JP3986454B2 - ディスク装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクを回転駆動されるスピンドルハブに固定するタイプの、ハードディスク装置などのディスク装置に係り、特に、超小型・超薄型のディスク装置に適用して好適な、ディスククランプ技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスク装置は、磁気記録媒体である磁気ディスク(ハードディスク)と、磁気ディスクを回転駆動するスピンドルモータと、磁気ディスク表面に対して微小間隙を保って浮上して記録/再生を行う磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気ディスクに対して移動可能に支持するアクチュエータアームと、アクチュエータアームを駆動して磁気ヘッドを磁気ディスクの所望のトラック位置に移動し位置決めを行うボイスコイルモータとを、含んで構成される。
【0003】
近年、ハードディスク装置の記録密度の向上に対し、ヘッドのトラック位置決め精度を向上させてトラックのビット幅を縮小させる方法、または、ヘッドの浮上量を下げてヘッド走行方向のビット長さを縮小する方法が、推し進められてきた。いずれの場合も、磁気ディスクの固定方法としては、回転軸に対する位置精度を確保し、かつ、外部からの衝撃荷重に対抗できるだけの十分な固定荷重(クランプ力)を確保し、かつ、磁気ディスクに加わる変形量を最小限に抑えてヘッド位置決め精度を確保することが必要である。
【0004】
従来、磁気ディスクに生じるうねりや変形を抑えて、組立精度とクランプ力を確保する手法としては、クランパに発生する圧縮力を利用して磁気ディスクのクランプ力を増大させる手法(特許文献1)や、磁気ディスクとハブの間にリング状の弾性体を備えてディスク変形を低減する手法(特許文献2)や、磁気ディスクとクランプリングの間にトップスペーサリングを配置してディスク変形を抑制する手法(特許文献3)が、知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−96636号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−291301号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平7−296476号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、超小型・超薄型のハードディスク装置に需要が出てきている。平面外形1.8インチまたは1.0インチの超小型磁気ディスクを用いる装置では、総厚5mmのハードディスク装置が、現在製品化されている。今後、さらに薄型化が進むにつれて、スピンドルモータの厚さも一層薄くする必要があるが、モータの薄型化のためには、軸および軸受の薄型化が必須となる。しかし、軸および軸受の薄型化に伴ない、回転精度の劣化すなわちディスクの振動量が増大するので、ハードディスク装置の厚さの中で、軸および軸受の厚さを最大限確保する設計が必要となってくる。
【0009】
ところで、前記した従来技術では、以下の課題があった。
【0010】
前記特許文献1、前記特許文献2に開示されている手法では、スピンドルハブ上面の中心に、ディスククランプを固定するためのネジを配置するため、スピンドルハブの上面にディスククランプとネジが突出し、磁気ディスクの薄型化設計が阻害される。
【0011】
また、前記特許文献3に開示されている手法では、スピンドルハブ上面の中心にネジを配置しないので、スピンドルハブの上面からディスククランプとネジが突出しない設計が可能である。しかし、ディスククランプのネジを取り付けた付近でクランプ力が局所的に増大するため、ディスクのうねりが発生する。このため、ディスク表面を微小な間隙で浮上している磁気ヘッドの安定した記録/再生を阻害する。また、ネジを締め込む際に、ディスククランプが局所的にディスクに接触するので、接触箇所に荷重が集中し、ディスククランプとディスクが摺動して、お互いの表面から粉末状の微小な塵埃が発生する。このようにして発生した塵埃がディスク表面に密着すると、磁気ヘッドが塵埃に接触してヘッドが破壊され、磁気ディスク装置として修復不可能となる。
【0012】
このように、従来のディスククランプ構造は、磁気ディスク装置の薄型化、高性能化、高信頼化を阻む要因を持つものとなっていた。
【0013】
