JPH05148390A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH05148390A
JPH05148390A JP3312339A JP31233991A JPH05148390A JP H05148390 A JPH05148390 A JP H05148390A JP 3312339 A JP3312339 A JP 3312339A JP 31233991 A JP31233991 A JP 31233991A JP H05148390 A JPH05148390 A JP H05148390A
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JP
Japan
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polyvinyl alcohol
tire
rubber
alcohol powder
ice
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Pending
Application number
JP3312339A
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English (en)
Inventor
Masaaki Harada
昌明 原田
Shingo Midorikawa
真吾 緑川
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一般路 (乾燥路、湿潤路) における走行性能
を損なうことなしに氷雪路走行性能を向上させた空気入
りタイヤを提供すること。 【構成】 本発明の空気入りタイヤは、トレッド部がゴ
ム成分100重量部に対しポリビニルアルコール粉末を1
〜15重量部配合してなるゴム組成物からなり、前記トレ
ッド部の20℃と−10℃におけるJIS 硬度の差が8以下で
あり、前記ポリビニルアルコール粉末が粘度10〜70cps
、けん化度80モル%以上、平均粒径30〜1000μmを有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般路 (乾燥路、湿潤
路) における走行性能を損なうことなく、氷雪路、特に
氷上における摩擦力 (制動性、駆動性) を向上させたス
タッドレスの空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、積雪寒冷地において、冬期時に自
動車が走行する場合には、タイヤにスパイクを打ち込ん
だスパイクタイヤを用いるか又はタイヤの外周にタイヤ
チェーンを装着して雪上・氷上路での安全を確保してい
る。しかしながら、スパイクタイヤ又はタイヤチェーン
を装着したタイヤでは、道路の摩耗や損傷が発生し易
く、それが粉塵となって公害を引き起こし、大きな環境
問題となる。
【0003】このような安全問題と環境問題とを解決す
るために、スパイクやチェーンを使用せずに雪上路およ
び氷上路における制動性、駆動性を有したスタッドレス
タイヤが現在急速に普及しつつある。このスタッドレス
タイヤとして、例えば、トレッドゴム中に砂を配合した
り (特開昭61-150803 号公報) 、金属繊維を配合したり
(特開昭63-34206号公報) 、金属を配合したり (特開平
2-281052号公報) して氷上性能を向上させるようにした
自動車用タイヤが提案されている。しかし、この自動車
用タイヤは、ゴム硬度が比較的高くなるため、氷上摩擦
の向上効果が不十分であった。また、タイヤの摩耗に従
ってこれら砂、金属繊維、金属が飛散して粉塵公害を引
き起こし、大きな環境問題となってしまう。
【0004】また、トレッドゴムに発泡ゴムを用いるこ
とも提案されている (特開昭62-283001 号公報、特開昭
63-89547号公報) 。しかし、この場合のタイヤでは、氷
雪路における摩擦力は良好であるが、発泡ゴムのブロッ
ク剛性が低いため、独立気泡によるエッジ効果と排水効
果とが十分でなく、また耐摩耗性や一般路 (乾燥路、湿
潤路)における走行性能が低下するという問題点があ
る。
【0005】さらに、水不溶性の親水性物質である吸水
剤をトレッドゴムに配合して氷上性能を向上させるよう
にした空気入りタイヤが提案されている (特開昭60-259
503号公報) 。しかし、このタイヤでは、氷雪路走行時
に路面の水を吸収するが、排水が十分でないため、氷上
摩擦力が十分に改善できないという問題がある。水不溶
性高分子粉体をトレッドゴムに配合したスタッドレスタ
イヤも提案されている(特開平3-159803 号公報) 。し
かし、このタイヤでは、0℃と室温の硬度差があり過ぎ
て結果的に0℃での硬度が大となり、氷上性は十分に改
良できない欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一般
