JP4486179B2 - 記録材切断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロッタ、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置のための記録材切断装置、特に、長尺の記録材に画像を形成する画像形成装置に好適な記録材切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の中には、ロール状に巻かれた記録材をロールから巻き出しながら搬送し、搬送中に画像形成領域を通過させて印字を行うタイプのものがある。このような画像形成装置には、記録材の印字された部分を切断するための切断装置が備えられているものが多い。一般的な切断装置では、記録材の上方に設けられたカッター刃が下降し、刃面と記録材とのなす角を鋭角にして記録材に侵入し、カッター刃が記録材搬送方向と垂直な方向(記録材の幅方向)に走行して記録材を切断する。この場合、特に切断開始時に記録材が座屈したり皺になったりするカットジャムを防止するために、記録材を下向きに弾性的に押さえ付けるための押さえ部材が、カッター刃の近傍に設けられているものがある。
【0003】
ところで、カッター刃は、刃面の同じ部位で切断し続けるとその部分の磨耗が速く、切れ味が急速に低下する。切れ味が低下すると、記録材が紙の場合には切断部が毛羽立ったり、記録材が座屈して皺になったり、あるいは切断後の記録材端面の真直性が低下するなどの問題が起こる。記録材がコート紙の場合には、切れ味の低下とともにコート粉が生じることもある。
【0004】
カッター刃の切れ味が低下した場合には、カッター刃全体を交換するか、あるいはカッター刃の刃面のうち記録材を切断する部位を変える必要がある。記録材を切断する部位を変えるためには、切断時にカッター刃の刃先が前述の押さえ部材から突出する量を段階的に切り替える機構が必要となる。かかる機構を備えた切断装置は、切り替えによってカッター刃の刃面全体を有効に使うことができるので、カッター刃の寿命が伸び、カッター刃の交換頻度を少なくできるという利点がある。カッター刃は、通常、プラスチック等の素材で金属製の刃先をホールドした状態に一体成形される。これは交換時に指などを負傷する危険を少なくするためであり、交換時には刃先とプラスチックの全体を交換する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カッター刃の刃先の突出量を変えてカッター刃の記録材を切断する部位を切り替えることができるようにした切断装置であっても、刃の先端部分よりも刃の根元に近い方を先に使い始めると、次のような問題が起こる。
【0006】
カッター刃で記録材を切断していると、前述のように、刃面の磨耗や突発的な異変などが原因となって記録材が座屈したり、折れ曲がって変形することがある。刃の根元に近い部分で切断しているときは、それより先の部分は前述の押さえ部材から突出しているので、折れ曲がって変形した記録材にこのようなカッター刃が無理に侵入しようとすると、記録材の変形の仕方によっては未使用の先端部分にも記録材が当たり、場合によっては破損することがある。このように一部にでも破損が生じたカッター刃は、たとえその他の部位が磨耗していなくても、カッター刃全体を交換しなければならない。
【0007】
特に、切断装置の使用に慣れていないユーザーがカッター刃の刃先の突出量を変える場合は、どの程度使用したら突出量を切り替えればよいかが分からないため、同じ部位を長く使いすぎて刃を損傷させ、却って本来のカッター刃の寿命よりも短い周期でカッター刃を交換しなければならない事態も起こり得る。さらに、単純にカッター刃の刃先の突出量を段階的に変えることができるようにしただけだと、過去にどの部位を使ったかが不明になったときに、一々それぞれの部位の切れ味を確認して適当な部位を見つけなければならないといった不便もあった。
【0008】
本発明は、このような技術的背景のもとになされたものであり、その目的は、カッター刃の切断位置を所定の順序で変えることにより、カッター刃の刃面のうち未使用の部位が破損する事態を確実に防止でき、かつ、カッター刃の刃面を無駄なく有効に使うことを可能にする記録材切断装置を提供することである。
【0010】
請求項1記載の記録材切断装置は、画像形成装置の記録材載置部に載置されて搬送される記録材を、記録材搬送方向と垂直な方向にカッター刃を走行させて切断する記録材切断装置において、単独のカッター刃又は保持手段に保持されたカッター刃と、前記カッター刃又は保持手段とは別体とされ、前記カッター刃又は保持手段を前記記録材載置部に向かう方向に移動可能に収容する収容手段と、前記カッター刃又は保持手段及び前記収容手段を、前記記録材載置部に向かう方向に弾性的に付勢する付勢手段と、前記記録材載置部のうちカッター刃の走行方向に沿った部分に形成された、上面に起伏を有する起伏面と、前記収容手段に設けられ、切断動作時には前記起伏面との間に記録材を挟んだ状態で前記付勢手段の付勢力を弾性的に受けとめて記録材を押さえる押さえ手段と、前記カッター刃が、前記記録材載置部に向かう方向において前記収容手段から突出する量(突出量)を段階的に変える突出量可変手段と、切断動作時に前記収容手段を、前記付勢手段及び前記突出量可変手段とともに、前記記録材載置部と平行かつ前記記録材搬送方向と垂直な方向に移動させる走行手段と、を具備し、前記突出量可変手段が段階的に変える一段階分の突出量は、前記起伏面に沿って走行する前記カッター刃が前記記録材載置部に載置された記録材を切断する際に前記起伏面の高低差によって切断に使用される前記カッター刃の部位の幅より大きいことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の記録材切断装置は、請求項1記載の発明において、前記起伏面は、記録材への突入から切断完了までの間にカッター刃が通過する範囲のうち、記録材への突入時点において最もカッター刃が記録材へ深く切り込むよう形成されているものである。
