JP4491952B2 - 電磁弁駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に設けられた電磁弁のうち、インジェクタへ高圧燃料を供給するための高圧燃料ポンプの電磁弁を駆動する電磁弁駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電磁弁駆動装置では、電磁弁のコイルへ電流を流すための電流経路に直列に設けられたスイッチング素子をオンさせることにより、上記コイルに電流を流して、電磁弁を駆動させる(つまり、電磁弁の弁体をコイルへの通電時の動作位置(以下、単に「通電時の動作位置」ともいう)に移動させる)ようにしている。
【0003】
そして、この種の電磁弁駆動装置として、例えば特公平4−42805号公報には、電磁弁のコイルへの通電開始時から所定時間が経過するまでの間は、コイルに流れる通電電流が所定のピーク電流Ipとなるようにスイッチング素子を制御して、弁体を速やかに動作させ、その後は、コイルに流れる通電電流が弁体の位置を保持可能な程度に低い保持電流Ih(<Ip)となるようにスイッチング素子を制御する、といったものが記載されている。
【0004】
つまり、上記公報に記載の電磁弁駆動装置では、コイルへの通電開始時から所定時間だけ、コイルに大きな電流Ipを流すようにすることにより、電磁弁の駆動応答性(コイルへの通電開始時から弁体が通電時の動作位置に到達するまでの応答性)と、低消費電力化とを両立させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電磁弁の駆動応答性を高めるためには、コイルへの通電開始時の通電電流をより大きくすれば良いが、車両に設けられた電磁弁を駆動する場合を考えると、以下の問題がある。
【0006】
即ち、電磁弁においては、コイルへの通電開始時の通電電流が大きいほど、弁体の動作が早くなり、その弁体が通電時の動作位置に到達した時に発生する動作音(所謂、突き当て音)が大きくなる。
そして、こうした電磁弁の動作音は、車両が走行している場合には、エンジン音や走行音(路面からの音や風切り音)などによってマスキングされてしまうため、特に問題とはならないが、エンジンがアイドリング状態の停車時には、走行音が無くエンジン音も小さいため、車両の搭乗者に聞こえて違和感や不快感を与える可能性がある。
【0007】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、電磁弁の動作音が車両の搭乗者に聞こえてしまうことを防止して、車室内の静粛性を保つことができる電磁弁駆動装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
まず、参考発明について説明する。
第1参考発明の電磁弁駆動装置は、車両に設けられた電磁弁のコイルに通電して該電磁弁を駆動させるが、特に、車両のエンジンがアイドリング状態であるか否かを判定する判定手段と、通電電流抑制手段とを備えている。
【0009】
そして、通電電流抑制手段は、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合に、前記コイルへの通電開始時の通電電流を、判定手段により否定判定されている場合(つまり、エンジンがアイドリング状態ではないと判定されている場合)よりも小さくする。
【0010】
つまり、エンジンがアイドリング状態の時には、車室内が走行時よりも格段に静かになって電磁弁の動作音(弁体が通電時の動作位置に到達した時に発生する音)が聞こえてしまうという点に着目し、エンジンのアイドリング時には、そうでない場合よりもコイルへの通電開始時の通電電流を小さくするようにしている。
【0011】
このため、電磁弁の動作音が車両の搭乗者に聞こえてしまうことを防止して、車室内の静粛性を保つことができる。
次に、第2参考発明の電磁弁駆動装置では、上記第1参考発明の電磁弁駆動装置において、更に、通電開始タイミング補正手段を備えている。そして、この通電開始タイミング補正手段は、前記判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合に、電磁弁のコイルへの通電開始タイミングを、前記判定手段により否定判定されている場合よりも早くする。
【0012】
つまり、コイルへの通電開始時の通電電流を小さくすると、電磁弁の駆動応答性が低下するため、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると判定されて、通電電流抑制手段によりコイルへの通電開始時の通電電流が小さくなる場合には、コイルへの通電開始タイミングを早めるようにしている。
【0013】
このため、第2参考発明の電磁弁駆動装置によれば、車室内の静粛性を保つことができる上に、判定手段によってエンジンがアイドリング状態であると判定されている場合と、そうでない場合とで、電磁弁の弁体が通電時の動作位置に到達するタイミングを同じにすることができ、非常に有利である。
【0014】
尚、通電開始タイミング補正手段がコイルへの通電開始タイミングを早める時間は、通電電流抑制手段がコイルへの通電電流を小さくする分の電流値に基づいて予め設定すれば良い。つまり、コイルへの通電を開始した時から弁体が通電時の動作位置に到達するまでの時間(駆動応答時間)は、コイルへの通電電流に依存し、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると判定される場合の駆動応答時間と、そうでない場合の駆動応答時間との差分は、通電電流抑制手段がコイルへの通電電流を小さくする分の電流値から求めることができるため、その駆動応答時間の差分を、通電開始タイミング補正手段がコイルへの通電開始タイミングを早める時間として設定しておけば、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると判定されている場合と、そうでない場合とで、電磁弁の弁体が通電時の動作位置に到達するタイミングを同じにすることができる。
【0016】
次に、本発明について説明する。
まず、請求項1の電磁弁駆動装置が駆動対象としている電磁弁は、車両のエンジンに燃料を噴射するインジェクタへ高圧燃料を供給するための高圧燃料ポンプに用いられる電磁弁であって、前記エンジンの回転に同期して駆動されることで前記高圧燃料ポンプから高圧燃料を吐出させる電磁弁である。
そして、請求項1の電磁弁駆動装置は、前記電磁弁のコイルへ電流を流すための電流経路に直列に設けられて、オンされることにより前記コイルに電流を流して前記電磁弁を駆動するスイッチング素子と、該スイッチング素子をオンさせるための駆動信号を前記エンジンの回転に同期して出力する駆動信号出力手段と、該駆動信号出力手段から前記駆動信号が出力されている間、前記コイルに流れる通電電流が所定の電流制限値となるように前記スイッチング素子をオンさせる通電制御手段と、前記駆動信号出力手段が前記駆動信号を出力した時点から所定条件が成立するまでの第1期間中は、前記通電制御手段における電流制限値を第1の電流制限値に設定し、前記所定条件が成立してから前記駆動信号の出力が停止されるまでの第2期間中は、前記通電制御手段における電流制限値を、前記第1の電流制限値よりも小さい第2の電流制限値に設定する電流制限値設定手段とを備えている。
【0017】
このため、請求項1の電磁弁駆動装置では、駆動信号出力手段から駆動信号が出力されると、その時点から所定条件が成立するまでの間(第1期間中)は、電磁弁のコイルに流れる通電電流が第1の電流制限値となるようにスイッチング素子がオンされ、上記所定条件が成立してから駆動信号が出力されなくなるまでの間(第2期間中)は、コイルの通電電流が第2の電流制限値(<第1の電流制限値)となるようにスイッチング素子がオンされることとなる。そして、このような通電制御により、電磁弁の駆動応答性と通電電流の低減(延いては、低消費電力化)とが達成される。
【0018】
尚、上記所定条件としては、駆動信号出力手段が駆動信号を出力した時点から所定時間が経過した、という条件でも良いし、また例えば、駆動信号出力手段が駆動信号を出力した時点からコイルの通電電流が電流制限値設定手段により設定されている電流制限値に達した、という条件でも良い。
【0019】
ここで特に、請求項1の電磁弁駆動装置は、車両のエンジンがアイドリング状態であるか否かを判定する判定手段と、電流制限値変更手段とを備えている。そして、電流制限値変更手段は、判定手段によってエンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合に、前記電流制限値設定手段が前記第1期間中に設定する電流制限値を、前記第1の電流制限値よりも小さく且つ前記第2の電流制限値よりは大きい第3の電流制限値に変更する。
【0020】
このため、請求項1の電磁弁駆動装置では、前述した第1参考発明の電磁弁駆動装置と同様に、判定手段によってエンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合には、そうでない場合よりもコイルへの通電開始時の通電電流が小さくなる(第1の電流制限値よりも小さい第3の電流制限値となる)。
【0021】
よって、この電磁弁駆動装置によれば、電磁弁の駆動応答性と低消費電力化とを両立させることができると共に、電磁弁の動作音が車両の搭乗者に聞こえてしまうことを防止して、車室内の静粛性を保つことができる。尚、言うまでもないが、第1の電流制限値と第3の電流制限値は、電磁弁の弁体を非通電時の位置から通電時の動作位置へと変化させることが可能な通電電流の値であり、第2の電流制限値は、電磁弁の弁体を通電時の動作位置に保持可能な通電電流の値である。
【0022】
更に、請求項1の電磁弁駆動装置において、駆動信号出力手段は、前記判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合に、前記駆動信号の出力開始タイミングを、前記判定手段により否定判定されている場合よりも早くするように構成されている。
【0023】
つまり、前述した第2参考発明の電磁弁駆動装置と同様に、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると判定されてコイルへの通電開始時の通電電流が小さくなる場合には、コイルへの通電開始タイミングを早めるようにしている。
【0024】
このため、車室内の静粛性を保つことができる上に、判定手段によってエンジンがアイドリング状態であると判定されている場合と、そうでない場合とで、電磁弁の弁体が通電時の動作位置に到達するタイミングを同じにすることができ、非常に有利である。
【0025】
そして特に、請求項1の電磁弁駆動装置において、駆動信号出力手段が駆動信号の出力開始タイミングを早める時間は、前記第1の電流制限値と前記第3の電流制限値との差分に基づいて予め設定されている。つまり、前述したように、コイルへの通電を開始した時から弁体が通電時の動作位置に到達するまでの時間(駆動応答時間)は、コイルへの通電電流に依存する。そして、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると判定される場合の駆動応答時間と、そうでない場合の駆動応答時間との差分は、コイルへの通電電流を減少させる分であって、請求項1の電磁弁駆動装置では、第1の電流制限値と第3の電流制限値との差分から求めることができる。よって、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると判定される場合の駆動応答時間と、そうでない場合の駆動応答時間との差分を、第1の電流制限値と第3の電流制限値との差分から求め、その求めた駆動応答時間の差分を、駆動信号出力手段が駆動信号の出力開始タイミングを早める時間として設定しておけば、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると判定されている場合と、そうでない場合とで、電磁弁の弁体が通電時の動作位置に到達するタイミングを同じにすることができる。
