本発明に係る画像処理装置は、画像情報を入力し所定の処理を施す装置であり、(I)原稿を画像情報として読み取る画像読取装置、(II)原稿を読み取った画像データや電子ファイル等、入力された画像情報から記録紙等の記録材に画像を形成する機能を少なくとも備えた画像形成装置、(III)原稿を読み取った画像データや電子ファイル等、入力された画像情報に対し、記録紙等の記録材に画像を形成したり、イメージファイルやPDF(Portable Document Format)等の電子ファイルとしてHD(ハードディスク)等の記録媒体に記録したりする画像記録装置の3つの形態がある。これらの形態の説明に当たり、以下では、基本的な説明と共に、上記(I)〜(III)に限る説明については、基本的にその旨を記すものとする。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置の一構成例を示す図で、図中、1は画像処理装置(画像形成装置)、11はユーザ認証手段、12は第一画像情報入力手段、13は第二画像情報入力手段、14は画像処理モード決定手段、15は画像処理手段、16は画像付加手段、16aは決定手段、16bは付加情報決定手段、16cは付加情報設定手段、16dはレベル判定手段、16eは特徴判定手段、17は処理手段である。
本発明に係る画像処理装置は、少なくとも1つの画像情報入力手段(手段12及び/又は手段13)、画像付加手段16、及び、画像処理装置1における所定処理を実行する処理手段17を備えるものとする。
画像情報入力手段は、画像情報を入力する手段であり、第一画像情報入力手段12及び第二画像情報入力手段13で図示するように好ましくは2つ以上の入力手段を有する。そして、これらの入力手段12,13は原稿を光学的に読み取って画像データを生成するスキャナ等の画像読取手段であってもよいし、電子ファイルをPC(パーソナルコンピュータ)等の他器からネットワーク等を介して受信する受信手段か、或いは電子ファイルを画像処理装置1に装着した外部記録媒体から読み出して受け取る読出受取手段であってもよい。
画像処理モード決定手段14は、1又は複数種類具備された画像処理手段15を、ユーザがモード選択によって選択決定する手段である。画像処理手段15は、上記(I)に係わる画像読取手段における後処理の手段(読み取った画像情報から画像データを生成する手段等)、上記(II)に係わる画像形成手段、上記(III)に係わる画像記録手段などがそれに該当し、それぞれの処理手段17を備えるものとする。従って、画像処理モード決定手段14は、これらの画像処理手段15から、(I)に関してscan to fileやscan to E−mail、(II)に関してスキャン後の印刷処理やファイル受信後の印刷処理、(III)に関してスキャン後の印字処理やスキャン後の電子ファイル生成・記録処理、といった各モードの中からユーザ選択されたモードで、画像処理装置1を機能させる。そして、いずれの処理手段17でも、基本的には、画像情報入力手段で入力された画像情報に画像付加手段16で所定の付加画像情報を付加した上で、それぞれの画像処理を実行することとなる。
画像付加手段16は、画像情報入力手段から入力された画像情報に対し、画像処理装置1を特定する視認可能な所定の付加画像情報を付加する手段であり、最終的な処理の好ましくは直前で付加処理を実行する。
画像付加手段16としては、画像情報入力手段から入力される画像情報に対して所定の付加画像情報を付加するか否か決定する決定手段16a、付加画像情報を決定する付加情報決定手段16b、付加画像情報の設定を管理者に行わせる付加情報設定手段16c、入力された画像情報の機密レベルを判定するレベル判定手段16d、入力された画像情報の特徴を判定する特徴判定手段16eのいずれか1又は複数を備えることが好ましい。これら各手段については、その詳細を後述する。
なお、決定手段16aを具備して付加画像情報を付加しないこともできることから、或いは後述するCIS(密着型光学読取方式)方式の画像読取手段を採用できることからも、本発明が、従来技術のごとくプラテンガラスに必ずコピー画像として再現される刻印を付けるようなものではないことが分かる。
図2は、本発明に係る画像処理装置の一例である画像形成装置の構成例を示す図で、1は画像形成装置の一例としてのデジタル複合機、20は第一画像読取部、21は第二画像読取部、22は操作部、23は画像形成部、24は記憶装置の一例としてのハードディスク(HD)、25はFAXモデム、26は通信部、27は管理部、28はタイマ、29は消去処理部、30は機器制御部、31は画像付加部である。
図2で例示するデジタル複合機1は、第一画像読取部20、第二画像読取部21、操作部22、画像形成部23、HD24、FAXモデム25、通信部26、管理部27、タイマ28、消去処理部29、機器制御部30、及び本発明の特徴部分である画像付加部31などで構成される。
また、デジタル複合機1には、図2で例示するように、電話回線網104により例えば外部FAX106が接続されていると共に、LANやWAN(Wide Area Network)等のネットワーク103を介して、複数の端末PC102a,102b,...及びさらにインターネット網105経由でネットワーク103外部にあるインターネットFAX107や外部PC108や外部サーバ109などに接続されていてもよい。これらのネットワーク構成により、各種データの送受信が可能となり、各種画像情報の入力も可能となる。