【0012】
請求項3記載の記録材切断装置は、請求項1又は2のうちいずれか一項記載の発明において、前記突出量可変手段を、突出量を変える方向が突出量の増える方向に制限し、かつ、現在の突出量を表示する表示手段を備えたものである。
【0013】
請求項4記載の記録材切断装置は、請求項1、2又は3のうちいずれか一項記載の発明において、前記突出量可変手段が、前記カッター刃又は保持手段を前記収容手段に対し、前記記録材載置部に向かう方向とは反対の方向に付勢する第二の付勢手段と、前記カッター刃又は保持手段と前記収容手段との間にあって前記第二の付勢手段の付勢力を受けとめるとともに、前記記録材載置部に向かう方向における前記カッター刃又は保持手段と前記収容手段との相対位置を段階的に切り替える切り替え手段と、からなるものである。
【0015】
請求項5記載の記録材切断装置は、請求項4記載の発明において、前記切り替え手段を円盤状の部材から構成し、その周囲に前記突出量に対応した数字を記載し、かつ、その回転方向を、前記突出量が増える方向に応じて、時計方向又は反時計方向のいずれかに制限したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の一形態について説明する。図1は、画像形成装置の一つであるカラープロッタ(又は単に「プロッタ」)全体を斜め前から見た斜視図、図2は、図1のカラープロッタ全体を斜め後ろから見た斜視図、図3は、図1、図2に示したカラープロッタを詳しく示した一部切欠斜視図である。このカラープロッタは、記録材としてロール紙を使用するタイプであり、ロール紙の切断用に本実施形態に係る記録材切断装置を備えている。
【0017】
プロッタ1は、使い易い高さを考慮したスタンド2の上部に固定されている。スタンド2の底部にはキャスター2aが設けられており、プロッタ1を容易に移動させることができる。操作部3には、プロッタ1を操作するための各種のスイッチが設けられており、ユーザーはこれらを用いて、用紙サイズ、オンライン/オフラインの切り替え、各種のコマンドなどの指示を入力する。
【0018】
プロッタ1の背面底部には、記録材4のロール4aがセットされており、ここから巻き出された記録材4は、挿入口5から図2に示した矢印の方向に挿入される。プロッタ1内へ挿入された記録材4は、後述の画像形成領域を通過するときに、操作部3から入力された操作指示に基づいてカラー印字され、その後、正面の排出口6から、図1の矢印の方向に排出される。
【0019】
次に、図3を参照して、記録材の搬送動作、画像形成動作(印字動作)などについて説明する。背面の挿入口5(図2参照)から挿入された記録材4は、プラテン7の給紙ガイド部7cの上方を通り、回動可能なピンチローラアーム8の先端に回転自在に取り付けられたピンチローラ9と走査ローラ10との間に挟持されて搬送され、画像形成領域を通過する。プロッタ1の内部にはファンが設けてあり、これは、プラテン7に設けられた吸引穴11から空気を吸い込む方向に回転している。記録材4は、この回転によって発生する適度な吸引力によって、プラテン7の表面に吸着されながら搬送される。
【0020】
プラテン7の上方には、記録材4の幅方向に案内レール20が架設されており、この案内レール20には、その両端部の間で往復移動できるキャリッジ21が取り付けられている。図3は、キャリッジ21が案内レール20の最も右側の端部に来ている状態を示している。キャリッジ21には、案内レール20と平行に張られたワイヤ24が掛設されている。不図示のキャリッジ駆動モータが正転又は逆転して、ワイヤ24をC方向又はD方向に引っ張り駆動すると、キャリッジ21は、案内レール20に沿ってC方向又はD方向に移動する。
【0021】
キャリッジ21はヘッドホルダ22を有しており、ヘッドホルダ22には印字ヘッド23が装着されている。印字ヘッド23は、カラー印字に必要な各色ごとに設けられ、各印字ヘッド23にはそれぞれの色 (例えばシアン、マゼンタ、イエロー、黒)のインクが収容されている。キャリッジ21が往復移動するときにプラテン7上で印字ヘッド23が通過する領域が画像形成領域となる。
【0022】
画像形成時には、キャリッジ21が移動するときに、印字ヘッド23が真下の画像形成領域の記録材4に向けてインクを吐出することにより、画像形成が行われる。記録材4に画像を形成するときは、記録材4を一時的に停止させて1バンド分の印字を行い、1バンド分の印字が終了すると記録材4を所定長だけ搬送し、次のバンドの印字を行う。かかる動作を印字する画像に応じたバンド数分だけ繰り返すことによって一つの画像を形成する。
