JP2003213048A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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智三 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性に富み、耐熱変形性、成形加工性に優
れ、特に極性基を有する樹脂との相溶性に優れた熱可塑
性エラストマー組成物及びそれを用いた熱可塑性樹脂組
成物の提供。 【解決手段】 (a)オレフィン系共重合体ゴム100
重量部、(b)不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体
ゴム及び/又はその水添物25〜400重量部、(c)
末端に水酸基を有する液状ポリブタジエン1〜50重量
部、及び(d)有機過酸化物0.01〜3重量部を含有
する組成物を溶融混練して得られる熱可塑性エラストマ
ー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物に関し、特に、耐熱変形性、耐油性、押出成
形性及び射出成形性等に優れる熱可塑性エラストマー組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム弾性を有する軟質材料であっ
て、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形
加工性及びリサイクルが可能な熱可塑性エラストマー
が、自動車部品、家電部品、電線被覆、医療用部品、履
物、雑貨等の分野で多用されている。
【0003】熱可塑性エラストマーの中でも、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーやスチレン系熱可塑性エラス
トマーは、柔軟性に富み、常温で良好なゴム弾性を有
し、かつ、これらより得られる熱可塑性エラストマー組
成物は加工性に優れており、加硫ゴムの代替品として広
く使用されている。
【0004】しかしながら、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマーまたはスチレン系熱可塑性エラストマーは、架
橋を行なっても、架橋効率が向上せず、配合されている
エチレン系共重合体ゴムのエチレン・プロピレン・共役
ジエン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン・プロピレ
ン共重合体ゴム(EPR)、エチレン・ブテン共重合体
ゴム(EBR)やスチレン系ブロック共重合体のスチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン
−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SE
BS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブ
ロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エ
チレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SE
EPS)自体の耐油性が悪く、耐熱変形性、耐油性に問
題があり、特に、燃料油(Fuel−CやFuel−
D)に対する耐油性が悪く、自動車のエンジン周辺部材
や燃料系周辺部材など、耐油性が必要とされる部位には
加硫ゴム以外使用することができないといった問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑み、耐熱変形性、耐油性、成形加工性等に優れる熱
可塑性エラストマー組成物を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、オレフィン系共
重合体ゴムに、不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体
ゴム、液状ポリブタジエンを配合し、有機過酸化物架橋
処理することにより、耐熱変形性、耐油性、成形加工性
等に優れる熱可塑性エラストマー組成物が得られること
を見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明の第1の発明は、(a)
オレフィン系共重合体ゴム100重量部、(b)不飽和
ニトリル−共役ジエン系共重合体ゴム及び/又はその水
添物25〜400重量部、(c)末端に水酸基を有する
液状ポリブタジエン1〜50重量部、及び(d)有機過
酸化物0.01〜3重量部を含有する組成物を溶融混練
して得られる熱可塑性エラストマー組成物である。
【0008】また、本発明の第2の発明は、(e)エス
テル系架橋助剤0.1〜20重量部を更に含有すること
を特徴とする第1の発明に記載の熱可塑性エラストマー
組成物である。
【0009】また、本発明の第3の発明は、(f)不飽
和グリシジル化合物又はその誘導体0.1〜5重量部を
更に含有することを特徴とする第1又は2の発明に記載
の熱可塑性エラストマー組成物である。
【0010】また、本発明の第4の発明は、(g)不飽
和カルボン酸又はその誘導体0.1〜5重量部を更に含
有することを特徴とする第1〜3の発明のいずれかの発
明に記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
【0011】また、本発明の第5の発明は、(a)オレ
フィン系共重合体ゴムが、DSC測定によるポリオレフ
ィンの結晶化度が20wt%以下、ムーニー粘度(ML
1+ 、試験温度100℃)が7〜90であることを特
徴とする第1〜4の発明のいずれかの発明に記載の熱可
塑性エラストマー組成物である。
【0012】また、本発明の第6の発明は、(b)不飽
和ニトリル−共役ジエン系共重合体ゴム及び/又はその
水添物が、部分架橋タイプであって、その不飽和ニトリ
ル含有量が25〜45重量%であり、ムーニー粘度(M
1+4、試験温度100℃)が20〜120であるこ
とを特徴とする第1〜5の発明のいずれかの発明に記載
の熱可塑性エラストマー組成物であるである。
【0013】また、本発明の第7の発明は、(h)芳香
族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なく
とも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体、
及び/又はこれを水素添加して得られる水添ブロック共
重合体1〜30重量部を更に含有することを特徴とする
第1〜6のいずれかの発明に記載の熱可塑性エラストマ
ー組成物である。
【0014】また、本発明の第8の発明は、(i)ゴム
用軟化剤1〜80重量部を更に含む第1〜7の発明のい
ずれかの発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物であ
る。
【0015】また、本発明の第9の発明は、(j)オレ
フィン系樹脂3〜150重量部を更に含有することを特
徴とする第1〜8の発明のいずれかの発明に記載の熱可
塑性エラストマー組成物である。
【0016】また、本発明の第10の発明は、(k)無
機充填剤1〜150重量部を更に含有することを特徴と
する第1〜9の発明のいずれかの発明に記載の熱可塑性
エラストマー組成物である。
【0017】また、本発明の第11の発明は、第1〜1
0の発明のいずれかの発明に記載の熱可塑性エラストマ
ー組成物を成形加工してなる自動車内外装部材、建築用
部材又は家電用部材である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性エラストマー組
成物、製造方法、用途について以下に詳細に説明する。
【0019】1.熱可塑性エラストマー組成物の構成成
分 (1)オレフィン系共重合体ゴム(a) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いるオレフィ
ン系共重合体ゴム成分(a)は、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン等のα−オレフィンが共
重合してなるエラストマーあるいはこれらと非共役ジエ
ンとが共重合してなるオレフィン系共重合体ゴムが挙げ
られる。
【0020】非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジ
エン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、
メチレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボル
ネン等を挙げることができる。
【0021】このようなオレフィン系共重合体ゴムとし
ては、具体的には、エチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴ
ム、エチレン−1−ブテン共重合体ゴム、エチレン−1
−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−プロ
ピレン−1−ブテン共重合体ゴム等が挙げられる。
【0022】また、オレフィン系共重合体ゴム成分
(a)のDSC測定によるポリオレフィンの結晶化度
は、20wt%以下が好ましく、より好ましくは15w
t%以下であり、さらに好ましくは1wt%以下であ
る。結晶化度が20wt%を超えると、得られる熱可塑
性エラストマー組成物の柔軟性が低下し、エラストマー
組成物の硬度が高くなり過ぎ柔軟性が失われてゴム的感
触の製品が得られない。また、熱可塑性エラストマー組
成物と極性基を有する樹脂との相容性が悪化し、得られ
る熱可塑性樹脂組成物の剥離や変形及びフローマークが
成形品に生じ易くなる。
【0023】ここで、DSC(示差走査熱量測定)によ
るポリオレフィンの結晶化度は、以下の方法によって測