ここで、超小型・超薄型のディスク装置におけるディスククランプの技術的課題(難しさ)について説明する。例えば、外径1インチの磁気ディスクを用いた、外形寸法がコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリtypeIと同一サイズ(43mm×36mm×3.3mm)のハードディスク装置を例にとる。径の細い軸および軸受を用いると、磁気ディスクの内径を小さくできて記録容量の増大を図れるが、厚さ3.3mmのケーシング内において、径の細い軸および軸受を用いると、磁気ディスクの回転精度が大幅に劣化する。このため、厚さ3.3mmのケーシング内において磁気ディスクの回転精度を良好に保つためには、軸および軸受の径をある程度確保する必要があり、現状の技術では、軸受の外径(直径)を5mm以上にする必要がある。また、軸受に回転可能に保持された軸に、磁気ディスクを接着剤によりダイレクトに固着すると、磁気ディスクの内径を可及的に小さくできるが、接着剤を用いるとその揮発成分がディスク(磁気ディスク)に付着して信頼性を著しく劣化させるので、ハードディスク装置などのディスク装置においては接着剤の使用を避けたいのが現実である。そこで、接着剤を用いないで、軸に固定されたスピンドルハブに、ディスククランプ手段によって磁気ディスクを固定することが求められるが、外径1インチの磁気ディスクでは記憶容量を十分に確保するためには、その内径(中心穴の直径)が10mm以下を求められており、このディスク内径からくる制約と、前記軸受の外径からくる制約とにより、ディスククランプ手段の配置スペースが小さなものに限定される。この小さな配置スペースの中で、外部からの衝撃荷重に対抗できるだけの十分な固定荷重(クランプ力)を確保し、かつ、磁気ディスクに加わる変形量を最小限に抑えることは、前記した各特許文献に示された技術では達成困難である。
【0014】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、超小型・超薄型のディスク装置において、回転軸の回転精度を確保しつつ、狭い配置スペースに配置することを余儀なくされるディスククランプ手段によって、外部からの衝撃荷重に対抗できるだけの十分な固定荷重(クランプ力)を確保すると共に、ディスクに加わる変形量を可及的に抑止できるようにすることにあり、総じて、ディスク装置の超小型・超薄型化と高性能化と高信頼化とを、同時に達成できるようにすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本願による代表的な発明では、
ケーシングの一部を構成する底面板部に固定された軸受と、該軸受に回転可能に保持された回転軸と、該回転軸に固定されたスピンドルハブと、該スピンドルハブのフランジ部にその内周部を担持されたディスクと、該ディスクを前記スピンドルハブに固定するディスククランプ手段と、前記ディスクを回転駆動するスピンドルモータとを備えたディスク装置において、
前記ディスククランプ手段は、前記スピンドルハブのフランジ部とで前記ディスクの内周部を挟持する第1のクランプリングと、複数のネジ挿通穴が形成された第2のクランプリングと、該第2のクランプリングのネジ挿通穴を通して前記スピンドルハブに螺合された複数のネジと、前記第1のクランプリングと前記第2のクランプリングとの間に介在し、前記第2のクランプリングに加わる前記ネジの締め付け力を前記第1のクランプリングに伝えるためのリング状板バネとからなり、
前記第1のクランプリングと、前記第2のクランプリングと、前記リング状板バネと、前記複数のネジとが、前記底面板部と前記スピンドルハブの最上面との間に配置された、構成をとる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と記す)に係るハードディスク装置における、ケーシング上面の上カバーを外し、かつ一部を破断して示した上面図である。また、図2は、図1のディスク回転中心軸22を通る面による要部断面図である。
【0018】
本実施形態のハードディスク装置は、6面(上下面および4側面)を閉塞された薄箱状のケーシング内に、外径1インチの磁気ディスク21、これを回転駆動するための構成要素、磁気ヘッド12(図2)を磁気ディスク21に対して移動可能に支持するアクチュエータアーム11と、アクチュエータアーム11を駆動して磁気ヘッド12を磁気ディスク21の所望のトラック位置に移動し位置決めを行うボイスコイルモータ13などが、配置されている。前記ケーシングは、底面板部1aと、この底面板部1aから立ち上がった4側面を形成する側面板部1bとをもつベース1と、側面板部1bの一部に挿入されたコネクタ3と、上カバー2(図2)とで、所定の閉空間を形成するようになっており、このケーシングの外形寸法は、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリtypeIと同一サイズ(43mm×36mm×3.3mm)となっている。
【0019】
