JPH11315166A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤInfo
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- JPH11315166A JPH11315166A JP11055834A JP5583499A JPH11315166A JP H11315166 A JPH11315166 A JP H11315166A JP 11055834 A JP11055834 A JP 11055834A JP 5583499 A JP5583499 A JP 5583499A JP H11315166 A JPH11315166 A JP H11315166A
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Abstract
成分100重量部に対して30から90重量部のカーボ
ンブラックと、長さが10mm以下で、かつ、直径0.
01から0.1mmの短繊維とを含むことを特徴とする
タイヤのベーストレッド用ゴム組成物。 【解決手段】 1対のビ−ドコア間にトロイド状をなし
て跨るカ−カス層のクラウン部外周にベルト層とトレッ
ドゴムを順次配置した空気入りタイヤであって、前記ト
レッドゴムは溝底からベースゴムの上端までの高さが溝
の深さの20%以上のベースゴムとキャップゴムからな
る2層トレッドであり、かつベーストレッドが長さ10
mm以下で、かつ、直径0.01から0.1mmの短繊
維を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
Description
詳しくは初期の操縦安定性、耐摩耗性及びタイヤ摩耗時
における氷雪路面上での制動性(氷上制動性)、湿潤路
面上での操縦安定性(ウェット操安性)を向上させた空
気入りタイヤに関する。
めにキャップトレッドゴムとして低温においても比較的
柔らかいゴムを使用している。たとえば、オイルを多く
入れる、発泡ゴムを使用する等の手法が取られている。
一方、ベ−スゴムとしては、一般路面(乾燥路、湿潤
路)及び氷上、雪上における操縦安定性、耐摩耗性を高
めるために、ブロック剛性を高くする比較的固いゴムが
使用されている。
を有するタイヤにおいては、タイヤが路面との摩擦によ
り摩耗し、ベ−スゴムがタイヤ表面に現れると、そのゴ
ム物性に起因して特に氷上制動性、ウェット操縦安定性
が急激に低下するという問題点が有った。タイヤメ−カ
−としては、プラットフォーム、スリップサイン等を設
け、摩耗が進んだ状態のタイヤ使用は避けるよう指導し
ているものの、実際にはベ−スゴムが露出するまで使う
ユ−ザ−も存在する。従って、タイヤメ−カ−としては
そういったユ−ザ−もいるという事を念頭に置き、いか
なる使用状態においても安全性を確保するようにタイヤ
を設計すべきである。そこで、本発明の目的は、タイヤ
使用初期の操縦安定性、耐摩耗性を損なわず、かつ摩耗
後の、特にベースゴム露出後の氷上制動性、ウェット操
縦安定性、ウェット制動性を向上させた空気入りタイヤ
を提供する事に有る。
の態様は、20重量部以上のブタジエンゴムを含むゴム
成分100重量部に対して30から90重量部の補強性
充填剤と、長さが10mm以下で、かつ、直径0.01
から0.1mmの短繊維とを含むことを特徴とするタイ
ヤのベーストレッド用ゴム組成物であり、補強性充填剤
がカーボンブラック単独または、カーボンブラックとシ
リカとからなることが好ましい。シリカを併用する場
合、補強性充填剤の総量に対するシリカの割合が95重
量%以下で、かつシランカップリング剤をシリカ配合量
の5から20重量%含んでいることが好ましい。
量部に対し1から25重量部であること、カーボンブラ
ックの窒素吸着比表面積(N2 SA)が50から150
m2/gであること、シリカのN2 SAが130から2
80m2 /gであること、前記短繊維が水溶性短繊維で
あること、前記短繊維の水溶温度が20℃以下であるこ