【0026】
次に、請求項2の電磁弁駆動装置が駆動対象としている電磁弁も、車両のエンジンに燃料を噴射するインジェクタへ高圧燃料を供給するための高圧燃料ポンプに用いられる電磁弁であって、前記エンジンの回転に同期して駆動されることで前記高圧燃料ポンプから高圧燃料を吐出させる電磁弁である。
そして、請求項2の電磁弁駆動装置は、前記電磁弁のコイルへ電流を流すための電流経路に直列に設けられて、オンされることにより前記コイルに電流を流して前記電磁弁を駆動するスイッチング素子と、該スイッチング素子をオンさせるための駆動信号を前記エンジンの回転に同期して出力する駆動信号出力手段と、該駆動信号出力手段から前記駆動信号が出力されている間、前記コイルに流れる通電電流が、設定された電流制限値となるように前記スイッチング素子をオンさせる通電制御手段と、その通電制御手段における前記電流制限値を設定する電流制限値設定手段と、車両のエンジンがアイドリング状態であるか否かを判定する判定手段とを備えている。
【0027】
そして、この請求項2の電磁弁駆動装置において、電流制限値設定手段は、判定手段によりエンジンがアイドリング状態ではないと否定判定されているならば、駆動信号出力手段が駆動信号を出力した時点からの通電制御手段における電流制限値を、第1の電流制限値に設定すると共に、前記コイルに流れる通電電流が前記第1の電流制限値に達すると、その時点から前記駆動信号の出力が停止されるまでの間は、通電制御手段における電流制限値を前記第1の電流制限値よりも小さい第2の電流制限値に設定する。
【0028】
また、電流制限値設定手段は、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると肯定判定されているならば、駆動信号出力手段が駆動信号を出力した時点から所定時間が経過するまでの間は、通電制御手段における電流制限値を前記第1の電流制限値よりも小さく且つ前記第2の電流制限値よりは大きい第3の電流制限値に設定し、前記所定時間が経過してから駆動信号の出力が停止されるまでの間は、通電制御手段における電流制限値を前記第2の電流制限値に設定する。
【0029】
尚、この電磁弁駆動装置においても、第1の電流制限値と第3の電流制限値は、電磁弁の弁体を非通電時の位置から通電時の動作位置へと変化させることが可能な通電電流の値であり、第2の電流制限値は、電磁弁の弁体を通電時の動作位置に保持可能な通電電流の値である。
【0030】
このような請求項2の電磁弁駆動装置において、判定手段によりエンジンがアイドリング状態ではないと否定判定されている場合には、駆動信号出力手段から駆動信号が出力されると、その時点からコイルに流れる通電電流が前記第1の電流制限値に達するまで、スイッチング素子が継続してオンされ、コイルの通電電流が第1の電流制限値に達すると、その時点から駆動信号が出力されなくなるまでの間は、コイルの通電電流が第2の電流制限値(<第1の電流制限値)となるようにスイッチング素子がオンされることとなる。
【0031】
また、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合には、駆動信号出力手段から駆動信号が出力されると、その時点から所定時間が経過するまでの間は、コイルの通電電流が前記第1の電流制限値よりも小さく且つ前記第2の電流制限値よりは大きい第3の電流制限値となるようにスイッチング素子がオンされ、上記所定時間が経過してから駆動信号が出力されなくなるまでの間は、コイルの通電電流が前記第2の電流制限値となるようにスイッチング素子がオンされることとなる。
【0032】
そして、請求項2の電磁弁駆動装置では、判定手段により否定判定されている場合と肯定判定されている場合との上記2種類の通電制御により、電磁弁の駆動応答性と通電電流の低減(延いては、低消費電力化)とが達成されるが、この電磁弁駆動装置においても、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると判定されている場合には、そうでない場合よりも、コイルへの通電開始時の通電電流が小さくなる(第1の電流制限値よりも小さい第3の電流制限値となる)。
【0033】
よって、この請求項2の電磁弁駆動装置によっても、電磁弁の駆動応答性と低消費電力化とを両立させることができると共に、電磁弁の動作音が車両の搭乗者に聞こえてしまうことを防止して、車室内の静粛性を保つことができる。
また更に、請求項2の電磁弁駆動装置では、判定手段によってエンジンがアイドリング状態であると判定された場合に、駆動信号出力手段が駆動信号を出力した時点からの通電制御手段における電流制限値を第1の電流制限値から第3の電流制限値へと変更するだけではなく、通電制御手段における電流制限値を第3の電流制限値に設定した状態を、予め定められた所定時間だけ継続するようにしているため、電磁弁の動作音を抑制しつつ弁体を確実に通電時の動作位置へと移動させることができる。
【0034】
しかも、請求項2の電磁弁駆動装置において、駆動信号出力手段は、前記判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合に、前記駆動信号の出力開始タイミングを、前記判定手段により否定判定されている場合よりも早くするように構成されている。つまり、前述した第2参考発明の電磁弁駆動装置と同様に、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると判定されてコイルへの通電開始時の通電電流が小さくなる場合には、コイルへの通電開始タイミングを早めるようにしている。
【0035】
このため、車室内の静粛性を保つことができる上に、判定手段によってエンジンがアイドリング状態であると判定されている場合と、そうでない場合とで、電磁弁の弁体が通電時の動作位置に到達するタイミングを同じにすることができ、非常に有利である。
【0036】
特に、請求項2の電磁弁駆動装置において、駆動信号出力手段が駆動信号の出力開始タイミングを早める時間は、前述した請求項1の装置と同様に、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると判定されている場合と、そうでない場合とで、電磁弁の弁体が通電時の動作位置に到達するタイミングが同じになるように、前記第1の電流制限値と前記第3の電流制限値との差分に基づき予め設定されている。
【0037】
次に、請求項3の電磁弁駆動装置が駆動対象としている電磁弁も、車両のエンジンに燃料を噴射するインジェクタへ高圧燃料を供給するための高圧燃料ポンプに用いられる電磁弁であって、前記エンジンの回転に同期して駆動されることで前記高圧燃料ポンプから高圧燃料を吐出させる電磁弁である。
そして、請求項3の電磁弁駆動装置は、前記電磁弁のコイルへ電流を流すための電流経路に直列に設けられて、オンされることにより前記コイルに電流を流して前記電磁弁を駆動するスイッチング素子と、該スイッチング素子をオンさせるための駆動信号を前記エンジンの回転に同期して出力する駆動信号出力手段と、駆動制御手段とを備えている。
【0038】
そして、駆動制御手段は、駆動信号出力手段が駆動信号を出力した時点から所定条件が成立するまでの間は、前記コイルに流れる通電電流が、電磁弁の弁体を前記コイルへの通電時の動作位置(以下、「通電動作位置」ともいう)に移動させることが可能な所定の弁体動作用電流値となるように前記スイッチング素子をオンさせる初期通電制御を行い、前記所定条件が成立してから前記駆動信号の出力が停止されるまでの間は、前記コイルに流れる通電電流が、前記弁体を前記通電動作位置に保持可能で且つ前記弁体動作用電流値よりも小さい所定の保持電流値にまで減少したか否かを判定して、前記通電電流が前記保持電流値にまで減少したと判定する度に前記スイッチング素子を一定時間だけオンさせることにより、前記コイルの通電電流を前記保持電流値付近に制御する。
【0039】
このため、請求項3の電磁弁駆動装置では、駆動信号出力手段から駆動信号が出力されると、その時点から所定条件が成立するまでの間は、電磁弁のコイルに流れる通電電流が上記弁体動作用電流値となるようにスイッチング素子がオンされ、上記所定条件が成立してから駆動信号が出力されなくなるまでの間は、コイルの通電電流が上記保持電流値にまで減少する度にスイッチング素子が一定時間だけオンされることにより、コイルの通電電流が上記保持電流値付近に維持される。そして、このような通電制御により、電磁弁の駆動応答性と通電電流の低減(延いては、低消費電力化)とが達成される。
【0040】
尚、上記所定条件としては、駆動信号出力手段が駆動信号を出力した時点から所定時間が経過した、という条件や、駆動信号出力手段が駆動信号を出力した時点からコイルの通電電流が所定の弁体動作用電流値に達した、という条件が考えられる。
【0041】
ここで特に、請求項3の電磁弁駆動装置は、車両のエンジンがアイドリング状態であるか否かを判定する判定手段と、電流値変更手段とを備えている。そして、電流値変更手段は、判定手段によってエンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合に、前記駆動制御手段が前記初期通電制御で前記コイルに流そうとする前記弁体動作用電流値を、判定手段により否定判定されている場合(つまり、エンジンがアイドリング状態ではないと判定されている場合)よりも小さくする。
【0042】
このため、請求項3の電磁弁駆動装置においても、判定手段によってエンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合には、そうでない場合よりも、コイルへの通電開始時の通電電流が小さくなる。
よって、この請求項3の電磁弁駆動装置によっても、電磁弁の駆動応答性と低消費電力化とを両立させることができると共に、電磁弁の動作音が車両の搭乗者に聞こえてしまうことを防止して、車室内の静粛性を保つことができる。
【0043】
そして更に、請求項3の電磁弁駆動装置では、コイルの通電電流を保持電流値付近に制御する期間(即ち、上記所定条件が成立してから駆動信号の出力が停止されるまでの期間であり、以下、保持通電期間という)において、コイルの通電電流が上記保持電流値にまで減少する度にスイッチング素子を一定時間だけオンさせるようにしているため、その保持通電期間中において、コイルの通電電流が保持電流値を下回ることがなく、電磁弁の弁体を確実に通電動作位置に保持させることができる。また、保持電流値の決定が容易になるという点でも有利である。
【0044】
しかも、請求項3の電磁弁駆動装置において、駆動信号出力手段は、前記判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合に、前記駆動信号の出力開始タイミングを、前記判定手段により否定判定されている場合よりも早くするように構成されている。つまり、前述した第2参考発明の電磁弁駆動装置と同様に、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると判定されてコイルへの通電開始時の通電電流が小さくなる場合には、コイルへの通電開始タイミングを早めるようにしている。
