JP2001328909A - 防菌防カビ剤および防菌防カビ方法 - Google Patents
防菌防カビ剤および防菌防カビ方法Info
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Abstract
揮散性のある防菌防カビ性の化合物を見出し、これを有
効成分とする防菌防カビ剤を提供すること。 【解決手段】 2−ジヒドロターピニルオキシエタノー
ルを有効成分として含有する防菌防カビ剤および2−ジ
ヒドロターピニルオキシエタノールを気体状態で対象物
と接触させる防菌防カビ方法。
Description
剤および防菌防カビ方法に関する。さらに詳しくは、実
質的に臭いがなく、安定性が大きく、かつ揮散性がある
新規の防菌防カビ剤およびそれを気体で対象物と接触さ
せる防菌防カビ方法に関する。
されているが、例えば家庭内等における微生物の存在に
よる不都合を一度に解消するという意味で、カビと共に
細菌に対しても効果を有する化合物を有効成分とする防
菌防カビ剤を使用することが好ましい。
有効成分として利用される化合物としては、パラクロロ
メタキシレノールなどのフェノール系、3−ヨード−2
−プロピニルブチルカーバメートなどの有機ヨード系、
2−(4−チアゾリル)ベンズイミダソールなどのベン
ズイミダゾール系、2−メルカプトベンゾチアゾールな
どのベンゾチアゾール系、N−(フルオロジクロロメチ
ルチオ)−フタルイミドなどのN−ハロアルキルチオ
系、ビス(ピリジン−2−チオール−1−オキシド)亜
鉛塩などのピリチオン系、テトラクロロイソフタロニト
リルなどのニトリル系、α−プロムシンナムアルデヒド
などのアルデヒド系などの化合物が知られていた。
安定性、揮散性などの点で、必ずしも満足すべきもので
はなかった。すなわち、臭いのある防菌防カビ剤は、使
用量や用途が、不快にならない範囲に限定されるという
制約があった。また、安定性が不十分な剤は、穏和な条
件でなければ使用できないという制約があり、更に揮散
性のない剤は、気体で対象物と接触させる方法には使え
ないという制約があった。これらの制約の結果、いずれ
の剤も用途が限定されざるを得なかった。
いがなく、安定性が大きく、かつ揮散性のある防菌防カ
ビ性の化合物を見出し、これを有効成分とする防菌防カ
ビ剤の提供が求められていた。
を解決するために、数多くの化合物について、その抗菌
性、抗カビ性および臭気等を検索した結果、2−ジヒド
ロターピニルオキシエタノールが、実質的に臭いがな
く、安定性が大きく、かつ揮散性のある防菌防カビ性物
質であることを見いだし、本発明に到達した。
ルオキシエタノールを有効成分として含有する防菌防カ
ビ剤を提供するものである。
キシエタノールを気体状態で対象物と接触させる防菌防
カビ方法を提供するものである。
ドロターピニルオキシエタノールは、式(I)で示され
る化合物であり、2−(1−メチル−1−(4−メチル
シクロヘキシル)エトキシ)−エタノールと表すことも
できる。
質的に臭いがないものである。また、グリコールエーテ
ルのひとつで、炭素、水素および酸素原子のみからな
り、反応性の大きい元素や官能基をもたないため、安定
性が大きく、家庭用あるいは工業用として広く使うこと
ができる。
ールは、テレビン油などの天然精油に含まれるα−ピネ
ンとエチレングリコールから得られる2−ターピニルオ
キシエタノールを水添する方法などによって、製造でき
る化合物である。
ロターピニルオキシエタノールを通常の防菌製剤あるい
は防カビ製剤に使用される担体や成分等と組合せ、製剤
化することにより調製される。
ヒドロターピニルオキシエタノールをそのまま、あるい
はこれを溶剤に溶解または可溶化して、液体製剤とする
ことができる。溶剤としては、水、アルコール類、炭化
水素類、グリコールエーテル類などを用いることができ
る。この液体製剤は、そのまま容器に入れた製剤とした
り、吸い上げ芯で吸い上げて揮散させる液芯型製剤とし
たり、浸透透過性フィルムを有する容器に入れフィルム
を通して揮散させる製剤としたり、ゲル化剤を加えてゲ
ル製剤とすることもできる。対象物によっては、液体製
剤を直接対象物に塗布、含浸したり、スプレー製剤とし
て対象物に散布することも可能である。
持させて固体製剤とすることもできる。担体としては、
セルロース、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリウレタン、羊毛、タルク、クレ
ー、素焼き、陶磁器粉などからなる粉末、顆粒、錠剤、
シート、マット、フェルト、スポンジ、板、紙、織布、
不織布、フィルム状などの多孔性または非多孔性担体、
トリイソプロピルトリオキサン、シクロドデカンなどの
昇華性担体、フマル酸、安息香酸などの水溶性担体など
を用いることができる。担持の方法としては、滴下、散
布、噴霧などによる含浸、塗布、印刷、練り混みなどを
挙げることができる。これらの固体製剤は、さらに、プ
ラスチックケースや不織布袋などに入れて使用すること
もできる。
剤、例えば、エムペントリンなどの防虫剤、p−メンタ
ン−3,8−ジオールなどの忌避剤、ベンゾトリアゾー
ルなどの防錆剤、塩化カルシウムなどの除湿剤などとと
もに用い、効果の複合化をはかることもできる。更にま
た、他の防菌防カビ剤と併用し、抗菌スペクトルの拡
大、効果のスピードアップなどをはかることもできる。
特に本発明の防菌防カビ剤の有効成分である2−ジヒド
ロターピニルオキシエタノールは、溶剤としての優れた
性質ももっているため、これらの用途に用いるとき、他