【0023】
一つの画像の印字が終了すると、本実施形態に係る記録材切断装置30を用いて、記録材4の切断を行う。記録材切断装置30は、図3に示すように、キャリッジ21のヘッドホルダ22よりも記録材搬送方向のやや下流側(A方向側)に装着されている。記録材4の切断動作は、大きく分けると、記録材切断装置30内部に収納されたカッター刃を下方に突き出させてプラテン7に設けられたカッター溝31に挿入させる動作、カッター刃がカッター溝31に挿入された状態でキャリッジ21を図3の左側の端部から矢印Dで示す方向に移動させて記録材4を切断する動作、そして切断が終了したカッタ刃を再び記録材切断装置30内部に収納する動作からなる。
【0024】
次に、本実施形態に係る記録材切断装置30の構造と切断動作について説明する。図4乃至図7は、いずれも本実施形態に係る記録材切断装置30を、記録材4の搬送方向下流側から見た図(一部切り欠いた正面図)である。また、図8は、記録材切断装置30を、図4乃至図7の左側から見た側面図、図9は、キャリッジ21と係合するためにホルダ43の上部に設けられた部材について説明するための正面図である。
【0025】
図8及び図9に示すように、ホルダ43の上部には、ホルダ43と一体的に係合部材43bが設けられている。この係合部材43bによって、図3に示すように、記録材切断装置30を容易にキャリッジ21に装着することができ、また、容易にキャリッジ21から取り外すことができる。
【0026】
図4乃至図7に示すように、記録材切断装置30は、カッタースライダ40(特許請求の範囲に記載した「収容手段」に対応する)、このカッタースライダ40に回転自在に取り付けられたガイドコロ42、カッタースライダー40を内部に含むとともにキャリッジ21に装着可能とされたホルダ43(特許請求の範囲に記載した「走行手段」の一部に対応する)、そして、カッタースライダ40の上部とホルダ43との間にあってカッタースライダ40を下方(F方向)に付勢しているバネ41(特許請求の範囲に記載した「付勢手段」に対応する)を含んで構成されている。なお、図4乃至図7では、ホルダ43内の様子が分かるように、ホルダ43の手前側の部材の記載を省略している。
【0027】
図4乃至図7に示すように、バネ41は、その上端部がホルダ43内のバネ収容部に収容され、さらに、下端部には、カッタースライダ40の上部に設けられた細長い突起40b(図12乃至図15参照)が挿入されている。これによって、バネ41は横への動きが制限され、上下の伸縮動作のみが可能となる。
【0028】
また、後述の図10乃至図13に示すように、前記カッタースライダ40の内部には、カッター刃50(特許請求の範囲に記載された「カッター刃」に対応する)が取り付けられたブレードスライダ51(特許請求の範囲に記載された「保持手段」に対応する)、カッタースライダ40内でブレードスライダ51を上方に付勢している板バネ52(特許請求の範囲に記載された「第二の付勢手段」に対応する)、そして、カッタースライダ40内におけるブレードスライダ51の上下位置を調節するためのダイヤル53(特許請求の範囲に記載された「切り替え手段」に対応する)が設けられている。
【0029】
なお、本実施形態の記録材切断装置30は、カッター刃50が破損したり、寿命になった場合には、カッター刃50だけを交換するのではなく、ブレードスライダ51ごと交換する。これにより、記録材切断装置の使用に不慣れなユーザーでも、安全に交換作業を行うことができる。
【0030】
図4は、切断動作を行っていない期間の様子を示している。このとき、図4及び図8に示すように、カッタースライダ40と一体的に設けられた二つのフック部材40aは、ホルダ43に設けられた対応する部材43aに掛止されている。このためカッタースライダ40は、バネ41による下方(F方向)への付勢力に抗して、ホルダ43内の上よりの位置に保持されている。
【0031】
プロッタ1が、操作部3から記録材4を切断する旨の指示を受けると、キャリッジ21はまず、案内レール20に沿ってC方向に移動し、移動可能領域の左端に達する。図5は、このときの状態を示している。案内レール20の左端にはフック解除板60が設けられており、記録材切断装置30が装着されたキャリッジ21が案内レール20の左端へ達すると、フック部材40aがフック解除板60のフック解除リブ60aに突き当たり、ホルダ43に設けられた部材43aからはずれる。
【0032】
フック部材40aが部材43aからはずれると、カッタースライダ40は、バネ41に付勢されて瞬時に下降する。記録材切断装置30をキャリッジ21から取り外した状態でフック部材40aを部材43aからはずすと、カッタースライダ40は、バネ41によって、フック部材40aがホルダ43に設けられた部材43bに掛止するまで下降する。しかし、記録材切断装置30をキャリッジ21に装着しているときは、フック部材40aが部材43bに掛止する前に、カッタースライダ40の下端に設けられた押さえ部材44(特許請求の範囲に記載された「押さえ手段」に対応する)が、カッター溝31の下流側の壁(後述の図18参照)の上部に当接することによって、カッタースライダ40の下降が止められる。
【0033】
