JP2582508B2 - 磁気記憶装置 - Google Patents

磁気記憶装置

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JP2582508B2
JP2582508B2 JP4135255A JP13525592A JP2582508B2 JP 2582508 B2 JP2582508 B2 JP 2582508B2 JP 4135255 A JP4135255 A JP 4135255A JP 13525592 A JP13525592 A JP 13525592A JP 2582508 B2 JP2582508 B2 JP 2582508B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記憶装置に関する。
近年、計算機の小形化に伴い、計算機の外部記憶手段と
しての磁気記憶装置についても超小型化が要求されてい
る。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気記憶装置は、磁気ディスクを
モータにより回転させる構造であり、超小型化を図るこ
とは困難であった。超小型化を図るべく、本出願人は、
先に特願平3−238439号、発明の名称「磁気記憶
装置」において、基板上に磁気記憶媒体を固定して設
け、磁気ヘッドを励振手段によって振動させ、円弧状の
トラックを形成し、且つコ字形のヘッド支持部材を摺動
させて、磁気ヘッドをトラックを横切る方向に移動させ
て所定のトラック上に位置決めする構成の装置を提案し
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の磁気記憶装置の
各部分は、薄膜プロセスを使用したマイクロマシーニン
グ技術により作り出すことが可能であり、超小型化を図
ることが出来る。磁気ヘッドの位置決めは門型のヘッド
支持部材の両端側を同時に駆動させて、ヘッド支持部材
を摺動させて行う構成である。
【0004】このため、両側の駆動に少しでもアンバラ
ンスがあると、ヘッド支持部材の摺動の円滑性が損なわ
れ、ヘッド位置決め動作が不安定となってしまう虞れが
あった。ヘッド支持部材を摺動させるためには、ヘッド
支持部材を外れないような状態で摺動可能に支持する構
造部が必要となり、構造が複雑となり、マイクロマシー
ニング技術では作りにくい。
【0005】そこで、本発明は、アーム部の回動運動に
よって磁気ヘッドを移動させて位置決めするようにし
て、ヘッド位置決め動作の安定化及び高精度化を可能に
した超小型の磁気記憶装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基板
と、 該基板上に取付けられた磁気記憶媒体と、 磁気ヘッ
ドを支持するヘッド支持体と、 該ヘッド支持体を前記磁
気ヘッドが前記磁気記憶媒体上を所定の幅で往復移動す
るように揺動させる往復動手段と、 前記磁気ヘッドを上
記の往復移動の方向と直交する方向に移動させ前記磁気
記憶媒体上のトラック位置を変えるものであって、前記
ヘッド支持体の往復動手段を支持するアーム部と、該ア
ーム部を上記基板上に支持するジョイント部と、上記ア
ーム部を上記ジョイント部を中心に上記磁気ヘッドの往
復移動の方向と直交する方向に往復回動させる駆動部
より構成された移動手段と、を備えてなる構成としたも
のである。
【0007】請求項2の発明は、請求項1のジョイント
部を、一端が上記基板に固定され、他端が上記アーム部
に固定された一対のぜんまい状ばね部により構成したも
のである。請求項3の発明は、請求項1の駆動手段を、
上記ジョイント部に設けた構成としたものである。
【0008】
【作用】請求項1のアーム部及びジョイント部よりなる
構成は、ヘッドを所定トラックに位置決めするのに、ア
ーム部をジョイント部を中心に回動させるという安定な
運動をることを可能にするように作用する。
【0009】請求項2のぜんまい状ばね部は、ジョイン
ト部に軸受部を不要とするように作用する。請求項3の
駆動手段をジョイント部に設けた構成は、駆動手段が小
型で足りるように作用する。
【0010】
【実施例】次に、本発明の第1実施例になる磁気記憶装
置10について、図1乃至図6を参照して説明する。図
1は磁気記憶装置10を拡大して示す。
【0011】この磁気記憶装置10は、図2に示すよう
に、合成樹脂製のハウジング11内に組込まれている。