定される。 (i)試料を重量の分かったアルミパンに入れ、封入前
に約10Paの圧力下で24時間乾燥する。 (ii)乾燥後、速やかにサンプル容器全体の重さを測
定し加圧密封する。 (iii)DSCのサンプルホルダーにサンプル容器を
セットし、10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温す
る。 (iv)230℃で60分維持し、試料を完全に溶融ま
たは緩和させる。 (v)昇温速度と同一速度(10℃/分)で30℃まで
冷却する。 (vi)等温結晶化過程において生成する結晶の完全度
が結晶の生成時期と無関係に一定と仮定して、結晶化熱
(ΔHc)から結晶化度を評価する。 (vii)結晶化度は、HDPE(HJ560:日本ポ
リケム、比重0.964)の結晶化熱(ΔHc)を10
0としてオレフィン系共重合体ゴム(a)の結晶化熱
(ΔHc)を%で標記する。
【0024】さらに、オレフィン系共重合体ゴム成分
(a)のムーニー粘度(ML1+4、試験温度100
℃)は、7〜90であることが好ましく、より好ましく
は15〜75である。ムーニー粘度(ML1+4、試験
温度100℃)が7未満では耐油性・耐熱性に乏しく、
また90を超えると成形性が劣る。
【0025】具体的な成分(a)としては、例えば、N
ordel IP 4520(EPDM、Dupont
Dow Elastomers社製)が挙げられる。
【0026】(2)不飽和ニトリル−共役ジエン系共重
合体ゴム(b) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いる不飽和ニ
トリル−共役ジエン系共重合体ゴム又は、その水添物
(以下、(水添)不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合
体ゴムという場合がある。)であって、不飽和ニトリル
と共役ジエンの重量比(不飽和ニトリル/共役ジエン)
が、10/90〜60/40、好ましくは20/80〜
50/50の割合で共重合した共重合体ゴムである。重
量比(不飽和ニトリル/共役ジエン)が10/90未満
では耐油性が劣り、60/40を超えるとゴム弾性に乏
しくなる。また、(水添)不飽和ニトリル−共役ジエン
系共重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4、試験温度
100℃)は、20〜120であることが好ましく、よ
り好ましくは40〜100である。ムーニー粘度(ML
1+4、試験温度100℃)が20未満ではゴム弾性に
乏しく、また120を超えると加工性が劣る。
【0027】ここで、不飽和ニトリルとしては、例え
ば、α,β−不飽和ニトリルが挙げられ、具体的にはア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることが
でき、アクリロニトリルが好ましい。α,β−不飽和ニ
トリルは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使
用することができる。共役ジエンとしては、例えば1,
3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン
等を挙げることができ、なかでも1,3−ブタジエンお
よびイソプレンが好ましい。共役ジエンは、単独または
2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体と
しては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム
(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレ
ン共重合体ゴム(NBIR)、アクリロニトリル−イソ
プレン共重合体ゴム(NIR)、アクリロニトリル−ブ
タジエン−ブトキシアクリレート共重合体ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体ゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体ゴ
ム又はそれらの水添物等が挙げられる。これらのうちN
BR及び水添NBRが好適に用いられる。
【0029】本発明で用いることのできるNBR又は水
添NBRは、部分架橋しているものであってもよい。部
分架橋物としては、そのゲル分率は60〜95%が好ま
しく、より好ましくは70〜90%である。ゲル分率が
60%未満では永久伸びが悪く、95%を超えると急に
加工性が悪くなる。ここでいうNBRのゲル分率とは、
キシレンに120℃で20時間浸漬し、80メッシュフ
ィルターにて分離される抽出残さを意味する。またここ
で使用される部分架橋NBR中のアクリロニトリル含量
は、30〜45重量%が好ましく、更に好ましくは32
〜35重量%である。この範囲をはずれると耐油性が悪
くなる。
【0030】成分(b)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、25〜400重量部が好ましく、より
好ましくは75〜150重量部である。配合量が25重
量部未満であると耐油性が低下し、400重量部を超え
ると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械特性
・成形加工性が悪化する。
【0031】(3)末端に水酸基を有する液状ポリブタ
ジエン(c) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いる末端に水
酸基を有する液状ポリブタジエン成分(c)は、熱可塑
性エラストマー組成物を溶融処理する際に、(a)成分
及び/又は(b)成分に有機過酸化物の存在下にグラフ
ト重合し、相溶性を向上させる。成分(c)は、主鎖の
微細構造がビニル1,2−結合型、トランス1,4−結
合型、シス1,4−結合型からなる、室温において透明
な液状の重合体である。ここで、ビニル1,2−結合は
30重量%以下であることが好ましく、ビニル1,2−
結合が30重量%を超えては、得られる組成物の低温特
性が低下するため好ましくない。
【0032】また、成分(c)の末端水酸基含有量(J
IS K 1557)は、0.05〜3.0mol/k
gが好ましく、より好ましくは、0.1〜1.5mol
/kgの範囲である。さらに、液状ポリブタジエンの数
平均分子量は、1,000〜5,000が好ましく、更
に好ましくは2,000〜4,000である。数平均分
子量が1,000未満では、得られる組成物の耐熱変形
性が低下し、5,000を超えると、得られる組成物の
相溶性が低下する。
【0033】具体的な成分(c)としては、例えば、出
光石油化学株式会社製 のR−45HT(商標)の市販
品を挙げることが出来る。
【0034】成分(c)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、1〜50重量部であり、好ましくは3
〜20重量部である。配合量が1重量部未満であると成
分(b)と成分(a)や他の成分との相溶性が悪化し、
成形品の剥離やフローマークの発生等、成形性が悪化
し、50重量部を超えると、得られるエラストマー組成
物から軟化剤がブリードアウトしやすく、剥離や変形及
びフローマークが成形品に生じ易くなる。
【0035】(4)有機過酸化物(d) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物で用いる有機過酸
化物成分(d)は、ラジカルを発生せしめ、そのラジカ
ルを連鎖的に反応させて、成分(a)および/または成
分(b)を架橋せしめる働きをする。また、同時に、成
分(c)及び必要に応じて配合する成分(e)〜(h)
を成分(a)および/または成分(b)にグラフト重合
させ、成分(a)と成分(b)との相溶性を向上させる
働きをする。さらに、必要に応じて配合する成分(j)
を分解又は架橋して溶融混練時の組成物の流動性をコン
トロールしてゴム成分の分散を良好にせしめる。
【0036】成分(d)としては、例えば、ジクミルパ
ーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t
ert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビ
ス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−
3、3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−
4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレー
ト、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパ
ーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシ
ド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ter
t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジア
セチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ter
t−ブチルクミルパーオキシド等を挙げることができ
る。これらのうちで、臭気性、着色性、スコーチ安全性
の観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ter
t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が特に好ましい。
【0037】成分(d)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、0.01〜3重量部、好ましくは0.
