JP4487236B2 - 画像形成装置および画像形成プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像データに基づいて画像を描画して出力する画像形成装置および画像形成プログラムに関する。
プリンタ装置に代表される画像形成装置の中には、画像の出力依頼元に関する情報(ユーザ名等)を付加して出力する機能を有したものがある(例えば、特許文献1参照)。かかる機能を有した画像形成装置では、出力依頼されたドキュメントの本文と同一の用紙上に、その出力依頼元であるユーザ名等を併せて印刷出力するので、その出力結果を参照することで印刷出力後の仕分け処理が容易になる等の利点がある。
このような画像形成装置における具体的な処理の流れとしては、例えば図7に示すようなものが挙げられる。すなわち、画像形成装置の上位装置であるホスト装置からは、出力依頼の目的物であるドキュメントについての印刷指示関連と、その出力依頼元に関する情報(以下「付加情報」という)についての印刷指示関連との、2種類のコマンドが送られてくるので、画像形成装置では、ホスト装置からのコマンドを受け取ると、先ず、そのコマンドが付加情報の印刷指示関連のものか否かを判断する(ステップ201、以下ステップを「S」と略す)。そして、印刷指示関連のものでなければ、そのコマンドによって指示される通常のコマンド処理を行う(S202)。一方、印刷指示関連のものである場合には、そのコマンドが付加情報の印刷位置の指定コマンドであるか否かを判断し(S203)、印刷位置の指定コマンドであれば、その指定コマンドによる指定に従いつつ印刷位置の設定を行う(S204)。また、印刷位置の指定コマンドでなければ、続いて、そのコマンドが付加情報の内容についての指定コマンドであるか否かを判断し(S205)、内容の指定コマンドであれば、その指定コマンドによる指定に従いつつユーザ名や出力日時等の内容についての設定を行う(S206)。また、内容の指定コマンドでもなければ、さらに、そのコマンドが付加情報の印刷を指定するコマンドであるか否かを判断し(S207)、印刷の指定コマンドであれば、既に設定(S204,S206)された付加情報を印刷出力するための描画を実行する(S208)。画像形成装置では、このような一連の処理をホスト装置からの各コマンド毎に繰り返す(S201〜S209)。
特開2002−323965号公報
ところで、近年では、画像形成装置にて付加され印刷出力されたユーザ名等の情報を、印刷出力の課金管理に用いたり、その画像形成装置の使用を許可されたユーザからの印刷出力であるか否かの確認に用いたり、無駄な印刷出力が行われていないか否かのチェックに用いたりする等、重要な管理情報として使用することも考えられる。このような付加情報の利用形態を実現する場合には、その付加情報が用紙上に明瞭に印刷出力されていることが必要である。なぜならば、付加情報が明瞭でないと、例えば課金が正しく行えないといった事態が生ずるからである。
しかしながら、従来の画像形成装置では、付加情報の印刷出力を行う機能を有していても、必ずしもその付加情報の印刷出力を明瞭に行えるとは限らない。例えば、印刷出力すべきドキュメントの本文が用紙上の印刷可能な全領域に渡って描画される場合には、付加情報を付加して印刷出力しようとしても、その付加情報とドキュメントの本文とが重なってしまい、その結果ユーザ名等の付加情報が非常に判別し難くなってしまうおそれがある。また、例えば、画像形成装置の中にはパンチによる穴あけやステープル等の後処理に対応するものも存在するが、このような後処理がある場合には、その後処理のための領域に付加情報を付加して印刷出力しても、その付加情報を読み取れなくなってしまうおそれがある。
そこで、本発明は、付加情報の印刷出力を常に明瞭に行えるようにすることで、その付加情報を重要な管理情報として使用するのに好適である画像形成装置および画像形成プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出された画像形成装置で、出力すべき画像データに当該画像データの出力依頼元に関する情報を付加情報として付加する付加手段と、画像処理装置の管理モードから、前記付加情報を出力する又はしないを選択する出力選択手段と、前記付加情報を付加する位置を、複数の位置情報から選択する位置選択手段と、前記複数の位置情報に優先順位を設定する設定手段と、前記付加情報を出力するという選択