JP4493187B2 - トンネル施工におけるズリ搬出方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、切羽掘削サイクルへの影響を最小限に止め、少ないズリ運搬車両により効率的にズリを処理できるようにしたベルトコンベア方式併用のズリ搬出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、切羽において掘削したズリの搬出は、切羽近傍においてホイールローダなどのズリ積込み機械により大型ダンプトラックに積載し、坑内を走行することにより坑外までの搬出を行っている。
【0003】
しかし、上記ダンプトラックによるズリ搬出の場合には、掘削が進むにつれて走行距離が長くなり、ダンプトラックを漸次増大しなければならなくなるとともに、走行台数の増加により、他の通行車両、たとえば支保工運搬車両、トンネル施工機械などの通行が大幅に制限されるようになる。また、坑内の安全確保や排気ガスや粉塵等により坑内環境が悪化するなどの問題があった。
【0004】
そこで近年は、連続式ベルトコンベアによるズリ搬出方法が採用されるようになってきた。連続式ベルトコンベアによるズリ搬出方法としては、たとえば特許第2899880号公報、特開平11-62485号公報などに記載されるものを挙げることができる。前者の特許第2899880号公報に記載される方法(従来例1)は、切羽の手前に移動式クラッシャーを配備し、該移動式クラッシャーにより均等に破砕したズリを連続式ベルトコンベアにより坑外まで搬出するものであり、後者の特開平11-62485号公報に記載されるズリ搬出方法(従来例2)は、トンネルの切羽から発生したズリを運搬容器に積み込み、運搬車両を用いて切羽後方に設置したズリ破砕機まで運搬し、運搬容器内のズリをズリ破砕機に投入し、破砕されたズリを連続式ベルトコンベアにより坑外まで搬出するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例1に係る連続式ベルトコンベアによるズリ搬出方法の場合には、切羽の手前領域を占有してのズリ搬出作業となるため、掘削サイクル毎に発生したズリを連続式ベルトコンベアにすべて投入するまでは次のサイクル工程に入ることができず、時間的ロスが大きいなどの問題がある。また、所望の時間内でズリの処理を行いたい場合には、ズリ処理能力を高めるため高能力のクラッシャーが必要になるとともに、高い搬送能力のベルトコンベアが必要となる。すなわち、従来例1のズリ搬出方法は、掘削サイクルに及ぼす影響が甚大となり、掘削サイクルの短縮化を図る場合にはズリ処理機械および搬送設備の能力負担が過度に大きくなる。
【0006】
また、クラッシャーの位置が切羽から離れると、ズリをクラッシャーに投入するホイールローダなどのズリ積込み機械の移動距離が長くなりズリの積込み作業が非効率となるため、頻繁に連続式ベルトコンベアの延伸作業を行い、常に切羽手前にクラッシャーを定位させなければならないなどの問題があった。
【0007】
さらには、常に切羽手前にクラッシャーおよび連続式ベルトコンベアの先端となるテール台車を位置させるものであり、地山が悪化した場合の工法変更、たとえばミニベンチ工法からショートベンチ工法へ変更したい場合でも、前記テール台車の高さ寸法が大きく上半断面内に位置させることが出来ないため、工法変更が実質的に困難であるなどの問題もある。
【0008】