磁気ディスク21の表裏に配設された1対のアクチュエータアーム11の先端部には、磁気情報の記録/再生を行うための磁気ヘッド12が搭載されている。アクチュエータアーム11は、永久磁石13aとコイル13bとで構成されるボイスコイルモータ13によって、アーム回転中心軸14を回転中心として旋回駆動され、これによって、回転している磁気ディスク21上を磁気ヘッド12が浮上しながらシークし、磁気情報の記録/再生を行うようになっている。
【0020】
図2において、23は軸受、24は回転軸、25はスピンドルハブ、26は第1のクランプリング、27はリング状板バネ、28は第2のクランプリング、29はネジである。本発明では、第1のクランプリング26と、リング状板バネ27と、第2のクランプリング28と、複数のネジ29とによって、スピンドルハブ25に磁気ディスク21を固定するためのディスククランプ手段が構成されている。また、30は、第1のクランプリング26に固着されたリング状の永久磁石からなるスピンドルモータのロータ磁石、31は、プリント基板32に形成されたスピンドルモータのステータコイルで、ロータ磁石30とステータコイル31は、略同一高さに配置されて、両者30、31は所定のクリアランスをもって対向している。
【0021】
軸受23は、ベース1の底面板部1aに穿設された貫通穴に、その下部を強嵌合によって固定されており、この軸受23に回転軸24が回転可能に保持されており、回転軸24の上側にはスピンドルハブ25が強嵌合によって固定されている。軸受23はその外径(直径)が5mm以上のものが用いられ、本実施形態では、軸受23の外径は約5mmとされている。また、本実施形態では、軸受23には、その軸受面に流体を介在させた流体軸受を採用している。これにより、厚さ3.3mmのケーシング内において、回転軸24の回転精度(磁気ディスク21の回転精度)を良好に維持できるようになっている。なお、回転軸24の最上面とスピンドルハブ25の最上面とは面一で、上カバー2と、回転軸24の最上面およびスピンドルハブ25の最上面とは、その間に他の部材を介在させることなく、微小クリアランスをもって対向しており、また、スピンドルハブ25における回転軸24への嵌合部の厚みを、強度が許容する範囲で薄く形成してある。したがって、厚さ3.3mmのケーシング内において、軸受23に対する回転軸24の被支持部を可及的に大きくとれ、これによっても、回転軸24の回転精度(磁気ディスク21の回転精度)を良好に維持できるようになっている。
【0022】
スピンドルハブ25は、304系ステンレスなどのステンレスによって形成され、軸受23を概略覆うようになっており、その最大径は磁気ディスク21の内径より僅かに大きく設定されている。このスピンドルハブ25の下部には、その内径(中心穴の直径)が10mm以下の磁気ディスク21(本実施形態では、その内径が約10mmの磁気ディスク21)を担持するための凸状のディスク担持用フランジ部25aと、ディスク挿通部25bとが設けられており、磁気ディスク21は、ディスク担持用フランジ部25aに担持されると共に、ディスク挿通部25bに挿入されている。
【0023】
スピンドルハブ25のディスク挿通部25bの上側には、第1のクランプリング26の内周が嵌る、磁気ディスク21の内径よりも小径の第1のクランプリング嵌合部25cが設けられており、この第1のクランプリング嵌合部25cに第1のクランプリング26が嵌合されている。第1のクランプリング26は、ロータ磁石30が磁力で吸着(固着)可能な430系ステンレスによって形成されており、第1のクランプリング26に設けた磁石担持部26aに、ロータ磁石30が磁力で固着されている。
【0024】
スピンドルハブ25の第1のクランプリング嵌合部25cの上側には、第2のクランプリング28の内周が嵌る、第1のクランプリング嵌合部25cよりも小径の第2のクランプリング嵌合部25dが設けられており、この第2のクランプリング嵌合部25dに第2のクランプリング28が嵌合されている。第2のクランプリング28は、304系ステンレスなどのステンレスによって形成され、ヤング率の高い材質が選定される。この第2のクランプリング28には、複数のネジ29が挿通される複数のネジ挿入穴が設けられていると共に、ネジ29のネジ頭とスピンドルハブ25とで挟持される高剛性部28a、および、該高剛性部25aより厚みが薄くリング状板バネ27を押圧するバネ材押圧部28bが設けられている。
【0025】