操作部22は、操作画面の表示を行う出力部(表示部)22bとその表示を元に利用者に各種設定及び操作内容を入力させる入力部22aとを備えるタッチパネル等でなる。操作部22では、通常の入力データの指定、保存先の指定、認証データ(認証コード等)の入力、保存条件設定を、ユーザに行わせる。その他、操作部22では、本発明に関する、印刷/データ保存/スキャンといった画像処理モードの選択設定や、付加画像情報(及びその色、位置、数、大きさ)の指定、付加/未付加の指定、並びに機密レベルの設定を含む各種設定情報の入力や、変倍設定、両面印刷設定、自動用紙選択、A4,B5等の用紙選択、給紙部23dにおける給紙トレイの中からの給紙トレイ選択などの設定も、ユーザに行わせる。但し、入力画像情報の印刷方法を指定するための設定を除く本発明の画像付加処理に係わる設定(特に、付加/未付加の設定)は、管理者のみが実行できるようにしておくことが複写牽制の点から好ましい。
画像読取部20は、操作部22での操作に基づき、原稿検知センサ20bによって原稿の有無を検知しCCD20aでその原稿を読み取り画像データとして出力する。同様に、CIS方式の画像読取部21は、操作部22での操作に基づき、原稿検知センサ21bによって原稿の有無を検知しCCD21aでその原稿を読み取り画像データとして出力する。双方とも出力先は、ファイリング処理を実行する場合には、画像形成部23を介したHD24或いは直接HD24となり、印字の場合には画像形成部23となり、データ送信の場合には通信部26等となる。FAXモデム25は外部FAX106とのファクシミリ通信を行うためのモデムである。通信部26は、ネットワーク103経由で接続されたデジタル複合機1の外部機器との通信を制御する。
画像形成部23は、画像読取部20,21で読み取った画像データやFAXモデム25或いは通信部26で受け取った受信データ(受信ファイル)などをメモリ23bに一時記憶し、レーザスキャナユニット(LSU)を搭載した印字部23aから用紙等の媒体に画像を形成する。その際、一旦HD24に印刷データを蓄積し続け、全部のデータが格納された段階で再度メモリ23bに読み出して印字部23aで画像を形成してもよい。用紙は、給紙部23dから供給され、印字後、排出部23eから排出される。画像形成部23では、暗号処理部23cにてメモリ23bに記憶された画像データ等のデータを暗号化してHD24に記憶することも可能となっており、逆に、HD24に記憶された暗号化データを復号化してメモリ23bを介してネットワーク103等を経由して外部機器に出力することや印字部23aで媒体として印字出力することも可能となっている。消去処理部29は、HD24に記憶されたデータを、セキュリティ保持や記憶容量確保などのために消去する処理を行う。
上述のごとく、デジタル複合機1には、操作部22にキー入力部22aと表示部22bが設けてあり、デジタル複合機1の機能指示操作の他にID入力が行なえる。ID入力の他にIDカードを入力しその情報を読み取るIDカード読み取り器を、デジタル複合機1に具備してもよい。このように、デジタル複合機1には、何らかのユーザ識別手段、例えばこのような認証手段を備えることが好ましい。認証手段は、利用者情報に基づいて一般ユーザや管理者ユーザを認証し自機1の使用を可能とするものであればよく、デジタル複合機1は、まずこの認証手段により使用者を限定する。さらに、デジタル複合機1は、通信部26により、接続された機器(端末PC102a,102b等)との双方向のデータ通信が行なえる。
機器制御部30は、上述した各部に接続された主制御部であり、管理部27の管理データ及びタイマ28からのタイマ時間を参照しながら、デジタル複合機1の各部間のデータのやり取りをはじめとしてデジタル複合機1の動作を統括的に制御する。管理部27は、例えばHD24に格納されたフォルダ情報や保存条件の情報、自機1のIPアドレスなどを管理する。管理部27は、さらに本発明に係る付加画像情報を、各付加画像情報を使用する設定に応じ、機器制御部30を介して画像付加部31がメモリ23bに読み出すことを可能とするように、保持し管理している。タイマ28は、デジタル複合機1の待機状態の時間を計時し、この時間を機器制御部30に通知する。
機器制御部30における制御の一例を挙げると、操作部22は、利用者の操作入力により指示された複写要求や各種の記録条件等を機器制御部30に通知し、機器制御部30は、デジタル複合機1の動作状態等を操作部22の表示部22bの表示画面に表示すると共に、画像形成部23に印字処理等を指示する。また、印字処理においては、本発明に係わる付加情報の付加並びにその色やサイズ等の形態の変更の制御も行う。また、機器制御部30は、ファイリングを実行する際には、PC102a等から送信された外部送信データ或いは画像読取部20,21で読み取られたデータに対して、管理部27によってHD24内のフォルダ情報や保存条件の情報を参照するなどしてデータ変換を行い、HD24の指定フォルダに変換後の画像データを保存する。
本発明の主たる特徴部分である画像付加部31は、図1の画像付加手段16に対応する部位であり、画像読取部20,21や通信部26等から入力された画像情報に対し、自機1を特定する視認可能な所定の付加画像情報を付加する。画像付加部31については付加する付加画像情報の例と共に後述する。画像付加部31は、決定手段16aで説明した付加/未付加の判定を行う付加判定部31a、付加情報決定手段16bに対応した情報決定部31b、付加情報設定手段16cに対応した情報設定部31c、レベル判定手段16dに対応したレベル判定部31d、及び、特徴判定手段16eに対応した特徴判定部31eのいずれか1又は複数を備える。また、画像付加部31も上述したように機器制御部30によって制御される。
画像付加部31が機器制御部30の命令によって実行する処理の一例を説明する。例えば、画像読取部20又は画像読取部21から入力された画像情報(印刷データ)を、図示しない画像処理部がバッファメモリ23bに保持し、これを展開することで印刷画像データを生成する。画像処理部は、機器制御部30に接続されており、機器制御部30から指示信号を受け取り、その信号の情報に合わせて、メモリに入ってきたデータを処理する。そのとき、必要に応じて付加画像情報を付加する。画像付加処理を実行する場合、機器制御部30からの指示信号により、画像付加部31は、メモリ23b中の印刷画像データに付与すべき付加画像情報27aを管理部27から読み出して用い、付加画像データを生成する。生成した付加画像データは、メモリ23b中の印刷画像データと合成されて、プリンタ(画像形成部23)に送られ、用紙等の被画像形成体に印刷されて出力される。
