JPH11315166A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

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JPH11315166A
JPH11315166A JP11055834A JP5583499A JPH11315166A JP H11315166 A JPH11315166 A JP H11315166A JP 11055834 A JP11055834 A JP 11055834A JP 5583499 A JP5583499 A JP 5583499A JP H11315166 A JPH11315166 A JP H11315166A
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tread
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JP11055834A
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Eiji Nakamura
英二 中村
Hiroshi Morinaga
啓詩 森永
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Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 20重量部以上のブタジエンゴムを含むゴム
成分100重量部に対して30から90重量部のカーボ
ンブラックと、長さが10mm以下で、かつ、直径0.
01から0.1mmの短繊維とを含むことを特徴とする
タイヤのベーストレッド用ゴム組成物。 【解決手段】 1対のビ−ドコア間にトロイド状をなし
て跨るカ−カス層のクラウン部外周にベルト層とトレッ
ドゴムを順次配置した空気入りタイヤであって、前記ト
レッドゴムは溝底からベースゴムの上端までの高さが溝
の深さの20%以上のベースゴムとキャップゴムからな
る2層トレッドであり、かつベーストレッドが長さ10
mm以下で、かつ、直径0.01から0.1mmの短繊
維を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空気入りタイヤに関し、
詳しくは初期の操縦安定性、耐摩耗性及びタイヤ摩耗時
における氷雪路面上での制動性(氷上制動性)、湿潤路
面上での操縦安定性(ウェット操安性)を向上させた空
気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】冬用タイヤでは、氷上制動性を高めるた
めにキャップトレッドゴムとして低温においても比較的
柔らかいゴムを使用している。たとえば、オイルを多く
入れる、発泡ゴムを使用する等の手法が取られている。
一方、ベ−スゴムとしては、一般路面(乾燥路、湿潤
路)及び氷上、雪上における操縦安定性、耐摩耗性を高
めるために、ブロック剛性を高くする比較的固いゴムが
使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなトレッド
を有するタイヤにおいては、タイヤが路面との摩擦によ
り摩耗し、ベ−スゴムがタイヤ表面に現れると、そのゴ
ム物性に起因して特に氷上制動性、ウェット操縦安定性
が急激に低下するという問題点が有った。タイヤメ−カ
−としては、プラットフォーム、スリップサイン等を設
け、摩耗が進んだ状態のタイヤ使用は避けるよう指導し
ているものの、実際にはベ−スゴムが露出するまで使う
ユ−ザ−も存在する。従って、タイヤメ−カ−としては
そういったユ−ザ−もいるという事を念頭に置き、いか
なる使用状態においても安全性を確保するようにタイヤ
を設計すべきである。そこで、本発明の目的は、タイヤ
使用初期の操縦安定性、耐摩耗性を損なわず、かつ摩耗
後の、特にベースゴム露出後の氷上制動性、ウェット操
縦安定性、ウェット制動性を向上させた空気入りタイヤ
を提供する事に有る。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の態様は、20重量部以上のブタジエンゴムを含むゴム
成分100重量部に対して30から90重量部の補強性
充填剤と、長さが10mm以下で、かつ、直径0.01
から0.1mmの短繊維とを含むことを特徴とするタイ
ヤのベーストレッド用ゴム組成物であり、補強性充填剤
がカーボンブラック単独または、カーボンブラックとシ
リカとからなることが好ましい。シリカを併用する場
合、補強性充填剤の総量に対するシリカの割合が95重
