JP4489246B2 - 防菌防カビ剤および防菌防カビ方法 - Google Patents

防菌防カビ剤および防菌防カビ方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規の防菌防カビ剤および防菌防カビ方法に関する。さらに詳しくは、実質的に臭いがなく、安定性が大きく、かつ揮散性がある新規の防菌防カビ剤およびそれを気体で対象物と接触させる防菌防カビ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
古くから多くの防菌剤や防カビ剤が提供されているが、例えば家庭内等における微生物の存在による不都合を一度に解消するという意味で、カビと共に細菌に対しても効果を有する化合物を有効成分とする防菌防カビ剤を使用することが好ましい。
【0003】
従来、このような防菌防カビ剤において、有効成分として利用される化合物としては、パラクロロメタキシレノールなどのフェノール系、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートなどの有機ヨード系、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダソールなどのベンズイミダゾール系、2−メルカプトベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール系、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドなどのN−ハロアルキルチオ系、ビス(ピリジン−2−チオール−1−オキシド)亜鉛塩などのピリチオン系、テトラクロロイソフタロニトリルなどのニトリル系、α−プロムシンナムアルデヒドなどのアルデヒド系などの化合物が知られていた。
【0004】
しかし、これらの防菌防カビ剤は、臭い、安定性、揮散性などの点で、必ずしも満足すべきものではなかった。すなわち、臭いのある防菌防カビ剤は、使用量や用途が、不快にならない範囲に限定されるという制約があった。また、安定性が不十分な剤は、穏和な条件でなければ使用できないという制約があり、更に揮散性のない剤は、気体で対象物と接触させる方法には使えないという制約があった。これらの制約の結果、いずれの剤も用途が限定されざるを得なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、実質的に臭いがなく、安定性が大きく、かつ揮散性のある防菌防カビ性の化合物を見出し、これを有効成分とする防菌防カビ剤の提供が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この課題を解決するために、数多くの化合物について、その抗菌性、抗カビ性および臭気等を検索した結果、2−ジヒドロターピニルオキシエタノールが、実質的に臭いがなく、安定性が大きく、かつ揮散性のある防菌防カビ性物質であることを見いだし、本発明に到達した。
【0007】
すなわち本発明は、2−ジヒドロターピニルオキシエタノールを有効成分として含有する防菌防カビ剤を提供するものである。
【0008】
また本発明は、2−ジヒドロターピニルオキシエタノールを気体状態で対象物と接触させる防菌防カビ方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の有効成分である2−ジヒドロターピニルオキシエタノールは、式(I)で示される化合物であり、2−(1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エトキシ)−エタノールと表すこともできる。
【0010】
【化1】
Figure 0004489246
【0011】
この化合物は、無色透明の液体であり、実質的に臭いがないものである。また、グリコールエーテルのひとつで、炭素、水素および酸素原子のみからなり、反応性の大きい元素や官能基をもたないため、安定性が大きく、家庭用あるいは工業用として広く使うことができる。
【0012】
この2−ジヒドロターピニルオキシエタノールは、テレビン油などの天然精油に含まれるα−ピネンとエチレングリコールから得られる2−ターピニルオキシエタノールを水添する方法などによって、製造できる化合物である。
【0013】
本発明の防菌防カビ剤は、上記2−ジヒドロターピニルオキシエタノールを通常の防菌製剤あるいは防カビ製剤に使用される担体や成分等と組合せ、製剤化することにより調製される。
【0014】
例えば、本発明の防菌防カビ剤は、2−ジヒドロターピニルオキシエタノールをそのまま、あるいはこれを溶剤に溶解または可溶化して、液体製剤とすることができる。溶剤としては、水、アルコール類、炭化水素類、グリコールエーテル類などを用いることができる。この液体製剤は、そのまま容器に入れた製剤としたり、吸い上げ芯で吸い上げて揮散させる液芯型製剤としたり、浸透透過性フィルムを有する容器に入れフィルムを通して揮散させる製剤としたり、ゲル化剤を加えてゲル製剤とすることもできる。対象物によっては、液体製剤を直接対象物に塗布、含浸したり、スプレー製剤として対象物に散布することも可能である。
【0015】
また、本発明の防菌防カビ剤は、担体に担持させて固体製剤とすることもできる。担体としては、セルロース、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、羊毛、タルク、クレー、素焼き、陶磁器粉などからなる粉末、顆粒、錠剤、シート、マット、フェルト、スポンジ、板、紙、織布、不織布、フィルム状などの多孔性または非多孔性担体、トリイソプロピルトリオキサン、シクロドデカンなどの昇華性担体、フマル酸、安息香酸などの水溶性担体などを用いることができる。担持の方法としては、滴下、散布、噴霧などによる含浸、塗布、印刷、練り混みなどを挙げることができる。これらの固体製剤は、さらに、プラスチックケースや不織布袋などに入れて使用することもできる。
【0016】