【0045】
このため、車室内の静粛性を保つことができる上に、判定手段によってエンジンがアイドリング状態であると判定されている場合と、そうでない場合とで、電磁弁の弁体が通電動作位置に到達するタイミングを同じにすることができ、非常に有利である。
【0046】
特に、請求項3の電磁弁駆動装置において、駆動信号出力手段が駆動信号の出力開始タイミングを早める時間は、判定手段によりエンジンがアイドリング状態であると判定されている場合と、そうでない場合とで、電磁弁の弁体が通電動作位置に到達するタイミングが同じになるように、電流値変更手段が前記弁体動作用電流値を小さくする分の値に基づいて予め設定されている。
【0047】
尚、高圧燃料ポンプに用いられる電磁弁は、エンジンの回転に同期して断続的に駆動されることとなるため、電磁弁の動作音が“カタカタ”といった断続音となり、車両の搭乗者に一層大きな違和感や不快感を与えてしまうが、上記請求項1〜3の電磁弁駆動装置によれば、そのような問題を確実に防止することができる。更に、判定手段によってエンジンがアイドリング状態であると判定されている場合と、そうでない場合とで、電磁弁の弁体が通電時の動作位置に到達するタイミングを同じにすることができるため、エンジンへの適切な燃料供給を確実に維持することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施形態の電磁弁駆動装置としての電子制御装置について、図面を用いて説明する。尚、本実施形態の電子制御装置は、車両に搭載された直噴式エンジンの制御システムにおいて、その直噴式エンジンへ供給する燃料の圧力を調節するための高圧燃料ポンプに用いられる電磁弁を駆動するものである。
【0050】
まず図1は、第1実施形態の直噴式エンジンの制御システムを表す構成図であり、図2は、高圧燃料ポンプを表す構成図である。
図1に示すように、本実施形態の直噴式エンジンの制御システムでは、燃料タンク1から低圧ポンプ2によって汲み上げられた燃料が、高圧燃料ポンプ3に送られ、その高圧燃料ポンプ3で所定の圧力にまで高められてから、インジェクタ(電磁式燃料噴射弁)4に供給される。そして、インジェクタ4が、エンジンの燃焼室5内に燃料を直接噴射する。
【0051】
また、高圧燃料ポンプ3は、図2に示すように、電磁弁6と、エンジンのカム軸7の回転に応じて昇降するピストン8と、該ピストン8の昇降によって容積が増減すると共に、インジェクタ4への燃料供給経路10に連通した燃料室9とを備えている。
【0052】
尚、本実施形態において、電磁弁6は、コイルLへの非通電時に、弁体6aがリターンスプリング6bの付勢力によって低圧ポンプ2からの燃料供給経路11と燃料室9とを連通させる開弁位置に移動し、コイルLへの通電時に、弁体6aがリターンスプリング6bの付勢力に抗して上記燃料供給経路11と燃料室9とを遮断させる通電動作位置としての閉弁位置に移動するノーマルオープン形のものである。
【0053】
そして、この高圧燃料ポンプ3では、低圧ポンプ2からの燃料を燃料室9に送る時(即ち、ピストン8が下降する時)に、電磁弁6のコイルLが非通電とされて該電磁弁6が開弁し(弁体6aが上記開弁位置に移動し)、また、燃料室9内の圧力を高めて該燃料室9内の燃料をインジェクタ4へ吐出させる時(即ち、ピストン8が上昇する時)に、電磁弁6のコイルLが通電されて該電磁弁6が閉弁する(弁体6aが上記閉弁位置に移動する)。
【0054】
また、上記電磁弁6のコイルLへの通電期間(即ち、通電開始タイミング及び通電継続時間)は、車両に搭載されたバッテリ12の電力を受けて動作する電磁弁駆動装置としての電子制御装置13により、カム軸7やエンジンのクランク軸の回転に同期して制御される。
【0055】
次に、このような電磁弁6の制御を行う電子制御装置13は、図3に示すように、電磁弁6のコイルLへバッテリ12から電流を流すための電流経路に直列に設けられて、オンされることによりコイルLに電流Iを流して電磁弁6を駆動(この例では閉弁駆動)させるスイッチング素子としてのNチャネルMOSFET21と、エンジンのクランク軸回転センサからクランク軸の回転角度に応じて出力されるクランク軸回転信号及びカム軸回転センサから上記カム軸7の回転角度に応じて出力されるカム軸回転信号に基づいて、上記MOSFET21をオンさせるためのハイレベルの駆動信号SDを出力するマイクロコンピュータ(以下、マイコンともいう)23とを備えている。
【0056】
尚、この例では、バッテリ12のプラス側端子にコイルLの一端が接続され、そのコイルLの他端にMOSFET21のドレインが接続された、所謂ロウサイドのスイッチング形式を採っている。また、コイルLの両端間には、MOSFET21のオフ時に該コイルLに残留したエネルギを環流させるためのダイオード25が接続されている。一方、マイコン23には、アクセルペダルの操作量が零の時にオンするアイドルスイッチからのアイドルスイッチ信号も入力されている。
【0057】
そして更に、電子制御装置13は、マイコン23からハイレベルの駆動信号SDが出力されている間、コイルLに流れる通電電流Iが所定の電流制限値となるようにMOSFET21をオンさせる通電制御回路27と、マイコン23がハイレベルの駆動信号SDを出力した時点から所定時間T2が経過するまでの間、上記通電制御回路27における電流制限値をピーク電流としての第1の電流制限値Ipに設定し、所定時間T2が経過すると、上記通電制御回路27における電流制限値を第1の電流制限値Ipよりも小さい保持電流としての第2の電流制限値Ihに設定する電流制限値設定回路29とを備えている。
【0058】
ここで、通電制御回路27は、MOSFET21のソースとグランド(バッテリ12のマイナス端子側)との間に接続された電流検出用抵抗31と、この電流検出用抵抗31に発生する電圧であって、コイルLに流れる通電電流Iに比例した電圧Viが、非反転入力端子(+)に入力されたコンパレータ33と、コンパレータ33の出力がセット端子Sに入力されたSRラッチ35と、このSRラッチ35の出力を反転するインバータ37と、インバータ37の出力とマイコン23からの駆動信号SDとの論理積信号を、MOSFET21のゲートに印加するアンドゲート39と、SRラッチ35の出力端子Qに自身の入力端子Tが接続され、SRラッチ35からハイレベル信号が出力されると、内部カウンタのカウント動作を開始して、予め設定されたオフ時間としての一定時間T1のカウント(計時)を完了すると、自身の出力端子Qの出力をハイレベルに反転させ、また、SRラッチ35からロウレベル信号が出力されると、上記内部カウンタをリセットすると共に、自身の出力端子Qの出力をロウレベルに反転させるタイマ41と、タイマ41の出力端子Qの出力とマイコン23からの駆動信号SDとの論理積信号を、SRラッチ35のリセット端子Rに出力するアンドゲート43と、から構成されている。
【0059】
また、電流制限値設定回路29は、バッテリ電圧(バッテリ12の電圧)VBを元に当該電子制御装置13内で生成される安定した電源電圧VCとグランドとの間に直列に接続された4つの抵抗51,52,53,54と、そのうちの2つ目の抵抗52と3つ目の抵抗53との接続点にコレクタが接続され、グランドにエミッタが接続された基準電圧切替用のNPNトランジスタ55と、マイコン23からの駆動信号SDが自身の入力端子Tに入力され、その駆動信号SDがロウレベルからハイレベルに立ち上がると、内部カウンタをリセットして自身の出力端子Qから上記トランジスタ55のベースへロウレベル信号を出力すると共に、カウント動作を開始し、上記所定時間T2のカウントを完了すると、自身の出力端子Qの出力をハイレベルに反転させて上記トランジスタ55をオンさせるタイマ57と、から構成されている。そして、上記4つの抵抗51,52,53,54のうちで、電源電圧VC側の2つの抵抗51,52の接続点に発生する電圧が、電流検出用抵抗31に発生する電圧Viと大小比較される基準電圧Vrefとして、コンパレータ33の反転入力端子(−)に印加されている。
【0060】
また更に、電子制御装置13は、上記4つの抵抗51,52,53,54のうちのグランド側の1つの抵抗54の両端に、コレクタとエミッタとが接続された基準電圧変更用のNPNトランジスタ61を備えている。そして、このトランジスタ61のベースには、マイコン23から後述する処理によって出力される電流制限値制御信号SPが入力されている。
【0061】
このような電子制御装置13において、上記トランジスタ61と電流制限値設定回路29のトランジスタ55とが両方共にオフしている時には、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第1の電流制限値Ipに相当する電圧Vref(Ip)に設定される。
【0062】
尚、上記4つの抵抗51〜54の抵抗値をR51〜R54とすると、Vref(Ip)は次式で表される。
Vref(Ip)=VC×(R52+R53+R54)/(R51+R52+R53+R54)
そして、第1の電流制限値Ipは、上記電圧Vref(Ip)を電流検出用抵抗31の抵抗値で割った値であり、この第1の電流制限値Ipの値は、MOSFET21がオンされてから上記所定時間T2が経過するまでの間、電磁弁6のコイルLに流れる通電電流Iが当該第1の電流制限値Ipに制限されることにより、電磁弁6の通電時の動作(この例では閉弁動作)が確実に完了するような値に設定されている。
【0063】
また、この電子制御装置13において、電流制限値設定回路29のトランジスタ55がオンしている時には、トランジスタ61のオン/オフに拘わらず、抵抗52と抵抗53との接続点がグランドに短絡された状態となり、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第2の電流制限値Ihに相当する電圧Vref(Ih)に設定される。
【0064】
尚、この電圧Vref(Ih)は次式で表される。
Vref(Ih)=VC×R52/(R51+R52)
そして、第2の電流制限値Ihは、上記電圧Vref(Ih)を電流検出用抵抗31の抵抗値で割った値であり、この第2の電流制限値Ihの値は、電磁弁6の通電時の動作を保持する(換言すれば、弁体6aを閉弁位置に保持する)のに必要な最小限付近の値に設定されている。よって、第2の電流制限値Ihは、第1の電流制限値Ipよりも低い電流値に設定されることとなる。
【0065】
また更に、この電子制御装置13において、電流制限値設定回路29のトランジスタ55がオフしており、且つ、上記トランジスタ61がオンしている時には、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第1の電流制限値Ipよりも小さく且つ第2の電流制限値Ihよりは大きい第3の電流制限値Ip’に相当する電圧Vref(Ip') に設定される。
【0066】
尚、このVref(Ip') は次式で表される。
Vref(Ip') =VC×(R52+R53)/(R51+R52+R53)
そして、第3の電流制限値Ip’は、上記電圧Vref(Ip') を電流検出用抵抗31の抵抗値で割った値である。また、この第3の電流制限値Ip’の値は、第1の電流制限値Ipより小さいものの、MOSFET21がオンされてから上記所定時間T2が経過するまでの間、電磁弁6のコイルLに流れる通電電流Iが当該第3の電流制限値Ip’に制限されても、電磁弁6の通電時の動作が確実に完了するような値に設定されている。
【0067】
