及びプロジェクトデータに基づいた情報フロー制御の具体例を示す。
図6に示すように、その企業には例えば「部署A」161、「部署B」164、「部署C」及び「部署D」などの複数の部署がある。「部署A」161には、例えば「Aさん」162及び「Bさん」163などの複数の従業員が所属しており、また、「部署B」164には、例えば「Cさん」165及び「Dさん」166などの複数の従業員が所属している。その他に、システム管理者167、ワークフローを作る権限をもった「Xさん」168及びプロジェクトを作成する権限をもった「Yさん」169などの従業員もいる。
システム管理者167は、アドミニストレーションマネージャ(AM)15を用いて、矢印204で示すように、この企業内に存在する部署と従業員の情報や、この企業で用いられる各種文書のフォームなどを、データベースに登録することができる。ここで、文書のフォームとは、文書オブジェクトに予め含まれている様々な情報項目の中から選ばれた、文書オブジェクトを表示するときに表示される情報項目のセット、換言すれば、文書オブジェクトの情報を表示するときに使用されるインデックスの書式である。図示の例では、「A部署」従業員データ173として、「A部署」161とそこに所属する「Aさん」162と「Bさん」161に関する情報が登録されており、また、「B部署」従業員データ174として、「B部署」164とそこに所属する「Cさん」165と「Dさん」166に関する情報が登録されている。また、「フォームA」や「フォームB」などの様々な文書のフォーム171、172が登録されている。必要に応じて、システム管理者167は、AM15を用いて、登録された任意の部署と従業員の情報及び各種文書のフォームなどに関して、変更、修正又は消去などの編集を行なうことができる。
ワークフローを作る権限をもった「Xさん」168は、ワークフローマネージャ(WM)13を使用して、矢印205で示すように、任意の様々な業務プロセスのワークフローモデルを作成して、それをデータベースに登録することができる。図示の例では、「PROC1」、「PROC2」及び「PROC3」などの複数の業務プロセスのワークフローモデル175、178、179が登録されている。各業務プロセスのワークフローモデルには、「PROC1」ワークフローモデル175に関し例示されているように、「Xさん」168によって作られたその業務プロセスにおける部署間の作業又は文書のフロー(以下、「プロセス情報フロー」という)176と、「Xさん」168によって指定された部署間の報告に使用される文書の指定(以下、「報告文書指定」という)177が含まれている。例えば、「PROC1」ワークフローモデル175においては、プロセス情報フロー176は、「部署A」でスタートして、次に「部署B」と「部署C」に引き継がれ、そして「部署D」に集まって終わるという、作業又は文書のフローを定義している。また、「PROC1」ワークフローモデル175の報告文書指定177は、「文書A」と「文書B」の2種類の文書が部署間の報告に使用されることを定義している。必要に応じて、「Xさん」168は、WM13を使用して、登録された任意の業務プロセスのワークフローモデルに関して、変更、修正及び消去などの編集を行なうことができる。
「Xさん」168は、また、ワークフローマネージャ(WM)13を使用して、矢印205で示すように、任意の様々なタスク(タスクは、業務プロセスの構成要素となる、より細かい仕事のエンティティである)198を作成して、それをデータベースに登録することができる。図示してないが、「Xさん」168は、更に、予め登録されたタスクの各々の下に、任意の様々なサブタスク(サブタスクは、タスクの構成要素となる更に細かい仕事のエンティティである)を作成して、それをデータベースに登録することもできる。各サブタスクの下に、更に細かい別のサブタスクを作成してデータベースに登録することもできる。このようにして、各タスクのデータは、様々なサブタスクのデータのツリー状の階層構造として作成されてデータベースに登録されることができる。必要に応じて、「Xさん」168は、WM13を使用して、登録された任意のタスク又はサブタスクに関して、変更、修正及び消去などの編集を行なうことができる。WM13の代わりに、プロジェクトマネージャ(PM)14を使用することによっても、任意のタスク及びサブタスクの作成、登録及び編集が可能である。
プロジェクトを作成する権限をもった「Yさん」169は、プロジェクトマネージャ(PM)14を使用して、矢印203で示すように、任意の様々なプロジェクトのデータを作成して、それをデータベースに登録することができる。図示の例では、「PROJ1」という1つのプロジェクトのプロジェクトデータ183が登録されている。各プロジェクトのプロジェクトデータには、「PROJ1」のプロジェクトデータ183に関して例示されているように、「Yさん」169によって指定されたそのプロジェクトを構成する1又は複数の業務プロセスの指定184、197が含まれる。例えば「PROJ1」のプロジェクトデータ183には、「PROC1」と「PRPC2」の2つの業務プロセスの指定184、197が含まれている。
PM14は、「Yさん」169からの業務プロセス指定184、197に基づいて、指定された業務プロセス「PROC1」及び「PROC2」のワークフローモデル175、178を、このプロジェクト「PROJ1」のプロジェクトデータ183に関連付ける。そして、PM14は、このプロジェクト「PROJ1」のプロジェクトデータ183内に、上記の関連付けを利用して、指定された業務プロセス「PROC1」及び「PROC2」の各々に関して、報告文書フォーム105と部署データ189、194、195、196を自動的に用意する。例えば、業務プロセス「PROC1」に関して、「PROC1」のワークフローモデル175に基づいて、「文書A」フォーム186(「文書A」フォーム171のコピー)と「文書B」フォーム187(「文書B」フォーム172のコピー)を含んだ報告書フォーム185と、業務プロセス「PROC1」の実施に携わる「部署A」、「部署B」、「部署C」及び「部署D」という4つの部署の部署データ189、194、195、196が、PM14によって自動的に用意される。
さらに、プロジェクト「PROJ1」のを作成する際、「Yさん」169は、そのプロジェクトデータ183内の各業務プロセスに関する部署データ189、194、195、196の各々の具体的内容として、その部署の作業予定191と、その部署に対する作業段階毎のタスクの割当192(WM13によって登録された様々なタスク198の中から、任意のタスクを選んで、その部署に割り当てることができる)と、その部署内の従業員に対する役割の割当193とを設定することができる。図示の例では、業務プロセス「PROC1」に関する「部署A」の部署データ189の具体的内容として、作業予定191には、例えば開始予定日「2002年4月1日」と完了予定日「2002年9月1日」が設定されている。また、タスク割当192では、例えば、「段階1」(例えば、全体作業期間内の前期)に「タスク1」(例えば、需要分析)が割り当てられ、「段階2」(例えば、全体作業期間内の中期)に「タスク2」(例えば、全体設計)と「タスク3」(例えば、部品設計)が割り当てられ、そして、「段階3」(例えば、全体作業期間内の後期)に「タスク4」(例えば、試作テスト)が割り当てられている。また、役割割当193では、例えば「役割1」(例えば、アナリスト)に「Aさん」が割り当てられ、「役割2」(例えば、システムエンジニア)に「Bさん」が割当てられている。「Yさん」169が役割割当193を設定する際には、PM14が、従業員登録データ173、174に基づいて、各部署に所属する従業員のリストを自動的に表示するので、「Yさん」169の設定作業は容易である。必要に応じて、「Yさん」169は、PM14を使用して、登録されたプロジェクトデータ183に関して、変更、修正又は消去などの編集を行なうことができる。
PM14は、登録されたプロジェクトデータ183に基づいて、矢印200で示すように、各部署161、164ごとに、処理されるべき様々なジョブをリストアップしたタスクリスト181、182を作成する。例えば、図示のように、「部署A」用のタスクリスト181や「部署B」用のタスクリスト182など、登録されたプロジェクトに携わる全ての部署用のタスクリストが作成される。例えば、「部署A」用のタスクリスト181には、登録されたプロジェクトデータ183に基づいて「部署A」161に割り当てられた様々なジョブがリストアップされている。例えば、その1行目は「タスク1」にて「役割1」の従業員が行なうべきジョブを表し、2行目は「タスク1」にて「役割2」の従業員が行なうべきジョブを表し、3行目は「タスク2」にて「役割1」の従業員が行なうべきジョブを表し、4行目は「タスク2」にて「役割2」の従業員が行なうべきジョブを表している。図示省略してあるが、「タスク3」や「タスク4」などの他のタスクに関するジョブも同様にこのリスト181に示されている。タスクリスト181、182には、各ジョブについて、予定(予定開始日、予定完了日)や、進捗(実際の開始日や完了日や、予定より遅れているか否かなど)や、段階名や、業務プロセス名なども表示される。
PM14は、各部署のタスクリスト181、182に、その部署に割り当てられた全てのジョブを掲載することもできるが、それに代えて、業務プロセスの進捗に応じてその部署では未だ着手してはならないジョブを掲載しないようにすることもできる。例えば、図示ように、プロジェクト「PROJ1」の業務プロセス「PROC1」に関しては、「PROC1」のワークフローモデル175に定義されているように、「部署A」の作業の後に「部署B」が作業を行なうことになっている。よって、「部署A」におけるジョブが終わらないと、「部署B」におけるジョブが着手できない。後述するように、PM14は、各部署での各ジョブの進捗を監視して、どのジョブが開始され、また、完了したかということを記録している。このPM14によるジョブ進捗の監視結果に基づいて、OM11は、例えば、「部署A」でのジョブが完了しないうちは、その「部署A」でのジョブに後続する「部署B」でのジョブを、「部署B」のタスクリスト182には掲載せず、「部署A」でのジョブが完了した時点で、その後続のジョブを「部署B」のタスクリスト182には掲載するようにすることができる。
OM11は、PM14により上記のようにして作成された各部署用のタスクリストを、その部署の従業員に提供することができる。例えば、OM11は、矢印201で示すように、「A部署」用のタスクリスト181を、「A部署」161の従業員162、163のユーザ端末のスクリーンに表示することができ、また、矢印202で示すように、「B部署」用のタスクリスト182を、「B部署」164の従業員165、166のユーザ末のスクリーンに表示することができる。
各従業員は、自分のユーザ端末のスクリーンに表示されたタスクリストの中から、自分が行なうべきジョブを選択することができる。或る従業員がタスクリスト中から或るジョブを選択すると、PM14は、その従業員によってそのジョブの実行が開始されたと判断して、その時の日付けをそのジョブの実際の開始日として設定する。また、各従業員は、PM14を使用して、自分の選択した(つまり、自分が実行した)ジョブに関して、報告書フォーム185を開き、その報告書フォーム185に任意のコメントを記入することで、後続のジョブを担当する従業員への作業報告を作成することができる。その従業員によるそのジョブに関する作業報告の作成が終わると、PM14は、そのジョブが完了したと判断して、その従業員が作成した報告書(つまり、その従業員のコメントが記入された報告書フォーム165)を保存する。既に説明したように、OM11が、完了したジョブに後続するジョブを、その後続のジョブを割り当てられた別の部署用のタスクリストに掲載する。この別の部署用のタスクリストから、その後続のジョブを或る従業員が選択すると、PM14は、その後続のジョブが開始されたと判断する。そして、その後続のジョブを選択した従業員は、PM14を使用して、そのジョブに関し、前の従業員のコメントが既に記入されている報告書フォーム185を開き、その前の従業員のコメントを読むもとができ、また、自分のコメントを追加記入して、更に後続のジョブを担当する従業員への報告書を作成することができる。例えば、「部署A」161の「Aさん」162及び「Bさん」163が、それぞれのジョブが終わったときに、矢印206に示すように、報告書フォーム185を開いて、そこにそれぞれのコメントを記入する。その後、「部署B」164の「Cさん」165及び「Dさん」166が、後続のジョブを実行する際に、矢印207で示されているように、その報告書フォーム185を開いて、「Aさん」162及び「Bさん」163のコメントを読み、そして、自分達のコメントを追加記入する。こうして「部署A」161及び「部署B」164の人々のコメントが入った報告書フォーム185は、更に後続のジョブを担当する「部署D」の人々への報告書となる。
上述した情報フロー制御では、部署から部署へのワークフローモデルを利用しているが、シフト勤務の複数のシフト当番グループ間のワークフローモデルや、或いは、個々の従業員間のワークフローモデルなどを用いて、シフト当番グループ間或いは従業員間の情報フロー制御を行なうこともできる。
上記のようなワークフローモデル又はプロジェクトデータに基づいた情報フロー制御によって、協力して業務を行なう複数の部署間及び従業員間の連携が容易化される。
以下では、ソルーションサーバ3(ソルーションソフトウェアスイート4)がウェブサーバ8を介してユーザ端末9提供する図7以下に例示された様々なGUIウィンドウを参照しながら、ソルーションソフトウェアスイート4がもつ代表的な機能と動作を具体的に説明する。以下に例示する全てのGUIウィンドウにおいて、アンダーラインの付された文字列は、そこにその文字列に対応するオブジェクト又はアイテムへのリンクが埋め込まれており、その文字列をユーザが操作する(例えば、クリックする)と、リンクされた対応のオブジェクト又はアイテムを見ることができるようになっている。
図7〜図23は、ワークフローマネージャ(WM)13によって提供される様々なGUIウィンドウの例を示す。以下、これらのGUIウィンドウを参照して、WM13の機能と動作を説明する。
ユーザがWM13を開くと、例えば図7に示すようなGUIウィンドウがユーザ端末の表示スクリーンに表示される。
図7に示されたGUIウィンドウは、複数のサブウィンドウ300、301、500、501から構成される。上段と下段のサブウィンドウ300、301には、オブジェクト(Object)ボタン302、レビュー(Review)ボタン303、ワークフロー(Workflow)ボタン304、プロジェクト(Project)ボタン305、アドミニストレータ(Administrator)ボタン307があり、ユーザは、それぞれのボタンを押す(例えば、マウスでクリックする)ことで、ソルーションソフトウェアスイート4に含まれる上述の5種類のマネージャ11〜15を選択的に開くことができる。また、上段のサブウィンドウ300内のログアウト(Logout)ボタン306を押すことで、ユーザはソルーションサーバ3(ソルーションソフトウェアスイート4)からログアウトすることができる。上段と下段のサブウィンドウ300、301は、いずれのマネージャ11〜15を開いた場合にも共通に表示される。
中央の2つのサブウィンドウ500と501は、WM13に特有のGUIを提供するものである。
中央の左側のサブウィンドウ500は、ワークフロー構造(Workflow Structure)ウィンドウと呼ばれ、そこには、データベースに現在登録されている様々な業務プロセスのワークフローモデルのトリー状の階層的な論理構造(Workflow Structure)が、ワークフローモデルの様々なデータ項目を表したフォルダアイコンを使ってグラフィカルに表示される。すなわち、ユーザによって作成された様々な業務プロセスのワークフローモデルは、ワークフロー構造ウィンドウ500に示されるような論理的な階層状のデータ構造を用いて、WM13によってデータベース内で管理されている。
図7に示された例では、ワークフロー構造ウィンドウ500内に、「TKIC」という名称のフォルダが表示されている。このフォルダ「TKIC」は、「TKIC」という名称をもつ所定の業務カテゴリ(例えば、企業グループ、個々の企業、その企業内の事業部、工場又は支社などの個々の組織、或るいは、事業年度、事業範囲、事業目的、などであって、それは、その企業の都合に合わせてシステム管理者等の所定の設定権限者が自由に設定できる)を表している。このフォルダ「TKIC」を開くと、その下位に「Design」、「Development」、「Scope」、「Testing」及び「Training」という名称の業務プロセスをそれぞれ表したプロセスフォルダが表示される。これは、「TKIC」という業務カテゴリー(例えば、「TKIC」という名称の企業)の下に、「Design」、「Development」、「Scope」、「Testing」及び「Training」という業務プロセスが登録されていることを意味する。
各業務プロセスを表すプロセスフォルダを開くと、プロセスフォルダの下位に、その業務プロセスを担当することになる1又は複数の部署をぞれぞれ表した部署フォルダが表示される。例えば、業務プロセス「Design」のプロセスフォルダの下位に、業務プロセス「Design」を担当することになる部署「R & D」、「Finance」、「Hardware」及び「Software」をそれぞれ表した部署フォルダが表示される。
さらに、図8に例示するように、各部署の部署フォルダを開くと、その部署に所属する(又は、その部署に所属し且つその業務プロセスを担当する権限をもつ)1又は複数の従業員をそれぞれ表した従業員フォルダが表示される。例えば、業務プロセス「Design」のプロセスフォルダの下位の部署「R & D」の部署フォルダの下位には、部署「R & D」に所属する(又は、部署「R & D」に所属し且つ業務プロセス「Design」を担当する権限をもつ)従業員「Jack」、「Fred」、「Hemant」及び「Yukio」をそれぞれ表した従業員フォルダが表示される。
再び図7を参照して、ワークフロー構造ウィンドウ500には、部署(section)ボタン502とシフト(shift)ボタン503がある。部署(section)ボタン502を押すと、ワークフロー構造ウィンドウ500内に、部署関連(Section wise)の業務プロセスのみが選択又は強調されて表示され、シフト(shift)ボタン503を押すと、シフト関連(Shift wise)の業務プロセスのみが選択又は強調されて表示される。図7の例は、部署(section)ボタン502が押された場合を表しており、そこでは、部署関連の業務プロセス、例えば「Design」、「Development」及び「Scope」、のみが強調して表示されている。一方、図9の例は、シフト(shift)ボタン503が押された場合を表しており、そこでは、シフト関連の業務プロセス、例えば「Testing」及び「Training」、のみが強調して表示されている。ここで、部署関連の業務プロセスとは、1又は複数の部署の連携によって遂行される業務プロセスであり、シフト関連の業務プロセスとは、複数のシフトの交替によって遂行される業務プロセスである。後述するように、部署関連の業務プロセスのワークフローモデルを作成又は編集するときと、シフト関連の業務プロセスのワークフローモデルを作成又は編集するときとでは、WM13は、異なるワークフローモデル作成ツールをユーザ端末に提供する。そして、WM13は、作成又は編集された業務プロセスのワークフローモデルをデータベースに登録するとき、そのワークフローモデルに、その業務プロセスの種別(部署関連かシフト関連か)を示す情報を関連付けて、そのワークフローモデルをデータベースに登録することができる。そしてWM13は、データベース内の様々な業務プロセスのワークフローモデルに関連付けられた上記情報にから、それらの業務プロセスの種別を識別することができる。
なお、システム管理者によるアドミニストレーションマネージャ(AM)15を用いた環境設定において、部署関連とシフト関連の内のどの種類の業務プロセスの作成を可能とし不可能とするかを任意に設定できる。その環境設定で部署関連とシフト関連の内の一方の種類の業務プロセスのみが作成可能と設定された場合には、WM13は、作成不能と設定された業務プロセスの作成機能を無効とし、かつ、上述した業務プロセスの種別に応じてワークフローモデルの表示や作成などの処理を違える機能を無効にすることができる。
