JP4488599B2 - デジタルデータ通信におけるビット復元方法およびデジタルデータ受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、NAVTEX受信機などに適用されるデジタルデータ通信におけるビット復元方法、およびデジタルデータ受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
NAVTEX(Navigation Telex)は、航行中の船舶に対して、基地局から遭難情報や気象情報などを文字データとして定時送信するシステムである。NAVTEXには、国際NAVTEXのほか日本語NAVTEXもあるが、以下では国際NAVTEXについて述べる。国際NAVTEXでは、ITU規格(Rec.ITU‐R M625 TABLE1)に従って、1つの文字は7ビットのデータから構成されていて、3個のH(High)レベルのビットと、4個のL(Low)レベルのビットからなる。この文字データの送信にあたっては、DXデータおよびRXデータという同一内容のデジタルデータが時間を前後して送信され、受信機側ではこれらのDXデータおよびRXデータを一定の時間差をもって受信し、双方のデータの照合を行なって文字を認識し、情報を印刷するようにしている。
【0003】
図11は、NAVTEXの送信データを示しており、(a)はDXデータ、(b)はRXデータである。「Z」「C」「A」などはそれぞれ1つの文字(7ビット)を表している。なお、「└┘」はスペースである。図から分かるように、DXデータとRXデータとは全く同じ内容のデータであり、送信タイミングのみが異なる。NAVTEXでは、まず(a)のDXデータが先行して送信され、それから5文字分だけ遅れて(b)のRXデータが送信される、という仕組みをとっている。図12はDXデータとRXデータの送信プロトコルを示した図である。また、図13は、1文字(ここでは「C」の文字)を構成するビットパターンの例で、(a)はDXデータ、(b)はRXデータである。ここでも、両者は同じものとなっている。
【0004】
このようなNAVTEXのデータを受信した側(船舶)では、DXデータおよびRXデータを1文字の区間(7ビット)ごとに解析して、図13のように両者が同一の場合は、その文字を正しい文字として決定する。また、DXデータとRXデータのいずれか一方が、エラーに基因してNAVTEXの文字パターン(Hが3個でLが4個)と合致しないため文字として認識できず(たとえば、Hが2個でLが5個の場合)、他方がNAVTEXの文字パターンと合致していて文字として認識できる場合は、他方のデータを採用して文字を決定する。こうして、同一のDXデータ・RXデータを送信することにより、一方が認識できなくても他方が正しく認識されれば、文字を決定して印刷することができるので、エラーにより重要な緊急情報などが伝達されない、というリスクを軽減することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のNAVTEXシステムでは、1文字中のビットにエラーが発生した場合に、その文字データを無効とするエラー処理を行なっているため、DXデータとRXデータのいずれにもエラーがある場合には、双方のデータが無効とされて文字が印字されないことになる。
【0006】
これを図14で説明すると、同図(a)はDXデータで、3ビット目の破線で囲んだ部分は本来Lレベルであるべきところ、ノイズやサンプリング誤差(同期ずれ)等が原因でHレベルとなっている例である。この結果、このDXデータは7ビットのうち、Hが4個、Lが3個となって、NAVTEXの文字パターン(Hが3個、Lが4個)と合致しないため、文字として認識できなくなる。また、同図(b)はRXデータで、5ビット目の破線で囲んだ部分は本来Lレベルであるべきところ、Hレベルとなっている。この結果、このRXデータも7ビットのうち、Hが4個、Lが3個となって、NAVTEXの文字パターンと合致しないため、やはり文字として認識できなくなる。
【0007】
したがって、DXデータとRXデータのいずれもが文字として認識できないことから、結局この文字はエラーとなって正常に表示されず、「*」のような記号で表示がされることとなり、判読が不可能となる。しかしながら、NAVTEXのように緊急情報や重要情報を伝達するシステムでは、文字の欠落をできるだけ少なくする必要があり、このために、多少のノイズ等があってもデータを無効とするのではなく、可能な限り復元させるようにすることが望まれる。
【0008】
