JP4492833B2 - 熱可塑性エラストマー組成物、被覆材及びホース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は研削火花噴射試験において耐火花性が良好な熱可塑性エラストマー組成物(以下、耐火花性熱可塑性エラストマー組成物という)に関する。詳しくは、火花、例えば金属溶接時に飛び散る火花や研削時に発生する火花に十分耐えうる、ホースの被覆に適した被覆材に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属の溶接時や研削時に飛び散る火花が、ポリ塩化ビニル樹脂組成物によって被覆された電線、ケーブル及びホース等の表面に落下すると、被覆材が燃焼し、穴があく等の損傷を受けることがあった。
【0003】
そこで、従来、上記の問題を解消するために、被覆材を難燃化したり、難燃性塗料を塗布したりする方法が採られていた。
【0004】
しかしながら、上記の方法で難燃性を大きくしても延焼こそ防止する効果はあるものの、溶接火花等が直接当たると、やはり穴があく等の欠点があった。
【0005】
耐火花性、特に耐溶接火花性の要求に応じるために、重合度の大きいポリ塩化ビニル樹脂や部分架橋ポリ塩化ビニル樹脂と、水酸化アルミニウムとからなる樹脂を使用することが提案されている(特開平10−195267号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この樹脂でも、溶接時や研削時に飛び散る火花により損傷を受けやすく、耐火花性に関してはその効果は充分とは言えないという課題があった。
【0007】
本件発明者らは、上述の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の熱可塑性エラストマー組成物を使用することにより、溶接時や研削時に飛び散る火花をはじき、火花による損傷を受け難くなることを見出し、本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体190〜210質量部、可塑剤45〜65質量部、充填剤5〜50質量部及び有機過酸化物を含有してなる、研削火花噴射試験において耐火花性が良好な熱可塑性エラストマー組成物である。
そして、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体190〜210質量部、可塑剤45〜65質量部、充填剤5〜50質量部及び有機過酸化物を含有してなる、研削火花噴射試験において耐火花性が良好な被覆材であり、ポリ塩化ビニル樹脂の重合度が1,500以上である該被覆材であり、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が部分架橋アクリロニトリル−ブタジエン共重合体である被覆材であり、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が粉末状である該被覆材である。
又、該被覆材で被覆してなるホースである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明で使用するポリ塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニル単独、又は塩化ビニルと共重合可能なビニル化合物との混合物を懸濁重合法、塊状重合法、微細懸濁重合法又は乳化重合法等の通常の方法によって重合した樹脂が用いられる。
【0011】
前記塩化ビニルと共重合可能なビニル化合物としては、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、ブチルマレートやジエチルマレート等のマレイン酸エステル類、ジブチルフマレートやジエチルフマレート等のフマル酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル及びビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、エチレン、プロピレン及びスチレン等のα−オレフィン類、塩化ビニリデンや臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデンやハロゲン化ビニル類、並びに、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類が挙げられる。これらのビニル化合物の使用量は、ポリ塩化ビニル樹脂の構成成分中20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
【0012】
本発明で使用するポリ塩化ビニル樹脂の重合度は、JIS K−6721で測定される平均重合度(以下重合度と称す)で1,500以上が好ましい。重合度が1,500未満だと耐熱性及び耐火花性が低下するおそれがある。重合度の上限については特に定めがないが、一般に市販されているポリ塩化ビニル樹脂の重合度の上限は4,000である。
【0013】
本発明で使用するアクリロニトリル−ブタジエン共重合体は、アクリロニトリル結合量が20〜45質量%であるアクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましい。
【0014】