図7を参照して、中央右側のサブウィンドウ501は、ワークフローマネージャ(WM)メインウィンドウと呼ばれ、そこには、選択された業務カテゴリ(例えば、「TKIC」)の下に登録されている全ての業務プロセスをリストしたプロセスリスト507が表示される。この業務プロセスリスト507には、各業務プロセス毎に、プロセス名称(Process Name)、作成日時(Creation Date)、改訂版番号(Rev. No.)、作成者(Author)、使用されることになる1又は複数の文書のフォーム(Form)、選択(Select)ボタンなどの項目の情報が表示される。プロセスリスト507内の各業務プロセスのプロセス名を開くと(例えば、マウスでダブルクリックすると)、WM13は、その業務プロセスのワークフローモデルの詳細をメインウィンドウ501に表示する。
また、WMメインウィンドウ501の上部には、登録(Registration)コンボボックス504、ワークフロー(Workflow)コンボボックス505、及び検索(Search)コンボボックス506がある。登録コンボボックス504は、ユーザが業務プロセスに関連する各種アイテムの登録を行ないたいときに、登録したいアイテムの種類を選択するためのものであり、図7に示すように、そのプルダウンメニュー504Mには、プロセス(Process)、部署(Section)、タスク(Task)、サブタスク(Sub Task)及びシフト(Shift)などの様々なアイテム種類のメニュー項目がある。ワークフローコンボボックス505は、業務プロセスのワークフローモデルの作成又は編集をユーザが行ないたいときに、作成又は編集したいワークフローモデルの種類を選択するためのものであり、その具体的な説明は後述する。検索(Search)コンボボックス506は、業務プロセスに関するアイテムの検索を行なうときに、検索したアイテムの種類を選択するためのものである。
さて、ユーザは、新たな業務プロセスを登録したい場合、或いは、登録済みの業務プロセスを変更又は削除したい場合、図7に示すように、登録コンボボックス504のプルダウンメニュー504Mを開き、プルダウンメニュー504Mの中からプロセス(Process)のメニュー項目を選択することができる。すると、WM13は、図8に示すように、メインウィンドウ501内のプロセスリスト507の下部に新規(New)ボタン508、変更(modify)ボタン509、削除(Delete)ボタン510及びOKボタン511などを表示する。新規(New)ボタン508は、新規の業務プロセスを登録するためのものである。変更(modify)ボタン509及び削除(Delete)ボタン510はそれぞれ、プロセスリスト507内で選択ボタンによって選択されている1つの登録済み業務プロセス(図8の例では、業務プロセス「Training」)を変更及び削除をするためのものである。
図8のメインウィンドウ501において、ユーザが新規(New)ボタン508を押すと、WM13は、図9に示すように、新規プロセス登録ツールをメインウィンドウ501に表示する。この新規プロセス登録ツールには、プロセス基本情報テーブル512、フォーム選択ツール513〜514、及びOKボタン516などが含まれる。プロセス基本情報テーブル512には、その新規業務プロセスのプロセス名、改訂版番号、及び作成者名をユーザがエントリすることができる。フォーム選択ツール513〜514は、システム管理者によってアドミニストレータマネージャ15を用いて事前に登録されている各種のフォームの名称の表示と選択ボックスを含んでおり、それら事前登録されたフォームの中からこの業務プロセスで使用する1以上のフォームをユーザが選択することを可能にする。図9の例では、予め登録されている3種類のフォーム「Approval」、「Default」及び「Specifications」の中から、新規の業務プロセス「Change Control」で使用するフォームとして、2種類のフォーム「Approval」、「Default」が選択されている。フォーム選択ツール513〜514の各フォーム名称が操作されると(例えば、ダブルクリックされると)、WM13は、図10に示すように、そのフォームをメインウィンドウ501に表示する。図10の例は、フォーム「Specification」を示しており、それは、システム管理者によってアドミニストレータマネージャ15を用いて予め設定された様々な記入ボックス518〜522を含んでいる。図10のメインウィンドウ501内のフォームの下に表示された戻る(Return)ボタンを押すことで、メインウィンドウ501の表示は、図9に示す新規プロセス登録ツールに戻る。
図9に示すメインウィンドウ501上の新規プロセス登録ツールにおいて、プロセス基本情報テーブル512に所要事項がエントリされ、フォーム選択ツール513〜514で使用されるべきフォームが選択された後、OKボタン516が押されると、WM13は、新規プロセス登録ツールで設定された新規業務プロセスに関するプロセス名、改訂版番号、作成者、及び使用フォーム種類などのデータを、その新規業務プロセスのワークフローモデルの既に説明したような階層状のデータ構造の一部として、データベースに登録する。そして、WM13は、図11に示すように、再びプロセスリスト507をメインウィンドウ501に表示するが、そのプロセスリスト507には、先ほど登録された新規の業務プロセス、例えば「Change Control」、の表示が追加されている。
ユーザは、任意の業務プロセスのワークフローを作成又は編集しようとする場合、図11に示すように、ワークフローコンボボックス505のプルダウンメニュー505Mを開き、そのプルダウンメニュー505M中から、部署関連ワークフロービルダ(Builder(Section wise))又はシフト関連ワークフロービルダ(Builder(Shift wise))を選択することができる。
ユーザは、部署関連の業務プロセスのワークフローモデルを作成又は編集したい場合には、部署関連ワークフロービルダ(Builder(Section wise))を選択することができる。すると、WM13は、図12に示すように、プロセスリスト507に部署関連の業務プロセスだけを選んで表示し、そして、そのプロセスリスト507の下にOKボタン524、ビュー(View)ボタン525、変更(Modify)ボタン526、削除(Delete)ボタン527及びキャンセル(Cancel)ボタン528などを表示する。他方、ユーザがシフト関連ワークフロービルダ(Builder(Shift wise))を選択したならば、後に図17を参照して説明するように、WM13は、プロセスリスト507にシフト関連の業務プロセスだけを選んで表示し、そして、そのプロセスリスト507の下に同様のボタン524〜528を表示する。ここで、先ほど登録された新規の業務プロセス、例えば「Change Control」は、まだ種類が部署関連かシフト関連か定まってないのであるが、これは、部署関連とシフト関連の何れのワークフロービルダーが選択された場合でも、プロセスリスト507に表示されることになる。
図12に示すように部署関連ワークフロービルダ(Builder(Section wise))が選択された場合において、ユーザは、或る業務プロセスについてワークフローモデルを新規に作成しようとする場合、プロセスリスト507でその業務プロセスを選択し、そして、OKボタン524を押すことができる。また、ユーザは、或る既存の業務プロセスについて既に作成済みのワークフローモデルを変更しようとする場合には、プロセスリスト507でその業務プロセスを選択し、そして、変更ボタン526を押すことができる。
ここで、ユーザが、例えば、業務プロセス「Change Control」をプロセスリスト507で選択して、OKボタン524を押したとする。すると、WM13は、図13に示すように、選択された業務プロセス「Change Control」について部署関連のワークフローモデルを作成及び編集するためのツールをメインウィンドウ501に表示する。表示されたワークフローモデル作成ツールには、部署コンボボックス521、部署確認(Confirm Section)ボタン532、変更(Modify)ボタン533、追加(Add)ボタン534、削除(Delete)ボタン535、合流元(Conv From)ボタン536、合流先(Conv To)ボタン537、属性(Attribute)ボタン538、合流(Converge)ボタン539、戻る(Return)ボタン540及びワークフロー表示エリア541などが含まれる。このツールを使ってワークフローを作成する手順の一例を示すと以下のとおりである。
図13に示すように、ユーザは、この業務プロセス「Change Control」の始点となるべき部署、例えば「R & D」、を部署コンボボックス521で選択して、追加ボタン534を押し、そして、部署確認ボタン532を押すことができる。すると、WM13は、図1に示すように、選択された部署「R & D」のアイコン542をワークフロー表示エリア541に表示し、そして、部署「R & D」をこの業務プロセス「Change Control」の始点として確定させる。
その後、ユーザは、図15に示すように、始点の部署「R & D」から仕事を引き継ぐべき部署、例えば「Finance」、を部署コンボボックス521で選択して、追加ボタン534を押し、そして、部署確認ボタン532を押すことができる。すると、WM13は、部署「Finance」のアイコン543をワークフロー表示エリア541に表示し、部署「R & D」アイコン542から部署「Finance」アイコン543へと向かう矢印544を表示し、そして、部署「Finance」を部署「R & D」から仕事を引き継ぐべき部署として確定する。さらに、もし、部署「R & D」から仕事を引き継ぐべき別の部署、例えば「Hardware」があるならば、ユーザは、その部署「Hardware」についても上記と同様の操作を行なうことができ、すると、WM13は、その部署「Hardware」についても上記と同様に、部署「Hardware」のアイコン545をワークフロー表示エリア541に表示し、部署「R & D」アイコン542から部署「Hardware」アイコン545へと向かう矢印546を表示し、そして、部署「Hardware」を部署「R & D」から仕事を引き継ぐべきもう一つの部署として確定する。
その後、ユーザは、図16に示すように、部署「Finance」及び「Hardware」の双方から仕事を引き継ぐべき部署、例えば「Quality Test」、を部署コンボボックス521で選択して、追加ボタン534を押し、そして、部署確認ボタン532を押すことができる。すると、WM13は、図16に示すように、選択された部署「Quality Test」のアイコン547をワークフロー表示エリア541に表示する。さらに、ユーザは、部署「Finance」と「Hardware」のアイコン543、545をそれぞれクリックしてから合流元ボタン536を押し、さらに、部署「Quality Test」のアイコン547をクリックしてから合流先ボタン537を押すことができる。すると、WM13は、図16に示すように、部署「Finance」と「Hardware」のアイコン543、545から部署「Quality Test」のアイコン547へそれぞれ向かう矢印548、549を表示し、そして、部署「Quality Test」を部署「Finance」及び「Hardware」の双方から仕事を引き継ぐべき部署として確定する。
このようにして、部署関連のワークフローモデルが作成されていき、それがワークフロー表示エリア541にフローチャートの形でグラフィカルに表示される。例えば図16でワークフロー表示エリア541に表示されたワークフローモデルのフローチャートにおいて、部署アイコン542、543、545、547はこの業務プロセス「Change Control」を実行すべき部署を表しており、矢印544、546、548、549はそれら部署間の仕事と文書の流れを表している。
図16において、ユーザが、戻るボタン540を押すと、WM13は、この業務プロセス「Change Control」のワークフローモデルを、図16に示されたフローチャートの通りのものとして確定し、そのワークフローモデルをデータベースに登録し、そして、(図示してないが)ワークフロ-構造ウィンドウ500に、その業務プロセス「Change Control」のフォルダアイコンを追加する。この業務プロセス「Change Control」が或るプロジェクトの中で実際に実行されるときには、既に図6を参照して説明したように、プロジェクトマネージャ(PM)14が、図16に示したフローチャートに従った部署の順序で、部署間のタスク実行順序を制御することになる。
再び図11を参照して、ユーザは、シフト関連の業務プロセスのワークフローモデルを作成又は編集したいときには、ワークフローコンボボックス505でシフト関連ワークフロービルダ(Builder(Shift wise))を選択することができる。すると、WM13は、図17に示すように、プロセスリスト507にシフト関連の業務プロセスだけを選んで表示し、そして、そのプロセスリスト507の下にOKボタン524、ビュー(View)ボタン525、変更(Modify)ボタン526、削除(Delete)ボタン527及びキャンセル(Cancel)ボタン528などを表示する。ユーザは、或る業務プロセスについてワークフローモデルを新規に作成したい場合には、プロセスリスト507からその業務プロセスを選択してからOKボタン524を押すことができる。また、ユーザは、或る業務プロセスについて既に作成済みのワークフローモデルを変更したい場合には、プロセスリスト507からその業務プロセスを選択してから変更ボタン526を押すことができる。
ここで、ユーザが例えば業務プロセス「Training」をプロセスリスト507から選択して変更ボタン526を押したとする。すると、WM13は、図18に示すように、選択された業務プロセス「Training」についてシフト関連のワークフローモデルを作成及び編集するためのツールをメインウィンドウ501に表示する。表示されたワークフローモデル作成ツールには、シフト順序テーブル550及びフロー作成(Make flow)ボタン551などが含まれる。シフト順序テーブル550には、業務プロセス「Training」について既に作成済みのワークフローが表示される。このワークフローは、予め登録されている複数のシフト、例えば「Afternoon」、「Morning」及び「Night」、がどのような順番で交替するのかを定義している。ユーザは、シフト順序テーブル550で、シフト「Afternoon」、「Morning」及び「Night」の順番(Sequence)を自由に変更することができる。また、ユーザがシフト順序テーブル550内の任意のシフトの名称「Afternoon」、「Morning」又は「Night」を操作する(例えばダブルクリックする)と、WM13は、(図示してないが)そのシフトに所属する従業員のリストをメインウィンドウ501に表示する。
ユーザは、シフト順序テーブル550でのワークフローを変更した後、フロー作成ボタン551を押すことができる。すると、WM13は、図19に示すように、変更後のワークフローを表したシフトフローテーブル552をメインウィンドウ501に表示する。ユーザが提出(Submit)ボタン553を押すと、WM13は、その業務プロセス「Training」のワークフローモデルをシフトフローテーブル552に表示された通りのものとして確定し、そして、そのワークフローモデルをデータベースに登録する。
再び図7を参照して、ユーザが登録コンボボックス504で登録したいアイテムとしてタスク(Task)を選択すると、WM14は、図20に示すように、登録済みのタスクをリストしたタスクリスト554をメインウィンドウ501に表示し、その下に新規作成(New)ボタン555、変更(Modify)ボタン556、削除(Delete)ボタン557及びOKボタン558などを表示する。ユーザは、新規にタスクを作成して登録したい場合には、新規作成ボタン555を押すことができる。すると、WM13は、図21に示すように、新規タスク登録ツールをメインウィンドウ501に表示する。表示された新規タスク登録ツールには、基本情報テーブル560及びOKボタン564などが含まれている。ユーザは、基本情報テーブル560に、新しいタスクのタスク名(Task Name)、改訂版番号(Revision No.)、作成者名(Author Name)、実施可能日時(Deliverable Time)、所要日数(Duration)、及び作業量(Unit)などをエントリすることができる。そして、ユーザがOKボタン564を押すと、WM13は、基本情報テーブル560にエントリされた基本情報を有する新たなタスクを作成して、データベースに登録する。
再び図7を参照して、ユーザが登録コンボボックス504で登録したいアイテムとしてサブタスク(Sub Task)を選択すると、WM14は、図22に示すような、2つのサブウィンドウ570、571からなるサブタスク登録用のGUIをメインウィンドウ501に表示する。このGUIの左側のサブウィンドウ570は「タスク構造ウィンドウ」と呼ばれ、そこには、データベースに登録済みの全てのタスク及びそれらのタスクの各々に含まれるサブタスクのデータから構成されるトリー状の階層的な論理データ構造が、タスク及びサブタスクをそれぞれ表したフォルダアイコンを用いてグラフィカルに表示される。すなわち、データベースに登録されているタスク及びサブタスクのデータは、タスク構造ウィンドウ570に示すような階層構造になっているのである。図示のように、或るタスクに1以上のサブタスクが含まれるだけでなく、或るサブタスクに更に細かい1以上サブタスクが含まれるというように、幾層もの階層的なデータ構造を作ることが可能である。
ユーザは、或る登録済みタスク又はサブタスクの下に新しいサブタスクを登録したい場合、タスク構造ウィンドウ571上で所望の登録済みタスク又はサブタスクを選択し、そして、右側のサブウィンドウ571に表示されているサブタスク情報テーブル572に、新しいサブタスクの名称(Sub Task Name)、改訂版番号(Rev. No.)、作成者名(Author Name)、予定開始時間(Expected Start Time)、所要日数(Duration)などの基本的な属性情報をエントリし、更に、右側のサブウィンドウ571に表示されている文書テンプレートテーブル574に、新しいタスクの実行結果の成果物としての1種類以上の文書を作成するときに使用されることになる1種類以上の文書テンプレートの名称をエントリする。文書テンプレート名称をエントリする際、ユーザはサーチテンプレート(Search Template)ボタン573を押すことができ、すると、WM13は、図23に示すように、登録済みの全ての文書テンプレートの名称をリストした文書テンプレートリスト581をサブウィンドウ5721に表示する。ユーザが、文書テンプレートリスト581の中から任意の1以上の文書テンプレートを選択して、提出(Submit)ボタン582を押すと、画面の表示は再び図22に示すような表示に戻り、今選択された1以上の文書テンプレートの名称が文書テンプレートテーブル574にエントリされる。なお、ユーザが、図22の文書テンプレートテーブル574又は図23の文書テンプレートリスト581内の参照(View)欄に表示された任意の文書テンプレートのアイコンを操作する(例えば、ダブルクリックする)と、WM14は、そのアイコンに対応する文書テンプレートを開いて画面に表示する。図22において、ユーザが、サブウィンドウ571内のOKボタン575を押すと、WM14は、サブウィンドウ571内のサブタスク情報テーブル572及び文書テンプレートテーブル574にエントリされた情報を有した新しいサブタスクのデータを作成して、その新しいサブタスクデータを、タスク構造ウィンドウ571で選択された登録済みタスク又はサブタスクに含まれる1つのサブタスクのデータとして、データベースに登録する。このようにして、ユーザは、任意のタスクの下にトリー状の階層構造の形で様々なサブタスクを登録することができる。
再び図7を参照して、ユーザが登録コンボボックス504で登録したいアイテムとして部署(Section)又はシフト(Shift)を選択すると、WM13は、(図示しないが)登録済みの部署又はシフトのリストをメインウィンドウ501に表示し、その下に、図20に示したタスクの場合と同様に、新規作成(New)ボタン、変更(Modify)ボタン、削除(Delete)ボタン及びOKボタンなどを表示する。ユーザが、新規作成ボタンを押せば、WM13は、(図示しないが)新規の部署又は新規のシフトを作成するためのツールをメインウィンドウ501に表示し、そして、ユーザは、そのツールを用いて新規のサブタスク、部署又はシフトを作成することができる。WM13は、作成された新規のサブタスク、部署又はシフトをデータベースに登録する。
図24〜図39及び図46〜図54は、PM14によって提供される様々なGUIウィンドウの例を示す。図40〜図44は、PM14の機能に関連してオブジェクトマネージャ(OM)11によって提供される幾つかのGUIウィンドウの例を示す。図45は、PM14がタスクリストを作成する手順を示すフローチャートである。以下、これらの図面を参照して、PM14の機能と動作、並びにこれに関連するOM11の機能と動作を説明する。
