JP6034260B2 - トンネル施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ズリの撤去作業を担う各種作業設備の合理的な運用により、求められる必要ズリ出し量を確保して、急速施工を円滑かつ確実に進めることが可能で、短工期を実現できるトンネル施工方法に関する。
トンネル施工方法として、発破作業と当該発破作業で発生した切羽付近のズリの除去作業とを1サイクルで交互に繰り返して掘進しながら、切羽付近から除去したズリは、搬出用コンベアでトンネル外方へ搬出する方法が知られている。
例えば特許文献1の「ベルトコンベアシステム」は、発破毎の退避と、ズリ出し位置へのベルトコンベアの移動を簡単に行うことを課題とし、クラッシャとバックアップデッキの間に可動コンベア装置をスライド可能に設け、切羽の発破作業と、ズリ出し作業に伴うクラッシャの移動に追随して、可動コンベア装置を前後進させるようにしている。
特開2002−303099号公報
短工期でトンネル掘削を完了するために、急速施工の実施を求められる場合がある。例えば、国土交通省の積算基準でCI(シーワン)と呼ばれる地山に対し、トンネル断面積が100m2 程度のトンネルを、一月当たりの掘進長約200m、すなわち一日当たりの掘進長を8m強で施工する場合などである。
一日の発破作業回数を3回とすると、一回の発破作業で少なくとも3m強の掘進長が必要で、一回の発破作業に対して求められる必要ズリ出し量は、少なくとも一時間当たり約200m3 と計算される。
この必要ズリ出し量を確保するには、ズリの撤去作業を担う各種作業設備に関して、待機時間などの無駄を極力削減できる効率的な動きを検討し、これら作業設備を連続的に稼働し得るようにすることが必要であり、そのために、急速施工を円滑かつ確実に進めることが可能な各種作業設備の合理的な運用の創案が求められていた。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、ズリの撤去作業を担う各種作業設備の合理的な運用により、求められる必要ズリ出し量を確保して、急速施工を円滑かつ確実に進めることが可能で、短工期を実現できるトンネル施工方法を提供することを目的とする。
本発明にかかるトンネル施工方法は、発破作業と当該発破作業で発生した切羽付近のズリの除去作業とを1サイクルとして交互に繰り返して掘進しながら、切羽付近から除去したズリは、搬出用コンベアでトンネル外方へ搬出するトンネル施工方法であって、発破の影響範囲以遠に移設可能に設定されるベッセル置き場と、該ベッセル置き場に複数設けられるズリ積み込み用のベッセルと、切羽付近でズリのかき寄せと上記ベッセルへのズリの積み込みを行い、発破時には上記発破の影響範囲以遠へ退避する走行式ズリ積み込み機と、上記ベッセル置き場以遠に移設可能に設置され、ズリを破砕し、破砕したズリを上記搬出用コンベアに移載するクラッシャと、上記ベッセルを一個ずつ運搬する走行式運搬機とを設備し;
上記1サイクルの設定掘進長を掘進するのに求められる必要ズリ出し量を基準として、1ユニットを、上記ズリ積み込み機を、発破に際して待避する期間を除き、該必要ズリ出し量の1/X(X:正の偶数)以上の処理能力でそれぞれズリを処理するX台、上記クラッシャを、該必要ズリ出し量の1/2以上の処理能力で連続的にズリを処理する1台、上記ベッセルを、該必要ズリ出し量の少なくとも1/2以上を取り扱うことが可能な個数、並びに上記走行式運搬機を、該必要ズリ出し量を満たす連続運行可能なX台で運用し;
該1ユニットについて、