一方、この電子制御装置13において、通電制御回路27のタイマ41は、コンパレータ33によってコイルLの通電電流Iが基準電圧Vrefに相当する電流制限値(Ip又はIp’又はIh)を越えていると判定される度に、MOSFET21をオフさせてコイルLへの通電を一時的に停止させる時間(図5,6におけるT1参照)を設定するタイマである。また、電流制限値設定回路29のタイマ57は、マイコン23がハイレベルの駆動信号SDを出力した時点から、通電制御回路27による通電電流Iの電流制限値をIp→Ih或いはIp’→Ihへ切り換えるまでの上記所定時間T2(図5,6参照)を設定するタイマである。
【0068】
次に、電子制御装置13のマイコン23は、クランク軸回転信号及びカム軸回転信号に基づき、電磁弁6のコイルLへの通電期間(通電開始タイミング及び通電継続時間)を設定して、その設定した通電期間の間、ハイレベルの駆動信号SDを出力するが、こうした処理と並行して、図4に示す処理を一定時間毎に繰り返し実行している。
【0069】
即ち、マイコン23は、図4の処理の実行を開始すると、まずステップ110にて、アイドルスイッチ信号を読み込み、続くステップ120にて、上記ステップ110での読み込み結果に基づきアイドルスイッチがオンしているか否か(即ち、アクセルペダルの操作量が零であるか否か)を判定する。
【0070】
ここで、アイドルスイッチがオンしていないと判定した場合には、ステップ130に進んで、そのとき検出されている最新のエンジン回転数をRAM(図示省略)から読み込み、続くステップ140にて、エンジン回転数がアイドル回転数(例えば、400rpmから800rpmまでの回転数)であるか否かを判定する。尚、エンジン回転数は、図示しない他の処理により、クランク軸回転センサからのクランク軸回転信号に基づき、定期的に検出されて上記RAMに記憶されている。
【0071】
そして、エンジン回転数がアイドル回転数ではないと判定した場合には、ステップ150に進み、上記トランジスタ61へ出力する電流制限値制御信号SPをロウレベルに設定して、当該処理を一旦終了する。尚、このロウレベルでの出力状態は、後述するステップ160にて設定が切り換えられるまで継続する。
【0072】
これに対し、上記ステップ120にて、アイドルスイッチがオンしていると判定した場合、或いは、上記ステップ140にて、エンジン回転数がアイドル回転数であると判定した場合には、エンジンがアイドリング状態であると判断してステップ160に移行する。
【0073】
そして、このステップ160にて、上記トランジスタ61へ出力する電流制限値制御信号SPをハイレベルに設定し、その後、当該処理を一旦終了する。尚、このハイレベルでの出力状態は、前述したステップ150にて設定が切り換えられるまで継続する。
【0074】
次に、以上のような電子制御装置13の動作について、図5及び図6のタイムチャートに基づき説明する。尚、図5は、マイコン23からトランジスタ61への電流制限値制御信号SPがロウレベル(Lo)である場合の動作を表しており、図6は、上記電流制限値制御信号SPがハイレベル(Hi)である場合の動作を表している。
【0075】
まず、一旦、電流制限値設定回路29とトランジスタ61とを考慮外におき、コンパレータ33の反転入力端子には、ある電流制限値に相当する基準電圧Vrefが印加されているものとする。
通電制御回路27において、マイコン23からハイレベルの駆動信号SDが出力されると、この時点でインバータ37の出力はハイレベルであるため、アンドゲート39の出力がハイレベルに反転し、このハイレベル信号がMOSFET21のゲートに印加されて該MOSFET21がオンする。これにより、電磁弁6のコイルLへの通電が開始され、該コイルLに突入電流が流れ始める。
【0076】
そして、コンパレータ33により、コイルLに流れている通電電流Iの検出値に相当する電流検出用抵抗31の電圧Viと、その通電電流Iの電流制限値に相当する基準電圧Vrefとが比較され、通電電流Iが電流制限値を越えるまでは(電圧Viが基準電圧Vrefを越えるまでは)、コンパレータ33の出力がロウレベルに維持されて、コイルLへの通電が継続することとなる。尚、この状態は、図5,6において、駆動信号SDがハイレベルに変化してからコイルLの通電電流Iが最初にIp又はIp’に到達するまでの期間として表されている。
【0077】
その後、コイルLの通電電流Iが電流制限値を越えると、その時点でコンパレータ33の出力がハイレベルに反転し、そのハイレベル信号がSRラッチ35のセット端子Sに入力されて、このSRラッチ35の出力端子Qからハイレベル信号が出力される。そして、このハイレベル信号は、インバータ37によりロウレベル信号に反転されてアンドゲート39の一方の入力端子に入力されるため、アンドゲート39の出力がロウレベルに反転し、MOSFET21がオフして、コイルLへの通電が停止される。尚、この状態は、図5,6において、SRラッチ35の出力とMOSFET21のドレイン電圧とがハイレベルになっている期間として表されている。
【0078】
更に、SRラッチ35から出力されるハイレベル信号は、タイマ41の入力端子Tにも入力される。これにより、タイマ41は、SRラッチ35の出力がハイレベルになった時点(MOSFET21がオフされた時点)から内部カウンタのカウント動作を開始し、一定時間T1のカウントを終了すると、アンドゲート43の一方の入力端子にハイレベル信号を出力する。
【0079】
このアンドゲート43の他方の入力端子に入力される駆動信号SDは、電磁弁6の駆動中(通電期間中)はハイレベルであるため、タイマ41からアンドゲート43へハイレベル信号が出力されると、アンドゲート43からSRラッチ35のリセット端子Rにハイレベル信号が出力され、該SRラッチ35がリセットされて、そのSRラッチ35の出力がロウレベルに反転する。そして、このロウレベル信号は、インバータ37によりハイレベル信号に反転されてアンドゲート39の一方の入力端子に入力されるため、アンドゲート39の出力がハイレベルに反転して、MOSFET21が再びオンし、コイルLへの通電が再開される。また、SRラッチ35の出力がロウレベルになると、タイマ41の内部カウンタがリセットされると共に、タイマ41の出力がハイレベルからロウレベルに戻ることとなる。
【0080】
そして、コイルLへの通電再開後は、コンパレータ33によってコイルLの通電電流Iが電流制限値を越えている(電流検出用抵抗31の電圧Viが基準電圧Vrefを越えている)と判定されて該コンパレータ33の出力がハイレベルになるとMOSFET21がオフし、その時点からタイマ41によって計時されるオフ時間としての一定時間T1が経過するとMOSFET21がオンする、という動作を繰り返すこととなり、このような動作によって、コイルLの通電電流Iが電流制限値に制限されると共に、その電流制限値付近に維持される。
【0081】
また、マイコン23からの駆動信号SDがロウレベルになると、アンドゲート39の出力が強制的にロウレベルとなるため、MOSFET21は、コイルLの通電電流Iに拘わらずオフされることとなる。
以上の動作により、通電制御回路27は、マイコン23からハイレベルの駆動信号SDが出力されている間、コイルLの通電電流Iが電流制限値となるようにMOSFET21をオンさせるのである。
【0082】
一方、電流制限値設定回路29においては、マイコン23からハイレベルの駆動信号SDが出力されると、タイマ57が、内部カウンタをリセットしてトランジスタ55のベースへロウレベル信号を出力すると共に、カウント動作を開始する。
【0083】
すると、トランジスタ55がオフすることとなるが、この時、マイコン23からの電流制限値制御信号SPがロウレベルであって基準電圧変更用のトランジスタ61がオフしていれば、前述したように、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第1の電流制限値Ipに相当する電圧Vref(Ip)に設定される。つまり、通電電流Iの電流制限値が第1の電流制限値Ipに設定される。
【0084】
そして、マイコン23がハイレベルの駆動信号SDを出力した時点から所定時間T2が経過すると、タイマ57の出力がハイレベルに反転する。すると、トランジスタ55が再びオンして、前述したように、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第2の電流制限値Ihに相当する電圧Vref(Ih)に設定される。つまり、通電電流Iの電流制限値が第2の電流制限値Ihに設定される。
【0085】
このように、マイコン23からの電流制限値制御信号SPがロウレベルである場合には、図5に示す如く、電流制限値設定回路29は、マイコン23がハイレベルの駆動信号SDを出力した時点から所定時間T2が経過するまでの第1期間中、通電制御回路27における電流制限値(通電電流Iの電流制限値)を第1の電流制限値Ipに設定し、その所定時間T2が経過してからハイレベルの駆動信号SDの出力が停止されるまでの第2期間中、通電制御回路27における電流制限値を第2の電流制限値Ih(<Ip)に設定するのである。
【0086】
これに対し、マイコン23からの電流制限値制御信号SPがハイレベルである場合には、トランジスタ61がオンするため、タイマ57によってトランジスタ55がオフされる上記第1期間中、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefは、第3の電流制限値Ip’(Ip>Ip’>Ih)に相当する電圧Vref(Ip') に設定される。つまり、第1期間中における通電電流Iの電流制限値が、第3の電流制限値Ip’に設定される。
【0087】
このため、マイコン23からの電流制限値制御信号SPがハイレベルである場合には、図6に示す如く、電流制限値設定回路29は、マイコン23がハイレベルの駆動信号SDを出力した時点から所定時間T2が経過するまでの第1期間中、通電制御回路27における電流制限値を第1の電流制限値Ipよりも小さく且つ第2の電流制限値Ihよりは大きい第3の電流制限値Ip’に設定し、その所定時間T2が経過してからハイレベルの駆動信号SDの出力が停止されるまでの第2期間中、通電制御回路27における電流制限値を第2の電流制限値Ihに設定することとなる。
【0088】
このような本第1実施形態の電子制御装置13において、マイコン23により、エンジンがアイドリング状態ではないと判断されている場合(ステップ120:NO及びステップ140:NOの場合)には、当該マイコン23からロウレベルの電流制限値制御信号SPが出力されて(ステップ150)、トランジスタ61がオフするため、図5に示すように、マイコン23からハイレベルの駆動信号SDが出力されると、その時点から所定時間T2が経過するまでの間(第1期間中)は、コイルLの通電電流Iが第1の電流制限値IpとなるようにMOSFET21が断続的にオンされて、電磁弁6が開弁状態から閉弁状態に変化し、上記所定時間T2が経過すると駆動信号SDがロウレベルとなるまでの間、コイルLの通電電流Iが第2の電流制限値Ih(<Ip)となるようにMOSFET21が断続的にオンされて、電磁弁6の閉弁状態が保持されることとなる。そして、このような通電制御により、電磁弁6の駆動応答性(この例では閉弁応答性)と、通電電流Iの低減による低消費電力化とが達成される。
【0089】
これに対して、マイコン23により、エンジンがアイドリング状態であると判断されている場合(ステップ120:YES又はステップ140:YESの場合)には、当該マイコン23からハイレベルの電流制限値制御信号SPが出力されて(ステップ160)、トランジスタ61がオンするため、前述したように、マイコン23がハイレベルの駆動信号SDを出力した時点から所定時間T2が経過するまでの通電電流Iの電流制限値が、第3の電流制限値Ip’に変更される。