1〜1.5重量部である。配合量が0.01重量部未満
では、グラフトおよび架橋を十分達成できず、得られる
熱可塑性エラストマ−組成物の機械特性と成形加工性が
悪くなる。一方、3重量部を超えても、得られる熱可塑
性エラストマー組成物の成形性が悪くなる。
【0038】(5)エステル系架橋助剤成分(e) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、必要
に応じて、エステル系架橋助剤成分(e)を用いること
ができる。成分(e)は、本発明の熱可塑性エラストマ
ー組成物の(d)有機過酸化物による架橋処理に際して
配合することができ、これにより均一、かつ、効率的な
架橋反応を行うことができる。また、多量に配合するこ
とにより、非芳香族系ゴム用軟化剤、特に、低分子量パ
ラフィン系オイル等を適度に架橋し、熱可塑性エラスト
マー組成物からのブリードアウトを抑制することができ
る。
【0039】成分(e)の具体例としては、例えば、ト
リアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート、エチレングリコールの繰
り返し数が9〜14のポリエチレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、アリルメタクリレート、2−メチル−1,8−オク
タンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジメタクリレートのような多官能性メタクリレート化
合物、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レートのような多官能性アクリレート化合物、ビニルブ
チラート又はビニルステアレートのような多官能性ビニ
ル化合物を挙げることができる。これらは単独あるいは
2種類以上を組み合わせても良い。これらの架橋助剤の
うち、トリエチレングリコールジメタクリレート、テト
ラエチレングリコールジメタクリレートが特に好まし
い。
【0040】成分(e)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、好ましくは0.1〜
20重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜10重
量部である。20重量部を超えると、自己重合性により
架橋の度合が低下して効果が得られなくなる。
【0041】(6)不飽和グリシジル化合物又はその誘
導体(f) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じ
て、不飽和グリシジル化合物又はその誘導体成分(f)
を配合することができる。成分(f)は、変性剤として
使用されるものであり、好ましくは分子中にオレフィン
と共重合し得る不飽和基とグリシジル基とを有するグリ
シジル化合物が用いられ、特に好ましくはグリシジルメ
タクリレート(GMA)が使用される。該変性剤によ
り、成分(a)、さらには、必要に応じて配合されるオ
レフィン系樹脂(j)や成分(h)等が変性され、成分
(b)との相溶性が向上する。
【0042】成分(g)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、0.1〜5重量部が
好ましく、より好ましくは0.3〜2重量部である。配
合量が5重量部を超えると、熱可塑性エラストマー組成
物に激しい黄変が生じ、また、耐熱変形性、機械特性が
悪化するばかりでなく、その他の樹脂を配合した際に、
該成分との相溶性を改良する効果が認められなくなる。
【0043】(7)不飽和カルボン酸又はその誘導体
(g) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、必要
に応じて、不飽和カルボン酸又はその誘導体成分(g)
を配合することができる。成分(g)は、変性剤として
使用されるものであり、好ましくはアクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、ジカルボン酸又はその誘導体、例
えば、酸、ハライド、アミド、イミド、無水物、エステ
ル誘導体等が挙げられる。特に好ましくは無水マレイン
酸(MAH)が用いられる。該変性剤により、成分
(a)及び必要に応じて配合される成分(h)および成
分(j)のオレフィン系樹脂、好ましくはポリプロピレ
ン等が変性され、成分(b)との相溶性を向上させる。
【0044】成分(g)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、0.1〜5重量部が
好ましく、より好ましくは0.3〜2重量部である。配
合量が5重量部を超えると、熱可塑性エラストマー組成
物に激しい黄変が生じ、また、耐熱変形性、機械特性が
悪化するばかりでなく、成分(b)との相溶性を改良す
る効果が認められなくなる。
【0045】(8)ブロック共重合体及び/またはその
水素添加物(h) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じ
て、柔軟性を調整するためにブロック共重合体及び/ま
たはその水素添加物成分(h)を添加することができ
る。ブロック共重合体成分及び/またはその水素添加物
成分(h)としては、芳香族ビニル化合物を主体とする
重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とか
らなるブロック共重合体である。例えば、A−B−A、
B−A−B−A、A−B−A−B−A等の構造を有する
ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合
体又はその水添ブロック共重合体を挙げることができ
る。
【0046】上記(水添)ブロック共重合体(以下、
(水添)ブロック共重合体とは、ブロック共重合体、及
び/又は、水添ブロック共重合体を意味する。)は、芳
香族ビニル化合物を5〜60重量%、好ましくは、20
〜50重量%含む。
【0047】芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブ
ロックAは好ましくは、芳香族ビニル化合物のみから成
るか、または芳香族ビニル化合物50重量%以上、好ま
しくは70重量%以上と任意成分、例えば(水素添加さ
れた)共役ジエン化合物(以下、(水素添加された)共
役ジエン化合物とは、共役ジエン化合物、及び/又は、
水素添加された共役ジエン化合物を意味する)との共重
合体ブロックである。
【0048】(水素添加された)共役ジエン化合物を主
体とする重合体ブロックBは好ましくは、(水素添加さ
れた)共役ジエン化合物のみから成るか、または(水素
添加された)共役ジエン化合物50重量%以上、好まし
くは70重量%以上と任意成分、例えば芳香族ビニル化
合物との共重合体ブロックである。
【0049】ブロック共重合体の溶液粘度(5%トルエ
ン溶液、77°F、ASTM D−2196)の範囲
は、5〜500cps、好ましくは20〜300cps
である。
【0050】水添ブロック共重合体の数平均分子量は、
好ましくは5,000〜1,500,000、より好ま
しくは、10,000〜550,000、更に好ましく
は90,000〜400,000の範囲であり、分子量
分布は10以下である。ブロック共重合体の分子構造
は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組
合せのいずれであってもよい。
【0051】また、これらの芳香族ビニル化合物を主体
とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化
合物又は芳香族ビニル化合物由来の単位の分布がランダ
ム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又
は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の