発破作業時を除き、一方の組のX/2台の上記走行式運搬機が、ズリを積み込む前の空ベッセルを一方の組のX/2台の上記ズリ積み込み機に対して供給し、次いで、一方の組の該ズリ積み込み機でズリを積み込んだ充填ベッセルを運搬して上記クラッシャにズリを供給し、その後、該空ベッセルを一方の組の該ズリ積み込み機に戻すように、一方の組の該ズリ積み込み機と該クラッシャの間を往復して繰り返しズリ運搬処理を行い;他方の組のX/2台の上記走行式運搬機が、空ベッセルを他方の組のX/2台の上記ズリ積み込み機に対して供給し、次いで、他方の組の該ズリ積み込み機でズリを積み込んだ充填ベッセルを運搬して上記ベッセル置き場に仮置きし、その後、別の空ベッセルを他方の組の該ズリ積み込み機に運搬するように、他方の組の該ズリ積み込み機と該ベッセル置き場の間を往復して繰り返しズリ仮置き処理を行い;
発破作業時には、すべての上記ズリ積み込み機を退避位置に退避し、すべての上記走行式運搬機が、上記ベッセル置き場から上記充填ベッセルを運搬して上記クラッシャにズリを供給し、その後、空ベッセルを該ベッセル置き場に戻すように、該ベッセル置き場と該クラッシャの間を往復して繰り返し仮置きズリ運搬処理を行い;
上記クラッシャは、上記1サイクル中連続して、上記走行式運搬機で供給されるズリを破砕処理して上記搬出用コンベアに移載することを特徴とする。
他方の組の前記ズリ積み込み機と前記ベッセル置き場の間を往復して繰り返し前記ズリ仮置き処理を行う他方の組の前記走行式運搬機は、一方の組の前記走行式運搬機が一方の組の前記ズリ積み込み機付近に戻っていない場合に、一方の組の該ズリ積み込み機によるズリの積み込みを先行して行うために、他方の組の該ズリ積み込み機に前記別の空ベッセルを供給する前に、一方の組の該ズリ積み込み機に対し、該別の空ベッセルを供給することを特徴とする。
前記「X」の値が「2」であることを特徴とする。
本発明にかかるトンネル施工方法にあっては、ズリの撤去作業を担う各種作業設備の合理的な運用により、求められる必要ズリ出し量を確保して、急速施工を円滑かつ確実に進めることができ、トンネル施工の短工期化を実現することができる。
本発明にかかるトンネル施工方法の好適な一実施形態を示す、実施状況におけるトンネル内部の概略平面図である。 図1に示したトンネル内部の概略側面図である。 トンネルの切羽付近を示す、図2中のA部拡大図である。 図3に対応する、図1中のB部拡大図である。 クラッシャの設備位置周辺を示す、図2中のC部拡大図である。 搬出用コンベアの設備位置周辺を示す、図2中のD部拡大図である。
以下に、本発明にかかる気密容器の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るトンネル施工方法の実施状況を示すトンネル内部の概略平面図、図2は、図1に示したトンネル内部の概略側面図、図3は、切羽付近を示す、図2中のA部拡大図、図4は、図3に対応する、図1中のB部拡大図、図5は、クラッシャの設備位置周辺を示す、図2中のC部拡大図、図6は、搬出用コンベアの設備位置周辺を示す、図2中のD部拡大図である。
本実施形態に係るトンネル施工方法は、切羽1の発破を繰り返すことで、順次トンネル2を掘進していく。トンネル2内部には図1及び図2に示すように、発破作業によって、切羽1付近にズリZが発生する。
ズリZは、ズリZの除去作業によって、切羽1付近から除去される。切羽1を含む発破の影響範囲Rでは、発破作業時には、ズリZの除去作業は実施されず、また、ズリZの除去作業時には、発破作業は実施されない。すなわち、本実施形態のトンネル施工方法では、発破作業と当該発破作業で発生した切羽1付近のズリZの除去作業とを1サイクルとして、これら作業を交互に繰り返すことにより、トンネル2を掘進していく。
切羽1付近から除去したズリZは、発破の影響範囲R以遠に運び出され、切羽1とは反対側のトンネル口(図中、右側:図示せず)側に設備される搬出用コンベア3によって、トンネル2外方へ搬出される。発破の影響範囲R以遠では、発破作業と切り離して、言い換えれば発破作業の最中であっても、ズリZを継続的に搬出することが可能である。
ズリZを切羽1付近から除去し、トンネル2外方へ搬出するズリ出し作業は、トンネル2内に設備される各種作業設備を利用して行われる。