路 (乾燥路、湿潤路) における走行性能を損なうことな
く、氷雪路、特に氷上における摩擦力 (制動性、駆動
性) を向上させた空気入りタイヤを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の空気入りタイヤ
は、トレッド部がゴム成分100重量部に対しポリビニル
アルコール粉末を1〜15重量部配合してなるゴム組成物
からなり、前記トレッド部の20℃と−10℃におけるJIS
硬度の差が8以下であり、前記ポリビニルアルコール粉
末が粘度10〜70cps 、けん化度80モル%以上、平均粒径
30〜1000μmを有することを特徴とする。
【0008】このように本発明では、トレッド部にポリ
ビニルアルコール粉末を用いるために、氷雪路面の走行
時にトレッド部に粒子として存在するポリビニルアルコ
ール粉末が路面の水により溶解して、もしくは自然にト
レッド表面から脱落し、トレッド表面に凹凸ができると
共に、脱落しないポリビニルアルコール粉末の粒子は路
面の水を良く吸収するので、路面へのグリップ力が増
し、氷上摩擦力を向上させることができる。また、湿潤
路を走行する場合においても、ポリビニルアルコール粉
末が路面の水をよく吸収すると共に路面の水を吸収した
ポリビニルアルコール粉末がトレッド表面からすぐに脱
落するので、排水性が良好となるから、走行性能が損な
われることはない。さらに、乾燥路を走行する場合にお
いては、トレッド部におけるポリビニルアルコール粉末
の配合量がわずかであるためにトレッドの剛性低下にあ
まり影響を与えることがないので、乾燥路走行性能を損
なうことがない。また、一般的に氷雪路での走行性能を
向上させるには低温側、例えば−10℃における硬度を低
くするのが重要であり、また一般路での性能を保には高
温側、例えば20℃における硬度を高く保のが有効であ
る。本発明では、トレッド部の20℃と−10℃におけるJI
S硬度の差を8以下としたために、低温時にしなやかさ
を保ってマトリックスゴム中でのポリビニルアルコール
粉末の効果が最大限に発揮されると共に、一般路での走
行性能、耐摩耗性を犠牲にすることはない。
【0009】以下、図を参照して本発明の構成につき詳
しく説明する。図1は本発明の空気入りタイヤの一例の
子午線方向半断面説明図である。この図1において、本
発明の空気入りタイヤAは、左右一対のビード部11, 11
とこれらビード部11, 11に連結する左右一対のサイドウ
ォール部12, 12とこれらサイドウォール部12, 12間に配
されるトレッド部13からなる。左右一対のビード部11,1
1間にはカーカス層14が装架されており、トレッド部13
においては、この外周を取り囲むようにベルト層15が配
置されている。10はトレッド表面である。
【0010】本発明においては、トレッド部13がゴム成
分100重量部に対しポリビニルアルコール粉末を1〜15
重量部配合してなるゴム組成物からなり、20℃と−10℃
におけるJIS 硬度の差が8以下である。20℃と−10℃に
おけるJIS 硬度の差が8超であると、結果的に−10℃で
のJIS硬度が高くなり過ぎるか或いは20℃でのJIS 硬度
が低くなり過ぎるわけであり、それぞれ氷雪路性能、一
般路性能にとって好ましくなく、ポリビニルアルコール
粉末の配合効果が十分に発揮されない。
【0011】ゴム成分としては、特に限定されるもので
はなく、トレッドゴムとして通常使用されるものを用い
ればよい。例えば、天然ゴム (NR) 、ブタジエンゴム
(BR) 、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム (SB
R) などである。ポリビニルアルコール粉末は、粘度10
〜70cps 、けん化度80モル%以上、平均粒径30〜1000μ
mを有するものである。粘度が10cps 未満では加硫中に
ポリビニルアルコール粉末が溶け易く、加硫後にポリビ
ニルアルコール粉末がトレッド部中に粒子として存在し
にくくなる。粘度が70cps 超ではポリビニルアルコール
粉末の吸水能力が低下してしまう。また、けん化度80モ
ル%未満でもポリビニルアルコール粉末の吸水能力が低
下することになる。平均粒径が30μm未満では氷上性能
の改良が不十分となり、1000μmを超えると乾燥路走行
性能 (耐摩耗性等)などの一般路走行性能が低下してし
まう。
【0012】このポリビニルアルコール粉末は、ゴム成
分100重量部に対し1〜15重量部配合される。1重量部
未満では氷上性能の改良が不十分となり、15重量部を超
えると耐摩耗性が悪化してしまう。このようにしてなる
ゴム組成物には、必要に応じて、カーボンブラック、硫
黄等の配合剤が適宜配合される。ポリビニルアルコール
粉末はタイヤ加硫成形後において、トレッド部13に粒子
の形態で存在する。
【0013】
【実施例】表1に示す配合内容 (重量部) のゴム組成物