第2のクランプリング28は、スピンドルハブ25の上面側に形成されたネジ穴に螺合される複数のネジ29によって、スピンドルハブ25に固定されるようになっている。この第2のクランプリング28と第1のクランプリング26との間には、バネ用ステンレスで形成されたリング状板バネ27が介装されており、リング状板バネ27は、第2のクランプリング28のバネ材押圧部28bの下面に当接すると共に、第1のクランプリング26の頂部と当接するようになっている。そして、リング状板バネ27は、第2のクランプリング28に加わるネジ29の締め付け力を第1のクランプリング26に伝え、これにより、第1のクランプリング26が所定のクランプ力で磁気ディスク21をスピンドルハブ25に固定するようになっている。なお、ネジ29は、狭い配置スペースで締め付けを行うため、そのネジ径が0.8mm以下であるのものが選定され(本実施形態では、ネジ径は0.8mm)、その材質はステンレスとなっている。
【0026】
上述したように、本実施形態では、ディスククランプ手段は全てステンレスで構成されており、これにより、熱膨張率がディスククランプ手段全体で略同様のものとなり、温度変化があっても良好なクランプ状態を維持できるようになっている。
【0027】
本実施形態では、磁気ディスク21の固定(ディスククランプ)は、下記のように行われる。
【0028】
(1)ベース1の底面板部1aに、軸受23、回転軸24、スピンドルハブ25が組み込まれた状態で、磁気ディスク21を、スピンドルハブ25のディスク挿通部25bに嵌め込み、磁気ディスク21を、スピンドルハブ25のディスク担持用フランジ部25aに担持させる。
【0029】
(2)ロータ磁石30が予め吸着・固定された第1のクランプリング26を、スピンドルハブ25の第1のクランプリング嵌合部25cに嵌め込み、第1のクランプリング26の下面の凸部を、磁気ディスク21の最内周部の上面に接触させる。
【0030】
(3)リング状板バネ27をスピンドルハブ25の上部に挿入して、リング状板バネ27の外周側を、第1のクランプリング26の頂部に接触させる。
【0031】
(4)第2のクランプリング28をスピンドルハブ25の第2のクランプリング嵌合部25dに嵌め込み、第2のクランプリング28の高剛性部28aの下面をスピンドルハブ25の上面に接触させると共に、第2のクランプリング28のバネ材押圧部28bの下面をリング状板バネ27の内周側に接触させる。
【0032】
(5)第2のクランプリング28のネジ挿入穴を通して、ネジ29をスピンドルハブ25のネジ穴に螺合して、ネジ29を締め付けることにより、第2のクランプリング28の高剛性部28aの下面をスピンドルハブ25の上面に密着させる。このとき、第2のクランプリング28のバネ材押圧部28bで押圧されたリング状板バネ27が弾性変形し、そのバネ荷重が第1のクランプリング26を通じて磁気ディスク21に加わる。この結果、磁気ディスク21がスピンドルハブ25に対して所定のクランプ力をもって固定される。
【0033】
本実施形態では、図示から明らかなように、磁気ディスク21を固定するための部品である第1のクランプリング26、リング状板バネ27、第2のクランプリング28、および締め付け用のネジ29が、ベース1の底面板部1aと、スピンドルハブ25および回転軸の上面との間に配置してある。これにより、先にも述べたように、ハードディスク装置全体の厚さ3.3mmの中で、回転軸24および軸受23を厚さ方向に最大限の寸法を確保でき、また、流体軸受である軸受23の外径を約5mmとしてあるので、回転軸24(磁気ディスク21)の回転精度を良好なものとできるようになっている。また、軸受23の外径約5mmと磁気ディスクの内径約10mmとの間の制約された狭いスペースの中で、バネと締め付け用のネジとを用いるディスククランプ手段を実現できる。さらにまた、スピンドルモータの構成要素であるリング状のロータ磁石30を第1のクランプリング30に固定し、ロータ磁石30の外側に、スピンドルモータの構成要素であるプリントコイルよりなるステータコイル31を配設するようにしている。これにより、クランプリング(第1のクランプリング26および第2のクランプリング28)の厚さを確保して、クランプリングのうねりを最小限にしながら、クランプリング外側のデッドスペースにロータ磁石30とステータコイル31を配置できる。以上の結果、本実施形態では、ハードディスク装置の薄型化を実現しながら、モータの振動特性の改善と、ディスクのうねり低減とを、同時に達成できる。
【0034】
図3〜図5を用いて、本実施形態によるディスククランプ構造の効果を説明する。図3は、図2に示した本実施形態の右側要部を示している。図4は、本実施形態と対比のために、本実施形態のリング状板バネ27と第2のクランプリング28とを一体化した場合の、要部を示す図である。
【0035】
図4において、前記した本実施形態と均等な構成要素には同一符号を付してある。図4において、41はバネ兼クランプリングで、複数のネジ29が挿通される複数のネジ挿入穴が穿設されていると共に、ネジ29のネジ頭とスピンドルハブ25とで挟持される被挟持部41aと、該被挟持部41aの外側に形成されたリング状バネ部41bとが設けられている。この図4の構成では、ネジ29の締め付け力をバネ兼クランプリング45のリング状バネ部41bによって第1のクランプリング26に伝え、第1のクランプリング26により磁気ディスク21を固定する。