図1及び図2に示すように、ズリ出し作業を行う各種作業設備には、トンネル2内に設定されるベッセル置き場4と、ベッセル置き場4に設けられるベッセル5と、切羽1付近で作業を行う走行式ズリ積み込み機6,7と、クラッシャ8と、走行式運搬機9,10が含まれる。
ベッセル5は、ズリ積み込み用の剛強な容器である。例えば、直方体状の外形形態で形成される。図3及び図4に示すように、ベッセル5には、その上向き開口部5aから内部にズリZが投入される。ベッセル5を傾けることで、ズリZは、上向き開口部5aから払い出される。
図1及び図2に示すように、ベッセル置き場4は、ベッセル5を置いておく場所である。ベッセル置き場4には、多数のベッセル5が整列して設けられる。図中、白抜き表示のベッセル5は、空のベッセル(以下、「空ベッセル」という)であり、黒ベタ表示のベッセル5は、ズリZを積み込んだベッセル(以下、「充填ベッセル」という)である。
ベッセル置き場4は、発破の影響範囲R以遠に設定される。ベッセル置き場4は、トンネル掘進の進行に従い、トンネル2の奥に向かって移設可能であって、これによりベッセル置き場4と切羽1付近との距離がほぼ一定に保たれる。図示例では、ベッセル置き場4は、トンネル2の幅方向中央部分を通路として空けて、トンネル2の幅方向両側部分に設定されている。
図1〜図4に示すように、発破の影響範囲Rに含まれる切羽1付近には、前後進可能な走行式ズリ積み込み機6,7が配備される。ズリ積み込み機6,7は、かき寄せ部11と、バケット部12と、コンベア部13を備える。かき寄せ部11は、切羽1付近のズリZをかき寄せ、バケット部12は、ズリZをすくい取ってコンベア部13に投下し、コンベア部13は、ズリZを搬送して、ベッセル5への積み込みを行うようになっている。
ズリ積み込み機6,7は、クローラなどの前後進自在な走行部14を備える。ズリ積み込み機6,7は、発破時には走行部14で移動して、発破の影響範囲R以遠に退避する。従って、発破作業時には、ズリ積み込み機6,7は待機状態となる。発破作業の完了後、切羽1付近に移動して、ズリZの積み込み作業を再開する。
図1,図2及び図5に示すように、ベッセル置き場4以遠、すなわち発破の影響範囲Rの遠方には、ズリZを破砕するクラッシャ8が配備される。クラッシャ8には、これに隣接して、ベッセル5からズリZを受け入れ、クラッシャ8へズリZを供給するズリ供給装置15が併設される。クラッシャ8は、破砕部16と、コンベア部17を備える。
破砕部16は、ズリ供給装置15から供給されるズリZを破砕してコンベア部17に投下し、コンベア部17は、破砕されたズリZを搬送して、搬出用コンベア3に移載するようになっている。クラッシャ8は、移設可能に、クローラなどの前後進自在な走行部18を備える。クラッシャ8は、トンネル掘進の進行に従い、走行部18によってトンネル2の奥に向かって移設され、これによりクラッシャ8と切羽1付近との距離がほぼ一定に保たれる。
図1,図2及び図6に示すように、クラッシャ8には、切羽1とは反対側のトンネル口側に隣接して、搬出用コンベア3が配備される。搬出用コンベア3は、クラッシャ8付近からトンネル口外方へわたって延設され、クラッシャ8から受け入れた破砕後のズリZをトンネル2外方へ搬出する。
搬出用コンベア3も、移設可能に、クローラなどの前後進自在な走行部19を備える。搬出用コンベア3も、トンネル掘進の進行に従い、走行部19によってトンネル2の奥に向かって移設され、これによりクラッシャ8との位置関係がほぼ一定に保たれる。
図1〜図4に示すように、トンネル2内には、トンネル口から切羽1付近を含む発破の影響範囲Rにわたる当該トンネル2の全域で、自在に前後進する走行式運搬機9,10が配備される。図示例では、運搬機9,10はタイヤ20で走行される。