このとき、バネ41によるカッタースライダ40の下方への付勢力は、押さえ部材44が44bを支点として撓み、押さえ部材44に設けられた突き当て部材44aがカッタースライダ40の下端部に突き当たることによって受けとめられる。突き当て部材44aがカッタースライダ40の下端部に突き当たった状態で、さらに押さえ部材44を人為的に下から上に押し上げると、バネ41が撓み、カッタースライダ40もホルダ43内で持ち上げられる。したがって、カッタースライダ40内に含まれるブレードスライダ51、カッター刃50及び板バネ52もカッタースライダ40と一緒に持ち上げられる。
【0034】
押さえ部材44が撓んで突き当て部材44aがカッタースライダ40の下端部に突き当たったときに、この状態の押さえ部材44よりも下に突き出ているカッター刃50の先端部分は、切断動作時において、プラテン7に設けられたカッター溝31(図3参照)に入り込む。この状態でキャリッジ21を、案内レール20に沿ってD方向(図4乃至図7の右方向)に移動させると、プラテン7上に載置されている記録材4が切断される。このとき、押さえ部材44が記録材4を確実に押さえつけるので、切断開始時に記録材4が座屈したり、湾曲することを防止できる。カッター刃50が押さえ部材44よりも下に突き出る量(突出量)は、後述の方法で調節することができる。
【0035】
なお、記録材4の切断中は、カッター溝31の下流側の壁(起伏部)7aの上部に間に記録材4を挟んで押さえ部材44が当接する。また、カッター刃50は、カッター溝31内で上流側の壁7b側に近くなるように設計されている(後述の図18参照)。このため、記録材4は、カッター刃50のうち、カッター溝31の上流側の壁7bの上部の高さと略同じところに位置する部位によって切断される。
【0036】
キャリッジ21の走行可能範囲の右端には、ガイドリブ45が設けられている(図3、図6、図7参照)。記録材4の切断を終えた記録材切断装置30がこの位置に達すると、ガイドコロ42がガイドリブ45の傾斜面に当接する。その後さらに右に移動すると、図7に示すように、ガイドコロ42はこの傾斜面に沿って回転しながら上昇し、これによりカッター刃50を含むカッタースライダ40全体が次第に上方に持ち上げられる。そして、ガイドコロ42がガイドリブ45の頂上近傍に達すると、フック部材40aが部材43aに掛止し、カッタースライダ40は、バネ41による下方(F方向)への付勢力に抗して、再びホルダ43内の上よりの位置に保持される。
【0037】
次に、図10乃至図16を参照して、カッター刃50の突出量の調節について説明する。図10は、図9に示した記録材切断装置30を裏側から見た図であり、図11は、ホルダ内部の構造を説明するために図10に示したホルダの一部を切り欠いて示した図である。また、図12乃至図15は、ホルダ43から内部のユニット(以下「内部ユニット」という)を取り出して示した図であり、このうち図14は、円盤状のダイヤル53を厚み方向の中央部で表裏の面と平行に断面した状態を示しており、図15は、ダイヤル53を取り外し、かつ、ブレードスライダ51の一部を切り欠いた状態を示している。図16は、ダイヤル53の裏側を示した図である。
【0038】
前述の内部ユニットは、図12乃至図15に示すように、カッタースライダ40と、カッター刃50が取り付けられたブレードスライダ51と、U字形の板バネ52と、カッタースライダ40内におけるブレードスライダ51の上下位置を調節するためのダイヤル53からなる。
【0039】
カッタースライダ40の内側には、図15に示すように、その紙面の裏から表に向かう方向に突き出たボス46が設けられており、板バネ52は、U字形の曲折部の内側にこのボス46が来る位置に取り付けられる。そして、この上から被せるようにして、ブレードスライダ51をカッタースライダ40の内側に収容する。このとき、カッタースライダ40に図15の裏から表に向かう方向に設けられた突起54と、ブレードスライダ51の裏側に図15の表から裏に向かう方向に設けられた突起55とで、外側に(図15の上下方向に)開こうとする板バネ52の両端を挟み込むようにする。ブレードスライダ51をこのようにして取り付けると、外側に開こうとするU字形の板バネ52によって、ブレードスライダ51はカッタースライダ40内で上方に付勢される。
【0040】
ブレードスライダ51には、さらに、図15に示すように紙面の裏から表に向かう方向に突き出たボス51aと、縦長の貫通穴51bが設けられている。
【0041】
円盤状のダイヤル53の表側の周囲には、図12及び図13に示すように「1」から「5」までの数字が記載されている。また、ダイヤル53の裏側には、図16に示すように、同図の裏から表へ向かう方向に突き出た中心軸53aと、裏側の表面から切削して形成された溝53bが設けられている。溝53bは、五つの直線部分53b1〜53b5からなり、これらが連続的に折れ曲がって中心軸53aを取り囲むよう形成されている。各直線部分53b1〜53b5は、この順番に、段階的に中心軸53aからの距離が大きくなる。また、各直線部分53b1〜53b5の幅は、前述のボス51aがちょうど挿入できる寸法とされている。
【0042】