ユーザがPM14を開くと、例えば図24に示すようなGUIウィンドウがユーザ端末の表示スクリーンに表示される。
図24に示されたGUIウィンドウの上段と下段のサブウィンドウ300、301は、既に説明したとおり、全てのマネージャに共通のものである。中央の2つのサブウィンドウ600と601は、PM14に特有のGUIを提供するものである。
中央の左側のサブウィンドウ600は、プロジェクト構造(Project Structure)ウィンドウと呼ばれ、そこには、データベースに現在登録されている様々なプロジェクトデータのトリー状の階層的な論理構造(Project Structure)が、そのプロジェクトデータに含まれる様々なデータ項目を表したフォルダアイコンを使ってグラフィカルに表示される。すなわち、ユーザによって作成された様々なプロジェクトのデータは、プロジェクト構造ウィンドウ600に示されるような論理的な階層状のデータ構造を用いて、PM14によってデータベース内で管理されている。
図24に示された例では、プロジェクト構造ウィンドウ600内に、「TKIC」という名称をもつ所定の業務カテゴリ(例えば、企業グループ、個々の企業、その企業内の事業部、工場又は支社などの個々の組織、或るいは、事業年度、事業範囲、事業目的、など)を表したフォルダ「TKIC」がある。このフォルダ「TKIC」を開くと、その下位に「EDMS」及び「ABMS」という名称をもつ2つのプロジェクトをそれぞれ表したプロジェクトフォルダが表示される。これは、「TKIC」という業務カテゴリー(例えば、「TKIC」という名称の企業)の下に、「EDMS」及び「ABMS」というプロジェクトが登録されていることを意味する。
各プロジェクトを表すプロジェクトフォルダを開くと、そのプロジェクトフォルダの下位に、そのプロジェクトを構成する1又は複数の業務プロセスをぞれぞれ表したプロセスフォルダが表示される。例えば、プロジェクト「EDMS」のプロジェクトフォルダの下位に、プロジェクト「EDMS」に含まれる2つの業務プロセス「Development」及び「Design」をそれぞれ表したプロセスフォルダが表示される。各業務プロセスのフォルダを開くと、そのプロセスフォルダの下位に、その業務プロセスを担当することになる1又は複数の部署をぞれぞれ表した部署フォルダが表示される。例えば、業務プロセス「Design」のプロセスフォルダの下位に、業務プロセス「Design」を担当することになる部署「R & D」、「Finance」、「Hardware」及び「Software」をそれぞれ表した部署フォルダが表示される。さらに、各部署のフォルダを開くと、その部署フォルダの下位に、そのプロジェクトのその業務プロセスに関してその部署に割り当てられた1又は複数のタスクをそれぞれ表したタスクフォルダが表示される。例えば、プロジェクト「EDMS」のプロセス「Design」の部署「Software」の下位には、プロジェクト「EDMS」のプロセス「Design」に関して部署「Software」に割り当てられたタスク「Modular Design」を表したタスクフォルダが表示される。各タスクのタスクフォルダを開くと、図示してないが、例えば、そのタスクに含まれる1又は複数のサブタスクをそれぞれ表したサブタスクフォルダが表示される。
このようなプロジェクト構造ウィンドウ600に表示される階層状論理構造をもったプロジェクトデータは、以下に説明するようなPM14の機能を用いてユーザによって作られデータベースに登録されたものである。
図24において、中央右側のサブウィンド601は、プロジェクトマネージャ(PM)メインウィンドウと呼ばれ、そこには、選択された業務カテゴリ(例えば、「TKIC」)の下に登録されている全てのプロジェクトをリストしたプロジェクトリスト607が表示される。このプロジェクトリスト607には、各プロジェクト毎に、プロジェクト名称(Project Name)、作成日時(Creation Date)、改訂版番号(Rev. No.)、プロジェクト管理者(Manager)、選択(Select)ボタンなどの項目の情報が表示される。
PMメインウィンドウ601の上部には、登録(Registration)コンボボックス602、割当(Assign)コンボボックス603、ステータス(Status)コンボボックス604及び検索(Search)コンボボックス505がある。登録コンボボックス602は、ユーザがプロジェクトに関連する各種アイテムの登録を行ないたいときに、登録したいアイテムの種類を選択するためのものであり、図24に示すように、そのプルダウンメニュー602Mには、プロジェクト(Project)、タスク(Task)、サブタスク(Sub Task)、作業段階(Phase)及び役割(Role)などの様々なアイテム種類のメニュー項目がある。割当コンボボックス603は、プロジェクトに関する様々な仕事の割当や仕事のスケジュールを設定するときに、設定したい事項を選択するためのものであり、その具体的な説明は後述する。ステータスコンボボックス604は、プロジェクトに関する様々なステータスを参照するときに、参照したい項目を選択するためのものであり、その具体的な説明は後述する。検索コンボボックス605は、プロジェクトに関する各種アイテムの検索を行なうときに、検索したいアイテムの種類を選択するためのものである。
さて、ユーザは、新たなプロジェクトを登録したい場合、或いは、登録済みのプロジェクトを変更又は削除したい場合、図24に示すように、登録コンボボックス602のプルダウンメニュー602Mを開き、プルダウンメニュー602の中からプロジェクト(Project)のメニュー項目を選択することができる。すると、PM14は、図25に示すように、メインウィンドウ601内のプロジェクトリスト607の下部に新規(New)ボタン608、変更(modify)ボタン609、削除(Delete)ボタン610及びOKボタン611などを表示する。新規(New)ボタン608は、新規のプロジェクトを登録するためのものである。変更(modify)ボタン609及び削除(Delete)ボタン610はそれぞれ、プロジェクトリスト607内で選択ボタンによって選択されている1つの登録済みプロジェクト(図25の例では、プロジェクト「EDMS」)を変更及び削除をするためのものである。
図25のメインウィンドウ601において、ユーザが新規(New)ボタン608を押すと、PM14は、図26に示すように、新規プロジェクト登録ツールをメインウィンドウ601に表示する。この新規プロジェクト登録ツールには、プロジェクト基本情報テーブル612、全プロセスリスト613、プロセス選択ボタン614、選択プロセスリスト615、及びOKボタン616などが含まれる。プロジェクト基本情報テーブル612には、その新規業務プロジェクトのプロジェクト名、改訂版番号、及びプロジェクト管理者名をユーザがエントリすることができる。全プロセスリスト613には、ワークフローマネージャ(WM)13によってデータベースに既に登録されている全ての業務プロセスの名称が表示されている。ユーザが、全プロセスリスト613の中から任意の業務プロセス名を選択して(例えば、マウスでクリックして)、プロセス選択ボタン614を押すと、PM14は、その選択された業務プロセスをこのプロジェクトに含まれる業務プロセスとし、そして、その業務プロセス名を選択プロセスリスト615に追加エントリする。図26の例は、新規のプロジェクト「PROJ1」が作成されている様子を示しており、そこでは、2つの業務プロセス「Testing」と「Training」が、このプロジェクト「PROJ1」の業務プロセスとして選択されている。
図26に示すメインウィンドウ601上の新規プロジェクト登録ツールにおいて、プロジェクト基本情報テーブル612に所要事項がエントリされ、選択プロセスリスト615に1以上業務プロセスがエントリされた後、OKボタン616が押されると、PM14は、新規プロジェクト登録ツールで設定された新規プロジェクトに関するプロジェクト名、改訂版番号、プロジェクト管理者名、及び、そのプロジェクトに含まれる業務プロセス名などのデータを、その新規プロジェクトのプロジェクトデータの既に説明したような階層状のデータ構造の一部として、データベースに登録する。そして、PM14は、図24に示すように、再びプロジェクトリスト607をメインウィンドウ601に表示するが、その時には、プロセスリスト607には、(図24の例では図示されていないが)先ほど登録された新規のプロジェクト、例えば「PROJ1」、の表示が追加されている。
再び図24を参照して、ユーザは、新たなタスクを登録したい場合、或いは、登録済みのタスクを変更又は削除したい場合、登録コンボボックス602のプルダウンメニュー602の中からタスク(Task)のメニュー項目を選択することができる。すると、PM14は、既に図20〜図21を用いて説明したWM13のタスク登録用のGUIと同様のGUIをPMメインウィンドウ601を表示して、WM13を用いたタスク登録と同様の手順でユーザが新規のタスクをデータベースに登録することを可能にする。また、ユーザは、新たなサブタスクを登録したい場合、或いは、登録済みのサブタスクの変更又は削除したい場合、登録コンボボックス602のプルダウンメニュー602の中からサブタスク(Sub Task)のメニュー項目を選択することができる。すると、PM14は、既に図22〜図23を用いて説明したWM13のサブタスクタスク登録用のGUIと同様のGUIをPMメインウィンドウ601を表示して、WM13を用いたサブタスク登録と同様の手順でユーザが新規のタスクをデータベースに登録することを可能にする。
また、ユーザは、新たな作業段階(Phase)(ここで、作業段階とは、例えば、一つの部署で一つの業務プロセスに係わる仕事を行なう場合における、管理目的のためにその仕事の流れを分割した幾つかの段階をいう)を登録したい場合、或いは、登録済みの作業段階を変更又は削除したい場合、登録コンボボックス602のプルダウンメニュー602の中から作業段階(Phase)のメニュー項目を選択することができる。すると、PM14は、図27に示すように、データベースに登録済みの作業段階をリストしたフェーズリスト617をメインウィンドウ601に表示し、その下に新規作成(New)ボタン618、変更(Modify)ボタン618、削除(Delete)ボタン620及びOKボタン621などを表示する。図27の例では、「Intrim(Initial Stream)(上流)」、「Midstream(中流)」及び「Final(下流)」という3つの登録済み作業段階がフェーズリスト617にリストされている。ユーザは、新規に作業段階を作成して登録したい場合には、新規作成ボタン618を押すことができる。すると、PM14は、図28に示すように、新規タスク登録ツールをメインウィンドウ501に表示する。表示された新規タスク登録ツールには、基本情報テーブル622及びOKボタン623などが含まれている。ユーザは、基本情報テーブル622に、作業段階名(Phase Name)、改訂版番号(Revision No.)及び作成者名(Author Name)などをエントリし、そしてOKボタン623を押すと、PM14は、基本情報テーブル622にエントリされた基本情報を有する新たな作業段階を作成して、データベースに登録する。
再び図24を参照して、メインウィンドウ601に表示されたプロジェクトリスト607内の各プロジェクトのプロジェクト名をユーザが開くと(例えば、マウスでダブルクリックすると)、PM144は、そのプロジェクトのプロジェクトデータをデータベースから読み、図29に例示するように、そのプロジェクトの詳細情報をメインウィンドウ601に表示する。この詳細情報には、そのプロジェクトの基本情報を示したテーブル624の他に、そのプロジェクトを構成する1又は複数の業務プロセスをリストしたプロセスリスト625が含まれている。このプロセスリスト625内のプロセス名をユーザが選択すると(例えば、マウスでダブルクリックすると)、PM14は、その業務プロセスのワークフローモデルのデータをデーベースから読み、そのワークフロモデルの詳細をメインウィンドウ601に表示する。戻る(Return)ボタン626が押されると、PM14は、メインウィンドウ601の表示を図24に示すような初期の表示に戻す。
次に、図30を参照する。ユーザは、登録済みのプロジェクトの中の任意のプロジェクトに関して、タスク割当やタイムスケジュールの設定などを行ないたい場合には、図30に示すように、割当コンボボックス603のプルダウンメニュー603Mを開き、そのプルダウンメニュー603M中から設定したい事項を選ぶことができる。このプルダウンメニュー603Mには、タスク―部署別作業段階割当(Task (Section Phase))、従業員―部署別役割割当(Employee (Section Role))、従業員―部署別タスク割当(Employee (Section Task))、従業員―シフト割当(Employee (Shift))及び部署―タスク割当(Task Assign)などのメニュー項目がある。
ユーザは、任意のプロジェクトに関して、それを担当するべき1又は複数の部署に対して作業段階毎にタスクを新たに割り当てたい場合、又は、既に設定されているタスクの割当を変更したい場合、図30に示すように、割当コンボボックス603のプルダウンメニュー603Mからタスク―部署別作業段階割当(Task (Section Phase))を選択することができる。すると、PM14は、図31に示すように、プロジェクトリスト607の下にOKボタン630、ビュー(View)ボタン631、変更(Modify)ボタン632、削除(Delete)ボタン633及びキャンセル(Cancel)ボタン634などを表示する。ユーザは、プロジェクトリスト607の中から所望のプロジェクトを選択した後、そのプロジェクトのタスク割当を新たに設定したければOKボタン630を押し、設定済みのタスク割当を変更したければ変更ボタン632を押すことができる。
ここで、ユーザが、例えば、プロジェクト「EDMS」をプロセスリスト507中から選択して、OKボタン630を押したとする。すると、PM14は、図32に示すように、そのプロジェクト「EDMS」を担当するべき部署に対して作業段階毎のタスクを割り当てるためのツールであるセクションフェーズマネージャ(Section Phase Manager)のGUIを、メインウィンドウ601に表示する。セクションフェーズマネージャは、データベース内のプロジェクト「EDMS」のプロジェクトデータに基づいて、そのプロジェクト「EDMS」に含まれる全ての業務プロセス(例えば、「Development」及び「Design」)を把握し、データベース内のそれら業務プロセスのワークフローモデルデータに基づいて、各業務プロセスを担当するべき全ての部署(例えば、業務プロセス「Development」については、4つの部署「R & D」、「Finance」、「Hardware」及び「Software」)を把握し、データベース内の作業段階のデータに基づいて、登録済み全ての作業段階(例えば、3つの作業段階「Interim」、「Midstream」、「Final」)を把握し、データベース内の部署ごとの従業員データに基づいて、各部署に所属する全ての従業員を把握し、さらに、データベース内の部署ごとのタスクデータ(これについては、後に図35〜図36を参照して説明する)に基づいて、各部署に割り当てられている全てのタスク(例えば、部署「R & D」については、2つのタスク「Need Analysis」及び「Develop Specification」)を把握する。そして、セクションフェーズマネージャは、上記の把握した情報に基づいて、図32に示すように、そのプロジェクト「EDMS」に含まれる業務プロセス「Development」及び「Design」のそれぞれに対応したタスク―部署別作業段階割当テーブル637、638をメインウィンドウ601に表示する。図32の例では、メインウィンドウ601に、1番目の業務プロセス「Development」用のタスク―部署別作業段階割当テーブル637は完全に表示されているが、2番目の業務プロセス「Design」用のタスク―部署別作業段階割当テーブル638は一部しか表示されていない。しかし、スクロールバー639などを用いてメインウィンドウ601をスクロールすれば、2番目のタスク―部署別作業段階割当テーブル638を完全に表示することができる。
各業務プロセス用のタスク―部署別作業段階割当テーブル637、638は、例えば各タスクのラジオボタンをONにするなどの方法で、この業務プロセスを担当するべき全ての部署の各々に対して、個々の作業段階毎にタスクを割り当てることができるように構成されている。また、各業務プロセス用のタスク―部署別作業段階割当テーブル637、638では、各部署に各作業段階毎に割り当てたタスクに対して、それに要する作業量(Unit)を設定することができる。さらに、「Incharge」欄のコンボボックスなどを用いて、各部署毎に、その部署に所属する従業員の中から、担当の業務プロセスに関する責任者を設定することができる。例えば、図示された業務プロセス「Development」のタスク―部署別作業段階割当テーブル637では、部署「R & D」に対しては、作業段階「Interim」でタスク「Need Analysis」が割り当てられ、作業段階「Midstream」でタスク「Develop Specification」が割り当てられている。そして、タスク「Need Analysis」には1単位の作業量が、タスク「Develop Specification」には3単位の作業量が設定されており、部署「R & D」における業務プロセス「Development」の責任者には「Fred Tanaka」が選ばれている。また、タスク―部署別作業段階割当テーブル637、638において、ユーザが任意のタスクの名称を押せば(例えば、クリックすれば)、PM14は、データベースに登録されている当該タスクとその下位に位置する全てのサブタスクのトリー状の階層構造を把握してそれを画面に表示する。これにより、ユーザは、各タスクにどのようなサブタスクが含まれているかを容易に知ることができる。
ユーザが図32に示したようなセクションフェーズマネージャのGUI上のタスク―部署別作業段階割当テーブル637、638で必要なタスク割当、作業量設定及び責任者設定などをした後、これらのテーブル637、638の下方に配置されている(図32では示されていない)「OK」ボタンを押すと、PM14は、そのタスク割当、作業量設定及び責任者設定などを、選択されたプロジェクトのプロジェクトデータの一部としてデータベースに登録する。このように或るタスクが、或る部署の或る作業段階に対して割り当てられると、その割り当てられたタスクに含まれる全てのサブタスクも、図22のタスク構造ウィンドウ571に例示したタスクとサブタスク間の階層的な論理構造から必然的に、当該部署の当該作業段階に対して割り当てられたことになる。
再び図30を参照して、ユーザは、任意のプロジェクトに関して、それを担当するべき1又は複数の部署の従業員に対して役割を新たに割り当てたい場合、又は、既に設定されている役割の割当を変更したい場合、割当コンボボックス603のプルダウンメニュー603Mから従業員―部署別役割割当(Employee (Section Role))を選択することができる。すると、PM14は、既に説明した図31に示したものと実質的に同等なGUI画面を表示するので、ユーザは、そのGUI画面上のプロジェクトリスト607の中から所望のプロジェクトを選択した後、そのプロジェクトの役割割当を新たに設定したければOKボタン630を押し、設定済みの役割割当を変更したければ変更ボタン632を押すことができる。
ここで、ユーザが、例えば、プロジェクト「EDMS」をプロセスリスト507中から選択して、OKボタン630を押したとする。すると、PM14は、図33に示すように、そのプロジェクト「EDMS」を担当するべき部署の従業員に対して予め登録されている1又は複数の役割を割り当てるためのツールであるセクションロールマネージャ(Section Role Manager)のGUIを、メインウィンドウ601に表示する。セクションロールマネージャは、データベース内のプロジェクト「EDMS」のプロジェクトデータに基づいて、そのプロジェクト「EDMS」に含まれる全ての業務プロセス(例えば、「Development」及び「Design」)を把握し、データベース内のそれら業務プロセスのワークフローモデルデータに基づいて、各業務プロセスを担当するべき全ての部署(例えば、業務プロセス「Development」については、4つの部署「R & D」、「Finance」、「Hardware」及び「Software」)を把握し、データベース内の役割のデータに基づいて、登録済みの全ての役割(例えば、4つの役割「Analyst」、「Financial Controller」、「Designer」及び「System Engineer」)を把握し、さらに、データベース内の部署ごとの従業員データに基づいて、各部署に所属する全ての従業員を把握する。そして、セクションロールマネージャは、上記の把握した情報に基づいて、図33に示すように、そのプロジェクト「EDMS」に含まれる業務プロセス「Development」及び「Design」のそれぞれに対応した従業員―部署別役割割当テーブル641、642をメインウィンドウ601に表示する。図示の例のように全ての従業員―部署別役割割当テーブル641、642をメインウィンドウ601に同時に表示できない場合でも、スクロールバー639などを用いてメインウィンドウ601をスクロールすることで、所望の従業員―部署別役割割当テーブルを表示することができる。