これに対して、従来例2に係るズリ搬出方法の場合には、破砕機(クラッシャー)を切羽の後方に設置し、切羽と破砕機との間を往復する複数のズリ運搬車両によりズリを運搬するようにしている。その結果、工法変更が容易に行えるようになるとともに、ズリ運搬車両により効率的にズリ運搬が出来れば、切羽手前に山積みされたズリの処理は効率化されるようになるが、破砕機でのズリ破砕効率やベルトコンベアの搬送能力が低い場合には、破砕機へズリ投入待ちのためのズリ運搬車両が並ぶこととなり、ズリ運搬車両の効率的利用が図れないなどの問題があった。また、切羽から破砕機までの距離が長くなると、ズリ運搬車両による走行距離が長くなり、ズリ出し作業が非効率となるため、掘進に合わせてズリ運搬車両を多くするか、頻繁にズリ破砕機および連続式ベルトコンベアを切羽側に前進させなければならないなどの問題がある。
【0009】
他方、トンネル施工においては、切羽の掘削以外に切羽の後方側において、下半ベンチ掘削があったり、インバート掘削が必要とされる。これらの掘削によって生じたズリの処理については、前記切羽手前または切羽後方に設置したクラッシャーまで運搬するか、別途ダンプトラックにより坑外まで運搬するなどの方法が採られていた。
【0010】
そこで本発明の主たる課題は、掘削サイクルへの影響を最小限とでき、かつ少ないズリ運搬車両により効率的に切羽ズリを処理できるようにするとともに、クラッシャー能力およびベルトコンベア搬送能力を小規模化(平均化)できるようにすること、および好適には下半ベンチ掘削および/またはインバート掘削によって生じたズリを効率的に切羽ズリと同時搬出できるようにしたトンネル施工におけるズリ搬出方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1発明は、切羽から後方側に離れた位置にズリ容器の仮置き場を設けるとともに、このズリ容器仮置き場から坑口側に離れた位置にズリ破砕機を置き、ズリが充填されたズリ容器を前記切羽からズリ容器仮置き場まで運搬し仮置きする第1ズリ運搬工程と、前記ズリ容器仮置き場に仮置きされたズリ容器をズリ破砕機まで運搬する第2ズリ運搬工程とによりズリをズリ破砕機まで運搬した後、ここから連続式ベルトコンベアによって坑外まで搬送するトンネル施工におけるズリ搬出方法であって、
前記ズリ容器仮置き場をインバート掘削部より切羽側に位置させるとともに、前記ズリ破砕機をインバート掘削部より坑口側に位置させ、前記インバート掘削部にて発生したズリをズリ破砕機まで運搬し、切羽ズリと共に搬送するようにし、且つ前記ズリ容器仮置き場では、相対的に切羽側位置に空のズリ容器仮置き場とし、相対的に坑口側位置にズリが充満されたズリ容器仮置き場としてあり、前記第1ズリ運搬工程では、ズリが充満されたズリ容器をズリが充満されたズリ容器仮置き場の先頭側に仮置きし、空のズリ容器を持ち帰る時は、空のズリ容器仮置き場の後尾側に仮置きされている空のズリ容器を持ち帰るようにするとともに、前記第2ズリ運搬工程では、ズリが充満されたズリ容器仮置き場の後尾側に仮置きされているズリ容器を前記ズリ破砕機まで運搬し、空となったズリ容器を空のズリ容器仮置き場の先頭側に仮置きすることを特徴とするものである。
【0012】
本発明においては、ズリ運搬路の途中に緩衝部となるズリ容器の仮置き場を設けるようにし、切羽から前記ズリ容器仮置き場までの運搬工程と、ズリ容器仮置き場からズリ破砕機までの運搬工程の2工程によってズリの運搬を行った後、連続式ベルトコンベアに乗せて坑外まで運搬するようにしている。
【0013】
したがって、ズリ運搬路の途中に緩衝部となるズリ容器の仮置き場を設けたため、従来例2のようにズリ投入待ちなどの時間ロスが発生することがなく、切羽で発生したズリを効率的に処理できるようになる。その結果、掘削サイクルへの影響が最小限となるとともに、ズリ容器仮置き場までの小運搬で良いためズリ容器運搬車も少ない台数で済むようになるとともに、クラッシャー能力およびベルトコンベア搬送能力を小規模化(平均化)できるようになる。
【0014】