と、前記水溶性短繊維がポリビニルアルコ−ル製である
ことが好ましい。
含有することができる。
コア間にトロイド状をなして跨るカ−カス層のクラウン
部外周にベルト層とトレッドゴムを順次配置した空気入
りタイヤであって、前記トレッドゴムは溝底からベース
トレッドの上端までの高さが溝の深さの20%以上のベ
ーストレッドとキャップトレッドからなる2層トレッド
であり、かつベーストレッドが長さ10mm以下で、か
つ、直径0.01から0.1mmの短繊維を含むことを
特徴とする空気入りタイヤであり、ベーストレッドのゴ
ム組成物に、上記のいずれかの特徴を持つゴム組成物を
用いることを特徴とする。
組成物( ベースゴム) に用いられるゴム成分は、低温で
の弾性率を低くするために、BRを20重量%以上含ま
なければならない。BRと併用するゴム成分には、特に
制限はなく、通常用いられる、天然ゴム(NR)、ブタ
ジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレ
ン−ブタジエンゴム(SBR)などを適宜使用できる。
構造を持つタイヤにおいて、ベーストレッドのゴム組成
物に短繊維を配合する。短繊維の素材としては、特に制
限はなく、ポリビニルアルコール(PVA)、セルロ−
ス系繊維、ポリアルギン酸繊維、ポリアルキレン系繊維
等の水溶性繊維、ポリエステル、ナイロン、アラミド、
カ−ボン、グラス、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
非水溶性繊維等、周知の物を挙げることができるが、水
溶性繊維を配合することが、タイヤの使用中、特に雨天
時など湿潤路面においてミクロ溝を形成するためブロッ
ク内の排水性と高め、また、効率的にゴム表面のみを軟
化させることができ、有効にゴム組成物の湿潤路面に対
する摩擦係数(μ)を引き出すことができるため好まし
く、特には、ゴム製造時の形態保持性がよく、ゴム組成
物の物性向上度が大きく、さらに、ブロック剛性に影響
する繊維の弾性率を高く維持しながら、分子構造を調整
することにより低温水溶性を高められる、ポリビニルア
ルコールが好ましい。
性率が高くなり、タイヤ使用初期の操縦安定性が向上す
る。さらに、ベーストレッド露出時にはタイヤ表面にお
いて短繊維が脱離、特に水溶性繊維の場合は路面上の水
により溶解し、表面に長尺状の空隙が形成され、氷雪
上、湿潤路面上の摩擦係数が向上する。
下、更には、10℃以下であることが好ましい。水溶温
度が低い短繊維を用いることにより、道路の表面温度が
低い条件でも、水溶性繊維を配合している効果を効率的
に得ることができる。
が、ベースゴムのゴム成分100重量部に対して1から
25重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、
2から15重量部である。配合量が1 重量部未満である
と、性能改良効果が十分でなく、25重量部を超える
と、押し出し作業性が低下したり、弾性率が著しく上昇
してしまうことがある。
ならない。短繊維の長さが10mmを超えると、作業性
の悪化、摩耗性の低下が懸念される。
隙のサイズから、0.01から0.1mmでなければな
らない。短繊維の直径が0. 01mm未満であると、繊
維の製造工程において糸切れが多発するため繊維の生産
性が低下し、また、たとえ、製造しても、ゴム精練作業
性が悪化する。更に、タイヤのトレッドに配合した場
合、発生する溝の深さが浅すぎて、荷重によりつぶれて
しまう。一方、短繊維の直径が0. 1mmを超えると、
タイヤのトレッド表面にある程度の溝の量を確保するた
めには短繊維の配合量を増やさなければならず、ゴム組
成物の混練り作業性が低下する。
が好ましい。融点が120℃未満であると、混練り工
程、あるいは、押し出し工程において、短繊維が溶融し
てしまい、繊維形状を保てないことがある。また、加硫
工程において、ゴムとの融着をさせることが好ましい場
合には、短繊維の融点は200℃以下であることが好ま
しい。
る程度接合していることが好ましい。接合させる方法は
特に制限されず、たとえば、短繊維の融点以上の温度で
