JP2005180612A - 磁界制御アクティブダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁界制御アクティブダンパーについて粘性流体の粘度の可変制御による高い振動減衰性能を持ちながらも外径方向でのサイズダウンを図る。
【解決手段】 粘性流体封入ダンパー7には、磁性粒子を含有する粘性流体7fが封入される。密閉容器の筒軸交差方向に向かう横断磁場を形成する可動ブラケット15に対向形成した一対の突片部15bには、磁石9,10が取付けられる。そして、本発明の磁界制御アクティブダンパー14では、この可動ブラケット15を、粘性流体封入ダンパー7の側方位置に対し遠近させるものとして構成した。
【選択図】 図4

Description

この発明は、例えば車載用CDプレーヤのような、ディスクメディアから非接触読取り方式でデータリードを行うディスク再生装置の振動を減衰する粘性流体封入ダンパーに関し、特に、磁性粒子を含有する粘性流体に、外部磁界を強弱可変に作用させ、磁力線に沿う磁性粒子の配向の粗密に応じた粘性流体の粘度制御によって、減衰特性を制御する技術に関する。
前記ディスク再生装置については、内部振動や外部振動によって再生エラーが生じることがあるため、筐体とこれに内蔵されたメカシャーシとの間の振動伝達経路に、粘性流体封入ダンパーを取付けて、メカシャーシを防振支持するようにしている(特許文献1参照)。本出願人は、車載用CDプレーヤ等のディスク再生装置におけるその一例として、図5〜図7のような磁界制御アクティブダンパーを提案している(特願2002−356332号)。
特開2003−240044号公報(図13)
すなわち、図5で示す1はディスク再生装置の筐体であり、その内部には箱状のシャーシ2が内蔵されている。シャーシ2の内部にはディスク状記録媒体Mの再生等を行うピックアップやスピンドルモータ等を実装したメカシャーシ3が収容される。メカシャーシ3は、シャーシ2の内部で、筐体1とシャーシ2の双方に対して浮動状態で弾性的に防振支持される。この弾性的な防振支持は、シャーシ2の四隅に配置された磁界制御アクティブダンパー4によってなされている。
磁界制御アクティブダンパー4は、ダンパー部5と駆動部6とで構成される。ダンパー部5は、粘性流体封入ダンパー7と、これを保持する磁気シールドブラケット8、磁石9,10を保持する可動ブラケット11で構成される。一方、駆動部6は、モータ12と、これをシャーシ2に取付ける固定ブラケット13で構成される。
ダンパー部5の粘性流体封入ダンパー7は、図7で示すように、硬質樹脂材でなる円筒形状の周壁部7aの一端側に、熱可塑性エラストマーなど軟質樹脂材でなるゴム状弾性皮膜7bが固着され、また他端側には硬質樹脂材でなる円盤形状の蓋部7cが固着されていおり、これらによって密閉容器7dが構成されている。密閉容器7dの蓋部7cは、磁気シールドブラケット8に対して接着により固定している。ゴム状弾性皮膜7bには、支持対象物となるメカシャーシ3に突設したシャフト3aの保持凹部7eが形成され、ここでシャフト3aを保持することで、メカシャーシ3が筐体1とシャーシ2に対して浮動状態で弾性的に防振支持される。
密閉容器7dの内部には、粘性流体7fが封入される。粘性流体7fは、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどシリコーンオイル系や、パラフィンオイル等の鉱物油や、なたね油等の植物油、ポリブテン等の低分子量の液状ポリマー、フタル酸エステル類、さらには粘性を調整した水溶液等が用いられる。粘性流体7fには、鉄、ニッケル等の粒子でなる磁性粒子(図示略)が混合されている。
磁気シールドブラケット8は、円盤状基部8aを、接着したりネジ止めしたりすることで、箱状のシャーシ2の側壁2aに固定される。円盤状基部8aには、前述のごとく接着等により蓋部7cを固定した粘性流体封入ダンパー7の周壁部7aとゴム状弾性皮膜7bを、周方向に沿って外側から囲い込む突片部8bが形成されている。このような構造の磁気シールドブラケット8の材質は、磁束を吸収し易い、すなわち透磁率の高い材質、例えばケイ素鋼や、フェライト、パーマロイ、コバルト系アモルファス、鉄、ニッケルなどの透磁率の高い強磁性体で形成されている。