また、ズリ破砕機および連続式ベルトコンベアの延伸作業も、ごく頻繁に行う必要はなく、ある程度の時間間隔をおいて行うようにしてもズリ処理が非効率化することが無くなる。
【0015】
他方、本ズリ搬出方法においては、前記ズリ容器仮置き場をインバート掘削部より切羽側に位置させるとともに、前記ズリ破砕機をインバート掘削部より坑口側に位置させるようにすれば、前記インバート掘削部にて発生したズリをズリ破砕機まで運搬し、切羽ズリと共に搬送することが可能となる。
【0016】
一方、より具体的態様に係る第2発明は、切羽から後方側に離れた位置にズリ容器仮置き場を設けるとともに、切羽手前のズリ積込み場所から前記ズリ容器仮置き場までの区間をズリ出し第1区間として設定し、かつ前記ズリ容器仮置き場から坑口側に離れた位置にズリ破砕機およびこのズリ破砕機位置から坑外に至る連続式ベルトコンベア設備を設けるとともに、前記ズリ容器仮置き場から前記ズリ破砕機までの区間をズリ出し第2区間として設定し、
前記ズリ出し第1区間において;1または複数のズリ容器運搬車を配備し、前記ズリ積込み場所にてズリが入れられたズリ容器を前記ズリ容器仮置き場まで運搬し仮置きするとともに、ズリ容器仮置き場に置いてある空のズリ容器をズリ積込み場所まで運搬するズリ運搬作業を行い、
前記ズリ出し第2区間において;1または複数のズリ容器運搬車を配備し、前記ズリ容器仮置き場に置いてあるズリが入れられたズリ容器を前記破砕機まで運搬しズリを破砕機に投入した後、空のズリ容器を元のズリ容器仮置き場まで運搬するズリ運搬作業を行い、
その後、前記ズリ破砕機まで運ばれたズリを前記ズリ破砕機により破砕した後、前記連続式ベルトコンベア設備により坑外まで搬送するトンネル施工におけるズリ搬出方法であって、
前記ズリ容器仮置き場をインバート掘削部より切羽側に位置させるとともに、前記ズリ破砕機をインバート掘削部より坑口側に位置させ、前記インバート掘削部にて発生したズリをズリ破砕機まで運搬し、切羽ズリと共に搬送するようにし、且つ前記ズリ容器仮置き場では、相対的に切羽側位置に空のズリ容器仮置き場とし、相対的に坑口側位置にズリが充満されたズリ容器仮置き場としてあり、前記ズリ出し第1区間では、ズリが充満されたズリ容器をズリが充満されたズリ容器仮置き場の先頭側に仮置きし、空のズリ容器を持ち帰る時は、空のズリ容器仮置き場の後尾側に仮置きされている空のズリ容器を持ち帰るようにするとともに、前記ズリ出し第2区間では、ズリが充満されたズリ容器仮置き場の後尾側に仮置きされているズリ容器を前記ズリ破砕機まで運搬し、空となったズリ容器を空のズリ容器仮置き場の先頭側に仮置きすることを特徴とするものである。
【0017】
本第2発明では、切羽〜ズリ容器仮置き場までのズリ出し第1区間に1または複数台のズリ容器運搬車を配備するとともに、ズリ容器仮置き場〜ズリ破砕機までのズリ出し第2区間に1または複数台のズリ容器運搬車を配備し、各区間に配備されたズリ容器運搬車によってそれぞれ区間毎にズリ容器の運搬を分担するようにしたものである。ズリ出し第1区間およびズリ出し第2区間におけるズリ容器運搬を各区間に配備したズリ容器運搬車によって行うようにすることで、前記ズリ容器仮置き場に置かれたズリ容器については、掘削サイクルとは全く無関係に、すなわちズリ出し第2区間におけるズリ容器運搬は、切羽の掘削に併行して行うこともできるし、ズリ出し第1区間におけるズリ容器運搬に併行して行うこともできるようになるとともに、少ない台数のズリ容器運搬車により他の作業との調整を取りながら行えば良くなるため、クラッシャー能力およびベルトコンベア搬送能力を小規模化(平均化)できるようになる。
【0018】