量%以下で、かつシランカップリング剤をシリカ配合量
の5から20重量%含んでいることが好ましい。
【0005】また、短繊維の配合量がゴム成分100重
量部に対し1から25重量部であること、カーボンブラ
ックの窒素吸着比表面積(N2 SA)が50から150
2/gであること、シリカのN2 SAが130から2
80m2 /gであること、前記短繊維が水溶性短繊維で
あること、前記短繊維の水溶温度が20℃以下であるこ
と、前記水溶性短繊維がポリビニルアルコ−ル製である
ことが好ましい。
【0006】さらに、本発明のゴム組成物は、発泡剤を
含有することができる。
【0007】又、本発明の第2の態様は、1対のビ−ド
コア間にトロイド状をなして跨るカ−カス層のクラウン
部外周にベルト層とトレッドゴムを順次配置した空気入
りタイヤであって、前記トレッドゴムは溝底からベース
トレッドの上端までの高さが溝の深さの20%以上のベ
ーストレッドとキャップトレッドからなる2層トレッド
であり、かつベーストレッドが長さ10mm以下で、か
つ、直径0.01から0.1mmの短繊維を含むことを
特徴とする空気入りタイヤであり、ベーストレッドのゴ
ム組成物に、上記のいずれかの特徴を持つゴム組成物を
用いることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のベーストレッド用のゴム
組成物( ベースゴム) に用いられるゴム成分は、低温で
の弾性率を低くするために、BRを20重量%以上含ま
なければならない。BRと併用するゴム成分には、特に
制限はなく、通常用いられる、天然ゴム(NR)、ブタ
ジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレ
ン−ブタジエンゴム(SBR)などを適宜使用できる。
【0009】本発明においては、所謂キャップ/ベース
構造を持つタイヤにおいて、ベーストレッドのゴム組成
物に短繊維を配合する。短繊維の素材としては、特に制
限はなく、ポリビニルアルコール(PVA)、セルロ−
ス系繊維、ポリアルギン酸繊維、ポリアルキレン系繊維
等の水溶性繊維、ポリエステル、ナイロン、アラミド、
カ−ボン、グラス、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
非水溶性繊維等、周知の物を挙げることができるが、水
溶性繊維を配合することが、タイヤの使用中、特に雨天
時など湿潤路面においてミクロ溝を形成するためブロッ
ク内の排水性と高め、また、効率的にゴム表面のみを軟
化させることができ、有効にゴム組成物の湿潤路面に対
する摩擦係数(μ)を引き出すことができるため好まし
く、特には、ゴム製造時の形態保持性がよく、ゴム組成
物の物性向上度が大きく、さらに、ブロック剛性に影響
する繊維の弾性率を高く維持しながら、分子構造を調整
することにより低温水溶性を高められる、ポリビニルア
ルコールが好ましい。
【0010】短繊維を配合することによりベースゴム弾
性率が高くなり、タイヤ使用初期の操縦安定性が向上す
る。さらに、ベーストレッド露出時にはタイヤ表面にお
いて短繊維が脱離、特に水溶性繊維の場合は路面上の水
により溶解し、表面に長尺状の空隙が形成され、氷雪
上、湿潤路面上の摩擦係数が向上する。
【0011】また、上記短繊維は、水溶温度が20℃以
下、更には、10℃以下であることが好ましい。水溶温
度が低い短繊維を用いることにより、道路の表面温度が
低い条件でも、水溶性繊維を配合している効果を効率的
に得ることができる。
【0012】上記短繊維の配合量は、特に制限されない
が、ベースゴムのゴム成分100重量部に対して1から
25重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、
2から15重量部である。配合量が1 重量部未満である
と、性能改良効果が十分でなく、25重量部を超える
と、押し出し作業性が低下したり、弾性率が著しく上昇
してしまうことがある。
【0013】短繊維の長さは、10mm以下でなければ
ならない。短繊維の長さが10mmを超えると、作業性
の悪化、摩耗性の低下が懸念される。
【0014】又、短繊維の直径は、溶解後の長尺状の空
隙のサイズから、0.01から0.1mmでなければな
らない。短繊維の直径が0. 01mm未満であると、繊
維の製造工程において糸切れが多発するため繊維の生産
性が低下し、また、たとえ、製造しても、ゴム精練作業
性が悪化する。更に、タイヤのトレッドに配合した場
合、発生する溝の深さが浅すぎて、荷重によりつぶれて
しまう。一方、短繊維の直径が0. 1mmを超えると、