そこで、本発明は上記の点に鑑み、データを構成するビットにエラーが発生した場合でも、可能な限りビットを復元して、より多くの情報を伝達できるようにすることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、一定の時間差をもって受信する同一内容のデジタルデータにつき、それぞれを構成する各ビットの信頼性を判定し、先行データと後続データとの間で対応するビットに違いがある場合に、信頼性の高い方のビットの値を採用してビットを決定するようにしている。すなわち、本発明は、従来のように先行データと後続データとを全体として比較するのではなく、それらを構成する個々のビットごとに比較を行なうものである。
【0010】
このようにすれば、各ビットごとに信頼性の情報が付与されているので、先行データと後続データのいずれもがエラーを含んでいる場合であっても、対応するビットの信頼性を比較して、信頼性の高いほうのビットを採用することで、正規のデータを復元することが可能となる。
【0011】
各ビットごとの信頼性を算出する手段としては、サンプリングを用いる。すなわち、各ビットの区間ごとにサンプリングを行なってHとLのサンプリング個数を抽出し、この個数を第1の閾値と比較する。ビット区間のサンプリング回数をたとえば10回とし、第1の閾値をたとえば6としたとき、10回のうちH(またはL)のサンプリング個数が6以上あれば、当該区間のビットをH(またはL)と決定する。さらに、こうして決定したビットに対し、H(またはL)のサンプリング個数を第2の閾値と比較する。第2の閾値をたとえば9としたとき、H(またはL)のサンプリング個数が9個以上あれば、そのビットを信頼性ありと判定する。
【0012】
また、本発明では、先行データと後続データとの間で、対応するビットに違いがあり、かつ、いずれにも信頼性がない場合、もしくはいずれにも信頼性がある場合に、そのビットに関してはHまたはLの決定を一時的に保留し、残りのビットの決定が終了した後に、正常なビットのHまたはLの数に基づいて保留したビットのHまたはLを決定するようにしてもよい。たとえば、NAVTEXの場合に、保留したビット以外の正常なビットがH3個、L3個だったとすると、NAVTEXの文字パターンではHが3個、Lが4個と決まっているので、保留したビットはLであることが正常ビットの数から判定できる。しかし、NAVTEXでは1文字を構成する7ビットの中に保留ビットが2個以上あれば、それらのビットを確定することができないので、ビットの復元は不能と判断してエラー処理を行なう。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき、図を参照しながら説明する。図1は、NAVTEX受信機のブロック図である。図において、1は図示しない基地局から送信されてくるNAVTEXデータを受信する受信部、2は受信部1が受信したデータを解析して文字を再生する処理部、3は処理部2において再生された文字をプリントアウトする印字部である。受信部1には、NAVTEXデータを受信する受信アンテナ1aが設けられている。処理部2は、CPUやメモリ、サンプリング回路などを含んで構成される。また、印字部3は、サーマルプリンタなどから構成される。
【0014】
図2は、NAVTEX受信機100の一例を示す正面図である。受信機100の本体4には、上述した受信部1、処理部2、および印字部3が内蔵されている。5は本体4の前面に設けられたランプ表示部、6は各種キーを含む操作部、7は本体4を支持したスタンドである。8は本体4の前面から排紙される記録紙であって、この記録紙8には、印字部3によって文字情報が印刷されている。
【0015】
図3は、記録紙8の印字例を示しており、海上安全情報が印字されたものである。冒頭の「ZCZC」は放送開始符号、「H」は放送局の区分、「A」はメッセージの種類、「73」はメッセージのシリアル番号を表している。また、末尾の「NNNN」はメッセージの終了を表す符号である。
【0016】
図4は、処理部2におけるビット復元の原理を説明するタイムチャートである。同図(a)は受信部1で受信されたDXデータであって、図14(a)と対応しており、3ビット目は、本来Lレベルであるべきところ途中までHレベルとなって、エラー(太線部分)が生じている。また、同図(b)はDXデータより一定時間遅れて受信部1で受信されたRXデータであって、図14(b)と対応しており、5ビット目は、本来Lレベルであるべきところ途中からHレベルとなって、エラー(太線部分)が生じている。また、たとえば「L:10」とあるのは、その区間について10回サンプリングを行なってサンプル値を抽出した結果、Lレベルが10個抽出されたことを表し、たとえば「H:6」とあるのは、Hレベルが6個抽出されたことを表している。