加硫して融着させる方法が有効である。また、短繊維が
ポリビニルアルコールである場合には、シランカップリ
ング剤を配合する方法、分子中にチオアルコールユニッ
トなどを導入して短繊維の樹脂自体を改質する方法など
も有効である。接合率としては、80%以上であること
が好ましく、更に好ましくは90%以上である。
カーボンブラックを用い、さらに、シリカを併用するこ
とができる。カーボンブラックの配合量は、作業性など
の理由から、ゴム成分100重量部に対して30から9
0重量部であり、好ましくは、50から80重量部であ
る。シリカを併用する場合も、カーボンブラックとシリ
カの総量がゴム成分100重量部に対して30から90
重量でなければならない。
ンブラックの総量に対するシリカの割合が95重量%以
下で、かつシランカップリング剤をシリカ配合量の5か
ら20重量%含んでいることが好ましい。95重量%を
超えると、作業性、補強性、及び、耐摩耗性、特に、高
シビリティの耐摩耗性の低下が起こり好ましくない。
補強性、作業性の理由から窒素吸着比表面積(N2 S
A)が50から150m2 /gでなければならす、前記
シリカは、N2 SAが130から280m2 /gである
ことが作業性、耐摩耗性確保の理由から好ましい。
常、ゴム業界で用いられるものを適宜用いることができ
る。本発明に好適に使用できる発泡剤としては、アゾジ
カルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラアミ
ン、アゾビスイソブチロニトリル、芳香族スルホニルヒ
ドラジド化合物、例えば、ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、トルエンスルホニルヒドラジド、オキシビスベンゼ
ンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。
ることにより、ゴム組成物中には、発泡剤による独立気
泡が生じる。その発泡率は、3〜40%であることが好
ましいが、これは、0℃付近の氷表面に溶融した水分が
多い状態において、気孔によるミクロな排水効果を大き
くし、優れた氷雪性能を発揮させるためにはかかる独立
気泡が不可欠だからである。
なく、一方40%を超えると剛性が不十分のため、トレ
ッドに使用した場合には、耐摩耗性の低下や溝底クラッ
クの発生が大となる。
発泡ゴムの固相部の密度(g/cm3)、ρg は発泡ゴムの
気泡内のガス部の密度(g/cm3)である。発泡ゴムは固
相部と、固相部によって形成される空洞(独立気泡)す
なわち気泡内のガス部とから構成されている。ガス部の
密度ρg は極めて小さく、ほぼ零に近く、かつ固相部の
密度ρ1 に対して極めて小さいので、式(1)は、次式 Vs ={(ρ0 /ρ1 )−1}×100(%) ---(2) とほぼ同等となる。
本発明の主旨を超えない限りは、この実施例に制限され
ることはない。短繊維、ゴム組成物及び、タイヤの物
性、性能は、以下の測定方法にしたがって測定した。
式顕微鏡で直径、または、長さを測定した。それぞれ、
平均値を短繊維の直径、または、長さとした (ろ)水溶温度 200ccの水中に水溶樹脂を1g入れ、スタ−ラ−で
攪拌しながら、2℃/分で昇温する(約0℃からスタ−
ト)。目視で透明化したときの水温度を溶解温度とす
る。 (は)融点 セイコー電子(株)の示差熱分析計DSC200を用い
て、昇温速度10℃/分で30℃から250℃までの温
度範囲で昇温し、得られた吸熱ピークから融点温度を測
定した。
2mm、長さ20mmの試験片を初期荷重150g、振
動数50Hz、動歪み1%にて30℃における動的貯蔵
弾性率を測定し、その値をコントロールである比較例1
を100として指数にした。値が大きいほどブロック剛
性が高くなり初期DRY、WET操縦安定性が増す傾向
にあるが、高すぎると逆にフィ−リングが悪化する事が
ある。 (ろ)短繊維とマトリックスゴムとの界面の接合率 短繊維を一方向に配向させた加硫ゴムを、短繊維長手方
向に対し垂直に、約1mmの厚さで切り出してサンプル
