JP4493118B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤに関し、ウェット性能および氷上性能に優れる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、湿潤路面走行性(グリップ力、制動性)であるウェット性能を得るために、ガラス転移点の高いポリマーを使用して、ヒステリシスロスを上げるようにしていたが、これによると、低温時にゴム組成物が硬化し、これに基づく諸性能が低下し、氷雪路面走行性(グリップ力、制動性)である氷上性能が損なわれるという不都合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ウェット性能および氷上性能を共に向上させることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の空気入りタイヤは以下の構成とする。
(1)トレッドを備えた空気入りタイヤであって、トレッドは、踏面側のキャップゴム層とその内側のベースゴム層とよりなるキャップ/ベース構造であり、キャップゴム層及びベースゴム層は、直径が0.01〜0.1mmの水溶性繊維と、シリカ、水酸化アルミニウムおよびクレーのうち少なくとも1種よりなる充填剤とを含み、前記水溶性繊維が、ゴム成分100重量部のうちスチレン・ブタジエン共重合体ゴムを20重量部以上含むゴム成分100重量部に対して1〜20重量部であるゴム組成物で構成されることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の空気入りタイヤのトレッドに適用されるゴム組成物に配合される水溶性繊維は、ゴム組成物中に分散して存在しており、内部にある繊維はゴムを補強し、ブロック剛性を保持し、表面部にある繊維は、路面に水が存在すれば、その水溶性のために軟化、溶解して、繊維跡は細長い孔部となり、孔部の内部空間は路面上の水の排水作用をし、孔部の周縁は路面に対してエッジ効果を発揮し、路面に対する摩擦係数を高めることができる。さらに、車両の走行につれて、タイヤ踏面部は摩耗するが、ゴム組成物中に分散している繊維が順次表面部に現れて、新しい孔部を形成し、上記の機能を果たし、ウェット性能および氷上性能を向上させる。
また、繊維をタイヤ周方向に配向させることもでき、この場合は、さらに、初期操縦安定性向上の効果が得られる。
上記のような作用効果を効果的に得るために、本発明の水溶性繊維は、以下のような特徴を有すると望ましい。
配合量は、ゴム成分100重量部に対して1〜20重量部であると好ましい。これは、1重量部未満では、孔量が不足し、ウェット性能や氷上性能の改善が不十分であり、20重量部を超えると、弾性率が上昇して、作業性が悪化する傾向があるからである。
繊維の長さは、10mm以下であると好ましい。これは、10mmを超えると、作業性、耐摩耗性が低下する傾向にあるからである。
繊維の直径は、溶解後に形成される孔部のサイズから、0.01〜0.1mmであることが好ましい。これは、0.01mm未満では、十分な除水効果が得られず、0.1mmを超えると、作業性が悪化するからである。
繊維は、0〜20℃の水に対して可溶であると好ましい。これは、湿潤路面および氷雪路面上の温度に対応しており、このような低温の水に対して溶解することにより、孔部の形成実現成されるからである。
繊維の種類は、上記特性を有していれば、種々のものを使用できるが、なかでも、ブロック剛性に影響する繊維の弾性率を高く維持しながら、分子構造を調整することにより低温の水に対する溶解度を高められるポリビニルアルコール繊維が最も好ましい。
【0006】
シリカ、水酸化アルミニウムおよびクレーは単独であるいは組み合わせて使用されてウェット性向上に寄与するが、その配合量は、ゴム成分100重量部に対して、10〜100重量部であると好ましい。これは、10重量部未満では、ウェット性能の改良効果が得られず、100を超えると、押出し作業性が著しく悪化するからである。同様の観点から、好ましくは、10〜90重量部である。また、シリカは、作業性、耐摩耗性の点からN2 SAが130〜280m2 /gであると好ましい。
【0007】
本発明の空気入りタイヤは、トレッド全体が一種のトレッドゴムで構成されるタイプであってもキャップ/ベース構造等の多層構造であっても良く、多層構造の場合は、少なくとも1種について上記のようなゴム組成物を適用することで、本発明の効果を得ることができる。
また、ゴム成分中、ゴム成分100重量部のうち、SBRが20重量部以上であると、ウェット性向上の点で好ましい。SBRとブレンドされる他のゴム成分は、特に制限されないが、SBRとの相溶性の良いジエン系のゴムが好ましく、具体的には、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン系ゴム(EPDM)等が挙げられ、単独で、または二種以上を混合して使用することができる。