【0017】
図5は、上述のサンプリングを説明する図であり、図4(a)の2ビット目と3ビット目のサンプリングの様子を例示したものである。サンプリングにあたっては、処理部2に内蔵されているサンプリング回路(図示省略)が発生するサンプリングクロックを用いて、DXデータおよびRXデータの▲1▼〜▲7▼の各ビット区間ごとに、10回のサンプリングを行なう。その結果、3ビット目の区間▲3▼のサンプリング結果は、図示するように、Hが6個でLが4個となる。この場合、その区間のビットがHかLかを一応確定する必要があるので、ここではHが6個以上あればその区間のビットはHとし、Hが6個未満であればその区間のビットはLとする判定基準を用いる。これに従えば、区間▲3▼ではHが6個であるから、この区間のビットはHとして確定される。
【0018】
このようにして、DXデータおよびRXデータのそれぞれにつき、各ビット区間のHとLのサンプリング個数を抽出して、その結果から上記基準に従って、その区間のビットのH,Lを確定する。次に、DXデータとRXデータの対応するビットのH,Lを比較して、それらが一致しているかどうかを判定する。一致している場合は、DXデータ(RXデータでも同じこと)のそのビットを採用する。図4の例では、▲1▼,▲2▼,▲4▼,▲6▼,▲7▼の区間において、DXデータとRXデータとの間にビットの相違はないので、これらの区間についてはDXデータを採用し、同図(c)のように、区間▲1▼はL、区間▲2▼はH、区間▲4▼はL、区間▲6▼はH、区間▲7▼はHと決定する。
【0019】
一方、DXデータとRXデータの対応するビットのH,Lが一致していない区間については、抽出されたH,Lの個数が一定以上であるほうを採用する。ここでは、9個以上を基準として判定を行なう。すなわち、区間▲3▼については、DXデータではHが6個であり、RXデータではLが10個であるから、RXデータのLのほうが信頼性が高いとして、この区間のビットはLであると判定する。同様に、区間▲5▼については、DXデータではLが10個であり、RXデータではHが7個であるから、DXデータのLのほうが信頼性が高いとして、この区間のビットはLであると判定する。
【0020】
以上のようにして、各ビットについてH,Lの判定を行なった総合結果は、図4(c)のようになり、区間▲3▼と区間▲5▼の各ビットが正しく復元されて、NAVTEXの文字パターンと合致する。したがって、DXデータとRXデータのいずれもがエラーを含んでいて文字として認識できない場合であっても、ビットの復元によって文字を決定することが可能となるので、データを無効とすることなく、文字情報を印字部3で印字することができる。
【0021】
図6および図7は、上述した原理に基づいてビットの復元を行なう場合の詳細な手順を示すフローチャートである。図6はビットの信頼性を求める手順、図7は求めた信頼性に基づいてビットの復元処理を行なう手順をそれぞれ示している。これらの各手順は、処理部2のCPUにより実行される。以下、図6および図7に従って、本発明に係るビット復元方法の詳細を説明する。
【0022】
図6において、まず初期化処理として、サンプリング回数NをN=0にする(ステップS1)。このNの値は、処理部2のメモリ(図示省略)に設定される。次に、図5で説明した要領に従ってサンプリングを行ない、1回のサンプリングごとにビット区間のサンプリング値(H,L)を読取って、これを保存する(ステップS2)。このサンプリング値も、処理部2のメモリに記憶される。その後、サンプリング回数NをN+1に更新する(ステップS3)。続いて、N=10か否か、すなわち10回のサンプリングが終了したか否かを判定し(ステップS4)、Nが10に達していなければ(ステップS4;NO)、ステップS2へ戻ってサンプリングを継続する。
【0023】
1つの区間のサンプリングが終了してN=10になると(ステップS4;YES)、次に、10回のサンプリングにおいて抽出されたHの個数、すなわちサンプリング個数が6個以上か否かを判定する(ステップS5)。Hが6個以上あれば(ステップS5;YES)、そのビットはHであると確定し(ステップS6)、Hが6個未満であれば(ステップS5;NO)、そのビットはLであると確定する(ステップS9)。なお、ここではHの個数を基準としているが、Lの個数を基準としてもよい。
【0024】