ところで、前記ズリ容器は、1サイクル毎の掘削で発生するズリを処理するのに必要な台数よりも多くの台数を使用するのが望ましい。具体的には、1サイクル掘削毎のズリを処理するのに必要な台数の10〜40%増し、好ましくは20〜30%増しの台数を投入するのが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明に係るズリ搬出方法を採用したトンネル施工縦断面図であり、図2はその平面図である。
【0020】
本トンネル施工では、切羽Sにて掘削されたズリの搬出に当たり、切羽後方側にズリ容器(以下、ベッセルという。)の仮置き場30を設けるとともに、このベッセル仮置き場30を間に挟んで、切羽S側にズリ出し第1区間20を設定するとともに、坑口側にズリ出し第2区間40を設定し、これらズリ出し区間20〜40の後端部位置から連続ベルトコンベア14によって坑外への搬送を行うようにするものである。
【0021】
以下、さらに具体的に詳述すると、
先ず、本形態例では、切羽Sにブームヘッダーまたはパワーカッターなどと呼ばれる自由断面掘削機1が位置し、上半ベンチ長を極端に短くして上半断面と下半断面とを一括的に併行掘削するミニベンチ工法(フリーベンチ工法またはマイクロベンチ工法とも呼ばれる。)により掘削が行われている。
【0022】
切羽Sの後方側位置には、2ブーム式ドリルジャンボ6が待機しており、トンネル壁面より地山中にロックボルト打設を行う際には、切羽S位置まで前進し削孔を行うとともに、ロックボルトの挿入・打設を行う。
【0023】
なお、本例では前記自由断面掘削機1による機械掘削を主とした掘削方式を採用しているが、切羽の掘削は発破掘削や、トンネルボーリングマシンによる全断面機械掘削工法であってもよい。また、符号4はトランス台車であり、符号5は大型集塵機台車、符号7は吹付け機である。
【0024】
掘削されたズリの搬出に当たっては、前記自由断面掘削機1後方側のズリ積込み場所10に、ホイールローダなどのズリ積込み機2を位置させ、前記自由断面掘削機1のズリ出しコンベア1aから排出されるズリを順次、空のベッセル9(以下、空の場合は空ベッセル9Eと表現する。)に積み込むようにする。
【0025】
ズリが充満されたベッセル9(以下、ズリ充填の場合は充ベッセル9Fと表現する。)は、ベッセル運搬車3、3によりベッセル仮置き場30まで運搬され、仮置きされた後、近傍に置かれている空ベッセル9Eを車体前部のフォークによって持上げ、切羽Sのズリ積込み場所10まで運搬する作業を繰り返す。このズリ出し第1区間20におけるズリ運搬は、掘削サイクル工程の内、自由断面掘削機1による掘削の度に行われる。
【0026】
なお、図1に示される例では、ズリ出し第1区間20においてズリ運搬を行うベッセル運搬車3の台数は2台としたが、1台であってもよいし、2台以上の台数を配備するようにしてもよい。特に、発破工法などのように一気に切羽Sが切り崩されるような掘削工法を採用している場合には、2台以上のベッセル運搬車3、3を配備して、すみやかに切羽手前に積み上がったズリを処理するのが望ましい。
【0027】
一方、インバート桟橋42が設置されたインバート掘削部41の後方側に、ズリ破砕機11が設置され、前記ベッセル仮置き場30から前記ズリ破砕機11までの区間をズリ出し第2区間40として、ベッセル運搬車8がベッセル仮置き場30に置かれた充ベッセル9Fを前記ズリ破砕機11まで運搬し、ズリをズリ破砕機11に投入したならば、空ベッセル9Eをベッセル仮置き場30まで持ち帰り仮置きする。このズリ出し第2区間40におけるズリ運搬は、切羽の掘削工程とは全く無関係に行うことが可能である。すなわち、前記ズリ出し第1区間20のズリ運搬は切羽掘削の工程に合わせた運搬が必要となるが、一旦ベッセル仮置き場30に仮置きされたズリは、切羽掘削とは全く無関係に作業を進めることができる。また、運搬の作業効率がトンネル掘削効率に与える影響がないため、クラッシャー能力および連続ベルトコンベア14の運搬能力についても小規模化(平均化)できるようになる。かかるズリ出し第2区間40に配備されるベッセル運搬車8の台数は、複数台とすることも可能であるが、掘削サイクルとは無関係にズリ出し作業が行えるメリットを生かす意味では、1台によりベッセル9の運搬を行うようにするのが望ましい。
