JP4486430B2 - 磁界制御アクティブダンパー及びディスク状記録媒体の再生装置 - Google Patents

磁界制御アクティブダンパー及びディスク状記録媒体の再生装置 Download PDF

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Description

この発明は、例えば車載用CDプレーヤのような、ディスク状記録媒体から非接触読取り方式でデータリードを行う再生装置と、再生装置に作用する振動を減衰するダンパーに関する。そして特に、ダンパーに密封した粘性流体に磁性粒子が含有されており、外部磁界を強弱可変に作用させることで、磁力線方向に沿う磁性粒子の配向密度を変化させることによる粘性流体の粘度制御によって、減衰特性を制御する技術に関する。
ディスク状記録媒体の再生装置では、内部振動や外部振動によって再生エラーが起こるため、筐体と筐体に内蔵されたメカシャーシとの間の振動伝達経路に、ダンパーを取付けて、メカシャーシを防振支持している。本出願人は、車載用CDプレーヤやカーナビゲーション装置等の再生装置における一例として、図10〜図13の磁界制御アクティブダンパーを提案している(特許文献1)。
特開2004−190711号公報
1はディスク再生装置の筐体であり、2は箱状のシャーシ2である。シャーシ2にはディスク状記録媒体Mの再生等を行うピックアップやスピンドルモータ等を実装したメカシャーシ3が収容される。メカシャーシ3は、シャーシ2の内部で、筐体1とシャーシ2に対して浮動状態で弾性的に防振支持される。この弾性的な防振支持は、シャーシ2の四隅に配置された磁界制御アクティブダンパー4によってなされる。
磁界制御アクティブダンパー4は、ダンパー部5と駆動部6で構成される。ダンパー部5は、ダンパー7と、これを保持する磁気シールドブラケット8、磁石9,10を保持する可動ブラケット11で構成される。一方、駆動部6は、モータ12と、これをシャーシ2に取付ける固定ブラケット13で構成される。
ダンパー部5の粘性流体封入ダンパー7は、図11で示すように、硬質樹脂材でなる円筒形状の周壁部7aの一端側に、熱可塑性エラストマーなどゴム状弾性体でなる可撓部7bが固着され、また他端側には硬質樹脂材でなる円盤形状の蓋部7cが固着されており、これらによって密閉容器7dが構成される。密閉容器7dの蓋部7cは磁気シールドブラケット8に固定される。可撓部7bには、メカシャーシ3のシャフト3aの保持凹部7eが形成され、ここでシャフト3aを保持することで、メカシャーシ3が筐体1とシャーシ2に対して浮動状態で弾性的に防振支持される。
密閉容器7dには、粘性流体7fが封入される。粘性流体7fは、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどシリコーンオイル系や、パラフィンオイル等の鉱物油や、なたね油等の植物油、ポリブテン等の低分子量の液状ポリマー、フタル酸エステル類、さらには粘性を調整した水溶液等が用いられる。粘性流体7fには、鉄、ニッケル等の粒子でなる磁性粒子(図示略)が混合されている。
磁気シールドブラケット8は、円盤状の基板部8aを、接着したりネジ止めしたりすることで、箱状のシャーシ2の側壁2aに固定される。円盤状基部8aには、ダンパー7の周壁部7aと可撓部7bを外側から囲う突片部8bが形成されている。この磁気シールドブラケット8の材質は、磁束を吸収し易い、すなわち透磁率の高い材質、例えばケイ素鋼や、フェライト、パーマロイ、コバルト系アモルファス、鉄、ニッケルなどの透磁率の高い強磁性体で形成されている。
可動ブラケット11は、矩形状の基板部11a(図11参照)に、ダンパー7の周壁部7aと可撓部7bを外側から囲う突片部11bが形成されている。突片部11bは、磁気シールドブラケット8の突片部8bとの間に、隙間が形成されて可動できるようになっている。また、突片部11bには磁石9,10が取付けられており、その一方がN極、他方がS極といったようにダンパー7を挟んで異極どうしを対向させて取付けられ、ダンパー7の内部を通じる横断磁場を形成する。可動ブラケット11の矩形状基部11aには、図12で示すように、駆動部6のモータ12から突出する回転軸12aが固定され、この回転軸12aを中心として回転可能となっている。