ダイヤル53をカッタースライダ40内に取り付けるときは、図15に示すブレードスライダ51の貫通穴51bに、ダイヤル53の裏側の中心軸53aを挿入し、かつ、ブレードスライダ51のボス51aをダイヤル53の裏側の溝53bに挿入する。前述のように、板バネ52はブレードスライダ51を上方に付勢するので、ダイヤル53は、ブレードスライダ51に設けられたボス51a、およびボス51aが挿入された溝53bを介して、上方に付勢される。これにより、ダイヤル53の上部がカッタースライダ40の内側の上部40cに押しつけられる。
【0043】
このようにして組み立てられた内部ユニットは、カッタースライダ40の上部に上向きに設けられた細長い突起40bをバネ41の下端部に差し込むようにしてホルダ43の下端部から挿入され、ホルダ43内に収納される。こうして完成した記録材切断装置30は、前述の方法でキャリッジ21に装着される。
【0044】
内部ユニットがホルダ43に収納されると、図10及び図11に示すように、ホルダ43の側部に設けられたダイヤル窓47から、ダイヤル53の表側の周囲に記載された「1」から「5」までの数字のいずれかが見える。図10に示すように、ホルダ43のダイヤル窓47の近傍には、ダイヤル窓47から見えるダイヤル53の数字を指し示す矢印48aと、ダイヤル53の回動方向を示す矢印48bが記載されている。矢印48aは、図10ではダイヤル53の番号「1」を指し、図11ではダイヤル53の番号「5」を指している。
【0045】
ユーザーは、ダイヤル窓47から露出しているダイヤル53の周囲に指を当ててダイヤルを回すことができる。ただし、ダイヤル53がダイヤル窓47から露出するのは、フック部材40aが部材43aに掛止してカッタースライダ40がホルダ43内の上よりの位置に保持されている待機期間だけであり、フック部材40aが部材43aからはずれている切断動作中は、ダイヤル53を回すことはできない。
【0046】
なお、本実施形態では、後述の理由により、ダイヤル53を回す方向を矢印48bに示す方向(図10の時計方向)、言いかえると、ダイヤル窓47から見える数字の値が大きくなる方向に限るものとする。
【0047】
ダイヤル53の表側の周囲に記載された「1」から「5」までの数字はそれぞれ、裏側に形成された溝53bの直線部分53b1から53b5までに対応している。そして、直線部分53b1から53b5までは、それぞれカッター刃50の5段階の突出量に対応している。
【0048】
図14では、ダイヤル53の溝53bのうち直線部分53b1が一番下のところ、言いかえると、ブレードスライダ51に設けられたボス51aがあるところに位置している。このとき、ダイヤル窓47から見える数字(矢印48aが指し示す数字)は「1」である。図10及び図12はこの状態を示している。この状態で切断動作を行うと、カッター刃50がカッタースライダ40から下側に向かって突出する量は最も小さく、その結果、記録材4はカッター刃50の先端部分で切断される。
【0049】
この状態からダイヤル53を図10の矢印48bの方向に回して、矢印48aが指し示す数字を「2」に切り替えると、ダイヤル53の溝53bのうち直線部分53b2が、ブレードスライダ51に設けられたボス51aのところに来る。前述のように、中心軸53aから直線部分53b2までの距離は、中心軸53aから直線部分53b1までの距離よりも大きいので、この切り替えによってボス51aは押し下げられ、板バネ52は閉じる方向に撓み、ブレードスライダ51は1段階下へ移動し、切断動作時にカッター刃50が下側に突出する量が大きくなる。
【0050】
ここからさらに、ダイヤル53を図10の矢印48bの方向に回して、矢印48aが指し示す数字の値を大きくすると、板バネ52は更に閉じる方向に撓んで、ブレードスライダ51は徐々に1段階ずつ下へ移動する。そして、矢印48aが指し示す数字が「5」になると、ブレードスライダ51は最も下に移動し、切断動作時にカッター刃50が下側に突出する量が最も大きくなる。
【0051】
切断動作時におけるカッター刃50の突出量が大きくなると、記録材4は、カッター刃50のより根元に近い部位で切断される。したがって、前述のように、ダイヤル53を回す方向を矢印48bに示す方向に限ると、カッター刃50のうち記録材4を切断する部位は最初は先端付近であるが、ユーザーがダイヤル53を回して矢印48aが指し示す数字を切り替えるたびに、記録材4を切断する部位は徐々に根元に近づく方へ移動する。
【0052】
このように、切断動作時にカッター刃50の突出量を段階的に切り替える機構を設けたことにより、適当な間隔で切り替え作業を行えば、カッター刃50の刃面全体を有効に使うことができ、したがって、カッター刃の寿命が伸び、カッター刃の交換頻度を少なくできる。
【0053】
さらに、本実施形態の記録材切断装置30では、前述のように、ダイヤル53を回す方向を矢印48bに示す方向(図10の時計方向)に限ったことから、カッター刃50の刃面のうち切断動作時に押さえ部材44よりも下に突出している部分は既に切断に使用した部分であり、カッター刃50の刃面のうち未使用の部分は、必ず押さえ部材44よりも上に位置している。このため、刃面の磨耗や突発的な異変などが原因となって記録材が座屈したり、折れ曲がって変形した場合に、切断装置がカッター刃50を無理に記録材4へ侵入させるようなことがあっても、変形した記録材がカッター刃50の未使用部分に当たろうとするのを、押さえ部材44が遮るので、カッター刃50の未使用部分が破損することはない。また、このようなときに、既に使用した部分が破損しても、その後に破損部分で記録材4を切断することはないので、未使用部分がなくなるまではカッター刃50を交換する必要がない。これにより、カッター刃50の本来の寿命を全うするまで使い続けることができる。