図2は磁気記憶装置組立体12を示す。この組立体12
は、ハウジング11内に、上記の磁気記憶装置10と、
これを駆動制御する制御回路及び信号を処理する信号処
理回路が組込まれたLSIチップ13とが組込まれ、ハ
ウジング11の上面が蓋(図示せず)により覆われ、且
つハウジング11の側方からリード14が突き出した構
造を有する。
【0012】この組立体12は、一般のLSIと同様に
取り扱われ、リード14を半田付けされて、プリント基
板上に実装されて使用される。次に、磁気記憶装置10
の構造について説明する。図1中、20はセラミック製
基板である。
【0013】21は磁気記憶媒体部であり、基板20上
に、基板20と一体に形成してあり、数mm角の大きさ
である。22はアーム部であり、幅w1 が0.5〜1m
m、厚さt1 が0.2〜0.5mmである。
【0014】アーム部22の基部側22aは、図3及び
図4に拡大して示すように、本発明の要部をなすジョイ
ント部23によって、基板20上に支持されている。ジ
ョイント部23は、基板20上に形成された一対のアン
カー部24-1,24-2と、アーム部22の下面に形成さ
れた円板部25と、アンカー部24-1,24-2と円板部
25との間に設けられた一対のぜんまい状ばね部2
-1,26-2とよりなる。
【0015】アンカー部24-1,24-2は、円板部25
の中心O1 を通る一の直径の延長線27上に配置してあ
る。一のぜんまい状ばね部26-1は,一端を一のアンカ
ー部24-1に固定され、図3中、反時計方向に一ターン
半延在し、他端を円板部25の周囲部に接続されてい
る。
【0016】別のぜんまい状ばね部26-2は、一端を別
のアンカー部24-2に固定され、上記ぜんまい状ばね部
26-1を同様に、反時計方向に一ターン半延在し、他端
を円板部25の周囲部と接続されている。ぜんまい状ば
ね部26-1,26-2の材質は、Si,Al2 3 又はS
iO2 等である。
【0017】これにより、アーム部22は左右対象に配
されたぜんまい状ばね部26-1,26-2の弾性力によっ
て基板20上に支持されている。また、アーム部22
は、ぜんまい状ばね部26-1,26-2が弾性変形するこ
とによって、上記中心O1 を通るZ軸28中心に、約4
5度の角度範囲内で矢印A1 ,A2 方向に回動可能であ
る。アーム部22の回動範囲は、図1に実線で示す位置
1 が時計方向回動の終端であり、同図中、二点鎖線で
示す位置P2 が反時計方向回動の終端である。
【0018】また上記ジョイント部23の部位に電磁駆
動モータ部30が設けてある。電磁駆動モータ部30
は、図3,図4及び図5に示すように、基板20上に放
射状に形成されている磁界発生コイル部31と、これと
対向して、円板部25の下面に放射状に形成されている
永久磁石部32とよりなる。
【0019】コイル部31に駆動電流が流れると回転磁
界が発生し、永久磁石部32に矢印A1 ,A2 方向の回
動力が発生する。上記のアーム部22、ジョイント部2
3、及び電磁駆動モータ部30が、移動手段を構成す
る。
【0020】次に、アーム部22の先端側22bについ
て説明する。アーム部22の先端側22bには、アーム
部22と直交する方向に延在して指部40が設けてあ
る。指部40がヘッド支持体を構成する。この指部40
の基部側寄りの部分には、指部40を左右側より挟むよ
うに一対のピエゾ素子部41,42が設けてある。一対
のピエゾ素子部41,42が往復動手段を構成する。
【0021】また、指部40の先端に、図6に拡大して
示すように、薄膜構造の磁気ヘッド43と、同じく薄膜
構造の磁気抵抗効果素子44とが作り込まれている。磁
気ヘッド43は記録用に使用され、磁気抵抗効果素子4
4は再生用に使用される。
【0022】ピエゾ素子部41,42が伸長と圧縮とを
互いに逆に繰り返すと、指部40が図1中二点鎖線で示
すように屈曲して矢印B1 ,B2 方向に振動する。次
に、上記構成になる磁気記憶装置10の動作について説
明する。ピエゾ素子部41,42には位相が180°ず
れている正弦波の信号が継続的に加えられ、ピエゾ素子
部41,42が伸長と圧縮とを互いに逆に繰り返し、指
部40は、図1中二点鎖線で示すように矢印B1 ,B2
方向に単振動をする。
【0023】記録は、矢印B1 方向の変位時に行われ、
磁気記憶媒体部21上に、幅W2 が7乃至8μmの円弧
状のトラック50-1等が形成され、ここに情報が書き込
まれる。またモータ部30が駆動され、アーム部22が