次に、確定したHまたはLのビットにつき、HまたはLのサンプリング個数が9個以上か否かを判定する(ステップS7)。HまたはLが9個以上あれば(ステップS7;YES)、そのビットは信頼性ありと判定し(ステップS8)、HまたはLが9個に満たなければ(ステップS7;NO)、そのビットは信頼性なし判定する(ステップS10)。なお、ここでは信頼性有無の基準として、サンプリング個数を9個に設定しているが、これは一例であって、10個や8個でもよい。
【0025】
以上のような処理によって、1つのビット区間のサンプリングが終了し、同様の処理を各ビット区間について行なって、そのビットのH,Lおよび信頼性を判定してゆく。これをDXデータとRXデータのそれぞれにつき行ない、それらの判定結果を処理部2のメモリに記録する。
【0026】
図4の場合は、メモリに図8のような判定結果が記録される。(a)はDXデータの1文字(7ビット)についての判定結果、(b)はRXデータの対応する1文字についての判定結果を示している。なお、信頼性の有無は、フラグの形式で記録することができる。すなわち、信頼性ありの場合はフラグ「1」がセットされ、信頼性なしの場合はフラグ「0」がセットされるようにすればよい。図8(c)は総合的な判定結果を表しているが、これについては後述する。
【0027】
次に、上記のようにして得られた判定結果に基づいてビットの復元処理を行なう手順を、図7を参照して説明する。まず初期化処理として、ループ回数LをL=0にするとともに、エラービット数EをE=0にする(ステップS11)。これらのLおよびEの値も、処理部2のメモリに設定される。次に、DXデータとRXデータの対応するビット同士を順次比較して、それらの間に違いがあるか否かを判定する(ステップS12)。その結果、両者に違いがなければ(ステップS12;NO)、DXデータのビットを採用する(ステップS24)。図8の区間▲1▼,▲2▼,▲4▼,▲6▼,▲7▼がこの場合に該当する。なお、ステップS24では、両者のビットが共に信頼性なしのビットであったとしても、強制的にそのビットが採用される。
【0028】
一方、対応するビット同士間で違いがある場合は(ステップS12;YES)、次にDXのビットに信頼性があってRXのビットに信頼性がないかどうかを判定する(ステップS13)。その結果、YESと判定された場合は、信頼性のあるDXのビットを採用する(ステップS25)。図8の区間▲5▼がこれに該当する。また、ステップS13でNOと判定された場合は、続いてDXのビットに信頼性がなくRXのビットに信頼性があるかどうかを判定する(ステップS14)。その結果、YESと判定された場合は、信頼性のあるRXのビットを採用する(ステップS26)。図8の区間▲3▼がこれに該当する。また、ステップS14でNOと判定された場合、すなわちDXのビットにもRXのビットにも信頼性がない場合、もしくはDXのビットにもRXのビットにも信頼性がある場合は、ステップS15に進む。ステップS15では、エラービット数Eに1を加算し、E=E+1とする。
【0029】
図9は、双方のビットに信頼性がない場合の例を示している。同図(a)では、DXデータの4ビット目がLでそのサンプリング個数が8であり、また同図(b)では、RXデータの4ビット目がHでそのサンプリング個数が7となっている。したがって、いずれのビットにも信頼性がない。この場合は、同図(c)のように、とりあえず4ビット目についての決定を一時的に保留とし、残っているビットについての判定が終った段階で決定する。その詳細は後述する。なお、双方のビットに信頼性がある場合も、上記と同様の保留処理を行なう。
【0030】
ステップS24〜S26においてビットが決定された後、ループ回数Lを1加算してL=L+1とする(ステップS17)。また、ステップS15においてビットの決定が保留とされた後、ステップS16においてエラービット数Eが2以上か否か、すなわち保留にしたビットが2個以上あるか否かを判定し、2未満であればループ回数Lを1加算してL=L+1とする(ステップS17)。続いて、L=7になったか否か、すなわち1文字分の全ビットにつき処理が終了したか否かを判定する(ステップS18)。Lが7に達してなければ(ステップS18;NO)、ステップS12に戻って上述した処理を反復する。L=7になれば(ステップS18;YES)、次にエラービット数Eが0か否か、すなわち保留になっているビットがあるか否かを判定する(ステップS19)。保留ビットがなければ(ステップS19;NO)、1文字を構成するすべてのビットが決定されたこととなるので、1文字分の処理を終了する。
【0031】