更に、本発明の防菌防カビ剤は、他の薬剤、例えば、エムペントリンなどの防虫剤、p−メンタン−3,8−ジオールなどの忌避剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、塩化カルシウムなどの除湿剤などとともに用い、効果の複合化をはかることもできる。更にまた、他の防菌防カビ剤と併用し、抗菌スペクトルの拡大、効果のスピードアップなどをはかることもできる。特に本発明の防菌防カビ剤の有効成分である2−ジヒドロターピニルオキシエタノールは、溶剤としての優れた性質ももっているため、これらの用途に用いるとき、他の剤と溶解混合しやすいという利点もある。
【0017】
以上のようにして得られる本発明の防菌防カビ剤は、種々の方法により使用することができる。例えば、その使用法のひとつは、非揮散性の防菌防カビ剤と同様に、対象物に塗布、散布したり、練り込んで、その防菌防カビをはかるものである。対象物としては、建材、木材、塗料、化粧品、日用品などを挙げることができる。
【0018】
別の使用法の例としては、揮散性の防菌防カビ製剤として、対象物とともに密閉性の高い容器に入れたり、対象物の近傍に置いて、その防菌防カビをはかるものである。対象物としては、繊維製品、皮革製品、書籍、絵画、カメラなどを挙げることができる。容器としては、タンス、引き出し、衣装箱、保存箱、保存袋などが適当である。
【0019】
更に別の使用方法の例としては、揮散性の防菌防カビ製剤として、押入、下駄箱、流しの下など菌やカビの発生しやすい場所に置き、その場所の防菌防カビをはかる使い方を挙げることができる。この場合は、そこに置かれたものの防菌防カビも、同時にはかることができる。
【0020】
本発明の防菌防カビ剤において、有効成分である2−ジヒドロターピニルオキシエタノールが揮散性を有することは、用途が広がるという点で、大きな意味をもっている。すなわち、非揮散性の防菌防カビ剤の使い方は、対象物への塗布、散布、あるいは練り込みなどに限定されるが、この方法では、対象物が繊維製品や皮革製品のときには、塗布や散布によって汚染されることがある。また、対象物への塗布、散布、あるいは練り込みでは、使用場所や条件によっては、時間とともに、対象物の表面に菌やカビの栄養源になる物質が付着し、防菌防カビ剤と菌やカビとの接触が妨げられる結果、効果が持続しないこともある。
【0021】
これに対して、揮散性の防菌防カビ剤を用い、気体で対象物と接触させる方法には、このような制約はない。気体で接触するため対象物を汚染することが少なく、常に対象物の表面を覆うため効果が長時間持続する。さらに、小さな隙間や手の届かない場所にまで、有効成分がゆきわたって効果を発揮するという特長がある。
【0022】
【発明の効果】
本発明において有効成分として使用する2−ジヒドロターピニルオキシエタノールは、実質的に臭いがなく、安定性が大きく、かつ揮散性を有する防菌防カビ成分である。
【0023】
そのため、これを含有する防菌防カビ剤は、家庭用、工業用の広い分野において便利に使用することができるものである。
【0024】
【実施例】
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら制約されるものではない。
【0025】
実 施 例 1
代表的な細菌およびカビに対する、2−ジヒドロターピニルオキシエタノールの基本的な抗菌活性および抗カビ活性を次の試験で評価した。
【0026】
まず、直径90mm、高さ20mmのシャーレに、2−ジヒドロターピニルオキシエタノール(日本テルペン化学株式会社製、以下の実施例も同じ)を種々の濃度で含むポテトデキストロース寒天培地20mlを注入し、固化させた。次いで、この培地に、約10個/mlに調製した下記の試験カビの胞子液50μlを塗布し、25℃で培養した。7日後の成育状況を観察し、生育の認められなかった最小濃度を最低発育阻止濃度とした。
【0027】
同様の試験において、培地を普通寒天培地に、カビの胞子液を下記の試験細菌の菌液に、温度、時間を37℃、24時間に変えて、細菌に対する最低発育阻止濃度を求めた。これらの結果を表1に示す。
【0028】
[ 試験カビ ]
アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)IFO 6341
ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum)IFO 6352
クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladsporium cladosporioides)
IFO 6348
【0029】
[ 試験細菌 ]
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)IFO 3301
スタフィロコカス・オーレウス(Staphylococcus)IFO 14462
【0030】
[ 結 果 ]
【表1】
Figure 0004489246
【0031】
実 施 例 2
代表的な細菌およびカビに対する、気体状態での2−ジヒドロターピニルオキシエタノールの抗菌活性および抗カビ活性を次の試験で評価した。
【0032】
まず、直径50mm、高さ10mmのシャーレに、ポテトデキストローズ寒天培地5mlを入れて固め、その上に約10個/mlに調製した上記試験カビの胞子懸濁液50μlを塗布した。このシャーレを、直径75mm、高さ120mmの腰高シャーレ(内容積500ml)の底部に置いた。一方、腰高シャーレの蓋部の内側に、種々の量の2−ジヒドロターピニルオキシエタノールを含浸した濾紙を固定し、蓋をかぶせて、25℃で培養した。4日後の成育状況を観察し、生育の認められなかった最小量を最低発育阻止量とした。
【0033】
同様の試験において、培地を普通寒天培地に、カビの胞子液を上記試験細菌の菌液に、温度、時間を37℃、24時間に変えて、細菌に対する最低発育阻止量を求めた。この結果を表2に示す。
【0034】
[ 結 果 ]
【表2】
Figure 0004489246
以 上

Claims (3)

  1. 2−ジヒドロターピニルオキシエタノールを有効成分として含有する防菌防カビ剤。
  2. 揮散性である請求項第1項記載の防菌防カビ剤。
  3. 2−ジヒドロターピニルオキシエタノールを気体状態で対象物と接触させることを特徴とする防菌防カビ方法。
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