JP2000289406A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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Abstract
末期においても、ウェット性能および氷上性能を向上さ
せる。 【解決手段】 トレッドを備えた空気入りタイヤであっ
て、トレッドを、水溶性繊維と、シリカ、水酸化アニミ
ニウムおよびクレーのうち少なくとも1種の充填剤とを
含むゴム組成物で構成する。
Description
関し、ウェット性能および氷上性能に優れる空気入りタ
イヤに関する。
動性)であるウェット性能を得るために、ガラス転移点
の高いポリマーを使用して、ヒステリシスロスを上げる
ようにしていたが、これによると、低温時にゴム組成物
が硬化し、これに基づく諸性能が低下し、氷雪路面走行
性(グリップ力、制動性)である氷上性能が損なわれる
という不都合があった。
能および氷上性能を共に向上させることを目的とする。
め、本発明の空気入りタイヤは以下の構成とする。 (1)トレッドを備えた空気入りタイヤであって、トレ
ッドが、水溶性繊維と、シリカ、水酸化アルミニウムお
よびクレーのうち少なくとも1種よりなる充填剤とを含
むゴム組成物で構成されることを特徴とする。 (2)前記トレッドが、タイヤ半径方向に多層構造であ
り、そのうち少なくとも1層が前記ゴム組成物で構成さ
れることを特徴とする。 (3)前記トレッドが、踏面側のキャップゴム層とその
内側のベースゴム層とよりなるキャップ/ベース構造で
あり、キャップゴム層とベースゴム層のうち少なくとも
いずれか1層が前記ゴム組成物で構成されることを特徴
とする。 (4)前記ゴム組成物に含まれるゴム成分が、ゴム成分
100重量部中、スチレン・ブタジエン共重合体ゴムを
20重量部以上含むと好ましい。また、本発明で使用さ
れるゴム組成物は、補強性充填剤として、カーボンブラ
ックあるいはシリカを配合することができる。 (5)前記ゴム組成物に含まれる水溶性繊維が、ゴム成
分100重量部に対して1〜20重量部であると好まし
い。 (6)前記ゴム組成物に含まれる水溶性繊維が、0〜2
0℃の水に対して可溶であると好ましい。 (7)前記ゴム組成物に含まれる水溶性繊維が、長さ1
0mm以下であると好ましい。 (8)前記ゴム組成物に含まれる水溶性繊維が、0.0
1〜0.1mmの径であると好ましい。 (9)前記ゴム組成物に含まれる水溶性繊維が、ポリビ
ニルアルコール繊維であると好ましい。 (10)前記ゴム組成物に含まれるシリカ、水酸化アル
ミニウムおよびクレーのうち少なくとも1種よりなる充
填剤が、ゴム成分100重量部に対して、10〜100
重量部であると好ましい。
る。本発明の空気入りタイヤのトレッドに適用されるゴ
ム組成物に配合される水溶性繊維は、ゴム組成物中に分
散して存在しており、内部にある繊維はゴムを補強し、
ブロック剛性を保持し、表面部にある繊維は、路面に水
が存在すれば、その水溶性のために軟化、溶解して、繊
維跡は細長い孔部となり、孔部の内部空間は路面上の水
の排水作用をし、孔部の周縁は路面に対してエッジ効果
を発揮し、路面に対する摩擦係数を高めることができ
る。さらに、車両の走行につれて、タイヤ踏面部は摩耗
するが、ゴム組成物中に分散している繊維が順次表面部
に現れて、新しい孔部を形成し、上記の機能を果たし、
ウェット性能および氷上性能を向上させる。また、繊維
をタイヤ周方向に配向させることもでき、この場合は、
さらに、初期操縦安定性向上の効果が得られる。上記の
ような作用効果を効果的に得るために、本発明の水溶性
繊維は、以下のような特徴を有すると望ましい。配合量
は、ゴム成分100重量部に対して1〜20重量部であ
ると好ましい。これは、1重量部未満では、孔量が不足
し、ウェット性能や氷上性能の改善が不十分であり、2
0重量部を超えると、弾性率が上昇して、作業性が悪化
する傾向があるからである。繊維の長さは、10mm以
下であると好ましい。これは、10mmを超えると、作
業性、耐摩耗性が低下する傾向にあるからである。繊維
の直径は、溶解後に形成される孔部のサイズから、0.