また、回転可能とするため、シャーシ2の側壁2aには突片部11bの回転軌跡に合わせて貫通孔2bが形成されており、可動ブラケット11の突片部11bはそこに挿通される。そして、モータ12は、断面ハット型の固定ブラケット13を介して、側壁2aに固定される。
このような磁界制御アクティブダンパー4では、可動ブラケット11が図11の実線で示す位置にあるときは、磁石9,10による横断磁場が、粘性流体7f中の磁性粒子に対して、直接的かつ万遍なく作用する。したがって、この有磁場状態では、磁性粒子が磁力線に沿って配向され、これにより粘性流体7fの粘度が見掛け上変化し、ダンパー7の振動減衰特性が変化する。一方、この有磁場状態から、可動ブラケット11が、図11,12の二点鎖線で示す位置に、モータ12によって時計回りに90度回転すると、磁石9,10が磁気シールドブラケット8の突片部8bと対面して重なり合った状態となり、横断磁場は、磁力線が高透磁率材でなる磁気シールドブラケット8の内部を通るように偏向されて、粘性流体7fには殆ど作用しない無磁場状態となる。
磁界制御アクティブダンパー4は、こうした有磁場状態と無磁場状態の切換えにより、ダンパー7の振動減衰特性を変化させることが可能となっている。また、磁石9,10による横断磁場を、ダンパー7の側方から十分に粘性流体7fの磁性粒子に対して及ぼすことができる構造であるが故に、例えば、可動ブラケット11の回転角を段階的に或いはリニアに変化されることで、磁石9,10と磁気シールドブラケット8の突片部8bとの重なり長さを変化させ、これによって、粘性流体7fに及ぼす横断磁場の強さ、つまり粘性流体7fの粘度を可変的に制御することができる、という優れた効果が得られるものである。
ところで、再生装置は小型化、薄型化が強く要請されている。これは、振動伝達経路にダンパー7のみを取付けた再生装置だけでなく、磁界制御アクティブダンパー4のような高機能型のダンパーを介在させる再生装置においても共通の課題とされている。しかしながら、前述の磁界制御アクティブダンパー4では、ダンパー7の径方向外側に磁気シールドブラケット8を備えており、さらにその径方向外側で可動ブラケット11を回転させる機構であるため、全体として外径サイズが大きくなる問題がある。また、磁気シールドブラケット8は、高透磁率材で形成されてはいるものの、ダンパー7に横断磁場を完全に作用させないようにして有磁場状態との間で強弱を高めるには、突片部8bを相当厚肉にしなければならないという問題がある。
そこで本出願人は、図13で示すような磁界制御アクティブダンパー14を提案している(特願2003−423455号)。この磁界制御アクティブダンパー14は、前述の従来例のように可動ブラケット11をダンパー7のまわりで回転させる回転駆動方式ではなく、磁石9,10を取付けた可動ブラケット15を、ダンパー7の側方位置に対して遠近させる遠近駆動方式を基本としている。
具体的には、モータ12の回転軸12aに磁気シールド16bを一体形成した回転シャフト16が取付けてある。この回転シャフト16には外周面に長手方向に沿う螺旋状のガイド溝16aが設けられている一方で、可動ブラケット15にはガイド溝16aと係合する突起15dが設けられている。したがって、回転シャフト16が回転すると、可動ブラケット15は、突起15dがガイド溝16aのガイドを受け、それに沿って移動することで、その回転量(回転角)と回転方向に応じて、ダンパー7の中心軸と平行に遠近するように、前進又は後退可能となっている。
このように、磁界制御アクティブダンパー14は、磁石9,10(可動ブラケット15)をダンパー7の側方に対して遠近させる遠近駆動方式であるため、特許文献1で示す磁界制御アクティブダンパー4のように、磁石9,10をダンパー7周りで回転させる回転駆動方式と比較すると、有磁場状態と無磁場状態との間で強弱を明確に付けやすい利点がある。また、磁気シールドブラケット8が不要である点で、ダンパー7の外径方向では小型化できる利点もある。