【0028】
前記ベッセル仮置き場30は、インバート掘削部41よりも切羽S側に位置させるとともに、前記ズリ破砕機11はインバート掘削部41より坑口側に位置させるようにするのが望ましい。仮に、インバート掘削部41の後方側にベッセル仮置き場30を位置させると、ベッセル仮置き場30が切羽Sから遠すぎるようになりズリ出し第1区間20でのズリ出し作業が効率化しないとともに、ズリ出し第1区間20におけるズリ運搬が、インバート掘削時の車両通行規制の影響を受けるようになるため好ましくないものとなる。また、ズリ破砕機11をインバート掘削部41の後方側に位置させることにより、インバート掘削によって生じたズリをズリ破砕機11に投入して、切羽ズリと同時に連続式ベルトコンベア14によって搬送処理できるようになる。
【0029】
また前記ベッセル仮置き場30では、相対的に切羽側位置に空ベッセル仮置き場31とし、相対的に坑口側位置に充ベッセル仮置き場32を設定するのが望ましい。すなわち、ズリ出し第1区間20において運ばれた充ベッセル9Fを充ベッセル仮置き場32の先頭側に仮置きし、空ベッセル9Eを持ち帰る時は、空ベッセル仮置き場31の後尾側に仮置きされている空ベッセル9Eを持ち帰るようにする。また、ズリ出し第2区間40では、ベッセル運搬車8は充ベッセル仮置き場32の後尾側に仮置きされている充ベッセル9Fをズリ破砕機11まで運搬し、空となった空ベッセル9Eを空ベッセル仮置き場31の先頭側に仮置きするようにすれば、切羽掘削の進行に合わせて自然にベッセル仮置き場30を前進させることができるようになる。
【0030】
前記ベッセル9の投入台数は、1サイクル毎の掘削で発生するズリ量を運搬するのに必要な台数よりも多くの台数を投入するのが望ましい。図示例では、具体的には1サイクル掘削毎に発生するズリを処理するのに必要な台数の25%増の台数を投入するようにしている。必要最小台数を超えたズリ容器台数分は、確実にズリ容器運搬の緩衝的役目を担うようになり、各種作業の調整を容易化するとともに、ズリ出し第1区間20とズリ出し第2区間40との間の作業干渉を無くすようになる。すなわち、前記ズリ出し第2区間40におけるズリ容器の運搬が他工種、たとえばインバート掘削、ベルトコンベア延伸作業、インバートコンクリート施工などのために運搬できない時間帯が長く続いたとしても、所要台数を超えるズリ容器台数が投入されていることにより、切羽掘削およびズリ出し第1区間20におけるズリ運搬は前記影響を受けることなく円滑に作業を進めることができるようになる。
【0031】
他方、前記ズリ破砕機11を先頭とする連続式ベルトコンベア設備50は、切羽S側から順に、ズリ破砕機11、中継ベルトコンベア12、テール台車13、連続ベルトコンベア14、傾斜ベルトコンベア15から構成され、前記ズリ破砕機11に投入されたズリを均一の粒径に破砕した後、中継ベルトコンベア12を介して連続ベルトコンベア14および傾斜ベルトコンベア15によって坑外まで搬送するようになっている。
【0032】
詳細には図3に示されるように、前記ズリ破砕機11としては、ズリ投入高さ位置を低くできるインパクトロール式クラッシャーが用いられており、前記ベッセル運搬車8によって運ばれたズリがズリ投入部に投入されると、ズリはズリ破砕機11によって破砕されながら搬送され、中継ベルトコンベア12の一方側端部に落下した後、中継ベルトコンベア12によって搬送され、他方側端部より連続ベルトコンベア14上に落下し、ここから坑外まで連続的に搬送される。なお、前記中継ベルトコンベア12は、同図に鎖線で示されるように、坑口側の他方端部を中心として鉛直軸周りに所定角度範囲で回動可能となっており、前記ズリ破砕機11の位置決めが容易に行えるようになっている。