運搬機9,10は、ベッセル5を1個ずつ、着脱自在に保持して運搬する。運搬機9,10は、いずれかのベッセル5に接近してこれを保持して持ち上げ、走行して当該ベッセル5を運搬し、適宜位置で停止してベッセル5を降ろし、その後、当該ベッセル5に対する保持を解除する一連の動作によって、ベッセル5を一個ずつ運搬する。
上記の「発明が解決しようとする課題」で示した急速施工の例に則れば、1サイクル1時間で3m強の掘進長(設定掘進長)を掘進するのに求められる必要ズリ出し量は、少なくとも1時間当たり約200m3 である。本実施形態に係るトンネル施工方法では、上述した各種作業設備は、以下のように運用される。
ズリ積み込み機6,7は、発破に際して待避する期間を除き、必要ズリ出し量の1/X(X:正の偶数、以下同様)以上の処理能力でそれぞれズリZを処理するX台、クラッシャ8は、必要ズリ出し量の1/2以上の処理能力で連続的にズリを処理する1台、ベッセル5は、必要ズリ出し量の少なくとも1/2以上を取り扱うことが可能な個数、並びに走行式運搬機9,10は、必要ズリ出し量を満たす連続運行可能なX台とされる。
現在使用可能な各種作業設備の具体的な処理能力を例示すると、ズリ積み込み機6,7は一台当たり、約137.25m3 /h、クラッシャ8は、約154m3 /h、走行式運搬機9,10は一台当たり、約100m3 /hである。搬出用コンベア3については、これら数値を越える処理能力のものが数多ある。
このような処理能力の各種作業設備を利用する本実施形態の場合、必要ズリ出し量は、「X」の値を「2」とすることで充足される。ベッセル5の個数は、約100m3 /h以上のズリを取り扱える個数とする。ベッセル1つの容量が15m3 (実積み込み容量:8.823m3 )であれば、ベッセル5は、少なくとも約12個程度用意すればよい。
次に、本実施形態に係るトンネル施工方法の具体的な作業態様を説明する。発破作業が完了した後、図1及び図2に示すように、切羽1付近からズリZを除去する作業を行う。この作業は、ズリ運搬処理と、ズリ仮置き処理とを含む。
上記「X」が「4以上」である場合には、ズリ積み込み機6,7及び走行式運搬機9,10が一方の組と他方の組にそれぞれ複数台ずつ割り振られ、各組がズリ運搬処理とズリ仮置き処理を別々に行う。本実施形態のように「X」が「2」である場合には、ズリ積み込み機6,7及び走行式運搬機9,10は、一方及び他方の組にそれぞれ1台ずつ割り振られる。
ズリ運搬処理は、一方の組のズリ積み込み機6及び走行式運搬機9が実行する。一方の組の走行式運搬機(第1運搬機という)9は、ズリZを積み込む前の空ベッセル5を運搬し、一方の組のズリ積み込み機(第1ズリ積み込み機)6に供給する。空ベッセル5は、ベッセル置き場4から持ち運んだもの、あるいは既に保持しているものの、いずれであってもよい。
第1ズリ積み込み機6は、切羽1付近で、かき寄せてすくい上げたズリZを、空ベッセル5に積み込む。次いで、第1運搬機9は、第1ズリ積み込み機6でズリZを積み込んだ充填ベッセル5を運搬してクラッシャ8に接近し、ズリ供給装置15へズリZを受け渡す。
ズリ供給装置15を介してズリZの供給を受けたクラッシャ8は、ズリZを破砕し、破砕したズリZを搬出用コンベア3に移載する。搬出用コンベア3は、クラッシャ8で破砕されたズリZをトンネル2外方へ向かって連続的に搬出する。ズリZをズリ供給装置15へ受け渡した第1運搬機9は、その後、空になった空ベッセル5をクラッシャ8位置から第1ズリ積み込み機6に戻す。
発破作業時を除き、第1運搬機9は、上述した手順を第1ズリ積み込み機6とクラッシャ8の間を往復して繰り返し、ズリ運搬処理を行う。このズリ運搬処理では、第1運搬機9は、ベッセル5を交換することなく、同一のベッセル5を保持し続けて作業を行うことが好ましい。
ズリ仮置き処理は、他方の組のズリ積み込み機7及び走行式運搬機10が実行する。他方の組の走行式運搬機(第2運搬機という)10は、ベッセル置き場4から、ズリZを積み込む前のいずれかの空のベッセル5を運搬し、他方の組のズリ積み込み機(第2ズリ積み込み機)7に供給する。第2ズリ積み込み機7は、第1ズリ積み込み機6と同様に、切羽1付近で、かき寄せてすくい上げたズリZを、空ベッセル5に積み込む。