しかしながら、磁界制御アクティブダンパー14では、可動ブラケット15をダンパー7の中心軸に沿って遠近させるため、その移動スペースが必要となり、固定ブラケット13とシャーシ2との間を広くせざるをえない。このため、図10で示す筐体1が長手方向で大きくなってしまい、再生装置全体としての小型化が難しい。
以上のような技術を背景になされたのが本発明である。その目的は、磁界制御アクティブダンパーについて、有磁場状態と無磁場状態とで磁場の強弱を出しやすい遠近駆動方式としつつ、更なる小型化を実現することにある。
そこで、上記目的を達成すべく本発明は、筒状の密閉容器に磁性粒子を含む粘性流体を封入したダンパーと、密閉容器に横断磁場を形成する磁界形成部材と、を備える磁界制御アクティブダンパーについて、密閉容器に横断磁場が及ぶ作用位置に対し、磁界形成部材を密閉容器の筒軸交差方向に沿って接離する駆動装置を備えることを特徴とする磁界制御アクティブダンパーを提供する。
この発明では、密閉容器に横断磁場が及ぶ作用位置に対し、駆動装置が磁界形成部材を密閉容器の筒軸交差方向に沿って接離する。このため、有磁場状態と無磁場状態とでダンパー内の粘性流体に作用させる横断磁場について強弱を明確に付けやすい。また、磁界形成部材を密閉容器の筒軸方向に沿って接離させないため、従来例のようにダンパーの筒軸方向で磁界形成部材の移動スペースを設ける必要がない。よって、再生装置全体のさらなる小型化を達成できる。
前記磁界制御アクティブダンパーについては、磁界形成部材が、作用位置と、粘性流体に横断磁場が及ばない密閉容器から離れた離間位置と、の間で駆動するものとして構成される。このように横断磁場が及ばない離間位置まで磁界形成部材を駆動すれば、全く横断磁場が作用しない完全な無磁場状態が得られる。
前記磁界制御アクティブダンパーについては、離間位置に磁界形成部材の横断磁場を自身の内部に偏向させる磁気シールドを備えるものとして構成される。これによれば、離間位置で周辺への横断磁場の影響を排除できる。なお、このような磁気シールドとしては、高透磁率材で形成することができる。具体的には、フェライト、パーマロイ、コバルト系アモルファス、鉄、ニッケルなどの強磁性体で形成することができ、これらであれば高いシールド効果を発揮できる。
前記磁界制御アクティブダンパーについては、密閉容器の隣接位置に磁界形成部材の横断磁場を自身の内部に偏向させる磁気シールドを備えるものとして構成される。密閉容器の隣接位置に磁気シールドを備える本発明によれば、作用位置と隣接位置との移動距離が短いので、再生装置全体の小型化に寄与することができ、また移動距離が短くてもダンパーと隣接する側の横断磁場については磁気シールドの内部に偏向させることができるので、有磁場状態と無磁場状態とで磁場の強弱が出しやすくすることができる。なお、磁気シールドは、前述の材質のものと同じである。
前記磁界制御アクティブダンパーの駆動装置の駆動源としては、モータを使用することができる。そして特にモータの中でも超音波モータが使用される。これによれば、大きなトルクで確実に磁界形成部材を駆動できることに加え、回転を停止させるとホールディングトルクにより現在位置を保持し続ける自己保持特性があり静止できるので、横断磁場の強さを維持することができる。また、回転制御性が高く移動量の微調整が容易に行えるので、粘性流体に及ぼす横断磁場の強さも微調整可能であり、応答性が高いため車載用など多様な振動が連続的に入力されても、横断磁場の強さ調整の高速応答により入力振動に応じた振動減衰特性が得られる。
こうした超音波モータのほか、前記磁界制御アクティブダンパーの駆動装置の駆動源としては、面接触する固定子と可動子を有し、その何れかの表面に生じる超音波帯域のたわみ進行波により可動子を直線駆動する薄板状の超音波リニア駆動素子として構成される。この超音波リニア駆動素子によっても、上記超音波モータを使用する場合と同一の作用・効果が得られることに加えて、さらに薄型であるため駆動装置を含めて大幅な小型化を達成できる。