【0054】
さらに、切断動作時におけるカッター刃50の突出量を切り替えるダイヤル53の周囲に「1」から「5」までの数字を記載し、かつ、ダイヤル窓47近傍に、ダイヤル53の数字を指し示す矢印48aと、ダイヤル53の回動方向を示す矢印48bを記載したことにより、記録材切断装置の使用に慣れていないユーザーがカッター刃50の切断部位を切り替える場合であっても、確実に次に使うべき部位に切り替えることができる。これにより、未使用部分を残したままカッター刃50を交換してしまったり、あるいは既に使った摩滅した部分を再び使ったために記録材4の折れ曲がりや座屈が起こってしまうといったミスが生じにくくなる。
【0055】
なお、本実施形態の記録材切断装置30は、機構上は、矢印48bと逆の方向にダイヤル53を回すことが可能である。これを、ダイヤル53が逆回転できないようにした(いわゆる「ワンウェイ方式」)機構を採用して、既に使ったカッター刃の部位を確実に使わないようにすることは容易である。しかし、そのようにすると、次の数字に切り替えようとして誤ってその先までダイヤルを回してしまった場合には、途中の数字に対応するカッター刃の部位が使えなくなり、未使用部分を残したままカッター刃を交換しなければならなくなる。
【0056】
そこで、機構を複雑にせずに、確実に正しい順番でカッター刃の切断部位を切り替えるようにするには、本実施形態の記録材切断装置30のように、ダイヤル53の周囲に数字などの文字や記号を記載し、かつ、ユーザーの目に付き易いところにダイヤル53の回動方向を示す矢印48bを記載するのが望ましいと考えられる。もっとも、ある程度の機構的な複雑さを許容する場合には、ワンウェイ方式を採用した上で、更に例えば、1回の回転動作で1段階しか切り替えられないような機構や、1段階の切り替えに2つの動作(アクション)を必要とするような機構を採用すれば、より確実に、既に使った部位を再び使って記録材の折れ曲がりや座屈を起こしてしまう危険はより低くなり、また、カッター刃の各部位を確実に正しい順番で使ってゆくことが可能となる。本発明の技術的範囲には、このような機構も含まれる。
【0057】
ところで、前述のように、本実施形態の記録材切断装置30は、ダイヤル53を特定の方向に回すこととし、カッター刃の切断部位を先端部から根元に近づく方向に所定の順番で切り替えるようにすることで、カッター刃50の本来の寿命を全うする使い方が可能となる。しかし、ダイヤル53で新たにカッター刃の切断部位を切り替えたときに、その一点だけで切断しつづけると、その切断部位はすぐに摩滅してしまい、短期間のうちに再び切断部位を切り替える作業を行わなければならない。その結果、カッター刃50の寿命も短くなる。
【0058】
そこで、本実施形態では、カッター刃の切り替え可能なそれぞれの部位について、カッター刃の一点だけで記録材を切断するのではなく、ある一定の幅を使って記録材を切断するようにしてある。以下、この点について説明する。
【0059】
図17は、プロッタ1のプラテン7を、図3の記録材搬送方向の下流側から見た状態を示した図であり、図18は、図17に示したプラテン7をX−Xで切った断面図である。図18に示すように、プラテン7に設けられたカッター溝31は、下流側の起伏部7aと、上流側の壁7bによって挟まれている。図17に示すように、上流側の壁7bは平坦であるが、下流側の起伏部7aは、キャリッジ21の走行方向(C方向又はD方向)に沿って中央部で高く、両端部で低くなるよう形成されている。なお、図17では、この起伏部7aの高低差を分かりやすくするために、実際よりも誇張して描いている。実際の装置では、記録材4の幅1000mm程度に対し、起伏部7aの高低差は、0.8mm程度である。
【0060】
記録材4を切断しているときは、図18に示すように、押さえ部材44が起伏部7a上で記録材4を押さえ付けている。このとき、前述のように、押さえ部材44の突き当て部材44aがカッタースライダ40の下端部に突き当たっているので(図5参照)、押さえ部材44が起伏部7aに沿って上下に移動すると、カッター刃50も、それに従って上下に移動する。
【0061】
すなわち、切断動作を行うときに、切断装置30が図17の左端から中央部に向かって走行すると、起伏部7aの高さが徐々に高くなるのでカッター刃50も持ち上げられ、その分、カッター刃50のカッター溝31への切り込みが浅くなる。このとき、記録材4を切断するカッター刃50の部位は、徐々に先端に向かう方向に移動する。その後、切断装置30が中央部を過ぎて右端に向かって走行すると、起伏部7aの高さが徐々に低くなるのに従って、カッター刃50の位置も下がり、その分、カッター刃50のカッター溝31への切り込みが深くなる。このため、記録材4を切断する部位は、徐々に根元に向かう方向に移動する。
【0062】
図19は、前述のカッター刃50の突出量の切り替え動作と、起伏部7aに沿った走行動作によって、カッター刃50のうちで記録材4を切断する部位がどのように変化するかを示した図である。