組合せでなっていてもよい。芳香族ビニル化合物を主体
とする重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合に
は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても
異なる構造であってもよい。
【0052】(水添)ブロック共重合体を構成する芳香
族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン
等のうちから1種又は2種以上を選択でき、なかでもス
チレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例
えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちか
ら1種又は2種以上が選ばれ、なかでもブタジエン、イ
ソプレン及びこれらの組合せが好ましい。
【0053】水添ブロック共重合体における共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて、そのミ
クロ構造は、任意であり、例えば、ブロックBがブタジ
エン単独で構成される場合、ポリブタジエンブロックに
おいては、1,2−ミクロ構造が好ましくは20〜50
重量%、特に好ましくは25〜45重量%である。その
水添率は任意であるが好ましくは50%以上、より好ま
しくは55%以上、更に好ましくは60%以上である。
また、1,2−結合を選択的に水素添加したものであっ
ても良い。ブロックBがイソプレンとブタジエンの混合
物で構成される場合、1,2−ミクロ構造が好ましくは
50%未満、より好ましくは25%未満、より更に好ま
しくは15%未満である。ブロックBがイソプレン単独
で構成される場合。ポリイソプレンブロックにおいては
イソプレンの好ましくは70〜100重量%が1,4−
ミクロ構造を有し、かつイソプレンに由来する脂肪族二
重結合の好ましくは少なくとも90%が水素添加された
ものが好ましい。
【0054】用途により、水素添加したブロック共重合
体を使用する場合には、好ましくは上記水添物を用途に
合わせて適宜使用することができる。
【0055】上記(水添)ブロック共重合体の具体例と
しては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(S
BS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(S
IS)、スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン
共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン・ブテン−
スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・
プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン
−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体
(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−ス
チレン共重合体(部分水素添加スチレン−ブタジエン−
スチレン共重合体、SBBS)等を挙げることができ
る。
【0056】これらの(水添)ブロック共重合体の製造
方法としては数多くの方法が提案されているが、代表的
な方法としては、例えば特公昭40−23798号公報
に記載された方法により、リチウム触媒又はチーグラー
型触媒を用い、不活性媒体中でブロック重合させて得る
ことができる。
【0057】成分(h)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、1〜30重量部が好
ましく、より好ましくは5〜25重量部である。30重
量部を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物
の成形性が悪化し、剥離や変形及びフローマークが成形
品に生じ易くなる。
【0058】(9)ゴム用軟化剤成分(i) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、必要
に応じて、ゴム用軟化剤成分(i)を配合することがで
きる。本発明で用いるゴム用軟化剤成分(i)は、非芳
香族系成分でも芳香族系成分でもかまわず、また、エス
テル系可塑剤も使用できるが、特に、非芳香族系の鉱物
油、エステル系可塑剤が好ましい。非芳香族系の鉱物油
軟化剤としては、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50
%以上を占めるパラフィン系の軟化剤が挙げられる。
【0059】エステル系可塑剤の中で、環状可塑剤とし
ては、例えば、無水フタル酸エステルおよびトリメリッ
ト酸エステル、さらにはN−シクロヘキシル−p−トル
エンスルホンアミド、ジベンジルセバケート、ジエチレ
ングリコールジベンゾエート、ジ−t−オクチルフェニ
ルエーテル、ジプロパンジオールジベンゾエート、N−
エチル−p−トルエンスルホンアミド、イソプロピリデ
ンジフェノキシプロパノール、アルキル化ナフタレン、
ポリエチレングリコールジベンゾエート、o,p−トル
エンスルホンアミド、トリメチルペンタンジオールジベ
ンゾエートおよびトリメチルペンタンジオール・モノイ
ソブチレート・モノベンゾエート等が挙げられる。これ
らの中では、無水フタル酸エステル及びトリメリット酸
エステルが好ましい。
【0060】無水フタル酸エステルの代表的な例として
は、例えば、ブチルオクチルフタレート、ブチル・2−
エチルヘキシルフタレート、ブチル・n−オクチルフタ
レート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ
イソデシルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチ
ルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、
ジイソオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート
(DINP)、ジ−トリデシルフタレート、n−ヘキシ
ル・n−デシルフタレート、n−オクチル・n−デシル
フタレート、アルキル・ベンジルフタレート、ビス(4
−メチル−1,2−ペンチル)フタレート、ブチル・ベ
ンジルフタレート、ブチル・シクロヘキシルフタレー
ト、ジ(2−ブトキシエチル)フタレート、シクロヘキ
シル・イソデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレ
ート、ジエチルイソフタレート、ジ−n−ヘプチルフタ
レート、ジヘキシルフタレート、ジ(2−メトキシエチ
ル)フタレート、ジメチルイソフタレート、ジノニルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ジカプリルフタレー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)イソフタレート、混合ジ
オクチルフタレート、ジフェニルフタレート、2−(エ
チルヘキシル)イソブチルフタレート、ブチル・フタリ
ルブチルグリコレート、エチル(およびメチル)フタリ
ルエチルグリコレート、ポリプロピレングリコール・ビ
ス(アミル)フタレート、ヘキシル・イソデシルフタレ
ート、イソデシル・トリデシルフタレート、イソオクチ
ル・イソデシルフタレート等が挙げられる。
【0061】トリメリット酸エステルの代表的な例とし
ては、例えば、トリイソオクチルトリメリテート、トリ
−n−オクチル・n−デシルトリメリテート、トリオク
チルトリメリテート、トリ(2−エチルヘキシル)トリ
メリテート(TOTM)、トリ−n−ヘキシル・n−デ
シルトリメリテート、トリ−n−ヘキシルトリメリテー