可動ブラケット11は、矩形状基部11a(図6参照)に、粘性流体封入ダンパー7の周壁部7aとゴム状弾性皮膜7bを、周方向に沿って外側から囲い込む突片部11bが形成されている。この突片部11bは、磁気シールドブラケット8の突片部8bとの間に、隙間が形成されて可動できるようになっている。また、突片部11bには、前述の磁石9,10が取付けられ、その一方がN極、他方がS極といったように粘性流体封入ダンパー7を挟んで異極どうしを対向させて取付けられ、粘性流体封入ダンパー7の内部を通じる横断磁場を形成する。また、可動ブラケット11の矩形状基部11aには、図7で示すように、駆動部6のモータ12から突出する回転軸12aが固定されている。したがって、可動ブラケット11は、その回転軸12aを中心としてモータ12により回転される。
この回転を可能とすべく、可動ブラケット11の突片部11bは、箱状のシャーシ2の側壁2aに突片部11bの回転軌跡に合わせて形成した貫通孔2bに挿通される。そして、モータ12は、断面ハット型の固定ブラケット13を介して、その側壁2aに固定される。
こうした本出願人の提案に係る磁界制御アクティブダンパー4では、可動ブラケット11が図6の実線で示す位置にあるときは、磁石9,10による横断磁場が、粘性流体7f中の磁性粒子に対して、直接的かつ万遍なく作用する。したがって、この有磁場状態では、磁性粒子が磁力線に沿って配向され、これにより粘性流体7fの粘度が見掛け上変化し、粘性流体封入ダンパー7の振動減衰特性が変化する。一方、この有磁場状態から、可動ブラケット11が、図6,図7の二点鎖線で示す位置に、モータ12によって時計回りに90度回転されると、磁石9,10が磁気シールドブラケット8の突片部8bと対面して重なり合った状態となり、横断磁場は、磁力線が高透磁率材でなる磁気シールドブラケット8の内部を通るように偏向されて、粘性流体7fには殆ど作用しない無磁場状態となる。
本出願人の提案に係る磁界制御アクティブダンパー4は、こうした有磁場状態と無磁場状態の切換えにより、粘性流体封入ダンパー7の振動減衰特性を変化させることが可能となっている。また、磁石9,10による横断磁場を、粘性流体封入ダンパー7の側方から十分に粘性流体7fの磁性粒子に対して及ぼすことができる構造であるが故に、例えば、可動ブラケット11の回転角を段階的に或いはリニアに変化させることで、磁石9,10と磁気シールドブラケット8の突片部8bとの重なり長さを変化させ、これによって、粘性流体7fに及ぼす横断磁場の強さ、つまり粘性流体7fの粘度を可変的に制御することができる、という優れた効果が得られるものである。
ところで、ディスク再生装置はその小型化が強く要請されている。これは、振動伝達経路に前述の粘性流体封入ダンパー7のみを取付けたディスク再生装置だけでなく、前述の磁界制御アクティブダンパー4のような高機能型のダンパーを介在させるディスク再生装置においても共通の課題とされている。しかしながら、前述の磁界制御アクティブダンパー4では、粘性流体封入ダンパー7の径方向外側に磁気シールドブラケット8を備えており、さらにその径方向外側で可動ブラケット11を回転させる機構であるため、全体として外径サイズが大きく、これを実際にディスク再生装置に備えるには、より一層の小型化への改良が必要とされていた。
この課題を解決するのが本発明であって、その目的は、磁界制御アクティブダンパーについて、粘性流体の粘度の可変制御による高い振動減衰性能を持ちながらも、さらに外径サイズを小さくすることにある。
この目的を達成すべく本発明は、筒状の密閉容器に、磁性粒子を含有する粘性流体を封入した粘性流体封入ダンパーと、密閉容器の筒軸交差方向に向かう横断磁場を形成する磁界形成部材と、を備える磁界制御アクティブダンパーについて、磁界形成部材を密閉容器の側方位置に対し遠近させる駆動装置を備えるものと構成した。
本発明では、磁界形成部材を、駆動装置によって密閉容器の側方に対し遠近させることで強弱可変的な横断磁場を及ぼして、粘性流体の粘度の可変制御を行う。このため、外径サイズの増長要因となっていた磁気シールドブラケットが不要となり、磁界制御アクティブダンパーの外径サイズを小型化できる。