とした。次に、このゴムサンプルの上記切り出し方向に
100%の歪を加えた状態で、サンプルを治具で固定
し、切り出し面を捜査型顕微鏡で観察した。繊維とゴム
とが接合している部分と、繊維とゴムとの界面が解離
し、空隙を生じた部分とを測定し、接合している部分の
割合を%で表わしたものを短繊維とマトリックスゴムと
の界面での接合率とした。
ドライバー二人により実車走行を行ない、駆動性、制動
性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性を総合評
価し、操縦安定性の評価とした。結果は比較例1を10
0とした時の指数で示し、数値が大きいほど良好であ
る。 (ろ)走行後WET操縦安定性 試験タイヤを乗用車に装着して、15000km走行さ
せ、ベースゴムを露出させた。その後、テストコースに
て、乗用車に試験タイヤ4輪を装着してテストドライバ
ー二人による実車走行を湿潤路面上で行ない、駆動性、
制動性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性を総
合評価し、走行後WET操縦安定性の評価とした。結果
は比較例1を100とした時の指数で示し、数値が大き
いほど良好である。 (は)走行後WET制動性 試験タイヤを乗用車に装着して、15000km走行さ
せ、ベースゴムを露出させた。その後、テストコースに
て、乗用車に試験タイヤ4輪を装着して60kmの初速
度にて湿潤路面上での制動距離を測定し、距離の逆数を
比較例1を100として、指数で表わした。数値が大き
いほど、制動性が良好である。 (に)走行後氷上制動距離 試験タイヤを乗用車に装着して、15000km走行さ
せ、ベースゴムを露出させた。その後、テストコースに
て、各試験タイヤ4本を排気量1500ccの乗用車に
装着し、外気温度0から−3℃、時速20kmで氷上に
おける制動距離を測定した。 氷上制動距離指数={(コントロールの制動距離)/
(試験タイヤの制動距離)}x100 指数が大きいほど氷上性能がよいことを示す。 (ほ)耐摩耗性 実車にて一般道路を30000Km走行後、トレッド部
の残溝より摩耗1mm当たりの走行距離を算出し、比較
例1のタイヤの値を100として指数表示した。この指
数が大きいほど耐摩耗性が良好である。
%、酢酸ビニルユニット25モル%からなる平均重合度
500、ケン化度75%のポリマ−の45重量%DMS
O溶液を紡糸原液として用い、ノズルより2℃アセトン
/DMSO混合液(重量比85/15)に押出し、紡糸
ロ−ルを経た後、アセトン/DMSO混合液(重量比9
5/5)中で4〜5倍の延伸を行ない、更にアセトン中
のDMSOを除去した後乾燥して水溶性ポリビニルアル
コール繊維Aを得た。水溶温度は2℃、融点は169℃
であった。
ット81モル%、酢酸ビニルユニット19モル%からな
る平均重合度750、ケン化度80%のポリマ−の45
重量%DMSO溶液を紡糸原液として用い、ノズルより
2℃アセトン/DMSO混合液(重量比85/15)に
押出し、紡糸ロ−ルを経た後、アセトン/DMSO混合
液(重量比95/5)中で4〜5倍の延伸を行ない、更
にアセトン中のDMSOを除去した後乾燥して水溶性ポ
リビニルアルコール繊維Bを得た。水溶温度は3℃、融
点は191℃であった。
ット88モル%、酢酸ビニルユニット12モル%からな
る平均重合度700、ケン化度88%のポリマ−の45
重量%DMSO溶液を紡糸原液として用い、ノズルより
2℃アセトン/DMSO混合液(重量比85/15)に
押出し、紡糸ロ−ルを経た後、アセトン/DMSO混合
液(重量比95/5)中で4〜5倍の延伸を行ない、更
にアセトン中のDMSOを除去した後乾燥して水溶性ポ
リビニルアルコール繊維Cを得た。水溶温度は8℃、融
点は196℃であった。
ット91モル%、酢酸ビニルユニット9モル%からなる
平均重合度700、ケン化度92%のポリマ−の45重
量%DMSO溶液を紡糸原液として用い、ノズルより2
℃アセトン/DMSO混合液(重量比85/15)に押
出し、紡糸ロ−ルを経た後、アセトン/DMSO混合液