【0036】
図5は、図3および図4の構成において、横軸に締め付け用のネジ29の変位量をとり、縦軸に磁気ディスク21に加わるクランプ力をとったグラフである。グラフの中で直線Aは、図3による本実施形態に対応し、直線Bは図4の構成例に対応する。
【0037】
目標となるクランプ力Pは、磁気ディスク21に加わる耐衝撃加速度の目標Fc=2000G、ディスク重量M=0.5g、静止摩擦係数μ=0.1(最悪値)として、P=Fc×M÷μ=10kgfとなる。
【0038】
図5の直線Aより明らかなように、図3の本実施形態では、クランプ力10kgfの発生に必要なネジ29の変位量は約100μmとなる。一方、図4の構成例では、リング状バネ部41bの柔軟性が十分ではないので、図5の直線Bに示すように、ネジ29の変位量が僅かでも、発生するバネ荷重は大きくなる。図5の直線Bより明らかなように、図4の構成例では、クランプ力10kgfの発生に必要なネジ29の変位量は約5μmとなる。
【0039】
一般に、ネジ山のピッチは100μmから200μm程度あり、図4の構成例では求められるクランプ力10kgfを発生させるためには、ネジ29を5μmだけ変位させねばならないが、5μmの変位量をネジ29の回転により制御することは困難である。また、図4の構成例では、5μm以上の変位を加えると内部応力が急増し、バネ兼クランプリング45の材料として用いられるステンレスの弾性変形領域を超えてしまう。結果として、塑性変形やクラックが生じるので、クランプ力の設計が不可能な領域となる(図5中に点線で示す)。以上の理由から、図4の構成例では所望のクランプ力を得ることは困難である。
【0040】
これに対し、図3の本実施形態では、第1のクランプリング26と第2のクランプリング28との間にリング状板バネ27が介装されており、柔軟性を有するリング状板バネ27の弾性変形量が大きいため、実現性の高いクランプ力設計が可能となる。
【0041】
また、図4のバネ兼クランプリング45は、バネ性を発揮させるためにバネ兼クランプリング45の一部を約100μmの厚さまで研削により追加工する必要があり、技術的な難しさと加工コストとが課題となる。これに対し、図3の本実施形態では、部品数は1つ増えるが、個々の部品の製作に特殊な加工技術は必要とせず、低コストで目標とするクランプ力を発生することができる。
【0042】
また、図4の構成例では、ネジ29を螺合した付近で局所的に締め付け荷重が増大しているため、バネ兼クランプリング45のリング状バネ部41b全体にうねりが生じる。このため、リング状バネ部41bと第1のクランプリング26とが局所的に接触し、接触箇所に荷重が集中してお互いの摺動による塵埃が発生し、磁気ヘッドと塵埃の接触による修復不能な不良が生じる懸念がある。これに対し、図3の本実施形態では、ネジ29の締め付け荷重を受け止める第2のクランプリング28自身はバネ性を必要としないので、先に述べたような高剛性部28aをもつ剛性の高い変形し難い構造として設計することができ、また、ヤング率の高い材料を選定することができる。このため、ネジ29の締め付け荷重の分布によるうねりが可及的に低減でき、リング状板バネ27および第1のクランプリング26のうねりも可及的に低減できる。よって、磁気ディスク21に発生するうねりが可及的に低減でき、表面を微小な間隙で浮上している磁気ヘッド12の安定した記録/再生を確保できる。
【0043】
なお、上述した実施形態ではハードディスク装置を例にとったが、ディスクを回転駆動されるスピンドルハブに固定するタイプのディスク装置であれば、光ディスク装置や光磁気ディスクにも、本発明は適用可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、超小型・超薄型のディスク装置において、回転軸の回転精度を確保しつつ、狭い配置スペースに配置することを余儀なくされるディスククランプ手段によって、外部からの衝撃荷重に対抗できるだけの十分な固定荷重(クランプ力)を確保できると共に、ディスクに加わる変形量を可及的に抑止でき、以って、モータの振動特性の改善、ディスクのうねりの低減を実現しながら、十分なクランプ力を発生できる、低コストなクランプ構造を提供できる。総じて、ディスク装置の超小型・超薄型化と高性能化と高信頼化とを、同時に達成でき、その価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るハードディスク装置における、ケーシング上面の上カバーを外し、かつ一部を破断して示した上面図である。
【図2】図1のディスク回転中心軸を通る面による要部断面図である。
【図3】図2の右側の拡大図である。