タイヤのトレッド表面にある程度の溝の量を確保するた
めには短繊維の配合量を増やさなければならず、ゴム組
成物の混練り作業性が低下する。
【0015】短繊維の融点は、120℃以上であること
が好ましい。融点が120℃未満であると、混練り工
程、あるいは、押し出し工程において、短繊維が溶融し
てしまい、繊維形状を保てないことがある。また、加硫
工程において、ゴムとの融着をさせることが好ましい場
合には、短繊維の融点は200℃以下であることが好ま
しい。
【0016】短繊維とマトリックスゴムとの界面は、あ
る程度接合していることが好ましい。接合させる方法は
特に制限されず、たとえば、短繊維の融点以上の温度で
加硫して融着させる方法が有効である。また、短繊維が
ポリビニルアルコールである場合には、シランカップリ
ング剤を配合する方法、分子中にチオアルコールユニッ
トなどを導入して短繊維の樹脂自体を改質する方法など
も有効である。接合率としては、80%以上であること
が好ましく、更に好ましくは90%以上である。
【0017】本発明においては、補強性充填剤として、
カーボンブラックを用い、さらに、シリカを併用するこ
とができる。カーボンブラックの配合量は、作業性など
の理由から、ゴム成分100重量部に対して30から9
0重量部であり、好ましくは、50から80重量部であ
る。シリカを併用する場合も、カーボンブラックとシリ
カの総量がゴム成分100重量部に対して30から90
重量でなければならない。
【0018】シリカを併用する場合は、シリカとカーボ
ンブラックの総量に対するシリカの割合が95重量%以
下で、かつシランカップリング剤をシリカ配合量の5か
ら20重量%含んでいることが好ましい。95重量%を
超えると、作業性、補強性、及び、耐摩耗性、特に、高
シビリティの耐摩耗性の低下が起こり好ましくない。
【0019】又、本発明で用いるカーボンブラックは、
補強性、作業性の理由から窒素吸着比表面積(N2
A)が50から150m2 /gでなければならす、前記
シリカは、N2 SAが130から280m2 /gである
ことが作業性、耐摩耗性確保の理由から好ましい。
【0020】本発明のゴム組成物に用いる発泡剤は、通
常、ゴム業界で用いられるものを適宜用いることができ
る。本発明に好適に使用できる発泡剤としては、アゾジ
カルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラアミ
ン、アゾビスイソブチロニトリル、芳香族スルホニルヒ
ドラジド化合物、例えば、ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、トルエンスルホニルヒドラジド、オキシビスベンゼ
ンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。
【0021】発泡剤を含む本発明のゴム組成物を加硫す
ることにより、ゴム組成物中には、発泡剤による独立気
泡が生じる。その発泡率は、3〜40%であることが好
ましいが、これは、0℃付近の氷表面に溶融した水分が
多い状態において、気孔によるミクロな排水効果を大き
くし、優れた氷雪性能を発揮させるためにはかかる独立
気泡が不可欠だからである。
【0022】発泡率が3%未満では発泡の効果が十分で
なく、一方40%を超えると剛性が不十分のため、トレ
ッドに使用した場合には、耐摩耗性の低下や溝底クラッ
クの発生が大となる。
【0023】ここで、発泡の発泡率Vs は、次式 Vs ={(ρ0 −ρg )/(ρ1 −ρg )−1}×100(%) ---(1) で表わされ、ρ1 は発泡ゴムの密度(g/cm3)、ρ0
発泡ゴムの固相部の密度(g/cm3)、ρg は発泡ゴムの
気泡内のガス部の密度(g/cm3)である。発泡ゴムは固
相部と、固相部によって形成される空洞(独立気泡)す
なわち気泡内のガス部とから構成されている。ガス部の
密度ρg は極めて小さく、ほぼ零に近く、かつ固相部の
密度ρ1 に対して極めて小さいので、式(1)は、次式 Vs ={(ρ0 /ρ1 )−1}×100(%) ---(2) とほぼ同等となる。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明の主旨を超えない限りは、この実施例に制限され
ることはない。短繊維、ゴム組成物及び、タイヤの物
性、性能は、以下の測定方法にしたがって測定した。
【0025】(I)短繊維の物性 (い)直径、及び、長さ 切断後の繊維において、無作為に20ヶ所を選び、光学
式顕微鏡で直径、または、長さを測定した。それぞれ、
平均値を短繊維の直径、または、長さとした (ろ)水溶温度 200ccの水中に水溶樹脂を1g入れ、スタ−ラ−で