(重量比95/5)中で4〜5倍の延伸を行ない、更に
アセトン中のDMSOを除去した後乾燥して水溶性ポリ
ビニルアルコール繊維Dを得た。水溶温度は14℃、融
点は211℃であった。
ット95モル%、酢酸ビニルユニット5モル%からなる
平均重合度800、ケン化度96%のポリマ−の45重
量%DMSO溶液を紡糸原液として用い、ノズルより2
℃アセトン/DMSO混合液(重量比85/15)に押
出し、紡糸ロ−ルを経た後、アセトン/DMSO混合液
(重量比95/5)中で4〜5倍の延伸を行ない、更に
アセトン中のDMSOを除去した後乾燥して水溶性ポリ
ビニルアルコール繊維Eを得た。水溶温度は29℃、融
点は214℃であった。なお、繊維直径については、ノ
ズル径と、紡糸原液押出速度を調整する事により調整し
た。得られた繊維は、太く束ねた後、ギロチンカッター
で切断し、所望の長さとした。
製し、以下の測定方法にしたがって、各種性能を測定し
た。結果を表2に示す。なお、配合1は発泡剤を含まな
い系において短繊維を配合していないコントロールであ
り、配合2、5、7は、短繊維の長さ、または繊維の直
径が、配合13は、BRの配合量が本発明の範囲を外れ
る。更に、配合14から17は、短繊維として水溶温
度、融点の異なる物を配合した例である。また、配合1
8から21は、発泡剤を含む系であり、配合18をコン
トロールとしている。
00 2) JSR(株)製、商標:BR01 3) 東海カ−ボン(株)製、商標:シ−スト7H(N
2 SA 126m2 /g) 4) 東海カ−ボン(株)製、商標:シ−スト9 (N
2 SA 143m2 /g) 5) 日本シリカ工業(株)製 ニップシールAQ(N
2 SA 200m2 /g) 6) デグサAG製 Si69 7) ジフェニルグアニジン 8) ジベンゾチアジルジスルフィド 9) ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラ
スルフィド 10)ジニトロソペンタメチレンテトラミン 11)調製品
に用いて、サイズ185/70R14の試験タイヤを常
法により製造した。各試料タイヤのベースゴムの溝高
さ、及び、測定結果を表2に示す。なお、15000k
m走行後のタイヤを観察すると、ベースゴムの溝高さが
本発明の範囲を外れる比較例6ではベーストレッドゴム
が十分露出していなかったため、走行後の各性能試験を
取りやめた。
ースゴムとして用いたコントロールタイヤであり、繊維
の長さ、直径を変えても本発明の範囲内であれば耐摩耗
性を損なうことなく走行後のウェット操縦安定性、ウェ
ット制動性、氷上制動性が向上する。比較例1、実施例
2、4、5より、繊維を配合することによりタイヤ性能
は向上するが、配合量が多くなり過ぎると耐摩耗性が低
下する傾向にあることが判る。比較例5、実施例6から
10より、カーボンブラックやゴム成分の種類を変えて
も、本発明の効果が得られるが、BRを含まない比較例
5は、耐摩耗性、走行後のウェット操縦安定性、走行後
の氷上制動性が低下していることが判る。さらに、比較
例6、及び、実施例2、9より、ベースゴムの溝高さが
20% に満たないと、ベースゴムを改良した効果が小さ
く、走行初期のDRY操縦安定性改良効果が十分に得ら
れないことが判る。さらには、発泡剤を含有した系で
も、本発明の効果があることが判る。なお、実施例1
4、15では、水溶性短繊維が溶融し筒状気泡となって
いた。また、実施例16は短繊維が加硫中に溶融しない
ので、繊維状で残留していたため、実施例15と比べて
走行後のWET性能、及び、ICE性能が低下してい
た。
によりゴム弾性率が高くなり、タイヤ使用初期のDR
Y、WET操縦安定性、耐摩耗性が向上する。タイヤ摩
耗によるベース露出時にはタイヤ表面において短繊維が
脱離、特に水溶性繊維の場合は路面上の水により溶解
し、表面に長尺状の空隙が形成され、WET、ICE路
面上の摩擦係数が向上し、氷上制動性、及びWET操縦
安定性が向上する。
Claims (13)
- 【請求項1】20重量部以上のブタジエンゴムを含むゴ