【0033】
前記連続ベルトコンベア14は、図5に示されるように、トンネル方向に所定間隔で脚部21、21を備えるコンベア台枠22と、このコンベア台枠22の長手方向に適宜の間隔で設けられたリターン側ベルトの支持ローラ23、23…と、複数のキャリアローラ25…、26の組合せからなりキャリア側ベルトを支持するキャリア側ベルトの支持ローラユニット24とからなる定置式ベルトコンベアであり、テール台車13の内部に設置されたテールユニット16内にベルトを反転させるリターンプーリを有するとともに、坑口部に一方側リターンプーリを備え、かつ坑口部に設置されたメインドライブ17によって無端ループ駆動されるようになっている。リターン側ベルトの途中には、ベルトを多数のプーリに往復状態で懸架させることによりベルト長を蓄えたベルトストレージユニット18を備えており、前記テール台車13の前進に伴ってベルトを繰り出すことで延伸可能となっている。なお、連続ベルトコンベア14の反力は、前記テール台車13の自重によって支持されるようになっている。
【0034】
前記定置式の連続ベルトコンベア14はトンネル内のコンベア配設全区間に亘って設置されている。前記連続ベルトコンベア設備50区間には、シート張台車21およびスライドセントル22が設けられるが、前記連続ベルトコンベア14を連続して通すために、シート張台車21およびスライドセントル22は、トンネル中心線Lから一方側に偏心させた位置として前記連続ベルトコンベア14の設置空間を確保するようにしている(図4参照)。なお、前記シート張台車21およびスライドセントル22は、連続ベルトコンベア設備50区間以外の場所、すなわちズリ破砕機11よりも切羽S側に位置させるようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、掘削サイクルへの影響を最小限とでき、かつ少ないズリ運搬車両により効率的に切羽ズリを処理できるようになるとともに、クラッシャー能力およびベルトコンベア搬送能力を小規模化(平均化)できるようになる。
【0036】
また同時に、下半ベンチ掘削および/またはインバート掘削によって生じたズリを効率的に切羽ズリと同時搬出できるようになり、ズリ処理の効率化も図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るズリ搬出方法を採用したトンネル施工縦断面図である。
【図2】 その平面図である。
【図3】 ズリ破砕機11、中継ベルトコンベア12およびテール台車13部を示す、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【図4】 スライドセントル22部の概略正面図である。
【図5】 連続ベルトコンベア14を示す、(A)は側面図、(B)は断面図である。
【符号の説明】
1…自由断面掘削機、2…ズリ積込み機、3…ベッセル運搬車、6…2ブーム式ドリルジャンボ、8…ベッセル運搬車、9…ベッセル、9E…空ベッセル、9F…充ベッセル、10…ズリ積込み場所、11…ズリ破砕機、12…中継ベルトコンベア、13…テール台車、14…連続ベルトコンベア、15…傾斜ベルトコンベア、20…ズリ出し第1区間、21…シート張台車、22…スライドセントル、30…ベッセル仮置き場、31…空ベッセル仮置き場、32…充ベッセル仮置き場、40…ズリ出し第2区間、41…インバート掘削部、50…連続式ベルトコンベア区間
Claims (3)