攪拌しながら、2℃/分で昇温する(約0℃からスタ−
ト)。目視で透明化したときの水温度を溶解温度とす
る。 (は)融点 セイコー電子(株)の示差熱分析計DSC200を用い
て、昇温速度10℃/分で30℃から250℃までの温
度範囲で昇温し、得られた吸熱ピークから融点温度を測
定した。
【0026】(II)ゴム組成物の物性 (い) 動的貯蔵弾性率(E’) 東洋精機製スペクロトメーターを用い、幅5mm、厚さ
2mm、長さ20mmの試験片を初期荷重150g、振
動数50Hz、動歪み1%にて30℃における動的貯蔵
弾性率を測定し、その値をコントロールである比較例1
を100として指数にした。値が大きいほどブロック剛
性が高くなり初期DRY、WET操縦安定性が増す傾向
にあるが、高すぎると逆にフィ−リングが悪化する事が
ある。 (ろ)短繊維とマトリックスゴムとの界面の接合率 短繊維を一方向に配向させた加硫ゴムを、短繊維長手方
向に対し垂直に、約1mmの厚さで切り出してサンプル
とした。次に、このゴムサンプルの上記切り出し方向に
100%の歪を加えた状態で、サンプルを治具で固定
し、切り出し面を捜査型顕微鏡で観察した。繊維とゴム
とが接合している部分と、繊維とゴムとの界面が解離
し、空隙を生じた部分とを測定し、接合している部分の
割合を%で表わしたものを短繊維とマトリックスゴムと
の界面での接合率とした。
【0027】(III)タイヤの性能 (い) 初期操縦安定性 テストコースの乾燥路面及び湿潤路面において、テスト
ドライバー二人により実車走行を行ない、駆動性、制動
性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性を総合評
価し、操縦安定性の評価とした。結果は比較例1を10
0とした時の指数で示し、数値が大きいほど良好であ
る。 (ろ)走行後WET操縦安定性 試験タイヤを乗用車に装着して、15000km走行さ
せ、ベースゴムを露出させた。その後、テストコースに
て、乗用車に試験タイヤ4輪を装着してテストドライバ
ー二人による実車走行を湿潤路面上で行ない、駆動性、
制動性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性を総
合評価し、走行後WET操縦安定性の評価とした。結果
は比較例1を100とした時の指数で示し、数値が大き
いほど良好である。 (は)走行後WET制動性 試験タイヤを乗用車に装着して、15000km走行さ
せ、ベースゴムを露出させた。その後、テストコースに
て、乗用車に試験タイヤ4輪を装着して60kmの初速
度にて湿潤路面上での制動距離を測定し、距離の逆数を
比較例1を100として、指数で表わした。数値が大き
いほど、制動性が良好である。 (に)走行後氷上制動距離 試験タイヤを乗用車に装着して、15000km走行さ
せ、ベースゴムを露出させた。その後、テストコースに
て、各試験タイヤ4本を排気量1500ccの乗用車に
装着し、外気温度0から−3℃、時速20kmで氷上に
おける制動距離を測定した。 氷上制動距離指数={(コントロールの制動距離)/
(試験タイヤの制動距離)}x100 指数が大きいほど氷上性能がよいことを示す。 (ほ)耐摩耗性 実車にて一般道路を30000Km走行後、トレッド部
の残溝より摩耗1mm当たりの走行距離を算出し、比較
例1のタイヤの値を100として指数表示した。この指
数が大きいほど耐摩耗性が良好である。
【0028】水溶性PVA繊維の調製 <サンブルA>ポリビニルアルコールユニット75モル
%、酢酸ビニルユニット25モル%からなる平均重合度
500、ケン化度75%のポリマ−の45重量%DMS
O溶液を紡糸原液として用い、ノズルより2℃アセトン
/DMSO混合液(重量比85/15)に押出し、紡糸
ロ−ルを経た後、アセトン/DMSO混合液(重量比9
5/5)中で4〜5倍の延伸を行ない、更にアセトン中
のDMSOを除去した後乾燥して水溶性ポリビニルアル
コール繊維Aを得た。水溶温度は2℃、融点は169℃
であった。
【0029】<サンブルB>ポリビニルアルコールユニ
ット81モル%、酢酸ビニルユニット19モル%からな
る平均重合度750、ケン化度80%のポリマ−の45
重量%DMSO溶液を紡糸原液として用い、ノズルより
2℃アセトン/DMSO混合液(重量比85/15)に
押出し、紡糸ロ−ルを経た後、アセトン/DMSO混合
液(重量比95/5)中で4〜5倍の延伸を行ない、更
にアセトン中のDMSOを除去した後乾燥して水溶性ポ
リビニルアルコール繊維Bを得た。水溶温度は3℃、融
点は191℃であった。
【0030】<サンブルC>ポリビニルアルコールユニ