各業務プロセス用の従業員―部署別役割割当テーブル641、642では、各部署の各役割のセルに、例えばその部署の全ての従業員名がリストされたプルダウンメニューをもつコンボボックスがあり、各コンボックスを用いて、各部署の各役割に対してその部署のいずれかの従業員を割り当てることができる。ユーザが図33に示したようなセクションロールマネージャのGUI上の従業員―部署別役割割当テーブル641、642で各役割に然るべき従業員を割り当てた後、これらのテーブル641、642の下方に配置されている(図33では示されていない)「OK」ボタンを押すと、PM14は、その役割割当を、選択されたプロジェクトのプロジェクトデータの一部としてデータベースに登録する。
再び図30を参照して、ユーザは、任意のプロジェクトに関して、それを担当するべき1又は複数の部署の従業員に対してタスクを新たに割り当てたい場合、又は、既に設定されているタスクの割当を変更したい場合、割当コンボボックス603のプルダウンメニュー603Mから従業員―部署別タスク割当(Employee (Section Task))を選択することができる。すると、PM14は、既に説明した図31に示したものと実質的に同等なGUI画面を表示するので、ユーザは、そのGUI画面上のプロジェクトリスト607の中から所望のプロジェクトを選択した後、そのプロジェクトの従業員−タスク割当を新たに設定したければOKボタン630を押し、設定済みの従業員−タスク割当を変更したければ変更ボタン632を押すことができる。
ここで、ユーザが、例えば、プロジェクトをプロセスリスト507中から選択して、OKボタン630を押したとする。すると、PM14は、図34に示すように、そのプロジェクト「EDMS」を担当するべき部署の従業員に対して当該部署に割り当て済み(図32のGUIを用いて割り当てられたもの)の1又は複数のタスクを割り当てるためのツールであるセクションタスクマネージャ(Section Task Manager)のGUIを、メインウィンドウ601に表示する。セクションタスクマネージャは、データベース内のプロジェクト「EDMS」のプロジェクトデータに基づいて、そのプロジェクト「EDMS」に含まれる全ての業務プロセス(例えば、「Development」及び「Design」)と、それら業務プロセスをそれぞれ担当する部署(例えば、業務プロセス「Development」については、4つの部署「R & D」、「Finance」、「Hardware」及び「Software」)と、それら部署にそれぞれ割り当てられているタスク(例えば、業務プロセス「Development」のための部署「R & D」については2つのタスク「Need Analysis」と「Develop Specification」)を把握し、さらに、データベース内の部署ごとの従業員データに基づいて、各部署に所属する全ての従業員を把握する。そして、セクションタスクマネージャは、上記の把握した情報に基づいて、図34に示すように、そのプロジェクト「EDMS」に含まれる業務プロセス「Development」及び「Design」のそれぞれに対応した従業員―部署別タスク割当テーブル643、644をメインウィンドウ601に表示する。図示の例のように全ての従業員―部署別タスク割当テーブル643、644をメインウィンドウ601に同時に表示できない場合でも、スクロールバー639などを用いてメインウィンドウ601をスクロールすることで、所望の従業員―部署別タスク割当テーブルを表示することができる。
各業務プロセス用の従業員―部署別タスク割当テーブル643、644では、各部署の各タスクの行の従業員(Employee)のセルに、例えばその部署の全ての従業員名がリストされたプルダウンメニューをもつコンボボックスがあり、その従業員コンボックスを用いて、その部署のいずれかの従業員を、そのタスクの担当者に割り当てることができる。また、各タスクの行の検査者(Reviewer)のセルにも、例えばその部署の全ての従業員名がリストされたプルダウンメニューをもつコンボボックスがあり、その従業員コンボックスを用いて、その部署のいずれかの従業員を、担当者が行なったそのタスクの結果の検査者に割り当てることができる。さらに、各タスクの行の予定開始時間(Expected Start Time)と予定終了時間(Expected End Time)のセルには、そのタスクの予定開始時間と予定終了時間をエントリすることができる。なお、従業員―部署別タスク割当テーブル643、644における割当又は設定を「未定(OPEN)」としておくこともできる。従業員―部署別タスク割当テーブル643、644の下方に配置されている(図34では示されていない)「OK」ボタンを押すと、PM14は、従業員―部署別タスク割当テーブル643、644での割当及び設定を、選択されたプロジェクトのプロジェクトデータの一部としてデータベースに登録する。
再び図30を参照して、ユーザは、任意の部署に対して、そこで行なわれ得る1又は複数のタスクを一般的に割当てたい場合、又は、既に一般的に割り当てられているタスクを変更したい場合、割当コンボボックス603のプルダウンメニュー603Mから部署−タスク割当(Task Assign)を選択することができる。すると、PM14は、図35に示すように、データベースに登録済みの全ての部署をリストした部署リスト645を表示し、その部署リスト645の下に、OKボタン646、ビュー(View)ボタン647、変更(Modify)ボタン648、削除(Delete)ボタン649及びキャンセル(Cancel)ボタン650などを表示する。ユーザは、部署リスト645から所望の部署を選択した後、その部署に対して新規にタスクを割当てたければOKボタン646を押し、割当済みのタスクを変更したければ変更ボタン648を押すことができる。
ここで、ユーザが、例えば、部署「R & D」を部署リスト645中から選択して、OKボタン646を押したとする。すると、PM14は、図36に示すように、その部署「R & D」に対して一般的にタスクを割り当てるためのツールであるタスクアサインマネージャ(Task Assign Manager)のGUIを、メインウィンドウ601に表示する。タスクアサインマネージャのGUIには、部署基本情報テーブル651、タスクリスト652、割当ボタ653、割当タスクリスト654及びOKボタン655などが表示され。部署基本情報テーブル651には、選択された部署「R & D」の基本情報が表示される。タスクリスト652には、データベースに登録済みの全てのタスクの名称がリストされる。割当タスクリスト654には、選択された部署「R & D」に割り当てられた全てのタスクの名称がリストされる。ユーザがタスクリスト652中から任意のタスクを選んで割当ボタン653を押すと、PM14は、選ばれたタスクの名称を割当タスクリスト654に追加する。ユーザが「OK」ボタン655を押すと、PM14は、割当タスクリストにリストされているタスクをその選択された部署に対して割当て、その割り当てられたタスクを示す割当タスクデータをデータベースに登録する。こうして登録された部署毎の割当タスクデータは、既に説明した図32に例示されたセクションフェーズマネージャのGUI内のタスク―部署別作業段階割当テーブル637、638において、それぞれの部署に対応する行に表示されることになる。
再び図30を参照して、ユーザは、従業員に任意のシフトを割り当てたい場合、又は、既に割り当てられているシフトを変更したい場合、割当コンボボックス603のプルダウンメニュー603Mから従業員―シフト割当(Employee (Shift))を選択することができる。すると、PM14は、図37に示すように、従業員にシフトを割当てるためのツールであるシフトマネージャ(Shift Manager)の日付選択用のGUIをメインウィンドウ601に表示する。この日付選択用のGUIには、選択された月のカレンダテーブル656、前月ボタン657、次月ボタン658及びOKボタン659などが表示される。ユーザが、前月ボタン657又は次月ボタン658を必要に応じて操作して所望の月のカレンダテーブル656を表示し、そして、そのカレンダテーブル656上で所望の日付を選んでOKボタン659を押すと、PM14は、図38に示すように、シフトマネージャ(Shift Manager)の選択された日付における従業員―シフト割当のためのGUIをメインウィンドウ601に表示する。このシフト割当のためのGUIには、従業員―シフトテーブル660及び提出(Submit)ボタン661などが表示される。従業員―シフトテーブル660には、データベースに登録済みのシフト勤務の全ての従業員がリストされ、そして、各従業員に対して例えばコンボボックスを用いて、データベースに登録済みの複数のシフト(例えば、ワークフローマネージャ13を用いて登録された「Morning」、「Afternoon」及び「Night」など)の中からいずれかのシフトを割り当てることができるようになっている。ユーザが従業員―シフトテーブル660を用いて所望の従業員に所望のシフトを割り当てた後、提出ボタン661を押すと、PM14は、図39に示すようなシフト割当確認用のGUIをメインウィンドウ601に表示する。シフト割当確認用のGUIには、図38の従業員―シフトテーブル660で決定されたシフト割当てを示したシフト割当テーブル663及び提出ボタン664などがある。ユーザが、提出ボタン664を押すと、PM14は、そのシフト割当を表したシフト割当データをデータベースに登録する。
以上説明したPM14の機能によって、図6に例示したプロジェクト「PROJ1」のプロジェクトデータ183のように、そのプロセスに含まれる1又は複数の業務プロセスのワークフロモデルデータ(例えば、図6の184、197など)や、それら業務プロセスでそれぞれ使用される1又は複数のフォームを含んだフォーム定義データ(例えば、図6の185)や、それら業務プロセスをそれぞれ担当する1又は複数の部署に対する作業段階ごとのタスク割当データ(例えば、図6の192)や、それら部署に対する仕事の開始及び完了予定時の設定データ(例えば、図6の191)や、それら部署の従業員に対する役割割当データ(例えば、図6の193)などと関連付けられたプロジェクトジェクトデータが、各プロジェクト毎にデータベースに登録され得る。
既に図6を参照して説明したように、PM14は、データベースに登録された全てのプロジェクトのプロジェクトデータに基づいて、それぞれの部署又は従業員がそれらのプロジェクトを遂行するために行なうべきタスク又は行ない得るタスクを示した図6に例示したタスクリスト181、182をする。これらのタスクリスト181、182は、オブジェクトマネージャ(OM)11におよって、それぞれの部署又は従業員のユーザ端末に提供される。図40〜図44は、OM11がタスクリストに基づいてそれぞれの部署又は従業員のユーザ端末に提供する幾つかのGUI画面の例を示す。
図40は、ユーザ(従業員)がOM11を開いたときに表示されるOM11のGUIウィンドウの一例を示す。
このウィンドウにおいてOM11に固有のサブウィンドウは、中央の2つのサブウィンドウ100と101である。中央左側のサブウィンドウ100は、フォルダーブラウザウィンドウと呼ばれ、そこには、所定の業務カテゴリ、例えば「TKIC」、を表したフォルダ「TKIC」が表示され、そのフォルダ「TKIC」の下位に、その業務カテゴリに関してデータベースに登録されている様々なオブジェクト(文書)を管理するための階層状に関連付けられた様々なフォルダが表示される。各フォルダは、アドミニストレーションマネージャ(AM)15を用いて予め設定されたその従業員に対するフォルダセキュリティ設定データ(例えば、図4に示した53又は54)に基づいて、その従業員がアクセス可能なフォルダであるかアクセス不能なフォルダであるかの区別が一目で分かるような形態(例えば、区別に応じた異なる色)をもったアイコンで表示される。
中央右側のサブウィンドウ101はオブジェクトマネージャ(OM)メインウィンドウと呼ばれ、そこには、フォルダーブラウザウィンドウ100内でそのユーザが現在開いているフォルダに存在する全てのオブジェクトをリストしたオブジェクトリスト106が表示される。また、オブジェクトリスト106の下には、タスクリスト(Task List)ボタン107、アーカイブルーム(Archive Room)ボタン108、プリントルーム(Print Room)ボタン109、トランクループ(Trunk Room)ボタン110及びワークリスト(Work List)ボタン111などがある。ユーザが、タスクリスト(Task List)ボタン107を押すと、OM11は、図41に示すようなGUIをメインウィンドウ101に表示し、そのGUIには、タスクリスト112、完了タスクリスト更新(Update to Done List)ボタン113及び完了タスクリスト114などが表示される。
タスクリスト112には、現在そのユーザが行なうべき若しくは行なうことができる又は管理すべき若しくは管理することができる全てのタスクがリストされ得る。タスクリスト112は、例えば、登録済みの全てのプロジェクトのプロジェクトデータと、それらのプロジェクトデータに含まれる部署毎の割り当てタスクのデータと、それらのプロジェジェクトデータに含まれる全ての業務プロジェクトの現在の進捗状況と、そのユーザが属する部署などに基づいて、PM14によって自動的に作成される。図45は、PM14がタスクリストを生成する手順の一例を示す。
図45に示すように、PM14は、S2の処理ループを、登録済みの全てのプロジェクトについて繰り返す。そして、各プロジェクトについての処理ループでは、PM14は、S3からS5までのステップを、そのプロジェクトに含まれる全ての業務プロセスについて繰り返す。ステップS3で、PM14は、そのプロジェクトのデータに基づいて、その業務プロセスを担当する部署にぞれそれ割り当てられたタスク(これは、図32に例示したセクションタスクマネージャを用いて割り当てられたものである)を把握する。ステップS4で、PM14は、その業務プロセスに関して、部署毎の割当タスクの完了・未完了の状況に基づいて、ワークフロー上のどの部署のタスクが現時点で開始可能であるか否かを判断する。ある部署のタスクが現在開始可能か否かは、例えば、ワークフロー上の仕事順序でその部署より前に位置する部署が割当タスクを完了したか否かということから判断することができる。具体例をあげると、その業務プロセスのワークフローが図16のエリア541に例示したようなものである場合、どの部署も割当タスクを完了してないときには、現在開始可能なタスクはスタートの部署「R & D」の割当タスクのみであると判断することができる。その後、部署「R & D」のタスクの少なくとも1つ又は全部が完了すると、現在開始可能なタスクは、2番目の部署「Finance」と「Hardware」の割当タスクであると判断できる。その後、部署「Finance」と「Hardware」のタスクの少なくとも1つ又は全部が完了すると、現在開始可能なタスクは、最後の部署「Quality Test」の割当タスクであると判断することができる。ここで、各タスクが完了したか否かは、例えば、後に説明する図43に示すようなGUI上で、そのタスクに含まれるサブタスクの成果物(Deliverable)(これは、そのタスクの担当者が、そのタスクに含まれるサブタスクの実行成果として作成する文書であり、図22に例示したGUI上の文書テンプレートテーブル574で設定された文書テンプレートを用いて作成することができる)の全てについて、「100%」というステータスが既に設定されたか否かによって判断することができる。このようにして、ステップS4で、PM14は、部署毎の割当タスクの中から、現在開始可能なタスクを抽出する。ステップS5で、OM11は、抽出された部署毎の現在開始可能なタスクを、部署毎のタスクリストにリストする。OM11は、ユーザのユーザ端末に、そのユーザが所属する(又はそのユーザが管理する)1又は複数の部署のタスクリストを提供することができる。
再び図41を参照する。タスクリスト112には、そこにリストされたタスクの各々について、タスク名称(Task Name)、開始予定日時(Expected Start Time)、完了予定日時(Expected End Time)、状態(Status)、プロジェクト(Project)、プロセス(Process)、部署(Section)、作業段階(Phase)、役割(Role)、プロセス管理者(Incharge)及び担当従業員(Employee)などが表示される。開始予定日時と完了予定日時は図34に例示したGUI上で設定されたものである。状態は、そのタスクが未着手(無マーク)か実行中(Doing)か完了(Done)かを示すものである。担当従業員と役割は、そのタスクを担当する従業員の名前と役割を示す。登録されたプロジェクトデータ内に、タスクの従業員への割当のデータが含まれていない場合には、最初は、担当従業員と役割のセルには何も表示されないが、後に、或る従業員がそのタスクに着手する(例えば、その従業員が次に説明する図44のGUIでOKボタン119を押す)と、OM11は、その従業員の名前と役割をタスクリスト112の担当従業員と役割のセルに表示する。
ユーザがタスクリスト112の下の完了タスクリスト更新ボタン113を押すと、OM11は、現在の状態が完了(Done)となっているタスクを、タスクリスト112から消去して、(図示しない)完了タスクリストに移動させる。ユーザが完了タスクリストボタン114を押すと、OM11は、(図示しない)完了タスクリストをメインウィンドウ101を表示する。
また、ユーザが、タスクリスト112中から任意のタスク名を例えばダブルクリックなどの方法で選択すると、OM11は、図42〜図43(図42と図43は同一のGUIウィンドウを上下方向にクロールさせた場合を示している)よってに示すようなGUIをメインウィンドウ101に表示する。この図42〜図43のGUIには、タスク詳細テーブル115があり、そこには、選択されたタスクの詳細な情報が表示される。タスク詳細テーブル115の下方には、タスク構造ボックス116とタスクステータステーブル117が表示される。タスク構造ボックス116には、選択されたタスクに含まれるサブタスクのトリー構造が、そのタスク及びサブタスクをそれぞれ表したフォルダアイコンを用いてグラフィカルに表示され、そこに表示されたサブタスクは図22及び図23のGUIを用いて登録されたものである。ユーザがタスク構造ボックス116内から任意のサブタスクを選択すると、OM11は、タスクステータステーブル117の左端部分に、その選択されたサブタスクの成果物(Deliverable)を作成するための1以上の文書テンプレート(これは、図22に例示したGUI上の文書テンプレートテーブル574で設定されたものである)を表すアイコンを表示し、そのアイコンの右側に「Attach」という文字列を表示する。ユーザが、タスクステータステーブル117内の任意のアイコンを例えばクリックなどの操作で選択すると、OM11は、選択されたアイコンに対応した文書テンプレートを画面に開くので、ユーザは、その文書テンプレートを用いて成果物としての文書を作成して、その文書ファイルを任意のディレクトリに保存することができる。ユーザがタスクステータステーブル117内の「Attach」という文字列を例えばクリックなどの操作で選択すると、OM11は、任意のディレクトリの任意の文書ファイルを成果物として選択タスクに添付するためのツール(例えば、一般的な電子メールプログラムで添付書類を選択するために用いられる添付ツールと同様な機能を持つもの)を開くので、ユーザはその添付ツールを用いて、先ほど文書テンプレートを用いて作成して保存した文書ファイルを、選択サブタスクの成果物として添付することができる。そのようにして成果物の文書ファイルが添付されると、OM11は、タスクステータステーブル117内の先ほど操作された「Attach」の文字列を、添付された文書ファイルのファイル名に変更する。例えば、図43の例では、タスクステータステーブル117内の2行目には、文書ファイル名「Spec List」が表示されているが、これは、「Spec List」という名の文書ファイルが、選択タスクの成果物として添付されたことを意味している。ユーザがタスクステータステーブル117内の添付文書ファイル名を例えばクリックなどの操作で選択すると、OM11は、その文書ファイルを開くから、ユーザは、その文書ファイルの内容を見ることが出来る。さらに、タスクステータステーブル117の右端には、成果物としての文書毎にコンボボックスがあり、これを用いてユーザは、それらの文書のそれぞれの作成進捗度合又は完成度をエントリすることができる。このコンボボックスで選択できる作成進捗度合及びこれに対応する完成度(例えば、進捗度合として「スタート」、「作業中」及び「完了」と、それに対応した完成度として「20%」、「50%」及び「100%」、など)は、アドミニストレーションマネージャ15を用いて予め設定しておくことができる。