【0090】
よって、この場合には、図6に示すように、マイコン23からハイレベルの駆動信号SDが出力されると、その時点から所定時間T2が経過するまでの間(第1期間中)は、コイルLの通電電流Iが第3の電流制限値Ip’となるようにMOSFET21が断続的にオンされて、電磁弁6が開弁状態から閉弁状態に変化することとなるが、この第3の電流制限値Ip’は、第1の電流制限値Ipよりも小さい値であるため、コイルLへの通電開始時の通電電流Iは、マイコン23によってエンジンがアイドリング状態ではないと判断されている図5の場合よりも小さくなる。
【0091】
このため、本第1実施形態の電子制御装置13によれば、電磁弁6の駆動応答性と低消費電力化との両立だけではなく、車室内が静かになるエンジンのアイドリング時において、電磁弁6の動作音が車両の搭乗者に聞こえてしまうことを防止することができ、車室内の静粛性を確保することができるようになる。
【0092】
尚、本第1実施形態では、マイコン23が、駆動信号出力手段に相当している。そして、通電制御回路27が、請求項1の通電制御手段に相当し、電流制限値設定回路29が、請求項1の電流制限値設定手段に相当している。そして更に、図4のステップ120及びステップ140の判定処理が、判定手段に相当し、図4のステップ160の処理とトランジスタ61が、通電電流抑制手段或いは電流制限値変更手段に相当している。
【0093】
ところで、コイルLへの通電開始時の通電電流Iを小さくすると、電磁弁6の駆動応答性が低下する。
即ち、図5,6において、TCは、マイコン23がハイレベルの駆動信号SDを出力してから(コイルLへの通電開始タイミングから)電磁弁6が完全に閉弁するまで(弁体6aが閉弁位置に到達するまで)の閉弁応答時間を示しているが、図5の場合の閉弁応答時間TCをtaとし、図6の場合の閉弁応答時間TCをtbとすると、図6からも分かるように、tbの方がtaよりも若干長くなる。
【0094】
そこで次に、第2実施形態の電子制御装置13では、上記第1実施形態の電子制御装置13に対して、マイコン23が、図4の処理に代えて図7の処理を実行するようにしている。尚、図7において、図4と同じ処理については、同一のステップ番号を付しているため、詳細な説明は省略する。
【0095】
つまり、本第2実施形態の電子制御装置13において、マイコン23は、図7に示すように、エンジンがアイドリング状態であると判断すると(ステップ120:YES又はステップ140:YES)、ステップ155に移行して、応答時間補正制御処理を行う。
【0096】
この応答時間補正制御処理は、図8に示すように、エンジンがアイドリング状態ではないと判断している図5の場合よりも、駆動信号SDをハイレベルに変化させるタイミング(ハイレベルの駆動信号SDの出力開始タイミングであり、コイルLへの通電開始タイミング)を、所定時間TEだけ早めると共に、駆動信号SDをハイレベルに維持する通電期間を、上記所定時間TEだけ長くする、といった内部設定を行う処理である。また、上記所定時間TEは、図8に示す第1の電流制限値Ipと第3の電流制限値Ip’との差分(Ip−Ip’)に基づいて予め設定されている値であり、詳しくは、第1の電流制限値Ipと第3の電流制限値Ip’との差分から、前述したtbとtaとの差分(tb−ta)を予め想定し、その想定した値に設定されている。
【0097】
そして、マイコン23は、このような応答時間補正制御処理を行った後、前述したステップ160にて、トランジスタ61への電流制限値制御信号SPをハイレベルに設定する。
このような本第2実施形態の電子制御装置13によれば、車室内の静粛性を保つことができる上に、図8に示す如く、マイコン23によりエンジンがアイドリング状態であると判断されてコイルLへの通電開始時の通電電流が小さくなる場合には、コイルLへの通電開始タイミングが上記所定時間TEだけ早まるため、エンジンがアイドリング状態であると判断されている場合と、そうでない図5の場合とで、電磁弁6が閉弁するタイミング及び期間を同じにすることができる。よって、エンジンへ供給する燃料の圧力を常に適切に調節することができ、エンジンへの適切な燃料供給を確実に維持することができる。
【0098】
尚、本第2実施形態では、図7のステップ155で行われる応答時間補正制御処理が、通電開始タイミング補正手段に相当している。
次に、第3実施形態の電子制御装置について、図9〜図11を用いて説明する。
【0099】
まず、図9に示すように、第3実施形態の電子制御装置63は、前述した第2実施形態の電子制御装置13と比較すると、電流制限値設定回路29に代えて電流制限値設定回路65を備えている点だけが異なっている。尚、図9において、図3に示した電子制御装置13と同じ構成要素については、同一の符号を付しているため、詳細な説明は省略する。
【0100】
そして、電流制限値設定回路65は、図3の電流制限値設定回路29と比較すると、下記の点が異なっている。
即ち、まず、電流制限値設定回路65には、通電制御回路27を構成するSRラッチ35の出力がセット端子Sに入力されたSRラッチ67と、マイコン23からの駆動信号SDを論理反転させてSRラッチ67のリセット端子Rに出力するインバータ69と、SRラッチ67の出力端子Qとタイマ57の出力端子Qとの何れか一方をトランジスタ55のベースに接続させる信号切替回路71とが、追加されている。
【0101】
そして、信号切替回路71は、マイコン23からの電流制限値制御信号SPがロウレベルである場合(つまり、マイコン23によりエンジンがアイドリング状態ではないと判断されている場合)には、SRラッチ67の出力端子Qをトランジスタ55のベースに接続し、逆に、マイコン23からの電流制限値制御信号SPがハイレベルである場合(つまり、マイコン23によりエンジンがアイドリング状態であると判断されている場合)には、タイマ57の出力端子Qをトランジスタ55のベースに接続する。
【0102】
この電流制限値設定回路65において、SRラッチ67は、マイコン23からの駆動信号SDがロウレベルの時に、インバータ69によりリセットされて、自己の出力がロウレベルとなり、また、SRラッチ35の出力がハイレベルになると、セット状態になって自己の出力がハイレベルとなる。
【0103】
ここで、マイコン23からの電流制限値制御信号SPがロウレベルである場合には、トランジスタ61がオフ状態になると共に、SRラッチ67の出力端子Qがトランジスタ55のベースに接続される。このため、図10に示すように、マイコン23からの駆動信号SDがロウレベルからハイレベルに変化した時点では、トランジスタ55がオフ状態となって、前述したように、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第1の電流制限値Ipに相当する電圧Vref(Ip)に設定されることとなる。つまり、通電電流Iの電流制限値が第1の電流制限値Ipに設定される。
【0104】
そして、マイコン23からの駆動信号SDがハイレベルになったことに伴いMOSFET21がオンして、コイルLの通電電流Iが第1の電流制限値Ipにまで達し、コンパレータ33の出力がハイレベルに反転してSRラッチ35の出力がハイレベルになると、SRラッチ67の出力がロウレベルからハイレベルに変化して、トランジスタ55がオンする。
【0105】
すると、前述したように、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第2の電流制限値Ihに相当する電圧Vref(Ih)に設定される。つまり、通電電流Iの電流制限値が第2の電流制限値Ihに設定される。
このように、マイコン23からの電流制限値制御信号SPがロウレベルである場合には、図10に示す如く、電流制限値設定回路63は、マイコン23がハイレベルの駆動信号SDを出力した時点からの通電制御回路27における電流制限値(通電電流Iの電流制限値)を第1の電流制限値Ipに設定すると共に、コイルLの通電電流Iが第1の電流制限値Ipに達すると、その時点からハイレベルの駆動信号SDの出力が停止されるまでの間(図10にてKaで示す期間)は、通電制御回路27における電流制限値を第2の電流制限値Ih(<Ip)に設定するのである。
【0106】
これに対して、マイコン23からの電流制限値制御信号SPがハイレベルである場合には、トランジスタ61がオンすると共に、タイマ57の出力端子Qがトランジスタ55のベースに接続されるため、電流制限値設定回路65は、第1及び第2実施形態の電流制限値設定回路29と全く同様に機能する。即ち、図11に示すように、マイコン23がハイレベルの駆動信号SDを出力した時点からタイマ57で計時される所定時間T2が経過するまでの間(図11にてKbで示す期間)は、通電制御回路27における電流制限値を第1の電流制限値Ipよりも小さく且つ第2の電流制限値Ihよりは大きい第3の電流制限値Ip’に設定し、その所定時間T2が経過してからハイレベルの駆動信号SDの出力が停止されるまでの間(図11にてKcで示す期間)は、通電制御回路27における電流制限値を第2の電流制限値Ihに設定することとなる。
【0107】
このような本第3実施形態の電子制御装置63においても、マイコン23は、図7の処理を繰り返し実行している。
そして、マイコン23により、エンジンがアイドリング状態ではないと判断されて(ステップ120:NO及びステップ140:NO)、そのマイコン23からの電流制限値制御信号SPがロウレベルとなっている場合に、図10に示す如く、マイコン23からハイレベルの駆動信号SDが出力されると、まず、その時点からコイルLの通電電流Iが第1の電流制限値Ipに達するまでの間、MOSFET21が継続してオンされて、電磁弁6が開弁状態から閉弁状態に変化する。次に、コイルLの通電電流Iが第1の電流制限値Ipに達すると、その時点から駆動信号SDがロウレベルとなるまでの間は、コイルLの通電電流Iが第2の電流制限値Ih(<Ip)となるようにMOSFET21が断続的にオンされて、電磁弁6の閉弁状態が保持されることとなる。
【0108】
尚、本第3実施形態において、第1の電流制限値Ipは、第1及び第2実施形態の場合よりも若干大きく、MOSFET21がオンされてからコイルLの通電電流Iが当該第1の電流制限値Ipに到達すれば、電磁弁6の通電時の動作が確実に完了する(即ち、弁体6aが閉弁位置にまで確実に移動する)値に設定されている。
【0109】
これに対して、マイコン23により、エンジンがアイドリング状態であると判断されて(ステップ120:YES又はステップ140:YES)、そのマイコン23からの電流制限値制御信号SPがハイレベルとなっている場合に、図11に示す如く、マイコン23からハイレベルの駆動信号SDが出力されると、まず、その時点から所定時間T2が経過するまでの間、コイルLの通電電流Iが第3の電流制限値Ip’となるようにMOSFET21が断続的にオンされて、電磁弁6が開弁状態から閉弁状態に変化することとなる。そして、上記所定時間T2が経過してから駆動信号SDがロウレベルとなるまでの間は、コイルLの通電電流Iが第2の電流制限値Ih(<Ip’<Ip)となるようにMOSFET21が断続的にオンされて、電磁弁6の閉弁状態が保持されることとなる。
【0110】