また、本発明に係るデジタル複合機1の構成や外部機器との接続形態は、この例に限ったものではない。各部は、全てがハードウェアで構成される必要はなく、デジタル複合機1をそれらの各部として機能させるプログラムを機器制御部30や画像付加部31の制御部、或いは印字部23a内の制御部などに組み込み(或いは一部を管理部27に組み込み)、演算装置に実行させることでも容易に実装できる。また、上述のごときプログラムは、例えばデジタル複合機1の機器制御部30、画像付加部31、印字部23a、管理部27などに、ファームウェアとして実装されることが多く、ファームウェアに使用するデータも同様に格納される。
ここで、画像読取部20,21について補足的に説明する。図3は、図2の画像形成装置における画像読取部の一構成例を示す概略断面図で、本発明に係る画像読取装置の一構成例を示す概略断面図でもある。上述した第一画像読取部20及び第二画像読取部21を併せて装備した一例が、図3のイメージスキャナユニット40である。
イメージスキャナユニット40は、SPF(Single Pass Feeder)を備え、原稿搬送路を1回搬送することで原稿の両面の画像を読み取る機能を備えたものである。イメージスキャナユニット40は、原稿載置トレイ42から原稿排出トレイ43に至る原稿搬送路44を備えている。原稿は、原稿搬送路44を原稿載置トレイ42から原稿排出トレイ43へ向けて搬送される。原稿の搬送方向において原稿搬送路44の上流側端部にピックアップローラ47及び捌きローラ48が配置され、原稿載置トレイ42上に積載された原稿がピックアップローラ47及び捌きローラ48によって1枚ずつ原稿搬送路44へ供給される。また、原稿の搬送方向において原稿搬送路44の下流側端部に排出ローラ49が配置され、原稿搬送路44を搬送されてきた原稿は排出ローラ49によって原稿排出トレイ43へ排出される。
原稿搬送路44中に、CCD方式の画像読取部45とCIS方式の画像読取部46とが、原稿の搬送方向に沿ってこの順序で配置されている。CCD方式の画像読取部45は原稿の第1面の画像を読み取り、CIS方式の画像読取部46は原稿の第2面の画像を読み取る。画像読取部45は、後述するように結像するレンズを介して集約縮小する縮小光学系をもっている。また、CIS方式の画像読取部46については、その詳細を説明しないが、画像読取部46は、CCD電荷転送方式のラインセンサが原稿の幅の分だけ設置してある。
画像読取部45,46は、一般的に、露光ランプと、露光ランプを点灯させるインバータ回路と、露光ランプから照射され原稿に反射した光をフォトダイオード(FD)で検出して電荷に変換し、この電荷をCCDで転送することで電気的に検出するCCD転送方式のイメージセンサとを備える。第1の画像読取部45は、露光ランプ45a及び第1の反射ミラー45bを備えた第1の走査ユニット45c、第2の反射ミラー45d及び第3の反射ミラー45eを備えた第2の走査ユニット45f、結像レンズ45g、CCDセンサ45hを備えている。露光ランプ45aから照射され原稿の第1面で反射された光は、第1の反射ミラー45b、第2の反射ミラー45d及び第3の反射ミラー45eで順次反射されて結像レンズ45gに入射する。結像レンズ45gは、入射した光をCCDセンサ45h上に結像させる。CCDセンサ45hは、結像レンズ45gによって結像された光を光電変換して画像データとして読み取る。
第1の走査ユニット45c及び第2の走査ユニット45fはそれぞれ、原稿固定方式で原稿の画像を読み取る際に原稿が載置されるプラテンガラスに沿った副走査方向に変位自在に構成されている。第1の画像読取手段45は、第1の走査ユニット45c及び第2の走査ユニット45fを副走査方向に変位させることで、プラテンガラス上に載置され固定された原稿の画像を読み取り、原稿の画像の画像データを取得することができる。また、画像読取位置には、別途プラテンガラスが配置されており、露光ランプ45aから発せられた光は、そのプラテンガラスを透過して原稿に照射される。この画像読取位置における原稿搬送路44のそのプラテンガラスに対向する壁面には、シェーディング補正に用いられる標準白板が配置されている。このように、第1の画像読取部45を原稿移動方式と原稿固定方式とに兼用できるように構成したことで、原稿移動方式の画像読取手段とは別に原稿固定方式の画像読取手段を設けることなく、原稿固定方式で原稿の画像を読み取ることができる。
CCD方式の画像読取部45の上流側には、原稿搬送モータで駆動される搬送ローラ50,51と原稿搬送路の湾曲部52とが原稿の搬送方向に沿ってこの順序で配置されている。一方、CCD方式の画像読取部45とCIS方式の画像読取部46との間には、搬送ローラが配置されておらず、原稿搬送路44が略直線状に形成されているが、搬送ローラを配置してもよい。
ここで、イメージスキャナユニット40として画像読取装置(或いは画像形成装置や画像記録装置における画像読取ユニット)を説明したが、例示したユニット構成に限ったものではなく、画像読取部の数も制限なく1つであってもよい。また、第1の画像読取部45が縮小光学系を含むことで、画像読取のための光路長が短くなり、イメージスキャナユニット40を小型化可能としているように、第2の画像読取部46として光路が必要なくなるコンタクトイメージセンサ(CIS)ではなく、同じく縮小光学系のものを採用するなどしてもよい。