がされている場合に、前記位置選択手段で選択された付加情報の位置と前記画像データを出力する際の出力不可領域とが重なるときには、付加情報の位置が前記出力不可領域と重ならないように前記設定手段で設定された優先順位に従って前記複数の位置情報から付加情報を付加する位置を決定し、該決定した位置に前記付加情報を付加させる修正手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明は、上記目的を達成するために案出された画像形成プログラムで、コンピュータを、出力すべき画像データに当該画像データの出力依頼元に関する情報を付加情報として付加する付加手段と、画像処理装置の管理モードから、前記付加情報を出力する又はしないを選択する出力選択手段と、前記付加情報を付加する位置を、複数の位置情報から選択する位置選択手段と、前記複数の位置情報に優先順位を設定する設定手段と、前記付加情報を出力するという選択がされている場合に、前記位置選択手段で選択された付加情報の位置と前記画像データを出力する際の出力不可領域とが重なるときには、付加情報の位置が前記出力不可領域と重ならないように前記設定手段で設定された優先順位に従って前記複数の位置情報から付加情報を付加する位置を決定し、該決定した位置に前記付加情報を付加させる修正手段として機能させることを特徴とするものである。
上記構成の画像形成装置および画像形成プログラムによれば、付加情報の位置が画像データを出力する際の出力不可領域と重なる場合には、その付加情報の位置を、出力不可領域と重ならないようにするようになっている。ここで、出力不可領域とは、画像の出力が禁止される領域をいい、具体的には例えば穴あけやステープル等の後処理を施す領域が相当する。したがって、例えば後処理によって出力不可領域が生じる場合であっても、付加情報の出力結果が出力不可領域内に存在することがないので、その付加情報の出力結果は、明瞭に識別し得るようになる。
本発明に係る画像形成装置および画像形成プログラムによれば、付加情報を付加する場合であっても、その付加情報の印刷出力を常に明瞭に行うことができる。したがって、付加情報の印刷出力結果を読み取ってその内容を判別することが非常に容易となり、その付加情報を印刷出力の重要な管理情報として使用するのに好適なものとなる。
以下、図面に基づき本発明に係る画像形成装置および画像形成プログラムについて説明する。
先ず、画像形成装置の概略構成について説明する。ここでは、画像形成装置がプリンタ装置である場合を例に挙げる。図1は、プリンタ装置の概略構成例を示すブロック図である。
プリンタ装置1は、そのプリンタ装置1の上位装置であるホスト装置(例えば、パーソナルコンピュータ)2と、有線または無線の通信線3を介して接続されて用いられるものである。通信線3上には、複数のホスト装置2が存在していても構わない。そして、プリンタ装置1では、ホスト装置2からの出力要求に応じて、画像の印刷出力を行うようになっている。
このような処理動作を行うために、プリンタ装置1は、少なくとも、通信線3と接続するためのインタフェース部11と、画像の印刷出力を行うためのプリンタエンジン12と、所定プログラムを予め格納しているROM(Read Only Memory)13と、そのROM13内に格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)14と、CPU14のワークエリアやプリンタエンジン12で出力する画像についてのパージバッファとして用いられるRAM(Random Access Memory)15と、これらを互いに接続するシステムバス16と、を備えている。
このような構成のプリンタ装置1では、ホスト装置2からの出力要求をインタフェース部11で受け取ると、CPU14がその出力要求に含まれるコマンドを解釈して、RAM15内の所定領域に出力すべき画像データ(例えば、ビットマップデータ)を描画する。そして、用紙1ページ分またはその一部分についての描画が完了すると、その描画された画像データをプリンタエンジン12が用紙上に印刷出力する。これにより、例えばホスト装置2で電子的に作成されたドキュメントが、プリンタ装置1にて可視画像化されて用紙上に出力されるのである。