次いで、第2運搬機10は、第2ズリ積み込み機7でズリZを積み込んだ充填ベッセル5を運搬してベッセル置き場4に移動する。ベッセル置き場4に達した第2運搬機10は、充填ベッセル5をベッセル置き場4に仮置きする。その後、第2運搬機10は、当該充填ベッセル5の保持を解除し、ベッセル置き場4で移動して別の空ベッセル5に接近し、これを保持して第2ズリ積み込み機7へ運搬する。
発破作業時を除き、第2運搬機10は、上述した手順を第2ズリ積み込み機7とベッセル置き場4の間を往復して繰り返し、ズリ仮置き処理を行う。
第1運搬機9によるズリ運搬処理は、第1ズリ積み込み機6から空ベッセル5にズリZの供給を受け、第1ズリ積み込み機6から、ベッセル置き場4を通過して、ズリ供給装置15まで後進走行し、ズリ供給装置15に向きを合わせるために方向修正し、次いで、ズリZをズリ供給装置15に投入する作業を行い、再度向きを修正をして、ズリ供給装置15から、ベッセル置き場4を通過して、第1ズリ積み込み機6まで前進走行して戻り、第1ズリ積み込み機6に空ベッセル5を向けるスケジュールで行われる。
これに対し、第2運搬機10によるズリ仮置き処理は、第2ズリ積み込み機7から空ベッセル5にズリZの供給を受け、第2ズリ積み込み機7からベッセル置き場4まで後進走行し、ベッセル置き場4で、充填ベッセル5を整列して並べ置くために、切り返しなどして前進走行し、充填ベッセル5を置いた後その保持を解除し、次いで、後進走行するなどして、ベッセル置き場4の他の位置に置かれている空ベッセル5に接近し、当該空ベッセル5の保持を行い、空ベッセル5を保持したままベッセル置き場4から第2ズリ積み込み機7まで前進走行して戻り、第2ズリ積み込み機7に、交換した別の空ベッセル5を向けるスケジュールで行われる。
ズリ運搬処理とズリ仮置き処理を比較すると、僅かにズリ仮置き処理の所要時間が短く、必要ズリ出し量の1/2を僅かに超えるズリZがベッセル置き場4に仮置きされ、必要ズリ出し量の1/2を僅かに下回るズリZが直ちにクラッシャ8で破砕され、搬出用コンベア3によりトンネル2外方へ搬出される。
上述した1サイクル1時間で3m強の掘進長(設定掘進長)を掘進するのに求められる必要ズリ出し量が、1時間当たり約200m3 である場合、ベッセル5への実積み込み容量が8.823m3 であるとして、第1運搬機9及び第2運搬機10共に、1時間当たり12回弱の往復動作で、ズリ運搬処理とズリ仮置き処理を行う。これにより、切羽1付近のズリZの除去が完了する。
発破作業時には、すべてのズリ積み込み機6,7が、発破の影響範囲R以遠の退避位置に退避し、ズリZの除去作業が中断される。もちろん、すべての運搬機9,10も、発破の影響範囲R以遠に退避する。発破作業は、このような退避作業を含め、発破完了までに相当の時間を要する。
発破の影響範囲R、すなわち発破によって砕け散る石等が飛来する切羽1付近からの距離は、防護を施さない場合、遠く設定する必要があり、これら石等を避けることができる防護を施した場合には、切羽1からさほど離れる必要はなく、近くても良い。要するに、発破の影響範囲Rは、防護の有無によって、拡がったり、狭まったりする。防護は通常、鉄板等を用いた囲いなどで構成される。防護を施した場合には、ズリ積み込み機6,7や運搬機9,10等は、防護を施さない場合における発破の影響範囲R以遠に退避する必要はなく、当該防護の位置以遠まで退避すればよい。
この発破作業時には、仮置きズリ運搬処理を実行する。第1及び第2運搬機9,10は共に、第2運搬機10がベッセル置き場4に仮置きした充填ベッセル5を、ベッセル置き場4からズリ供給装置15へ運搬して、クラッシャ8にズリを供給し、その後、空になった空ベッセル5をクラッシャ8位置からベッセル置き場4に戻す。第1及び第2運搬機9,10は、発破作業の期間中、この手順をベッセル置き場4とクラッシャ8の間を往復して繰り返し、仮置きズリ運搬処理を行う。