タスクステータステーブル117内のタスク構造ボックス116及びタスクステータステーブル117の下方には、プロセスフォームテーブル118が表示され、そこには、選択されたタスクについての報告書として使用されるフォーム(これは、選択タスクが属する業務プロセスの登録の際に、図9に例示したGUI上で選択されたフォームである)がリストされる。ユーザがフォームテーブル118内の任意のフォームを例えばクリックなどの操作で選択すると、OM11は、図44に示すようなプロセスワークシート入力フォームをメインウィンドウ101に表示し、そこには、選択されたフォーム121が開かれるので、ユーザは、そのフォーム121に任意の報告事項を入力することができる。また、この開かれたフォーム121の下方には、選択サブタスクで用いられる報告書用の他のフォームを選択するためのフォーム選択コンボボックス122、並びに、上記他のフォーム及び成果物としての添付文書ファイルをリストした添付文書テーブル123が表示される。ユーザが、フォーム選択コンボボックス122又は添付文書テーブル123を用いて、報告書用の他のフォーム又は成果物としての添付文書ファイルを選択すると、OM11は、メインウィンドウ101上のプロセスワークシート入力フォーム上に選択されたフォームを表示するか、又は、選択された成果物としての添付文書ファイルを画面に開くので、ユーザはその表示されたフォーム又は開かれた添付文書ファイルの中身を参照したり編集したりすることができる。ユーザがプロセスワークシート入力フォームの下端に表示された提出(Submit)ボタン124を押すと、OM11は、メインウィンドウ101の表示を図42〜図43に例示したようなGUIに戻す。図42〜図43に例示したメインウィンドウ101内のGUIの下端に表示されたOKボタン119をユーザが押すと、OM11は、添付(又は編集)された報告書のフォーム又は成果物としての添付文書ファイルを、選択されたプロジェクトの選択された業務プロセスの選択されたタスクの選択されたサブタスクに関連付けて、データベースに登録する(又は、そのようにして既に登録されているフォーム又は添付文書ファイルを更新する)。加えて、OM11は、図42〜図43のGUI内のタスクステータステーブル117でエントリされた成果物としての添付文書ファイルの作成進捗度合又は完成度を、それぞれの添付文書ファイルに関連付けて、データベースに登録する。なお、OM11は、或るタスク又はサブタスクの成果物としての1又はそれ以上の添付文書ファイルをデータベースに登録する場合、その1又はそれ以上の添付文書ファイルを一つのオブジェクトとして(例えば、複数の文書ファイルをマルチドキュメントオブジェクトにして)データベースに登録することができる。
上述したように或るプロジェクトの或る業務プロセスに属する或るタスクについて、そのタスクを実行した或る部署の従業員が報告書としてフォ−ムや成果物としての添付文書ファイルをデータベースに一旦登録すると、その後に、同じプロジェクトの同じ業務プロセスに属する後続のタスクを引き受ける従業員は、図41〜図44を参照して上に説明他と同様の操作で、自分のユーザ端末に表示されたタスクリスト中からその後続タスクを選んで、その後続タスクに添付された報告書用のフォームや成果物としての文書ファイルを開いて見ることで、先行タスクを実行した従業員からの報告事項や先行タスクの成果を知ることができる。そして、更に、その後続タスクを担当する従業員は、同じ報告用フォームに、更に自分の報告事項を追加記入したり、自分のタスクの成果物としての文書ファイルを追加添付したりすることができる。このようにして、プロジェクトを連携して遂行するユーザ間又は部署間の情報の流れが、プロジェクトデータに含まれている各業務プロセスのワークフローに従って、各業務プロセスの進捗に応じて、制御されるのである。
ここで再び説明をPM14の機能の説明に戻す。図46に示すように、PMメインウィンドウ601内のステータスコンボボックス604のプルダウンメニュー604Mを開くと、そこには、タスクレポート(Task Report)、エグゼクティブレポート(Executive Report)、費用と予算(Cost & Budget)、リソース(Resource)、円グラフ(費用と時間)(Pie Chart(Cost & Time))、棒グラフ(費用と時間)(Bar (Cost & Time))、プロジェクトスケジュール(Project Schedule)、タスクフロー(Task Flow)及び従業員シフト(Employee Shift)などのメニュー項目がある。
ユーザが、ステータスコンボボックス604のプルダウンメニュー604Mからタスクレポートを選択すると、PM14は、図47に示すように、メインウィンドウ601内に現在登録されているプロジェクトをリストしたプロジェクトテーブル607を表示するとともに、プロジェクトテーブル607の下方に、レポートOK(OK for Reporting)ボタン665を表示する。なお、図46に示したタスクレポートの選択前のGUIと図47に示した選択後のGUIでは、プロジェクトテーブル607にリストされたプロジェクトが異なっているが、これは、この明細書での説明の都合上の理由にすぎず、実際には、タスクレポートの選択前も選択後も、プロジェクトテーブル607にリストされたプロジェクトは同じである。
図47において、ユーザがプロジェクトテーブル607から所望のプロジェクトを選択してレポートOKボタン665を押すと、PM14は、図48〜図49に示すようなGUIをメインウィンドウ601に表示する(図48と図49は、同じGUIを左右方向にスクロールした表示を示している)。このGUIには、選択されたプロジェクトに含まれる全てのタスクとサブタスクの進捗状態と様々な属性を表したタスクレポートテーブル666が表示される。PM14は、データベース内の選択プロジェクトのプロジェクトデータ及びそのプロジェクトデータに関連付けられた当該選択プロジェクトに含まれるタスクやサブタスクの成果物のデータに基づいて、タスクレポートテーブル666上に、当該選択プロジェクトに含まれる全てのタスクとサブタスクに関して、タスクとサブタスク相互間の階層関係、成果物(Deliverable)である1以上の添付文書ファイルを纏めて成るオブジェクトの名称、進捗度合(Status)、管理者名(Task Incharge)、検査者名(Reviewer)、開始予定日時(Expected Start Time)、所要日数(Duration days)、完了予定日時(Expected End Time)、実開始日時(Actual Start Time)、実完了日時(Actual End Time)、コスト(Cost)、文書テンプレート(Template)などが表示される。
タスクレポートテーブル666に表示された任意のタスク又はサブタスクの成果物(Deliverable)のオブジェクト名称をユーザが例えばクリックなどの方法で選択すると、PM14は、図50に示すように、そのオブジェクトを構成する添付文書ファイル(つまり、そのタスク又はサブタスクの成果物)の名称のリスト667をメインウィンドウ601に表示する。ユーザが、図50のリスト667に表示された任意の添付文書ファイル名称を例えばクリックなどで選択すると、PM14は、その名所を添付文書ファイルを開いて画面に表示する。
再び図48〜図49を参照して、タスクレポートテーブル666内の各タスク又はサブタスクの開始予定日時及び完了予定日時は、そのタスク又はサブタスクについて図34に例示したセクションタスクマネージャのGUIを用いて予め設定されたものである。実開始日時及び実完了日時は、PM14によって認識されたそのタスク又はサブタスクの実際の開始日時と完了日時である。例えば、そのタスク又はサブタスクに関して、図43に例示したタスクステータステーブル117に成果物として何らかの文書ファイルが添付されてそのステータスがスタート(Start)に設定されてOKボタン118が押されると、PM14は、その選択されたタスク又はサブタスクが実際に開始されたと認識して、その時の日時を実開始日時とすることができる。また、例えば、選択されたタスク又はサブタスクに関して、図43に例示したタスクステータステーブル117に成果物として添付された全ての文書ファイルのステータスが完了に設定されてOKボタン118が押されると、PM14は、その選択されたタスク又はサブタスクが実際に完了したと認識して、その時の日時を実完了日時とすることができる。
図48のタスクレポートテーブル666内の各タスク又はサブタスクの進捗状況(Status)は、PM14が、そのタスク又はサブタスクの成果物としての文書ファイルの完成度に基づいて自動的に計算したものである。例えば、PM14は、選択されたタスク又はサブタスクに関して、図43に例示したタスクステータステーブル117に成果物として添付された全ての文書ファイルの完成度の平均値を計算し、その平均値をその選択されたタスク又はサブタスクの進捗状況とするこことができる。また、図49のタスクレポートテーブル666内の各タスク又はサブタスクのコスト(Cost)は、PM14が、そのタスク又はサブタスクの実開始日時と実完了日時と、そのタスク又はサブタスクを担当した従業員の時給(予め、アドミニストレーションマネージャ15を用いてデータベースに登録されている)とに基づいて自動的に計算したものである。例えば、PM14は、そのタスク又はサブタスクの実開始日時と実完了日時に基づいて実際の作業時間を推定し(例えば、実終了日時から実開始日時を差引いた時間数に所定の係数を乗算して推定作業時間とする)、その推定作業時間に担当者の時給を乗算した値を、そのタスク又はサブタスクのコストとすることができる。
再び図46を参照して、ユーザが、メインウィンドウ601内のステータスコンボボックス604のプルダウンメニュー604Mからエグゼクティブレポートを選択すると、PM14は、図51に示すような全プロジェクトの進捗やコストや予算が予定通りであるか否かを表したGUIをメインウィンドウ601に表示する。このGUIには、コンボボックス669があり、これを用いてユーザは時間(Time)とコスト(Cost)の何れかを選択することができる。コンボボックス669で時間(Time)が選択されると、PM14は、全てのプロジェクトの進捗がスケジュール通りであるかスケジュールからどの程度ずれているか(例えば、間に合っている(On Target)、遅れる可能性あり(At Risk)、遅れている(In Trouble)の3分類にそれぞれ属するプロジェクトの数と割合)を表した円グラフと表を、メインウィンドウ601内の領域690に表示する。コンボボックス669でコスト(Cost)が選択されると、PM14は、全てのプロジェクトのコストが予定通りであるか予定からどの程度ずれているか(例えば、予定以下(On Target)、超過する可能性あり(At Risk)、超過している(In Trouble)の3分類にそれぞれ属するプロジェクトの数と割合)を表した円グラフと表を、メインウィンドウ601内の領域690に表示する。また、上記円グラフと表の下方には、全てのプロジェクトのそれぞれの完成度(Percent Completed)、進捗ずれ(Schedule Variance)、コストずれ(Cost Variance)、予算ずれ(Budget Variance)、リスクファクター(Risk Factor)などを表したテーブル691が表示される。更に、このGUIには表計算ファイル保存(Save as Spread Sheet)ボタン668があり、ユーザがこのボタン668を押すと、PM14は、このGUIに表示された情報を所定の表計算プログラムのファイルの形でデータベースに保存する。
再び図46を参照して、ユーザが、メインウィンドウ601内のプロジェクトテーブル607から所望のプロジェクトを選択して、ステータスコンボボックス604のプルダウンメニュー604Mからプロジェクトスケジュールを選択すると、PM14は、図52に示すようなプロジェクトの進捗を管理するツールであるステータスマネージャ(Status Manager)のGUIをメインウィンドウ601に表示する。このステータスマネージャのGUIには、選択されたプロジェクトに含まれる全ての業務プロセスの進捗状況を、業務プロセス毎に表示したプロセススケジュールテーブル670、671が表示される。各業務プロセスのプロセススケジュールテーブル670、671には、その業務プロセスに含まれる全てのタスクについて、部署(Section)、タスク名(Task)、担当従業員(Employee)、開始予定日時(Expected Start Time)、完了予定日時(Expected End Time)、実開始日時(Actual Start Time)、実完了日時(Actual End Time)、開始フラグ(Start Flag)、完了フラグ(End Flag)などが表示される。ここで、開始予定日時及び完了予定日時は、既に説明したように、図34に例示したGUIでそのタスクに関して予め設定されたものである。実開始日時及び実完了日時は、既に説明したようい、そのタスクの実際の開始日時及び完了日時としてPM14が認識した日時である。開始フラグと完了フラグは、タスクの実際の開始日時及び完了日時が開始予定日時及び完了予定日時予定より遅れているか否かを表すものである。例えば、開始予定日時を過ぎてもタスクがまだ開始されていない場合には、開始フラグに特別のマーク(例えば赤色マーク)が表示され、また、完了予定日時を過ぎてもタスクがまだ完了してない場合には、完了フラグに特別のマーク(例えば赤色マーク)が表示される。
再び図46を参照して、ユーザがプロジェクトテーブル607から所望のプロジェクトを選択して、ステータスコンボボックス604のプルダウンメニュー604Mからリソースを選択すると、PM14は、図53に示すようなプロジェクトに投入された人的及び物的リソースを管理するためのツールであるリソースマネージャ(Resource Manager)のGUIをメインウィンドウ601に表示する。このリソーススマネージャのGUIには、選択されたプロジェクトに含まれる全ての業務プロセスにおけるリソースの使用量を、業務プロセス毎に表示したプロセスリソーステーブル672が表示される。図53の例では、選択されたプロジェクト、例えば「EDMS」に含まれる複数の業務プロセスのうちの1番目の業務プロセス、例えば「Development」、のプロセスリソーステーブル672しか表示されてない、スクロールバー639などを操作してメインウィンドウ601をスクロールすれば、他の業務プロセスのプロセスリソーステーブルが表示される。各業務プロセスのプロセスリソーステーブル672には、その業務プロセスに投入された全ての従業員の部署(Section)、役割(Role)、従業員名(Employee)、時間内労働単価(Standard Rate)、時間外労働単価(Overtime Rate)、時間内労働時間(Std. Time Duration)、時間外労働時間(Ovt. Time Duration)、労賃(Cost)などが表示される。さらに、この業務プロセスで使われた材料・装置費用(Material and Equipment Cost)、合計労賃(Process Labor Cost)、合計費用(Process Aggregate Cost)、延べ使用時間(Process Effective Time)、実使用時間(Process Time)、時間効率(Process Efficiency)なども自動的に計算されて表示される。
再び図46を参照して、ユーザがプロジェクトテーブル607から所望のプロジェクトを選択して、ステータスコンボボックス604のプルダウンメニュー604Mから円グラフ(費用と時間)を選択すると、PM14は、図54に示すようなプロジェクトで使用された費用と時間を部署、従業員、業務プロセス又はタスク間で対比するためのGUIをメインウィンドウ601に表示する。このGUIには、時間又は費用を選択するためのコンボボックス680、部署、従業員、業務プロセス又はタスクを選択するためのコンボボックス682、割合テーブル684及び円グラフ685などが表示される。割合テーブル684及び円グラフ685には、コンボボックス680で選択された時間又は費用を、コンボボックス682で選択された部署、従業員、業務プロセス又はタスク間で対比した結果としての、各部署、各従業員、各業務プロセス又は各タスクの割合値及びそれを表現した円グラフが表示される。
再び図46を参照して、ユーザがプロジェクトテーブル607から所望のプロジェクトを選択して、ステータスコンボボックス604のプルダウンメニュー604Mから棒グラフ(費用と時間)を選択すると、PM14は、図54のGUIにおける円グラフを棒グラフに置き換えたGUI(図示省略する)をメインウィンドウ601に表示する。
以下では、本発明の一つの実施形態において採用し得る情報フローを制御するための一つの具体的な方法例について説明する。
図55は、この方法を行うためにOM11、RM12、WM13、PM14及びTM15により使用される、バーチャルナレッジベース20内の様々なデータを示す。
図55に示すように、バーチャルナレッジベース20内には多数のオブジェクトDOC_aa, DOC_ab, DOC_ac, ..., EML_ba, EML_ba, EML_bc, ..., PRC_ca, PRC_cb, PRC_cc, ..., TSK_da, TSK_db, TSK_dc, ..., PRJ_ea, PRJ_eb, PRJ_ec, ..., DOC_fa, DOC_fb, DOC_fc, ...が存在する。ここで、オブジェクトとは、ユーザによって利用される情報又はデータの論理的なエンティティをいう。これらオブジェクトには様々な種類がある。例えば、一つの種類のオブジェクトDOC_aa, DOC_ab, DOC_ac, …, DOC_fa, DOC_fb, DOC_fc, ,.. は文書オブジェクトであり、別の種類のオブジェクトEMLba, EML_ba, EML_bc, ... は電子メールであり、また別の種類のオブジェクトPRC_ca, PRC_cb, PRC_cc, ... は業務プロセスであり、また別の種類のオブジェクトはTSK_da, TSK_db, TSK_dc, ... はタスクであり、さらにまた別の種類のオブジェクトPRJ_ea, PRJ_eb, PRJ_ec, ... はプロジェクトである。ここに述べたオブジェクトの種類は単なる例示であり、他の種類も存在し得る。例えば、後に説明されるワークリストやタスクリストやプロセスワークシートは、上述したものとは別の種類のオブジェクトである。また、部署や従業員や検索クエリやメニューなどのデータも、オブジェクトとして取り扱われ得る。
図55に示すように、バーチャルナレッジベース20内には、オブジェクトを格納するための複数の論理的な記憶領域つまりフォルダDOC_FLD_a, DOC_FLD_b, ..., EML_FOL_a, EML_FOL_b, ..., PRC_FOL_a, PRC_FOL_b, ..., TSK_FOL_a, TSK_FOL_b, ..., PRJ_FOL_a, PRJ_FOL_b, ..., TMP_FOL_a, ..., DLV_FOL_a, ... が存在する。フォルダには様々な種類があり、それぞれの種類のフォルダには所定の種類のオブジェクトが格納される。例えば、文書フォルダDOC_FLD_a, DOC_FLD_b, ...には文書オブジェクトDOC_aa, DOC_ab, DOC_ac, …が格納され、電子メールフォルダEML_FOL_a, EML_FOL_b, ... には電子メールEMLba, EML_ba, EML_bc, ... が格納され、プロセスフォルダPRC_FOL_a, PRC_FOL_b, ... には業務プロセスPRC_ca, PRC_cb, PRC_cc, ... が格納され、タスクフォルダTSK_FOL_a, TSK_FOL_b, ... にはタスクTSK_da, TSK_db, TSK_dc, ... が格納される。また、テンプレートフォルダTMP_FOL_a, ... にはテンプレート(ユーザが文書オブジェクトを作成する際に参考とするための雛形の文書オブジェクト)として使用される文書オブジェクトDOC_fa, DOC_fb, DOC_fc, ... が格納され、また、デリバラブルフォルダDLV_FOL_a, ... にはユーザの仕事の成果物(Deliverable)である文書オブジェクトが格納される。図5に示されたフォルダの種類、フォルダの相互関係(例えば、階層的な関係)、及びフォルダに格納されるオブジェクト種類などは、説明のための単なる簡単な例示であり、これらの点について他の様々なバリエーションが採用し得る。