ところで、本実施形態で説明するプリンタ装置1は、CPU14が、ROM13内のプログラムを実行することによって、付加手段、処理手段、判断手段および修正手段としての機能を実現する点に大きな特徴がある。付加手段としての機能は、出力すべき画像データにその画像データの出力依頼元に関する情報を付加情報として付加する機能である。付加情報としては、出力依頼元に関するユーザ名や、その出力依頼日時等が挙げられる。処理手段としての機能は、付加情報に識別可能化処理を施す機能である。識別可能化処理とは、付加情報の内容を背景の状態に拘わらずに識別可能にするための処理をいい、その詳細な内容については後述する。判断手段としての機能は、付加情報の描画領域が画像データを描画出力する際の出力不可領域と重なるか否かを判断する機能である。出力不可領域とは、画像の出力が禁止される領域をいい、その詳細な内容については後述する。修正手段としての機能は、描画領域と出力不可領域とが重なる場合に、その出力不可領域を避けるよう描画領域の位置を変更する機能である。
なお、ここでは、これらの各機能を実現するプログラムが、予めROM13内に格納されている場合を例に挙げたが、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであっても、または有線若しくは無線による通信手段を介して配信されるものであってもよい。つまり、ここで説明したCPU14が実現させる機能は、コンピュータを同様に機能させるプリンタドライバ等の画像形成プログラム、すなわち本発明に係る画像形成プログラムによっても実現することが可能である。ここで、コンピュータとは、プログラムを実行する電子計算機の意であり、CPU14を備えたプリンタ装置1のみならず、例えばホスト装置2をも含むものとする。
次に、以上のように構成されたプリンタ装置1における処理動作例について説明する。ただし、ここでは、付加情報の出力に関する処理動作例についてのみ説明する。図2は、付加情報の出力に関する処理動作例を示すフローチャートである。
ここで、先ず、付加情報の出力に関する初期設定について説明する(図2中、Bの流れ参照)。初期設定は、プリンタ装置1の管理者が、そのプリンタ装置1の操作パネルまたはそのプリンタ装置1に接続するホスト装置2を操作しつつ、そのプリンタ装置1の管理モードに入ることによって行われる(S101)。初期設定項目としては、例えば、付加情報を出力する・しないの選択(S102)、ユーザ(印刷者)名や印刷出力日時等といった付加情報の内容(どのような内容を付加情報とするか)の指定(S103)、付加情報の用紙上における印刷出力位置(上中央、左上、右上、下中央、左下、右下等)の指定(S104)、付加情報の印刷出力位置の補正に関する情報(直近、代替え等)の指定(S105)、付加情報の描画方式(塗り潰し、縁取り、色変更等)の指定(S106)がある。これらの項目について設定があると、その設定内容は、例えばRAM15内の所定領域に格納される。なお、初期設定は、各項目について、設定し得る内容の中からいずれか一つを選択することで行ってもよいし、設定し得る内容のそれぞれに優先順位を与えることで行ってもよい。
続いて、付加情報を出力する際の処理動作例について説明する(図2中、Aの流れ参照)。上述した初期設定が行われた後に、インタフェース部11がホスト装置2からの画像の出力要求(プリント指示)を受け取ると(S110)、CPU14は、初期設定の内容(S102)を参照しつつ、付加情報の出力指示があるか否かを判断し(S111)、出力指示がなければ付加情報の出力に関する処理を終了し(S112)、通常の画像の出力処理(付加情報を出力しない画像出力処理)を行う。
一方、付加情報の出力指示があれば、CPU14は、初期設定の内容(S103)に基づいて、その初期設定で指定された内容の付加情報を、プリント指示の依頼元のホスト装置2から取得する(S113)。さらに、CPU14は、初期設定の内容(S104)を参照して、付加情報を印刷出力すべき用紙上における位置についての情報を取得する(S114)。そして、CPU14は、取得したこれらの情報を基に、付加情報の印刷の有無、その印刷出力位置等を決定する(S115)。
付加情報の用紙上における印刷出力位置を決定すると、ここで、CPU14は、その決定した印刷出力位置における付加情報の描画領域が、パンチによる穴あけやステープル等の後処理を施す領域、すなわち画像データを描画出力する際の出力不可領域と重なるか否かを判断する(S116)。この判断は、後処理が指定される際の出力不可領域はシステム内で事前に設定されているので、その出力不可領域と、決定した印刷出力位置における付加情報の描画領域とを、それぞれ比較する座標演算によって行えばよい。なお、後処理を施す指定がない場合には、かかる判断は不要である。