ジョイント部23(Z軸28)を中心に矢印A1 方向に
一定速度で回動される。
【0024】これにより、ヘッド43が磁気記憶媒体2
1上をX−Y二次元的に移動し、磁気記憶媒体21上に
は図1に示すように、円弧状トラック50-1〜50-n
近接して形成される。指部40の基部は、円弧軌跡51
に沿って変位する。
【0025】このため、円弧状トラック50の並びは、
全体として、上記の円弧軌跡51に沿うものとなる。磁
気ヘッド43及び磁気抵抗効果素子44を所定のトラッ
ク上に位置決めする動作は、以下に説明するように行わ
れる。
【0026】指部40は単振動を継続したままとする。
素子44は情報の読み取りを継続する。モータ部30に
駆動信号が加えられ、モータ部30が、アーム部22を
ジョイント部23を中心に回動させる。素子44が上記
所定のトラックのアドレスを読み取ると、アーム部22
がそのときの回動角度位置に停止される。
【0027】これによって、トラック50-1〜50-n
横切って移動し、所定のトラック(図1にあってはトラ
ック50-1)上に位置決めされ、ヘッド43によりここ
に情報が書き込まれ、又は素子44によりここの情報が
読み取られる。情報の読み取りも、前記書き込みと同じ
く指部40の矢印B1 方向の振動ジョイントに行われ
る。
【0028】また、ジョイント部23は前記より分かる
ように、軸受部を有しない構成であるため、摩耗が起き
ず、優れた耐久性を有する。また、位置決めは、上記の
ように、アーム部22をジョイント部23を中心に回動
させるだけで行われるため、位置決め動作は、従来のも
のに比べてより安定に且つ確実に行われる。
【0029】なお、上記の磁気記憶装置組立体12を構
成する全部の部分は、薄膜プロセスを使用したマイクロ
マシーニング技術によって、セラミック製基板20上に
作り込まれる。例えば 磁気記憶媒体21, 磁界発生コイル部31, アンカー部24-1,24-2, 永久磁石部32, ぜんまい状ばね部26-1〜26-2, 円板部25, アーム部22 の順で作り込まれる。
【0030】次に、本発明の第2実施例になる磁気記憶
装置60について、図7を参照して説明する。図7中、
図1に示す構成部分と対応する部分には、添字Aを付し
た同一符号を付す。
【0031】61は第1のアーム部であり、基部側61
aが、ジョイント部23A-1により、セラミック製基板
20A上に支持されており、矢印C1 ,C2 方向に回動
可能である。62は第2のアーム部であり、その基部側
62aが、第1のアーム部61の先端側61bに、ジョ
イント部23A-2により支持されており、矢印D1 ,D
2 方向に回動可能である。
【0032】63は第3のアーム部であり、その基部側
63aが第2のジョイント部62の先端側62bに、ジ
ョイント部23A-3により支持されており、矢印E1
2方向に回動可能である。この第3のアーム部63
ヘッド支持体を構成し、この先端側63bに磁気ヘッド
43A及び磁気抵抗効果素子44Aが作り込まれてい
る。
【0033】また、各ジョイント部23A-1,23
-2,23A-3には夫々、電磁駆動モータ部30A-1
30A-2,30A-3が組込まれている。電磁駆動モータ
部30A-1,30A-2,30A-3が夫々所定の速度比で
駆動され、第1のアーム部61が矢印C1 方向、第2の
アーム部62が矢印D1 方向、第3のアーム部63が矢
印E2 方向に回動することにより、第3のアーム部63
は、磁気記憶媒体部21Aに対する回動位置を図7に示
す位置に保ちつつ、矢印F1 方向に直線的に移動され
る。
【0034】また第1乃至第3のアーム部61,62,
63が上記とは逆方向に回動することにより、第3のア
ーム部63は、矢印F2 方向に直線的に移動される。ま
た第2のアーム部62が第1のアーム部61に対して回
動することによって、第3のアーム部63は矢印G1
2 方向に移動される。
【0035】これにより磁気ヘッド43Aが磁気記憶媒
体部21A上をX−Y二次元的に移動し、磁気記憶媒体
21上には、図7に示すように直線状のトラック70-1
〜70-nが近接して形成される。また、第3のアーム部
63が矢印G1 ,G2 方向に移動することにより、磁気
ヘッド43A及び素子44Aがトラック70-1〜70-n
を横切って移動し、所定の位置に位置決めされる。
【0036】主に、電磁駆動モータ部30A -1 、ジョイ
ント部23A -1 及び第1のアーム部61が、往復動手段