01〜0.1mmであることが好ましい。これは、0.
01mm未満では、十分な除水効果が得られず、0.1
mmを超えると、作業性が悪化するからである。繊維
は、0〜20℃の水に対して可溶であると好ましい。こ
れは、湿潤路面および氷雪路面上の温度に対応してお
り、このような低温の水に対して溶解することにより、
孔部の形成実現成されるからである。繊維の種類は、上
記特性を有していれば、種々のものを使用できるが、な
かでも、ブロック剛性に影響する繊維の弾性率を高く維
持しながら、分子構造を調整することにより低温の水に
対する溶解度を高められるポリビニルアルコール繊維が
最も好ましい。
は単独であるいは組み合わせて使用されてウェット性向
上に寄与するが、その配合量は、ゴム成分100重量部
に対して、10〜100重量部であると好ましい。これ
は、10重量部未満では、ウェット性能の改良効果が得
られず、100を超えると、押出し作業性が著しく悪化
するからである。同様の観点から、好ましくは、10〜
90重量部である。また、シリカは、作業性、耐摩耗性
の点からN2 SAが130〜280m2 /gであると好
ましい。
が一種のトレッドゴムで構成されるタイプであってもキ
ャップ/ベース構造等の多層構造であっても良く、多層
構造の場合は、少なくとも1種について上記のようなゴ
ム組成物を適用することで、本発明の効果を得ることが
できる。また、ゴム成分中、ゴム成分100重量部のう
ち、SBRが20重量部以上であると、ウェット性向上
の点で好ましい。SBRとブレンドされる他のゴム成分
は、特に制限されないが、SBRとの相溶性の良いジエ
ン系のゴムが好ましく、具体的には、天然ゴム(N
R)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(I
R)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン系
ゴム(EPDM)等が挙げられ、単独で、または二種以
上を混合して使用することができる。さらに、本発明で
は補強充填剤として、さらにカーボンブラックを配合す
ることができるが、配合量は作業性などの点からゴム成
分100重量部に対して40〜120重量部が好まし
く、また、カーボンブラックについては、補強性、作業
性の点から窒素吸着法比表面積(N2 SA)が50〜1
50m2 /gであると好ましい。なお、本発明にかかる
ゴム組成物中に、通常配合される添加剤を適宜配合でき
る。
の配合に従い、ゴム組成物を調製し、これをトレッドゴ
ムに適用し、サイズ205/65 R15のタイヤを常
法により作製して、下記の性能を測定し、結果を表2お
よび表3に記載した。なお、実験番号1〜6と11の各
例については、トッレド全体を一種類のゴムで構成し、
実験番号12〜16の各例は、キャップ/ベース構造を
採用した。 水溶性PVA繊維の調製 紡糸原液としては、ポリビニルアルコールユニット75
%、酢酸ビニルユニット25モル%からなる平均重合度
500、ケン化度75%のポリマーの45重量%のDM
SO(ジメチルスルホキシド)溶液を用いた。この紡糸
原液をノズルより2℃のアセトン/DMSO混合液(重
量比85/15)に押出し、紡糸ロールを経た後、アセ
トン/DMSO混合液(重量比95/5)中で4〜5倍
の延伸を行ない、更にアセトン中のDMSOを除去した
後、乾燥した。繊維径については、ノズル径と、紡糸原
液押出速度を調整することにより調整した。得られた繊
維を太く束ねた後、ギロチンカッターで切断し、所望の
長さとした。
ハンドル応答性、操縦時のコントロール性を総合評価
し、実験番号1あるいは11をそれぞれ100として指
数表示した。数値が大きいほど良好である。 (1)初期ウェット性能 試験タイヤを乗用車の4輪に装着し、水を撒いて湿潤路
面としたテストコースにて、20km/時で制動し、タ
イヤをロックしてから停車するまでの走行距離(制動距
離)を測定し、その距離の逆数を実験番号1あるいは1
1をそれぞれ100として、指数表示した。数値が大き
いほど良好である。 (2)初期氷上性能 路面を表面温度−2〜−5℃の氷路面とした他は上記と
同様である。 (3)走行後ウェット性能 一般路を30000km走行した後の試験タイヤを使用
した他は、上記初期ウェット性能の試験と同様である。 (4)走行後氷上性能 テスト路面を表面温度−2〜−5℃の氷路面とした他は
上記走行後ウェット性能と同様である。
7.5phr 、ムーニー粘度51の乳化重合体 *3 JSR(株)製 *4 東海カーボン(株)製 シースト7H(N2 SA
126m2 /g) *5 日本シリカ工業(株)製 ニップシールAQ(N
2 SA 200m2 /g) *6 昭和電工(株)製 ハイジライト 43M *7 ヒューバー社製 nucap200 *8 デグサAG製 Si69(ビス(3−トリエトキ
シシリルプロピル)テトラスルフィド) *9 スピンドル油 *10 大内新興化学工業(株)製 ノクラック6C *11 ジフェニルグアニジン *12 ジベンゾチアジルジスルフィド *13 N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルス
ルフェンアミド
は、比較例のタイヤに比べて、初期操縦安定性が向上
し、かつ、初期および走行後共に、ウェット性能および
氷上性能が向上している。
らずタイヤ使用中期・末期においても、ウェット性能お
よび氷上性能に優れる空気入りタイヤを提供することが
できる。
Claims (10)
- 【請求項1】 トレッドを備えた空気入りタイヤであっ
て、トレッドが、水溶性繊維と、シリカ、水酸化アルミ
ニウムおよびクレーのうち少なくとも1種よりなる充填
剤とを含むゴム組成物で構成されることを特徴とする空