これにより、発破作業時に、ベッセル置き場4に仮置きしたすべてのズリZがクラッシャ8で破砕され、搬出用コンベア3でトンネル2外方へ搬出される。従って、1回の発破作業で切羽1付近に発生したズリZがすべて、上述したズリ運搬処理、ズリ仮置き処理、並びに仮置きズリ運搬処理を通じて、1サイクルの間に処理されトンネル2外方へ搬出される。
クラッシャ8及び搬出用コンベア3については、発破作業及びズリZの除去作業にわたる1サイクル中連続して、運搬機9,10によって継続的に供給されるズリZを破砕し搬出する処理を行う。
以上説明した本実施形態に係るトンネル施工方法では、発破作業とズリZの除去作業を含む1サイクルにおける設定掘進長を掘進するのに求められる必要ズリ出し量を基準として、ズリ積み込み機6,7を、発破に際して待避する期間を除き、必要ズリ出し量の1/X(X:正の偶数)以上の処理能力でそれぞれズリを処理するX台、クラッシャ8を、必要ズリ出し量の1/2以上の処理能力で連続的にズリを処理する1台、ベッセル5を、必要ズリ出し量の少なくとも1/2以上を取り扱うことが可能な個数、並びに走行式運搬機9,10を、必要ズリ出し量を満たす連続運行可能なX台で運用し、発破作業時を除き、上記のズリ運搬処理及びズリ仮置き処理を行い、発破作業時には、上記の仮置きズリ運搬処理を行い、クラッシャ8で、1サイクル中連続して、走行式運搬機9,10で供給されるズリZを破砕処理して搬出用コンベア3に移載するようにしたので、ズリ仮置き処理及び仮置きズリ運搬処理の導入により、待機時間などの無駄を極力削減できる効率的な動きを確保し作業設備を連続的に稼働することができて、ズリZの撤去作業を担う各種作業設備の合理的な運用を実現でき、求められる必要ズリ出し量を確保することができて、急速施工を円滑かつ確実に進めることができ、トンネル施工の短工期を実現することができる。
上記実施形態で説明した作業設備構成を1ユニットとし、当該ユニットを多数備えて運用して、トンネル施工してもよいことはもちろんである。
次に、上記実施形態に係るトンネル施工方法の変形例について説明する。この変形例は、第2運搬機10の作業内容を変更するものである。上記実施形態では、第2運搬機10は、第2ズリ積み込み機7専用であったが、この変形例では、第2運搬機10はさらに、第1ズリ積み込み機6へ空ベッセル5を運搬するようになっている。
すなわち、第2ズリ積み込み機7とベッセル置き場4の間を往復して繰り返しズリ仮置き処理を行う第2運搬機10は、第1運搬機9が第1ズリ積み込み機6付近に戻っていない場合に、第1ズリ積み込み機6によるズリの積み込みを先行して行うために、第2ズリ積み込み機7に別の空ベッセル5を供給する前に、第1ズリ積み込み機6に対し、当該別の空ベッセル5を供給するものである。
第2運搬機10は、第2ズリ積み込み機7へ供給する空ベッセル5を、第1ズリ積み込み機6に優先して供給する。このようにすれば、第1ズリ積み込み機6は、第1運搬機9が戻る前から、空ベッセル5にズリZを積み込むことができ、第1運搬機9は、第1ズリ積み込み機6に戻ったときに、保持してきた空ベッセル5を第1ズリ積み込み機6付近に置き、ズリZが既に積み込まれている充填ベッセル5に交換してこれを運搬すればよい。
本変形例にあっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。特に、この変形例にあっては、第1運搬機9の運用に関し、上記実施形態の場合よりも、ズリZの積み込み待ち時間を短縮することができ、クラッシャ8へのズリZの運搬を効率化できる。第1運搬機9の運用が効率化できることにより、ズリ仮置き処理の処理負担を軽減でき、ベッセル5の必要個数を削減できると同時に、仮置きズリ運搬処理も軽減することができる。