本発明では、プラテンガラス上に付加情報を物理的に刻印するような構成を採用していないので、画像読取部46のようなラインセンサで原稿を流して読み取った画像情報であっても付加画像情報を付加することが可能である。すなわち、従来の磨りガラスのパターンを読み取る方式は採用できない、搬送されている原稿を読み取った画像情報に対しても、付加画像情報を電子的にデータを埋め込むことで付加することができる。従って、従来のように、プラテンガラスが破損した場合など、交換に費用と時間を要することはなくなる。また、図3の例では、画像読取部45で読み取った画像情報であっても同様に付加することができる。このように、原稿の搬送路で原稿を読み取る手段により画像情報が入力できるようにすることが好ましい。この手段は、原稿を搬送する過程において原稿画像を読み取る読取手段である。
また、上記(I)の形態である画像読取装置においては、画像読取部で入力された画像データを生成し、転送や記録などの処理する画像データ処理手段が通常具備され、それに加え、本発明の主たる特徴である画像付加手段16が具備されている。ここでの画像付加手段16は、入力される画像データに対して所定の付加画像情報を付加する手段であり、画像データ処理手段で処理される画像データに対して所定の画像情報を付加する。なお、(I)の形態であっても、入力される画像情報が原稿の読み取りに限られるだけで、画像付加手段16における各種応用は(III)の形態等で説明するものを適用できる。
ここで、機器制御部30について補足的に説明する。図4は、図2の画像形成装置における機器制御部の一構成例を示す図である。上述した機器制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)30a、RAM(Random Access Memory)30b等のメモリ、ROM(Read Only Memory)30c、入力I/F30e、及び出力I/F30fが、バス30dにより接続されてなる。
ROM30cには、ファームウェアとして、基本制御プログラムや本発明に係る画像付加のための制御プログラム、各種変換用のデータ(設定用テーブルや色変更テーブル等)が格納されている。上述したように、これらプログラムやデータは各部に分散して格納されていてもよい。本発明に係る制御プログラム及びデータとは、画像読取部20,21で読み取った画像情報に付加情報を付加するプログラムや、その付加情報を記録紙の大きさや色等に応じて変更するためのプログラム及び各基本色に対する記録紙の色に応じた補正値などを記した色変更テーブルなどが挙げられる。
これらプログラムは、CPU30a等の演算処理装置を備えたデジタル複合機1に組み込み、デジタル複合機1における演算処理装置(主としてCPU30a)に実行させるためのプログラムである。このプログラムは、本発明に係る画像付加処理のステップをCPU30aに実行させるためのプログラムを少なくとも含むものとする。従って、本発明に係るプログラムは、演算処理装置等を含む制御部を備えた画像処理装置(画像形成装置、画像読取装置、画像記録装置等)に組み込み、その画像処理装置の制御部を画像付加手段16として機能させるためのプログラムである。
そして、これらのプログラムのうち、本発明に係る画像付加処理のための制御プログラムは、ROM30cからRAM30bにCPU30aによって読み出され、画像形成の対象として画像読取部20,21から入力I/F30eを介して入力された画像情報にその画像情報とは異なる所定の付加画像情報を付加して、記録紙にモノクロ画像(カラー対応であればカラー画像)を形成する画像形成部23(及び画像読取部20,21)に対して出力I/F30fを介して出力するように、CPU30aを駆動させる。ここで、付加画像情報は、入力I/F30eを介して外部のHD24等から入力するか、或いはROM30cに予め格納させておき読み出すかによって取得するとよい。なお、ここで取り扱われる情報は、入力I/F30eにより入力され、その処理時に一時的にRAM30bに蓄積され、その後、各種ROM30cや出力I/F30fを介してハードディスクに格納され、必要に応じて、CPU30aによって読み出し、修正・書き込みが行われる。
また、このような画像付加処理の制御プログラムは、それを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての提供も可能である。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ、及びその他各種ROMやRAM等が想定でき、上述したプログラムを、これら記録媒体に記録して流通させることにより、当機能の実現を容易にする。そして、画像読取装置、画像形成装置、及び画像記録装置に対して、それぞれ該当するプログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に係わる画像付加の機能を実行することができる。
以下、上述のごとき装置構成例に適用可能な本発明の様々な実施形態について、説明する。図5乃至図10は、本発明の画像形成装置において印刷処理された記録材の様々な例を示している。
本発明における付加画像情報とは、例えば図5において装置名を示す視認可能なウォーターマーク62a,62bのごとき情報(この例では「SH01」)を、入力された画像情報に基づく印字結果61と共に記録材60上に印字するためのデータとなる。本発明でいうウォーターマークは、少なくとも人の目で視認可能なように、背景に印字した(電子ファイルの場合には背景画像として組み込んだ)マークを指す。このマークは、文字を点線や鎖線で記したものであってもよい。そして、ウォーターマーク62a,62bで例示するマークは、複写牽制のために重要な画像情報が印字されると想定される位置が記録材の切断によって単独で出回らないような位置、数、大きさをもつものとする。なお、図5乃至図10では、ウォーターマークとして複数のマークを同じ記録材上に印字した例を示しているが、例えば長い一つの文字列が円状に配置されたウォーターマークなどであってもよい。