でトレッド部を構成してタイヤサイズ11R22.5 14PRのタ
イヤを各種作成し、これらタイヤ (従来例、実施例1〜
5、比較例1〜4) について、次の評価を行った。この
結果を表1に示す。表1中において、ポリビニルアルコ
ール粉末をPVA粉末と略記する。なお、テスト車は大
型車両(2・D)を使用した。JIS 硬度の差 :各テストタイヤのトレッド部より試験片
を切り出し、JIS-K 6301に規定されている方法に準拠し
て、温度20℃と−10℃のときの硬度を測定して、その差
を算出した。
【0014】氷上路面での制動性能:氷盤上を初速40km
/hで走行し、制動した時の制動距離を測定し、従来タ
イヤ(従来例) を100として指数表示した。数値は大な
る程、制動が良好であることを示す。雪上路面での駆動性能 :圧雪路面を乗用車で制動を繰返
して、路面をツルツルにしたツルツル圧雪路面におい
て、5% (2.9°) 勾配の登坂試験を行い、ゼロ発進方
法により30m区間の登坂加速タイムを計測し、従来タイ
ヤに対する指数で示した。数値は大なる程、駆動性が良
好であることを示す。耐摩耗性 (乾燥路面) :JATMA に規定されている設計常
用荷重、空気圧の条件で乾燥路面を20,000km走行した
後、各タイヤの摩耗量を従来タイヤの摩耗量に対する指
数で示した。数値は大なる程、耐摩耗性が良好であるこ
とを示す。
【0015】
【0016】注) *1 PVA粉末A…粘度43cps、けん化度88mol%、平
均粒径800μm。 *2 PVA粉末B…粘度64cps、けん化度99.4mol%、
平均粒径700μm。 *3 PVA粉末C…粘度18cps、けん化度88mol%、平
均粒径100μm。 *4 PVA粉末D…粘度5.2cps、けん化度88mol%、
平均粒径800μm。 *5 PVA粉末E…粘度43cps、けん化度88mol%、平
均粒径1500μm。 *6 ポリマーBR…シス成分98%、Tg−103 ℃。 *7 ポリマーSBR…スチレン含量24.6重量%、ブタ
ジエン部分のビニル成分量15重量%、Tg−51℃。
【0017】粘度は、ヘプラー粘度計により20℃、4%
水溶液粘度の測定値。けん化度は、水酸基の割合をモル
%で表した値。表1において、従来例は従来のスタッド
レスタイヤのトレッド部用ゴム組成物であって、PVA
粉末が配合されていない。実施例1〜5は、本発明範囲
内のゴム組成物であって、耐摩耗性を実質的に低下させ
ることなしに氷雪路走行性能を改良できる。比較例1
は、粘度が本発明範囲外のPVA粉末を用いたゴム組成
物であって、氷雪路走行性能が改善されない。比較例2
は、平均粒径が本発明範囲外のPVA粉末を用いたゴム
組成物であって、耐摩耗性が大幅に低下している。比較
例3は、PVA粉末を本発明範囲外の配合量で用いたゴ
ム組成物であって、耐摩耗性が大幅に低下している。比
較例4は、JIS 硬度の差が本発明範囲外であり、氷雪路
走行性能は改善されない。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ト
レッド部にポリビニルアルコール粉末を用いるために、
一般路 (乾燥路、湿潤路) における走行性能を損なうこ
となしに氷雪路走行性能を向上させることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一例の子午線方向半
断面説明図である。
【符号の説明】
10 トレッド表面 11 ビード部 12 サイドウォール 13 トレッド部 14 カーカス層 15 ベルト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60C 11/14 A 8408−3D //(C08L 21/00 29:04)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド部がゴム成分100重量部に対し
    ポリビニルアルコール粉末を1〜15重量部配合してなる
    ゴム組成物からなり、前記トレッド部の20℃と−10℃に
    おけるJIS 硬度の差が8以下であり、前記ポリビニルア
    ルコール粉末が粘度10〜70cps 、けん化度80モル%以
    上、平均粒径30〜1000μmを有する空気入りタイヤ。
JP3312339A 1991-11-27 1991-11-27 空気入りタイヤ Pending JPH05148390A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019235622A1 (ja) 2018-06-08 2019-12-12 株式会社クラレ ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ

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