1 切羽
2 トンネル
3 搬出用コンベア
4 ベッセル置き場
5 ベッセル
6,7 走行式ズリ積み込み機
8 クラッシャ
9,10 走行式運搬機
R 発破の影響範囲
Z ズリ

Claims (3)

  1. 発破作業と当該発破作業で発生した切羽付近のズリの除去作業とを1サイクルとして交互に繰り返して掘進しながら、切羽付近から除去したズリは、搬出用コンベアでトンネル外方へ搬出するトンネル施工方法であって、
    発破の影響範囲以遠に移設可能に設定されるベッセル置き場と、
    該ベッセル置き場に複数設けられるズリ積み込み用のベッセルと、
    切羽付近でズリのかき寄せと上記ベッセルへのズリの積み込みを行い、発破時には上記発破の影響範囲以遠へ退避する走行式ズリ積み込み機と、
    上記ベッセル置き場以遠に移設可能に設置され、ズリを破砕し、破砕したズリを上記搬出用コンベアに移載するクラッシャと、
    上記ベッセルを一個ずつ運搬する走行式運搬機とを設備し;
    上記1サイクルの設定掘進長を掘進するのに求められる必要ズリ出し量を基準として、1ユニットを、
    上記ズリ積み込み機を、発破に際して待避する期間を除き、該必要ズリ出し量の1/X(X:正の偶数)以上の処理能力でそれぞれズリを処理するX台、
    上記クラッシャを、該必要ズリ出し量の1/2以上の処理能力で連続的にズリを処理する1台、
    上記ベッセルを、該必要ズリ出し量の少なくとも1/2以上を取り扱うことが可能な個数、並びに
    上記走行式運搬機を、該必要ズリ出し量を満たす連続運行可能なX台で運用し;
    該1ユニットについて、
    発破作業時を除き、
    一方の組のX/2台の上記走行式運搬機が、ズリを積み込む前の空ベッセルを一方の組のX/2台の上記ズリ積み込み機に対して供給し、次いで、一方の組の該ズリ積み込み機でズリを積み込んだ充填ベッセルを運搬して上記クラッシャにズリを供給し、その後、該空ベッセルを一方の組の該ズリ積み込み機に戻すように、一方の組の該ズリ積み込み機と該クラッシャの間を往復して繰り返しズリ運搬処理を行い;
    他方の組のX/2台の上記走行式運搬機が、空ベッセルを他方の組のX/2台の上記ズリ積み込み機に対して供給し、次いで、他方の組の該ズリ積み込み機でズリを積み込んだ充填ベッセルを運搬して上記ベッセル置き場に仮置きし、その後、別の空ベッセルを他方の組の該ズリ積み込み機に運搬するように、他方の組の該ズリ積み込み機と該ベッセル置き場の間を往復して繰り返しズリ仮置き処理を行い;
    発破作業時には、
    すべての上記ズリ積み込み機を退避位置に退避し、すべての上記走行式運搬機が、上記ベッセル置き場から上記充填ベッセルを運搬して上記クラッシャにズリを供給し、その後、空ベッセルを該ベッセル置き場に戻すように、該ベッセル置き場と該クラッシャの間を往復して繰り返し仮置きズリ運搬処理を行い;
    上記クラッシャは、上記1サイクル中連続して、上記走行式運搬機で供給されるズリを破砕処理して上記搬出用コンベアに移載することを特徴とするトンネル施工方法。
  2. 他方の組の前記ズリ積み込み機と前記ベッセル置き場の間を往復して繰り返し前記ズリ仮置き処理を行う他方の組の前記走行式運搬機は、一方の組の前記走行式運搬機が一方の組の前記ズリ積み込み機付近に戻っていない場合に、一方の組の該ズリ積み込み機によるズリの積み込みを先行して行うために、他方の組の該ズリ積み込み機に前記別の空ベッセルを供給する前に、一方の組の該ズリ積み込み機に対し、該別の空ベッセルを供給することを特徴とする請求項1に記載のトンネル施工方法。
  3. 前記「X」の値が「2」であることを特徴とする請求項1または2に記載のトンネル施工方法。
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