超音波リニア駆動素子を備える磁界制御アクティブダンパーについては、ダンパーを取付ける固定板と、固定板の裏面側に基板部が位置し、その両端側から固定板の表面側へ各々突出する一対の突片部に磁界形成部材を取付けた可動ブラケットと、を備え、固定板と可動ブラケットの何れか一方の対向面に固定子を取付け、前記何れか他方に可動子を取付けたものとして構成される。超音波リニア素子を、ダンパーの固定板の裏面と可動ブラケットとの間に取付けたので、駆動装置を含めて大幅な小型化を達成できる。
前記磁界制御アクティブダンパーは、固定板に、ダンパーの支持体又は被支持体の何れかに固定する取付部を設けたものとして構成される。これによれば、磁界制御アクティブダンパーをモジュールとして、再生装置に組み付けることが可能である。
そして本発明は、前記何れかの本発明による磁界制御アクティブダンパーを備えるディスク状記録媒体の再生装置を提供する。磁界制御アクティブダンパーによって横断磁場の強弱による可変的な粘性流体の粘度制御が可能であるため、高度な振動減衰性能が求められるDVDのような短波長の光でデータリードを行う再生装置を車載しても再生エラーの発生を抑えることができる。
本発明の磁界制御アクティブダンパーによれば、有磁場状態と無磁場状態とで磁場の強弱を出しやすい遠近駆動方式としつつ更なる小型化を達成できるので、省スペースでかつ高度な防振が要求される特に車載用途のディスク再生装置に適用することが可能である。
以下、本発明の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、背景技術と共通の構成については同一の符号を付して重複説明を省略し、各部の材質も背景技術と同一である場合には重複説明を省略する。
第1実施形態〔図1〜図4〕; 本実施形態は、CD,CD−ROM,CD−RW,DVD,DVD−ROM,DVD−RAM,ハードディスク等のディスク状記録媒体の再生装置と、これに備える磁界制御アクティブダンパー20の例である。なお、本実施形態及び後述の第2実施形態の再生装置の概略構成は、図10で示したものと同じである。
本実施形態の磁界制御アクティブダンパー20は、図1で示すように、ダンパー7、磁界形成部材としての磁石9,10を取付けた可動ブラケット21、磁気シールド22、シャフトカバー23、駆動装置の駆動源としての超音波モータ24、固定板25を備えている。このうちダンパー7と磁気シールド22は固定板25に固定されている。また可動ブラケット21は、矩形状の基板部21aを固定板25の裏面に沿わせてあり、固定板25の上縁と下縁から磁石9,10を取付けた突片部21bが各々表面側へ突出するように取付けられている。具体的には、各突片部21bに形成されたガイド突起21cと前述の基板部21aとで固定板25を狭持するように取付けられる。下側の突片部21bには、円筒形状のシャフトカバー23が固定されており、その内部には超音波モータ24から突出するシャフト24aが内挿される。超音波モータ24はシャーシ2の底板に固定される。
以上のような磁界制御アクティブダンパー20は、固定板25をシャーシ2の側壁2aに貫通形成した取付開口2bに取付ネジNを使って固定し、超音波モータ24をシャーシ2の底板に固定することで、再生装置の筐体1に設置される。
次に、磁界制御アクティブダンパー20の動作を説明する。図1のように可動ブラケット21がダンパー7から離れていると、異極を対向させた磁石9,10によって形成される横断磁場は、ダンパー7と隣接する側では磁気シールド22の内部に偏向されるため、粘性流体7fにはほとんど及ばない。一方、それ以外の横断磁場は、ダンパー7から離れているため粘性流体7fには作用しない。この無磁場状態から、粘性流体7fへ横断磁場を作用させるには、超音波モータ24を回転駆動させる。
超音波モータ24は、その駆動時には、シャーシ2に固定する下部24bに対して、シャフト24aを突設した上部24cが回転するようになっている。そして、図3で示すように、上部24cの回転とともにシャフト24aが二点鎖線で示す軌跡を辿って回動する。この時、シャフトカバー23の内径はシャフト24aの外径よりも大きく遊びがあるので、シャフト24aは、シャフトカバー23の内径面を回動しながら押していく。これによって、可動ブラケット21は、基板部21aとガイド突起21cとで狭持した固定板25の板面方向に沿って図中左方向へ移動していく。そして、図4で示す横断磁場の作用位置まで到達すると超音波モータ24の回転は停止する。実際の横断磁場の強弱可変な作用による粘性流体7fの粘度制御は、可動ブラケット21がこのようにして超音波モータ24によって駆動されて、図3で実線で示す位置と二点鎖線で示す横断磁場の作用位置との間で入力振動や使用環境に応じて位置を変えることで、粘性流体7fへの横断磁場のかかり具合を変更して粘度制御が行われる。