を構成する。主に、電磁駆動モータ部30A -2 、ジョイ
ント部23A -2 及び第2のアーム部62が、移動手段を
構成する。また、ヘッド43A及び素子44Aが直線状
に移動するため、以下に挙げる効果を有する。
【0037】 トラック70を矩形状の磁気記憶媒体
部21Aの隅部に到るまで形成することが出来、然して
磁気記憶媒体部21Aを有効に利用することが出来る。 オフトラックが生じても、再生信号に位相ずれが発
生せず、然して信号処理がし易い。
【0038】また、上記各実施例において、モータ部3
0,30A-1〜30A-3を、静電モータの構造又は超音
波モータの構造とすることが出来る。また、摩耗の問題
を解決出来た場合には、上記各ジョイント部23,23
-1〜23A-3を、軸受部構造としてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明した様に、請求項1の発明によ
れば、アーム部をジョイント部を中心に回動させる動作
は、門型のヘッド支持部材の両端側を同時に駆動させて
摺動させる場合に比べて安定且つ精度良く行われるた
め、磁気ヘッドの所定のトラックへの位置決めを安定且
つ精度良く行うことが出来る。
【0040】請求項2の発明によれば、ジョイント部を
摩耗の心配のない構造とし得、信頼性及び耐久性を向上
させることができる。請求項3の発明によれば、駆動手
段を小型に構成し得、然して磁気記録再生装置の小型を
図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例になる磁気記憶装置を拡大
して示す平面図である。
【図2】図1の磁気記憶装置が組込まれた磁気記憶装置
組立体をその蓋を省略して示す斜視図である。
【図3】図1中、アーム部の基部側を拡大して示す平面
図である。
【図4】図1中、IV-IV 線に沿う拡大断面図である。
【図5】図4中、電気駆動モータ部を分解して示す斜視
図である。
【図6】図1中、指部先端を拡大して示す図である。
【図7】本発明の第2実施例による磁気記憶装置を拡大
して示す平面図である。
【符号の説明】
10,60 磁気記憶装置 11 ハウジング 12 磁気記憶装置組立体 13 ISLチップ 14 リード 20 セラミック製基板 21 磁気記憶媒体部 22 アーム部 23 ジョイント部 24-1,24-2 アンカー部 25 円板部 26-1,26-2 ぜんまい状ばね部 27 直径上延長線 28 Z軸 30 電磁駆動モータ部 31 磁界発生コイル部 32 永久磁石部 40 指部 41,42 ピエゾ素子部 43 磁気ヘッド 44 磁気抵抗効果素子 50-1〜50-n 円弧状トラック 51 指部40の基部の軌跡 61 第1のアーム部 62 第2のアーム部 63 第3のアーム部 70-1〜70-n 直線状トラック

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 該基板上に取付けられた磁気記憶媒体と、 磁気ヘッドを支持するヘッド支持体と、 該ヘッド支持体を前記磁気ヘッドが前記磁気記憶媒体上
    を所定の幅で往復移動するように揺動させる往復動手段
    と、 前記磁気ヘッドを上記の往復移動の方向と直交する方向
    に移動させ前記磁気記憶媒体上のトラック位置を変える
    ものであって、前記ヘッド支持体の往復動手段を 支持す
    るアーム部と、該アーム部を上記基板上に支持するジョ
    イント部と、上記アーム部を上記ジョイント部を中心に
    上記磁気ヘッドの往復移動の方向と直交する方向に往復
    回動させる駆動部とより構成された移動手段と、を備え
    てなる構成としたことを特徴とする磁気記憶装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のジョイント部は、一端が上記
    基板に固定され、他端が上記アーム部に固定された一対
    のぜんまい状ばね部(26-1,26-2)により構成した
    ことを特徴とする磁気記憶装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の駆動手段を、上記ジョイント
    (23,23A-1〜23A-3)部に設けた構成としたこ
    とを特徴とする磁気記憶装置。
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