【0063】
前述のように、ダイヤル窓47から見えるダイヤル53の数字(矢印48aが指し示す数字)が「1」のときは、カッター刃50が突出する量は最も小さく、カッター刃50のうち最も先端に近い部位で記録材4を切断する。この部位は、図19のポジション1に対応する。同様に、ダイヤルの数字「2」はポジション2に、ダイヤルの数字「3」はポジション3に、ダイヤルの数字「4」はポジション4に、ダイヤルの数字「5」はポジション5に、それぞれ対応する。記録材切断装置30が、起伏部7aに沿って、図17の左から右へ走行すると、前述のようにカッター刃50のカッター溝31への切り込み量が変化するので、同じポジションであっても、切断部位は変化する。
【0064】
例えば、ダイヤル53の数字を「1」に合わせてポジション1の状態にした場合、最初は、ポジション1の範囲で最も高い(根元に近い)ポジション1Hで記録材4を切断する。記録材切断装置30が右に走行すると、切断部位はポジション1Hの中で徐々に下に移動し、起伏部7aの中央部では、ポジション1の範囲で最も低い(先端に近い)ポジション1Lで切断する。その後、更に右に走行すると、切断部位はポジション1Hの中で徐々に上に移動し、起伏部7aの右端部では、再び最も高いポジション1Hで切断する。前述のように、起伏部7aの高低差を約0.8mmとしているので、ポジション1Hとポジション1Lの高低差も約0.8mmとなる。他のポジション2〜5についても同様である。
【0065】
なお、図19では、隣り合う各ポジション同士がまったく重ならないようにしたが、次のような場合は、隣り合うポジション同士が多少重なるようにすることもできる。
【0066】
記録材は、その側端部にカッター刃がほぼ直角にあたる突入時に最も折れ曲がりや座屈が起こり易い。しかし、一旦、カッター刃が記録材にうまく侵入して切断が始まると、カッター刃の切れ味が多少落ちても、その後に記録材の折れ曲がりや座屈が起こることは少ない。したがって、記録材を切断する場合に、最も高い切れ味が必要とされるのは、カッターが記録紙に突入する時点である。
【0067】
このため、図19に示すように、ポジションをカッター刃50の先端から根元に向かう方向に順に切りかえる場合であって、かつ、同じポジション内で根元に近い部位(例えばポジション1では1H)から切断し始めるように設計にすると、隣り合う各ポジション同士が多少重なり合っても、記録材に突入する時点におけるカッター刃の部位は常にそのポジションの範囲内で最も高い切れ味の状態が維持される。このような場合には、隣り合うポジション同士が多少重なるようにすることもできる。
【0068】
このようにすると、カッター刃のうちで切断に使われない部分をほとんどなくすことができるので、カッター刃を有効に使うことができる。しかも、隣り合うポジション同士を重ねることにより、図19に示したポジションの数を増やすこともできるので、カッター刃の寿命をより長く伸ばすことが可能になる。
【0069】
なお、上記では、起伏部7aの形状を、中央が高く、始点側と終点側が低くなるように形成したが、これ以外にも、例えば始点と終点のどちらか一方が高く他方が低い単純なテーパ状にしてもよいし、あるいは始点から終点までの間に何度か高低を繰り返す形状にしてもよい。
【0070】
以上、本発明の実施の一形態について説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、各請求項に記載された発明の要旨の範囲内において、種々の変更が可能であり、それらも当該発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カッター刃が記録材を切断する部位を切りかえる突出量可変手段を設けたことにより、カッター刃の刃面のほぼ全体を有効に使うことができるので、カッター刃の刃面の一部だけを使った場合に比べて、カッター刃の寿命を伸ばすことができる。また、突出量可変手段がカッター刃の切断部位を切り替える方向を、先端部から根元に向かう方向に限ったことにより、何らかの原因で記録材が変形した場合に、ここへカッター刃が侵入することがあっても、カッター刃の未使用部分に記録材が当たることはなく、したがって、カッター刃の本来の寿命を全うするまで使い続けることができる。
【0072】
さらに、カッター刃の現在の突出量を表示する表示手段を設けたことにより、記録材切断装置の使用に慣れていないユーザーがカッター刃の切り替え作業を行う場合でも、確実に次に使うべき部位に切り替えることができ、これにより、未使用部分を残したままカッター刃を交換してしまったり、あるいは既に使った摩滅した部分を再び使ったために記録材の折れ曲がりや座屈が起こってしまうといったミスを確実に防止できる。
【0073】
また、記録材載置部のうちカッター刃の走行方向に沿った部分に起伏面を形成したことにより、カッター刃の切り替え可能なそれぞれの部位について、ある一定の幅を使って記録材を切断することが可能となる。これより、カッター刃の切り替え可能な各部位において、その一点だけで記録材を切断する場合に比べて各部位が磨耗するまでの期間を長くすることができ、結果的にカッター刃全体の寿命を有効に伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である記録材切断装置を備えた画像形成装置(カラープロッタ)の全体を斜め前から見た斜視図である。