ト、トリイソデシルトリメリテートおよびトリイソノニ
ルトリメリテート等が挙げられる。
【0062】また、非環状可塑剤としては、リン酸エス
テル、アジピン酸エステル、アゼライン酸エステル、ク
エン酸エステル、アセチルクエン酸エステル、ミリスチ
ン酸エステル、リシノレイン酸エステル、アセチルリシ
ノレイン酸エステル、セバシン酸エステル、ステアリン
酸エステル、エポキシ化エステル、さらには、1,4−
ブタンジオール・ジカプリレート、ブトキシエチルペラ
ルゴネート・ジ[(ブトキシエトキシ)エトキシ]メタ
ン、ジブチルタータレート、ジエチレングリコールジペ
ラルゴネート、ジイソオクチルジグリコレート、イソデ
シルノナノエート、テトラエチレングリコール・ジ(2
−エチル−ブチレート)、トリエチレングリコール・ジ
(2−エチル−ヘキサノエート)、トリエチレングリコ
ールジペラルゴネート及び分岐脂肪族二価アルコールの
エステル化合物である2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレー
ト(TXIB)、アクリル系高分子等が挙げられる。
【0063】リン酸エステルの代表的な例としては、例
えば、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジル
ホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、ジフェ
ニルオクチルホスフェート、メチルジフェニルホスフェ
ート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェ
ート、トリ(2−ブトキシエチル)ホスフェート、トリ
(2−クロロエチル)ホスフェート、トリ(2−クロロ
プロピル)ホスフェートおよびトリオクチルホスフェー
トが挙げられる。
【0064】アジピン酸エステルの代表的な例として
は、例えば、ジ[2−(2−ブトキシエトキシ)エチ
ル]アジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペー
ト、ジイソノニルアジペート(DINA)、ジイソデシ
ルアジペート、ジオクチルアジペート(ジイソオクチル
アジペートを含む)、n−ヘキシル・n−デシルアジペ
ート、n−オクチル・n−デシルアジペートおよびジ−
n−ヘプチルアジペートが挙げられる。
【0065】セバシン酸エステルの代表的な例として
は、例えば、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキ
シル)セバケート、ジブトキシエチルセバケート、ジイ
ソオクチルセバケートおよびジイソプロピルセバケート
が挙げられる。
【0066】アゼライン酸エステルの代表的な例として
は、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)アゼラエート、
ジシクロヘキシルアゼラエート、ジイソブチルアゼラエ
ートおよびジイソオクチルアゼラエートが挙げられる。
【0067】アクリル系高分子可塑剤としては、(i)
ラジカル重合性単量体と(ii)改質用化合物との混合
物を、重合開始剤の存在下または非存在下に、反応させ
て得られる反応生成物からなる重合体が挙げられる。こ
の重合体は、(ii)改質用化合物の重合体への結合様
式がエステル結合である重合体が好ましく、(i)ラジ
カル重合性単量体として(メタ)アクリル酸を用い、か
つ(ii)改質用化合物として脂肪族または脂環式アル
コールを用いる重合体であってもよい。
【0068】アクリル系高分子可塑剤において、ラジカ
ル重合性単量体(i)としては、(メタ)アクリル酸;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレ
ート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有
(メタ)アクリレート;無水マレイン酸、マレイン酸、
マレイン酸のモノ及びジアルキルエステル;スチレン、
α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレ
ン、プロピレン等のアルケン;ブタジエン、イソプレン
等のジエン;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アク
リルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロ
ライドおよびアリルアルコール等が挙げられる。
【0069】また、改質用化合物(ii)としては、シ
クロヘキシルアルコール等のシクロアルカノール;イソ
プロピルアルコール等のアルカノール;フルオロアルキ
ルアルコール等のハロゲン基含有アルコール;エチレン
グリコール、ブタンジオール等のアルキレンジオール;
シクロヘキサンジオール、シクロヘキシルジメタノール
等のシクロアルキレンジオール;末端に水酸基を有する
ポリエーテル、ポリエステル等のポリマー等の水酸基含
有改質剤、シクロヘキシルカルボン酸、シクロヘキシル
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、フルオロアル
キルジカルボン酸、無水マレイン酸およびフマル酸等の
カルボキシル基含有化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル、
セロソルブアセテート、メチルプロピレングリコールア
セテート、カルビトールアセテートおよびエチルカルビ
トールアセテート等のエステル基含有改質剤、シクロヘ
キセン、シクロペンテンおよびイソブテン等のアルケン
が挙げられる。
【0070】上記(i)と(ii)の組み合わせにおけ
るアクリル系重合体の例としては、(i)の(メタ)ア
クリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸またはマレイン
酸のモノアルキルエステル等と、(ii)の水酸基を有
する化合物を用い、エステル化反応により、重合体に改
質用化合物が導入された重合体が得られる。また、
(i)のメチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルア
クリレート等のエステル基含有単量体と(ii)の水酸
基を有する化合物を用いれば、エステル交換反応をさせ
ることにより、機能性重合体が得られる。さらに、
(i)の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートま
たはヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの水酸基
含有単量体と(ii)のカルボキシル基またはエステル
基含有化合物との反応によるエステル結合の形成によ
り、機能性基を導入された重合体が得られる。さらにま
た、(i)の(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含
有単量体と(ii)のアルケンを用いることによりカル
ボキシル基がエチレン性不飽和結合に付加反応してエス
テル結合が形成され、改質用化合物が導入した重合体が
得られる。
【0071】本発明で用いることのできるアクリル系高
分子可塑剤においては、上記(i)としては、ブチルア
クリレート、エチルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、メソオキシエチルアクリレート、グリシジルアクリ
レートが好ましく、中でもエチルアクリレートが主成分
であることが最適である。
【0072】また、該アクリル系高分子可塑剤の重量平
均分子量(Mw)は、500〜10000が好ましく、
より好ましくは1000〜6000、さらに好ましくは
1000〜3000であり、粘度は、100〜9000
mPa・sが好ましく、より好ましくは1000〜60
00mPa・s、さらに好ましくは3000〜5000
mPa・sであり、Acetone−Water To
leranceから求めたSP値は、10.5〜16.