【図4】本発明の一実施形態のディスククランプ構造と対比するための、比較構成例のディスククランプ構造を示す要部断面図である。
【図5】図3および図4の構成における、クランプ力とネジの変位量との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ベース
1a 底面板部
1b 側面板部
2 上カバー
3 コネクタ
11 アクチュエータアーム
12 磁気ヘッド
13 ボイスコイルモータ
13a 永久磁石
13b コイル
14 アーム回転中心軸
21 磁気ディスク
22 ディスク回転中心軸
23 軸受
24 回転軸
25 スピンドルハブ
25a ディスク担持用フランジ部
25b ディスク挿通部
25c 第1のクランプリング嵌合部
25d 第2のクランプリング嵌合部
26 第1のクランプリング
26a 磁石担持部
27 リング状板バネ
28 第2のクランプリング
28a 高剛性部
28b バネ材押圧部
29 ネジ
30 ロータ磁石
31 ステータコイル
32 プリント基板
41 バネ兼クランプリング

Claims (10)

  1. ケーシングの一部を構成する底面板部に固定された軸受と、該軸受に回転可能に保持された回転軸と、該回転軸に固定されたスピンドルハブと、該スピンドルハブのフランジ部にその内周部を担持されたディスクと、該ディスクを前記スピンドルハブに固定するディスククランプ手段と、前記ディスクを回転駆動するスピンドルモータとを備えたディスク装置であって、
    前記ディスククランプ手段は、前記スピンドルハブのフランジ部とで前記ディスクの内周部を挟持する第1のクランプリングと、複数のネジ挿通穴が形成された第2のクランプリングと、該第2のクランプリングのネジ挿通穴を通して前記スピンドルハブに螺合された複数のネジと、前記第1のクランプリングと前記第2のクランプリングとの間に介在し、前記第2のクランプリングに加わる前記ネジの締め付け力を前記第1のクランプリングに伝えるためのリング状板バネとからなり、
    前記第1のクランプリングと、前記第2のクランプリングと、前記リング状板バネと、前記複数のネジとが、前記底面板部と前記スピンドルハブの最上面との間に配置されていることを特徴とするディスク装置。
  2. 請求項1記載において、
    前記ケーシングの厚さは3.3mmm以下であり、前記軸受の直径は5mm以上であり、前記ディスクの中心穴の直径は10mm以下であることを特徴とするディスク装置。
  3. 請求項2記載において、
    前記回転軸の最上面と前記スピンドルハブの最上面とは面一で、前記ケーシングの一部を構成する上カバーと、前記回転軸の最上面および前記スピンドルハブの最上面とは、その間に他の部材を介在させることなく、微小クリアランスをもって対向していることを特徴とするディスク装置。
  4. 請求項2記載において、
    前記軸受は、その軸受面に流体を介在させた流体軸受であることを特徴とするディスク装置。
  5. 請求項2記載において、
    前記ネジのネジ径は0.8mm以下であることを特徴とするディスク装置。
  6. 請求項1記載において、
    前記ディスククランプ手段は、前記ネジの変位量約100μmで約10kgfのクランプ力を発生させることを特徴とするディスク装置。
  7. 請求項1記載において、
    前記第2のクランプリングは、前記ネジのネジ頭と前記スピンドルハブとで挟持される高剛性部と、該高剛性部より厚みが薄く前記リング状板バネを押圧するバネ材押圧部とを、有することを特徴とするディスク装置。
  8. 請求項1記載において、
    前記スピンドルハブと、前記第1のクランプリングと、前記第2のクランプリングと、前記リング状板バネとは、ステンレス系材料で形成され、
    前記スピンドルハブには、前記ディスクを担持する前記フランジ部より上側に形成され、前記第1のクランプリングの内周が嵌る、前記ディスクの中心穴の径よりも小径の第1のクランプリング嵌合部と、該第1のクランプリング嵌合部より上側に形成され、前記第2のクランプリングの内周が嵌る、前記第1のクランプリング嵌合部よりも小径の第2のクランプリング嵌合部とが、設けられたことを特徴とするディスク装置。
  9. 請求項1記載において、
    前記第1のクランプリングには、前記スピンドルモータのリング状のロータ磁石が固着され、該ロータ磁石と略同一高さでかつ前記ロータ磁石と所定クリアランスをもって対向する前記スピンドルモータのステータコイルが配設されたことを特徴とするディスク装置。
  10. 請求項9記載において、
    前記第1のクランプリングは、前記ロータ磁石が磁力で固着可能なステンレス系材料よりなることを特徴とするディスク装置。
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