ット88モル%、酢酸ビニルユニット12モル%からな
る平均重合度700、ケン化度88%のポリマ−の45
重量%DMSO溶液を紡糸原液として用い、ノズルより
2℃アセトン/DMSO混合液(重量比85/15)に
押出し、紡糸ロ−ルを経た後、アセトン/DMSO混合
液(重量比95/5)中で4〜5倍の延伸を行ない、更
にアセトン中のDMSOを除去した後乾燥して水溶性ポ
リビニルアルコール繊維Cを得た。水溶温度は8℃、融
点は196℃であった。
【0031】<サンブルD>ポリビニルアルコールユニ
ット91モル%、酢酸ビニルユニット9モル%からなる
平均重合度700、ケン化度92%のポリマ−の45重
量%DMSO溶液を紡糸原液として用い、ノズルより2
℃アセトン/DMSO混合液(重量比85/15)に押
出し、紡糸ロ−ルを経た後、アセトン/DMSO混合液
(重量比95/5)中で4〜5倍の延伸を行ない、更に
アセトン中のDMSOを除去した後乾燥して水溶性ポリ
ビニルアルコール繊維Dを得た。水溶温度は14℃、融
点は211℃であった。
【0032】<サンブルE>ポリビニルアルコールユニ
ット95モル%、酢酸ビニルユニット5モル%からなる
平均重合度800、ケン化度96%のポリマ−の45重
量%DMSO溶液を紡糸原液として用い、ノズルより2
℃アセトン/DMSO混合液(重量比85/15)に押
出し、紡糸ロ−ルを経た後、アセトン/DMSO混合液
(重量比95/5)中で4〜5倍の延伸を行ない、更に
アセトン中のDMSOを除去した後乾燥して水溶性ポリ
ビニルアルコール繊維Eを得た。水溶温度は29℃、融
点は214℃であった。なお、繊維直径については、ノ
ズル径と、紡糸原液押出速度を調整する事により調整し
た。得られた繊維は、太く束ねた後、ギロチンカッター
で切断し、所望の長さとした。
【0033】表1 の配合に従い、試料のゴム組成物を調
製し、以下の測定方法にしたがって、各種性能を測定し
た。結果を表2に示す。なお、配合1は発泡剤を含まな
い系において短繊維を配合していないコントロールであ
り、配合2、5、7は、短繊維の長さ、または繊維の直
径が、配合13は、BRの配合量が本発明の範囲を外れ
る。更に、配合14から17は、短繊維として水溶温
度、融点の異なる物を配合した例である。また、配合1
8から21は、発泡剤を含む系であり、配合18をコン
トロールとしている。
【0034】
【表1−1】
【表1−2】 1) JSR(株)製 乳化重合SBR、商標:#15
00 2) JSR(株)製、商標:BR01 3) 東海カ−ボン(株)製、商標:シ−スト7H(N
2 SA 126m2 /g) 4) 東海カ−ボン(株)製、商標:シ−スト9 (N
2 SA 143m2 /g) 5) 日本シリカ工業(株)製 ニップシールAQ(N
2 SA 200m2 /g) 6) デグサAG製 Si69 7) ジフェニルグアニジン 8) ジベンゾチアジルジスルフィド 9) ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラ
スルフィド 10)ジニトロソペンタメチレンテトラミン 11)調製品
【0035】
【表2】
【0036】また、各試料ゴム組成物をベーストレッド
に用いて、サイズ185/70R14の試験タイヤを常
法により製造した。各試料タイヤのベースゴムの溝高
さ、及び、測定結果を表2に示す。なお、15000k
m走行後のタイヤを観察すると、ベースゴムの溝高さが
本発明の範囲を外れる比較例6ではベーストレッドゴム
が十分露出していなかったため、走行後の各性能試験を
取りやめた。
【0037】比較例1は繊維を含まないゴム組成物をベ
ースゴムとして用いたコントロールタイヤであり、繊維
の長さ、直径を変えても本発明の範囲内であれば耐摩耗
性を損なうことなく走行後のウェット操縦安定性、ウェ
ット制動性、氷上制動性が向上する。比較例1、実施例
2、4、5より、繊維を配合することによりタイヤ性能
は向上するが、配合量が多くなり過ぎると耐摩耗性が低
下する傾向にあることが判る。比較例5、実施例6から
10より、カーボンブラックやゴム成分の種類を変えて
も、本発明の効果が得られるが、BRを含まない比較例
5は、耐摩耗性、走行後のウェット操縦安定性、走行後
の氷上制動性が低下していることが判る。さらに、比較
例6、及び、実施例2、9より、ベースゴムの溝高さが
20% に満たないと、ベースゴムを改良した効果が小さ
く、走行初期のDRY操縦安定性改良効果が十分に得ら
れないことが判る。さらには、発泡剤を含有した系で
も、本発明の効果があることが判る。なお、実施例1
4、15では、水溶性短繊維が溶融し筒状気泡となって