次に、本実施形態による磁界制御アクティブダンパー20の作用・効果を説明する。
ダンパー7に横断磁場が及ぶ作用位置に対し、超音波モータ24の回転により磁石9,10を取付けた可動ブラケット21が、ダンパー7の筒軸方向と直交方向に沿って、つまり固定板25の面方向に沿って接離する。このため作用位置にある有磁場状態(図3,図4)と、磁石9,10が磁気シールド22と対向する無磁場状態(図1〜図3)とでダンパー7の粘性流体7fに作用させる横断磁場の強弱を付けやすい。このため、横断磁場の強弱による粘性流体7fの可変的な粘度制御によって、入力振動や使用環境に合わせた高度の振動減衰制御を行うことができる。よって、高度な防振が要求される、特に車載用途のディスク再生装置に適用できる。
磁石9,10を取付けた可動ブラケット21は固定板25の面方向に沿ってダンパー7に対して接離する。つまり、ダンパー7の筒軸方向で接離させないため、従来例のようにシャーシ2の側壁2aの外方に可動ブラケット21の移動スペースを設ける必要がなく、磁界制御アクティブダンパー20の全体サイズも小型化できる。よって、省スペースが要求される、特に車載用途のディスク再生装置に適用できる。
ダンパー7と隣接して磁気シールド22を備える。このため、可動ブラケット21の移動距離が短いので、この点でも磁界制御アクティブダンパー20の全体サイズを小型化できる。よって、省スペースが要求される、特に車載用途のディスク再生装置に適用できる。このように磁気シールド22がダンパー7と隣接しており、可動ブラケット21の移動距離が短くても、磁石9,10による横断磁場のうちダンパー7と隣接する側については、磁気シールド22に偏向させることができるので、横断磁場の強弱による粘性流体7fの可変的な粘度制御が損なわれることはない。また、このように磁気シールド22を設けることで、周辺装置や素子への横断磁場の影響を排除できる。
可動ブラケット21の駆動源が超音波モータ24である。このため大きなトルクで確実に可動ブラケット21を駆動できる。また、回転を停止させるとホールディングトルクにより現在位置を保持し続ける自己保持特性があり静止できるので、所定位置での横断磁場の強さを維持することができる。さらに、制御性が高く移動量の微調整が容易に行えるので、粘性流体7fに及ぼす横断磁場の強さも微調整可能であり、また応答性が高いため多様な振動が連続的に入力されても、横断磁場の強さ調整の高速応答により入力振動に応じた優れた振動減衰特性が得られる。よってこの点でも、高度な防振が要求される、特に車載用途のディスク再生装置に適用できる。
磁界制御アクティブダンパー20は、固定板25に取付ネジNのネジ孔25aが形成されている(図3)。このため、磁界制御アクティブダンパー20をモジュールとして再生装置のメカシャーシ2に組み付けることが可能である。
以上のように磁界制御アクティブダンパー20は、横断磁場の強弱による粘性流体7fの可変的な粘度制御が可能であるため、特に高度な振動減衰性能が求められるDVDのような短波長の光でデータリードを行う再生装置を車載しても再生エラーの発生を抑えることができる。
第2実施形態〔図5〜図9〕; 本実施形態の磁界制御アクティブダンパー30と第1実施形態との相違点は、可動ブラケット21の駆動源である。本実施形態の駆動源は薄板状の超音波リニア駆動素子31である。
超音波リニア駆動素子31は、超音波帯域の振動波を発生するステータ32とロータ33で構成される。ステータ32は固定板25の裏面に固定されており、本実施形態ではこのステータ32が固定子として構成される。一方、ロータ33は、可動ブラケット21における固定板25の裏面との対向面に固定されており、本実施形態ではこのロータ33が可動子として構成される。