一方、保留ビットがある場合は(ステップS19;YES)、正常に判定された残りの6ビットについて、Hの数がいくつあるかを判定する(ステップS20)。前述のように、NAVTEXでは1文字のデータはHが3個、Lが4個と決まっているから、Hの数が2個であれば、必然的に保留ビットはHでなければならない。よって、この場合は保留ビットをHのビットと決定する(ステップS21)。また、Hの数が3個であれば、NAVTEXデータと合致するために、保留ビットはLでなければならないから、この場合は保留ビットをLのビットと決定する(ステップS22)。図9(c)においては、Hの数が3個であるから、同図(d)のように、保留ビット(4ビット目)はLと決定される。また、Hの数が2個でも3個でもなく、たとえば1個や4個の場合は、NAVTEXデータのパターンと一致しないことが明らかであるから、エラー処理を行なう(ステップS23)。この場合は、文字が認識されないので、文字に相当する部分には、たとえば「*」のような記号が印字されることになる。
【0032】
以上のように、本実施形態では、DXデータとRXデータの対応ビットが相違していて、しかもいずれにも信頼性がない場合(もしくは信頼性がある場合)であっても、ただちにエラー処理とはせずにビットの決定をひとまず保留し、残りのビットについての判定を終えた最後の段階で、保留ビットのHまたはLを決定するようにしている。このため、エラーに対してより弾力的な処理が行なえ、文字を復元する機会が増えるので、一層多くの情報を伝達することができる。
【0033】
ところで、ステップS16において、エラービット数Eが2以上と判定された場合も、エラー処理が行なわれる(ステップS23)。たとえば、エラービット数Eが2であるとすると、これは保留されるビットが2個あることを意味している。図10はこの場合の例を示しており、(a)のDXデータと(b)のRXデータとを比較すると、4ビット目と7ビット目の確定ビットが双方で違っており、かついずれのビットにも信頼性がないから、(c)のように2つとも保留ということになる。
【0034】
ところが、このように保留ビットが2つあると、残りの正常ビットを参照しても、保留ビットのH,Lを決定することができない。なぜなら、図10(c)の場合は、残りの5ビットのうちHが2個、Lが3個であるから、NAVTEXデータの文字パターンと一致するには、保留ビットの一方がHで、他方がLでなければならないことまではわかるが、いずれの保留ビットがHで、いずれの保留ビットがLであるかまでは特定できないからである。したがって、この場合も文字を認識することはできないので、エラー処理によって文字部分には「*」のような記号を印字する。
【0035】
このようにして、1つの文字について図7の処理が終了すると、再びステップS11に返って、次の文字について同様の処理が繰り返され、1文字を構成する7ビットのデータパターンが決定されてゆく。処理部2は、このデータパターンをあらかじめメモリに記憶されている文字テーブルと照合し、パターンに対応する文字を決定して、これを印字部3へ出力する。印字部3は、処理部2から受取った文字を図3で示したように記録紙8へ印刷する。
【0036】
本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、他にも種々の形態を採用することができる。たとえば、上記実施形態においては、処理部2で処理された文字データを印字部3で印字して出力するようにしているが、印字部3に代えて、文字データを表示する液晶ディスプレイなどの表示部を設けてもよく、あるいは印字部と表示部の両方を設けてもよい。これらの印字部や表示部は、本発明のデジタルデータ受信機における出力部を構成する。
【0037】
また、上記実施形態では国際NAVTEXについて述べたが、本発明は日本語NAVTEXにも適用することができる。日本語NAVTEXの場合は、ITU規格(Rec.ITU‐R M493 TABLE1)に従って、1文字の符号構成は10ビットとなり、上位7ビットにはJIS X0208の漢字コード第2水準までの文字コードが割り当てられ、下位3ビットには誤り訂正符号が割り当てられるが、DX,RXを用いる誤り訂正方式は国際NAVTEXの場合と同様である(Rec.ITU‐R M625 modeB(FEC))。
【0038】