5が好ましく、より好ましくは13〜16、さらに好ま
しくは14〜16である。
【0073】これらのエステル系化合物である可塑剤の
中では、DINP、DINA、TOTMが特に好まし
い。
【0074】成分(i)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、1〜80重量部が好
ましく、より好ましくは3〜30重量部である。配合量
が1重量部未満では、得られる熱可塑性エラストマー組
成物の柔軟性と成形性が改善されない。80重量部を超
えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物から軟化
剤がブリードアウトしやすく、剥離や変形及びフローマ
ークが成形品に生じ易くなる。さらに加工持の発生ガス
が顕著になる。
【0075】(10)オレフィン系樹脂(j) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、必要
に応じて、オレフィン系樹脂成分(j)を配合すること
ができる。成分(j)は、得られる熱可塑性エラストマ
ー組成物のゴム分散を良好にし、かつ成形品の外観を良
好にすると共に、硬度及び収縮率の調整に効果を有する
ものである。該成分は、パーオキシドの存在下に加熱処
理することによって熱分解して分子量を減じ、溶融時の
流動性が増大するパーオキシド分解型オレフィン系の重
合体又は共重合体が好ましく、例えば、アイソタクチッ
クポリプロピレンやプロピレンと他のα−オレフィン、
例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテンなどとの共重合体を
挙げることができる。
【0076】上記オレフィン系共重合体のホモ部分のD
SC測定による融点は、好ましくは、Tmが150〜1
70℃、△Hmが25〜90mJ/mgの範囲のもので
ある。結晶化度はDSC測定のTm、△Hmから推定す
ることができる。Tm、△Hmが上記の範囲外では、得
られる熱可塑性エラストマー組成物の耐油性や100℃
以上におけるゴム弾性が改良されない。
【0077】また、成分(j)のメルトフローレート
(MFR、ASTM D−1238、L条件、230
℃)は、好ましくは0.1〜200g/10分、更に好
ましくは0.5〜100g/10分である。MFRが
0.1g/10分未満では、得られる熱可塑性エラスト
マー組成物の成形性が悪化し、200g/10分を超え
ると、得られる熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性
が悪化する。
【0078】成分(j)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、3〜150重量部が
好ましく、より好ましくは5〜60重量部である。3重
量部以下では得られる熱可塑性エラストマー組成物の成
形性が悪化し、150重量部を超えると、得られる熱可
塑性エラストマー組成物の硬度が高くなり過ぎ柔軟性が
失われてゴム的感触の製品が得られない。
【0079】(11)無機充填剤成分(k) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、必要
に応じて、無機充填剤成分(k)を配合することができ
る。成分(k)は、熱可塑性エラストマー組成物から得
られる成形品の圧縮永久歪みなど一部の物性を改良する
効果のほかに、増量による経済上の利点を有する。成分
(k)としては、例えば、緑泥石、炭酸カルシウム、タ
ルク、シリカ、珪藻土、硫酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、マイカ、クレー、酸化チタ
ン、カーボンブラック、ガラス繊維、中空ガラスバルー
ン、炭素繊維、チタン酸カルシウム繊維、天然けい酸、
合成けい酸(ホワイトカーボン)等が挙げられる。これ
らのうち、緑泥石、炭酸カルシウム、タルクが特に好ま
しい。
【0080】成分(k)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、1〜150重量部が
好ましく、より好ましくは1〜100重量部である。1
50重量部を超えると、得られる熱可塑性エラストマー
組成物の機械的強度の低下が著しく、かつ、硬度が高く
なって柔軟性が失われ、ゴム的な感触の製品が得られな
くなる。
【0081】(12)その他の成分 なお、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記の
成分の他に、さらに必要に応じて、各種のブロッキング
防止剤、シール性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安
定剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤等を含有
することも可能である。ここで、酸化防止剤としては、
例えば、2,6−ジ−tert−p−ブチル−p−クレ
ゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、
2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、
4,4−ジヒドロキシジフェニル、トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブ
タン等のフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化
防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。こ
のうちフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防
止剤が特に好ましい。酸化防止剤は、上記の成分(a)
〜(d)、(e)〜(j)の合計100重量部に対し
て、0〜3.0重量部が好ましく、特に好ましくは0.