固定板25の裏面に固定したステータ32は、図9で示すように、電極部32a、圧電セラミック32b、弾性体32cの積層構造として形成される。圧電セラミック32bは分極されており、ここに電極部32aを通じて高周波電圧を印加すると伸縮して、交互に周期が異なる定在波を発生させる。この2つの定在波の合成により、連続的に一方向に進むたわみ進行波が形成される。弾性体32cには、圧力を加えた状態で、可動ブラケット21の基板部21aに固定したロータ33が強く密着している。したがって、うねりのように進行するたわみ進行波が作用することでロータ33が駆動される。ロータ33の進行方向は、電極部32aへ印加する高周波電圧を変えることで換えることができる。また、電極部32aは分極しており、弾性体32cにも高周波電圧が与えられる。このため、弾性体32cは電気伝導をもつ硬質材が好ましく、導電性をもつ樹脂や金属などを用いることができ、また電位差が少ないほど与えた交流電圧に対する駆動力が高まるため、特にアルミニウム等の磁化されない金属が好ましい。また弾性体32cには、櫛歯のような溝32dが形成されている。これによってステータ32とロータ33との界面で発生するたわみ進行波が大きくなり、駆動力を増すことができる。なお、電極部32aと圧電セラミック32bとの積層構造は、圧電セラミック32bに印刷で電極部32aを設けることによって形成できる。
次に、超音波リニア駆動素子31を駆動源とする本実施形態の磁界制御アクティブダンパー30の動作を説明する。図7で示すように可動ブラケット21がダンパー7から離れていると、異極を対向させた磁石9,10によって形成される横断磁場は、ダンパー7と隣接する側では磁気シールド22の内部に偏向されるため、粘性流体7fにはほとんど及ばない。一方、それ以外の横断磁場は、ダンパー7から離れているため粘性流体7fには作用しない。この無磁場状態から、粘性流体7fへ横断磁場を作用させるには、超音波リニア駆動素子31を駆動させる。
固定板25に固定したステータ32に高周波電圧を印加すると、前述のようにたわみ進行波によってロータ33を介して可動ブラケット21が駆動される。これによって可動ブラケット21は、基板部21aとガイド突起21cとで狭持した固定板25の板面方向に沿って図7中左方向へ移動していく。そして、図8で示す横断磁場の作用位置まで到達すると超音波リニア駆動素子31の駆動を停止する。実際の横断磁場の強弱可変な作用による粘性流体7fの粘度制御は、可動ブラケット21がこのようにして超音波リニア駆動素子31によって駆動されて、図7で示す位置と図8で示す横断磁場の作用位置との間で、入力振動や使用環境に応じて位置を変えることで、粘性流体7fへの横断磁場のかかり具合を変更して粘度制御が行われる。
以上のような本実施形態の磁界制御アクティブダンパー30は、第1実施形態の磁界制御アクティブダンパー20と同じ作用・効果を奏するほか、次のような固有の作用・効果を発揮する。
薄板状の超音波リニア駆動素子31を駆動源とし、これを固定板25と可動ブラケット21の基板部21aとの間に取付けたため、第1実施形態の超音波モータ24のように、固定板25の外へ突出する要素が無い。このため駆動源を含めて磁界制御アクティブダンパー30を大幅に小型化することができる。よって、省スペースが要求される、特に車載用途のディスク再生装置に適用できる。
実施形態の変形例: 以上の実施形態については各種の変形実施が可能である。その一例を次に説明する。
前記実施形態ではいずれも磁気シールド22をダンパー7と隣接して備える例を示したが、可動ブラケット21を磁石9,10の横断磁場が完全に及ばないか殆ど及ばない位置まで離間させることができるのであれば、磁気シールド22を設けなくてもよい。また、磁気シールド22をダンパー7からやや離した位置に取付けてもよい。
前記実施形態ではいずれも可動ブラケット21を側壁2aの長さ方向に沿って駆動する例を示したが、高さ方向(幅方向)で駆動するように構成してもよい。
前記実施形態ではいずれも固定板25を備える例を示したが、固定板25の使用を廃止して、シャーシ2の側壁2aを固定板25と代替してもよい。この場合には、側壁2aに可動ブラケット21の突片部21bが移動できるような長孔が貫通形成される。