このような付加画像情報を付加することで、例えば、印字された記録材に「SH01」がマークされていたら、複写機「SH01」でスキャナでの画像読み込み及び印刷を行ったことが視認できたり、記録された電子ファイルの背景に「SH01」がマークされていればスキャナ「SH01」でスキャンを行ったことが視認できたりする。
上記(II)の形態に関し、画像形成装置は、図2で例示した複合機のように画像形成の処理を含む複数の画像処理を実行可能なものであってもよい。そして、この画像形成装置は、少なくとも、画像情報入力手段で入力された画像情報に画像付加手段16で所定の付加画像情報を付加した上で、画像形成処理等のそれぞれの画像処理を実行可能であるものとする。この画像形成装置は、画像処理を実行する一手段として、画像付加手段16で所定の付加画像情報が付加された後の付加後の画像情報から画像を形成して、記録材上に記録する画像記録手段を有する。
また、この画像形成装置における画像情報入力手段を、図3で例示したCIS方式の画像読取部46のごとき原稿の搬送路で原稿を読み取る手段とすることで、本発明に係る画像付加処理が原稿台への記録材の載置を前提とせずとも実行可能であることの効果が現れる。そして、画像付加手段16は決定手段16aを有し、決定手段16aは所定の付加画像情報を付加するか否かを決定する際に、画像処理の種類に応じて決定を行うものとする。従って、例えば画像処理モード決定手段14によって決定されたモードが印刷処理のモードであった場合には付加を行うが、電子ファイルの作成・格納のモードであった場合には付加を行わないといったような設定(但し管理者による設定)も可能となる。
また、画像付加手段16は、付加情報決定手段16bを有し、付加情報決定手段16bで決定した付加画像情報を、入力された画像情報に付加するものとする。この形態における付加情報決定手段16bは、所定の付加画像情報を決定する際に、画像処理の種類に応じて異ならしめることを許すものとする。従って、例えば画像処理モード決定手段14によって決定されたモードが印刷処理のモードであった場合と電子ファイルの作成・格納のモードであった場合とでは、画像付加手段16で付加する所定の付加画像情報が異なってもよいものとする。ここでは、前者のモードの場合には印字ユニットの製造番号を付し、後者のモードの場合にはHDの製造番号を付するなどの例が挙げられる。
また、上記(I)〜(III)のいずれの装置においても画像情報入力手段は、図1乃至図3で例示し、且つ後述するように、画像情報を入力する複数の入力手段を有するようにすることが好ましい。
この形態の画像処理装置としては、第1の画像情報入力手段12、第2の画像情報入力手段13、及び画像付加手段16を備えるなどの例が挙げられる。画像付加手段16は、第1の画像情報入力手段12及び/又は第2の画像情報入力手段13から入力された画像情報に対し、画像処理装置を特定する視認可能な所定の付加画像情報を好ましくは最終的な画像処理の直前に付加する。また、画像処理装置は、第1の画像情報入力手段12と第2の画像情報入力手段13とからの入力を必要に応じて切り替えるための制御を実行する入力制御手段を備える。そして、画像付加手段16は、第1及び第2の画像情報入力手段12,13から入力される画像情報に対して所定の付加画像情報を付加するか否か決定する決定手段16aを有する。
また、複数の画像情報入力手段を備える形態において、決定手段16aは、画像情報入力手段における入力元となっている(現在画像情報が入力された、或いは入力されている)入力手段に応じて、所定の付加画像情報を付加するか否かを決定することが好ましい。
また、画像処理装置が上記(I)の画像読取装置である形態において、複数の画像情報入力手段を備える場合、それらの入力手段としては、図2の第一画像読取部20で例示したように原稿台上に搭載された状態で原稿を読み取る手段と、図2の第二画像読取部21で例示したように原稿の搬送路で原稿を読み取る手段を有することが好ましい。なお、第一画像読取部20は、原稿台上に載置された状態で原稿を読み取る手段と搬送路で原稿を読み取る手段との双方を具備した例を挙げている。これら手段を画像読取装置に備えることで、原稿を搬送する過程において原稿画像を読み取るモードと、原稿台上に支持された状態で原稿画像を読み取るモードとをユーザが切り替えることにより、モード別の、決定手段16a及び/又は付加情報決定手段16bでの処理が実現できる。
また、画像処理装置が上記(III)の画像記録装置である形態において、複数の画像情報入力手段を備える場合、それらの入力手段で入力された画像情報を記録媒体に記録することとなる。ここでの記録媒体とは、記録紙や記録シート等の記録材だけでなく、HDや各種ディスクメディア等の電気、磁気、光学的にデータを記録する記録媒体も含まれる。従って、この画像記録装置としては、プリンタや、HDドライブ等の記録媒体駆動装置、或いはその駆動装置を備え電子ファイルを生成してファイリングするファイリング装置(PC等に具備)が挙げられる。そして、この画像記録装置においても、入力された画像情報に画像付加手段16で所定の付加画像情報を付加した上で、記録媒体に記録を行えるものとする。但し、HD等へ電子ファイルを記録する際には、付加画像情報を分離不可能な状態で記録する必要がある。複数の入力手段を画像記録装置に備えることで、例えばファイル生成モードと印刷モードとをユーザが切り替えることにより、モード別の、決定手段16a及び/又は付加情報決定手段16bでの処理が実現できる。