1〜1.0重量部である。
【0082】2.熱可塑性エラストマー組成物の製造 本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記成分
(a)〜(d)、又は必要に応じて成分(e)〜(k)
を加えて、各成分を同時にあるいは任意の順に加えて溶
融混練することにより製造することができる。
【0083】溶融混練の方法は、特に制限はなく、通常
公知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押
出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー
等を使用し得る。例えば、適度なL/Dの二軸押出機、
バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用いることによ
り、上記操作を連続して行うこともできる。ここで、溶
融混練の温度は、好ましくは160〜220℃である。
【0084】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
耐熱変形性、耐油性、押出成形性及び射出成形性等に優
れるため、自動車の内外装部材、建築用部材、家電用部
材等の材料として用いることができ、特に、燃料油に対
する耐油性に優れるため、自動車のエンジン周辺部材や
燃料系周辺部材などの耐油性が必要とされる部分の材料
として使用できる。
【0085】具体的には、電線・電気部品としては、例
えば、コネクター、スイッチカバー、プラグ、ガスケッ
ト、グロメット、ケーブルジャケットカールコード、電
線絶縁被覆等が挙げられ、工業機械部品としては、例え
ば、耐圧ホース、ダイヤフラム、ガスケット、パッキン
グ、キャスター、グロメット、ローラーカップリンググ
リップ、ホース等が挙げられ、医療機器・食品関連部品
としては、例えば、シリンジチップ、薬栓、グロメッ
ト、採血管キャップ、キャップシール等が挙げられ、自
動車部品としては、例えば、CVJブーツ、ラックアン
ドオピニオンブーツ、ショックアブソーバーダストブー
ツ、バキュームコネクター、エアーダクト、チューブ、
ランチャンネル、グロメット、ハンドルカバー、エアー
バッグアウターカバーステアリング、マッドガード等が
挙げられ、建材としては、例えば、窓枠シール、エクス
パンションジョイント、スポンジシール、手摺被覆、階
段滑り止め等が挙げられる。また、その他の用途とし
て、例えば、ペングリップ、自転車グリップ、歯ブラシ
グリップ等のグリップ材、おもちゃ用部品、マット類、
ゴーグル、防塵・防毒マスク、靴底等が挙げられる。
【0086】
【実施例】本発明を以下の実施例、比較例によって具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なお、本発明で用いた物性の測定法及び試
料を以下に示す。
【0087】1.試験方法 (1)硬度:JIS K 6253に準拠し、デュロメ
ータ硬さ・タイプAにて測定した。試験片は6.3mm
厚プレスシートを用いた。 (2)引張強さ:JIS K 6251に準拠し、試験
片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型試験片に
打ち抜いて使用した。引張速度は500mm/分とし
た。 (3)100%伸び応力:JIS K 6251に準拠
し、試験片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型
試験片に打ち抜いて使用した。引張速度は500mm/
分とした。 (4)破断伸び:JIS K 6251に準拠し、試験
片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型試験片に
打ち抜いて使用した。引張速度は500mm/分とし
た。 (5)圧縮永久歪み(CS%):JIS K 6262
に準拠し、試験片は6.3mm厚プレスシート使用し、
120℃×72時間、25%変形の条件にて測定した。 (6)耐熱老化性:JIS K 6251に準拠し、試
験片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型試験片
に打ち抜いて、150℃、168hrs後の引張強さ残
率(TS)と破断伸び残率(EL)を測定した。引張速
度は500mm/分とした。 (7)体積膨潤率(%):JIS K 6258に準拠
し、試験片は1mm厚プレスシート使用し、120℃×
72時間、IRM#903浸漬後と23℃×72時間、
燃料油Cの膨潤率を測定した。 (8)押出成形性:50mm×1mmのシートを押出成
形し、ドローダウン性、表面外観や形状を観察し、次の
基準で評価した。 ○:良い ×:悪い (9)射出成形性:型締め圧120トンの射出成形機を
用い、成形温度220℃、金型温度40℃、射出速度5
5mm/秒、射出圧力600kg/cm、保圧圧力4
00kg/cm、射出時間6秒、冷却時間45秒で1
3.5×13.5×2mmのシートを成形した。デラミ
ネーション、表層剥離、変形及び著しく外観を悪化させ
るようなフローマークの有無を目視により判断し、次の
基準で評価した。 ○:良い ×:悪い
【0088】2.実施例及び比較例において用いた試料 (1)オレフィン系共重合体ゴム(a):Nordel
IP 4520(EPDM、ポリオレフィンの結晶化
度1wt%以下、ムーニー粘度(ML1+4、試験温度
100℃):35、比重:0.86;Dupont D
ow Elastomers社製) (2)ニトリル−ブタジエンゴム(b):Baymod
N 34.82(商標;NBR;Bayer社製)ア
クリロニトリル量:33%、ムーニー粘度(M
1+4、試験温度100℃):70、比重:0.98 (3)末端水酸基含有液状ポリブタジエン成分(c):
R−45HT(出光石油化学株式会社製)、官能基とし
て水酸基(0.83mol/kg)と共重合反応性不飽
和二重結合(1,4結合:80%)を含有、数平均分子
量2800 (4)有機過酸化物成分(d):パーヘキサ25B
(2,5−ジメチル2,5−ジ−(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン)(商標;日本油脂株式会社製)、
活性酸素量:9.92%、分子量:290.45、1分
間半減期を得るための分解温度:179.8℃ (5)エステル系架橋助剤成分(e):TMPT(Tr
imethylol Propane Trimeth
acrylate;新中村化学株式会社製)分子量:3
38、 (6)不飽和グリシジル化合物成分(f):グリシジル
メタクリレート(GMA)(日本油脂株式会社製) (7)不飽和カルボン酸成分(g):無水マレイン酸
(MAH)(日本油脂株式会社製) (8)水添ブロック共重合体成分(h);セプトン40
77(SEPS;クラレ株式会社製)、スチレン含有
量:30重量%、数平均分子量:260,000、重量
平均分子量:320,000、分子量分布:1.23、
水素添加率:90%以上 (9)軟化剤成分(i):ダイアナプロセスオイル P
W−90(鉱物油;出光興産株式会社製) (10)オレフィン系樹脂成分(j):PP−BC8
(ポリプロピレン(PP);日本ポリケム株式会社
製)、結晶化度:Tm166℃、△H82mJ/mg、
MFR1.8g/10分 (11)無機充填剤成分(k):緑泥石(CR―33
0)(三共精粉株式会社製);MgO:41%、SiO
:25%、Al:20%、平均粒径:10.6
μm (12)ヒンダードフェノール/フォスファイト/ラク
トン系複合酸化防止剤成分(l):HP2215(チバ
スペシャリティケミカルズ製)
【0089】実施例1〜3、比較例1〜6 表1及び2に示す量の各成分を用い、20リットルの加
圧ニーダーに配合物を投入して、蒸気圧はゲージ圧で