本発明は、前記アクティブダンパーについて、密閉容器の側方位置から磁界形成部材を離間させたときに、磁界形成部材が生じる横断磁場の少なくとも一部を自身の内部に偏向させる磁気シールドを備えるものと構成される。本発明では、磁気シールドと磁界形成部材との相対位置に応じて、粘性流体に及ぶ横断磁場を、部分的又は全体的に磁気シールドへ偏向させることで、強制的に且つ確実に粘性流体への横断磁場の作用を遮断することができる。このため、粘性流体の可変的な粘度制御を高精度で行うことができる。このような磁気シールドとしては、高透磁率材で形成することができる。具体的には、フェライト、パーマロイ、コバルト系アモルファス、鉄、ニッケルなどの強磁性体で形成することができ、これらであれば高いシールド効果を発揮できる。
本発明は、前記アクティブダンパーについて、駆動装置に回転シャフトを設け、回転シャフトの外周に長手方向に沿う螺旋状の係合溝を設け、磁界形成部材に該係合溝と係合する突起を設け、回転シャフトの回転による突起の係合溝内の移動によって磁界形成部材を遠近させるものと構成される。本発明では、回転シャフトの回転により、突起が螺旋状の係合溝内を移動することで、回転シャフトの回転方向に応じて、磁界形成部材をスムーズに遠近させることができる。また、回転量(回転角)の変化により、磁界形成部材の移動量の微調整も容易に行えるので、粘性流体に及ぼす横断磁場の強さも微調整できる。したがって、粘性流体の可変的な粘度制御の精度を高めることができ、多様な入力振動に合わせた防振制御が実現される。
本発明は、回転シャフトを備える前記アクティブダンパーについて、回転シャフトの先端に磁気シールドを設けたものと構成される。本発明では、回転シャフトに磁気シールドを設けることで、磁界制御アクティブダンパーの小型化が図れる。この場合、磁気シールドは、回転シャフトに一体形成したものとして、また回転シャフトとは別体に形成したものとして構成することが可能である。
また、前記目的を達成する本発明は、前記何れかの本発明による磁界制御アクティブダンパーの防振支持対象物に作用する振動の加速度、周波数などの物理値に応じて振動伝達率が小さくなる横断磁場の強さを求め、該強さに応じた駆動信号を駆動装置に出力し、磁界形成部材を密閉容器の側方位置に対し遠近させる磁界制御アクティブ防振方法として構成される。また、前記何れかの本発明による磁界制御アクティブダンパーと、該磁界制御アクティブダンパーの防振支持対象物に作用する振動の加速度、周波数などの物理値に応じて振動伝達率が小さくなる横断磁場の強さを求め、該強さに応じた駆動信号を駆動装置に出力し、磁界形成部材を密閉容器の側方位置に対し遠近させるコントローラと、を備える磁界制御アクティブ防振装置として構成される。これらの本発明では、前記磁界制御アクティブダンパーによる作用・効果を発揮することができる他、例えば車載用のディスク再生装置のように、多様な振動特性を持つ振動が支持対象物に作用しても、入力振動の特性に応じて磁界制御アクティブダンパーの粘性流体の粘度が可変的に制御され、防振支持対象物に対する優れた振動減衰効果を発揮できる。
本発明の磁界制御アクティブダンパーによれば、粘性流体の高度な見掛け上の粘度制御による高い振動減衰効果を発揮しながらも、外径サイズを小型化できるので、省スペースで且つ高度な防振が要求される車載用途のディスク再生装置にも適用することが可能である。具体的には、例えば車載用途のディスク再生装置のように、実使用時における温度環境が−20度から60度と、かなり幅広い温度環境下で多様な振動特性を持つ振動が作用しても、温度や入力振動に適した磁界制御によって優れた減衰効果を発揮できる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、背景技術と共通の構成については同一の符号を付して重複説明を省略する。