ム成分100重量部に対して30から90重量部の補強
性充填剤と、長さが10mm以下で直径が0.01から
0.1mmの短繊維とを含むことを特徴とするタイヤの
ベーストレッド用ゴム組成物。 - 【請求項2】 前記補強性充填剤がカーボンブラックで
あることを特徴とする特許請求の範囲1 項に記載のゴム
組成物。 - 【請求項3】 前記補強性充填剤がカーボンブラックと
シリカからなることを特徴とする特許請求の範囲1項に
記載のゴム組成物。 - 【請求項4】補強性充填剤総量に対するシリカの割合が
95重量%以下で、かつシランカップリング剤をシリカ
配合量の5から20重量%含んでいるゴム組成物からな
ることを特徴とする特許請求の範囲3項に記載のゴム組
成物。 - 【請求項5】短繊維の配合量がゴム成分100重量部に
対し1から25重量部であることを特徴とする特許請求
の範囲第1項から4項のいずれかに記載のゴム組成物。 - 【請求項6】カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N
2 SA)が50から150m2 /gであることを特徴と
する特許請求の範囲1から5項のいずれかに記載のゴム
組成物 - 【請求項7】シリカのN2 SAが130から280m2
/gであることを特徴とする特許請求の範囲3項から6
項のいずれかに記載のゴム組成物。 - 【請求項8】前記短繊維が水溶性短繊維であることを特
徴とする特許請求の範囲1項から6項のいずれかに記載
のゴム組成物。 - 【請求項9】前記短繊維の水溶温度が20℃以下である
ことを特徴とする特許請求の範囲7項に記載のゴム組成
物。 - 【請求項10】前記短繊維がポリビニルアルコール短繊
維であることを特徴とする特許請求の範囲1項から8項
のいずれかに記載のゴム組成物。 - 【請求項11】さらに発泡剤を配合する事を特徴とする
特許請求の範囲1項から9項のいずれかに記載のゴム組
成物。 - 【請求項12】1対のビ−ドコア間にトロイド状をなし
て跨るカ−カス層のクラウン部外周にベルト層とトレッ
ドを順次配置した空気入りタイヤであって、前記トレッ
ドゴムは溝底からベーストレッドの上端までの高さが溝
の深さの20%以上のベーストレッドとキャップトレッ
ドからなる2層トレッドであり、かつベーストレッドが
長さ10mm以下で直径0.01から0.1mmの短繊
維を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項13】ベーストレッドのゴム組成物に、特許請
求の範囲1項から9項のいずれか記載のゴム組成物を用
いたことを特徴とする、特許請求の範囲11項記載の空
気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11055834A JPH11315166A (ja) | 1998-03-03 | 1999-03-03 | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-50949 | 1998-03-03 | ||
JP5094998 | 1998-03-03 | ||
JP11055834A JPH11315166A (ja) | 1998-03-03 | 1999-03-03 | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11315166A true JPH11315166A (ja) | 1999-11-16 |
Family
ID=26391444
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11055834A Pending JPH11315166A (ja) | 1998-03-03 | 1999-03-03 | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11315166A (ja) |
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