また、画像処理装置が上記(II)の画像形成装置である形態において、複数の画像情報入力手段を備える場合にも、画像形成装置は、図2で例示した複合機のように画像形成の処理を含む複数の画像処理を実行可能なものが好ましい。そして、この画像形成装置は、少なくとも、画像情報入力手段で入力された画像情報に画像付加手段16で所定の付加画像情報を付加した上で、画像形成処理等のそれぞれの画像処理を実行可能であるものとする。複数の入力手段を多機能の画像形成装置に備えることで、例えばスキャナ読み込みモードとファイル受信モードとFAX受信モードとをユーザが切り替えることにより、モード別の、決定手段16a及び/又は付加情報決定手段16bでの処理が実現できる。
また、このような画像形成装置においても、複数の画像情報入力手段として、原稿の搬送路で原稿を読み取る手段と、原稿台上に搭載された状態で原稿を読み取る手段とを有するよう構成してもよい。このような入力手段を多機能の画像形成装置に備えることで、上述のモード別処理だけでなく、例えば原稿自動送り読み取りモードと原稿台読み取りモードとをユーザが原稿セットにより切り替えることにより、モード別の、決定手段16a及び/又は付加情報決定手段16bでの処理が実現できる。すなわち、決定手段16aでは、画像処理の種類及び入力元に応じて付加するか否かを決定してもよいし、付加情報決定手段16bでは、画像処理の種類及び入力元に応じて付加する付加画像情報を選択決定してもよい。
このように、本発明では、画像処理の種類及び/又は入力元に応じて付加するか否かを決定手段16aで決定してもよいし、画像処理の種類及び/又は入力元に応じて付加する付加画像情報を付加情報決定手段16bで決定してもよい。例えば、次の(a)〜(c)のようなルールを装置の設置場所の部署等で決めておき、それに応じて装置の仕様を決めるか、装置設定を行うようにすればよい。
(a)コピーする際には付加画像情報を付加するが、FAX送信は受信したFAX文書の画像は鮮明でなく且つ送信元番号の表示もあることから付加画像情報を付加せず送信し、受信FAXを印刷する際には画像が鮮明でないことからコピーするとコピーしたこと自体は分かるので付加画像情報を付加せず印刷する。(b)ネットワークプリンタとして印刷する際には、ファイルの印刷権限の設定などPC上での設定が可能であるので付加画像情報を付加せずに印刷し、コピーする際には付加画像情報を付加する。(c)PDFなどの電子ファイルの作成を行うファイリング(scan to file)や、読み取ったデータを添付して電子メール送信を行うscan to mailを行う際など、原稿そのままの鮮明さでファイリング又はネットワーク経由で送信できるものに対しては、付加画像情報を付加する。
また、本発明に係る画像処理装置は、図1及び図2で例示したように、その装置のユーザを認証するユーザ認証手段11を備えることが次の処理ができることから好ましい。
第一の処理として、図10で例示したように、画像付加手段16が、所定の付加画像情報として、画像処理装置を特定するための製造番号82a,83a等の情報の他に、ユーザ認証手段11で認証したユーザに関する情報(ユーザ名やID82b、83b)も併せて付加する。ここで、画像付加手段16は、画像処理装置を特定するための製造番号等の情報とユーザ認証手段11で認証したユーザに関する情報とを近くに配置するよう付加することが好ましい。このような配置によって、ユーザに関する情報を切り取られることを可能な限り避けることができる。
第二の処理として、管理者ユーザに対しては画像付加処理の各種設定を実行させることもできる。そのために、画像付加手段16は付加情報設定手段16cを備えるものとする。付加情報設定手段16cでは、ユーザ認証手段11で認証された画像処理装置の管理者に、所定の付加画像情報の内容及び/又は付加するか否かを設定させる。ユーザ認証手段11は、事前にユーザ認証を実行する形態に限らず、付加情報設定手段16cによる画像データに対する所定の画像情報の付加に関する設定を行う際に、管理者であることを確認する手段としてユーザ認証手段11を用いてもよい。設定は、操作パネルから行い、その設定情報は管理部(図2の管理部27)に格納され、適宜読み出される。
また、付加情報設定手段16cにより設定される所定の付加画像情報の内容は、画像処理装置を特定するものの他に、入力された画像情報に対する所定の処理に関わるものを含むようにしてもよい。このような追加の内容としては、上述のユーザ認証手段11で認証されたユーザに関する情報の他に、処理部門情報や処理日時情報、さらには変倍処理等の処理の内容など、様々な画像データ処理に関わる内容が挙げられる。すなわち、この内容には、コピー等の出所を追跡するときに有効な情報を、目視できる形で多く含ませておくことが好ましい。
上記(II)の画像形成装置の形態において、画像処理を実行する一手段として、画像付加手段16で所定の付加画像情報が付加された後の付加後の画像情報から画像を形成して、記録材上に記録する画像記録手段15を有する場合について、特に、付加画像情報によって付加される付加画像の位置等について説明する。ここでの説明においても、上述した様々な形態が併用可能である。従って、決定手段16aを備えてもよく、付加画像の印刷は必須ではない。
所定の付加画像情報は、図5乃至図10で例示するように、画像情報入力手段で入力された画像情報と全体的に重なる記録材上の所定位置に記録可能な情報であるようにすることが好ましい。画像付加手段16は、所定の付加画像情報を記録するように複数付加するか、或いは複数箇所に画像が付加されるような情報を付加する。さらに、付加画像情報は、二次複写した場合でもそれが分かるように、牽制的な濃さにするようにしてもよい。