上述したオブジェクトは論理的な存在であり、それぞれのオブジェクトのデータ構成は、複数種類のオブジェクト管理テーブルDOC_ADT, ANT_ADT, WKL_AD
T, EML_ADT, PRC_ADT, ... により定義される。例えば、文書管理テーブルDOC_ADTは、文書オブジェクトDOC_aa, DOC_ab, DOC_ac, …, DOC_fa, DOC_fb, DOC_fc, ... を定義し、アノテーション管理テーブルANT_ADTは、文書オブジェクトの中の特にアノテーション(AN)オブジェクト(図4参照)を定義する。また、ワークリスト管理テーブルWKL_ADTは、複数の文書オブジェクトの集合であるワークリスト(WKL)(図4を参照)を定義する。また、電子メール管理テーブルEML_ADTは、電子メールEMLba, EML_ba, EML_bc, ... を定義し、プロセス管理テーブルPRC_ADTは、業務プロセスPRC_ca, PRC_cb, PRC_cc, ... を定義し、タスク管理テーブルTSK_ADTは、タスクTSK_da, TSK_db, TSK_dc, ... を管理する。また、タスクリスト管理テーブルTKL_ADTは、複数のタスクの集合であるタスクリスト(TKL)(図41参照)を定義する。また、プロジェクト管理テーブルPRJ_ADTは、プロジェクトPRJ_ea, PRJ_eb, PRJ_ec, ...を定義する。
OM11、RM12、WM13及びPM14の各々は、所定の種類のオブジェクトのユーザによる利用つまり操作(例えば、参照、作成、編集、消去、送信、受信、承認など)を制御する。例えば、OM11は、主として、文書オブジェクトDOC_aa, DOC_ab, DOC_ac, …, DOC_fa, DOC_fb, DOC_fc, ... 及びワークリスト(WKL)の操作を制御する。RM12は、主として、電子メールEMLba, EML_ba, EML_bc, ... の操作を制御する。WM13は、主として、業務プロセスPRC_ca, PRC_cb, PRC_cc, ... 及びタスクTSK_da, TSK_db, TSK_dc, ... の操作(特に、作成)を管理する。PM14は、主として、プロジェクトPRJ_ea, PRJ_eb, PRJ_ec, ...、並びにそれらプロジェクトを構成する業務プロセス及びタスクの操作を制御する。PM14は、また、テンプレートDOC_fa, DOC_fb, DOC_fc, やデリバラブルやプロセスシートの操作も制御する。
OM11、RM12、WM13及びPM14の各々は、ユーザによるオブジェクトの様々な操作(例えば、参照、作成、編集、消去、送信、受信、承認など)を実行するための様々なファンクションを有している。例えば、図5に示すように、OM11は、文書オブジェクトを操作するための様々なファンクションFNC_aa, FUNC_ab, FUNC_ac, ... を有し、RM12は、電子メールを操作するための様々なファンクションFNC_ba, FUNC_bb, FUNC_bc, ... を有する。また、WM13は、業務プロセスを操作するための様々なファンクションFNC_ca, FUNC_cb, FUNC_cc, ... 、及びタスクを操作するための様々なファンクションFNC_da, FUNC_db, FUNC_dc, ...を有する。また、PM14は、プロジェクト操作するための様々なファンクションFNC_ea, FUNC_eb, FUNC_ec, ... 、及びタスクを操作するための様々なファンクションFNC_fa, FUNC_fb, FUNC_fc, ...を有する。これらのファンクションは、それぞれ、例えばOM11、RM12、WM13及びPM14が提供するGUIウィンドウ上のそれぞれのファンクションに対応するツールをユーザが操作することで、実行することができる。
また、図55に示すように、OM11、RM12、WM13及びPM14によるオブジェクトに対する様々な操作を制御するために(つまり、情報フローを制御するために)、バーチャルナレッジベース20内に、様々な制御データが存在する。これらの制御データの種類には、クラス登録データ(CLR)、フォーム登録データ(FMR)、フォルダ登録データ(FLR)、クラスセキュリティ設定データ(CLS)、フォームセキュリティ設定データ(FMS)、ファンクションセキュリティ設定データ(FCS)及びフォルダセキュリティ設定データ(FLS)などがある。
クラス登録データ(CLR)は、オブジェクトが持つことができる1以上(通常は複数)のクラスを定義したものである。ここで、クラスとは、オブジェクトの属性項目であり、クラス定義権限をもつユーザが自由に定義することができる。例えば、文書オブジェクトについて、「主題分野」、「主管部署名」、「キーワード」、「重要度」、「秘密度」、「有効期限」などという複数のクラスを設定することができる。フォーム登録データ(FMR)は、オブジェクトに適用され得る1以上のフォームを定義したものである。ここで、フォームとは、定義された複数のクラスの中から選ばれた2以上のクラスの集合である。フォームも、クラス定義権限をもつユーザが自由に定義することができる。例えば、「主題分野」、「主管部署名」、「キーワード」、「重要度」、「秘密度」、「有効期限」というクラスが定義されている場合、「主題分野」と「主管部署名」とキーワードというクラスのセットを「フォームA」として、また、「主題分野」と「重要度」と「秘密度」と「有効期限」というクラスのセットを「フォームB」として定義することができる。フォームは、オブジェクトの内容を表示するときに、表示すべきクラス(属性項目)を取捨選択するために使用される。例えば、上記の「フォームA」と「フォームBが」定義されている場合に、「フォームA」が選択されると、文書オブジェクトの「主題分野」と「主管部署名」は表示されるが、「重要度」と「秘密度」と「有効期限」は表示されない。フォルダ登録データ(FLR)は、フォルダとフォルダ間の階層関係を定義したものである。フォルダ登録データ(FLR)は、ユーザによって何らかのフォルダが作成、変更、消去される都度、自動的に作成及び更新される。
クラスセキュリティ設定データ(CLS)は、ユーザのクラスに対するアクセス権限、つまり、どのユーザがどのクラスにアクセス可能又は不能かを定義したものである。例えば、「ユーザA」は「クラスA」にはアクセス可能であるが、「クラスB」にはアクセス不能であるということが定義されている。フォームセキュリティ設定データ(FMS)は、ユーザのフォームに対するアクセス権限、つまり、どのユーザがどのフォームにアクセス可能又は不能かを定義したものである。例えば、「ユーザA」は「フォームA」にはアクセス可能であるが、「フォームB」にはアクセス不能であるというようなことが定義されている。ファンクションセキュリティ設定データ(FCS)は、ユーザのOM11、RM12、WM13及びPM14がそれぞれもつファンクションに対するアクセス権限、つまり、どのユーザがどのファンクションにアクセス可能又は不能かを定義したものである。例えば、「ユーザA」は「ファンクションA」にはアクセス可能であるが、「ファンクションB」にはアクセス不能であるというようなことが定義されている。フォルダセキュリティ設定データ(FLS)は、ユーザのフォルダに対するアクセス権限、つまり、どのユーザがどのフォルダにアクセス可能又は不能かを定義したものである。例えば、「ユーザA」は「フォルダA」にはアクセス可能であるが、「フォルダB」にはアクセス不能であるということが定義されている。これらのセキュリティ設定データ(CLS、FMS、FCS、FLS)は、セキュリティ設定権限を持つユーザが自由に定義することができる。
異なるオブジェクトの種類にそれぞれ対応して、上述した異なる種類の制御データのセットが存在する。例えば、文書オブジェクトの操作を制御するために、文書クラス登録データDOC_CLR、文書フォーム登録データDOC_FMR、文書フォルダ登録データDOC_FLR、文書クラスセキュリティ設定データDOC_CLS、文書フォームセキュリティ設定データDOC_FMS、文書ファンクションセキュリティ設定データDOC_FCS及び文書フォルダセキュリティ設定データDOC_FLSが存在する。
また、電子メールの操作を制御するために、電子メールクラス登録データEML_CLR、電子メールフォーム登録データEML_FMR、電子メールフォルダ登録データEML_FLR、電子メールクラスセキュリティ設定データEML_CLS、電子メールフォームセキュリティ設定データEML_FMS、電子メールファンクションセキュリティ設定データEML_FCS及び電子メールフォルダセキュリティ設定データEML_FLSが存在する。
また、業務プロセスの操作を制御するために、プロセスクラス登録データPRC_CLR、プロセスフォーム登録データPRC_FMR、プロセスフォルダ登録データPRCC_FLR、プロセスクラスセキュリティ設定データPRC_CLS、プロセスフォームセキュリティ設定データPRC_FMS、プロセスファンクションセキュリティ設定データPRC_FCS及びプロセスフォルダセキュリティ設定データPRC_FLSが存在する。
また、タスクの操作を制御するために、タスククラス登録データTSK_CLR、タスクフォーム登録データTSK_FMR、タスククラスセキュリティ設定データTSK_CLS、タスクフォームセキュリティ設定データTSK_FMS及びタスクファンクションセキュリティ設定データTSK_FCSが存在する。
また、プロジェクトの操作を制御するために、プロジェクトクラス登録データPRJ_CLR、プロジェクトフォーム登録データPRJ_FMR、プロジェクトフォルダ登録データPRJ_FLR、プロジェクトクラスセキュリティ設定データPRJ_CLS、プロジェクトフォームセキュリティ設定データPRJ_FMS、プロジェクトファンクションセキュリティ設定データPRJ_FCS及びプロジェクトフォルダセキュリティ設定データPRJ_FLSが存在する。
また、プロセスワークシート(或るプロジェクト内の業務プロセスの実行過程でユーザからユーザへと渡される報告書)の操作を制御するために、プロセスワークシートクラス登録データPWS_CLR、プロセスワークシートフォーム登録データPWS_FMR、プロセスワークシートクラスセキュリティ設定データPWS_CLS、プロセスワークシートフォームセキュリティ設定データPWS_FMS及びプロセスワークシートファンクションセキュリティ設定データPWS_FCSが存在する。
OM11、RM12、WM13及びPM14は、それぞれが取り扱うオブジェクト種類に対応した上述した制御データのセットを使用する(例えば、新規に登録する、変更する、及び、オブジェクト操作の制御のために参照する)ことができる。例えば、OM11は、文書オブジェクトのための制御データDOC_CLR、DOC_FMR、DOC_FLR、DOC_CLS、DOC_FMS、DOC_FCS及びDOC_FLSのセットを使用する。また、RM12は、電子メールのための制御データEML_CLR、EML_FMR、EML_CLS、EML_FMS及びEML_FCSのセットを使用する。また、WM13は、業務プロセスのための制御データPRC_CLR、PRC_FMR、PRC_CLS、PRC_FMS及びPRC_FCSのセットと、タスクのための制御データTSK_CLR、TSK_FMR、TSK_CLS、TSK_FMS及びTSK_FCSのセットと、プロセスワークシートクラスのための制御データPWS_CLR、PWS_FMR、PWS_CLS、PWS_FMS及びPWS_FCSを使用する。また、PW14は、プロジェクトのための制御データPRJ_CLR、PRJ_FMR、PRJ_CLS、PRJ_FMS及びPRJ_FCSのセットと、タスクのための制御データTSK_CLR、TSK_FMR、TSK_CLS、TSK_FMS及びTSK_FCSのセットと、プロセスワークシートクラスのための制御データPWS_CLR、PWS_FMR、PWS_CLS、PWS_FMS及びPWS_FCSを使用する。
また、OM11、RM12、WM13及びPM14は、それぞれが取り扱うオブジェクト種類に対応する制御データを新規に登録したり変更したりする機能を、それを登録する権限をもつユーザに提供する。また、図5には示されていないが、AM15は、上述した制御データの全てを新規に登録したり変更したりする機能を、それを登録する権限をもつユーザに提供する。また、OM11、RM12、WM13及びPM14は、それぞれ、上記の制御データを参照して、ユーザによるオブジェクトの操作(つまり、ユーザ間での情報フロー)を制御する。
以下では、OM11、RM12、WM13及びPM14が行う、上記制御データに基づいたオブジェクト操作の制御の具体例を説明する。まず、OM11行う制御について説明する。
図56は、文書オブジェクトの操作を制御するためにOM11により使用される、文書クラス登録データDOC_CLR、文書フォーム登録データDOC_FMR及び文書フォルダ登録データDOC_FLRの構造の例を示し、図57は、文書クラスセキュリティ設定データDOC_CLS、文書フォームセキュリティ設定データDOC_FMS、文書ファンクションセキュリティ設定データDOC_FCS及び文書フォルダセキュリティ設定データDOC_FLSの構造の例を示し、そして、図58は、文書管理テーブルDOC_ADT、アノテーション管理テーブルANT_ADT及びワークリスト管理テーブルWKL_ADTの構造の例を示す。図59は、OM11が行う文書オブジェクト操作の制御の例の流れを示す。図60は、文書オブジェクトを表示するためにOM11が提供するGUIウィンドウの例を示す。図61は、OM11が行う文書オブジェクトのフォームの変更のための制御の例の流れを示す。図62は、OM11が行う文書オブジェクト内のファイルの操作に対する制御の例の流れを示す。
図56に示すように、文書クラス登録データDOC_CLRには、文書オブジェクトがもつ1以上(通常は複数)のクラスの名称(属性項目名)CLS_a、CLS_b、CLS_c、…が登録され、これらのクラス名は然るべき権限をもつユーザが任意に定義することができる。例えば、最初のクラスの名称CLS_aは「主題分野」、次のクラス名CLS_bは「主管部署名」、3番目のクラス名CLS_cは「キーワード」、というように定義することができる。このテーブルDOC_CLRには、また、それぞれのクラスの値の入力方法(つまり、具体的な文書オブジェクトを作成する際、それぞれのクラスの具体的な内容をユーザが入力するための方法)も登録され、これも然るべき権限をもつユーザが任意に定義することができる。例えば、「テキストボックス」という入力方法は、文書オブジェクトを作成するためのGUIウィンドウ上で、クラス名の横に表示されるテキストボックスを用いて、そのクラスの値(内容)を任意のテキストをタイプ入力するという入力方法を意味する(例えば、図44に示すフォーム121にはテキストボックスの入力方法をもつ幾つかのクラス「details」、「Request」が例示されている)。また、「コンボボックス」、「ラジオボタン」及び「チェックボックス」という入力方法は、それぞれ、クラス名の横に表示される複数の選択肢を選ぶためのラジオボタン、チェックボックス及びコンボボックスを用いて、そのクラスの値(内容)となる任意の選択肢を選択するというを入力方法を意味する。「コンボボックス」、「ラジオボタン」及び「チェックボックス」などの入力方法には、さらに、1以上の選択肢OPT_a、OPT_b、…のデータが付随し、これら選択肢も然るべき権限をもつユーザが任意に定義することができる。例えば、クラス名「重要度」の入力方法「ラジオボタン」に対する選択肢として「大」、「中」、「小」という選択肢を定義することができる。
図56に示すように、文書フォーム登録データDOC_FMRには、文書オブジェクトがもつ1以上(通常は複数)のフォームの名称FRM_a、FRM_b、FRM_c、…と、各フォームがもつ1以上のクラス名が登録されており、これらは然るべき権限をもつユーザが任意に定義することができる。図56の例では、フォーム「FRM_a」には、3つのクラス「CLS_a」、「CLS_b」及び「CLS_c」を有している。
図56に示すように、文書フォルダ登録データDOC_FLRには、文書オブジェクトが格納される全てのフォルダの名称FCL_a、FLC_b、…と、それぞれのフォルダの上位に位置するフォルダの名称が登録され、これにより、フォルダの階層構造が定義されている。OM11を用いてユーザがフォルダを作成、変更、削除、移動する都度、OM11が自動的に文書フォルダ登録データDOC_FLRを更新する。
図57に示すように、文書クラスセキュリティ設定データDOC_CLSには、予め複数のユーザUSR_a、USR_b、…(これらユーザを登録したテーブルも勿論存在するが、その説明は省略する)の各々がアクセス可能な、文書クラス登録データDOC_CLRから選ばれたクラス名が登録されており、これらも然るべき権限をもつユーザが任意に定義することができる。各ユーザは、このテーブルDOC_CLSに登録されていないクラスにはアクセス不能である。図57の例では、ユーザ「USR_a」は、クラス「CLS_a」、「CLS_b」及び「CLS_c」にアクセス可能であるが、その他のクラスにはアクセス不能である。
図57に示すように、文書フォームセキュリティ設定データDOC_FMSには、複数のユーザUSR_a、USR_b、…の各々がアクセス可能な、文書フォーム登録データDOC_FMRから選ばれたフォーム名が登録されており、これらも然るべき権限をもつユーザが任意に定義することができる。各ユーザは、このテーブルDOC_FMSに登録されていないフォームにはアクセス不能である。図57の例では、ユーザ「USR_a」は、フォーム「FRM_aa」、「FRM_ab」及び「FRM_ac」にアクセス可能であるが、その他のフォームにはアクセス不能である。
図57に示すように、文書ファンクションセキュリティ設定データDOC_FCSには、複数のユーザUSR_a、USR_b、…の各々がアクセス可能な、OM11がもつファンクションの名称が登録されており、これらも然るべき権限をもつユーザが任意に定義することができる。各ユーザは、このテーブルDOC_FMSに登録されていないファンクションにはアクセス不能である。図57の例では、ユーザ「USR_a」は、ファンクション「FNC_aa」、「FNC_ab」及び「FNC_ac」にアクセス可能であるが、その他のファンクションにはアクセス不能である。
図57に示すように、文書フォルダセキュリティ設定データDOC_FLSには、複数のユーザUSR_a、USR_b、…の各々がアクセス可能な、文書フォルダ登録データDOC_FLRから選ばれたフォルダ名が登録されており、これらも然るべき権限をもつユーザが任意に定義することができる。各ユーザは、このテーブルDOC_FMSに登録されていないフォルダにはアクセス不能である。図57の例では、ユーザ「USR_a」は、フォルダ「FLD_a」、「FLD _b」及び「FLD_c」にアクセス可能であるが、その他のフォルダにはアクセス不能である。
図58に示すように、文書管理テーブルDOC_ADTには、全ての文書オブジェクト(アノテーションオブジェクトを除く)のそれぞれについて、その文書オブジェクトを定義したオブジェクト定義データが登録され、その内容はその文書オブジェクトを作成したユーザが任意に定義することができる。図58では、文書管理テーブルDOC_ADT内の各行が、各文書オブジェクトのオブジェクト定義データを表している。図示のように、各文書オブジェクトのオブジェクト定義データは、「文書ID」、「文書名」、「タイプ」、「ファイル」、「CLS_a値」、「CLS_b値」、…、「作成者」及び「作成日時」などの項目についての設定値が定義されている。ここで、項目「タイプ」には、その文書オブジェクトに与えられた、図4を参照して説明したシングルシート(SS)、マルチシート(MS)、マルチドキュメント(MD)、マルチリプレゼンターション(MR)及びレジスタード(RG)のうちの一つのタイプが設定される。図58に示した例では、最初の文書オブジェクトのタイプは「MD」であり、2番目の文書オブジェクトのタイプは「MS」である。項目「フォルダ名」には、その文書オブジェクトが格納されているフォルダの名称が設定される。項目「ファイル」には、その文書オブジェクトに関連付けられている(つまり、その文書オブジェクトとして取り扱われる)1以上のファイルへのレフェレンス値、例えばフルパスファイル名、が設定される。但し、「タイプ」がRGの場合には、「ファイル」には何も設定されない。図58に示した例では、最初の文書オブジェクトは、複数のファイル「\FLD_i\FLD_j\FIL_k」、「\FLD_p\FIL_q」、…に関連付けられている。項目「CLS_a値」、「CLS_b値」、…には、図56に示した文書クラス登録データDOC_CLRで定義された全てのクラス名CLS_a、CLS_b、…に対するユーザの入力値(例えば、テキスト、選択された選択肢など)が設定される。図58に示した例では、最初の文書オブジェクトでは、最初のクラス「CLS_a」(例えば、「主題分野」)には、「システム概要」という値が設定され、次のクラス「CLS_b」(例えば、「主管部署」)には、「システム企画」という値が設定されている。