図1〜図4で示すように、本形態の磁界制御アクティブダンパー14では、図5〜図7で示す背景技術における磁気シールドブラケット8の使用を廃止した分、可動ブラケット15の外径サイズが、背景技術の可動ブラケット11よりも小さくなっており、小型化されている。本形態の可動ブラケット15は、矩形状基部15aに、一対の突片部15bが形成されており、それらの先端側には磁石9,10が取付けられている。また、矩形状基部15aには、図3で示すように、モータ12の回転軸12aに固定した回転シャフト16を挿通する貫通孔15cが形成されている。この貫通孔15cには突起15dが形成されていて、回転シャフト16の外周面に長手方向に形成した螺旋状のガイド溝16aに対して係合している。したがって、回転シャフト16が回転すると、可動ブラケット15は、突起15dがガイド溝16aのガイドを受け、それに沿って移動することで、その回転量(回転角)と回転方向に応じて、粘性流体封入ダンパー7の中心軸と平行に遠近するように、前進又は後退可能となっている。
この前進・後退時には、可動ブラケット15が回転シャフト16と供回りしないように、可動ブラケット15の回転を規制する必要がある。そこで、本形態では、図1(A),図4(A)で示す可動ブラケット15の最大後退位置で、可動ブラケット15の突片部15bの前端が、シャーシ2の側壁2aに形成したガイド孔2cから抜け出ないようにしている。そして、回転シャフト16が回転すると、可動ブラケット15は、ガイド孔2cに対する突片部15bの接触によって供回りが規制されながら、図1(B),図4(B)の最大前進位置まで前進していくことになる。
また、回転シャフト16の先端には、「磁気シールド」としての円盤状の磁気シールド部16bが一体形成されている。磁気シールド部16bは、高透磁率材、具体的には、フェライト、パーマロイ、コバルト系アモルファス、鉄、ニッケルなどの強磁性体で形成されている。したがって、磁気シールド部16bを含めて回転シャフト16は、その全体が高透磁率材で形成されていることになる。そして、高透磁率材で形成しているために、可動ブラケット15に取付けた磁石9,10が近づくと、その横断磁場を自身の内部に偏向させるものとなっている。
したがって、図1(A)の最大後退位置では、磁石9,10による横断磁場MRは、図4(A)で示すように磁気シールド部16bの内部を通過するように偏向され、粘性流体封入ダンパー7に対しては及ばない。このため、最大後退位置では、粘性流体封入ダンパー7が無磁場状態とされる。そして、可動ブラケット15が徐々に前進し、磁石9,10が粘性流体封入ダンパー7に接近していくと(磁石9,10が磁気シールド部16bから離れると)、磁気シールド部16bによる偏向作用が利かなくなる部分が出てくるのと同時に、徐々に粘性流体封入ダンパー7の磁性粒子に横断磁場MRが及ぶようになる。こうして、図1(B)の最大前進位置までくると、磁気シールド部16bによる横断磁場MRの遮断効果が無くなると同時に、図4(B)で示すように横断磁場MRが粘性流体封入ダンパー7に対して全体的に及ぶ。よって、この最大前進位置では、粘性流体封入ダンパー7が完全な有磁場状態とされる。このように、可動ブラケット15の最大後退位置(無磁場状態)と最大前進位置(有磁場状態)とその中間位置との間で、磁石9,10と磁気シールド部16bとの距離に応じて横断磁場MRの強さを変化させて、粘性流体封入ダンパー7に及ぼすことができるため、粘性流体7fに対する可変的な粘度制御によって高い振動減衰効果を発揮することができる。
以上のようにして、横断磁場MRの強さの変化による粘性流体7fの可変的な粘度制御を効果的に行うために、本形態の粘性流体7fに混入する磁性粒子は、鉄、ニッケル、炭素鋼、ケイ素鉱、アルニコ、フェロックス・デュワー、フェライト、コバルト、パーマロイなどの粒子が用いられる。このうち粘度変化の応答速度を高速化できるのは、保磁しない又は保磁が少ない、例えばソフトフェライト粉末のような磁化率の大きい強磁性体粒子である。なお、磁性粒子の表面をシランカップリング剤等の表面処理剤にて処理したものであってもよい。
また、粘性流体7fには、磁性粒子の沈降を抑えて分散状態を維持する分散担体を混合させると更に良い。分散担体としては、粘性流体7fに反応したり溶解しないものであればよく、例えばポリメチルシルセスキオキサン粉末、乾式シリカ粒、ガラスビーズ、ガラスバルーンなどやそれらの表面処理品を用いることができ、それぞれを単独若しくは組み合わせて使用してもよい。特に、振動減衰効果も非常に高いシリコーンレジン粉末や、粘性流体7fの温度による粘度変化を抑える湿式シリカを利用するのが好ましい。