3.0kg/cm、180℃になるまで、10分間混
練を行った。その後、先端部に回転式カッターを有する
L/D=20、混練温度140℃、スクリュー回転数8
0rpmで単軸押出機にてペレット化した。次に、得ら
れたペレットを射出成形して試験片を作成し、夫々の試
験に供した。評価結果を表1及び2に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】表1より明らかなように、実施例1〜3の
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、任意成分であ
る成分(e)〜(l)の有無にかかわらず、いずれの熱
可塑性エラストマー組成物も良好な性状を示した。
【0093】また、実施例1において、成分(h)の一
部又は全部をタフテックP JT−90C(旭化成社製
スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合
体;SBBS、スチレン含有量30重量%、重量平均分
子量(Mw):110,000、数平均分子量(M
n):99,000、分子量分布:1.11、ブタジエ
ンブロックの水素添加率:75.1%、(1,2−ブタ
ジエンの水素添加率92.7%、1,4−ブタジエンの
水素添加率61.0%))に置換しても同様に良好な結
果が得られた。なお、上記水素添加率は後述するH−
NMR測定により測定した。
【0094】共役ジエンブロック部分の水素添加率測定
方法は、試料をNMRサンプル管(5mmφ)に採取
し、重水素化クロロホルムを添加後、充分に溶解し、核
磁気共鳴装置(NMR)日本電子製GSX−400型を
用い常温、400MHz、3029回の積算にてH−
NMR測定を行った。
【0095】一方、表2より明らかなように、比較例1
及び2は、成分(b)の配合量を本発明の範囲外にした
ものである。成分(b)が少な過ぎると、得られる熱可
塑性エラストマー組成物の成形性、耐油性が悪化する。
成分(b)が多過ぎると、得られる熱可塑性エラストマ
ー組成物の粘着性が激しくなり、剥離や変形及びフロー
マークが成形品に生じ易くなる。また、機械特性の低下
も顕著となる。比較例3及び4は、成分(c)の配合量
を本発明の範囲外にしたものである。成分(c)が少な
過ぎると、成分(b)と成分(a)や他の化合物との相
溶性が充分でなく、得られる熱可塑性エラストマー組成
物から成る成形品に表層剥離やフローマークが生じ成形
性が悪化する。成分(c)が多過ぎても得られる熱可塑
性エラストマー組成物の成形性が悪くなる。また、機械
特性が低下する。比較例5及び6は、成分(d)の配合
量を本発明の範囲外にしたものである。成分(d)が少
な過ぎると、十分な極性基が導入及び架橋ができず、得
られる熱可塑性エラストマー組成物の成形性が悪化す
る。成分(d)が多過ぎても得られる熱可塑性エラスト
マー組成物の成形性が悪くなる。また、粘着性が激しく
なる。
【0096】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、耐熱変形性、耐油性、押出成形性及び射出成形性等
に優れるため、自動車の内外装部材、建築用部材、家電
用部材等の材料として用いることができ、特に、燃料油
に対する耐油性に優れるため、自動車のエンジン周辺部
材や燃料系周辺部材などの耐油性が必要とされる部分の
材料として使用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 15/00 C08L 15/00 23/00 23/00 53/02 53/02 (72)発明者 須加 貴明 東京都中央区日本橋本町3丁目11番5号 リケンテクノス株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AC07X AC113 BB05W BB15W BP014 DA039 DE139 DE189 DE239 DJ009 DJ019 DJ039 DJ049 DJ059 EF049 EF079 EH039 EH077 EH149 EK036 EK046 EK056 EK086 EL038 EU197 EW049 FA049 FD019 FD029 GL00 GN00 GQ01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)オレフィン系共重合体ゴム100
    重量部に対して(b)不飽和ニトリル−共役ジエン系共
    重合体ゴム及び/又はその水添物25〜400重量部、
    (c)末端に水酸基を有する液状ポリブタジエン1〜5
    0重量部、及び(d)有機過酸化物0.01〜3重量部
    を含有する組成物を溶融混練して得られる熱可塑性エラ
    ストマー組成物。
  2. 【請求項2】 (e)エステル系架橋助剤0.1〜20
    重量部を更に含有することを特徴とする請求項1に記載
    の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 (f)不飽和グリシジル化合物又はその
    誘導体0.1〜5重量部を更に含有することを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成
    物。
  4. 【請求項4】 (g)不飽和カルボン酸又はその誘導体
    0.1〜5重量部を更に含有することを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物。
  5. 【請求項5】 (a)オレフィン系共重合体ゴムが、D
    SC測定によるポリオレフィンの結晶化度が20wt%
    以下、ムーニー粘度(ML1+4、試験温度100℃)
    が7〜90である請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】 (b)不飽和ニトリル−共役ジエン系共
    重合体ゴム及び/又はその水添物の共重合に関与する不
    飽和ニトリル含量が25〜45重量%であり、ムーニー
    粘度(ML1+4、試験温度100℃)が20〜120
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 【請求項7】 (h)芳香族ビニル化合物を主体とする
    重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合
    物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とか
    らなるブロック共重合体、及び/又はこれを水素添加し
    て得られる水添ブロック共重合体1〜30重量部を更に
    含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 【請求項8】 (i)ゴム用軟化剤1〜80重量部を更
    に含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  9. 【請求項9】 (j)オレフィン系樹脂3〜150重量
    部を更に含有することを特徴とする請求項1〜8のいず
    れか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  10. 【請求項10】 (k)無機充填剤1〜150重量部を
    更に含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の熱可塑性エラストマー組成物を成形加工してなる自動
    車内外装部材、建築用部材又は家電用部材。
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