- 切羽から後方側に離れた位置にズリ容器の仮置き場を設けるとともに、このズリ容器仮置き場から坑口側に離れた位置にズリ破砕機を置き、ズリが充填されたズリ容器を前記切羽からズリ容器仮置き場まで運搬し仮置きする第1ズリ運搬工程と、前記ズリ容器仮置き場に仮置きされたズリ容器をズリ破砕機まで運搬する第2ズリ運搬工程とによりズリをズリ破砕機まで運搬した後、ここから連続式ベルトコンベアによって坑外まで搬送するトンネル施工におけるズリ搬出方法であって、
前記ズリ容器仮置き場をインバート掘削部より切羽側に位置させるとともに、前記ズリ破砕機をインバート掘削部より坑口側に位置させ、前記インバート掘削部にて発生したズリをズリ破砕機まで運搬し、切羽ズリと共に搬送するようにし、且つ前記ズリ容器仮置き場では、相対的に切羽側位置に空のズリ容器仮置き場とし、相対的に坑口側位置にズリが充満されたズリ容器仮置き場としてあり、前記第1ズリ運搬工程では、ズリが充満されたズリ容器をズリが充満されたズリ容器仮置き場の先頭側に仮置きし、空のズリ容器を持ち帰る時は、空のズリ容器仮置き場の後尾側に仮置きされている空のズリ容器を持ち帰るようにするとともに、前記第2ズリ運搬工程では、ズリが充満されたズリ容器仮置き場の後尾側に仮置きされているズリ容器を前記ズリ破砕機まで運搬し、空となったズリ容器を空のズリ容器仮置き場の先頭側に仮置きすることを特徴とするトンネル施工におけるズリ搬出方法。 - 切羽から後方側に離れた位置にズリ容器仮置き場を設けるとともに、切羽手前のズリ積込み場所から前記ズリ容器仮置き場までの区間をズリ出し第1区間として設定し、かつ前記ズリ容器仮置き場から坑口側に離れた位置にズリ破砕機およびこのズリ破砕機位置から坑外に至る連続式ベルトコンベア設備を設けるとともに、前記ズリ容器仮置き場から前記ズリ破砕機までの区間をズリ出し第2区間として設定し、
前記ズリ出し第1区間において;1または複数のズリ容器運搬車を配備し、前記ズリ積込み場所にてズリが入れられたズリ容器を前記ズリ容器仮置き場まで運搬し仮置きするとともに、ズリ容器仮置き場に置いてある空のズリ容器をズリ積込み場所まで運搬するズリ運搬作業を行い、
前記ズリ出し第2区間において;1または複数のズリ容器運搬車を配備し、前記ズリ容器仮置き場に置いてあるズリが入れられたズリ容器を前記破砕機まで運搬しズリを破砕機に投入した後、空のズリ容器を元のズリ容器仮置き場まで運搬するズリ運搬作業を行い、
その後、前記ズリ破砕機まで運ばれたズリを前記ズリ破砕機により破砕した後、前記連続式ベルトコンベア設備により坑外まで搬送するトンネル施工におけるズリ搬出方法であって、
前記ズリ容器仮置き場をインバート掘削部より切羽側に位置させるとともに、前記ズリ破砕機をインバート掘削部より坑口側に位置させ、前記インバート掘削部にて発生したズリをズリ破砕機まで運搬し、切羽ズリと共に搬送するようにし、且つ前記ズリ容器仮置き場では、相対的に切羽側位置に空のズリ容器仮置き場とし、相対的に坑口側位置にズリが充満されたズリ容器仮置き場としてあり、前記ズリ出し第1区間では、ズリが充満されたズリ容器をズリが充満されたズリ容器仮置き場の先頭側に仮置きし、空のズリ容器を持ち帰る時は、空のズリ容器仮置き場の後尾側に仮置きされている空のズリ容器を持ち帰るようにするとともに、前記ズリ出し第2区間では、ズリが充満されたズリ容器仮置き場の後尾側に仮置きされているズリ容器を前記ズリ破砕機まで運搬し、空となったズリ容器を空のズリ容器仮置き場の先頭側に仮置きすることを特徴とするトンネル施工におけるズリ搬出方法。 - 前記ズリ容器は、1サイクル毎の掘削で発生するズリを処理するのに必要な台数よりも多くの台数を使用する請求項1〜2いずれかに記載のトンネル施工におけるズリ搬出方法。
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