さらに、粘性流体7f、磁性粒子、分散担体の比率は、粘性流体7fに対して5〜65体積%の磁性粒子と、5〜65体積%の分散担体とを、磁性粒子と分散担体の総量が粘性流体7fに対して10〜70体積%の範囲となるように混合したものとするのが好ましい。これによれば、適度な粘性流体7fの流動性と、分散担体による磁性粒子の均一的な分散と、のそれぞれを重畳的に具備できるため、粘度制御による優れた振動減衰効果を発揮できるからである。
そして、横断磁場MRを形成する本形態の磁石9,10は、例えば外部磁界を受けることで磁化されて異極を発生する常磁性体、反磁性体のような磁性体だけでなく、予め磁化されていて外部磁界が作用するとその磁化の程度が強くなる磁化率の大きい強磁性体のような磁性体の材質も含まれる。具体的には、炭素鋼、ケイ素鋼、アルニコ、フェロックス・デュワー、フェライト、コバルト、ニッケル、鉄、パーマロイ、ネオジウムなどを素材とする磁性体を用いることができる。そして、磁石9,10は、その一方がN極、他方がS極といったように粘性流体封入ダンパー7を挟んで異極どうしを対向させて取付けてある。
以上のような本形態の磁界制御アクティブダンパー14は、図1で示すように、背景技術の磁界制御アクティブダンパー1と同様にしてディスク再生装置のシャーシ2の側壁2aに取付けられる。すなわち、モータ12を支持する固定ブラケット13が、側壁2aにおける筐体1との対向面に、接着やネジ止めされることで固定され、粘性流体封入ダンパー7が、接着やネジ止めなどにより、側壁2aにおけるメカシャーシ3との対向面に対して固定される。
また、以上のような本形態の磁界制御アクティブダンパー14による磁界制御アクティブ防振方法は、例えば次のように行われる。すなわち、磁界制御アクティブダンパー14のモータ12は、配線を介してメカシャーシ3に備える図外のコントローラに接続される。なお、このコントローラはメカシャーシ3の振動制御専用のものであってもよいし、ピックアップの駆動系の制御などに兼用されるものであってもよい。また、コントローラには、例えば、メカシャーシ3に取付けた加速度センサと筐体1に取付けた加速度センサが接続される。これらの加速度センサは、それぞれ振動によりメカシャーシ3に生じる加速度と、筐体1に生じる加速度とを検出する。また、コントローラには、図示せぬメモリに振動制御プログラムが格納されていて、これをコントローラが読み出し、加速度センサで検出された加速度やこの加速度に基づき得られる振動周波数などの物理値を入力として演算処理を実行することで、可動ブラケット15の位置、すなわち磁石9,10と磁気シールド部16bとの距離を制御する。
このような制御動作を行うには、様々な制御方法が可能であるが、最も単純な方法としては、例えば加速度センサの何れかで検出された加速度が、横断磁場MRを作用させるか否かを判定する所定の閾値を上回った場合には、コントローラが、図4(b)の有磁場状態となるように可動ブラケット15を前進させる駆動信号を、モータ12に出力する。一方、加速度が所定の閾値を下回った場合には、図4(a)の無磁場状態となるように可動ブラケット15を後退させる駆動信号を、モータ9に出力する。このような有磁場状態か無磁場状態かの単純なON−OFF制御によって、メカシャーシ3のアクティブ防振を行うことができる。
また、次のような制御方法でもよい。この方法では、予めコントローラのメモリに制御用のデータテーブルが格納してある。このデータテーブルには、前述の2つの加速度センサによって検出される加速度やこれに基づいて求められる振動周波数に応じて、最も振動伝達率が小さくなるような、モータ12の回転角、すなわち磁石9,10と磁気シールド部16bとの距離(可動ブラケットの位置)に応じた横断磁場MRの強さに関するデータが格納されている。