この判断の結果、印刷出力位置を決定した付加情報の描画領域が出力不可領域と重なる場合には、CPU14は、その出力不可領域を避けるように、付加情報の描画領域の位置を変更することを決定する(S117)。この決定は、初期設定の内容(S105)に基づいて行う。
例えば、初期設定において、印刷出力位置の補正に関する情報として「直近」が指定されていると、CPU14は、出力不可領域を避け、かつ、変更前における描画領域の最近傍の位置を、予め設定された座標演算により求め、変更後における描画領域の位置として決定する。最近傍の位置とは、最も移動量の少ない位置をいう。このような位置を求める座標演算は、公知技術を利用して行えばよい。
また、例えば、初期設定において、印刷出力位置の補正に関する情報として「代替え」が指定されていると、CPU14は、描画領域位置候補の中から出力不可領域と重ならないものを選択し、これを変更後における描画領域の位置として決定する。描画領域位置候補とは、初期設定において選択可能な印刷出力位置として予め設定されている位置(上中央、左上、右上、下中央、左下、右下等)のことをいう。これらの描画領域位置候補の中からどの位置を選択するかは、初期設定時に指定された優先順位に従って行うことが考えられる。
変更後における描画領域の位置を決定した後、または付加情報の描画領域と出力不可領域とが重ならず当該描画領域の位置変更が不要な場合に、CPU14は、続いて、その描画領域に描く付加情報に対して、その付加情報の内容を背景の状態に拘わらずに識別可能にするための描画方式の選択を行う(S118)。この選択は、初期設定の内容(S106)に基づいて行う。
例えば、初期設定において、付加情報の描画方式として「塗り潰し」が指定されていると、CPU14は、付加情報の描画領域を背景色で塗り潰す処理を行うことを選択する。このときの背景色は、プリンタ装置1内で予め定められた色であっても、あるいは初期設定時に指定された色であってもよい。また、塗り潰す領域の大きさは、付加情報の描画領域の全体とする。すなわち、付加情報の内容(例えば、付加情報の文字数やその文字のポイント数)によって描画領域の大きさが定まるので、その描画領域の大きさを基に、その描画領域の全体が含まれるように、塗り潰す領域の大きさを決定すればよい。
また、例えば、初期設定において、付加情報の描画方式として「縁取り」が指定されていると、CPU14は、付加情報の描画輪郭を強調する縁取り処理を行うことを選択する。描画輪郭は、描画領域そのものの輪郭であってもよいし、付加情報が文字によって表現される場合にはその文字の輪郭であってもよい。つまり、ここでいう描画輪郭とは、縁取りによって強調可能なものの全てを含む。縁取り部分の色は、例えば「塗り潰し」の場合と同様の背景色とすることが考えられる。
また、例えば、初期設定において、付加情報の描画方式として「色変更」が指定されていると、CPU14は、付加情報の描画色を論理演算により求めて決定する処理を行うことを選択する。このときに用いる論理演算は、付加情報が付加されるドキュメントの本文の画像データの描画色に基づくもの、すなわち当該描画色と識別可能な色を求めるものであればよい。具体的には、画像データの描画色の補色を求める論理演算、画像データの描画色に対しその色空間座標上で座標軸を挟んで対称な位置に存在する色(反転色)を求める論理演算、画像データの描画色に含まれていないいずれかの色を抽出する論理演算等が挙げられる。
そして、描画方式の選択を行うと、CPU14は、選択した描画方式に従いつつ、RAM15内の所定領域に付加情報の描画を行う(S119)。すなわち、CPU14は、RAM15内に描画されるドキュメントの画像データ(例えば、ビットマップデータ)に重ねて、あるいは当該画像データとともに、付加情報の描画を行う。その後、CPU14は、付加情報の出力に関する処理を終了する(S112)。
次に、以上のような手順でRAM15内に描画された画像データおよび付加情報を、プリンタエンジン12で印刷出力した場合に得られる画像について、具体例を挙げて説明する。