いた。また、実施例16は短繊維が加硫中に溶融しない
ので、繊維状で残留していたため、実施例15と比べて
走行後のWET性能、及び、ICE性能が低下してい
た。
【0038】
【発明の効果】短繊維をベーストレッドに配合すること
によりゴム弾性率が高くなり、タイヤ使用初期のDR
Y、WET操縦安定性、耐摩耗性が向上する。タイヤ摩
耗によるベース露出時にはタイヤ表面において短繊維が
脱離、特に水溶性繊維の場合は路面上の水により溶解
し、表面に長尺状の空隙が形成され、WET、ICE路
面上の摩擦係数が向上し、氷上制動性、及びWET操縦
安定性が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/54 C08K 5/54 7/02 7/02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】20重量部以上のブタジエンゴムを含むゴ
    ム成分100重量部に対して30から90重量部の補強
    性充填剤と、長さが10mm以下で直径が0.01から
    0.1mmの短繊維とを含むことを特徴とするタイヤの
    ベーストレッド用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記補強性充填剤がカーボンブラックで
    あることを特徴とする特許請求の範囲1 項に記載のゴム
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記補強性充填剤がカーボンブラックと
    シリカからなることを特徴とする特許請求の範囲1項に
    記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】補強性充填剤総量に対するシリカの割合が
    95重量%以下で、かつシランカップリング剤をシリカ
    配合量の5から20重量%含んでいるゴム組成物からな
    ることを特徴とする特許請求の範囲3項に記載のゴム組
    成物。
  5. 【請求項5】短繊維の配合量がゴム成分100重量部に
    対し1から25重量部であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項から4項のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 【請求項6】カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N
    2 SA)が50から150m2 /gであることを特徴と
    する特許請求の範囲1から5項のいずれかに記載のゴム
    組成物
  7. 【請求項7】シリカのN2 SAが130から280m2
    /gであることを特徴とする特許請求の範囲3項から6
    項のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 【請求項8】前記短繊維が水溶性短繊維であることを特
    徴とする特許請求の範囲1項から6項のいずれかに記載
    のゴム組成物。
  9. 【請求項9】前記短繊維の水溶温度が20℃以下である
    ことを特徴とする特許請求の範囲7項に記載のゴム組成
    物。
  10. 【請求項10】前記短繊維がポリビニルアルコール短繊
    維であることを特徴とする特許請求の範囲1項から8項
    のいずれかに記載のゴム組成物。
  11. 【請求項11】さらに発泡剤を配合する事を特徴とする
    特許請求の範囲1項から9項のいずれかに記載のゴム組
    成物。
  12. 【請求項12】1対のビ−ドコア間にトロイド状をなし
    て跨るカ−カス層のクラウン部外周にベルト層とトレッ
    ドを順次配置した空気入りタイヤであって、前記トレッ
    ドゴムは溝底からベーストレッドの上端までの高さが溝
    の深さの20%以上のベーストレッドとキャップトレッ
    ドからなる2層トレッドであり、かつベーストレッドが
    長さ10mm以下で直径0.01から0.1mmの短繊
    維を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  13. 【請求項13】ベーストレッドのゴム組成物に、特許請
    求の範囲1項から9項のいずれか記載のゴム組成物を用
    いたことを特徴とする、特許請求の範囲11項記載の空
    気入りタイヤ。
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