そして、本第3実施形態の電子制御装置63では、マイコン23からの電流制限値制御信号SPに応じて切り換わる上記図10,図11の2種類の通電制御により、電磁弁6の駆動応答性と、通電電流Iの低減による低消費電力化とが達成されるが、この電子制御装置63においても、第3の電流制限値Ip’は、第1の電流制限値Ipよりも小さい値であるため、マイコン23によってエンジンがアイドリング状態であると判断されている図11の場合には、コイルLへの通電開始時の通電電流Iが、マイコン23によってエンジンがアイドリング状態ではないと判断されている図10の場合よりも小さくなる。
【0111】
よって、本第3実施形態の電子制御装置63によっても、電磁弁6の駆動応答性と低消費電力化とを両立させることができると共に、車室内が静かになるエンジンのアイドリング時において、電磁弁6の動作音が車両の搭乗者に聞こえてしまうことを防止することができ、車室内の静粛性を確保することができるようになる。
【0112】
また、図11に示すように、本第3実施形態の電子制御装置63においても、マイコン23は、エンジンがアイドリング状態であると判断している場合には、図7のステップ155の応答時間補正制御処理により、駆動信号SDをハイレベルに変化させるタイミング(ハイレベルの駆動信号SDの出力開始タイミング)を、エンジンがアイドリング状態ではないと判断している図10の場合よりも、所定時間TEだけ早めると共に、駆動信号SDをハイレベルに維持する通電期間を、上記所定時間TEだけ長くする。そして、この所定時間TEは、図11に示す第1の電流制限値Ipと第3の電流制限値Ip’との差分(Ip−Ip’)に基づいて予め設定されている値であり、詳しくは、第1の電流制限値Ipと第3の電流制限値Ip’との差分から、電流制限値制御信号SPがハイレベルである図11の場合の閉弁応答時間tbと、電流制限値制御信号SPがロウレベルである図10の場合の閉弁応答時間taとの差分(tb−ta)を予め想定し、その想定した値に設定されている。
【0113】
このため、本第3実施形態の電子制御装置63によっても、マイコン23によりエンジンがアイドリング状態であると判断されている場合と、そうでない場合とで、電磁弁6が閉弁するタイミング及び期間を同じにすることができる。
また更に、本第3実施形態の電子制御装置63では、マイコン23によってエンジンがアイドリング状態であると判定された場合に、コイルLへの通電を開始した時の電流制限値を第1の電流制限値Ipから第3の電流制限値Ip’へと変更するだけではなく、電流制限値を第3の電流制限値Ip’に設定した状態を、予め定められた所定時間T2だけ継続するようにしているため、電磁弁6の動作音を抑制しつつ弁体6aを確実に通電動作位置としての閉弁位置まで移動させることができる。
【0114】
尚、本第3実施形態では、通電制御回路27が、請求項2の通電制御手段に相当し、電流制限値設定回路65とトランジスタ61とが、請求項2の電流制限値設定手段に相当している。
次に、第4実施形態の電子制御装置について、図12〜図14を用いて説明する。
【0115】
まず、図12に示すように、第4実施形態の電子制御装置73は、前述した第2実施形態の電子制御装置13と比較すると、下記の(1)〜(4)の点が異なっている。尚、図12において、図3に示した電子制御装置13と同じ構成要素については、同一の符号を付しているため、詳細な説明は省略する。
【0116】
(1):NチャネルMOSFET21に代えて、PチャネルMOSFET74を備えている。
そして、本第4実施形態の電子制御装置73では、そのPチャネルMOSFET74がコイルLの上流側に配置された、所謂ハイサイドのスイッチング形式を採っている。つまり、MOSFET74のソースがバッテリ12のプラス側端子に接続されると共に、そのMOSFET74のドレインがコイルLの一端に接続されている。
【0117】
(2):通電制御回路27に代えて、マイコン23からハイレベルの駆動信号SDが出力されている間、コイルLに流れる通電電流Iが所定の制御電流値となるようにMOSFET74をオンさせる通電制御回路75を備えている。
そして、通電制御回路75は、図3の通電制御回路27と比較すると、下記の(2−1)〜(2−5)の点が異なっている。
【0118】
(2−1):電流検出用抵抗31が、コイルLのMOSFET74側とは反対側の端部とグランドとの間に接続されている。
(2−2):インバータ37が削除されており、SRラッチ35の出力がそのままアンドゲート39に入力される。
【0119】
(2−3):MOSFET74はPチャネルタイプであるため、アンドゲート39の出力を論理反転させてMOSFET74のゲートに印加するインバータ78が設けられている。尚、インバータ78は、アンドゲート39の出力がハイレベルの時に、MOSFET74のゲートをローレベルとしてのグランドレベル(0V)にして該MOSFET74をオンさせ、逆に、アンドゲート39の出力がロウレベルの時に、MOSFET74のゲートへハイレベルに相当するバッテリ電圧を供給して該MOSFET74をオフさせる。
【0120】
(2−4):コンパレータ33の出力を論理反転させてSRラッチ35のセット端子Sに出力するインバータ79が設けられている。
(2−5):アンドゲート43への2つの入力のうちで、タイマ41の出力ではない方が、後述するSRラッチ85の出力になっている。つまり、アンドゲート43は、タイマ41の出力とSRラッチ85の出力との論理積信号を、SRラッチ35のリセット端子Rに出力する。
【0121】
(3):電流制限値設定回路29に代えて、通電制御回路75における制御電流値の設定と、その通電制御回路75の動作モードの切り替えとを行う電流値設定回路77を備えている。
そして、電流値設定回路77は、図3の電流制限値設定回路29と比較すると、下記の(3−1)〜(3−3)の点が異なっている。
【0122】
(3−1):抵抗53と抵抗54との間に、抵抗81が追加されている。つまり、電源電圧VCとグランドとの間には、5つの抵抗51,52,53,81,54が直列に接続されている。
(3−2):抵抗53と抵抗81との接続点にコレクタが接続され、グランドにエミッタが接続されたNPNトランジスタ83が追加されている。
【0123】
(3−3):通電制御回路75を構成するコンパレータ33の出力がセット端子Sに入力されると共に、出力端子Qが上記トランジスタ83のベースと上記通電制御回路75のアンドゲート43の一方の入力端子とに接続されたSRラッチ85と、マイコン23からの駆動信号SDを論理反転させてSRラッチ85のリセット端子Rに出力するインバータ87とが、追加されている。
【0124】
(4):MOSFET74のオフ時にコイルLに残留したエネルギを環流させるためのダイオード25は、そのアノードがグランドに接続されると共に、そのカソードがMOSFET74のドレインとコイルLとを結ぶ配線に接続されている。つまり、ダイオード25は、コイルL及び電流検出用抵抗31に対して並列に設けられている。
【0125】
このような電子制御装置73において、3つのトランジスタ55,61,83が全てオフしている時には、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第1の制御電流値I1に相当する電圧Vref(I1)に設定される。
【0126】
尚、5つの抵抗51〜54,81の抵抗値をR51〜R54,R81とすると、Vref(I1)は次式で表される。また、第1の制御電流値I1は、次式の電圧Vref(I1)を電流検出用抵抗31の抵抗値で割った値である。
Vref(I1)=VC×(R52+R53+R81+R54)/(R51+R52+R53+R81+R54)
また、3つのトランジスタ55,61,83のうちのトランジスタ61だけがオンしている時には、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第1の制御電流値I1よりも小さい第2の制御電流値I2に相当する電圧Vref(I2) に設定される。
【0127】
尚、このVref(I2) は次式で表される。また、第2の制御電流値I2は、次式の電圧Vref(I2)を電流検出用抵抗31の抵抗値で割った値である。
Vref(I2)=VC×(R52+R53+R81)/(R51+R52+R53+R81)
一方、トランジスタ83がオンしており、且つ、トランジスタ55がオフしている時には、トランジスタ61のオン/オフに拘わらず、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第2の制御電流値I2よりも小さい第3の制御電流値I3に相当する電圧Vref(I3) に設定される。
【0128】
尚、この電圧Vref(I3)は次式で表される。また、第3の制御電流値I3は、次式の電圧Vref(I3)を電流検出用抵抗31の抵抗値で割った値である。
Vref(I3)=VC×(R52+R53)/(R51+R52+R53)
また、トランジスタ55がオンしている時には、他のトランジスタ61,83のオン/オフに拘わらず、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第3の制御電流値I3よりも小さい第4の制御電流値I4に相当する電圧Vref(I4) に設定される。
【0129】
尚、この電圧Vref(I4)は次式で表される。また、第4の制御電流値I4は、次式の電圧Vref(I4)を電流検出用抵抗31の抵抗値で割った値である。
Vref(I4)=VC×R52/(R51+R52)
そして、本第4実施形態の電子制御装置73において、第3の制御電流値I3は、第1の制御電流値I1及び第2の制御電流値I2より小さいものの、MOSFET74がオンされてからタイマ57で計時される所定時間T2が経過するまでの間、コイルLの通電電流Iが当該第3の制御電流値I3に維持されたならば、電磁弁6の弁体6aを通電動作位置としての閉弁位置に移動させることができる値に設定されている。
【0130】
また、第1の制御電流値I1と第2の制御電流値I2は、MOSFET74をオンさせてから上記所定時間T2が経過するまでには、コイルLの通電電流Iがその値に到達できる値に設定されている(図13,14参照)。
また更に、第4の電流制限値I4は、電磁弁6の弁体6aを閉弁位置に保持するのに必要な最小限付近の値に設定されている。
【0131】
尚、本実施形態では、第1〜第3の制御電流値I1,I2,I3が弁体動作用電流値に相当し、第4の制御電流値4が保持電流値に相当している。
一方、本第4実施形態の電子制御装置73においても、マイコン23は、前述した図7の処理を繰り返し実行している。但し、本第4実施形態では、マイコン23から出力される電流制限値制御信号SPが、通電制御回路75における制御電流値を切り替えるための制御信号となっているため、以下では、その電流制限値制御信号SPを、単に「制御信号SP」という。
【0132】
次に、以上のような電子制御装置73の動作について、図13及び図14のタイムチャートに基づき説明する。尚、図13は、マイコン23からトランジスタ61への制御信号SPがロウレベルである場合(即ち、マイコン23によりエンジンがアイドリング状態ではないと判断されている場合)の動作を表しており、図14は、上記制御信号SPがハイレベルである場合(即ち、マイコン23によりエンジンがアイドリング状態であると判断されている場合)の動作を表している。
【0133】
まず、マイコン23からの駆動信号SDがロウレベルである場合には、通電制御回路75におけるアンドゲート39の出力が強制的にロウレベルとなって、MOSFET74が継続してオフ状態になるため、電磁弁6のコイルLには電流が流れず、該コイルLの通電電流Iの検出値に相当する電流検出用抵抗31の電圧Viは、ほぼ0Vとなる。よって、駆動信号SDがロウレベルである場合には、コンパレータ33の出力がロウレベルとなり、インバータ79の出力がハイレベルとなって、SRラッチ35がセット状態になる。