そして、実使用下では、各加速度センサで加速度が検出されると、振動制御プログラムを実行するコントローラは、検出された各々の加速度に対応して振動伝達率が小さくなる回転角データをデータテーブルを参照して求め、それに対応する駆動信号をモータ12に出力する。これによって、その駆動信号に応じて回転シャフト16が回転されて、所定位置に可動ブラケット15が移動し、様々な入力振動に応じた防振制御が行えるようになる。
以上のような本形態の磁界制御アクティブダンパー14については、例えば次のような変形実施が可能である。前記形態では、回転シャフト16に「磁気シールド」としての磁気シールド部16bを一体形成した。これは、回転シャフト16の軸部分も高透磁率材として、磁石9,10の磁力による周辺機器への悪影響を無くすためであるが、回転シャフト16から磁気シールド部16bを分離して、磁気シールド部16bのみを高透磁率材としてもよい。また、モータ12は、シャーシ2の側壁2aに固定したが、例えば背景技術(特願2002−356332号)の図1で示すような、取付脚のあるブラケット等を用いて筐体1に固定してもよい。さらに、粘性流体封入ダンパー7の形状は一例であり、円筒形ではなく角筒形としたり、ゴム状弾性皮膜7eの形状も図示のものに限られない。
一実施形態による磁界制御アクティブダンパーの動作説明図。 図5のSA−SA方向から見た図1の磁界制御アクティブダンパーの図5相当の部分拡大図。 図1(B)のSC−SC線断面で、可動ブラケットの突起と回転シャフトのガイド溝との係合状態を模式的に示す拡大図。 図2のSD−SD線断面における磁界制御アクティブダンパーの動作説明図。 本発明の背景技術による磁界制御アクティブダンパーを搭載するディスク再生装置の内部構造を模式的に示す平面図。 図5のSA−SA方向から見た磁界制御アクティブダンパーの取付構造の正面図。 図6のSB−SB線断面における磁界制御アクティブダンパーの動作説明図。
符号の説明
1 筐体
2 シャーシ
2a 側壁
2b 貫通孔
2c ガイド孔
3 メカシャーシ
3a シャフト
4 磁界制御アクティブダンパー
5 ダンパー部
6 駆動部
7 粘性流体封入ダンパー
7a 周壁部
7b ゴム状弾性皮膜
7c 蓋部
7d 密閉容器
7e 保持凹部
7f 粘性流体
8 磁気シールドブラケット
8a 円盤状基部
8b 突片部
9,10 磁石
11 可動ブラケット
11a 矩形状基部
11b 突片部
12 モータ(駆動装置)
12a 回転軸
13 固定ブラケット
14 磁界制御アクティブダンパー
15 可動ブラケット
15a 矩形状基部
15b 突片部
15c 貫通孔
15d 突起
16 回転シャフト
16a ガイド溝(係合溝)
16b 磁気シールド部(磁気シールド)

Claims (4)

  1. 筒状の密閉容器に、磁性粒子を含有する粘性流体を封入した粘性流体封入ダンパーと、密閉容器の筒軸交差方向に向かう横断磁場を形成する磁界形成部材と、を備える磁界制御アクティブダンパーであって、
    磁界形成部材を密閉容器の側方位置に対し遠近させる駆動装置を備える磁界制御アクティブダンパー。
  2. 密閉容器の側方位置から磁界形成部材を離間させたときに、磁界形成部材が生じる横断磁場の少なくとも一部を自身の内部に偏向させる磁気シールドを備える請求項1記載の磁界制御アクティブダンパー。
  3. 駆動装置に回転シャフトを設け、回転シャフトの外周に長手方向に沿う螺旋状の係合溝を設け、磁界形成部材に該係合溝と係合する突起を設け、回転シャフトの回転による突起の係合溝内の移動によって磁界形成部材を遠近させるようにした請求項1又は請求項2記載の磁界制御アクティブダンパー。
  4. 回転シャフトの先端に磁気シールドを設けた請求項3記載の磁界制御アクティブダンパー。
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WO2007119858A1 (ja) 2006-04-14 2007-10-25 Showa Denko K. K. 調節孔の制御方法
CN113236523A (zh) * 2021-05-11 2021-08-10 浙江威邦机电科技有限公司 无线低噪音水泵

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