図3は、描画方式として「塗り潰し」を選択した場合における印刷出力結果の一具体例を示す説明図である。例えば図3(a)に示すように、ドキュメントの本文21の描画内容と付加情報22の描画内容とが領域的に重なる場合には、その印刷出力の結果である画像上において、両者21,22が干渉してしまい、付加情報22の内容を読み取れないおそれが生じる。ところが、「塗り潰し」を選択した場合には、例えば図3(b)に示すように、付加情報22の文字数とその文字のポイント数によって定まる描画領域の全体を含むように塗り潰す領域23が決定され、その領域23が背景色(例えば、白色や用紙色)で塗り潰され、そこに付加情報22が描画される。つまり、ドキュメントの本文21上に背景色で塗り潰す領域23が上書きされ、その領域23内に付加情報22が描画される。したがって、ドキュメントの本文21の描画内容と付加情報22の描画内容とが領域的に重なる場合であっても、付加情報22の印刷出力を明瞭に行えるようになり、付加情報22の内容を容易に読み取ることが可能となる。
図4は、描画方式として「縁取り」を選択した場合における印刷出力結果の一具体例を示す説明図である。「縁取り」を選択した場合には、例えば図4(a)に示すように、付加情報22の文字の輪郭が縁取られて強調される。つまり、ドキュメントの本文21の描画内容とは異なり、付加情報22については、文字輪郭の縁取り処理を行って強調して印刷出力する。このときの縁取り処理自体は、公知技術を利用して行えばよい。したがって、ドキュメントの本文21の描画内容と付加情報22の描画内容とが領域的に重なる場合であっても、付加情報22の印刷出力結果を明瞭に判別し得るようになり、付加情報22の内容を容易に読み取ることが可能となる。しかも、付加情報22の描画領域23を塗り潰す場合のように、ドキュメントの本文21の描画内容が隠れてしまうこともないので、その本文21の描画内容についても確実に読み取ることが可能となる。なお、縁取り処理時における縁取り量は、初期設定の内容に依存するが、付加情報22の判別容易化のためには、縁取り量を大きく設定することが望ましい。また、例えば図4(b)に示すように、ドキュメントの描画内容が文字ではなく図形等のグラフィックスである場合にも、付加情報22に対する縁取り強調を行って印刷出力することで、その付加情報22の内容を容易に読み取ることが可能となる。このときの縁取り処理時における縁取り色は、初期設定の内容に依存するが、上述した「塗り潰し」の場合と同様の背景色(例えば、白色や用紙色)とすれば、付加情報22の判別容易化を図る上で非常に好適となる。
図5は、描画方式として「色変更」を選択した場合における印刷出力結果の一具体例を示す説明図である。「色変更」を選択した場合には、例えば図5に示すように、付加情報22についての描画色が、ドキュメントの本文21の描画色を基にした論理演算によって求められた描画色、すなわち本文21の描画色とは識別可能な描画色に変更される。したがって、ドキュメントの本文21(グラフィックスである場合をも含む)の描画内容と付加情報22の描画内容とが領域的に重なる場合であっても、付加情報22が本文21の描画色の補色や反転色によって印刷出力されるので、その付加情報22の印刷出力結果を明瞭に判別し得るようになり、付加情報22の内容を容易に読み取ることが可能となる。
これら図3〜図5に示した具体例は、付加情報の描画領域と出力不可領域とが重ならず当該描画領域の位置変更が不要な場合の他、付加情報の描画領域が出力不可領域と重なるため当該描画領域の位置を変更する場合にも適用される。
図6は、出力不可領域との重なりを回避すべく、付加情報の描画領域の位置を変更する場合における印刷出力結果の一具体例を示す説明図である。例えば図6(a)に示すように、ドキュメントの印刷出力結果に対する後処理としてパンチ穴24を開ける場合に、そのパンチ穴24を開けるための領域である出力不可領域と、付加情報22の描画領域とが重なってしまうと、その印刷出力の結果である画像上において、両者22,24が干渉してしまい、付加情報22の内容を読み取れないおそれが生じる。ところが、付加情報22の描画領域の位置を変更することを決定し、その印刷出力位置の補正に関する情報として「代替え」が指定されている場合には、例えば図6(b)に示すように、描画領域位置候補の中から出力不可領域と重ならないもの(例えば、上段右)が初期設定時の優先順位に従って選択され、その選択された位置に付加情報22が描画される。つまり、付加情報22の描画領域が、出力不可領域と重ならない位置に変更される。したがって、パンチ穴24を開ける後処理を行う場合であっても、その後処理のための出力不可領域と付加情報22の描画内容とが領域的に重なってしまうのを回避できるので、付加情報22の印刷出力を明瞭に行えるようになり、付加情報22の内容を容易に読み取ることが可能となる。このことは、印刷出力位置の補正に関する情報として「代替え」が指定されている場合のみならず、「直近」が指定されている場合についても全く同様である。