【0134】
このため、通電制御回路75において、マイコン23からの駆動信号SDがロウレベルからハイレベルに変化すると、その時点でSRラッチ35の出力はハイレベルであるため、アンドゲート39の出力がロウレベルからハイレベルに反転して、MOSFET74がオンする。そして、これにより、電磁弁6のコイルLへの通電が開始され、該コイルLに突入電流が流れ始める。
【0135】
一方、電流値設定回路77においては、マイコン23からの駆動信号SDがロウレベルである場合に、SRラッチ85がインバータ87によってリセットされる。また、駆動信号SDがロウレベルからハイレベルに変化すると、タイマ57が、内部カウンタをリセットしてトランジスタ55のベースへロウレベル信号を出力すると共に、カウント動作を開始する。
【0136】
このため、電流値設定回路77において、マイコン23からの駆動信号SDがロウレベルからハイレベルに変化すると、トランジスタ83とトランジスタ55との両方がオフした状態となる。
ここで、図13に示すように、マイコン23からの制御信号SPがロウレベルである場合には、トランジスタ61がオフ状態となるため、マイコン23からの駆動信号SDがハイレベルに変化すると、3つのトランジスタ55,61,83が全てオフしている状態となり、前述したように、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第1の制御電流値I1に相当する電圧Vref(I1)に設定される。つまり、通電電流Iの制御電流値が第1の制御電流値I1に設定される。
【0137】
そして、その後は、コンパレータ33によって電流検出用抵抗31の電圧Viと、第1の制御電流値I1に相当する電圧Vref(I1)とが比較され、コイルLの通電電流Iが第1の電流制限値I1に達するまでは(ViがVref(I1)に達するまでは)、コンパレータ33の出力がロウレベルに維持されて、コイルLへの通電(MOSFET74のオン)が継続することとなる。尚、この状態は、図13において、駆動信号SDがハイレベルに変化してからコイルLの通電電流Iが第1の制御電流値I1に到達するまでの期間として表されている。
【0138】
その後、コイルLの通電電流Iが第1の制御電流値I1にまで達して、コンパレータ33の出力がロウレベルからハイレベルになると、電流値設定回路77において、SRラッチ85がセット状態となり、そのSRラッチ85の出力がロウレベルからハイレベルに変化して、トランジスタ83がオンする。
【0139】
すると、トランジスタ83がオン且つトランジスタ55がオフの状態となって、前述したように、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第3の制御電流値I3に相当する電圧Vref(I3)に設定される。つまり、通電電流Iの制御電流値が第3の電流制限値I3に設定される。
【0140】
また、通電制御回路75においては、この時点でタイマ41の出力がハイレベルになっているため、SRラッチ85の出力がハイレベルになると、アンドゲート43からSRラッチ35のリセット端子Rにハイレベル信号が出力されて、該SRラッチ35がリセットされ、そのSRラッチ35の出力がロウレベルに反転する。尚、SRラッチ35の出力がロウレベルになると、タイマ41の内部カウンタがリセットされると共に、タイマ41の出力がロウレベルに戻ることとなる。
【0141】
すると、アンドゲート39の出力がロウレベルに反転して、MOSFET74がオフすることとなるが、このMOSFET74のオフ状態は、コイルLに流れる通電電流I(この場合には、ダイオード25を介してコイルLに流れる消弧電流)が第3の制御電流値I3にまで減少して、電流検出用抵抗31の電圧Viが第3の制御電流値I3に相当する上記電圧Vref(I3)にまで低下し、コンパレータ33の出力がハイレベルからロウレベルとなるまで継続する。
【0142】
そして、コイルLの通電電流Iが第3の制御電流値I3にまで減少して、コンパレータ33の出力がロウレベルに反転すると、SRラッチ35が再びセット状態となって、そのSRラッチ35の出力がハイレベルとなり、アンドゲート39の出力がハイレベルに反転して、MOSFET74が再びオンすることとなる。
【0143】
更に、SRラッチ35から出力されるハイレベル信号は、タイマ41の入力端子Tにも入力されるため、タイマ41は、SRラッチ35の出力がハイレベルになった時点(MOSFET74がオンされた時点)から内部カウンタのカウント動作を開始し、一定時間T1のカウントを終了すると、アンドゲート43の一方の入力端子にハイレベル信号を出力することとなる。
【0144】
そして、この時点で、SRラッチ85はセット状態となっており、そのSRラッチ85の出力はハイレベルであるため、タイマ41からアンドゲート43へハイレベル信号が出力されると、アンドゲート43によりSRラッチ35がリセットされて、そのSRラッチ35の出力がロウレベルに反転し、MOSFET74が再びオフされることとなる。
【0145】
以後、マイコン23が駆動信号SDをハイレベルにした時点からタイマ57で計時される所定時間T2が経過するまでの間は、コンパレータ33によってコイルLの通電電流Iが第3の制御電流値I3にまで減少した(ViがVref(I3)にまで低下した)と判定されて該コンパレータ33の出力がロウレベルになる度に、MOSFET74がタイマ41にて計時されるオン時間としての一定時間T1だけオンされる、という動作が繰り返され、このような動作によって、コイルLの通電電流Iが第3の制御電流値I3付近に制御されることとなる。
【0146】
そして、マイコン23が駆動信号SDをハイレベルにした時点から所定時間T2が経過すると、タイマ57の出力がハイレベルに反転する。
すると、トランジスタ55がオンして、前述したように、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第4の制御電流値I4に相当する電圧Vref(I4)に設定される。つまり、通電電流Iの制御電流値が第4の制御電流値I4に設定される。
【0147】
よって、上記所定時間T2が経過した時点からマイコン23からの駆動信号SDがロウレベルになるまでの間は、通電制御回路75の上記動作により、コンパレータ33によってコイルLの通電電流Iが第4の制御電流値I4にまで減少した(ViがVref(I4)にまで低下した)と判定されて該コンパレータ33の出力がロウレベルになる度に、MOSFET74がタイマ41にて計時される一定時間T1だけオンされる、という動作が繰り返されることとなり、このような動作によって、コイルLの通電電流Iが第4の制御電流値I4付近に制御される。
【0148】
そして、マイコン23からの駆動信号SDがロウレベルになると、アンドゲート39の出力が強制的にロウレベルとなるため、MOSFET74は、コイルLの通電電流Iに拘わらずオフされることとなる。
このような第4実施形態の電子制御装置73において、マイコン23からの制御信号SPがロウレベルである場合には、図13に示す如く、マイコン23がハイレベルの駆動信号SDを出力した時点から所定時間T2が経過するまでの間(図13にてK1で示す期間)は、「まず、コイルLの通電電流Iが第1の制御電流値I1に達するまでMOSFET74をオンしたままにし、通電電流Iが第1の制御電流値I1に達したならばMOSFET74を一旦オフさせて、以後、コイルLの通電電流Iが第3の制御電流値I3にまで減少したと判定する度に、MOSFET74を一定時間T1だけオンさせて、コイルLの通電電流Iを第3の制御電流値I3付近に制御する」といった初期通電制御が行われる。そして、このような初期通電制御により、電磁弁6が開弁状態から閉弁状態に変化する。
【0149】
また、上記所定時間T2が経過した時点から駆動信号SDがロウレベルになるまでの間(図13にてK2で示す期間)は、「コイルLの通電電流Iが第4の制御電流値I4にまで減少したと判定する度に、MOSFET74を一定時間T1だけオンさせる」といった保持通電制御により、コイルLの通電電流Iが保持電流値としての第4の制御電流値I4付近に制御される。
【0150】
そして、上記初期通電制御と保持通電制御との一連の通電制御により、電磁弁6の駆動応答性と、通電電流Iの低減による低消費電力化とを達成している。
一方、図14に示すように、マイコン23からの制御信号SPがハイレベルである場合には、トランジスタ61がオンしたままになるため、マイコン23からの駆動信号SDがハイレベルに変化すると、コンパレータ33の反転入力端子に入力される基準電圧Vrefが、第1の制御電流値I1よりは小さく且つ第3の制御電流値I3よりは大きい第2の制御電流値I2に相当した電圧Vref(I2)に設定される。つまり、制御信号SPがハイレベルである場合には、駆動信号SDがハイレベルに変化した時点からの制御電流値であって、コイルLへの通電開始時の制御電流値が、第1の制御電流値I1よりも小さい第2の制御電流値I2に設定される。
【0151】
このため、本第4実施形態の電子制御装置73においても、マイコン23によってエンジンがアイドリング状態であると判断されており、そのマイコン23からの制御信号SPがハイレベルである場合には、コイルLへの通電開始時の通電電流Iが、マイコン23によりエンジンがアイドリング状態ではないと判断されている図13の場合よりも小さくなる。
【0152】
このため、本第4実施形態の電子制御装置73によっても、電磁弁6の駆動応答性と低消費電力化とを両立させることができると共に、車室内の静粛性を確保することができる。
また、図14に示すように 本第4実施形態の電子制御装置73においても、マイコン23は、エンジンがアイドリング状態であると判断している場合には、図7のステップ155の応答時間補正制御処理により、駆動信号SDをハイレベルに変化させるタイミングを、エンジンがアイドリング状態ではないと判断している図13の場合よりも、所定時間TEだけ早めると共に、駆動信号SDをハイレベルに維持する通電期間を、上記所定時間TEだけ長くする。
【0153】
そして、この所定時間TEは、図14に示す第1の制御電流値I1と第2の制御電流値I2との差分(I1−I2)に基づいて予め設定されている値であり、詳しくは、第1の制御電流値I1と第2の制御電流値I2との差分から、制御信号SPがハイレベルである図14の場合の閉弁応答時間tbと、制御信号SPがロウレベルである図13の場合の閉弁応答時間taとの差分(tb−ta)を予め想定し、その想定した値に設定されている。
【0154】
このため、本第4実施形態の電子制御装置73によっても、マイコン23によりエンジンがアイドリング状態であると判断されている場合と、そうでない場合とで、電磁弁6が閉弁するタイミング及び期間を同じにすることができる。
また更に、本第4実施形態の電子制御装置73では、マイコン23からの駆動信号SDがハイレベルになってから、コイルLの通電電流Iが第1の制御電流値I1あるいは第2の制御電流値I2にまで達すると、その後は、コイルLの通電電流Iが制御電流値(I3又はI4)にまで減少する度にMOSFET74を一定時間T1だけオンさせることにより、コイルLの通電電流Iをその制御電流値付近に制御するようにしているため、コイルLの通電電流Iが制御電流値を下回ることがない。このため、特に、上記保持通電制御を行う保持通電期間(図13,14にてK2で示す期間)において、コイルLの通電電流Iが第4の制御電流値I4を下回ることがなく、電磁弁6の弁体6aを確実に閉弁位置に保持させることができる。また、保持電流値としての第4の制御電流値I4の決定が容易になるという点でも有利である。