又、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の中では、成形加工性に優れ、成形品が外力を受けて変形したときの復元性に優れる点で、部分架橋アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましい。
【0015】
部分架橋アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の中では、メチルエチルケトンに不溶なゲル分が20〜95質量%で、残部がメチルエチルケトン可溶分からなる部分架橋アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましい。ゲル分が20質量%未満だと得られるエラストマー組成物の圧縮永久歪を低下させる効果が少なく、成形品が外力を受けて変形したときの復元性が劣るおそれがあり、ゲル分が95質量%を越えると成形加工性が劣り、成形品の表面が平滑でなくなるおそれがある。ここでいうメチルエチルケトンに不溶なゲル分とは、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の約1gを100mlのメチルエチルケトンに加え、25℃の恒温槽にて24時間抽出して、不溶分を分離、乾燥した後、秤量して求めた不溶分率をいう。
【0016】
部分架橋アクリロニトリル−ブタジエン共重合体は、メチルエチルケトンに不溶な架橋アクリロニトリル−ブタジエン共重合体を含むものであれば、その製法を制限するものではない。架橋方法としては、アクリロニトリルとブタジエンに、ジビニルベンゼンやエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体と共重合して架橋する方法及び少量の架橋剤を使用して未加硫アクリロニトリル−ブタジエン共重合体を架橋する方法等が挙げられる。
【0017】
一般に入手できる部分架橋アクリロニトリル−ブタジエン共重合体としては、グッドイヤー社製、商品名「ケミガムP83」、日本合成ゴム社製、商品名「JSR N201」、B.F.グッドリッチ社製、商品名「Hycar1421」等が挙げられる。
【0018】
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体はベールと呼ばれるブロック状で供給される場合がほとんどであり、これを混練機に投入できる大きさに適宜切断し使用するが、切断したベールの大きさによっては、混練機内で均一に分散しにくくなるおそれがある。そこで、本発明に使用する部分架橋アクリロニトリル−ブタジエン共重合体は、均一に分散しやすく、混練性に優れる点で、粉末状の部分架橋アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましい。
【0019】
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の使用量は、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対して190〜210質量部であり、195〜205質量部が好ましい。190質量部未満だと耐火花性が劣り、火花によりピンホールが生じやすくなり、210質量部を越えると成形加工性が悪くなる。
【0020】
本発明で使用する可塑剤としては、一般に塩化ビニル系樹脂組成物の可塑剤として用いられるものであれば如何なるものであってもよい。
【0021】
可塑剤の中では、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル及びフタル酸ジイソデシル等のフタル酸系可塑剤、トリメリット酸トリブチルやトリメリット酸トリ2−エチルヘキシル等のトリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸テトラブチルやピロメリット酸テトラオクチル等のピロメリット酸系可塑剤、リン酸トリクレジルやリン酸トリオクチル等のリン酸系可塑剤、アジピン酸ジオクチル、アゼライン酸ジオクチル及びセバシン酸ジオクチル等の脂肪酸系可塑剤、アジピン酸ポリエステルやセバシン酸ポリエステル等のポリエステル系可塑剤、並びに、アルキルエポキシステアレート等のエポキシ系可塑剤が好ましい。これらは1種又は2種以上混合して用いてもよい。
又、エポキシ化大豆油や塩素化パラフィンの様な二次可塑剤を併用してもよい。
【0022】
可塑剤の使用量はポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対して45〜65質量部であり、50〜60質量部が好ましい。45質量部未満と柔軟性や成形加工性が乏しく、65質量部を越えると耐火花性が十分でなく、火花によりピンホールが生じやすい。
【0023】
本発明で使用する充填剤については、特に制限はなく一般にポリ塩化ビニル樹脂に使用する充填剤であれば如何なるものであってもよい。
【0024】
充填剤としては、ケイ酸アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及び三酸化アンチモン等が挙げられる。
【0025】
これらの中では、成形加工性や経済性に優れる点で、炭酸カルシウムが好ましく、重質炭酸カルシウムがより好ましい。
【0026】
充填剤の使用量は、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対して5〜50質量部であり、10〜30質量部が好ましい。5質量部未満だと成形加工性が低下し、50質量部を越えると成形加工性が悪くなる。