以上のように、本実施形態で説明したプリンタ装置1、およびそのプリンタ装置1で実行される画像形成プログラムによれば、付加情報に対して「塗り潰し」、「縁取り」または「色変更」といった識別可能化処理を行い、また必要に応じて付加情報の描画領域が後処理による出力不可領域を避けるよう当該描画領域の位置を変更するようになっているので、出力依頼のあったドキュメントの本文の内容がどのようなものであっても、付加情報を明瞭に読み取れる形で印刷出力することができる。したがって、例えば印刷出力すべきドキュメントの本文が用紙上の印刷可能な全領域に渡って描画され、付加情報がドキュメントの本文と重なってしまう場合であっても、その付加情報の内容を容易に判別することができる。さらには、例えばパンチによる穴あけやステープル等の後処理に対応する場合であっても、その後処理のために付加情報が読み取れなくなってしまうこともない。つまり、付加情報の印刷出力を常に明瞭に行うことができる。
このことから、本実施形態で説明したプリンタ装置1および画像形成プログラムは、印刷出力した付加情報を重要な管理情報として使用するのに好適であるといえる。すなわち、付加情報を印刷出力の課金管理に用いたり、プリンタ装置1の使用を許可されたユーザからの印刷出力であるか否かの確認に用いたり、無駄な印刷出力が行われていないか否かのチェックに用いたり等しても、その付加情報の印刷出力が常に明瞭に行われるので、例えば課金が正しく行えないといった事態が生ずるのを回避できるようになる。このように、付加情報の印刷出力が常に明瞭に行われれば、単なる情報に付加といった限られた用途に留まらず、その他にも応用範囲が広がると考えられる。
また、本実施形態で説明したプリンタ装置1および画像形成プログラムでは、付加情報の出力に関する処理動作が2つの流れ(図2中におけるA,B)からなるので、以上に述べたような作用・効果を最大限に発揮することが可能となる。すなわち、付加情報の出力に関する処理動作にあたっては、その付加情報の出力に関する初期設定を、通常の出力動作の流れAとは別の流れBにて、プリンタ装置1の管理者がそのプリンタ装置1本体に対して行っている。その結果、ホスト装置2からユーザの指示によって行われるドキュメント本文の印刷出力に関する流れAの中では、付加情報に関する設定を行う必要がない。換言すると、初期設定は全て流れBにて行われ、流れAの中では行えないことから、ユーザ側で初期設定を変更することができないことにもなる。したがって、ユーザ側で付加情報に関する設定を行うことができず、ユーザがチェックを逃れようとして付加情報を印刷しないように指示することも不可能なので、許可されたユーザによる印刷か否かのチェックやユーザ毎の印刷枚数等の集計等を確実に行えるようになる。
なお、当然のことではあるが、本実施形態は本発明の好適な一実施具体例を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。例えば、本発明は、用紙上に画像を出力するものであれば、複写機やファクシミリ装置であっても、プリンタ装置の場合と全く同様に適用することが可能である。
本発明が適用されるプリンタ装置の概略構成例を示すブロック図である。 本発明が適用されたプリンタ装置が行う付加情報の出力に関する処理動作例を示すフローチャートである。 本発明が適用されたプリンタ装置における印刷出力結果の一具体例を示す説明図であり、(a)はドキュメント本文と付加情報の具体例を示す図、(b)は描画方式として「塗り潰し」を選択した場合の印刷出力結果を示す図である。 本発明が適用されたプリンタ装置において描画方式として「縁取り」を選択した場合の印刷出力結果の一具体例を示す説明図であり、(a)は付加情報がドキュメント本文と重なる場合の具体例を示す図、(b)は付加情報がグラフィックスと重なる場合の具体例を示す図である。 本発明が適用されたプリンタ装置において描画方式として「色変更」を選択した場合の印刷出力結果の一具体例を示す説明図である。 本発明が適用されたプリンタ装置において付加情報の描画領域の位置を変更する場合における印刷出力結果の一具体例を示す説明図であり、(a)は位置変更前を示す図、(b)は位置変更後を示す図である。 一般的なプリンタ装置にて付加情報を印刷出力する場合における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…プリンタ装置、2…ホスト装置、11…インタフェース部、12…プリンタエンジン、13…ROM、14…CPU、15…ROM、21…ドキュメントの本文、22…付加情報、23…描画領域、24…パンチ穴