前記第1実施形態では、駆動源として超音波モータ24を使用する例を示したが、超音波モータ24による作用・効果が無くてもよければ、汎用のDCモータなどを使用してもよい。
第1実施形態による磁界制御アクティブダンパーの取付状態を示す正面図。 図1の磁界制御アクティブダンパーの左側面図。 図1の磁界制御アクティブダンパーの平面図。 図1の磁界制御アクティブダンパーの正面図。 第2実施形態による磁界制御アクティブダンパーの取付状態を示す正面図。 図5の磁界制御アクティブダンパーの拡大左側面図。 図5の磁界制御アクティブダンパーの動作を説明する平面視による拡大断面図。 図5の磁界制御アクティブダンパーの動作を説明する平面視による拡大断面図。 図5の磁界制御アクティブダンパーの超音波リニア駆動素子の構成を模式的に示す拡大断面図。 一従来例による磁界制御アクティブダンパーを備えるディスク状記録媒体の再生装置の内部構造を模式的に示す説明図。 図10の磁界制御アクティブダンパーの動作を説明するSA−SA線から見た正面図。 図11のSB−SB線断面図。 他の磁界制御アクティブダンパーを示す平面図。
符号の説明
20 磁界制御アクティブダンパー(第1実施形態)
21 可動ブラケット
21a 基板部
21b 突片部
21c ガイド突起
22 磁気シールド
23 シャフトカバー
24 超音波モータ(駆動源)
24a シャフト
24b 下部
24c 上部
25 固定板
30 磁界制御アクティブダンパー(第2実施形態)
31 超音波リニア駆動素子(駆動源)
32 ステータ(固定子)
32a 電極部
32b 圧電セラミック
32c 弾性体
32d 溝
33 ロータ(可動子)
N 取付ネジ

Claims (7)

  1. 筒状の密閉容器に磁性粒子を含む粘性流体を封入したダンパーと、
    密閉容器に横断磁場を形成する磁界形成部材と、
    磁界形成部材を密閉容器に対して接離させる駆動装置と
    界形成部材の横断磁場を自身の内部に偏向させる磁気シールドと、
    を備える磁界制御アクティブダンパーにおいて、
    磁気シールドを、密閉容器の片側に外周に沿って弧形状に固定配置し、
    この磁気シールドの両端に隣接する位置で密閉容器を挟むように異極を対向させた磁界形成部材を配置して、対向する磁界形成部材間に磁気シールドが挟まれない状態で、密閉容器に横断磁場を及ぼし、
    前記駆動装置が、磁界形成部材の異極を対向して配置したその対向方向に対する交差方向に磁界形成部材を平行移動させて、対向する磁界形成部材間に磁気シールドが挟まれた状態で、該磁気シールドの内部に密閉容器の外周に沿った方向で横断磁場を形成し、磁気シールドが挟まれない磁界形成部材間では密閉容器に横断磁場を及ぼす一方で、磁気シールドが挟まれた磁界形成部材間では密閉容器に対する横断磁場が及ばない状態とすることを特徴とする磁界制御アクティブダンパー。
  2. 駆動装置の駆動源が超音波モータである請求項1記載の磁界制御アクティブダンパー。
  3. 超音波モータによる回転を、その回転に対する回転軸交差方向への移動に変換して磁界形成部材を密閉容器に対して接離させる請求項2記載の磁界制御アクティブダンパー。
  4. 駆動装置の駆動源が、面接触する固定子と可動子を有し、その何れかの表面に生じる超音波帯域のたわみ進行波により可動子を直線駆動する薄板状の超音波リニア駆動素子である請求項1記載の磁界制御アクティブダンパー。
  5. ダンパーを取付ける固定板と、
    固定板の裏面側に基板部が位置し、その両端側から固定板の表面側へ各々突出する一対の突片部に磁界形成部材を取付けた可動ブラケットと、を備え、
    固定板と可動ブラケットの何れか一方の対向面に固定子を取付け、前記何れか他方に可動子を取付けた請求項4記載の磁界制御アクティブダンパー。
  6. 固定板に、ダンパーの支持体又は被支持体の何れかに固定する取付部を設けた請求項5記載の磁界制御アクティブダンパー。
  7. 請求項1〜請求項6何れか1項の磁界制御アクティブダンパーを備えるディスク状記録媒体の再生装置。
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