また、上記実施形態においては、NAVTEX受信機を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、同一内容のデジタルデータを一定の時間差をもって受信するシステム全般に適用が可能であり、たとえばNBDP(Narrow Band Direct Printing;狭帯域直接印刷電信装置)のような海上通信システムなどにも適用することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、先行データと後続データの対応ビットが相違する場合に、信頼性の高いビットを採用してビットを決定するので、両データのいずれもがエラーを含んでいる場合でも、データを無効とすることなくビットを復元することができる。このため、多少のエラーが発生した場合でも、データを正常に復元してより多くの情報を伝達することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】NAVTEX受信機のブロック図である。
【図2】NAVTEX受信機の一例を示す正面図である。
【図3】印字例を示す図である。
【図4】ビット復元の原理を説明する図である。
【図5】サンプリングを説明する図である。
【図6】ビットの信頼性を決定する手順を示すフローチャートである。
【図7】ビットの復元処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】メモリに記憶された判定結果の例を示す図である。
【図9】メモリに記憶された判定結果の例を示す図である。
【図10】メモリに記憶された判定結果の例を示す図である。
【図11】NAVTEXの送信データを示す図である。
【図12】送信プロトコルを示す図である。
【図13】1文字を構成するビットパターンの例を示す図である。
【図14】エラー処理を説明する図である。
【符号の説明】
1 受信部
1a 受信アンテナ
2 処理部
3 印字部
8 記録紙
100 NAVTEX受信機
Claims (5)
- 同一内容のデジタルデータを一定の時間差をもって受信するシステムにおいて、それぞれのデータを構成する各ビットの値について信頼性を判定し、先行するデータと後続するデータとの間で対応するビットに違いがある場合に、信頼性の高い方のビットの値を採用してビットを決定するデジタルデータ通信におけるビット復元方法であって、
各ビットの区間ごとにサンプリングを行なってH(High)とL(Low)のサンプリング個数を抽出し、このサンプリング個数と第1の閾値とを比較して当該区間のビットがHであるかLであるかを確定し、前記各区間ごとにHまたはLのサンプリング個数を第2の閾値と比較して当該区間のビットの信頼性を判定することを特徴とするデジタルデータ通信におけるビット復元方法。 - 先行するデータと後続するデータとの間で対応するビットに違いがあり、かつ、いずれにも信頼性がない場合、もしくはいずれにも信頼性がある場合に、当該ビットをエラービットとしてHまたはLの決定を保留し、残りのビットの決定が終了した後に、正常なビットのHまたはLの数に基づいて前記エラービットのHまたはLを決定することを特徴とする請求項1に記載のデジタルデータ通信におけるビット復元方法。
- 所定数のビットからなるビット列にエラービットが一定以上含まれている場合に、当該エラービットを復元不能としてエラー処理を行なうことを特徴とする請求項2に記載のデジタルデータ通信におけるビット復元方法。
- 同一内容のデジタルデータを一定の時間差をもって受信する受信部と、
それぞれのデータを構成する各ビットの値について信頼性を判定し、先行するデータと後続するデータとの間で対応するビットに違いがある場合に、信頼性の高い方のビットの値を採用してビットを決定する処理部と、
を備えたデジタルデータ受信機において、
前記処理部は、各ビットの区間ごとにサンプリングを行なってH(High)とL(Low)のサンプリング個数を抽出し、このサンプリング個数と第1の閾値とを比較して当該区間のビットがHであるかLであるかを確定し、前記各区間ごとにHまたはLのサンプリング個数を第2の閾値と比較して当該区間のビットの信頼性を判定することを特徴とするデジタルデータ受信機。 - デジタルデータが文字を構成するデータであって、先行するデータがDXデータ、後続するデータがRXデータであり、
前記処理部は、DXデータおよびRXデータのそれぞれにつき、1文字を構成する各ビットの区間ごとにサンプリングを行なってHとLのサンプリング個数を抽出することを特徴とする請求項4に記載のデジタルデータ受信機。
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2000
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