図5で例示するように、所定の付加画像情報によって付加される付加画像62a,62bは、記録材60上の複数の分割領域に例えば線Hで分割したときのそれぞれの分割領域において同じ位置に配置されて記録される。また、図6で例示するように、所定の付加画像情報によって付加される付加画像65a〜65dは、記録材63上で、線Hで矢視B方向に分割し且つ線Vで矢視A方向に分割したときのそれぞれの分割領域において同じ位置に配置されて記録される。このような位置への記録を可能とするように、所定の付加画像情報は、分割領域と同数の付加画像に関する情報とするとよい。
このような付加画像を付加することで、真ん中で切断されて配布されても両方の領域に牽制情報が印刷されているので、牽制効果が得られる。このような考え方は、図5に示すように水平方向に分割された2つの領域に限らず、垂直方向での分割、或いは水平及び垂直方向での分割を採用してもよいし、分割数も3以上の領域であってもよい。各分割領域には、中心近くに付加画像が印字されることが好ましい。また、分割領域としては、或る面積に対して1つ付加画像情報を中心近くに印字されるような分割の方法を採用してもよい。従って、斜めに領域を分割するなど様々な形態が挙げられる。このように、画像が記録される記録材上の好ましくは相対する位置に、少なくとも2つの所定の画像情報を付加するとよい。なお、上述したように、1つの付加画像情報であっても、文字を円状に並べるなどして全体的に大きな領域を付加画像で占めればよく、入力した画像情報と重なるような位置(入力された画像全体を表す位置)に付加するとよい。
また、図2及び図3で例示したように、画像記録手段15として、記録材上の両面に対して画像を記録する手段を有する形態にあっては、画像付加手段16は、図8に例示するように、記録材70の第1の面に記録される画像71と第2の面に記録される画像73のそれぞれに所定の付加画像72a,72b,74a,74bを付加するようにすることが好ましい。
さらに、画像付加手段16は、記録材70の両面に記録される所定の付加画像情報を、付加画像72a,72bと付加画像74a,74bで例示したように、記録材70の表裏において上下にずれた状態となるように付加することが好ましい。このようにすることで、両面記録の場合であっても片面と他の片面とが重ならないようにできるので、切り取っても可能な領域を減らすことができ、出所が把握できないように切断することが困難となって牽制効果を上げることができる。
また、画像付加手段16(或いは画像記録手段15)は、画像情報入力手段で入力される画像情報の機密レベルを判定するレベル判定手段16dを備えることが好ましい。そして、画像付加手段16は、レベル判定手段16dで判定された機密レベルに応じて所定の付加画像情報の形態(数、位置、濃度、大きさなど)を決定するとよい。例えば、原稿台モードでは、本のコピーが実行されることが多く、機密レベルは低いものと考えられ、原稿台から読み取られた画像情報に対しては機密レベルが低いと判定して、付加画像情報を付加しないといった処理も可能となる。
また、入力された画像情報により付加画像情報の形態を確定させるといったものを中心に説明したが、記録材の種類に応じてその形態を確定させてもよい。従って、画像付加手段16は、所定の付加画像情報として、画像形成装置で取り扱う記録材に応じた付加画像情報を保持する手段を有しておくことが好ましい。そして、画像付加手段16は、画像記録手段15で記録対象となる記録材に応じて、保持された付加画像情報を付加する。
ここで、記録材に応じたとは、画像形成装置で取り扱う記録材のサイズ(B5,A4等の大きさ)に応じたものであってもよく、この場合、サイズ別に付加画像情報を保持しておいて、実際に使用する記録材のサイズに合った付加画像情報を使用する。さらに、予め付加画像情報をサイズ別に用意する方法の他には、画像付加手段16が、記録材のサイズに応じて所定の付加画像情報を付加する所定位置を切り換えるようにしてもよい。例えば、図5で例示したA4やB5用紙等の記録材60上の付加画像62a,62bの位置と、図6で例示したA3やB4用紙等の記録材63上の付加画像65a,65b,65c,65dの位置とを異ならせる。例えば、少しずらすだけでもよく、牽制効果を上げることを鑑みて設定しておけばよい。また、図5及び図6の例で付加画像の数も変更しているように、サイズが大きくなるに従って牽制効果の面で必要な付加画像も大きくなるか、或いは数を増やす必要がある。
また、記録材に応じたとは、画像形成装置で取り扱う記録材の色に応じたものであってもよく、この場合、記録材の色別に付加画像情報を保持しておいて、実際に使用する記録材の色に合った付加画像情報を使用する。記録材の色に合った付加画像情報としては、色を異ならせるだけでもよく、画像形成装置で取り扱う記録材の色に応じた視認可能な色をもつものを保持しておけばよい。ここで、記録材の色に対し付加画像情報の色は、牽制効果が十分得られる程度に、濃度、色相、明度、彩度等を異ならせておけばよい。なお、画像形成装置がモノクロのみ対応の場合には色の明度(濃度)の差だけによって対応すればよく、カラー画像形成装置の場合には色をフルに生かして付加画像情報を作成しておけばよい。例えば、図5で例示した記録材60(白色と仮定)上の付加画像62a,62bの色(薄いグレー)と、図7で例示した記録材66(ピンク色と仮定)上の付加画像68a,68bの色(濃いグレー)とのように色を異ならせる。さらに、付加画像情報は、二次複写した場合でもそれが分かるように、牽制的な濃さや色にするようにしてもよい。従って、複写時に複写結果として表れる色であることが2次複写を牽制することが可能であり好ましい。
また、記録材の色に合った付加画像情報としては、記録材の色に応じて画像の形状自体を変えてもよく、例えば写真用紙と普通用紙とで異なる文字列の付加画像情報を付加するようにしてもよい。
なお、記録材の色に関する情報は、給紙トレイの設定、色の設定等のユーザ入力により、得るようにすればよい。また、記録材の色に関する情報を取得する別の形態として、カラー画像形成装置に、給紙時に記録材の色を判別する色判別手段を備えるようにしてもよい。例えば、複数の給紙トレイがあったとしても必ず記録材が通過する位置に電荷結合素子(CCD)を設置しておき、それによって色を判別すればよい。