図58に示すように、アノテーション管理テーブルANT_ADTには、全てのアノテーション(AN)オブジェクトのそれぞれについて、そのANオブジェクトを定義したオブジェクト定義データが登録され、その内容はそのANオブジェクトを作成したユーザが任意に定義することができる。図58では、アノテーション管理テーブルANT_ADT内の各行が、各ANオブジェクトのオブジェクト定義データを表している。図示のように、各ANオブジェクトのオブジェクト定義データは、「アノテーションID」、「アノテーション名」、「文書ID」、「コメント」、「ファイル」、「作成者」、「作成日時」「承認者」及び「承認日時」などの項目についての設定値が定義されている。ここで、項目「文書ID」には、そのANオブジェクトが付随する他の文書オブジェクトへのレフェレンス値、例えば文書ID、が設定される。図58に示した例では、最初のANオブジェクトは文書オブジェクト「DID_aa」に付随している。項目「ファイル」には、そのANオブジェクトに関連付けられている(つまり、そのANオブジェクトとして取り扱われる)1以上のファイルへのレフェレンス値、例えばフルパスファイル名、が設定される。
図58に示すように、ワークリスト管理テーブルWKL_ADTには、全てのワークリスト(WKL)のそれぞれについて、そのWKLを定義したオブジェクト定義データが登録され、その内容はそのWKLを作成したユーザが任意に定義することができる。図58では、WKL管理テーブルANT_ADT内の各行が、各WKLのオブジェクト定義データを表している。図示のように、各WKL定義データは、「ワークリストID」、「ワークリスト名」、「文書ID」、「作成者」及び「作成日時」などの項目についての設定値が定義されている。ここで、項目「文書ID」には、そのWKLに含まれる全ての文書オブジェクトへのレフェレンス値、例えば文書ID、が設定される。
図59には、OM11が行う文書オブジェクト操作の制御の流れが示されている。
図59に示すように、ステップS11で、或るユーザがOM11を開く。すると、ステップS12で、OM11は、図56に示した文書フォルダ登録データDOC_FLRを参照して、文書オブジェクトに関わるフォルダの階層構造を把握し、また、図57に示した文書フォルダセキュリティ設定データDOC_FLSを参照して、そのユーザがアクセス可能なフォルダとアクセス不能なフォルダとを把握し、そして、アクセス可能なフォルダとアクセス不能なフォルダを色で区別したフォルダ構造を、所定のGUIウィンドウ内のフォルダブラウザウィンドウに表示する。図60は、このGUIウィンドウの例を示しており、その左側に上記のフォルダブラウザウィンドウ100が表示される。
再び図59を参照して、ステップS13でユーザがフォルダブラウザウィンドウ100内から開きたいフォルダを選択する。すると、OM11は、ステップS14で、図57に示した文書フォルダセキュリティ設定データDOC_FLSを参照し、選択されたフォルダへのアクセスがそのユーザに許可されている場合にのみ、その選択フォルダを開き、そして、ステップS15で、開いたフォルダ内の文書オブジェクトのリストを上記GUIウィンドウに表示する。例えば、図40に示すように、中央のメインウィンドウ101に、上記文書オブジェクトのリスト106が表示される。
その後、ステップS16で、ユーザが表示された文書リスト中から開きたい文書オブジェクトを選択する。すると、OM11は、ステップS17で、図57に示した文書クラスセキュリティ設定データDOC_CLSと文書フォームセキュリティ設定データDOC_FMSとを参照して、そのユーザがアクセス可能なクラスであって、そのユーザがアクセス可能な所定のデフォルトのフォームに含まれるクラスを把握する。次に、OM11は、図58に示した文書管理テーブルDOC_ADT内の選択された文書オブジェクトのオブジェクト定義データを参照して、上記の把握されたクラスの値を読み、読まれたクラス値のみからクラス情報(その文書オブジェクトの属性のリスト)を作る。また、OM11は、ステップS18で、図57に示した文書フォームセキュリティ設定データDOC_FMSを参照して、そのユーザがアクセス可能なフォーム名のみからフォーム選択コンボボックスを作る。さらに、OM11は、ステップS19で、図58に示した文書管理テーブルDOC_ADT内の選択された文書オブジェクトのオブジェクト定義データを参照して、その文書オブジェクトに関連付けられた(つまり、その文書オブジェクトに含まれる)ファイルのリストを作る。さらに、OM11は、ステップS20で、図58に示したアノテーション登録テーブルANT_ADTを参照して、その文書オブジェクトに関連付けられたアノテーションオブジェクトのリストを作る。そして、OM11は、ステップS21で、作成されたクラス情報、フォーム選択コンボボックス、ファイルリスト及びアノテーションリストを、上記GUIウィンドウに表示する。例えば、図60に示すように、中央のメインウィンドウ101に、選択された文書オブジェクトのクラス情報131、フォーム選択コンボボックス133、ファイルリスト135及びアノテーションリスト137が表示される。
なお、ワークリストを表示したい場合には、ユーザは、図40に示したGUIウィンドウにおいて、ワークリストボタン111を操作する。すると、OM11が、現在存在するワークリストのリストを表示する。ユーザが、そのワークリストのリスト中から所望のワークリストを選択すると、OM11は、選択されたワークリストに含まれる文書オブジェクトのリストを表示する。この文書オブジェクトのリストは、図40に示した選択フォルダ内の文書オブジェクトのリスト106と同様な構成である。ユーザがその文書オブジェクトのリストから、開きたい文書オブジェクトを選択すると、OM11は、上述した図59のステッS17〜S21の処理を行う。
再び図59を参照して、ステップS22で、ユーザがOM11の任意のファンクション(例えば、その文書オブジェクトのクラス値を変更する、その文書オブジェクトにファイル又はアノテーションを追加する、図60に示したファイルリスト135中のファイルを開く、そのファイルを編集又は削除する、アノテーションリスト137中のアノテーションを開く、又は、そのアノテーションを編集、削除又は承認する、など)を選択する。すると、OM11は、ステップS23で、図57に示した文書ファンクションセキュリティ設定データDOC_FCSを参照し、選択されたファンクションへのアクセスがそのユーザに許可されている場合にのみ、その選択されたファンクションを実行する。
また、図59のステップS25では、ユーザが、開かれたフォルダへの文書オブジェクトの追加を要求する。すると、OM11は、ステップS26で、図57に示したファンクションセキュリティ設定データDOC_FCSを参照して、文書追加のファンクションへのアクセスがそのユーザに許可されている場合にのみ、文書追加ファンクションを実行して、新規の文書オブジェクトを登録するための文書登録ウィンドウを、例えば図60に示したGUIウィンドウ内のメインウィンドウ101に表示する。ステップS27で、ユーザが、上記の文書登録ウィンドウに、追加したい文書オブジェクトのオブジェクト名、タイプ、フォルダ、ファイル、及び全てのクラス(図56に示した文書クラス登録データDOC_CLRに定義された全てのクラス)のクラス値などを入力して、OM11に登録実行を指示する。すると、OM11は、ステップS28で、文書登録ウィンドウへのユーザの入力値に基づいて、その新たな文書オブジェクトのオブジェクト定義データを作成して、これを図58に示した文書管理テーブルDOC_ADTに追加登録する。
また、図60に示した、或る文書オブジェクトの内容を表したメインウィンドウ101において、ユーザがフォーム選択コンボボックス133を用いて、フォームを変更した場合には、OM11は、図61に例示するような制御を行なう。
図61において、ステップS31で、ユーザがフォームを変更する。すると、OM11は、ステップS32で、図57に示した文書クラスセキュリティ設定データDOC_CLSと文書フォームセキュリティ設定データDOC_FMSとを参照して、そのユーザがアクセス可能なクラスであって、変更後のフォームに含まれるクラスを把握する。次に、OM11は、図58に示した文書管理テーブルDOC_ADT内の選択された文書オブジェクトのオブジェクト定義データを参照して、上記の把握されたクラスの値(つまり、変更後フォームの中でそのユーザがアクセス可能なクラスの値)を読み、読まれたクラス値のみから、変更後のフォームに合ったクラス情報を作る。そして、OM11は、ステップS33で、図60に示したメインウィンドウ101上に表示されたクラス情報131を、変更後のフォームに合ったクラス情報に更新する。
また、図60に示した、或る文書オブジェクトの内容を表したメインウィンドウ101において、ユーザがファイルの操作(例えば、ファイルを開く、追加/消去する、又は、アノテーションを追加/削除する)を行なう場合、OM11は、図62に例示するような制御を行なう。
図62において、ステップS41で、ユーザがファイルリスト135から開きたいファイルを選択する。すると、OM11は、S42で、図57に示した文書ファンクションセキュリティ設定データDIC_FCSを参照して、そのユーザにファイルを開くファンクションが許可されているかチェックし、許可されている場合にのみ、ファイルを開くファンクションを実行する。そファイルを開くファンクションでは、OM11は、S43で、その文書オブジェクトのタイプをチェックし、タイプがMRでSSである場合には、ステップS44で、選択されたファイルだけでなく、その文書オブジェクトに関連付けられた全てのファイルを開く。一方、タイプがMR以外である場合には、OM11は、ステップS45で、選択されたファイルのみを開く。
ステップS51では、ユーザが、ファイル追加ボタン139を用いてファイル追加を要求する。すると、OM11は、ステップS51で、図57に示した文書ファンクションセキュリティ設定データDIC_FCSを参照して、そのユーザにファイル追加のファンクションが許可されているかチェックし、許可されている場合にのみ、ファイル追加ファンクションを実行する。ファイル追加ファンクションでは、OM11は、ステップS53で、ユーザが指定したファイルのフルパスファイル名を、図58に示した文書管理テーブルDOC_ADT内のその文書オブジェクトのオブジェクト定義データに追加登録し、図60に示したファイルリスト135にその指定されたファイルのファイル名を追加登録する。さらに、OM11は、ステップS54で、その文書オブジェクトのタイプをチェックし、タイプがSSの場合には、ステップS55で、タイプをMRに変更し、また、タイプがRGの場合には、ステップS56で、タイプをSSに変更し、また、その他のタイプの場合には、タイプを変更しない。
ステップS61では、ユーザがファイルリスト135内の或るファイルの削除を要求する。すると、OM11は、ステップS62で、図57に示した文書ファンクションセキュリティ設定データDIC_FCSを参照して、そのユーザにファイル削除のファンクションへのアクセスが許可されているかチェックし、許可されている場合にのみ、ファイル削除ファンクションを実行する。ファイル削除ファンクションでは、OM11は、ステップS63で、ユーザが指定したファイルのフルパスファイル名を、図58に示した文書管理テーブルDOC_ADT内のその文書オブジェクトのオブジェクト定義データから削除し、図60に示したファイルリスト135からその指定されたファイルのファイル名を削除する。さらに、OM11は、ステップS64で、その文書オブジェクトのタイプをチェックし、タイプがSSの場合には、ステップS65で、タイプをRG MRに変更する。また、タイプがMDかMRの場合には、OM11は、ステップS66で、残りのファイル数をチェックし、残りのファイル数が1であれば、ステップS67で、タイプをSSに変更する。また、その他のタイプの場合には、タイプを変更しない。
ステップS71では、ユーザがアノテーション(AN)オブジェクトの追加又は削除を要求する。すると、OM11は、ステップS72で、図57に示した文書ファンクションセキュリティ設定データDIC_FCSを参照して、そのユーザにANオブジェクトの追加又は削除のファンクションが許可されているかチェックし、許可されている場合にのみ、ANオブジェクト追加又は削除のファンクションを実行する。ANオブジェクト追加又は削除のファンクションでは、OM11は、ステップS73で、図58に示したアノテーション管理テーブルANT_ADTにおいて、ユーザの指定したアノテーション定義データを追加又は削除し、図60に示したアノテーションリスト137において、そのアノテーションの情報を追加又は削除する。
以上のような、OM11が行う文書オブジェクトに関する操作の制御方法の原理は、RM12が行う電子メールに関する操作の制御、WM13が行う業務プロジェクト又はタスクに関する操作の制御、及び、PM14が行うプロジェクト、タスク、プロセスワークシート及びデリバラブルに関する操作の制御にも適用することができる。
次に、RM12が行う電子メールに関する操作の制御について、特に、電子メールに特有の制御に焦点を当てて説明する。
図63は、電子メール管理テーブルEML_ADTの構造の例を示す。図64は、RM12が行う電子メール操作の制御の例の流れを示す。図65は、電子メールを表示するためにRM12が提供するGUIウィンドウの例を示す。
図55を参照して既に説明したように、電子メールに関して、電子メールクラス登録データEML_CLR、電子メールフォーム登録データEML_FMR、電子メールフォルダ登録データEML_FLR、電子メールクラスセキュリティ設定データEML_CLS、電子メールフォームセキュリティ設定データEML_FMS、電子メールファンクションセキュリティ設定データEML_FCS及び電子メールフォルダセキュリティ設定データEML_FLSなどの制御データが存在する。これらの制御データはぞれぞれ、図56及び図57に示した文書オブジェクトに関する同種の制御データ、すなわち、文書クラス登録データDOC_CLR、文書フォーム登録データDOC_FMR、文書フォルダ登録データDOC_FLR、文書クラスセキュリティ設定データDOC_CLS、文書フォームセキュリティ設定データDOC_FMS、文書ファンクションセキュリティ設定データDOC_FCS及び文書フォルダセキュリティ設定データDOC_FLSと、基本的に同様のデータ構造を有する。
また、図63に示すように、電子メール管理テーブルEML_ADTには、全ての電子メールのそれぞれについて、その電子メールを定義したオブジェクト定義データが登録され、その内容はその電子メールを作成したユーザが任意に定義することができる。図63では、電子メール管理テーブルEML_ADT内の各行が、各電子メールのオブジェクト定義データを表している。図示のように、各電子メールのオブジェクト定義データは、「メールID」、「タイトル」、「タイプ」、「送信元」、「宛先」、「C.C.」、「返信期限」、「CLS_a値」、…、「メッセージ」、「添付物」、「転送許可」、「通信グループ制限」、「プリント指示」、「アーカイブ指示」、「トランク指示」、「送信日時」及び「ステータス」などの項目についての設定値が定義されている。ここで、項目「メールID」、「タイトル」、「送信元」、「宛先」及び「C.C.」は、公知の一般の電子メールのヘッダに含まれる同様のデータと同じ意味である。項目「タイプ」には、その電子メールに与えられた、図5を参照して説明したフォーマルメール(FM)、インフォーマルメール(IFM)及びブルテンメール(BM)のうちの一つのタイプが設定される。図58に示した例では、最初の電子メールのタイプは「FM」であり、2番目の電子メールのタイプは「IFM」である。項目「返信期限」には、その電子メールに対して受信者が返信すべき期限が設定される。「返信期限」の値は、その電子メールのタイプが「FM」である場合にのみ設定され、他のタイプの場合には設定されない。項目「CLS_a値」、…には、電子メールクラス登録データEML_CLR(図56に示した文書クラス登録データDOC_CLRと同様の構造をもつ)で定義された全てのクラス名CLS_a、…に対するユーザの入力値(例えば、テキスト、選択された選択肢など)が設定される。項目「メッセージ」には、その電子メールの本文メッセージが設定される。項目「添付物」には、その電子メールに添付されたデータへのリフェレンス値が設定される。添付できるデータには、ファイル及び各種のオブジェクトがある。ファイルが添付された場合、リフェレンス値として例えばそのファイルのフルパスファイル名が設定でき、また、オブジェクトが添付された場合には、リフェレンス値として例えばそのオブジェクトのオブジェクトIDが設定できる。図63に示した例では、最初の電子メールには、ファイル「\FOL_x\FIL_a」、文書オブジェクト「DID_a」、ワークリスト「WKL_a」及びタスクリスト「TKL_a」などが添付されている。項目「転送許可」及び「通信グループ制限」には、図5を参照して説明した転送許可(AF)及び通信グループ制限(LG)のフラグの値(ON又はOFF)が設定される。項目「プリント指示」、「アーカイブ指示」及び「トランク指示」には、所定のプリント対象オブジェクトを保存するフォルダ、オブジェクトアーカイブ用のフォルダ及びオブジェクト配信用のフォルダに、その電子メールオブジェクトを入れるか否かの指示の有無(ON又はOFF)が設定される。項目「ステータス」には、上述した返信期限と現時点との関係に関わるステータス(期限切れ、期限前、期限近いなど)が自動的に設定される。
図64は、RM12が行う電子メール操作の制御例の流れを示す。
図64に示すように、ステップS81で、ユーザがRM12を開く。すると、RM12は、ステップS82で、電子メールフォルダ登録テーブルEML_FLRを参照して、電子メールに関わるフォルダの階層構造を把握し、また、電子メールフォルダセキュリティ設定テーブルEML_FLSを参照して、そのユーザがアクセスできるフォルダとできないフォルダを把握し、そして、ユーザがアクセスできるフォルダとできないフォルダとを色で区別して示した電子メール用のフォルダ構造を、所定のGUIウィンドウのフォルダブラウザウィンドウに表示する。図65は、そのGUIウィンドウの一例を示しており、その左側のフォルダブラウザウィンドウ700に、上記電子メール用のフォルダ構造が表示される。
ステップS83では、ユーザが、図65に示したフォルダブラウザウィンドウ700において、所望のタイプ(FM、IFM又はBM)のメール作成用のフォルダを選択する。例えば、図65の例では、フォルダ「Compose」内のフォルダ「Formal」、「Informal」及び「Bulletin」がそれぞれ、フォーマルメール(FM)、インフォーマルメール(IFM)及びブルテンメール(BM)を作成するためのフォルダである。すると、RM12は、ステップS84で、ユーザが選択したタイプのメールを作成するためのメール作成ウィンドウを、図65に示したGUIウィンドウ内のメインウィンドウ701に表示する(但し、図65の例では、メインウィンドウ701には、メール作成ウィンドウではなく、後述するステップS92で表示される、受信メールの内容が表示されている)。ステップS85で、ユーザは、表示されたメール作成ウィンドウに、電子メールのタイトル、宛先、メッセージ、返信期限、添付物、各種制御指示(転送許可、通信グループ制限、プリント指示、アーカイブ指示、又はトランク指示など)、及び全クラス値などを入力する。ステップS86で、ユーザがメール送信を要求する。すると、RM12は、ステップS87で、上記ユーザの入力情報に基づいて、新しいメールのオブジェクト定義データを作成して、これを電子メール管理テーブルEML_ADTに登録して、その電子メールを宛先に送信する。