の剤と溶解混合しやすいという利点もある。
カビ剤は、種々の方法により使用することができる。例
えば、その使用法のひとつは、非揮散性の防菌防カビ剤
と同様に、対象物に塗布、散布したり、練り込んで、そ
の防菌防カビをはかるものである。対象物としては、建
材、木材、塗料、化粧品、日用品などを挙げることがで
きる。
カビ製剤として、対象物とともに密閉性の高い容器に入
れたり、対象物の近傍に置いて、その防菌防カビをはか
るものである。対象物としては、繊維製品、皮革製品、
書籍、絵画、カメラなどを挙げることができる。容器と
しては、タンス、引き出し、衣装箱、保存箱、保存袋な
どが適当である。
防菌防カビ製剤として、押入、下駄箱、流しの下など菌
やカビの発生しやすい場所に置き、その場所の防菌防カ
ビをはかる使い方を挙げることができる。この場合は、
そこに置かれたものの防菌防カビも、同時にはかること
ができる。
である2−ジヒドロターピニルオキシエタノールが揮散
性を有することは、用途が広がるという点で、大きな意
味をもっている。すなわち、非揮散性の防菌防カビ剤の
使い方は、対象物への塗布、散布、あるいは練り込みな
どに限定されるが、この方法では、対象物が繊維製品や
皮革製品のときには、塗布や散布によって汚染されるこ
とがある。また、対象物への塗布、散布、あるいは練り
込みでは、使用場所や条件によっては、時間とともに、
対象物の表面に菌やカビの栄養源になる物質が付着し、
防菌防カビ剤と菌やカビとの接触が妨げられる結果、効
果が持続しないこともある。
い、気体で対象物と接触させる方法には、このような制
約はない。気体で接触するため対象物を汚染することが
少なく、常に対象物の表面を覆うため効果が長時間持続
する。さらに、小さな隙間や手の届かない場所にまで、
有効成分がゆきわたって効果を発揮するという特長があ
る。
2−ジヒドロターピニルオキシエタノールは、実質的に
臭いがなく、安定性が大きく、かつ揮散性を有する防菌
防カビ成分である。
は、家庭用、工業用の広い分野において便利に使用する
ことができるものである。
するが、本発明はこれら実施例等により何ら制約される
ものではない。
ニルオキシエタノールの基本的な抗菌活性および抗カビ
活性を次の試験で評価した。
ーレに、2−ジヒドロターピニルオキシエタノール(日
本テルペン化学株式会社製、以下の実施例も同じ)を種
々の濃度で含むポテトデキストロース寒天培地20ml
を注入し、固化させた。次いで、この培地に、約105
個/mlに調製した下記の試験カビの胞子液50μlを
塗布し、25℃で培養した。7日後の成育状況を観察
し、生育の認められなかった最小濃度を最低発育阻止濃
度とした。
に、カビの胞子液を下記の試験細菌の菌液に、温度、時
間を37℃、24時間に変えて、細菌に対する最低発育
阻止濃度を求めた。これらの結果を表1に示す。
6341 ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum)I
FO 6352 クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladsporiu
m cladosporioides) IFO 6348
01 スタフィロコカス・オーレウス(Staphylococcus)IF
O 14462
ヒドロターピニルオキシエタノールの抗菌活性および抗
カビ活性を次の試験で評価した。
ーレに、ポテトデキストローズ寒天培地5mlを入れて
固め、その上に約105個/mlに調製した上記試験カ
ビの胞子懸濁液50μlを塗布した。このシャーレを、
直径75mm、高さ120mmの腰高シャーレ(内容積
500ml)の底部に置いた。一方、腰高シャーレの蓋
部の内側に、種々の量の2−ジヒドロターピニルオキシ
エタノールを含浸した濾紙を固定し、蓋をかぶせて、2
5℃で培養した。4日後の成育状況を観察し、生育の認
められなかった最小量を最低発育阻止量とした。
に、カビの胞子液を上記試験細菌の菌液に、温度、時間
を37℃、24時間に変えて、細菌に対する最低発育阻
止量を求めた。この結果を表2に示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 2−ジヒドロターピニルオキシエタノー
ルを有効成分として含有する防菌防カビ剤。 - 【請求項2】 揮散性である請求項第1項記載の防菌防
カビ剤。 - 【請求項3】 2−ジヒドロターピニルオキシエタノー
ルを気体状態で対象物と接触させることを特徴とする防
菌防カビ方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007097738A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Kobayashi Pharmaceut Co Ltd | 空間除菌用組成物 |
WO2012090977A1 (ja) * | 2010-12-28 | 2012-07-05 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 新規脂環式アルコール |
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- 2000-05-18 JP JP2000145884A patent/JP4489246B2/ja not_active Expired - Fee Related
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