【0027】
本発明で使用する有機過酸化物としては、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス2,4ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(ターシャリーヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、トリスα,α’−ジメチル−α−(ターシャリーブチルパーオキシ)メチルベンゼン、α,α’−ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ビス(4−ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。これらの中では、圧縮永久歪が小さく、耐火花性が大きい点で、1,1−ビス(ターシャリーヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキサン及び1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンからなる群のうちの1種以上が好ましい。
【0028】
有機過酸化物の使用量は、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体100質量部に対して0.01〜1質量部が好ましく、0.03〜0.1質量部がより好ましい。0.01質量部未満だと圧縮永久歪が大きく、耐火花性が十分でなく、火花によりピンホールが生じやすいおそれがあり、1質量部を越えると成形加工性が低下するおそれがある。
【0029】
その他、本発明の組成物には一般にポリ塩化ビニル樹脂に使用される公知の難燃剤、安定剤、滑剤及び着色剤等を適宜併用することができる。
【0030】
本発明で使用する熱可塑性エラストマー組成物は、被覆電線、被覆ケーブル及び被覆ホース等に好適に使用でき、被覆ホースにより好適に使用できる。被覆ホースとしては、塩化ビニルに被覆して成形したホースとすることが好ましい。
【0031】
【実施例】
本発明の理解を更に容易にするために、以下実験例を挙げて説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0032】
実験例1
表1に示す材料からなる熱可塑性エラストマー組成物を、ジャケット温度150℃の加圧式ニーダー(森山製作所製)に入れ、前ロール51rpm、後ロール34rpmで10分間混練した。ニーダー内の熱可塑性エラストマー組成物の温度は180℃であった。
【0033】
得られた熱可塑性エラストマー組成物を、10インチのオープンロールにて175℃×5分間の条件下で、前ロール20rpm、後ロール22rpmの回転数で混合、混練した後、プレス温度180℃、プレス圧力20MPaの条件下で5分間加熱プレスし、所定の厚さを有するシートを成形した。
【0034】
得られたシートを用いて、物性の評価を行なった。結果を表1に示した。
なお、成形加工性と耐火花性の評価方法は次の通りである。
【0035】
(使用材料)
PVC:ポリ塩化ビニル、市販品
NBR(粉末状、部分架橋品):アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル結合量40質量%、ゲル分82質量%、市販品
DINP:可塑剤、フタル酸ジイソノニル、市販品
TOTM:可塑剤、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル、市販品
重質炭酸カルシウム:充填剤、市販品
水酸化アルミニウム:充填剤、市販品
三酸化アンチモン:充填剤、市販品
三塩基性硫酸鉛:安定剤、市販品
ステアリン酸鉛:滑剤、市販品
有機過酸化物:1,1−ビス(ターシャリーヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、市販品
【0036】
(成形加工性)
厚さ5mmのシートをシートペレタイザーで5mm角に切断し、角状ペレットを得た。得られた角状ペレットを、40mm単軸押出機を用いて、シリンダー温度150〜180℃、ダイス温度190℃で、幅20mm、厚さ2mmのベルトを押出成形し、得られた成形品の外観を見て成形加工性を評価した。ベルト表面が平滑である場合を○とし、表面が少し粗い場合を△とし、表面がザラザラしたり、成形が不可である場合を×とした。
【0037】
(耐火花性)
250mm×250mm×1mmのシートに、下記の研削火花噴射条件で以て火花で当てた時の損傷の程度を調べた。穴があく、燃焼する等の損傷がない場合を○とし、損傷が少しある場合を△、損傷が激しい場合を×とした。
<研削火花噴射条件>
グラインダーにより火花を発生。
砥石種類:1号縁形A(WA−60−K−7−V5)、寸法150×16×12.7mm
噴射時間:60秒
噴射距離:30cm
切断材料:炭素鋼(S45C)
【0038】
【表1】
【0039】
実験例2
表2に示す材料からなる熱可塑性エラストマー組成物を混練したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】
実験例3
表3に示す材料からなる熱可塑性エラストマー組成物を混練したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表3に示した。
【0042】