【図2】図1のカラープロッタ全体を斜め後ろから見た斜視図である。
【図3】図1、図2に示したカラープロッタを詳しく示した一部切欠斜視図である。
【図4】記録材切断装置を記録材4の搬送方向下流側から見た図(正面図)である。
【図5】記録材切断装置を記録材4の搬送方向下流側から見た図(正面図)である。
【図6】記録材切断装置を記録材4の搬送方向下流側から見た図(正面図)である。
【図7】記録材切断装置を記録材4の搬送方向下流側から見た図(正面図)である。
【図8】記録材切断装置を図4乃至図7の右側から見た側面図である。
【図9】キャリッジと係合するためにホルダの上部に設けられた部材について説明するための正面図である。
【図10】図9に示した記録材切断装置を裏側から見た図である。
【図11】ホルダ内部の構造を説明するために図10に示したホルダの一部を切り欠いて示した図である。
【図12】ホルダから内部ユニットを取り出して示した図である。
【図13】ホルダから内部ユニットを取り出して示した図である。
【図14】ホルダから内部ユニットを取り出し、円盤状のダイヤルを厚み方向の中央部で表裏の面と平行に断面した状態を示した図である。
【図15】ホルダから内部ユニットを取り出してダイヤルを取り外し、かつ、ブレードスライダ51の一部を切り欠いた状態を示した図である。
【図16】ダイヤルの裏側を示した図である。
【図17】プロッタのプラテンを、図3の下流側から見た状態を示した図である。
【図18】図17に示したプラテンをX−Xで切った断面図である。
【図19】カッター刃の突出量の切り替え動作と起伏部に沿った走行動作によって、カッター刃の記録材切断部位がどのように変化するかを示した図である。
【符号の説明】
1…カラープロッタ, 4…記録材, 7…プラテン, 20…案内レール,21…キャリッジ, 22…ヘッドホルダ, 23…印字ヘッド, 30…記録材切断装置, 31…カッター溝, 40…カッタースライダ, 40a…フック部材, 41…バネ, 42…ガイドコロ, 43…ホルダ, 44…押さえ部材, 45…ガイドリブ, 50…カッター刃, 51…ブレードスライダ, 52…板バネ, 53…ダイヤル, 60…フック解除板, 60a…フック解除リブ

Claims (5)

  1. 画像形成装置の記録材載置部に載置されて搬送される記録材を、記録材搬送方向と垂直な方向にカッター刃を走行させて切断する記録材切断装置において、
    単独のカッター刃又は保持手段に保持されたカッター刃と、
    前記カッター刃又は保持手段とは別体とされ、前記カッター刃又は保持手段を前記記録材載置部に向かう方向に移動可能に収容する収容手段と、
    前記カッター刃又は保持手段及び前記収容手段を、前記記録材載置部に向かう方向に弾性的に付勢する付勢手段と、
    前記記録材載置部のうちカッター刃の走行方向に沿った部分に形成された、上面に起伏を有する起伏面と、
    前記収容手段に設けられ、切断動作時には前記起伏面との間に記録材を挟んだ状態で前記付勢手段の付勢力を弾性的に受けとめて記録材を押さえる押さえ手段と、
    前記カッター刃が、前記記録材載置部に向かう方向において前記収容手段から突出する量(突出量)を段階的に変える突出量可変手段と、
    切断動作時に前記収容手段を、前記付勢手段及び前記突出量可変手段とともに、前記記録材載置部と平行かつ前記記録材搬送方向と垂直な方向に移動させる走行手段と、
    具備し、
    前記突出量可変手段が段階的に変える一段階分の突出量は、前記起伏面に沿って走行する前記カッター刃が前記記録材載置部に載置された記録材を切断する際に前記起伏面の高低差によって切断に使用される前記カッター刃の部位の幅より大きいことを特徴とする記録材切断装置。
  2. 前記起伏面は、記録材への突入から切断完了までの間にカッター刃が通過する範囲のうち、記録材への突入時点において最もカッター刃が記録材へ深く切り込むよう形成されているものである請求項1記載の記録材切断装置。
  3. 前記突出量可変手段は、突出量を変える方向が突出量の増える方向に制限されており、かつ、現在の突出量を表示する表示手段を有しているものである請求項1又は2のうちいずれか一項記載の記録材切断装置。
  4. 前記突出量可変手段は、
    前記カッター刃又は保持手段を前記収容手段に対し、前記記録材載置部に向かう方向とは反対の方向に付勢する第二の付勢手段と、
    前記カッター刃又は保持手段と前記収容手段との間にあって前記第二の付勢手段の付勢力を受けとめるとともに、前記記録材載置部に向かう方向における前記カッター刃又は保持手段と前記収容手段との相対位置を段階的に切り替える切り替え手段と、
    からなるものである請求項1、2又は3のうちいずれか一項記載の記録材切断装置。
  5. 前記切り替え手段は円盤状の部材からなり、その周囲には前記突出量に対応した数字が記載されており、かつ、その回転方向が、前記突出量が増える方向に応じて、時計方向又は反時計方向のいずれかに制限されているものである請求項4記載の記録材切断装置。
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