Claims (10)

  1. 出力すべき画像データに当該画像データの出力依頼元に関する情報を付加情報として付加する付加手段と、
    画像処理装置の管理モードから、前記付加情報を出力する又はしないを選択する出力選択手段と、
    前記付加情報を付加する位置を、複数の位置情報から選択する位置選択手段と、
    前記複数の位置情報に優先順位を設定する設定手段と、
    前記付加情報を出力するという選択がされている場合に、前記位置選択手段で選択された付加情報の位置と前記画像データを出力する際の出力不可領域とが重なるときには、付加情報の位置が前記出力不可領域と重ならないように前記設定手段で設定された優先順位に従って前記複数の位置情報から付加情報を付加する位置を決定し、該決定した位置に前記付加情報を付加させる修正手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記付加情報の付加にあたり、該付加情報の内容を背景と識別するための描画処理を該付加情報に施す処理手段
    を備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記処理手段は、前記描画処理として、前記付加情報の描画領域を所定の背景色で塗り潰す処理を行うものである
    ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記処理手段は、前記描画処理として、前記付加情報の描画輪郭を強調する縁取り処理を行うものである
    ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  5. 前記処理手段は、前記描画処理として、前記付加情報の描画色を前記画像データの描画色に基づく論理演算により求めて決定する処理を行うものである
    ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  6. コンピュータを、
    出力すべき画像データに当該画像データの出力依頼元に関する情報を付加情報として付加する付加手段と、
    画像処理装置の管理モードから、前記付加情報を出力する又はしないを選択する出力選択手段と、
    前記付加情報を付加する位置を、複数の位置情報から選択する位置選択手段と、
    前記複数の位置情報に優先順位を設定する設定手段と、
    前記付加情報を出力するという選択がされている場合に、前記位置選択手段で選択された付加情報の位置と前記画像データを出力する際の出力不可領域とが重なるときには、付加情報の位置が前記出力不可領域と重ならないように前記設定手段で設定された優先順位に従って前記複数の位置情報から付加情報を付加する位置を決定し、該決定した位置に前記付加情報を付加させる修正手段
    として機能させることを特徴とする画像形成プログラム。
  7. 前記コンピュータを、
    前記付加情報の付加にあたり、該付加情報の内容を背景と識別するための描画処理を該付加情報に施す処理手段
    として機能させることを特徴とする請求項6記載の画像形成プログラム。
  8. 前記処理手段は、前記描画処理として、前記付加情報の描画領域を所定の背景色で塗り潰す処理を行うものである
    ことを特徴とする請求項6記載の画像形成プログラム。
  9. 前記処理手段は、前記描画処理として、前記付加情報の描画輪郭を強調する縁取り処理を行うものである
    ことを特徴とする請求項6記載の画像形成プログラム。
  10. 前記処理手段は、前記描画処理として、前記付加情報の描画色を前記画像データの描画色に基づく論理演算により求めて決定する処理を行うものである
    ことを特徴とする請求項6記載の画像形成プログラム。
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