【表3】
【0043】
実験例4
表4に示す材料からなる熱可塑性エラストマー組成物を混練したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表4に示した。
なお、難燃性と耐熱性の評価方法は次の通りである。
【0044】
(難燃性)
厚さ3mmのシートを、JIS K−7203に記載の燃焼試験方法に従って、燃焼性評価のための限界酸素指数測定用の試験片とした後、上記方法に準じて限界酸素指数を測定し、示した。
【0045】
(耐熱性)
厚さ2mmのシート上に、300℃に加熱したハンダゴテを垂直に立ててから、シートに穴があくまでの時間を測定し、示した。
【0046】
【表4】
実験例5
表5に示す材料からなる熱可塑性エラストマー組成物を混練したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表5に示した。
なお、圧縮永久歪の評価方法は次の通りである。
【0047】
(使用材料)
NBR(粉末状、未架橋品):アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル結合量35質量%、ゲル分0質量%、市販品
【0048】
(圧縮永久歪)
復元性を圧縮永久歪で示した。JIS K−6262により圧縮永久歪を測定し、示した。
【0049】
【表5】
【0050】
実験例6
表6に示す材料からなる熱可塑性エラストマー組成物を混練したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表6に示した。
なお、混練性の評価方法は次の通りである。
【0051】
(使用材料)
NBR(ブロック状、部分架橋品):アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル結合量40質量%、ゲル分82質量%、市販品
【0052】
(混練性)
熱可塑性エラストマー組成物を透過型電子顕微鏡で10,000倍で観察し、評価した。アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の塊が見られず、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が微分散していた場合を○、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の塊が見られた場合を×とした。
【0053】
【表6】
【0054】
実験例7
軟質ポリ塩化ビニルの材料の表面に、実験No.1−4の被覆材を共押出成形により被覆して、ホースを成形、製造した。得られたホースは軟質ポリ塩化ビニルと良く密着しており、被覆材の剥離等は見られなかった。又、ホースの表面は均一であった。
得られたホースを火花の多い工場現場で、エアホース用として使用した。火花により穴も開かず、長期間使用できた。
【0055】
実験例8
軟質ポリ塩化ビニルの材料の表面に、実験No.1−1の被覆材を共押出成形により被覆して、ホースを成形、製造したこと以外は、実施例7と同様に行った。このホースを火花の多い工場現場で、エアホース用として使用した。火花により穴が開いてしまい、すぐに使用できなくなった。
【0056】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用いることにより、優れた耐熱性、成形加工性及び混練性を発揮し、圧縮永久歪が小さくなり、しかも火花、例えば、金属の溶接時に飛び散る火花や研削時に飛び散る火花が直接当たっても、燃焼したり、穴があいたりする等の損傷を最小限に抑えることができ、電線やケーブルの被覆材料をはじめ、火花の発生しやすい場所に用いるホースやシート等として好適に使用することができる。
従来の熱可塑性エラストマー組成物は難燃性を高めても、耐火花性が優れるとは限らなかったが、本発明の熱可塑性エラストマーは難燃性に関係なく、耐火花性に優れるものである。
Claims (7)
- ポリ塩化ビニル樹脂100質量部、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体190〜210質量部、可塑剤45〜65質量部、炭酸カルシウム10〜30質量部及び有機過酸化物を含有してなる、耐火花性熱可塑性エラストマー組成物。
- ポリ塩化ビニル樹脂の重合度が1,500以上である請求項1記載の耐火花性熱可塑性エラストマー組成物。
- アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が部分架橋アクリロニトリル−ブタジエン共重合体である請求項1又は2記載の耐火花性熱可塑性エラストマー組成物。
- アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が粉末状である請求項1〜3のうちの1項記載の耐火花性熱可塑性エラストマー組成物。
- 炭酸カルシウムが重質炭酸カルシウムである請求項1〜4のうちの1項記載の耐火花性熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1〜5のうちの1項記載の耐火花性熱可塑性エラストマー組成物からなる耐火花性被覆材。
- 請求項6記載の耐火花性被覆材で被覆してなるホース、電線またはケーブル。
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