ステップS88では、ユーザが図65に示したフォルダブラウザウィンドウ700内の任意のタイプのメールの受信ボックスフォルダを選択する。図65の例では、フォルダ「Inbox」内のフォルダ「Formal」、「Informal」及び「Bulletin」がそれぞれ、フォーマルメール(FM)、インフォーマルメール(IFM)及びブルテンメール(BM)の受信ボックスフォルダである。すると、RM12は、ステップS89で、ユーザ選択されたタイプの受信メールのリストを、図65に示したメインウィンドウ701内に表示する。このとき、RM12は、電子メール管理テーブルEML_ADT内の受信メールのオブジェクト定義データを参照して、それぞれの受信メールのステータスを取得し、取得したステータスを色ラベルを用いて受信メールリスト内に表示する。ステップS90で、ユーザが受信メールリスト中から任意の受信メールを選択する。すると、RM12は、ステップS91で、電子メールクラスセキュリティ設定データEML_CLSと電子メールフォームセキュリティ設定データEML_FMSを参照して、そのユーザが利用できるデフォルトのフォームに含まれるクラスであって、そのユーザがアクセスできるクラスを把握し、そして、電子メール管理テーブルENL_ADT内の選択された受信メールのオブジェクト定義データを取得して、それに基づき、そのユーザがアクセスできるクラスの値のみからクラス情報を作る。さらに、RM12は、電子メールフォームセキュリティ設定データEML_FMSを参照して、そのユーがアクセス可能なフォームを選択するためのフォーム選択コンボボックスを作成する。そして、RM12は、ステップS92で、クラス情報とフォーム選択コンボボックスとその他のオブジェクト定義データから取得した情報とを、図65に示したメインウィンドウ701に表示する。図65の例では、メインウィンドウ701内に、ヘッダ情報とクラス情報を表したテーブル711、フォーム選択コンボボックス713、返信期限715、ステータスを示す色ラベル717、添付物リスト723、転送許可(AF)フラグ値719、通信グループ制限(LG)フラグ値721、添付物リスト723、本文メッセージ725などが表示される。さらに、RM12は、選択された受信メールのオブジェクト定義データ内のプリント指示、アーカイブ指示及びトランク指示の値に応じて、指示されたフォルダにその選択された受信メールを転送する。
その後、ステップS93では、ユーザが、選択された受信メールの返信又は転送を要求する。すると、RM12は、ステップS94で、選択された受信メールのオブジェクト定義データ内の転送許可(AF)フラグ値719又は通信グループ制限(LG)フラグ値721に基づいて、その受信メールの返信又は転送を制御する。
ステップS95では、ユーザがRM12の任意のファンクションを選択する。すると、RM12は、ステップS96で、電子メールファンクションセキュリティ設定データEML_FCSを参照し、選択されたファンクションへのアクセスがそのユーザに許可されている場合にのみ、その選択されたファンクションを実行する。
次に、WM13が行う業務プロセスとタスクに関する操作の制御について説明する。
図66は、プロセス管理テーブルPRC_ADTの構造の例を示す。図67は、タスク管理テーブルTSK_ADTの構造の例を示す。
既に図55を参照して説明したように、業務プロセスに関して、プロセスクラス登録データPRC_CLR、プロセスフォーム登録データPRC_FMR、プロセスフォルダ登録データPRCC_FLR、プロセスクラスセキュリティ設定データPRC_CLS、プロセスフォームセキュリティ設定データPRC_FMS、プロセスファンクションセキュリティ設定データPRC_FCS及びプロセスフォルダセキュリティ設定データPRC_FLSが存在する。また、タスクに関して、タスククラス登録データTSK_CLR、タスクフォーム登録データTSK_FMR、タスククラスセキュリティ設定データTSK_CLS、タスクフォームセキュリティ設定データTSK_FMS及びタスクファンクションセキュリティ設定データTSK_FCSが存在する。これらの制御データの構造は、図56及び図57に示した文書オブジェクトに関する同種の制御データ、すなわち、文書クラス登録データDOC_CLR、文書フォーム登録データDOC_FMR、文書フォルダ登録データDOC_FLR、文書クラスセキュリティ設定データDOC_CLS、文書フォームセキュリティ設定データDOC_FMS、文書ファンクションセキュリティ設定データDOC_FCS及び文書フォルダセキュリティ設定データDOC_FLSの構造と基本的に同様である。
また、図66に示すように、プロセス管理テーブルPRC_ADTには、全ての業務プロセスのそれぞれについて、その業務プロセスを定義したオブジェクト定義データが登録され、その内容はその業務プロセスを作成したユーザが任意に定義することができる。図66では、プロセス管理テーブルPRC_ADT内の各行が、各業務プロセスのオブジェクト定義データを表している。図示のように、各業務プロジェクトのオブジェクト定義データは、「プロセスID」、「プロセス名」、「プロセスフォーム」、「CLS_a値」、「CLS_b値」、…、「作成者」、「作成日時」及び「ワークフロー」などの項目についての設定値が定義されている。ここで、項目「プロセスフォーム」には、その業務プロセスにおいてプロセスワークシート(報告書)として使用される1以上のフォーム(プロセスフォーム)の名称が設定されており、これは業務プロセスを作成したユーザによって図9に示したプロセス登録ウィンドウ内のフォーム選択ツール513、514及び515を用いて、予め用意されている複数のプロセスフォーム(図9の例では、「Approval」、「Defauld」及びSpecification」)の中から選択されたものである。ここで、予め用意されている複数のプロセスフォーム(プロセスワークシートのフォーム)とクラス名(プロセスワークシートのクラス)は、図55に示したプロセスワークシートフォーム登録データPWS_FMR及びプロセスワークシートクラス登録データPWS_CLRに定義されており、これもプロセスワークシートの登録権限をもつユーザが自由に定義することができる。項目「CLS_a値」、…には、プロセスクラス登録データPRC_CLR(図56に示した文書クラス登録データDOC_CLRと同様の構造をもつ)で定義された全てのクラス名CLS_a、…に対するユーザの入力値(例えば、テキスト、選択された選択肢など)が設定される。項目「ワークフロー」には、その業務プロセスのワークフローモデル(図13〜図16に例示したGUIウィンドウを用いて構築されたもの)のデータが設定される。このワークフローモデルのデータは、例えば図66に示すように、ワークフローモデルがもつ全てのステージと、各ステージに割り当てられた全ての部署の名称、各ステージの各部署の前のステージの部署とのリンクなどのを表すデータから構成される(図66のデータ例は、点線枠内に示したワークフローモデル例を表したものである)。
また、図67に示すように、タスク管理テーブルTSK_ADTには、全てのタスクのそれぞれについて、そのタスクを定義したオブジェクト定義データが登録され、その内容はそのタスクを作成したユーザが任意に定義することができる。図67では、タスク管理テーブルTSK_ADT内の各行が、各タスクのオブジェクト定義データを表している。図示のように、各タスクのオブジェクト定義データは、「タスクID」、「タスク名」、「CLS_a値」、「CLS_b値」、…、「テンプレート」、「作成者」及び「作成日時」などの項目についての設定値が定義されている。ここで、項目「CLS_a値」、「CLS_b値」、…には、タスク登録データTSK_CLR(図56に示した文書クラス登録データDOC_CLRと同様の構造をもつ)で定義された全てのクラス名CLS_a、…に対するユーザの入力値(例えば、テキスト、選択された選択肢など)が設定される。また、項目「テンプレート」には、そのタスクを実行したユーザが成果物(Deloverable)たる文書オブジェクトを作成する際に、参考にすることができる成果物の標準モデルとして用いられる1以上の文書オブジェクト(テンプレート)へのレフェレンス値、例えば文書ID、が設定される。
WM13は、業務プロセス及びタスクの表示、作成、変更、消去及びその他の種々の操作を実行する際、上述した業務プロセス及びタスクに関するデータを用いて、OM11が文書オブジェクトの操作に関して行った制御と同様の原理に従って、業務プロセス及びタスクの操作を制御することができる。
次に、PM14が行うプロジェクトに関する操作の制御、とりわけ、プロジェクト内のタスクに関する操作の制御について説明する。
図68及び図69は、繋がって、プロジェクト管理テーブルPRC_ADTの構造の例を示す。図70は、タスクリスト管理テーブルTKL_ADTの構造の例を示す。図71は、PM14が行うプロジェクト内のタスクに関する操作の制御の例のフローを示す。
既に図55を参照して説明したように、プロジェクトに関して、プロジェクトクラス登録データPRJ_CLR、プロジェクトフォーム登録データPRJ_FMR、プロジェクトフォルダ登録データPRJ_FLR、プロジェクトクラスセキュリティ設定データPRJ_CLS、プロジェクトフォームセキュリティ設定データPRJ_FMS、プロジェクトファンクションセキュリティ設定データPRJ_FCS及びプロジェクトフォルダセキュリティ設定データPRJ_FLSが存在する。これらの制御データの構造は、図56及び図57に示した文書オブジェクトに関する同種の制御データ、すなわち、文書クラス登録データDOC_CLR、文書フォーム登録データDOC_FMR、文書フォルダ登録データDOC_FLR、文書クラスセキュリティ設定データDOC_CLS、文書フォームセキュリティ設定データDOC_FMS、文書ファンクションセキュリティ設定データDOC_FCS及び文書フォルダセキュリティ設定データDOC_FLSの構造と基本的に同様である。
また、既に図55を参照して説明したように、プロセスワークシート(プロジェクト内の業務プロセスの実行過程でユーザからユーザへと渡される報告書)に関して、プロセスワークシートクラス登録データPWS_CLR、プロセスワークシートフォーム登録データPWS_FMR、プロセスワークシートクラスセキュリティ設定データPWS_CLS、プロセスワークシートフォームセキュリティ設定データPWS_FMS及びプロセスワークシートファンクションセキュリティ設定データPWS_FCSが存在する。これらの制御データの構造も、図56及び図57に示した文書オブジェクトに関する同種の制御データ、すなわち、文書クラス登録データDOC_CLR、文書フォーム登録データDOC_FMR、文書クラスセキュリティ設定データDOC_CLS、文書フォームセキュリティ設定データDOC_FMS及び文書ファンクションセキュリティ設定データDOC_FCSの構造と基本的に同様である。
図68に示すように、プロジェクト管理テーブルPRJ_ADTには、全てのプロジェクトのそれぞれについて、そのプロジェクトを定義したオブジェクト定義データが登録され、その内容はそのプロジェクトを作成したユーザが任意に定義することができる。図68では、プロジェクト管理テーブルPRJ_ADT内の各行が、各プロジェクトのオブジェクト定義データを表している。図示のように、各プロジェクトのオブジェクト定義データは、「プロジェクトID」、「プロジェクト名」、「CLS_a値」、「CLS_b値」、…、「作成者」、「作成日時」及び「プロジェクト構造」などの項目についての設定値が定義されている。ここで、項目「CLS_a値」、「CLS_b値」、…には、プロジェクトクラス登録データPRJ_CLR(図56に示した文書クラス登録データDOC_CLRと同様の構造をもつ)で定義された全てのクラス名CLS_a、…に対するユーザの入力値(例えば、テキスト、選択された選択肢など)が設定される。
項目「プロジェクト構造」には、そのプロジェクトの構造を表すデータが設定される。このプロジェクト構造データには、図68に示すように、項目「プロセス」、「ワークシート」及び「部署」の項目についての設定値が含まれる。項目「プロセス」には、そのプロジェクトに割り当てられた全ての業務プロセス(ワークフローモデル)へのリフェレンス値、例えばプロセスID、が設定される。項目「ワークシート」には、そのプロジェクトに割り当てられた全ての業務プロセスの各々の実施中に、ユーザにより作成された1以上のプロセスワークシート(報告書)のデータが設定される。このプロセスワークシートのデータの具体的構成については、後に図69を参照して説明する。項目「部署」には、そのプロジェクトに割り当てられた全ての業務プロセスの各々について、その業務プロセスのワークフローモデルに含まれる全ての部署へのレフェレンス値、例えば部署IDと、部署毎の項目「フェーズ」のデータが設定される。項目「フェーズ」のデータには、その業務プロセスについて設定されている全てのフェーズの名称と、フェーズ毎の項目「タスク」のデータが含まれる。項目「タスク」のデータには、図69に示すように、その業務プロセスのそのフェーズに割り当てられた全てのタスクへのレフェレンス値、例えばタスクIDと、タスク毎の「サブタスク」、「従業員」、「役割」、「責任者」、「予定開始時」、「予定終了時」、「期間」、「安全率」、「実開始時」、「実終了時」及び「ステータス」などの項目の設定値が含まれる。
タスク毎の項目「サブタスク」には、そのタスクに割り当てられた全てのタブタスクのレフェレンス値、例えばそのサブタスクのタスクIDと、サブタスク毎の項目「成果物」のデータが設定される。サブタスク毎の項目「成果物」のデータには、そのサブタスクを実行したユーザにより作成された全ての成果物たる文書オブジェクトへのレフェレンス値、例えば文書ID、が含まれる。また、タスク毎の項目「従業員」、「役割」、「責任者」、「予定開始時」、「予定終了時」、「期間」、「安全率」、「実開始時」及び「実終了時」には、そのプロジェクトのそのフェーズのそのタスクについて割り当てられた又は設定された、従業員、役割、責任者、予定開始日時、予定終了日時、期間、安全率、実開始日時及び実終了日時が設定される。また、タスク毎の項目「ステータス」には、そのタスクの開始、終了又は進捗率を表すステータスデータが、PM14により後述するようにして自動的に設定される。
図68に示した業務プロセス毎の項目「ワークシート」に設定されるプロセスワークシートのデータには、図69に示すように、その業務プロセスで作成された全てのプロセスワークシートを定義したデータが含まれる。各プロセスワークシートの定義データには、「プロセスフォーム」、「CLS_a値」、「CLS_b値」、…及び「添付物」などの項目についての設定値が含まれる。ここで、項目「プロセスフォーム」には、そのプロセスワークシートの作成で使用されたプロセスフォームの名称が設定される。項目「CLS_a値」、「CLS_b値」、…には、プロセスワークシートクラス登録データPWS_CLR(図56に示した文書クラス登録データDOC_CLRと同様の構造をもつ)で定義された全てのクラス名CLS_a、…に対するユーザの入力値(例えば、テキスト、選択された選択肢など)が設定される。項目「添付物」には、そのプロセスワークシートに添付されたファイル又はオブジェクトへのレフェレンス値、例えばフルパスファイル名又はオブジェクトID、が設定される。
また、図70に示すように、タスクリスト管理テーブルTKL_ADTには、全てのタスクリストのそれぞれについて、そのタスクリストを定義したオブジェクト定義データが登録され、その内容はPM14が図45に示すようにしてタスクリストを作成する際、又は後述する図71のステップS117でタスクリストを更新する際に、自動的に定義するようになっている。図70では、タスクリスト管理テーブルTKL_ADT内の各行が、各タスクリストのオブジェクト定義データを表している。図示のように、各タスクリストのオブジェクト定義データは、「タスクリストID」、「タスクリスト名」、「ユーザ」、「タスク」及び「作成日時」などの項目についての設定値が定義されている。ここで、項目「ユーザ」には、そのタスクリストが適用されるユーザ(部署又は従業員)へのリフェレンス値、例えばユーザID、が設定される。項目「タスク」には、そのタスクリストに含まれる全てのタスクへのリフェレンス値、例えばタスクID、が設定される。
図71は、PM14が行うプロジェクト内のタスク操作の制御例の流れを示す。
図71において、S101で、ユーザが、図41に示したようなOM11のGUIウィンドウ上のタスクリストから所望のプロジェクトの所望の業務プロセスに属する所望のタスクを選ぶ。すると、PM14は、ステップS102で、図42及び図43に示すように、OM11のGUIウィンドウ上に、選択されたタスクの詳細を表示する。このとき、PM14は、図55に示したタスククラスセキュリティ設定データTSK_CLS_を参照して、そのユーザがアクセスできるクラスを把握し、そして、図68〜図69に示したプロジェクト管理データPRJ_ADT内の上記所望プロジェクトのオブジェクト定義データから、上記選択されたタスクについての上記アクセスできるクラスのクラス値を取得して、それらのクラス値からなるクラス情報を、図42に示したGUIウィンドウのタスク詳細テーブル115に表示する。また、PM14は、図67に示したタスク管理テーブルTSK_ADTで定義されているそのタスクで使用されるテンプレートを、図43に示すGUIウィンドウ内のタスクステータステーブル117に表示する。さらに、PM14は、図66に示すプロセス管理テーブルPRC_ADTで定義されているその業務プロセスで使用されるプロセスフォームのリスト118を、図43に示すGUIウィンドウ内に表示する。
再び図71を参照して、ステップS103で、ユーザが図43に示したタスクスステータステーブル117内からいずれかのテンプレートを選ぶ。すると、PM14は、ステップS104で、ユーザにより選択されたテンプレートを開く。ステップS105で、ユーザは、開いたテンプレートを参考にして、そのタスクの成果物である文書オブジェクトを作る。ステップS106で、ユーザが、図43に示したタスクスステータステーブル117を操作することで、作成した成果物の文書オブジェクトをそのプロジェクトに添付する。すると、PM14は、ステップS107で、その成果物の文書オブジェクトを図55に示した成果物用のフォルダDLV_FLD_aに格納し、また、その成果物の文書オブジェクトを、図68〜図69に示したプロジェクト管理テーブルPRJ_ADT内のそのプロジェクトのオブジェクト定義データに登録する。
ステップS108では、ユーザが図43に示したプロセスフォームリスト118からいずれかのプロセスフォームを選ぶ。すると、PM14は、ステップA109で、図44に示すように、選択されたプロセスフォームに従ったワークシート入力フォーム121をGUIウィンドウ上に開く。このこき、PM14は、図55に示したプロセスワークシートクラス登録データPWS_CLRとプロセスワークシートフォーム登録データPWS_FMRとプロセスワークシートクラスセキュリティ設定データPWS_CLSとプロセスワークシートフォームセキュリティ設定データPWS_FMSを参照して、そのユーザがアクセスできる所定のデフォルトのクラスに属するクラスであって、そのユーザがアクセスできるクラスを把握し、それらアクセスきるクラスの値を入力するためのツール(テキストボックス、ラジオボタン、チェックボックス又はコンボボックスなど)を、図44に示したワークシート入力フォーム121に表示する。また、PM14は、そのユーザがアクセスできるプロセスワークシートのフォームの選択コンボボックス123を作成して、これも図44に示したワークシート入力フォーム121に表示する。さらに、PM14は、そのプロセスワークシートへの添付物のリスト123も図44に示したワークシート入力フォーム121に表示する。
ステップS110では、ユーザが図44に示したワークシート入力フォーム121に報告メッセージを入力して、プロセスワークシートを作成する。ステップS111では、ユーザが、必要に応じて、図44に示した添付物リスト123を使って、任意のファイル又はオブジェクトをこのプロセスワークシートに添付する。ステップS112では、ユーザが図44に示したSubmitボタン124を操作して、このプロセスワークシートの提出を要求する。すると、PM14は、ステップS113で、そのプロセスワークシートを、図68〜図69に示したプロジェクト管理テーブルPRJ_ADT内のそのプロジェクトのオブジェクト定義データに登録する。
ステップS114では、ユーザが、図42に表示されたタスクについて、実開始時又は実終了時を入力する。すると、PM14は、ステップS114で、そのタスクが実際に開始された又は終了したことを認識し、図68〜図69に示したプロジェクト管理テーブルPRJ_ADT内のそのプロジェクトのオブジェクト定義データに、そのタスクの実開始時又は実終了時及びステータス(開始又は終了)を登録する。そして、ステップS116で、PM14は、図68〜図69に示したプロジェクト管理テーブルPRJ_ADT内のそのプロジェクトのオブジェクト定義データを参照して、そのプロジェクトのその部署の全タスクが実際に終了したか否かチェックする。その結果、そのプロジェクトのその部署の全タスクが実際に終了していれば、ステップS117で、その部署のタスクリストと、その部署の次の部署(図66に示したプロセス管理テーブルPRC_ADT内の該当するプロジェクトのワークフローから、次の部署がどれであるか分かる)のタスクリストを、図45に示したようにして更新する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であり、この実施形態のみに本発明の範囲を限定する趣旨ではない。従って、本発明は、その要旨を逸脱することなく、他の様々な形態で実施することが可能である。