また、画像記録手段15は、画像情報入力手段で入力された画像情報を記録する際に画像の形態を変換する画像変換手段を有することが好ましい。画像変換手段としては、拡大/縮小による変倍や集約などによって、画像を変換する手段を指す。そして、画像付加手段16は、画像変換手段で画像の形態が変換された場合でも、画像記録手段15で記録対象となる記録材に応じて、保持された付加画像情報を付加するようにすればよい。例えば、図9のような画像76が印字されている原稿75に対し、等倍印刷する場合には図5で例示した記録材(A4と仮定)60上の付加画像62a,62bのように付加し、縮小して図9で例示した記録材(B5と仮定)77上に画像78を形成する場合には、付加画像79a,79bのように、同様に縮小した付加画像を印刷すればよい。このような付加画像は、例えばA4用に付加画像62a,62bを印字するための付加画像情報が、B5用に付加画像79a,79bを印字するための付加画像情報が保持されているものとする。
このように、画像記録手段15において画像が記録される記録材が確定された段階で、画像付加手段16により付加される画像情報が確定されるようにしておくとよい。モード、倍率等の変換の後、加工して記録画像として生成し、その後、付加画像情報を、好ましくは実行データ生成直前に合成する。この形態は、特に、拡大を伴う変換がなされたときには、付加画像情報が小さくなることもなく、付加画像を画像に付加できる。
また、画像付加手段16(或いは画像記録手段15)は、画像情報入力手段で入力される画像情報の特徴を判定する特徴判定手段16eを備えることが好ましい。そして、画像付加手段16は、特徴判定手段16eで判定された特徴に応じて所定の付加画像情報の形態(数、位置、濃度、大きさなど)を決定するとよい。このように、記録材上に記録再現される画像の特徴に応じて付加される所定の画像情報の形態を確定するようにするとよい。例えば、画像の特徴により写真画像であると判定された場合と文字画像であると判定された場合とで、付加する付加画像情報を異ならせればよい。なお、特徴判定手段16eとしては、単にユーザが写真モードや文字モードを選択した結果として判定するものであってもよいし、画像を読み取ってその特徴を抽出するような処理を経て特徴を判定するようなものであってもよい。
最後に、本発明に係る処理の流れを概略的に補足するために、画像形成装置における複写処理の一例を図11及び図12を参照して説明する。図11は、本発明の画像形成装置において使用されるモード別の付加/未付加判定テーブルの一例を示す図で、図中、90はこのテーブルである。また、図12は、本発明の画像形成装置における複写処理の流れを説明するためのフロー図である。なお、図11は図12のフローで用いるテーブル90を表すものとする。
図11及び図12を参照して説明する複写処理の例では、まず、原稿がセットされることが確認される(ステップS1)。次に、ユーザがモード設定を行って、画像形成装置はそれを受け取る(ステップS2)。スタートキーがユーザにより押下されたか否かを判定し(ステップS3)、されていなければ押下をその段階で待つか、ステップS2に戻る。スタートキーの押下を確認した後、原稿を読み取る(ステップS4)。
次に、付加画像情報を付加するか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、ステップS1,S2で設定されたモードに応じて判定を実行する。例えば、テーブル90に示すように、ステップS1でSPF(原稿自動送り装置)に原稿がセットされた場合で、ステップS2で設定されたモードが、コピーモード及びメール送信モード及びファイリングモードであった場合には付加画像情報を付加する。一方、ステップS1で原稿台に原稿がセットされた場合で、ステップS2で設定されたモードが、コピーモード及びメール送信モードであった場合にも付加画像情報を付加する。また、ステップS1での原稿のセット位置に拘わらず、FAX送信を行う場合には、付加画像情報を付加しない。なお、このテーブル90では、原稿台からのファイリング操作は禁止されているものとする。
ステップS5での判定の結果に基づき、必要な場合には、付加画像情報を画像データに付加し(ステップS6)、画像形成処理を実行する(ステップS7)。一方、ステップS5での判定の結果に基づき、不必要な場合には、ステップS6を実行せずに、画像形成処理を実行する(ステップS7)。
1…画像処理装置(画像形成装置、デジタル複合機)、11…ユーザ認証手段、12…第一画像情報入力手段、13…第二画像情報入力手段、14…画像処理モード決定手段、15…画像処理手段(画像記録手段)、16…画像付加手段、16a…決定手段、16b…付加情報決定手段、16c…付加情報設定手段、16d…レベル判定手段、16e…特徴判定手段、17…処理手段、20…第一画像読取部、21…第二画像読取部、22…操作部、23…画像形成部、23a…印字部、23b…メモリ、24…ハードディスク(HD)、25…FAXモデム、26…通信部、27…管理部、28…タイマ、29…消去処理部、30…機器制御部、30a…CPU、30b…RAM、30c…ROM、30d…バス、30e…入力I/F、30f…出力I/F、31…画像付加部、31a…付加判定部、31b…情報決定部、31c…情報設定部、31d…レベル判定部、31e…特徴判定部、40…イメージスキャナユニット、45…CCD方式の画像読取部、46…CIS方式の画像読取部、102a,102b…端末PC、103…ネットワーク、104…電話回線網、105…インターネット網、106…外部FAX、107…インターネットFAX、108…外部PC、109…外部サーバ。