【0155】
尚、本第4実施形態では、通電制御回路75と電流値設定回路77が、請求項3の駆動制御手段に相当し、図7のステップ160の処理とトランジスタ61が、請求項3の電流値変更手段に相当している。
一方、上記第4実施形態において、マイコン23からの制御信号SPがハイレベルの場合には、コイルLへの通電開始時の制御電流値をI1からI2に変更するだけではなく、図14における第3の制御電流値I3をも、それより小さい値に変更するように構成しても良い。
【0156】
また、コイルLへの通電電流Iが第1の制御電流値I1あるいは第2の制御電流値I2に達した後に、電磁弁の弁体が通電動作位置に到達するようなシステムの場合には、コイルLへの通電開始時の制御電流値は切り替えずに、図14における第3の制御電流値I3だけを、それより小さい値に変更するように構成しても良い。
【0157】
一方また、上記第4実施形態の電子制御装置73を変形して、コイルLへの通電電流Iが第1の制御電流値I1あるいは第2の制御電流値I2に達した時点から、上記保持通電制御へ移行するように構成しても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0159】
例えば、上記各実施形態の電子制御装置13,63,73では、アイドルスイッチがオンしている場合、或いは、エンジン回転数がアイドル回転数である場合に、エンジンがアイドリング状態であると判定したが、その判定方法は上記実施形態に限るものではなく、例えば、イグニッションスイッチがオンされているにも拘わらず、車速が零である場合や車両のパーキングブレーキがかかっている場合に、エンジンがアイドリング状態であると判定するように構成しても良い。但し、上記第1及び第2実施形態の判定方法を採用した方が、車両が極低速で走行している場合にも、電磁弁6の動作音が抑制されるという点で有利である。
【0160】
また、本発明は、例えば、バッテリ電圧VBを昇圧した高電圧によってコンデンサを充電しておき、コイルLへの通電開始時には、そのコンデンサに蓄積された電荷をコイルLへ放電させて電磁弁の駆動応答性を高める、といった構成の電磁弁駆動装置にも適用することができる。そして、この場合には、例えば、コンデンサへの充電電圧を低下させたり、コンデンサからコイルLへの電流経路に抵抗を介在させる、といった構成を採ることにより、コイルLへの通電開始時の通電電流を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 直噴式エンジンの制御システムを表す構成図である。
【図2】 高圧燃料ポンプを表す構成図である。
【図3】 第1実施形態の電子制御装置(電磁弁駆動装置)の構成を表す回路図である。
【図4】 第1実施形態の電子制御装置のマイコンで実行される処理を表すフローチャートである。
【図5】 第1実施形態の電子制御装置の通常時の動作を表すタイムチャートである。
【図6】 第1実施形態の電子制御装置の作用及び効果を表すタイムチャートである。
【図7】 第2実施形態の電子制御装置のマイコンで実行される処理を表すフローチャートである。
【図8】 第2実施形態の電子制御装置の作用及び効果を表すタイムチャートである。
【図9】 第3実施形態の電子制御装置の構成を表す回路図である。
【図10】 第3実施形態の電子制御装置の通常時の動作を表すタイムチャートである。
【図11】 第3実施形態の電子制御装置の作用及び効果を表すタイムチャートである。
【図12】 第4実施形態の電子制御装置の構成を表す回路図である。
【図13】 第4実施形態の電子制御装置の通常時の動作を表すタイムチャートである。
【図14】 第4実施形態の電子制御装置の作用及び効果を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
3…高圧燃料ポンプ 6…電磁弁 L…コイル 6a…弁体
6b…リターンスプリング 12…バッテリ
13,63,73…電子制御装置 21,74…MOSFET
23…マイコン 27,75…通電制御回路 29…電流制限値設定回路
31…電流検出用抵抗 33…コンパレータ 39,43…アンドゲート
35,67,85…SRラッチ 41,57…タイマ
37,69,78,79,87…インバータ
51,52,53,54,81…抵抗 71…信号切替回路
55,61,83…NPNトランジスタ 77…電流値設定回路
Claims (3)
- 車両のエンジンに燃料を噴射するインジェクタへ高圧燃料を供給するための高圧燃料ポンプに用いられる電磁弁であって、前記エンジンの回転に同期して駆動されることで前記高圧燃料ポンプから高圧燃料を吐出させる電磁弁のコイルへ、電流を流すための電流経路に、直列に設けられ、オンされることにより前記コイルに電流を流して前記電磁弁を駆動するスイッチング素子と、
該スイッチング素子をオンさせるための駆動信号を前記エンジンの回転に同期して出力する駆動信号出力手段と、
該駆動信号出力手段から前記駆動信号が出力されている間、前記コイルに流れる通電電流が所定の電流制限値となるように前記スイッチング素子をオンさせる通電制御手段と、
前記駆動信号出力手段が前記駆動信号を出力した時点から所定条件が成立するまでの第1期間中は、前記通電制御手段における電流制限値を第1の電流制限値に設定し、前記所定条件が成立してから前記駆動信号の出力が停止されるまでの第2期間中は、前記通電制御手段における電流制限値を前記第1の電流制限値よりも小さい第2の電流制限値に設定する電流制限値設定手段と、
を備えた電磁弁駆動装置において、
前記エンジンがアイドリング状態であるか否かを判定する判定手段と、
該判定手段により前記エンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合に、前記電流制限値設定手段が前記第1期間中に設定する前記電流制限値を、前記第1の電流制限値よりも小さく且つ前記第2の電流制限値よりは大きい第3の電流制限値に変更する電流制限値変更手段とを備え、
前記駆動信号出力手段は、前記判定手段により前記エンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合に、前記駆動信号の出力開始タイミングを、前記判定手段により否定判定されている場合よりも早くするように構成されており、更に、前記駆動信号出力手段が前記駆動信号の出力開始タイミングを早める時間は、前記第1の電流制限値と前記第3の電流制限値との差分に基づいて予め設定されていること、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 車両のエンジンに燃料を噴射するインジェクタへ高圧燃料を供給するための高圧燃料ポンプに用いられる電磁弁であって、前記エンジンの回転に同期して駆動されることで前記高圧燃料ポンプから高圧燃料を吐出させる電磁弁のコイルへ、電流を流すための電流経路に、直列に設けられ、オンされることにより前記コイルに電流を流して前記電磁弁を駆動するスイッチング素子と、
該スイッチング素子をオンさせるための駆動信号を前記エンジンの回転に同期して出力する駆動信号出力手段と、
該駆動信号出力手段から前記駆動信号が出力されている間、前記コイルに流れる通電電流が、設定された電流制限値となるように前記スイッチング素子をオンさせる通電制御手段と、
該通電制御手段における前記電流制限値を設定する電流制限値設定手段と、
前記エンジンがアイドリング状態であるか否かを判定する判定手段とを備え、
前記電流制限値設定手段は、前記判定手段により前記エンジンがアイドリング状態ではないと否定判定されているならば、前記駆動信号出力手段が前記駆動信号を出力した時点からの前記通電制御手段における電流制限値を、第1の電流制限値に設定すると共に、前記コイルに流れる通電電流が前記第1の電流制限値に達すると、その時点から前記駆動信号の出力が停止されるまでの間は、前記通電制御手段における電流制限値を前記第1の電流制限値よりも小さい第2の電流制限値に設定し、前記判定手段により前記エンジンがアイドリング状態であると肯定判定されているならば、前記駆動信号出力手段が前記駆動信号を出力した時点から所定時間が経過するまでの間は、前記通電制御手段における電流制限値を前記第1の電流制限値よりも小さく且つ前記第2の電流制限値よりは大きい第3の電流制限値に設定し、前記所定時間が経過してから前記駆動信号の出力が停止されるまでの間は、前記通電制御手段における電流制限値を前記第2の電流制限値に設定するように構成されており、
前記駆動信号出力手段は、前記判定手段により前記エンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合に、前記駆動信号の出力開始タイミングを、前記判定手段により否定判定されている場合よりも早くするように構成されており、更に、前記駆動信号出力手段が前記駆動信号の出力開始タイミングを早める時間は、前記第1の電流制限値と前記第3の電流制限値との差分に基づいて予め設定されていること、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 車両のエンジンに燃料を噴射するインジェクタへ高圧燃料を供給するための高圧燃料ポンプに用いられる電磁弁であって、前記エンジンの回転に同期して駆動されることで前記高圧燃料ポンプから高圧燃料を吐出させる電磁弁のコイルへ、電流を流すための電流経路に、直列に設けられ、オンされることにより前記コイルに電流を流して前記電磁弁を駆動するスイッチング素子と、
該スイッチング素子をオンさせるための駆動信号を前記エンジンの回転に同期して出力する駆動信号出力手段と、
該駆動信号出力手段が前記駆動信号を出力した時点から所定条件が成立するまでの間は、前記コイルに流れる通電電流が、前記電磁弁の弁体を前記コイルへの通電時の動作位置(以下、通電動作位置という)に移動させることが可能な所定の弁体動作用電流値となるように前記スイッチング素子をオンさせる初期通電制御を行い、前記所定条件が成立してから前記駆動信号の出力が停止されるまでの間は、前記コイルに流れる通電電流が、前記弁体を前記通電動作位置に保持可能で且つ前記弁体動作用電流値よりも小さい所定の保持電流値にまで減少したか否かを判定して、前記通電電流が前記保持電流値にまで減少したと判定する度に前記スイッチング素子を一定時間だけオンさせることにより、前記通電電流を前記保持電流値付近に制御する駆動制御手段と、
を備えた電磁弁駆動装置であって、
前記エンジンがアイドリング状態であるか否かを判定する判定手段と、
該判定手段により前記エンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合に、前記駆動制御手段が前記初期通電制御で前記コイルに流そうとする前記弁体動作用電流値を、前記判定手段により否定判定されている場合よりも小さくする電流値変更手段とを備え、
前記駆動信号出力手段は、前記判定手段により前記エンジンがアイドリング状態であると肯定判定されている場合に、前記駆動信号の出力開始タイミングを、前記判定手段により否定判定されている場合よりも早くするように構成されており、更に、前記駆動信号出力手段が前記駆動信号の出力開始タイミングを早める時間は、前記電流値変更手段が前記弁体動作用電流値を小さくする分の値に基づいて予め設定されていること、
を特徴とする電磁弁駆動装置。
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