気入りタイヤ。 - 【請求項2】 トレッドが、タイヤ半径方向に多層構造
であり、そのうち少なくとも1層が前記ゴム組成物で構
成されることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイ
ヤ。 - 【請求項3】 トレッドが、踏面側のキャップゴム層と
その内側のベースゴム層とよりなるキャップ/ベース構
造であり、キャップゴム層とベースゴム層のうち少なく
ともいずれか1層が前記ゴム組成物で構成されることを
特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項4】 ゴム組成物に含まれるゴム成分が、ゴム
成分100重量部中、スチレン・ブタジエン共重合体ゴ
ムを20重量部以上含むことを特徴とする請求項1〜3
のうちいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項5】 ゴム組成物に含まれる水溶性繊維が、ゴ
ム成分100重量部に対して1〜20重量部であること
を特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の
空気入りタイヤ。 - 【請求項6】 ゴム組成物に含まれる水溶性繊維が、0
〜20℃の水に対して可溶であることを特徴とする請求
項1〜5のうちいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項7】 ゴム組成物に含まれる水溶性繊維が、長
さ10mm以下であることを特徴とする請求項1〜6の
うちいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項8】 ゴム組成物に含まれる水溶性繊維が、
0.01〜0.1mmの径であることを特徴とする請求
項1〜7のうちいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項9】 ゴム組成物に含まれる水溶性繊維が、ポ
リビニルアルコール繊維であることを特徴とする請求項
1〜8のうちいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項10】 ゴム組成物に含まれるシリカ、水酸化
アルミニウムおよびクレーのうち少なくとも1種よりな
る充填剤が、ゴム成分100重量部に対して、10〜1
00重量部であることを特徴とする請求項1〜9のうち
いずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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---|---|---|---|
JP10091799A JP4493118B2 (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | 空気入りタイヤ |
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JP10091799A JP4493118B2 (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | 空気入りタイヤ |
Publications (2)
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JP2000289406A true JP2000289406A (ja) | 2000-10-17 |
JP4493118B2 JP4493118B2 (ja) | 2010-06-30 |
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JP10091799A Expired - Fee Related JP4493118B2 (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | 空気入りタイヤ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020047892A (ko) * | 2000-12-14 | 2002-06-22 | 신형인 | 나노 클레이가 포함된 타이어용 고무조성물 |
KR100472574B1 (ko) * | 2001-09-04 | 2005-03-07 | 금호타이어 주식회사 | 타이어용 에이팩스 고무조성물 |
JP2018177836A (ja) * | 2017-04-03 | 2018-11-15 | 住友ゴム工業株式会社 | キャップトレッド用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ |
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JPH09216970A (ja) * | 1996-02-08 | 1997-08-19 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
JPH10237226A (ja) * | 1997-02-24 | 1998-09-08 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴム組成物およびそれを使用した空気入りタイヤ |
-
1999
- 1999-04-08 JP JP10091799A patent/JP4493118B2/ja not_active Expired - Fee Related
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