さらに、本発明では補強充填剤として、さらにカーボンブラックを配合することができるが、配合量は作業性などの点からゴム成分100重量部に対して40〜120重量部が好ましく、また、カーボンブラックについては、補強性、作業性の点から窒素吸着法比表面積(N2 SA)が50〜150m2 /gであると好ましい。
なお、本発明にかかるゴム組成物中に、通常配合される添加剤を適宜配合できる。
【0008】
【実施例】
以下に本発明を具体的に説明する。
表1記載の配合に従い、ゴム組成物を調製し、これをトレッドゴムに適用し、サイズ205/65 R15のタイヤを常法により作製して、下記の性能を測定し、結果を表2および表3に記載した。
なお、実験番号1〜6と11の各例については、トッレド全体を一種類のゴムで構成し、実験番号12〜16の各例は、キャップ/ベース構造を採用した。
水溶性PVA繊維の調製
紡糸原液としては、ポリビニルアルコールユニット75%、酢酸ビニルユニット25モル%からなる平均重合度500、ケン化度75%のポリマーの45重量%のDMSO(ジメチルスルホキシド)溶液を用いた。この紡糸原液をノズルより2℃のアセトン/DMSO混合液(重量比85/15)に押出し、紡糸ロールを経た後、アセトン/DMSO混合液(重量比95/5)中で4〜5倍の延伸を行ない、更にアセトン中のDMSOを除去した後、乾燥した。繊維径については、ノズル径と、紡糸原液押出速度を調整することにより調整した。得られた繊維を太く束ねた後、ギロチンカッターで切断し、所望の長さとした。
【0009】
初期操縦安定性(フィーリングテスト)
テストコースにて、実車走行を行い、駆動性、制動性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性を総合評価し、実験番号1あるいは11をそれぞれ100として指数表示した。数値が大きいほど良好である。
(1)初期ウェット性能
試験タイヤを乗用車の4輪に装着し、水を撒いて湿潤路面としたテストコースにて、20km/時で制動し、タイヤをロックしてから停車するまでの走行距離(制動距離)を測定し、その距離の逆数を実験番号1あるいは11をそれぞれ100として、指数表示した。数値が大きいほど良好である。
(2)初期氷上性能
路面を表面温度−2〜−5℃の氷路面とした他は上記と同様である。
(3)走行後ウェット性能
一般路を30000km走行した後の試験タイヤを使用した他は、上記初期ウェット性能の試験と同様である。
(4)走行後氷上性能
テスト路面を表面温度−2〜−5℃の氷路面とした他は上記走行後ウェット性能と同様である。
【0010】
【表1】
【0011】
*1 JSR(株)製 乳化重合体
*2 JSR(株)製 スチレン35%、伸展油 37.5phr 、ムーニー粘度51の乳化重合体
*3 JSR(株)製
*4 東海カーボン(株)製 シースト7H(N2 SA 126m2 /g)
*5 日本シリカ工業(株)製 ニップシールAQ(N2 SA 200m2 /g)
*6 昭和電工(株)製 ハイジライト 43M
*7 ヒューバー社製 nucap200
*8 デグサAG製 Si69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
*9 スピンドル油
*10 大内新興化学工業(株)製 ノクラック6C
*11 ジフェニルグアニジン
*12 ジベンゾチアジルジスルフィド
*13 N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】
以上の結果によると、各実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、初期操縦安定性が向上し、かつ、初期および走行後共に、ウェット性能および氷上性能が向上している。
【0015】
【発明の効果】
本発明によると、タイヤ使用初期のみならずタイヤ使用中期・末期においても、ウェット性能および氷上性能に優れる空気入りタイヤを提供することができる。
Claims (1)
- トレッドを備えた空気入りタイヤであって、トレッドは、踏面側のキャップゴム層とその内側のベースゴム層とよりなるキャップ/ベース構造であり、キャップゴム層及びベースゴム層は、直径が0.01〜0.1mmの水溶性繊維と、シリカ、水酸化アルミニウムおよびクレーのうち少なくとも1種よりなる充填剤とを含み、前記水溶性繊維が、ゴム成分100重量部のうちスチレン・ブタジエン共重合体ゴムを20重量部以上含むゴム成分100重量部に対して1〜20重量部であるゴム組成物で構成されることを特徴とする空気入りタイヤ。
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